JP2010512214A - 電気手術用切除装置および生物組織切除方法 - Google Patents

電気手術用切除装置および生物組織切除方法 Download PDF

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Abstract

マイクロ波照射(たとえば、周波数500MHz〜60GHz)を用いた、生物組織治療用の携帯型電気手術システム(100)が開示される。システムは、治療用マイクロ波信号(連続的でも、変調されたものでもよい)を生成および増幅するとともに、マイクロ波を照射するための治療アンテナ(116)含む、携帯型マイクロ波サブアセンブリ(102)を備える。サブアセンブリ(102)内のダイオード検出器(120,122)は、正味の照射出力を決定するために、進行波電力および反射波電力のレベルを検出する。ダイナミック・インピーダンス・マッチング・システムは、サブアセンブリ(102)内の増幅器(110,112)によって発生されたエネルギが、生物組織負荷に合致するように設けられる。そして、マイクロ波信号から、信号の振幅および位相情報を抽出するための同調フィルタ(144)および結合器(146,148,150,152)が、サブアセンブリ内に設けられる。

Description

発明の分野
本発明は、生物組織治療における、マイクロ波照射を用いた装置および方法に関する。
発明の背景
14GHzから15GHzの間の周波数を有するマイクロ波エネルギは、生物組織の制御された切除をすることができる。これらの周波数においては、照射の浸透深さが制限される点で有利である。
国際公開WO2004/047659号パンフレットおよび国際公開WO2005/115235号パンフレットは、マイクロ波照射を用いた組織の切除、および組織タイプおよび/または状態に関する情報の測定の両方を行なうための装置および方法について開示する。これらの文献は、エネルギ源と組織との間におけるダイナミック・インピーダンス・マッチングの実施の利点について開示する。
これらの文献では、無線周波数(RF)のおよび低周波数のマイクロ波治療システムを用いることの欠点について述べられている。このようなシステムにおいては、主なエネルギ伝達メカニズムは熱伝導であり、浸透深さ(ここでは、エネルギ源の出力が最大値の37%に減少したときに、エネルギが到達する距離として定義される)は、目標とする組織の温度が要求する値まで昇温され得る前に、組織の大部分が温められてしまうようなものである。
発明の概要
本発明は、望ましくは国際公開WO2004/047659号パンフレットおよび国際公開WO2005/115235号パンフレットに開示されたシステムを基礎とする。一般的に言えば、本発明は、望ましい浸透深さを有する制御された切除を行うためのマイクロ波周波数において生成されたエネルギを伝達する携帯型の装置を提供し、このマイクロ波の照射によって、たとえば、細絡(thread vein)、いぼ、軟性線維腫やあざなどの、小さな組織構造に関する状態の治療を効果的に行なうことができる。この装置は、治療部位へのアクセスが困難な場合や、扱いにくい(不適当な)治療状態における使用に適している。たとえば、可能性のある適用例としては、車両事故の負傷者治療や、戦場での負傷者治療、通常の外科手術における過度の出血を防止するための止血処置、動物の過度の出血を防止するための獣医による使用などが含まれる。
大電圧(mains voltage)の供給を必要としないシステムの使用による創傷出血の停止ができることは、特に、戦傷や事故での負傷による出血が生死にかかわるような場合における、救急救命士や軍医による手術に好適である。高周波マイクロ波エネルギを生成できるとともに、持ち運びが容易であることを兼ね備えたシステムは、高周波マイクロ波エネルギが効果的に焼灼、凝固または切除ができる温度まで組織を瞬時に熱することができるので、特に好都合である。高周波マイクロ波エネルギの使用によって、エネルギが、熱伝導よりもむしろ非電離照射によって伝達されるので、その効果は実質的には瞬間的である。
本発明における携帯性についての他の利点としては、国際公開WO2004/0476
59号パンフレットおよび国際公開WO2005/115235号パンフレットに開示された、マイクロ波発生器と治療アンテナとを接続する長いマイクロ波ケーブルアセンブリが不要なことである。長いマイクロ波ケーブルアセンブリを不要とすることにより、本発明では、治療対象の組織の近くで測定を行なうことができ、これによって、ケーブルの屈曲に伴う位相および振幅の変動による悪影響を排除することができる。さらに、伝送ケーブル内での損失がないために、マイクロ波発生源によって生成され、ハンドヘルド装置を用いて組織内に伝達される電力の一部を最適化することができる。たとえば、伝送ケーブルに3dBの挿入損失がある場合には、発生源によって生成された電力の半分しか、組織負荷まで到達することができない。
また、本発明の第1の局面によれば、マイクロ波エネルギを用いた生物組織治療装置は、マイクロ波発生器とアンテナとを有するハンドヘルドユニットを含み、マイクロ波発生器は、マイクロ波エネルギをアンテナに伝送し、このアンテナから生物組織を制御的に切除するためにマイクロ波エネルギが照射されるように構成される。ハンドヘルドユニットは、ペンのような形状をしてもよい。このようなペンのような大きさは、マイクロ波発生器をアンテナに近づけて配置できるという利点を維持しつつ、ユーザによるユニットの操作を容易にすることができる。この場合、ユーザとしては以下のような人が対象となる。医療コンサルタントや外科医、一般的な開業医、医師、救急救命士、軍医や獣医などである。
本装置は、2つのユニットを備える。第1のユニットは、上述したハンドヘルドユニットである。ハンドヘルドユニットは、特定の用途のために設計される。たとえば、低出力での細絡治療や靭帯引締め(ligament tightening)、高出力での疼痛管理(神経叢の切除)や創傷治療などである。第2のユニットは制御ユニットであり、電源装置(たとえば、バッテリパックやスイッチング電源のような直流電源装置)、制御回路(たとえば、トランジスタON/OFFシーケンス回路、および高レベルの反射波電力検出時にマイクロ波発生源の電源を切るためのシャットダウンシステムなど)、およびユーザインターフェイス(たとえば、バーディスプレイ、マイクロスイッチ、LEDなどを含む状態表示)である。2つのユニットは、電力をハンドヘルドユニットへ送る直流電源線(たとえば、ドレイン電源、ゲート−ソース電源など)を含む低周波ケーブルアセンブリと、ハンドヘルドユニットと制御ユニット間で授受される制御信号(たとえば、進行波電力および反射波電力検出器の信号や、増幅ゲイン制御の信号、電力レベル制御の信号など)用の低周波制御線によって接続される。
本発明は、医療で使用される周波数で使用可能な、小型のマイクロ波工学機器によって実現される。また、新しいデバイステクノロジ、たとえば窒化ガリウム(GaN)によって、より高いマイクロ波電力の直流電力効率を実現することができる。本発明は、適当な電気手術用装置を創出するために、これらの構成要素をどのように配置するかを開示する。
好ましくは、マイクロ波発生器は、マイクロ波発生源と、増幅器(たとえば、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)と、サーキュレータと、パワーダンプロード(power dump load)とを含む。マイクロ波発生器の制御は、進行波電力および反射波電力のレベルを検出する検出素子を用いて行なわれる。検出結果は、制御ユニットに対して制御信号として出力される。この制御ユニットは、マイクロ波発生器を制御するように構成される。検出素子は、好ましくはハンドヘルドユニット内に配置されるが、制御ユニット内に配置してもよい。検出素子は、1つ以上のマイクロストリップラインカプラ(または、進行波電力および反射波電力のごく一部を検出するために、マイクロ波サーキュレータの内部に接続された電界プローブ)と、適当なダイオード検出器、(たとえば、トンネルダイオード、ゼロバイアス・ショットキーダイオード、ボルトチャンネル・ショットキーダイ
オード、またはバイアスト゛・ショットキーダイオード)とを含む。あるいは、検出素子は、1つ以上の導波管結合器を含む。導波管結合器を使用する利点は、構造体を通過する際の電力損失(挿入損失)が、マイクロストリップラインカプラを使用する場合よりも通常は低くなることである。適当な導波管結合器の例としては、Hループカプラ('H'-loop coupler)、リブレット−サードカプラ(Riblet-Saad coupler)、べスホールカプラ(Bethe-hole coupler)、およびシュビンガー逆相カプラ(Schwinger reverse phase coupler)などが含まれる。
マイクロ波発生器は、好ましくは、(たとえば、制御ユニットによって制御可能な)変調スイッチおよび減衰ユニットを含み、それぞれ、マイクロ波電力のパルス化および電力レベルの制御を行なう。変調スイッチおよび減衰器は、周波数源の出力と増幅器の入力との間の一連のマイクロ波機器(microwave line-up)に挿入されることが好ましい。ある実施の形態においては、変調スイッチは、単極単投型(SPST:Single Pole Single Throw)PINダイオードスイッチであり、減衰器は、8ビット64dB PINダイオードデジタル減衰器もしくは60dB電圧可変減衰器である。
また、MMIC増幅器、または電力増幅器を形成するために使用される個々のトランジスタへ(たとえば、制御ユニットから)供給されるバイアス電圧は、電力レベルを制御するために変化されてもよい。たとえば、ガリウム・ヒ素(GaAs)電力素子は、素子のチャネルが完全に開放され、素子が飽和状態(ドレイン電流が最大)で駆動している場合に、素子のチャネルがカットオフ(ドレイン電流がゼロ)されることを可能にするであろう範囲に渡って、ゲート−ソース電圧を変化するように使用されてもよい。特定の素子に関連する相互コンダクタンス曲線の形状は、ドレイン電流がゼロと最大値の間での動作に必要となるゲート−ソース電圧の値を決定する。そして、この方法を用いた電力制御のダイナミックレンジは、約15dBとすることができる。この電力制御およびスイッチング(変調)の方法は、物理的に小さなハンドヘルドユニットを実現するために機器数を最小化することが望まれる本発明において、電力レベル制御およびパルス電力動作の実行のために好適である。この電力制御構成に関連するさらなる利点は、ゲート−ソース電圧がチャネルをピンチオフする動作が直流電力をゼロとすることを意味し、これによって、直流過熱が最小化されるとともに、マイクロ波の直流電力効率が最大化されることである。なお、通常のクラスAバイアス回路構成を用いた動作は、マイクロ波エネルギが全く発生されていない場合でも、常に直流ドレイン電流(零入力電流)が流れることを意味しており、ゲート−ソース電圧をカットオフする本方法は、零入力電流をゼロもしくはゼロ近傍まで減少させることを保証するものである。(多少の漏洩電流は流れるかもしれないが、この漏洩電流はマイクロアンペアもしくはナノアンペアのオーダとなるので、大きな影響とはならない。)
マイクロ波発生器が、変調スイッチ(たとえばSPSTスイッチ)および減衰ユニットを含む場合に、SPSTスイッチを実現するために微小電気機械(Micro Electromechanical:MEM)スイッチを用いてもよい。MEM素子を使用する利点は、優れた信頼性と小型であることである。MEM素子の存在は、数十GHzの周波数までの動作を可能とする。
パルスモードにおけるマイクロ波発生器の動作は、また、バッテリの電力消費に関して素子の効率を最適化するとともに、ハンドヘルドユニットが過度に熱くなることを防止する。
マイクロ波電力の直流電力効率は、電力増幅器の出力段を形成するために用いられる電力素子にバイアスをかけることによって、標準的なクラスAバイアスの場合よりも最適化される。たとえば、クラスA−B、クラスB、クラスC,クラスD、クラスEまたはクラスFが考えれらる。本発明においては、上記のバイアスのクラスには限定されない。
好ましくは、マイクロ波発生器は、2つの出力モードで動作可能である。高出力モードはアブレーション(切除)に適しており、低出力モードは組織タイプ/状態の測定に適している。低出力モードにおいては、高ゲイン駆動増幅器(たとえば、MMIC)が適している。また、高出力モードにおいては、直列接続された一連の増幅器(もしくは、たとえばマイクロ波電力結合器(たとえば、導波管結合器やマイクロストリップ結合器)を使用して結合された、複数の適当な電力トランジスタ素子)を使用することができる。
本発明の実施例に有効と考えられるマイクロ波周波数のレンジは、500MHzから60GHzである。また、本発明の実施例として有効と認められた具体的な周波数レンジは、以下に示す2.4−2.45GHz、5.725−5.875GHz、14−15GHz、24−24.25GHzであった。さらに具体的には、2.45GHz、5.8GHz、14.5GHz、および24GHzのスポット周波数が提案される。915MHzおよび60GHz付近の周波数もまた、ここで特定する将来の医療用途のために考慮される。
周波数の選択は、治療対象の組織、実施される特定の手法、およびその選択された周波数において十分なマイクロ波エネルギが生成できるかどうかによって決まる。半導体電力技術の進歩によって、上記に挙げた周波数において、制御された所望の熱的損傷および浸透深さを得るために必要とされるレベルのマイクロ波電力を生成することが可能となる。
生物組織内部でのマイクロ波エネルギの浸透深さは、周波数と組織の誘電特性との関数であることが知られており、したがって、微細構造を治療しつつ付随的な損傷の量を最小にすることが必要とされる場合には、より高い周波数帯域(たとえば、上述のレンジ)のマイクロ波周波数を使用することが望ましい。一方、組織の広い範囲に熱的損傷を与えることが必要とされる場合であって、周囲の組織に対する損傷のリスクが、1点のソースの熱アブレーションを使用した際の利点より重要でないとき、たとえば、広い範囲の創傷の治療のようなときには、低周波数帯域のマイクロ波周波数を使用することが望ましい。組織の温度を急速に上昇させるために、浅い浸透深さで、かつ高エネルギ密度が必要とされる場合、たとえば、過度の出血を防止するような場合は、高出力かつ高周波数のマイクロ波エネルギ、すなわち、本発明の実施例において有効と考えられる周波数帯域の高域端において生成されたエネルギを使用することが望ましい。一例としては、24GHzの周波数において50Wの出力を生成することが望ましい。
本発明の実施例において有効であると考えられる出力レベルのレンジは、1.5〜50Wである。低出力マイクロ波電力が必要とされる場合(ここでは、低出力は4W未満として定義される。)は、直流電源装置については、ハンドヘルドユニット内のマイクロ波発生器に含まれるバッテリとしてもよい。この場合は、装置全体を1つのポータブルユニットとすることができる。
より高出力が必要とされる場合は、上述の2つのユニットから成るモデルを使用することが望ましい。すなわち、別個のユニット内部に備えられた直流バッテリパックを有し、直流ケーブルで2つのユニットが接続されているモデルである。2つのユニットから成るモデルを使用することの利点は、ハンドヘルドユニットの操作が容易にできるように、ハンドヘルドユニットの重量を扱いやすいレベルに維持できることである。
バッテリまたはバッテリパックは、使い捨てバッテリ(電池)または再充電可能なバッテリ(電池)を含む。本発明を実施する際に用いられるバッテリ技術の一例としては、ニッカド(NiCd)電池、リチウムポリマ電池、リチウムイオン電池、鉛酸電池、アルカリ電池および塩化チオニルリチウム電池などがある。本発明においては、これらのバッテ
リ技術の使用には限定されない。たとえば、自動車や車両用バッテリによる直流エネルギを、本発明のポータブルシステムに供給してもよい。本装置は、車のシガーソケットにプラグが差し込まれたり、適切な直流コネクタを用いて救急車、戦車、消防車やパトカーなどのバッテリに接続されたりしてもよい。このコネクタは、特別に製作された(カスタマイズされた)コネクタであってもよい。救急車で使用する場合では、救急救命士や救急車の乗員によってすでに使用されている他の医療用機器に供給される+12Vの直流電源を使用することができる。ユニットが車のバッテリによって駆動される場合には、同じ1つのエネルギ源(すなわち+12VDC)から電源が供給されるように、マイクロ波電源装置(および他の感度の高い(sensitive)マイクロ波機器)の起動回路、および他方の制御回路が、好ましくはハンドピース(ユニット)内に収納される。
バッテリパックおよび制御ユニットは、未使用のときにユニットを充電可能とするために、充電装置に適合するように設計されることが好ましい。マイクロ波サブアセンブリに複数の充電済みバッテリパックを差し込むことができるような適切な直流コネクタを用いて、(直流電源ケーブルおよびいくつかの低周波制御信号線を含むケーブルアセンブリを介して)、一連のマイクロ波機器(line-up)を収納するハンドピースユニットをバッテリパックおよび制御ユニットに取り付けられるように、システムを改良してもよい。
バッテリパックは、ユーザの体に取り付けられるようにしてもよい。バッテリパックを着用できることは、戦場での負傷者や事故被災者の治療に関して、特に興味深いものである。ユニットが医師による処置、手術室または診療所などにおいて使用される際には、ユニットは充電装置に恒久的に接続されるようにしてもよい。
好ましくは、複数のバッテリおよび制御ユニットは、ユーザがいつでもユニットの直流エネルギ源を利用できるように、充電された状態に維持される。これは、長時間、たとえば30分以上の医療処置にユニットが使用される場合に特に有利になる。
好ましくは、ユーザインターフェイスは、治療可能時間または現在のバッテリパックを使用した場合の残存治療時間を表示するための表示装置を含む。この表示手段は、複数のLED(Light Emitting Diode)によって構成されるバーグラフ、または小型の液晶画面(LCD:Liquid Crystal Display)としてもよい。
他の実施の形態においては、制御回路は、バッテリおよびハンドヘルドユニットの両方とは別個の筐体に収納されるようにしてもよい。すなわち、この場合は装置は3つのユニットを備える。
好ましくは、制御ユニットは、マイクロ波発生器の各機器を正しい順序で動作するように構成されたタイミング回路を含む。たとえば、マイクロ波発生器がトランジスタ電力素子を含む場合には、タイミング回路は、ドレイン電源が接続(印加)される前に電流が流れることを防止するために、ドレインとソースとの間のチャネルをピンチオフする値に電力素子のゲート−ソース電圧を設定するとともに、ドレイン電圧が取り除かれる前にチャネルがピンチオフされるように、このゲート−ソース電圧を印加するように構成される。このような構成は、FET素子がマイクロ波発生器の出力段(電力増幅器)に使用される場合に適している。この場合、チャネルがオープンになる(または電流が流れる)と、ゲート−ソース電圧はゼロとなる。
また、制御ユニットは、マイクロ波発生器によって生成されたマイクロ波電力のレベルを制御する手段と、ユニットの出力端において生成されたマイクロ波電力をパルス化または変調する手段とを含む。たとえば、制御ユニットは、上述の変調スイッチおよび減衰ユニットを制御する。生成されたマイクロ波電力レベルの調整、および選択された電力レベ
ルをパルス化する動作もまた、電力増幅器の出力段の形成に用いられるFET素子に与えられるゲート−ソース電圧を変化することによって実現される。(なお、MMIC素子が使用される場合には、直流電源電圧または素子に接続された直流供給電圧のうちの1つを変化させることも可能である。)
好ましくは、制御ユニットは検出機器を含む。この検出機器は、上述の検出素子によって生成された信号を処理するために、アナログ信号調整回路(たとえば、アナログの比較器および演算増幅器(オペアンプ))、およびグルーロジック(たとえば、デジタルTTL、CMOS、ECLロジックゲートまたはカウンタ)を含む。この処理機能は、ゲート−ソース電圧を適切なレベルに調整する機能と、反射波電力レベルが過度な場合にドレイン電圧の供給を停止する機能と、進行波電力および/または正味の伝達電力のレベルを示すためのバーグラフ表示を行なう機能と、マイクロ波電力が組織内に伝達されていること、および/または過度の反射波電力が検出されたこと、および/または異常状態が発生したこと、および/または装置の電源が入れられて組織内にマイクロ波電力を伝達する準備ができたことを示すようにLEDを駆動する機能とを含む。
スイッチは、ドレイン電源の供給および停止を切替えるように、すなわちパルスモードにおいてシステムを動作するために設けられる。パルスモード動作は、装置の発熱を最小化するとともに、ハンドピースが過度に昇温される可能性を減少する。この特徴を実現するために、スイッチは、チャネルがカットオフされるために必要なゲート−ソース電圧を、マイクロ波電力増幅器の出力段の形成に使用されるマイクロ波電力素子(または複数のマイクロ波電力素子)に供給する。あるいは、またはさらに、マイクロ波発生器の全てまたは一部は冷却板(ヒートシンク)上に配置され、および/またはヒートシンクからの熱伝導によってハンドヘルドユニットが過度に熱くなるリスクを最小限にとどめるために、プラスティックの筐体内で浮いた状態(suspended)に配置される。詳細については後述するが、マイクロ波発生器から熱を放熱させるために、冷却システムがハンドヘルドユニット内に含まれるようにしてもよい。
システムがパルスモードで動作されている時に、周波数源がマイクロ波電力用トランジスタをターンオンさせないように、すなわち、周波数源信号によって生成された電圧が、高いゲート−ソース電圧を供給して、高いレベルのドレイン電流を流すことのないように、タイミング回路は、ドレイン電源供給の前に周波数源をオフとする。
治療対象の生物組織とマイクロ波照射範囲とが同様の形に照射されるように、マイクロ波発生器のアンテナは、好ましくは細長い形状の部材とされる。このアンテナは、本発明の第2の局面である。具体的には、適当なアンテナ構造としては、適当な大きさの同軸電界ニードル(またはモノポール)アンテナ、および磁界ループアンテナが含まれる。これらのアンテナ構造の寸法は、およそ直径0.5〜10mmで、長さが2cm弱〜12cm強である。たとえば、同軸構造は、外径が0.5〜2.2mmで、長さが2〜4cmとしてもよい。外部導体(被覆)および内部導体は、強度を持たせるために硬い金属、たとえばステンレス鋼により作られることが好ましい。内部導体の外表面および外部導体の内表面は、導電損失とそれに関連した発熱を最小限にとどめるために、高導電性材料、すなわち銀により覆われる。
好ましくは、アンテナは、その末端に誘電体チップを含む。この誘電体チップは、照射端(aerial)として機能するとともに、同軸アンテナ構造体と治療対象の組織間のマッチングした状態(matched condition)を作り出すように適合される。誘電体チップは、特定の使用に応じた形状とされる。チップは交換可能であり、たとえば、同じアンテナ構造に対して、異なった目的のために異なったチップを使用することができる。所望の周波数における誘電率、損失正接(tanδ:loss tangent)および導電率に関する誘電体の情報を与える生物組織モデルと組み合わされた適当なアンテナ(aerial)(レドーム)の電磁
場シミュレーションを行なうために、電磁場モデリングツール、たとえばCSTマイクロウェーブスタジオ(登録商標)(CST Microwave Studio)を使用することができる。電磁場モデルは、考慮中の組織全体の温度分布についての情報を与える熱解析ソルバー(thermal solver)と組み合わせてもよい。
ここで開示されるアンテナの構造は、上述した医療用途の治療のために使用される。本発明においては、比較的長さが短い治療用同軸構造体の使用について述べる。第1の構造は、末端で組織の表面をこすることができるように、半球状に作られたセラミックチップを有する同軸ケーブルを備える。また、同軸ケーブル内の低誘電率の誘電材料と、皮膚(または他の生物組織)の高絶縁定数(誘電率)との静的インピーダンスをマッチングさせるように、セラミックチップはインピーダンス変換器としても機能する。第2の構造は、第1の構造と似ているが、より大きい組織の治療に使用する場合や表面のより広い範囲にエネルギを伝播させる場合のような、より広い照射範囲を作り出すために、半球状のレドームの直径を拡大したものである。
ここで開示されるより大きなアンテナの構造、たとえばインピーダンス変換器を使用して電力が供給され、半球状のセラミック照射器内で終端処理された複数のニードルアンテナにより構成された構造は、上述した第1の局面における高出力治療システムの使用において特に適している。このようなアンテナを使用することで、本発明を、たとえば、戦場や自動車事故での負傷者の治療に使用することができる。
ひとつの実施の形態においては、半球状のセラミックチップ内部に含まれる4つの照射要素(モノポール)に供給するために、同軸変成器を有する同軸ケーブルが使用される。
そのアンテナ構造は、薄い生体適合性材料の層で覆われている。この生体適合性材料は、両方の導電体を覆っているが、マイクロ波エネルギは透過する。たとえば、パリレンCを10μmの厚さにコーティングしたものが適用される。この材料は、(セラミックチップと同軸構造体の外部被覆との間の接合部分に入っている)誘電体内への液体や組織の侵入を防止でき、また比較的容易にアンテナを組織内に挿入できる。これは、装置が経皮的に挿入される場合に有利であり、低侵襲的治療を行なうことができる。同軸ケーブルの内部導体と外部導体との間の誘電体内へ(液体が)侵入すると、有用な振幅/位相の測定が妨げられてしまうので、システムが組織の特性の測定に使用されるときに、液体の侵入の防止は特に有利となる。液体または組織の侵入は、組織アブレーション処理の効率をも制限してしまう。
誘電体チップは、先の尖った形状、たとえば円錐状のセラミックコーン(ceramic cone)とすることもできる。このセラミックコーンは、同軸ケーブルと組織との間の静的インピーダンスをマッチングさせるためのインピーダンス変換器としても機能する。鋭く尖った形状は、細絡や靭帯引締めの治療において有効である。
好ましくは、装置のインピーダンスは、(国際公開WO2004/047659号パンフレットおよび国際公開WO2005/115235号パンフレットに開示されているように)治療対象の組織と動的な(ダイナミックな)マッチングが行われる。本発明においては、同調フィルタが組織治療部位に近いマイクロ波発生器内に含まれるので、このことが有利と成り得る。これは、マイクロ波発生器と治療用アンテナとの間の比較的長い伝送ケーブルによる挿入損失の影響が排除されることを意味する。
本装置は、アンテナから受けた反射波信号内の特定の挙動を認識するように構成された反射波電力モニタをさらに含み、反射波電力モニタは、その認識した挙動に応じて自動的に動作する。信号内の挙動は、治療対象の組織の状態を指し示すものである。たとえば、
信号が組織のインピーダンスが変化しないことを示すと、これは、伝達した電力が効果的な治療には不十分であることを意味する。電力レベルは、この認識された挙動に応じて、自動的にまたは手動にて増加される。また、他の例としては、本構成は、治療の途中で発生する事象または組織の「吐出(スピッティング:spitting)」を減少または防止するために使用することができる。組織の「吐出(スピッティング)」または「破裂(ポッピング:popping)」は、エネルギ照射用外科手術用器具(たとえば、プローブ)が組織に挿入された部位において、圧力が上昇することによって引き起こされると考えられている。器具からの、圧力とエネルギとの組み合わせによって、治療部位から少量の組織を取り除くことができる。
反射波電力の挙動は、吐出(spit)現象がまさに発生しようとしているときを、前もって示すことができる。この関連する挙動に応じて適切な行動をとることによって、吐出現象の発生を防止することができる。
したがって、反射波電力モニタは、反射波検出器によって検出された反射波信号の特徴的事象を検出するために設けられる。そして、電力レベル調整器が、周波数源とアンテナとの間に接続され、モニタによって特徴的事象が検出された場合に、アンテナによって受けるマイクロ波の照射信号の電力レベルを自動的に調節するように構成される。
この特徴的事象は、反射波信号中のすべての検出可能な挙動である。たとえば、反射波電力の特定の変化率や、ある特定の時間内における反射波電力の定常レベルなどである。また、特徴的事象は反射波電力中の挙動から引き出すことができ、たとえば、反射波電力は、組織のインピーダンス変化を決定するために使用され、これらの変化が特徴的事象を示す場合もある。この構成によって、アンテナがひとつの部位に長い間とどまっているような事象が検出された場合(たとえば、良好なマッチング状態を示す一定電圧が検出されたような場合)は、周囲の付随的な損傷を減少または防止するために、電力が低下される。
反射波電力モニタは、反射波信号内の急峻な電圧変動(スパイク:spike)を検出するように構成される。たとえば、モニタは、反射波信号におけるdv/dt(時間当たりの電圧変化)の値を測定するように構成された微分器を含む。微分器は、その測定値としきい値とを比較するように構成され、dv/dtがしきい値よりも高い値であれば特徴的事象と判断する。この構成は、組織の吐出現象を検出するために使用することもできる。これは発明者が発見したことであるが、吐出現象は急峻な電圧上昇または電圧低下を伴う電圧スパイクに引き続いて発生する。本装置によって、治療中に継続的に反射波電力がモニタされ、特徴的事象(dv/dtの値がしきい値を超えたこと)が検出された場合には、電力レベルが第1の値から第2の値に速やかに低下される。このように、本装置は、「吐出」現象を引き起こすことが知られている特徴(的な信号)が観測されるとすぐに、電力レベルを後退(または低下)させる。なお、電力レベルの第1の値は、第2の値よりも1桁以上大きい値としてもよい。
微分器(たとえば、勾配検出微分器)は、アナログ回路(すなわち、ディスクリートオペアンプ、信号比較器、キャパシタおよび抵抗、そしてMOSFETスイッチ)、もしくはデジタル機器(たとえば、コンピュータやDSPユニット)によって実現される。
しきい値は調整可能であり、たとえば、組織の吐出現象に対する感度を選択できる。
電力レベル調整器は、電力レベル低下後の復帰時間内に、電力レベルを第1の値まで徐々に戻すように構成される。実際、機器の大幅な休止時間なく治療を継続できるように、または全体の治療時間が過度に長くならないように、比較的速やかに電力レベルを復帰させる必要がある。腫瘍切除(アブレーション)における使用においては、すべての癌組織
/癌細胞を完全に破壊することを保証するために、組織の温度を危機的温度(critical temperatures)にまで到達させる必要がある。したがって、この復帰時間は100ms以下とされる。
反射波検出器は、測定する挙動を表わす反射波信号の変化に対して敏感であるように選択される。そして、たとえば周波数源とアンテナとの間に接続された方向性結合器の結合ポートに接続されたダイオード検出器が使用され、特徴的事象を捕らえるようにその電圧上昇時間/低下時間が選択される。たとえば、10msの電圧上昇/低下時間を示す組織の吐出現象に関連した電圧スパイクを捕らえるために、検出器としては、1μs以下の電圧上昇/低下時間が検出可能なダイオード検出器としてもよい。ある実施の形態においては、非常に高速なパルス応答を有する、トンネルダイオードをベースとした検出器、たとえば、アドバンスト・コントロール・システムズ社(Advanced Control Systems)製の製品番号ACTP1505Nが使用される。
電力レベル調整器は、周波数源とアンテナとの間に接続されたインピーダンス調整器を含む。インピーダンス調整器もまた、インピーダンスマッチング装置において使用される。このインピーダンスマッチング装置においては、検出器は反射波信号の振幅と位相を検出する。そして、インピーダンス調整器は、検出された振幅および位相に基づいて制御可能な、調整可能な複素インピーダンスを有する。したがって、このような構成において、インピーダンス調整器は、高効率の電力を伝送できるように、装置のインピーダンスと負荷(組織)のインピーダンスをマッチングするように構成される。インピーダンスマッチングは、ダイナミック(動的)であり、たとえば、調整はリアルタイムかつ自動的に行なわれる。モニタによって特徴的事象が検出されたときには、インピーダンスマッチングは、その特徴的事象に対する応答によって無効とされる。
反射波電力モニタは、また、ユーザに対する情報を提供するように構成される。たとえば、治療中の医師へのガイダンスなどである。たとえば、モニタは、特徴的事象が検出されると、音響信号または視覚信号を発するように構成される。この音響信号または視覚信号は、検出された事象を表わすものである。音響信号は、どのような音であってもよく、デジタル合成音声であってもよい。
好ましくは、ハンドヘルドユニット内に収納された同調フィルタは、1つ以上のPINダイオード、バラクタダイオードまたはアバランシェダイオードを含んで構成される。この同調フィルタにおいては、ダイオードにかかる電圧変化は、マイクロ波信号の位相変化または位相シフトを生成する。たとえば、バラクタダイオード位相シフタは、ダイオードのキャパシタンスの変化を引き起こす、ダイオードの空乏領域の厚さの変化によって、位相シフトが行なわれる。空乏層の厚さの変化は、ダイオードに対して逆バイアス電圧を与えることによって引き起こされる。すなわち、アノードがカソードに対して負となり、キャパシタンスが減少して、空乏領域幅が増加する。ガリウム・ヒ素(GaAs)バラクタダイオードが好適である。
あるいは、MEMS素子を同調フィルタに使用することもできる。たとえば、複数のMEMSスイッチは、組織のインピーダンスの値に従って、同調素子アレイを切替えるのに用いられる。適当な導波管空共鳴器内部の機械式同調ロッド(または同調スクリュー)を動かすための電気機械アクチュエータを用いる機械的スタブ同調装置が、選択肢のひとつである。
同調フィルタは、1つ以上の同調素子を含んで構成される。無限の同調範囲が必要とされる場合(スミスチャートの全域が利用可能である場合)は、同調フィルタは、所望の周波数において隣接スタブ間の距離が導波管の長さの1/4である場合に、望ましくもトリ
プル・スタブ・ネットワークと同様の機能を果たす。この機能は、可変直列要素および可変分岐(シャント)要素を用いて実現できる。たとえば、所望の周波数における負荷と装置(source)との間が最大1/2波長の距離で挿入され、伝送ラインに沿ってスタブを移動可能な手段と組み合わされ、所望の周波数において長さがゼロから1/4波長の間で可変なオープンスタブは、どのような負荷インピーダンスに対しても固定の装置(source)インピーダンス(たとえば、名目的に50Ω)をマッチングさせることができる。この同調装置の構成は、2つのバラクタダイオードを用いて実現でき、1つは装置と負荷との間に直列に接続され、もう1つは負荷の近傍のシャント(分路)に接続される。好ましい実施の形態においては、同調装置では、直列接続された(トロンボーン型の)可変長同軸管(adjustable coaxial trombone)が、シャント接続されたバラクタダイオード(または、PIN,アバランシェダイオード)とともに使用される。可変長同軸管の長さは、自動位相調整が可能となるように、適切な電気機械調整手段によって調整される。シャント接続された第2の同調素子の容量リアクタンスを自動調整するために、ダイオードに対して逆バイアス電圧が与えられることによって、ダイオード内の空乏領域幅が変化する。理論的には、容量リアクタンスは、0Ω〜無限大(∞Ω)まで変化する。すなわち、スミスチャートにおける短絡回路からオープン回路まで(もしくは、ゼロからλ/4)の軌跡(movement)となる。
システムの他の要素もまた、MEMSテクノロジを用いることによって実現してもよい。ダイナミックチューニング、および/または、組織タイプ/状態の測定を含む本システムにおいて、筐体の小型化およびハンドピース内に一連のマイクロ波機器を収納する必要から、MEMS素子の使用が特に有利となる。
ダイナミックインピーダンスマッチング機能、および/または、組織タイプおよび/または状態の認識機能が、ハンドヘルドユニット内に統合される場合には、望ましくは、マイクロプロセッサ、および/またはマイクロコントローラ、および/または周辺機器接続制御用IC(PIC)デバイス、および/またはデジタル信号プロセッサ(DSP)がシステムに含まれる。好ましくは、この(これらの)装置は、位相および/または振幅の情報を測定するための必要な信号処理機能を実行するために、制御ユニット内に含まれる。ここで、位相および/または振幅の情報は、マイクロ波エネルギが生物組織内に効率的に伝送されるように同調フィルタの必要な調整を行なうため、および/または、アンテナの末端のチップで測定された信号から組織タイプおよび/または状態を特定するために使用される。組織タイプおよび/または組織状態(tissue state facility)が必要とされる場合には、位相および振幅の情報を利用可能とするために、ヘテロダイン受信器を使用することが好ましい。ヘテロダイン受信器の出力からの信号は、マイクロプロセッサ(または、他のデジタル処理装置)に入力される。組織タイプおよび/または状態を認識するために必要となる情報は、方向性結合器またはマイクロ波サーキュレータを使用することによって供給される。マイクロ波サーキュレータが使用される場合は、進行波電力信号および反射波電力信号は、互いに少なくとも30dB隔てるようにすることが好ましい。
マイクロプロセッサユニット(および/またはPIC,DSP)は、また、電源装置の起動手順(または起動シーケンス)および検出機能を(アナログ制御回路に代わって)実行する。同様に、たとえ、ダイナミック組織(インピーダンス)マッチング、または組織タイプおよび/または状態の測定を実行しない場合であっても、小型のマイクロプロセッサまたはPICデバイスでシステムを制御するようにしてもよい。たとえば、アナログ比較器、オペアンプ、カウンタおよびグルーロジックを、単独のマイクロプロセンサまたはPICデバイスに置き換えてもよい。
好ましくは、ユーザインターフェイスは、マイクロ波発生源から伝送される進行波電力、および/または治療対象の生物組織内に伝送される正味電力のレベルを示すための表示
装置を含む。正味電力は、マイクロ波発生源(パワーアンプ)の出力からの進行波電力と、マイクロ波発生源(パワーアンプ)の出力ポートに戻ってくる反射波電力との差として定義される。これらの電力レベルの表示手段は、複数のLEDで構成されたバーグラフ、または小型の液晶画面(LCD)を用いることができる。
可視光源は、ハンドヘルドユニットに取り付けられ、治療部位を照らす手段として動作する。光源は、アンテナ構造体の末端において、マイクロ波が組織上に作用している部位に光線の焦点をあわせるためのレンズ構成をさらに含む。望ましくは、光源は、照射アンテナによって生成されるマイクロ波の照射範囲と同様の「形」の光線を生成するように構成される。
本発明の第3の局面は、冷却装置およびハンドヘルドユニットを冷えた状態に保つための手段に関する。
以下において詳述するように、本発明は、細絡の治療、苦痛緩和、筋肉組織の引締め、負傷兵や自動車事故の負傷者の止血、鼻ポリープの治療、および耳鼻咽喉(ear,nose and
throat:ENT)感染部の治療に用いられる。
細絡は、非常に一般的だが時に困ったものであり、主に顔および脚に発生する。細絡の発生原因は、遺伝による可能性と同じくらいに、体温の変化、喫煙、ホルモンの変化、飲酒および長時間立位が原因であるとも考えられているが、正確な原因はわかっていない。細絡は、ここで紹介したポータブル治療システムにおいて非常に細いニードルアンテナを用いることによって、治療することができる。
本発明の考えられる用途には、鼻ポリープの切除もある。鼻ポリープは鼻をつまらせ、特に大きなポリープの場合は鼻での呼吸を妨げ、口で呼吸をしなくてはいけなくなる。鼻ポリープは、また、嗅覚を弱める原因にもなる。また時には、非常に大きく膨らみ、鼻腔から突出することもある。
ポリープは、副鼻腔の柔らかい組織膜が膨らみ、利用可能な空間を満たすことによって発生する。そして、ポリープとして知られるように、鼻の中で大きく拡大する。眼と鼻の間には数多くの小さな副鼻腔があるので、ポリープが発生するときには、通常複数のポリープが発生する。ポリープによる鼻閉塞に対する最も効果的な治療は、ポリープの外科的切除である。本発明は、照射用のループアンテナを用いることによって、このような状態の治療を行なうことができる。
本発明は、また、たとえば脚や眼の靭帯の筋肉を引締めるためにも用いられる。また、このような用途においては、小さなニードルアンテナを使用することが特に有利である。靭帯へのアクセスのためにキーホール手術(鍵穴手術)を行なうことが必要な場合には、高出力タイプのポータブルユニットを使用することができる。
本発明は、また、苦痛緩和を目的として神経末端の切除、たとえば神経叢アブレーションに用いられる。この特定の用途は、癌患者の苦痛を減少させるための苦痛緩和医療に関し、モルヒネや鎮痛剤の代替として提供される。本発明は、また、椎間板が損傷した背部や頸部に関する治療にも用いられる。
本発明の可能性のある用途は、上述に挙げたものに限られない。本システムは、他の疾患の治療にも用いることができる。たとえば、乳房腫瘍、前立腺癌、腎腫瘍、脳腫瘍、肝腫瘍の治療および生物組織の切除などである。
図面の簡単な説明
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。
本発明の実施の形態である、電気外科的切除(アブレーション)/焼灼システムを示す機能ブロック図である。 本発明の他の実施の形態である、電気外科的切除(アブレーション)/焼灼システムの一連のマイクロ波機器を示す機能ブロック図である。 本発明の他の実施の形態である、バッテリに接続されたポータブル電気手術システムを示す機能ブロック図である。 本発明の他の実施の形態である、ダイナミック・インピーダンス・マッチングを行なうように構成された電気手術用システムの内部構成を示す機能ブロック図である。 本発明の他の実施の形態である、デュアル・チャンネルダイナミック・インピーダンス・マッチング電気手術用システムの内部構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に使用に適した、半球状のチップを有する治療用アンテナの断面図である。 本発明の実施の形態に使用に適した、拡大したチップを有する治療用アンテナの断面図である。 本発明の実施の形態に使用に適した、磁界ループアンテナの断面図である。 本発明の実施の形態に使用に適した、モノポールアンテナの断面図である。 本発明の実施の形態に使用に適した、先端の尖ったチップを有する治療用アンテナの断面図である。 本発明の他の実施の形態である、電気手術用システムの概略図である。 本発明の実施の形態に適した、ハンドヘルドユニット用の冷却構造の概略図である。
詳細な説明;さらなる選択および優先
図1は、本発明の実施の形態であるポータブル電気手術用システム100の全体概略図である。本システムは2つのサブシステム102,104に分離され、この2つのユニットは、柔軟性のあるケーブルアセンブリ106を用いて互いに接続される。たとえば、ケーブルアセンブリ106には、直流電源ケーブルおよび低周波信号制御線が含まれる。この構成は、長いマイクロ波信号搬送ケーブルを使用することによって、ケーブルに沿った電力損失により高価なマイクロ波電力を喪失することなく、長距離のマイクロ波ケーブルに伴う屈曲による位相変動および振幅変動に関連した潜在的な制限を改善することができるという利点がある。また、本構成によれば、ケーブルアセンブリに沿った温度変化に関連した好ましくない影響、たとえばケーブルの発熱や位相/振幅の変動についても克服することができる。以下、2つのサブシステムの詳細について説明する。
第1のサブシステムは、ハンドヘルド(ポータブル)マイクロ波サブアセンブリ102である。マイクロ波サブアセンブリ102は、所定の周波数における低電力信号を発生するように構成された周波数源108と、周波数源によって生成された出力信号レベルを増幅するための駆動増幅器110と、第1の増幅器によって生成された信号を、制御組織の破壊を引き起こすレベルまで増幅するための電力増幅器(パワーアンプ)112とを含む。パワーアンプ112の出力は、マイクロ波サーキュレータ114に接続される。このサーキュレータ114は、パワーアンプ112の出力を、治療用アンテナ116の末端におけるインピーダンスの不一致によって引き起こされた過度な量の反射波電力から保護する
ために用いられる。サーキュレータ114は、マイクロ波電力を時計方向のみに流れるようにすることができ、したがって、パワーアンプ112に戻ってくる全ての反射波電力は、パワーダンプロード(Power Dump Load)118に吸収される。なお、低出力電力レベル、(たとえば1.5W連続波)が発生される場合は、マイクロ波サーキュレータおよび50オームのパワーダンプロードは、装置の操作性を維持したまま省略することができる。(反射波電力の最悪な場合のレベルでも、パワーアンプの出力段においてダメージが発生しない。)進行波電力および反射波電力のレベルは、進行波電力および反射波電力の一部をそれぞれ測定するために、ダイオード検出器120,122を用いて検出される。マイクロ波電力は、マイクロ波サーキュレータ114の第1のポート(進行波)および第3のポート(反射波)に挿入された方向性結合器または電界プローブを用いてサンプリングされる。ダイオード検出器120,122の出力ポートにおいて生成された信号は、進行波電力および反射波電力のレベルを測定可能とし、この情報から、組織内部に伝達される正味の伝達電力(進行波電力−反射波電力)を算出することができる。そして、反射波電力のレベルが所定のしきい値を超過する場合には、パワーアンプ112(および/または駆動増幅器110)の電源がオフとされる。小型の組織構造の治療や、組織の少量を壊死させる、すなわち直径5mm未満の球状凝固を行なう場合に使用されるような、電力レベルが1〜およそ3Wより小さい用途の場合には、駆動増幅器110のみの使用が必要となる。この場合、MMIC増幅器を使用することができる。周波数源108に適した候補としては、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)、誘電体共振発振器(Dielectric Resonator Oscillator:DRO)またはガンダイオード共振器が含まれる。たとえば、ヒッタイト・マイクロウェーブ・コーポレーション(Hittite Microwave Corporation)社製のMMIC VCO(製品番号:HMC531LP5/531LP5E)が特に適している。駆動増幅器としては、トライクイント・セミコンダクタ(TriQuint Semiconductor)社製の、HEMT MMICトランジスタ(たとえば、製品番号:TGA2904−EPU−FL,TGA8658−EPU−SG,TGA2902−SCC−SG,TGA8659−EPU−SG,TGA2502−EPU)が適している。同様に、HEMT MMICトランジスタは、パワーアンプにおいても使用してもよい(たとえば、製品番号:TGA2514−EPU&−FL)。また、ガリウム・ヒ素(GaAs)FET電力素子も適している(たとえば、トライクイント・セミコンダクタ社製のTGA2924−EPU−SM,TGF2021−XX,TGF1034−24−EPUや、東芝セミコンダクタ製のTIM1414−8−252,TIM1414−18L−252)。
上述のトランジスタは、パルスモードで動作される。このパルスモードにおいては、マイクロ波出力電力がゼロの場合には、直流電源もしくはドレイン電圧がオフとされる。パルスモード動作は、マイクロ波サブアセンブリ102を含むハンドヘルドユニットの温度が過度とならず、またはユーザに対して不快感を与えないようにできるので、数ワットを超過した電力レベルが必要となる場合に好適である。マイクロ波電力の直流電力効率が50%を超えるような新しい装置は、ハンドヘルド装置の直流発熱に関連した問題を軽減または改善するために検討される。
パルスモード動作の実施例においては、制御ユニット104は、このモードでユニットが動作されるときに装置が損傷しないようにするために、マイクロ波電力発生装置108,110,112を特定のシーケンスでオンおよびオフとするために用いられる。これは、ドレイン電圧が接続される前に、適切なゲート−ソース電圧を適用することによって、チャネルがカットオフされる(すなわち、ドレイン−ソース間を流れる電流がほぼゼロとなる)ことが望ましいので、個別半導体(ディスクリートデバイス)を使用しているときに特に重要になる。ターンオフの手順においては、ドレイン電圧が取り除かれる前に、適切なゲート−ソース電圧によってチャネルがカットオフされることが望ましい。
第2のサブシステムは、ガリウム・ヒ素(GaAs)FET素子に電力を供給するとともにシーケンス動作を行なうための起動回路(図示せず)を有するバッテリパック124と、制御回路126と、ユーザインターフェイス128とを含む制御ユニット104を備える。起動回路は、制御回路126の一体部分とすることが望ましい。制御回路126は、小型のマイクロプロセッサやPICデバイスの形とすることが好ましい。または、制御回路は、アナログの比較器およびオペアンプと、デジタル論理回路(グルーロジックおよびカウンタ)とを含んで構成するようにしてもよい。ユーザインターフェイス128は、LEDバーグラフ、単独のLEDおよびスイッチ、液晶(LCD)の英数字ディスプレイおよびスイッチ(マイクロスイッチまたは薄膜スイッチ)、または小型のタッチパネルディスプレイ(touch screen display)のいずれの組み合わせとしてもよい。バッテリパックは、単独または複数の使い捨て電池や、単独または複数の再充電可能な電池が使用できる。制御ユニット104は、また、充電ユニットを含んでもよく、または標準的な充電装置、たとえば携帯電話の充電ユニットが使用できるように構成されてもよい。
2つのサブシステム102,104は、単独または複数の直流電源ケーブルおよび複数の低周波信号ケーブルを用いて互いに接続される。後者は、最大100MHzの周波数の信号の伝送に適した薄型の同軸アセンブリである。直流電源ケーブルおよび低周波信号ケーブルは、1つの被覆に覆われるようにしてもよい。この被覆には柔軟性のある材料を使用することが好ましい。柔軟性のあるゴム、たとえばネオプレンゴムが最適である。
適切なアンテナ116は、マイクロ波サブアセンブリ102の出力に接続される。アンテナ116は、たとえば、様々なアンテナ構造を装置の出力に接続できるように、取り外し可能とすることができる。アンテナ116は、たとえば、SMA、AMBおよびMCXなどのマイクロ波コネクタ(図示せず)を介して接続される。斜め止めや締付けすぎのリスクを防止できるように、押し込み型のコネクタとするのが好適である。
図2は、図1のマイクロ波サブアセンブリ102に、2つのマイクロ波機器が追加された図である。ハンドヘルド電気手術用システムがパルスモードで動作できるように、変調スイッチ130がシステムに含まれる。この動作モードは、ユニットが、たとえば15Wから50Wくらいの高いマイクロ波電力レベルで動作されるときに特に有効であり、この場合には、ハンドピースについての温度影響を考慮しなくてはならない。図2は、電力制御用減衰器132を示すが、これは、組織へ伝送する電力レベルをユーザが制御できるようにするために用いられる。また、ユニットが最大50W(もしくは、可能であれば50W以上)のレベルの電力伝送が可能なように構成される場合にこの特徴は望ましい。変調スイッチ130および電力制御用減衰器132の実現のために、MEMテクノロジを使用することができる。ハンドピースの全体を小型化するために、周波数源(source oscillator)108にもMEMテクノロジが利用される。
本発明は、別個の(または外部の)変調スイッチ、および/または電力制御用減衰器を用いることを限定するものではない。これらの特徴(または動作)は、電力発生装置の電圧レベルを変更することによって実現してもよい。直流またはバイアス電圧レベルの変化によるゲインの変化は、およそ15dBである。もし、より広範な変化が必要な場合には、PINダイオードのバンクを含んで構成されるデジタル減衰器を用いることができる。このデジタル減衰器では、最大64dBの(ある場合ではそれを超える)ゲイン変化を得ることができる。
図3は、柔軟性のある電源リード線135を介してバッテリ136と接続されたハンドヘルド装置134の実施の形態を示す図である。バッテリとしては、たとえば、車、救急車、消防車、または戦車のバッテリなどがある。ハンドヘルド装置134は、図1のマイクロ波サブアセンブリ102の一連のマイクロ波機器を含む。さらに、ハンドヘルドユニ
ット134は、(たとえば、上述の制御回路128を含む)起動・制御回路138を含む。本実施の形態においては、システム全体の機能を制限することが有利なので、アナログ機器を用いて制御回路を実現することが望ましい。本実施の形態の起動・制御機能を実現するために、小型の低電力PICを採用することも考えられる。
図4は、本発明のシステムの他の実施の形態を示す図である。この実施の形態においては、生物組織の状態に応じて、パワーアンプ110,112によって生成されたマイクロ波エネルギと、照射アンテナ(図示せず)の末端にある負荷とを、インピーダンスに関してマッチングするように構成された、ダイナミック・インピーダンス・マッチングシステムが用いられる。共役マッチングが実行されることが好ましい。このような構成とすることで、組織への効率的なエネルギ伝送、治療時間の低減、および制御組織を破壊するために必要なエネルギ照射量の正確な数値化が可能となるという利点がある。ここで、必要なエネルギ照射量の正確な数値化が可能となるのは、マッチンッグアルゴリズムが反射波電力の発生を防ぐので、要求される電力は、組織に実際に伝送される電力となるからである。図4に示されるシステムは、図1のシステムと類似しており、したがって、同じ構成要素については同じ参照符号を付す。概して、システムはケーブルアセンブリ106を介して制御ユニット142と接続されたハンドヘルドユニット140を備える。ハンドヘルドユニット140には、さらに追加のマイクロ波回路が含まれる。追加のマイクロ波回路は、同調フィルタ144、4つの方向性結合器146,148,150,152、時分割多重スイッチ154、および第1段のダブルIFヘテロダイン受信器を含む。ダブルIFヘテロダイン受信器は、第1の局部発振器156、一次(primary)周波数源150のすべての信号成分を除去するために用いられるバンドパスフィルタ158、およびマイクロ波周波数混合器162を含む。ダイナミック・インピーダンス・マッチングシステムが実行可能とされるハンドピースに含まれるその他の構成要素には、(制御ユニット142に含まれる)第2段のダブルIFヘテロダイン受信器のための局部発振信号を与える第3の周波数源164と、3つの信号発振器156,160,164を互いに同期させるための基準周波数発生器166と、一次周波数源160の出力および第1の局部信号発振器156の周波数において発生するすべての信号成分を除去するための変調スイッチ130の入力との間に接続された第2のバンドパスフィルタ168とが含まれる。
このような構成においては、反射波信号結合器146,148,150,152の4つの結合ポートのうちのいずれの1つのポートからの信号も、位相および振幅を抽出するためのダブルIF周波数ダウンコンバータ回路(混合器162)において相殺されるように、時分割多重スイッチ154が用いられる。同調フィルタ144に含まれる(または、同調フィルタ144外部の)同調素子170に必要とされる調整量を決定するために、電源(すなわち、増幅器110または直列接続された増幅器110,112によって発生された電源)が組織の負荷とインピーダンスマッチングが可能となるように、後方の結合ポート150,152または前方の結合ポート146,148で利用できる情報を比較することが必要である。図に示されるように、調整は、3つのダイオードの電圧を調整することによって行なわれる。同調器(チューナ)144は、同調共鳴器内に含まれる複数の同調スタブで構成される。同調器144においては、電気機械アクチュエータが、同調共鳴器内に含まれる上記同調スタブを動かすために用いられ、そして、制御器(たとえば、PID制御器)が同調スタブ(同調ロッド)の動きを決めるために用いられる。同調フィルタ144を実現するためには多くの形態が考えられるが、コンパクトなハンドヘルドシステムを実現するためには、一連のPINダイオードまたはバラクタダイオードを使用することが好ましい。
マイクロ波周波数混合器162の動作によって、制御組織にダメージを与えるために用いられる高周波マイクロ波信号の一部が混合されて低周波信号となる。このとき、4つの方向性結合器146,148,150,152の結合ポートから得られる位相および振幅
の情報は維持される。混合器162からの望ましい出力周波数は、結合器からの第1の入力RF1と局部発振器156からの第2の入力LO1との周波数の差である。図4に示される構成においては、局部発振器156が14,45GHzで動作され、一方、(結合器が結合されている)一次周波数は14.5GHzであるので、入力RF1と入力LO1との差は50MHzである。この50MHzの信号が、位相および振幅の情報を抽出するために用いられる。本発明は、図示されている4つの方向性結合器(146,148,150,152)を使用する構成には限られない。たとえば、後方の2つの結合器(150,152)のみ、または前方の2つの結合器(146,148)のみを使用する構成としてもよい。
ユニットをできるだけ小さくかつ軽量とするために、ハンドヘルドユニット140内に示される一連の(機器)に含まれる多くのマイクロ波機器を、MEMテクノロジで実現することが望ましい。
図4における制御ユニット142は、同調フィルタ144に含まれる調整可能な素子を制御するために用いられる位相および振幅の情報を抽出するために使用される、第2段のダブルIFヘテロダイン受信器を含む。第2段のダブルIFヘテロダイン受信器171は、第1の混合器162の出力において生成されたIF差分信号以外の信号を除去するための第3のバンドパスフィルタ172と、標準的なA/D変換機器を使用して容易に扱えるような周波数の値までさらにもう一度周波数を混合して低下させるための第2の混合器174と、システムのこの時点において存在する、第2の混合器174の出力において生成されたIF差分信号以外の周波数における全ての信号成分を除去するための第4のバンドパスフィルタ176とを含む。本実施の形態においては、混合器は、第1の混合器162からの第1の入力RF2と第3の周波数源164からの第2の入力LO2との差を生成する。本実施の形態においては、第3の周波数源は40MHzで動作されるので、その差は10MHzとなる。第4のバンドパスフィルタ176からの出力は、デジタルプロセッサ178に入力される。デジタルプロセッサ178は、DSP、マイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラであってもよく、方向性結合器146,148,150,152の結合ポート(またはその組み合わせ)において測定され、時分割多重スイッチ154を用いたヘテロダイン受信器へ入力された情報に基づいて、位相および振幅の情報を、同調フィルタ144内の可変素子を制御するために使用可能なフォーマットに変換する。マッチング状態を維持するために用いられる可変同調素子を制御するために、後方の方向性結合器150,152の結合ポートにおいて得られる情報のみを用いることも可能である。
バッテリパック180は、電気手術用ユニットを動作するために必要な直流エネルギを供給する。バッテリパック180は、使い捨ての電池または再充電可能な電池を含む。電圧制御ユニット182は、複数のDC/DCコンバータにより構成され、バッテリパック180によって生成される単一の電圧を、ユニットの動作に必要な複数の電圧に変換する。複数の電圧とは、たとえば、ガリウム・ヒ素(GaAs)電力素子へのドレインおよびゲート−ソース電圧、マイクロプロセッサユニットの電源電圧などである。電圧供給および信号制御については、図5に詳細が示されており、以下詳述する。DC/DCコンバータは、昇降圧コンバータまたは直流レギュレータの形式としてもよい。DC/DCコンバータを用いるよりも、むしろバッテリパックに含まれる直列接続された複数の電池によって生成される電圧から各電圧を取出す(tap off)ことが好ましい。たとえば、バッテリパックが4つの1.5V電池を含んで構成されている場合には、1.5V、3.0V、4.5Vおよび6.0Vの電圧が供給できる。この方法を用いる利点は、昇降圧コンバータのスイッチング動作によって発生するノイズが排除されること、および電力変換損失がないことである。
単極4投(SP4T)型時分割多重スイッチ154の一番良いポート(pole position
)の選択、変調スイッチ130の開閉動作、および可変減衰器132による減衰レベルは、マイクロプロセッサ178によって生成される制御信号によって決定される。
ユーザインターフェイス184は、LEDバーグラフ、単独LEDおよびマイクロスイッチ、マイクロスイッチあるいは薄膜スイッチを有する英数表示液晶ディスプレイ(LCD)、または小型タッチパネルディスプレイなどで構成される。
2つのユニット140,142は、直流電源ケーブルおよび低周波信号ケーブルを含んだケーブルアセンブリ106を用いて、互いに接続される。図4に示される実施例においては、50MHzのIF信号を、第1のユニット140(ハンドヘルドユニット)に含まれる第1の周波数混合器162の出力ポートから、第2のユニット142に含まれる第3のバンドパスフィルタ172の入力ポートに送信するために、同軸線186を使用することが望ましい。使用される同軸ケーブルは厚みの薄いケーブルであり、高性能の誘電材料を含む必要はない。2つのユニット間の伝送ラインに対する性能要求をさらに減少させるために、第1のユニット140内の第2段のダブルIFヘテロダイン受信器171を筐体内に収納することが好ましい。また、システムの複雑さを減少させるために、1つのヘテロダイン受信器を用いることも可能である。
図5は、ダイナミック・インピーダンス・マッチング機能および組織タイプ/状態の認識機能の両方を実行する、本発明の他の実施の形態を示す図である。この構成においては、アンテナが、生物組織の中に押し込まれたり、または生物組織上に接触したりしたときに、様々な身体構造を特定できるような個別組織測定(誘電体)チャネルを提供するために、低電力送信器186が第1のユニットに含まれる。本実施の形態においては、2つの動作チャネル、すなわち高電力制御アブレーションモードと低電力組織測定モードとを切替えるために、導波管スイッチ188および同軸スイッチ190が用いられる。導波管スイッチ188および同軸スイッチ190の切替位置を切替えるための制御信号は、制御ユニット142に含まれるマイクロプロセッサ178によって与えられる。本発明は、2つの動作モードを切換えるために、導波管スイッチおよび同軸スイッチを使用することには限られない。たとえば、2つの同軸スイッチ、2つの導波管スイッチ、導波管スイッチとPINダイオードとの組み合わせ、または同軸スイッチとPINダイオードとの組み合わせを用いてもよい。ハンドピースユニット140に含まれる低電力送信器186は、一次周波数源160によって発生される信号、すなわち測定周波数における信号の一部をサンプリングするために用いられる順方向性結合器192から信号が入力される。結合された信号は、測定周波数において生成されたエネルギは通過するが、それ以外のすべての周波数において生成されたエネルギは受け付けないような機能を有するバンドパスフィルタ194の入力ポートに伝送される。フィルタ194からの出力は、第1の方向性結合器196の入力ポートに伝送される。この第1の方向性結合器196は、進行波電力方向性結合器として構成されるとともに、キャリアキャンセル回路(carrier cancellation circuit)の一部を形成するように構成される。第1の方向性結合器196の出力は、マイクロ波サーキュレータ198の第1のポート(入力ポート)に伝送される。サーキュレータ196の第2のポートは、導波管スイッチ188を経由して測定アンテナに接続される。マイクロ波サーキュレータ198の第3のポートは、第2の方向性結合器200の入力に接続される。この第2の方向性結合器200は、進行波電力方向性結合器として構成されるとともに、キャリアキャンセル回路の一部を形成するように構成される。第2の方向性結合器200からの出力は、ダブルIFヘテロダイン受信器の同軸スイッチ190を経由して、第1の周波数混合器162に入力RFとして伝送される。
ダブルIFヘテロダイン受信器の構成および説明は、図4における場合と同様である。測定モードにおいては、アンテナの末端のチップが接触している組織タイプおよび/または状態に関する情報を得るために、位相および振幅の情報が上記の信号から抽出され、マ
イクロプロセッサ178を用いて処理される。
測定モードにおいて、進行波伝送信号と反射波信号との分離(アイソレーション)を高めるためには、サーキュレータ198の第1のポートと第3のポートとの間のアイソレーションのレベルを高めることが必要である。好ましくは、サーキュレータ198は、測定周波数において、信号経路では低挿入損失となるように、そして分離経路では高い除去率(high rejection)となるように同調または最適化がされる。さらなるアイソレーションは、第1の順方向性結合器196、位相調整器202、可変減衰器204、そして第2の順方向性結合器200を含んで構成されるキャリアキャンセル回路によって行なわれる。キャリアキャンセル回路は、不要な信号要素を相殺するために、結合器196の結合ポートからの伝送信号の一部を利用して、位相を180°ずらすとともに、サーキュレータ198の第3のポートを通過して得られたすべての不要な信号と同じ振幅となるように、位相と電力レベルを調整するように機能する。キャリアキャンセル信号は、第2の順方向性結合器200を用いて、サーキュレータ198の第3のポートの出力に入力される。キャリアキャンセル回路は、出力アンテナ(同軸シャフトおよびプローブチップ)によって引き起こされる変動の調整にも用いることができる。
図5に示される他のすべての要素については、上述の図4の説明で詳述される。
測定チャネルは、アブレーションチャネルと同じ機器構成を用いることができる。すなわち、本発明においては、測定チャネルおよびアブレーションチャネルの実施のために、2つの個別のチャネルを用いる構成には限定されない。したがって、上述の低電力回路は省略してもよい。
その他のマイクロ波機器は、測定感度および保護の向上のために、システムに設けられる。たとえば、低ノイズ信号増幅器、駆動増幅器、信号アイソレータ、アッテネータパッド、および追加の信号フィルタなどである。これらの構成要素はここでは図示しないが、マイクロ波工学の技術分野の経験者であれば、その構成に気づくであろう。
本システムにおいて、組織タイプおよび/または組織状態を認識できるようにするために、アンテナの較正(キャリブレーション)が必要となる。キャリブレーションは、既知の基準点(または既知の複数の基準点)を与えるために、アンテナの末端のチップを1つまたは複数の負荷に接続することによって行なわれる。
さらなる実施の形態としては、ハンドヘルド装置が、組織タイプおよび/または状態測定機能のみを有するものとしてもよい。この実施の形態においては、図5の実施の形態のうちの以下に挙げるマイクロ波機器については必須のものではない。方向性結合器192、バンドパスフィルタ168、変調スイッチ130、ゲインコントローラ132、増幅器110,112、サーキュレータ114、方向性結合器146,148,150,152、同調フィルタ144、導波管スイッチ188、時分割多重スイッチ154、および同軸スイッチ190。測定のみの使用とするように構成された装置は、さまざまな組織タイプの識別、または特定の病気や疾患の段階(病期)を認識するために用いることもできる。誘電体測定装置の本実施の形態の利点は、マイクロ波送受信用電子機器が、測定アンテナの近くに配置されることである。このことは、測定用電子機器(マイクロ波送受信機186)が測定部位(または測定アンテナの末端チップ)に対して分離された場所に配置された場合に発生する、ケーブルのたわみ、屈曲、ねじり、または圧壊などに起因する、位相および振幅の情報の変動を減少または排除する。この特徴は、システムの測定感度を向上させる。図5に示された構成と同様に、低電力マイクロ波電子機器を含んでマイクロ波送受信機を形成するような構成は、MEMSテクノロジを用いることによって、非常に小さな筐体内に、物理的に統合することが可能である。
図6は、本発明の実施の形態である第1のアンテナ構造を示す図である。アンテナ206は、末端に取り付けられた半球状の照射チップ210を有する、同軸ケーブルの剛体部分からなる本体208を含む。同軸ケーブルには、マイクロ波コネクタ218を介して電力が供給される。本体208は、外部被覆216(たとえば、ステンレス鋼)の内部に保持された誘電材料214(たとえば、空気またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテフロン)で周囲を覆われた中央導体212(たとえば、銅)を有する。チップ210は、硬質のマイクロ波セラミックで作られる。チップ210は、また、同軸ケーブル208のインピーダンスと、治療組織のインピーダンスとをマッチングさせるためのインピーダンス変換器としても機能する。インピーダンスマッチング変換器は、所望の周波数での1/4波長の奇数倍の長さに等しくなるように構成された1/4波長変成器とすることが好ましい。また、インピーダンスは、ケーブル208の特性インピーダンスと組織のインピーダンスとの積の平方根に等しくなるようにすることが好ましい。半球状のチップは、アプリケータを組織の上または組織の表面全体に擦り付けることが望ましい場合の用途において有効である。すなわち、アプリケータを組織内部に挿入することが望ましい場合には不適である。
図7は、他のアンテナ構造の例を示す図である。このアンテナ220は、大型の半球状の照射ヘッド222を有する同軸構造体221を含む。この照射ヘッド222には、マイクロ波エネルギが均等に分配されるように、4つのモノポール照射素子224を用いて電力が供給される。1/4波長同軸変成器226は、50Ωのインピーダンスを有する同軸構造体221と、半球状チップの内部に取り付けられた4つの照射モノポール224との間のインピーダンスをマッチングさせるために用いられる。チップは、低損失のマイクロ波セラミック材料によって作られることが好ましい。このアンテナ構造は、広範な皮膚障害の治療に用いられたり、ここでは高電力と定義される電力レベルの場合に用いられる。高電力としては、たとえば、20Wから50Wであり、戦場での負傷者や事故の被災者を治療する際に、大きな傷口からの出血を直ちに止血したいような場合の傷封止装置として用いられる。ここで示されるアンテナは、剛体の同軸ケーブルの外径が6.35mmのものを使用しており、同軸ケーブルは適当なSMAコネクタ228を用いて近接端部で終端処理されている。適当なケーブルとしては、ハーバーヒル・ケーブル・アンド・マニュファクチュアリング・コーポレーション社(Haverhill Cable and Manufacturing Corporation)製の、型式HC−12009−1 外径6.35mmの低損失アルミニウムケーブルを使用してもよい。このケーブルは、減衰率21dB/100ftであり、平均電力定格は10GHzにおいて700Wである。
図8aおよび図8bは、本発明の実施の形態のさらなるアンテナ構造を示す図である。各々の構造は、誘電材料235によって外部導体233と分離された内部導体231を有する同軸構造体230を含む。同軸構造体は、電源装置(図示せず)に近い側の端部に、マイクロ波コネクタ236を有する。
図8aは、同軸構造体230の末端に接続された照射ループアンテナ232を示す図である。この構造は、小さな皮膚表面傷や鼻ポリープの治療に用いられる。図8bは、同軸構造体230の末端に接続された照射モノポールアンテナ232を示す図である。この構造は、個別の細絡や、特定の耳鼻咽喉(ENT)治療においても有効である。これらの治療においては、治療部位へのアクセスが制限され小型のアンテナ構造が必要とされる。
図8aおよび図8bに示された構造は、本発明の具体的な実施形態である出力2.5Wの電気手術システムの使用に特に適したものである。ここで考えられるアンテナ構造の外径は、0.5〜2.2mmである。また、アンテナ構造の全体の長さは、1.5〜6.0cmである。
同軸ケーブル230に適した製品としては、ハーバーヒル・ケーブル・アンド・マニュファクチュアリング・コーポレーション社製(www.haverhllcable.com)の、HC60004−1、HC10009−1およびHC20000−1が含まれる。照射アンテナの形状は、適当な電磁場シミュレーションツール(たとえば、CSTマイクロウェーブスタジオ)および適当なベクトルネットワークアナライザ(たとえば、アジレント8720ET(Agilent 8720ET)ユニット)を用いて決定することができる。
図9は、本発明に使用される、さらなるアンテナ構造を示す図である。アンテナ238は、上述の同軸構造体230に類似した同軸電源ケーブル240と、先端の尖ったセラミック誘電体チップ照射アンテナ242とにより構成される。照射アンテナ部242は、また、同軸電源ケーブルアセンブリと、負荷インピーダンスとなる組織との間のインピーダンスマッチングを可能とする。このアンテナ構造は、単独(または、非常に小さな群の)細絡の治療、靭帯(軟骨や眼の筋肉)の引締め、または苦痛緩和処置(神経叢アブレーション)など、身体のさまざまな組織内部にアンテナが経皮的に挿入されるような場合に用いられる。皮膚表面から数センチメートル内部の組織を治療するために、皮膚を通してアンテナを挿入するには、最大30Wの電力レベルを出力できることが望ましく、アンテナの全体長さは、10cmを超える長さとすることが望ましい。
図10は、ハンドヘルド電気手術用機器一式の他の実施の形態の概略図である。本システムは、4つの主要機器を備える。第1は、ハンドヘルドユニット224であり、マイクロ波エネルギ源、増幅回路および出力回路を含む。第2は、制御ユニット246であり、(7.2Vの再充電可能な内部バッテリパックにより生成される)直流電源および制御部を含む。第3は、低損失アンテナ248であり、治療部位(生物組織)に効率的にエネルギを伝送する。最後は、軽量で柔軟性のある直流ケーブル250であり、直流電源をハンドヘルドユニット244に伝達するとともに、ハンドヘルドユニット224と制御ユニット246との間で制御信号を伝送する。(これらの信号は、双方向通信(duplex)または個別の薄いケーブルアセンブリを用いて伝達される。)
本発明は、従来の小型のマイクロ波発生器よりも高い周波数において動作される、ペン形状のマイクロ波発生器を提供する。たとえば、このマイクロ波発生器は、14.5GHzにおいて2.5Wの最大電力を生成する。このような電力レベルは、意図する治療用途に適しており、マイクロ波エネルギを組織内部へ適切な浸透深さで供給できる。このような高周波における操作では、装置の温度影響を考慮する必要がある。たとえば、以下に冷却装置について説明するが、この冷却装置によって、デバイスの強制空気循環システムおよびヒートシンクを用いて、マイクロ波発生器が冷却される。筐体の尾端部に設置されたファンによって、アンテナの円錐状の端部の空気吸入部(air inlet cone)の小さな吸入孔を通して空気が引き込まれる。あるいは、またはさらに、断熱ジャケット(insulated jacket)によって、操作者は、内部で発生した熱から温度的に断熱される。
再び図10に示された実施の形態を参照して、上記で定義した4つの機器について詳細を説明する。
ハンドヘルドユニット244は、システムによって発生したマイクロ波エネルギを供給する主要機能部を含む。この主要機能部の詳細は、上述の実施の形態において詳述されている。追加の機器としては以下に示すものがある。
オン/オフスイッチ252(たとえば、押しボタン):ハンドヘルドユニット244に設置され、ユーザによって、治療部位へのマイクロ波エネルギの適用が制御される。このスイッチが押下されることによって治療が開始され、引き上げられることによって治療が停止される。
第1の状態表示器254(たとえば、LED):通常操作の状態では、アンテナから反射してマイクロ波発生源に戻ってくるマイクロ波エネルギの大きさが最小となるように、システムは自己調整(self adjusting)を行なう。アンテナから戻ってくる反射波の電力をモニタすることによって、安全監視が行なわれる。この反射波電力が、予め決められた所定レベルを超過すると、システムは自動的に停止(シャットダウン)するとともに、第1の状態表示器254が点灯する。反射波電力のレベルが所定レベルより下がり、かつユーザがオン/オフスイッチ252を押下すると、出力電力の伝達が再開され、第1の状態表示器254は消灯する。
第2の状態表示器256(たとえば、第1のLEDとは異なる色を有する他のLED):マイクロ波発生器の内部温度がモニタされる。そして、この内部温度が予め決められた所定のレベルを超過すると、ハンドヘルドユニット244への電力伝送が自動的に停止される。このような状態において、第2の状態表示器256が点灯する。そして、温度がこのレベルよりも下がり、かつユーザがオン/オフスイッチ252を押下すると、出力電力の伝達が再開され、第2の状態表示器256は消灯する。
制御ユニット246は、制御ユニット自身およびハンドヘルドユニット244により要求される直流電源を、再充電可能な7.2V内部バッテリパックから生成する。制御ユニット246は、マイクロ波システムを正しくかつ安全に起動するために、定められた順序に従って個々の電源を初期化する(上記で定義した)制御部を含む。また、制御ユニットは以下に示す機器を含む。
オン/オフトグルスイッチ258:トグルスイッチ258により、ユーザはシステム全体の電源をオンまたはオフとすることができ、未使用時にはバッテリのエネルギを節約することができる。
反射波電力表示器260:ユーザに対して、反射波電力のレベルを視覚的に表示し、それによって、システムおよび治療状況をリアルタイム評価するために、ハンドヘルドユニット244によって測定された反射波の大きさが、制御ユニット246上の第1のバーグラフ表示器に表示される。
バッテリ状態表示器262:制御ユニット246上に配置された第2のバーグラフ表示器は、ユニットの電源が入っていることの表示、およびバッテリエネルギの残存レベルの表示を行なう。したがって、治療が継続できるか否か、または内部バッテリパックの充電が必要か否かの評価を行なうことができる。バッテリの再充電のために、システムに外部充電ユニットを含んでもよい。
アンテナ248は、使い捨て(1回限りの使用)であり、かつ、治療部位に効率的にエネルギを伝送するように設計された低損失の構造(たとえば、上述のいずれかのタイプ構造)である。アンテナは、治療部位にマイクロ波を効率的に伝送するために、マッチングチップ264により終端処理される。ユニットは、アンテナアセンブリが接続されていないと認識すると、それに応じて電力の伝送を停止する。
図11は、図10のハンドヘルドユニットのための冷却システムを示す図である。ハンドヘルドユニット244の内部に収納されたマイクロ波電子機器は、十分な熱質量(熱容量:thermal mass)を有する金属のヒートシンク上に配置される。しかしながら、ハンドヘルドユニット244の冷却がさらに必要な場合もあり、装置およびヒートシンク全体を冷却する強制空気循環システムによる冷却が行なわれる。筐体266には、(ヒートシンク上に)配置される装置(図示せず)および冷却システムが収納される。
空気循環システムは、筐体266の尾端(近く)に配置されたファン270を駆動するための小型モータ268を備える。筐体266のアンテナ側端部にある円錐部(cone)274に開けられた小さな吸気孔272を通して、ファン270は、周囲環境から冷たい空気を引き込む。また、この筐体は、ユーザと熱的に断熱するために、断熱ジャケット(図示せず)内に設置される。

Claims (25)

  1. マイクロ波エネルギを用いて生物組織を治療するための装置であって、
    マイクロ波発生器とアンテナとを有するハンドヘルドユニットを含み、
    前記マイクロ波発生器は、マイクロ波エネルギを生成するとともに、前記アンテナからマイクロ波エネルギを生物組織の切除を制御可能に照射できるように、前記アンテナにマイクロ波エネルギを伝達する、装置。
  2. 前記ハンドヘルドユニットは、
    細長く、ペンサイズのハウジングを含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ハンドヘルドユニットに接続される制御部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記装置のための電源装置と、
    前記マイクロ波発生器と制御信号の授受ができるように構成された制御回路とを含む、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記制御部は、
    使用者に前記装置の操作を許可するように構成されたユーザインターフェイスをさらに含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記マイクロ波発生器は、
    マイクロ波周波数源と、
    前記アンテナに進行波電力を供給するために、前記周波数源からの出力を増幅するように構成された増幅器とを含み、
    前記装置は、
    前記アンテナに供給される前記進行波電力および前記アンテナから受ける反射波電力を検出するように構成された、1つ以上の検出素子を含み、
    前記検出素子は、前記マイクロ波発生器が、前記検出素子によって検出された前記進行波電力および前記反射波電力に基づいて制御されるように前記制御部と通信する、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  6. 前記検出素子は、
    導波管結合器を含む、請求項5に記載の装置。
  7. 前記マイクロ波発生器は、
    前記マイクロ波発生器によって出力されたマイクロ波電力を発振させるための変調スイッチと、
    出力電力の大きさを制御するための出力レベル制御器とを含む、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  8. 前記出力レベル制御器は、マイクロ波出力電力を減衰させ、および/または、前記マイクロ波発生器の増幅ゲインを制御する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記マイクロ波発生器は、組織の切除に適した高出力モードと、組織タイプおよび状態の測定に適した低出力モードとで動作可能である、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  10. 前記制御部は、前記マイクロ波発生器内の各機器が順次動作されるように構成されたタイミング回路をさらに含む、請求項3に記載の装置。
  11. 前記マイクロ波発生器は、
    マイクロ波周波数源と、
    前記アンテナに進行波電力を供給するために、前記周波数源からの出力を増幅するように構成された増幅器とを含み、
    前記タイミング回路は、前記周波数源が前記増幅器の電源を入れないように、前記増幅器へのドレイン電源を遮断する前に、前記周波数源のスイッチを切るように構成される、請求項10に記載の装置。
  12. 前記マイクロ波発生器の全部または一部は、ヒートシンク上に設置される、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  13. 前記アンテナは、治療される生体組織と同様の形の範囲にマイクロ波を照射するように構成された、細長い同軸構造部材である、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  14. 前記同軸構造部材は、
    内部導体と、
    外部導体とを有し、
    前記内部導体の外表面および前記外部導体の内表面は、高導電性材料で覆われる、請求項13に記載の装置。
  15. 前記アンテナは、
    誘電体チップを含み、
    前記誘電体チップは、照射端(aerial)として機能するとともに、前記同軸構造部材と治療される組織との間でマッチングした状態を作り出すように適合される、請求項13または14に記載の装置。
  16. 前記アンテナは、
    前記誘電体チップにマイクロ波エネルギを伝達するように構成された、複数の給電素子をさらに含む、請求項15に記載の装置。
  17. 前記ハンドヘルドユニット内に設けられ、前記装置と治療される組織とのインピーダンスをダイナミックにマッチングさせる同調フィルタをさらに備える、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  18. 前記ハンドヘルドユニットに取り付けられ、前記照射アンテナによって生成されるマイクロ波領域と同様の形の治療範囲を照らすように構成された可視光源をさらに備える、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  19. 前記ハンドヘルドユニットは、
    前記マイクロ波発生器を冷却するための強制空気循環システムをさらに含む、先行するいずれかの請求項に記載の装置。
  20. 前記ハンドヘルドユニットは、
    吸気孔が設けられた細長い筐体をさらに含み、
    前記強制空気循環システムは、
    前記マイクロ波発生器を冷却するために周囲環境からの空気を前記筐体内に引き込むためのファンを駆動するモータを含む、請求項23に記載の装置。
  21. マイクロ波を照射するためのアンテナであって、
    内部導体と外部導体とを有する、細長い同軸給電構造部材を備え、
    前記内部導体の外表面および前記外部導体の内表面は、高導電性材料で覆われ、
    前記同軸給電構造部材は、照射素子の終端処理を行なうとともに、マイクロ波エネルギを前記照射素子に伝達し、
    前記同軸給電構造部材は、実質的に均一の照射範囲にマイクロ波を照射する、アンテナ。
  22. 前記アンテナは、同軸電界ニードルアンテナ、もしくは磁界ループアンテナのいずれかである、請求項21に記載のアンテナ。
  23. 前記照射素子は、誘電体チップであり、
    前記誘電体チップは、前記同軸給電構造部材と治療される組織との間でマッチングした状態を作り出すように適合される、請求項21または22に記載のアンテナ。
  24. 前記誘電体チップは、セラミック製の半球状レドームである、請求項23に記載のアンテナ。
  25. 前記同軸給電構造部材は、
    マイクロ波エネルギを前記誘電体チップに伝達するように構成された、複数の給電素子を含む、請求項23または24に記載のアンテナ。
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