JPH10216139A - 吸引および脱臭機能付き医療用外科装置 - Google Patents

吸引および脱臭機能付き医療用外科装置

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JPH10216139A
JPH10216139A JP9025257A JP2525797A JPH10216139A JP H10216139 A JPH10216139 A JP H10216139A JP 9025257 A JP9025257 A JP 9025257A JP 2525797 A JP2525797 A JP 2525797A JP H10216139 A JPH10216139 A JP H10216139A
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JP
Japan
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gas
ozone
surgical
surgical apparatus
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JP9025257A
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English (en)
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Teruyuki Matsui
照幸 松井
Yasuhiro Sugiura
康博 杉浦
Setsuya Mitsuishi
節也 三石
Masayoshi Uchida
昌義 内田
Takao Koyakata
貴雄 古舘
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Asyst Japan Inc
Original Assignee
Asyst Japan Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体組織に外科処置を施す際の不快臭を解消
し、清潔で快適な作業環境を維持し得る手段を設けた医
療用外科装置を提供すること。 【解決手段】 上記課題を解決する本発明の吸引および
脱臭機能付き医療用外科装置は、患部からの臭気の発生
を伴う外科処置によって患部から発生した臭気を含むガ
スを当該患部の近傍から当該医療用外科装置本体10に
回収するためのガス吸引手段と、当該ガス吸引手段によ
って回収されたガスから臭気を除去するための脱臭手段
とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体組織に外科処置
を施すための医療用外科装置に関し、詳しくは、外科処
置の際に生体組織から発生する臭気を処理する機構を備
えた医療用外科装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、電気メス(電気手術器)、レーザ
ーメス(レーザー手術装置)、マイクロ波患部凝固装
置、アーク放電に基づく凝固装置等の医療用外科装置が
外科医療分野に広く普及している。このような医療用外
科装置は、典型的には高周波高電圧を発生する電源部や
患部への作用電力値等をコントロールする制御部等を備
える装置本体と、当該装置本体から供給された電気エネ
ルギーやレーザー光等を生体組織(患部)に付与するた
めのハンドピースとから構成されている。従来の医療用
外科装置の構成および構造は、例えば特表平6−505
644号公報や特公平7−34805号公報に開示され
ている。
【0003】ところで、生体組織に電磁エネルギー(放
電、レーザー光、超音波によるエネルギーを含む。以下
同じ。)あるいはその他の物理的エネルギーを作用させ
て患部の切開あるいは凝固等を行う外科処置では、付与
されたエネルギーによって患部に熱が生じることとな
り、ひいては当該熱によって患部における蛋白質等の有
機成分の炭化、蒸発および/または気化が生じる。この
ため、このような外科処置の最中には当該患部の炭化、
蒸発および/または気化に伴う臭気および煙が発生する
こととなる。そして、このような臭気や煙が外科処置現
場に漂うことは、当該処置に携わっている医師等(以下
「作業者」という。)に不快感を起こさせてその作業効
率を低下させるばかりでなく、作業環境衛生面の観点か
らも好ましいことではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
医療用外科装置においては、患部から発生した臭気およ
び煙を作業領域(患部近傍)から積極的に取り除き、処
理する機構が備えられておらず、手術室内の換気等によ
って消極的に対処されてきたにすぎない。本発明は生体
組織(患部)からの臭気の発生を伴う外科処置における
上記問題点を解決するものであり、その目的とするとこ
ろは、当該外科処置時における不快臭を解消し、清潔で
快適な作業環境を維持し得る手段を設けた医療用外科装
置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題点を解決
するために、本発明においては、生体組織からの臭気の
発生を伴う外科処置を施すための医療用外科装置であっ
て、当該外科処置によって患部から発生した臭気を含む
ガスを、当該患部の近傍から当該医療用外科装置本体に
回収するためのガス吸引手段と、当該ガス吸引手段によ
って回収されたガスから臭気を除去するための脱臭手段
とを備えたことを特徴とする吸引および脱臭機能付き医
療用外科装置(以下「本発明の第一の外科装置」とい
う。)を提供する。本明細書において「生体組織からの
臭気の発生を伴う外科処置」とは、種々のエネルギーを
直接的または間接的に利用して患部の切開あるいは凝固
等を行う外科的処置の総称であり、特定の処置形態に限
るものではない。典型的には、電磁エネルギーを利用す
るいわゆる電気外科的処置(電気手術、レーザー手術、
超音波手術、マイクロ波治療、不活性ガス流中のアーク
放電に基づく患部凝固処置等を包含する)であるがこれ
らに限定されない。
【0006】本発明の第一の外科装置においては、生体
組織からの臭気の発生を伴う外科処置(以下「臭気発生
外科処置」と略称する。)の最中に患部から発生する臭
気を含むガスを上記ガス吸引手段によって装置本体に回
収することができると共に、当該回収されたガスに含ま
れている臭気を当該装置本体内において除去することが
できる。このため、本発明の第一の外科装置によれば、
臭気発生外科処置時に患部周辺に不快な臭気が漂うこと
がなく、清潔で快適な作業環境を提供することができ
る。
【0007】さらに本発明は、本発明の第一の外科装置
において、上記脱臭手段が、オゾン発生器と、当該オゾ
ン発生器において生成されたオゾンと上記回収されたガ
スとが混合されるガス通路とから構成されており、ここ
で上記回収されたガスからの臭気の除去が、オゾンの酸
化作用に基づいて実現されることを特徴とする吸引およ
び脱臭機能付き医療用外科装置(以下「本発明の第二の
外科装置」という。)を提供する。本発明の第二の外科
装置では、上記構成の結果、オゾン発生器においてオゾ
ンが生成されると共に脱臭手段に設けられたガス通路に
おいて当該生成されたオゾンとガス吸引手段によって回
収された臭気含有ガスとが混合される。このため、本発
明の第二の外科装置によれば、オゾンの酸化作用に基づ
いて本外科装置本体に回収した上記ガスから臭気を除去
することができる。なお、本明細書において上記「混合
される」とは、オゾンと上記臭気含有ガスとが結果とし
て上記ガス通路内において混合されることを意図した用
語法であり、オゾン発生源が当該ガス通路自体であるか
他の別途設けられたオゾン発生管であるかを区別するも
のではない。
【0008】さらにまた本発明は、本発明の第二の外科
装置において、上記生成されたオゾンを分解処理するオ
ゾン分解手段を当該装置本体に備えていることを特徴と
する吸引および脱臭機能付き医療用外科装置(以下「本
発明の第三の外科装置」という。)を提供する。本発明
の第三の外科装置では、オゾン分解手段によって上記生
成されたオゾンを分解処理することができるため、高濃
度のオゾンガスが本外科装置本体から外部に放出される
ことがない。このため、本発明の第三の外科装置によれ
ば、上記本発明の第二の外科装置と同様、オゾンの酸化
作用に基づいて上記回収したガスから臭気を除去するこ
とができることに加え、オゾン処理装置類を別途用意す
ることなく当該臭気除去に供したオゾンを順次分解処理
することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の外科装置(上記本
発明の第一、第二および第三の外科装置を包含する。以
下同じ。)の好適な一実施形態を図面を参照しつつ説明
する。図5は本実施形態に係る本発明の外科装置(以下
「本外科装置」と略称する。)のシステム概略図であ
る。本外科装置は、患部に向けて噴射された不活性ガス
流中にアーク放電を生じさせつつ、当該アーク放電に基
づく電磁エネルギーによって血液、組織等の患部を加熱
凝固するためのコアギュレータと呼ばれる電気外科装置
に属するものである。まず、本外科装置全体の概略を説
明する。
【0010】図5に模式的に示すように、本外科装置で
は、不活性ガス供給源14からアルゴンガス等の不活性
ガスをハンドピース12に供給すると共に当該ハンドピ
ース12に配置される電極に高周波高圧電源16から高
周波高電圧を印加することによって、当該ハンドピース
12先端部のガス噴出口48から噴射される不活性ガス
流中にアーク放電を生じさせ、そのアーク放電に基づく
電磁エネルギーによって患部組織を凝固させることがで
きる。
【0011】さらに、本外科装置では、図5に示すよう
に、上記ガス吸引手段としての吸引ポンプ24を備えた
管状のガス通路29と当該ガス通路29に組み込まれた
オゾン発生器26とが設けられている。このため、ハン
ドピース12に設けられた後述のガス吸入口47から臭
気を含むガスを装置本体のガス通路29に吸引・回収す
ることができることに加え、後述するように、上記オゾ
ン発生器26において生成したオゾンの酸化作用に基づ
いて当該ガス通路29内のガスから臭気を取り除くこと
ができる。このとき、本外科装置においては、オゾン発
生器26に上記高周波高圧電源16から電力が供給され
るため、別途高圧電源を用意する必要がない。
【0012】さらに、本外科装置本体には上記オゾン分
解手段としてオゾンを分解処理し得る溶媒を含有する処
理槽28がガス通路29に連通して備えられている。従
って、本外科装置によれば、生成したオゾンを当該処理
槽28において分解処理することができ、オゾンが大気
中にそのまま放出されるのを防止することができる。以
下、本外科装置を詳細に説明する。
【0013】図1は本外科装置の全体構成を模式的に示
した概略斜視図である。図2は本外科装置に係るハンド
ピース12の先端部を示した斜視図である。図1に示す
ように、本外科装置は大まかにいって卓上据置型の外科
装置本体10と当該外科装置本体10に接続されるハン
ドピース12とから構成されている。本外科装置におけ
るハンドピース12は、六角形ペンシル状に成形されて
おり、アーク放電を生じさせて患部を加熱凝固するため
の作用部を形成する中心構造部分46と当該中心構造部
分46を収容・支持し、作業者が把持し得る合成樹脂製
のハウジング42とから構成されている。図1に示すよ
うに、本ハンドピース12はケーブル21およびコネク
タ21aを介して外科装置本体10と電気的に接続され
ており、さらに、後述するガス送出管22および上記ガ
ス吸引手段の一構成要素であるガス吸引管23によって
外科装置本体10に接続されている。
【0014】次に、本ハンドピース12の内部構造につ
いて説明する。図3は本ハンドピース12先端部の縦断
面図である。図3に示すように、本ハンドピース12の
中心構造部分46において、送気管52が上記ガス送出
管22(図1)に連通して形成されている。この送気管
52は本外科装置本体10に備えられた後述するガス流
量調整器15およびガス送出管22を介して本ハンドピ
ース12に供給された不活性ガス(アルゴンガス等)を
ハンドピース12先端部に送るための管である。そし
て、ハンドピース12の先端部に送られた不活性ガス
は、当該先端に設けられたガス噴出口48から外部に噴
射される(図3中の矢印参照)。ここで、送気管52の
内部には上記ケーブル21が引き込まれており、その先
端部には針状電極49が取り付けられている。この構成
によって、ケーブル21を介して針状電極49に高周波
高電圧を印加した際、ガス噴出口48から噴射される不
活性ガス流中にアーク放電を生じさせることができる。
そして、生じたアーク放電によってガス噴出口48から
噴射される不活性ガスがプラズマ化され、当該プラズマ
化されたガスと共に患部に到達したアーク放電に基づく
電磁エネルギーによって当該患部組織の凝固が成され
る。
【0015】一方、図1に示すように、本ハンドピース
12のハウジング42の一部には、従来の電気外科用ハ
ンドピース同様に、押しボタン式スイッチ44およびプ
リント基板(図示せず)を配したスイッチ機構が備えら
れている。これによって、作業者は、臭気発生外科処置
の最中に当該スイッチ44を指で操作することによっ
て、本外科装置本体10からハンドピース12の針状電
極49への電力出力のオン/オフ制御を行なうことがで
きる。
【0016】さらに、図2および図3に示すように、本
ハンドピース12には上記ガス吸引手段の構成要素であ
るガス吸入口47と上記ガス吸引管23に連通する吸気
管50とが形成されている。このため、本ハンドピース
12においては、本外科装置本体10に装備されている
後述の吸引ポンプ24を作動させることによって、本ハ
ンドピース12先端周辺に漂う臭気を帯びたガスを上記
ガス吸入口47から吸引し(図3中の矢印参照)、次い
で吸引したガスを吸気管50およびガス吸引管23を介
して本外科装置本体10内に回収することができる。
【0017】次に、本外科装置本体10の構成について
説明する。図4は本外科装置本体10の内部構成を模式
的に示すブロック図である。図4に模式的に示すよう
に、本外科装置本体10には、従来のコアギュレータと
同様のハンドピース12に不活性ガスを一定の圧力で供
給するためのガス流量調整器15、高周波アンプや昇圧
トランスを備えた高周波高圧電源16および本外科装置
の動作を制御するための制御部18が備えられている。
さらに、本発明の上記ガス吸引手段、脱臭手段、および
オゾン分解手段に各々相当する、吸引ポンプ24、オゾ
ン発生器26、および処理槽28が備えられている。
【0018】制御部18は、本外科装置本体10の表面
に設置された操作パネル20(図1参照)上の作用電力
値設定スイッチやガス流量調節つまみ等から入力した操
作信号あるいは本ハンドピース12に設けられた上記ス
イッチ機構から受信した信号に基づいて、高周波高圧電
源16から本ハンドピース12に供給する電力出力値や
不活性ガス供給量を制御するものである。本制御部18
は、典型的にはCPU(プロセッサ)を中心としてRO
M、RAM、入力処理回路、出力処理回路およびガス流
量制御回路等から構成されている。なお、本制御部18
は従来の医療用外科装置で通常使用され得るものであれ
ばよく、本発明を特徴付けるものではないため、詳細な
説明は省略する。
【0019】本外科装置本体10に備えられた上記ガス
流量調整器15はアルゴンガス等の不活性ガスをハンド
ピース12に一定量供給するためのバルブである。すな
わち、図1および図4に示すように、このガス流量調整
器15はガス管14aを介して外部の不活性ガス供給源
(ここではアルゴンガスボンベと圧力レギュレータとを
含む。以下同じ。)14に接続されると共に、ジョイン
ト部22aを介して上記ガス送出管22に連通してい
る。また、このガス流量調整器15は上記制御部18と
電気的に接続されており、当該制御部18からの作動信
号に基づいてその作動が制御される。このため、所定流
量の不活性ガス(ここではアルゴンガス。以下同じ。)
をハンドピース12に送出することができる。
【0020】図4および図5に示すように、本外科装置
本体10には上記吸引ポンプ24を備えたガス通路29
が設けられており、ジョイント部23aを介して上記ガ
ス吸引管23に連通している。この吸引ポンプ24は上
記制御部18と電気的に接続されており、当該制御部1
8からの作動信号に基づいてその作動が制御される。こ
の吸引ポンプ24を作動させることによって、ハンドピ
ース12に設けられた上記ガス吸入口47から吸い込ん
だガスを吸気管50およびガス吸引管23を介して本外
科装置本体10のガス通路29に吸引・回収することが
できる。
【0021】一方、図4および図5に示すように、吸引
ポンプ24の後方にあたるガス通路29の一部にはオゾ
ン発生器26が組み込まれている。本実施形態に係るオ
ゾン発生器26は、いわゆる無声放電によって空気中の
酸素からオゾンを生成するオゾナイザである。図6にオ
ゾナイザによるオゾン発生機構を模式的に示す。すなわ
ち、本図に示すように、酸素を含むガスと誘電体(ガラ
ス、セラミック等の固体絶縁体)26cとを一対の電極
26a,26b間に直列状態に配し、高周波高圧電源1
6から一方の電極26aに交流高電圧を印加することに
よって電極26a,26b間に無声放電が生じる。そし
て、この放電作用によって電極26a,26b間に存在
する酸素からオゾンが生成される。
【0022】本外科装置本体10におけるオゾン発生器
26は、上記オゾン発生機構に基づく一般的なオゾナイ
ザと同様の様式で構築されている。すなわち、本実施形
態に係るオゾン発生器26は、図6に示すオゾン発生機
構に則り、ガス通路29の一部にガラス製内管(図示せ
ず)を配置すると共に当該ガラス製内管の内側には高周
波高圧電源16に接続された一方の電極を配置してい
る。それと同時に、対応するガス通路29の内壁部分に
は、他方の電極を配置しており、当該ガラス製内管に配
置された電極に高周波高圧電源16から高電圧を印加す
ることによって上記二つの電極に挟まれたガス通路29
内に無声放電を生じさせることができる。このことによ
って、当該ガス通路29内に存在する酸素からオゾンが
生成される。すなわち、本外科装置においては、上記構
成の結果、ハンドピース12から外科装置本体10のガ
ス通路29内に吸引、回収された臭気を含むガス中に無
声放電を起こし、当該ガス中にオゾンが発生し、当該ガ
スとオゾンとが混合される。その結果、ガス中に混合さ
れたオゾンの酸化作用に基づいて当該ガス中の臭気成分
が酸化される。
【0023】さらに、図4および図5に示すように、本
外科装置においては、オゾン発生器26の後方にあたる
ガス通路29の一部において、上記処理槽28が備えら
れている。この処理槽28には、オゾンの酸化作用に基
づく脱臭を促進・増大させるためのオゾン分解物質およ
び臭気成分吸着物質からなる反応触媒(以下「脱臭作用
促進触媒」という。)を含む溶媒が予め注入されてお
り、本外科装置における脱臭処理効率を高めている。す
なわち、本実施形態に係る処理槽28は、典型的には二
酸化マンガン(MnO2 )および二酸化チタン(TiO
2 )からなる上記脱臭作用促進触媒を含む溶媒を含有
し、上記オゾン発生器26を経てガス通路29内を移動
してきたオゾン含有ガスが当該槽内に導入可能なように
外科装置本体10内に配置されている。このため、本処
理槽28内に導入されたオゾン含有ガスと当該処理槽2
8中の上記脱臭作用促進触媒(特にMnO2 )とが接触
することによってオゾン(O3 )の酸素分子(O2 )お
よびラジカル酸素(O)への分解を促進し、同時に、当
該ガス中に存在する臭気成分を当該触媒(特にTi
2 )に吸着させることができる。その結果、処理槽2
8中の上記脱臭作用促進触媒に吸着された臭気成分は、
当該触媒のオゾン分解作用によって生成したラジカル酸
素によって速やかに酸化、脱臭される。
【0024】以上のとおり、本外科装置においては、本
処理槽28を設けることによって、ハンドピース12か
ら本外科装置本体10に吸引・回収した臭気含有ガスと
生成したオゾンおよび当該オゾン由来のラジカル酸素と
の接触効率を高めることができる。このため、オゾンの
酸化反応に基づく脱臭処理効率を高めることができる。
ところで、上述の上記処理槽28における脱臭処理は同
時に生成したオゾンの分解処理に相当するものである。
従って、本外科装置においては、上記処理槽28にオゾ
ンを含むガスを通過させることによって、オゾンが分解
されずにそのまま大気中に放出されることを防止するこ
とができる。なお、脱臭処理され、オゾンも分解処理さ
れた後のガスは、上記ガス通路29に連通して本外科装
置本体10側部に設けられた排気口25(図1)から大
気中に放出される。
【0025】次に、上述の各機構からなる本外科装置を
用いて臭気発生外科処置(すなわち、アーク放電に基づ
く患部の凝固処理)を行う際の当該装置の一作動態様に
ついて説明する。先ず、本外科装置本体10表面に設置
された操作パネル20上に設けられたメインスイッチ
(図示せず)をオンすることによって、本外科装置本体
10に電力が供給される。次いで、ハンドピース12を
把持した作業者が、当該ハンドピース12のハウジング
42に装備されたスイッチ44をオンすることによっ
て、制御部18からの作動信号が本外科装置本体10に
備えられたガス流量調整器15および高周波高圧電源1
6に送信される(図4参照)。
【0026】このことによって、ガス流量調整器15が
作動し、上記ガス供給源14からガス流量調整器15お
よびガス送出管22を介して本ハンドピース12に不活
性ガスが供給される。供給された不活性ガスはハンドピ
ース12先端部のガス噴出口48から噴出される。同時
に、高周波高圧電源16からケーブル21を介してハン
ドピース12先端部の針状電極49に所定の高周波高電
圧が印加され、上記ガス噴出口48から噴出される不活
性ガス流中にアーク放電を生じさせる。その結果、当該
ガスはプラズマ化される。このため、作業者が本ハンド
ピース12を操作し、当該プラズマ化ガスを目的とする
患部に照射することによって、当該患部の凝固処理を行
うことができる。このとき、制御部18からの作動信号
によって上記吸引ポンプ24も同時に作動しており、凝
固処理中の患部から発生する臭気を伴うガスをハンドピ
ース12先端部の上記ガス吸入口47から吸引し、ガス
吸引管23を経て本外科装置本体10に回収することが
できる。
【0027】一方、上記針状電極49に高周波高電圧が
印加されるのと同時に、制御部18からの作動信号によ
って、上記オゾン発生器26における上記ガラス製内管
に配置した電極にも高周波高電圧の印加が開始される。
このため、上述のとおり、上記ガス通路29に配置した
他方の電極との間に無声放電を生じさせることができ、
ガス通路29内の当該箇所を通過する上記臭気を含むガ
ス中にオゾンが生成される。そして、生成されたオゾン
の酸化作用によって当該ガスからの臭気除去が開始され
る。
【0028】次いで、オゾン含有ガスはガス通路29を
移動して上記処理槽28に導入され、上述のとおり、当
該処理槽28に含有される上記脱臭作用促進触媒との接
触反応によって脱臭処理され、同時に当該ガス中のオゾ
ンも分解される。その後、処理を終えたガスは、本外科
装置本体10側部に設けた排気口25から大気中に放出
される(図4および図5参照)。そして、患部の凝固処
理を終えた作業者がハンドピース12上の上記スイッチ
44をオフすることによって、制御部18からの信号に
基づいて上記針状電極49およびオゾン発生器26への
作用電力の供給が中止される。同時に、ガス流量調整器
15および吸引ポンプ24が停止し、ハンドピース12
先端への不活性ガスの供給および当該ハンドピース12
先端からのガス吸引が終了する。そして、最後に操作パ
ネル20上のメインスイッチをオフすることで、本外科
装置本体10への電力供給も終了する。
【0029】以上のとおり、本外科装置によって患部を
凝固処置する際には、患部から発生するガスを作業領域
から吸引・回収することができることに加え、本外科装
置本体10に設けられたオゾン発生器26で生成したオ
ゾンの酸化作用に基づいて当該回収したガスの脱臭処理
を容易に行うことができる。さらに、本外科装置には、
オゾン分解手段としても機能する脱臭作用促進触媒を含
む溶媒が注入された処理槽28が内蔵されているため、
当該生成されたオゾンが装置外部に放出されることを防
止することができる。また、上記のとおり、本外科装置
においては、装置本体に配置された一つの高周波高圧電
源16によって針状電極49およびオゾン発生器26の
両方に電力を供給することができる。このため、オゾン
発生器26専用の高圧電源を別途用意する必要がなく、
装置本体の小型化およびコストダウンを図ることができ
る。また、本外科装置は上記脱臭手段においてオゾンの
酸化作用を利用している。このため、上記吸引・回収し
たガスの脱臭に加え、当該ガスの滅菌処理(ウイルスの
不活化を含む)を同時に行うことが可能である。
【0030】以上、本発明の外科装置の好適な一実施形
態を図面を参照しつつ説明したが、本発明の外科装置が
これに限定されることを意図したものではない。例え
ば、上記実施形態に係る本発明の外科装置のオゾン発生
器26におけるオゾン生成効率を高めるための種々の装
置、例えばガス通路29内に吸引・回収した臭気含有ガ
スを除湿するための除湿装置やオゾン発生部位を冷却す
るための冷却装置を当該装置本体内に適宜設けてもよ
い。
【0031】また、本発明の第一の外科装置としては、
患部から発生した臭気を含むガスを患部の近傍から装置
本体に回収するためのガス吸引手段と当該ガス吸引手段
によって回収されたガスから臭気を除去するための脱臭
手段とを備えたものであればよく、上記実施形態に係る
外科装置に備えられたものと同一の形状に限定されな
い。例えば、上記一実施形態においては一のハンドピー
ス12にコアギュレータとしての作用部位(即ち針状電
極49およびガス噴出口48)と上記ガス吸引手段に関
するガス吸入口47および吸気管50とを併設している
が、これに限らず、ガス吸入口および吸気管50のみを
設けたハンドピースを別途設けてもよい。
【0032】また、上記実施形態においては上記脱臭手
段として無声放電に基づくオゾン発生器(オゾナイザ)
を備えているが、オゾン発生器の形態はこれに限定され
るものではなく、例えば、光化学法あるいは電解法に基
づくものでもよい。あるいは、本発明における脱臭手段
は、オゾンの酸化作用に基づくものに限らず、例えば、
酸化剤として塩素系薬剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)
を含有する槽またはフィルタに上記臭気を含むガスを導
入し、当該薬剤の酸化作用によってガスの臭気を取り除
く手段によってもよい。また、本発明におけるオゾン分
解手段として、炭素−炭素二重結合を含む有機溶媒をオ
ゾンと反応させてオゾニド(中間体)とし、これを酸化
または還元的に分解させてカルボニル化合物(ケトン、
アルデヒド等)にすることを特徴とするオゾン分解処理
装置を外科装置本体に別途設けてもよい。なお、上述の
一実施形態は本発明をコアギュレータに適用したもので
あるが、これに限らず、本発明を特定する事項に特に関
連のない仕様変更によって、他の医療用外科装置、典型
的には電気メス装置(電気手術器)、レーザーメス装置
(レーザー手術装置)、マイクロ波患部凝固装置、超音
波メス装置等を包含する電磁エネルギーを利用した電気
外科装置に好適に適用し得る。これらは、本明細書およ
び図面における開示情報に基づく当業者の設計事項にす
ぎないものであり、本発明を逸脱するものではない。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、臭気発生外科処置時に
おける不快臭を解消し、清潔で快適な作業環境を維持し
得る医療用外科装置を提供することができる。本発明の
第一の外科装置では、臭気発生外科処置の最中に患部か
ら発生する臭気を含むガスを上記ガス吸引手段によって
装置本体に回収することができると共に、当該回収され
たガスに含まれている臭気を当該装置本体内において除
去することができる。従って、本発明の第一の外科装置
によれば、臭気発生外科処置時に患部周辺に不快な臭気
が漂うことがなく、作業者は清潔で快適な作業環境で臭
気発生外科処置を行うことができる。
【0034】また、本発明の第二の外科装置では、装置
本体に装備されたオゾン発生器においてオゾンが生成さ
れると共に装置本体のガス通路において当該生成された
オゾンと上記ガス吸収手段によって回収されたガスとを
混合、接触させることができる。従って、本発明の第二
の外科装置によれば、オゾンの酸化作用に基づいて装置
本体に回収した上記ガスから臭気を除去することができ
る。さらに、本発明の第三の外科装置では、装置本体に
装備されたオゾン分解手段によって上記生成されたオゾ
ンを分解処理することができるため、高濃度のオゾンガ
スが本外科装置本体から外部に放出されることがない。
従って、本発明の第三の外科装置によれば、上記本発明
の第二の外科装置と同様、オゾンの酸化作用に基づいて
上記回収したガスから臭気を除去することができること
に加え、オゾン処理装置類を別途用意することなく当該
臭気除去に供したオゾンを速やかに分解処理することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における医療用外科装置の
全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における医療用外科装置の
ハンドピース先端部の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における医療用外科装置の
ハンドピース先端部の縦断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における医療用外科装置本
体の内部構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態における医療用外科装置の
システム概略図である。
【図6】無声放電によるオゾン発生を示す模式図であ
る。
【符号の説明】 10 外科装置本体 12 ハンドピース 16 高周波高圧電源 26 オゾン発生器 28 処理槽 29 ガス通路 47 ガス吸入口 48 ガス噴出口 49 針状電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 昌義 愛知県尾西市北今字定納28番地 株式会社 メックス内 (72)発明者 古舘 貴雄 愛知県尾西市北今字定納28番地 株式会社 メックス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体組織からの臭気の発生を伴う外科処
    置を施すための医療用外科装置であって、 該外科処置によって患部から発生した臭気を含むガス
    を、該患部の近傍から該医療用外科装置本体に回収する
    ためのガス吸引手段と、 該ガス吸引手段によって回収されたガスから臭気を除去
    するための脱臭手段とを備えたことを特徴とする吸引お
    よび脱臭機能付き医療用外科装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の医療用外科装置におい
    て、 前記脱臭手段が、オゾン発生器と、 該オゾン発生器において生成されたオゾンと前記回収さ
    れたガスとが混合されるガス通路とから構成されてお
    り、 ここで前記回収されたガスからの臭気の除去が、オゾン
    の酸化作用に基づいて実現されることを特徴とする医療
    用外科装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の医療用外科装置におい
    て、 前記生成されたオゾンを分解処理するオゾン分解手段を
    該装置本体に備えていることを特徴とする医療用外科装
    置。
JP9025257A 1997-02-07 1997-02-07 吸引および脱臭機能付き医療用外科装置 Pending JPH10216139A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002000615A (ja) * 2000-06-19 2002-01-08 Olympus Optical Co Ltd 鼻腔粘膜凝固焼灼装置
JP2010512214A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 メディカル・デバイス・イノベーションズ・リミテッド 電気手術用切除装置および生物組織切除方法

Cited By (3)

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