JPH10216067A - 浴室の洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い範囲に洗剤および水を万遍なく散布し、
浴室の汚れを効率よく取り去る。 【解決手段】 水噴出ノズル部１３および洗剤噴出ノズ
ル部１４はライン状（偏平な状態の噴流）に水および洗
剤を噴出する構成であるとともに、水および洗剤の噴出
ノズル１３、１４は所定の角度を傾けて回転する構成と
したものである。したがって水と洗剤は強い噴流となる
とともに広範囲に散布され、浴室内の汚れを効率よく取
り去ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は浴槽、洗い場、壁、
天井、ドア、窓などで構成される浴室ユニットにおい
て、入浴した後、汚れなどを洗浄するための浴室の洗浄
システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴室の洗浄装置は実開平７−２７
４６３号公報や特開平８−１６５８０８号公報などに記
載されたものが知られている。

【０００３】図８に従来の浴室洗浄装置の一例を示す。
温水と洗剤を混合するミキシング部３１と、天井部に設
けられ、水や洗浄液を噴出する噴出部３２と、ドアや窓
の閉止を感知するセンサ３３と、噴出制御手段３１とか
ら構成され、高温の温水や洗剤液が浴室内の人にかかっ
たり窓や出入口から外部に飛散するのを防止するために
考案されたものである（実開平７−２７４６３号公
報）。

【０００４】また、洗浄水吐水口に流す流量積算計を設
け、給水圧が変動しても散水量を常に一定にし防水パン
から水の溢れることのない、自動洗浄装置なども発明さ
れている（特開平８−１６５８０８号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のような構成にお
いて、洗剤を浴室内に噴出し、その後水を散布しても隅
々まで洗剤を行き渡らせることが出来ない場合があった
り、水の力でも十分に汚れを落とせない場合があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、水噴出ノズル部および洗剤噴出ノズル部は
ライン状（偏平な状態の噴流）に水および洗剤を噴出す
る構成にするとともに、水および洗剤の噴出ノズル部
は、斜め下方を向いた軸を回転軸とし、前記軸に対して
所定の角度を傾けて回転する構成としたものである。

【０００７】上記発明によれば、ライン状の噴流である
ことにより、ノズルより噴出する水と洗剤の当たる面積
が限定され、狭い範囲に強い噴流を当てることができる
とともに、噴流の速度が大きく到達距離が確保できるた
め水および洗剤が遠くまで行き渡る。そして、ノズル部
分が斜め下方を向いた軸を回転軸とし、前記軸に対して
所定の角度を傾けて回転する構成としているため、水お
よび洗剤を広い範囲に散布し、万遍なく水と洗剤を散布
することができるものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１にかかる発明
は、浴室の壁面に設けられ、それぞれ浴槽および洗い場
を洗浄可能なように配置された少なくとも２つの水噴出
ノズル部および洗剤噴出ノズル部を有し、前記水噴出ノ
ズル部および洗剤噴出ノズル部はライン状に水および洗
剤を噴出する構成にするとともに、水および洗剤の噴出
ノズル部は、斜め下方を向いた軸を回転軸とし、前記軸
に対して所定の角度を傾けて回転する構成としたもので
ある。

【０００９】そして、ライン状の噴流であることによ
り、ノズルより噴出する水と洗剤の当たる面積が限定さ
れ、狭い範囲に強い噴流を当てることができるととも
に、噴流の速度が大きく到達距離が確保できるため水お
よび洗剤が遠くまで行き渡る。加えて、ノズル部分が斜
め下方を向いた軸を回転軸とし、前記軸に対して所定の
角度を傾けて回転する構成であるため、水および洗剤を
広い範囲に散布し、万遍なく水と洗剤を散布することが
できるものである。

【００１０】さらに請求項２にかかる発明は、洗剤噴出
ノズル部は円錐状でかつ霧状に噴出する構成としたもの
であり、洗剤の噴霧量を少なくし、経済的な洗浄が可能
となる。

【００１１】また請求項３にかかる発明は、水噴出ノズ
ル部は、洗い場の水が排水される方向に回転する構成と
したものである。

【００１２】そして、この構成により排水を促進するこ
とにより、汚れを素早く洗い流すことが可能となる。

【００１３】さらに請求項４にかかる発明は、上記の構
成において水を噴出した後洗剤を噴出し、所定の時間経
過した後、再度水を噴出する制御部を有したものであ
る。

【００１４】そして最初に水噴出ノズル部により噴出さ
れた水により入浴後に残った泡等を洗い流し、つぎに洗
剤噴出ノズル部より出た洗剤により浴槽等にこびりつい
た石けんカスのような汚れを溶かし、所定の時間経過し
て汚れが溶けた時点で再度水を噴出することにより浴室
の汚れを効率よく取り去るというものである。

【００１５】以下、本発明の実施例について、図面を参
照して説明する。 （実施例１）図１は本発明の実施例１の洗浄装置を備え
た浴室の斜視図である。

【００１６】図１において、３は浴室で入浴するための
空間であり、主として浴槽４、洗い場５、壁６、天井
７、扉８から構成されている。９は壁６に取付けた洗浄
装置、１０は前記洗浄装置９をコントロールする制御
部、１１は脱衣場に設けられたリモコン、１２は水の入
口管であり、水道管等とつないで水を洗浄装置に供給す
るためのものである。

【００１７】図２は、洗浄装置９を拡大したものであ
り、水の噴出ノズル部１３と洗剤の噴出ノズル部１４と
がそれぞれ２個ずつ設けられている。１５は水の逆流を
防ぐ逆止弁で水の入口管１２に接続している。１６は水
の通路を開閉する電磁弁であり、これによりノズル部１
３からの散水を制御するものである。１７は洗剤のタン
ク、１８は洗剤のポンプであり、前記タンク１７からホ
ース１８ａを介して洗剤を吸い込み、加圧してノズル１
４より噴出させるものである。

【００１８】図３はノズル部１３の拡大断面図を示す。
１９はモーター、２０はモーター１９によって回転させ
られる回転部材で、斜め下方を向いた回転軸２１を中心
に回転するように構成されている。２２は回転部材２０
を支持する回転支持部材、２３と２４は水が漏れるのを
防ぐためのＯリング、２５は水の入口継ぎ手、２６は回
転部材２０が抜けないようにする止め部材、２７はノズ
ル取りつけ軸であり、回転軸２１に対してαだけ傾いて
いる。この角度αを変化させることにより、散水の範囲
を変えることが可能である。２８はノズルであり、図４
（Ａ）（Ｂ）に示すように絞り部２９とＶ溝３０の作用
により水はライン状（扁平に広がった状態）に噴出する
構成になっている。また、ノズル部１３は浴槽へのまた
ぎ込み部分３１、３２を洗浄できるようにこれにまたが
る形で２個配置されている。なお洗剤の噴出ノズル１４
についても同様の構成となっている。

【００１９】次に動作について説明すると、電磁弁１６
を開いて水を噴出すると、図５に示すように水はライン
状に水の噴出ノズル部１３より噴出する。そして、モー
タ１９を作動させると、回転部材２０が回転支持部材２
２の中を同軸に回転する。そして、ノズル２８が回転軸
２１に対してαだけ傾いて回転し、図５に示すようにラ
イン状に噴出しながら回転し、同心円状に実線の位置か
ら破線の位置へと移動して床や壁面を順次洗浄してい
く。また、向かって左側の噴出ノズル１３からも同様に
水を噴出することにより、浴槽４へのまたぎ込みの部分
３１、３２もほぼ完全に洗浄することが可能になる。ま
た、洗剤についても、同様に床や壁面に順次洗剤を散布
して、左右両方のノズル１４より噴出することにより、
ほぼ全面に散布することが可能となる。

【００２０】以上のように、ライン状の噴流であること
により、ノズル１３、１４より噴出する水と洗剤の当た
る面積が限定され、狭い範囲に強い噴流を当てることが
できるとともに、噴流の速度が大きく到達距離が確保で
きるため水および洗剤が遠くまで行き渡る。加えて、ノ
ズル部分１３が斜め下方を向いた軸２１を回転軸とし、
前記軸に対して所定の角度を傾けて回転する構成である
ため、同心円状に水および洗剤を散布することで、噴出
する水と洗剤の当たる面積が限定されるにも拘らず、広
い範囲に散布し、万遍なく水と洗剤を散布することがで
きるものである。また、水の場合は上記に加えて、噴流
の力が強いため、こびりついた汚れでも水の力で洗い落
とすことが出来、汚れをほぼ完全に取り去ることが可能
になるものである。

【００２１】また、水噴出ノズル１３は、洗い場５の水
が排水される方向Ａに回転する構成としてあり、この構
成により排水を促進し、かつ汚れを排水の方向に運ぶこ
とにより、汚れを澱ませることなく素早く洗い流すこと
が可能となる。

【００２２】（実施例２）図６は、洗剤噴出ノズル１４
の他の例を示し、旋回用チップ３１（穴が斜め向きに開
いており、旋回流を発生させる）と、絞り部３２とを有
する構成としたもので、洗剤を円錐状でかつ霧状に噴出
し、洗剤の噴霧量を少なくし、経済的な洗浄が可能とな
る。

【００２３】（実施例３）また、上記各実施例の構成に
おいて、制御部１０は水噴出ノズル１３より水を噴出し
た後、洗剤噴出ノズル１４より洗剤を噴出し、所定の時
間経過した後、再度水を噴出する構成としてある。これ
により、最初に水噴出ノズル１３により噴出された水に
より入浴後に残った泡等を洗い流し、つぎに洗剤噴出ノ
ズル１４より出た洗剤により浴槽等にこびりついた石け
んカスのような汚れを溶かし、所定の時間経過して汚れ
が溶けた時点で再度水噴出ノズル１３より水を噴出する
ことにより浴室の汚れをほぼ完全に取り去ることができ
るようになるものである。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかのように本発明の
浴室の洗浄装置によれば、次の効果が得られる。

【００２５】請求項１に係る発明は、ライン状（偏平な
状態の噴流）に水および洗剤を噴出するため、ノズルよ
り噴出する水と洗剤の当たる面積が限定され、狭い範囲
に強い噴流を当てることができるとともに、噴流の速度
が大きく到達距離が確保できるため水および洗剤が遠く
まで行き渡る。そして、ノズル部分が所定の角度を傾け
て回転する構成であるため、水および洗剤を広い範囲に
散布し、万遍なく水と洗剤を散布することができる。し
たがって隅まで効率よく洗浄することができる。

【００２６】さらに、請求項２に係る発明は、洗剤噴出
ノズルを円錐状でかつ霧状に噴出する構成としているの
で、洗剤の噴霧量を少なくし、経済的な洗浄が可能とな
る。

【００２７】また、請求項３に係る発明は、水噴出ノズ
ルを、洗い場の水が排水される方向に回転する構成とし
たことにより、排水を促進し、かつ汚れを排水の方向に
運ぶことにより、汚れを澱ませることなく素早く洗い流
すことが可能となる。

【００２８】また請求項４に係る発明は、上記の構成に
おいて水を噴出した後洗剤を噴出し、所定の時間経過し
た後、再度水を噴出する構成としたことにより、最初に
水噴出ノズルにより噴出された水により入浴後に残った
泡等を洗い流し、つぎに洗剤噴出ノズルより出た洗剤に
より浴槽等にこびりついた石けんカスのような汚れを溶
かし、所定の時間経過して汚れが溶けた時点で再度水を
噴出することにより浴室の汚れを効率よく取り去ること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の浴室の洗浄装置を備えた浴
室の斜視図

【図２】同実施例１の形態による洗浄装置の斜視図

【図３】同洗浄装置の噴出ノズル近傍を示す拡大断面図

【図４】（Ａ）は同洗浄装置の噴出ノズルを示す拡大断
面図（Ｂ）は同洗浄装置の噴出ノズルを示す拡大正面図

【図５】同洗浄装置による洗浄動作を説明する斜視図

【図６】本発明の実施例２における洗剤噴出ノズルを示
す拡大断面図

【図７】従来例の浴室洗浄装置を示す正面図

【符号の説明】

３ 浴室 ４ 浴槽 ５ 洗い場 ６ 壁 ９ 洗浄装置 １０ 制御部 １３ 水噴出ノズル １４ 洗剤噴出ノズル

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｅ０４Ｈ 1/12 ３０１ Ｅ０４Ｈ 1/12 ３０１

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室の壁面に設けられ、それぞれ浴槽およ
   び洗い場を洗浄可能なように配置された少なくとも２つ
   の水噴出ノズル部および洗剤噴出ノズル部を有し、前記
   水噴出ノズル部および洗剤噴出ノズル部はライン状に水
   および洗剤を噴出する構成にするとともに、水および洗
   剤の噴出ノズル部は、斜め下方を向いた軸を回転軸と
   し、前記軸に対して所定の角度を傾けて回転する構成と
   した浴室の洗浄装置。
2. 【請求項２】浴室の壁面に設けられ、それぞれ浴槽およ
   び洗い場を洗浄可能なように配置された少なくとも２つ
   の水噴出ノズル部および洗剤噴出ノズル部を有し、前記
   水噴出ノズル部はライン状に水を噴出する構成にすると
   ともに、前記洗剤噴出ノズル部は円錐状でかつ霧状に噴
   出する構成とし、かつ水および洗剤の噴出ノズル部は、
   斜め下方を向いた軸を回転軸とし、前記軸に対して所定
   の角度を傾けて回転する構成とした浴室の洗浄装置。
3. 【請求項３】水噴出ノズル部は、洗い場の水が排水され
   る方向に回転する構成とした請求項１または２記載の浴
   室の洗浄装置。
4. 【請求項４】水噴出ノズル部より水を噴出した後、洗剤
   噴出ノズル部より洗剤を噴出し、所定の時間経過した
   後、再度水噴出ノズル部より水を噴出する制御部を備え
   た請求項１ないし３のいずれか１項記載の浴室の洗浄装
   置。