JPH10215907A - 靴ソール - Google Patents

靴ソール

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JPH10215907A
JPH10215907A JP2284697A JP2284697A JPH10215907A JP H10215907 A JPH10215907 A JP H10215907A JP 2284697 A JP2284697 A JP 2284697A JP 2284697 A JP2284697 A JP 2284697A JP H10215907 A JPH10215907 A JP H10215907A
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shoe sole
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shock absorbing
compound
group
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JP2284697A
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Yasuyuki Ohira
康幸 大平
Mitsuo Hori
光雄 堀
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CCI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の靴ソールに使用されている衝撃吸収部
材と対比したとき、予測を遥かに超えた優れた衝撃吸収
性能を有する衝撃吸収部材を使用した靴ソールを提供す
ること。 【解決手段】 母材中に、前記母材における双極子モー
メント量を増加させる活性成分が配合されている衝撃吸
収部材を使用したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた衝撃吸収性
能を有する衝撃吸収部材を使用した靴ソールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
衝撃吸収性を有する靴としては、靴底を構成する靴ソー
ルに、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどの発泡樹脂材
料を用いたものがある。
【0003】ところが、この靴ソールは、発泡樹脂材料
の持つ衝撃吸収性そのものが低く、接地面からの衝撃を
十分に緩和吸収することができなかった。
【0004】また、二枚のシートを部分的に接着して多
数の独立した充填室を形成し、この充填室内に液状シリ
コン、液状ポリウレタン、液状のゴムなど液状弾性体を
充填したものを、靴ソール、例えばミッドソールとして
適用した靴もある。
【0005】ところが、この靴ソールの場合、幾分衝撃
吸収性は向上するものの、十分な衝撃吸収性を有すると
は言えず、しかも構造が複雑で製造にも手間がかかりコ
スモ高となっていた。
【0006】本発明者らは、優れた衝撃吸収性能を有す
る靴ソールについて鋭意研究を重ねた結果、靴ソールと
して適用される衝撃吸収部材(母材)における双極子モ
ーメント量が、当該靴ソール(衝撃吸収部材)の衝撃吸
収性能に深い関係を持っており、衝撃吸収部材(母材)
における双極子モーメント量を多くすることで、当該靴
ソール(衝撃吸収部材)の衝撃吸収性能を飛躍的に向上
させることができることを見い出した。
【0007】さらに発明者は、この研究を通して衝撃吸
収部材を構成する母材の誘電損率と衝撃吸収性能とにつ
いても相関があり、誘電損率が高いものほど、衝撃吸収
性能が高いということを見い出したのである。
【0008】本発明は、上述の知見に基づくことで完成
されたものであり、従来の靴ソールに使用されている衝
撃吸収部材と対比したとき、予測を遥かに超えた優れた
衝撃吸収性能を有する衝撃吸収部材を使用した靴ソール
を提供することを目的とするものである。
【0009】本発明の別の目的は、使用温度領域におい
て良好な衝撃吸収性能が発揮される衝撃吸収部材を使用
した靴ソールを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、母材中に、前記母材におけ
る双極子モーメント量を増加させる活性成分が配合され
ている衝撃吸収部材を使用したことを特徴とする靴ソー
ルをその要旨とした。
【0011】請求項2記載の発明は、母材が、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、及びクロロプレンゴムから選ばれる極性高分子より
なることを特徴とする靴ソールをその要旨とした。
【0012】請求項3記載の発明は、母材が使用温度域
にガラス転移点を有する高分子よりなることを特徴とす
る靴ソールをその要旨とした。
【0013】請求項4記載の発明は、活性成分が母材1
00重量部に対して10〜200重量部の割合で配合さ
れていることを特徴とする靴ソールをその要旨とした。
【0014】請求項5記載の発明は、活性成分が、メル
カプトベンゾチアジル基を含む化合物の中から選ばれた
1種若しくは2種以上であることを特徴とする靴ソール
をその要旨とした。
【0015】請求項6記載の発明は、メルカプトベンゾ
チアジル基を含む化合物が、N、N−ジシクロヘキシル
ベンゾチアジル−2−スルフェンアミドであることを特
徴とする靴ソールをその要旨とした。
【0016】請求項7記載の発明は、メルカプトベンゾ
チアジル基を含む化合物が、2−メルカプトベンゾチア
ゾールであることを特徴とする靴ソールをその要旨とし
た。
【0017】請求項8記載の発明は、メルカプトベンゾ
チアジル基を含む化合物が、ジベンゾチアジルスルフィ
ドであることを特徴とする靴ソールをその要旨とした。
【0018】請求項9記載の発明は、活性成分が、ベン
ゾトリアゾール基を持つ化合物の中から選ばれた1種若
しくは2種以上であることを特徴とする靴ソールをその
要旨とした。
【0019】請求項10記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
3′−(3″,4″,5″,6″テトラハイドロフタリ
ミデメチル)−5′−メチルフェニル}−ベンゾトリア
ゾールであることを特徴とする靴ソールをその要旨とし
た。
【0020】請求項11記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
5′−メチルフェニル}−ベンゾトリアゾールであるこ
とを特徴とする靴ソールをその要旨とした。
【0021】請求項12記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル}−5−クロ
ロベンゾトリアゾールであることを特徴とする靴ソール
をその要旨とした。
【0022】請求項13記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベ
ンゾトリアゾールであることを特徴とする靴ソールをそ
の要旨とした。
【0023】請求項14記載の発明は、活性成分が、ジ
フェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた
1種若しくは2種以上であることを特徴とする靴ソール
をその要旨とした。
【0024】請求項15記載の発明は、ジフェニルアク
リレート基を持つ化合物が、エチル−2−シアノ−3,
3−ジ−フェニルアクリレートであることを特徴とする
靴ソールをその要旨とした。
【0025】請求項16記載の発明は、衝撃吸収部材の
周波数110Hzにおける誘電損率が50以上であるこ
とを特徴とする靴ソールをその要旨とした。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の靴ソールについて
さらに詳しく説明する。図5に示す靴11は、甲革12
の下側に、薄手で柔らかい中底13と、中底13の下側
に敷設した衝撃吸収部材よりなるミッドソール14と、
ミッドソール14の下側に敷設した耐摩耗性に富むアウ
トソール15からなる多層靴底16を設けたものであ
る。
【0027】尚、本発明の靴ソールを使用した靴の態様
としては、甲革の下側に、中底とその下側に敷設した靴
ソールとからなる靴底を設けたもの、図5に示す靴にお
いて、中底とミッドソールとの間にヒールソールを設け
たものなど、その構造や形状は靴の種類やデザインに応
じて適宜変更することができる。
【0028】また、例えば図5に示す靴11におけるア
ウトソール15にも、耐摩耗性であり、かつ衝撃吸収性
を有する材料を適用して、当該靴の衝撃吸収性能を高め
るなど、機能の面でも該靴の使用状態や使用者の要求に
応じて適宜変更が可能である。
【0029】本発明の靴ソール(図5に示す靴11にお
いてはミッドソール14)には、母材中に、前記母材に
おける双極子モーメント量を増加させる活性成分が配合
されている衝撃吸収部材が適用されている。
【0030】以下、本発明の靴ソールとして適用される
衝撃吸収部材について説明する。この衝撃吸収部材にお
ける母材成分としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢ビ共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、スチレン−
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イ
ソプレンゴム(IR)などの高分子、これらをブレンド
したものなどを挙げることができる。中でもポリ塩化ビ
ニルは、成形性がよく、安価である点で好ましい。
【0031】このような高分子を母材成分とする衝撃吸
収部材における双極子モーメント量と衝撃吸収性能との
間には以下のような関係がある。一般に衝撃吸収部材に
おける衝撃吸収のメカニズムは、当該靴ソール(衝撃吸
収部材)に振動等の衝撃が当たることで、そのエネルギ
ーの一部が熱エネルギーに返還され、ここに衝撃吸収性
能が生じる。つまり当該靴ソール(衝撃吸収部材)に伝
搬した振動がエネルギーの変換によって減衰され、衝撃
吸収が行われるということである。本発明者らは、靴ソ
ールとして適用される衝撃吸収部材の衝撃吸収のメカニ
ズムを研究していく過程で、衝撃吸収部材(母材)にお
ける双極子の変位、双極子の復元作用によってエネルギ
ーが吸収(変換)され、衝撃吸収性能が生じるというこ
とを発見した。
【0032】以下にその詳細を示す。図1には衝撃(例
えば振動)が伝わる前の衝撃吸収部材(母材)1内部に
おける双極子2の配置状態を示した。この双極子2の配
置状態は安定な状態にあると言える。ところが、衝撃
(例えば振動)が伝わることで、衝撃吸収部材(母材)
1内部に存在する双極子2には変位が生じ、図2に示す
ように、衝撃吸収部材(母材)1内部における各双極子
2は不安定な状態に置かれることになり、各双極子2
は、図1に示すような安定な状態に戻ろうとする。
【0033】このとき、エネルギーの吸収(変換)が生
じることになる。こうした、衝撃吸収部材(母材)1内
部における双極子の変位、双極子の復元作用によるエネ
ルギーの吸収(変換)を通じて、衝撃吸収性能が生じて
いるものと考えられる。
【0034】上述の衝撃吸収のメカニズムから、図1及
び図2に示すような衝撃吸収部材(母材)1内部におけ
る双極子モーメントの量が大きくなればなる程、その衝
撃吸収部材(母材)1の持つ衝撃吸収性能も高くなると
考えられる。このことから、衝撃吸収部材を構成する母
材成分として、分子内部における双極子モーメント量が
もともと大きな素材を用いることは、より高い衝撃吸収
性能を確保する上で大変有用なことである。
【0035】分子内部における双極子モーメント量がも
ともと大きなものとしては、極性高分子を挙げることが
できる。この極性高分子として、具体的には、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム(AC
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及びクロロプレ
ンゴム(CR)などを挙げることができる。
【0036】また本発明の靴ソール(図5に示す態様で
はミッドソール14)は、接地面からの衝撃を吸収緩和
することを目的とするものであり、その使用時における
温度(以下使用温度域という。)は、おおよそ−20°
C〜40°Cの範囲である。その使用温度域においてガ
ラス転移点を有する高分子を衝撃吸収部材の母材成分と
して用いることは大変に有用なことである。なぜなら
ば、発明者らの実験によれば、高分子のガラス転移点付
近で衝撃吸収性能が最も発揮されるからである。
【0037】使用温度域にガラス転移点を有する高分子
としては、具体的にはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体、ポリメタク
リル酸メチル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体などの高分子に、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレー
ト(DBP)、ジイソノニルフタレート(DINP)な
どの可塑剤を添加して、使用温度域にガラス転移点(T
g)を移動させたもの、あるいは高分子そのものが使用
温度域にガラス転移点(Tg)を有するアクリルゴム
(ACR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチ
レンなどの高分子などを挙げることができる。
【0038】尚、母材成分の選択に際しては、前記分子
内部における双極子モーメント量や使用温度域の他、取
り扱い性、成形性、入手容易性、温度性能(耐熱性や耐
寒性)、耐候性、価格なども考慮するのが望ましい。
【0039】靴ソールとして適用される衝撃吸収部材に
おける活性成分とは、母材における双極子モーメントの
量を飛躍的に増加させる成分であり、当該活性成分その
ものが双極子モーメント量が大きいもの、あるいは活性
成分そのものの双極子モーメント量は小さいが、当該活
性成分が含まれることで、母材における双極子モーメン
ト量が飛躍的に増加するような成分をいう。
【0040】例えば所定の温度条件、エネルギーの大き
さとしたときの、衝撃吸収部材(母材)1内部に生じる
双極子モーメントの量が、衝撃吸収部材(母材)1に活
性成分が含まれることで、図3に示すように、同じ条件
の下で3倍とか、10倍とかいった量に増加することに
なるのである。これに伴って、エネルギーが伝達された
ときの双極子2の復元作用によるエネルギー消費量も飛
躍的に増大することになり、予測を遥かに超えた衝撃吸
収性能が生じることになると考えられる。
【0041】このような作用効果を導く活性成分として
は、例えばN、N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−
2−スルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプ
トベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルスル
フィド(MBTS)、N−シクロヘキシルベンゾチアジ
ル−2−スルフェンアミド(CBS)、N−tert−
ブチルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(BB
S)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スル
フェンアミド(OBS)、N、N−ジイソプロピルベン
ゾチアジル−2−スルフェンアミド(DPBS)などの
メルカプトベンゾチアジル基を含む化合物、
【0042】ベンゼン環にアゾール基が結合したベンゾ
トリアゾールを母核とし、これにフェニル基が結合した
2−{2′−ハイドロキシ−3′−(3″,4″,
5″,6″テトラハイドロフタリミデメチル)−5′−
メチルフェニル}−ベンゾトリアゾール(2HPMM
B)、2−{2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニ
ル}−ベンゾトリアゾール(2HMPB)、2−{2′
−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェ
ニル}−5−クロロベンゾトリアゾール(2HBMPC
B)、2−{2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t
−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール
(2HDBPCB)などのベンゾトリアゾール基を持つ
化合物、
【0043】あるいは、エチル−2−シアノ−3,3−
ジ−フェニルアクリレートなどのジフェニルアクリレー
ト基を含む化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以
上を挙げることができる。
【0044】上述の活性成分の含有量としては、母材1
00重量部に対して10〜200重量部の割合が好まし
い。例えば活性成分の含有量が10重量部を下回る場
合、双極子モーメントの量を増大させるという十分な効
果が得られず、活性成分の含有量が200重量部を上回
る場合には、十分に相溶しなかったり、十分な機械的強
度が得られなかったりすることがある。
【0045】尚、前記母材に配合する活性成分を決定す
るに当たり、前述の双極子モーメントの量以外に、活性
成分と母材成分との相溶し易さ、すなわちSP値を考慮
し、その値の近いものを選択すると良い。
【0046】尚、双極子モーメントの量は、前述の母材
成分や活性成分の種類により様々に異なっている。また
同じ成分を用いたとしても、エネルギーが伝達されたと
きの温度により、その双極子モーメントの量は変わる。
また、伝達されるエネルギーの大小によっても、双極子
モーメントの量は変わる。このため、適用時の温度やエ
ネルギーの大きさなどを考慮して、そのとき最も大きな
双極子モーメント量となるように、母材成分や活性成分
を適宜選択して用いるのが望ましい。
【0047】また、上記母材中には活性成分の他に、衝
撃吸収性能をさらに向上させる目的で、また部材の機械
的強度を高める目的で、マイカ鱗片、ガラス片、グラス
ファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バ
ライト、沈降硫酸バリウム等のフィラーを充填すること
ができる。この場合、フィラーの充填量は、10〜80
重量%が好ましい。例えばフィラーの充填量が10重量
%を下回る場合には、フィラーを充填しても十分な吸収
性能の向上がみられず、反対にフィラーの充填量を80
重量%を上回る量としても、現実に充填できなかった
り、衝撃吸収部材の強度がかえって低下してしまったり
するといった弊害を招くことになる。
【0048】本発明の靴ソールとして適用される衝撃吸
収部材は、上記母材成分に活性成分、その他必要に応じ
てフィラー、分散剤、増粘剤などを配合した配合物を、
ディゾルバー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキ
サー、グレンミル、オープンニーダ、真空ニーダなどの
従来公知の混合分散機によって分散混合して製造され
る。
【0049】上記の如く母材中に活性成分を配合するこ
とで、双極子モーメントの量が飛躍的に増加し、もって
該衝撃吸収部材は高い衝撃吸収性能を発揮するに至るの
であるが、母材に活性成分を配合した衝撃吸収部材にお
ける双極子モーメントの量は、図4に示すA−B間にお
ける誘電率(ε′)の差として表される。すなわち図4
に示すA−B間における誘電率(ε′)の差が大きけれ
ば大きいほど、双極子モーメントの量が大きいというこ
とになる。
【0050】さて、図4は誘電率(ε′)と誘電損率
(ε″)との関係を示したグラフであるが、このグラフ
に示す誘電率(ε′)と誘電損率(ε″)との間には、
誘電損率(ε″)=誘電率(ε′)×誘電正接(tan
δ)といった関係が成り立っている。
【0051】本発明者らは、靴ソールとして適用される
衝撃吸収部材についての研究を通して、ここでいう誘電
損率(ε″)が高ければ高いほど、エネルギー吸収性、
衝撃吸収性能も高いということを見い出したのである。
【0052】この知見に基づいて、上述の衝撃吸収部材
における誘電損率(ε″)を調べたところ、周波数11
0Hzにおける誘電損率が50以上であるとき、該衝撃
吸収部材は優れた衝撃吸収性能を有していることが解っ
た。
【0053】
【実施例】塩素化ポリエチレン50重量%に対しDCH
BSA(この時の試料温度は22°C)を50重量%の
割合で配合し、これを厚さ1mm(実施例1)、厚さ3
mm(実施例2)、厚さ5mm(実施例3)、厚さ10
mm(実施例4)の各厚さの板形状に成形し衝撃吸収部
材とした。
【0054】塩素化ポリエチレン100重量%とした以
外は実施例と同様にして厚さ1mm(比較例1)、厚さ
3mm(比較例2)、厚さ5mm(比較例3)、厚さ1
0mm(比較例4)の各厚さの板形状に成形し衝撃吸収
部材とした。
【0055】従来品(ヒールパット、厚さ4mmの板、
インパルス製)を衝撃吸収部材とした(比較例5)。
【0056】従来品(ジェル、厚さ4mmの板、インパ
ルス製)を衝撃吸収部材とした(比較例6)。
【0057】従来品(エア、厚さ10mmの板、インパ
ルス製)を衝撃吸収部材とした(比較例7)。
【0058】従来品(スポーツジェル、厚さ3mmの
板、ウィルソン製)を衝撃吸収部材とした(比較例
8)。
【0059】上記実施例1、比較例1、5、6、7、8
の各衝撃吸収部材について、誘電正接(tanδ)、誘
電損率(ε″)及び誘電率(ε′)を測定したところ、
表1のような結果となった。
【0060】
【0061】また、上記実施例1〜4、比較例1〜8の
各衝撃吸収部材について衝撃吸収試験を行った。試験
は、図6に示すように、各衝撃吸収部材1を基台20上
に載せ、この基台20上に12kgの重し21を250
mmの高さから落下させ、このときの振動加速度レベル
(dB)を重し21に接続した振動ピックアップ23
(NP−601、株式会社製)で測定し、これをFFT
アナライザー22(株式会社小野測器製)で増幅するこ
とで行った。この試験結果を図7に示した。尚、測定時
の温度は20°C、暗振動は49.56dBであり、図
7に示す測定結果は50回の平均値として示した。尚、
比較のため、衝撃吸収部材の載置しないもの(未対策)
についても、同様に衝撃吸収試験を行った。
【0062】図7から明らかなように、未対策の振動加
速度レベルが73dB前後であるのに対し、塩素化ポリ
エチレンを素材とする比較例1のものが80dB、比較
例2、3、4と厚みが厚くなるに従って、69dB、6
5dB、61dBと次第に衝撃吸収性が向上していくこ
とが解った。また従来品を用いた比較例5、6、7、比
較例8がいずれも55〜65dBという振動加速度レベ
ルであるのに対し、厚みが1mmの実施例1を除いて、
実施例2、3、4と厚みが厚くなるにしたがい、性能が
上がり、厚みが10mmの実施例4のものについては5
2〜53dBときわめて高いレベルを示した。
【0063】次に、図8に示すように、上記実施例1〜
4、比較例1〜8の各衝撃吸収部材1を安全靴24(J
IS規格品)の中に入れ、同様にして振動加速度レベル
を測定した。その結果を図9に示した。尚、比較のた
め、衝撃吸収部材の載置しない安全靴(未対策)につい
ても、同様に衝撃吸収試験を行った。
【0064】図9から、未対策の振動加速度レベルが6
5dB前後であるのに対し、塩素化ポリエチレンを素材
とする比較例1のものが64dB、比較例2、3、4と
厚みが厚くなるに従って、60dB、59dB、54d
Bと次第に衝撃吸収性が向上していくことが解った。ま
た従来品を用いた比較例5、6、8が55〜57dB、
比較例7が52dBという振動加速度レベルであるのに
対し、厚みが1mmの実施例1を除いて、実施例2、
3、4と厚みが厚くなるにしたがい、50〜55dBと
性能が上がり、厚みが10mmの実施例4のものについ
ては50〜52dBときわめて高いレベルを示した。
【0065】
【発明の効果】本発明の靴ソールは、優れた衝撃吸収性
能を有する衝撃吸収部材を使用しており、路面からの衝
撃を確実に吸収緩和することができる。
【0066】またこの靴ソールを構成する衝撃吸収部材
の周波数110Hzにおける誘電損率が50以上の場合
には、従来の靴ソールに使用されている衝撃吸収部材か
らは予想できないほどの優れた衝撃収性能が発揮され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】衝撃吸収部材(母材)における双極子を示した
模式図。
【図2】エネルギーが伝わったときの衝撃吸収部材(母
材)における双極子の状態を示した模式図。
【図3】母材中に活性成分が配合されたときの衝撃吸収
部材(母材)における双極子の状態を示した模式図。
【図4】衝撃吸収部材(母材)における誘電率(ε′)
と誘電損率(ε″)との関係を示したグラフ。
【図5】本発明の靴ソールを使用した靴を模式的に示し
た模式図。
【図6】実施例1〜4、比較例1〜8の各衝撃吸収部材
の振動加速度レベルを測定する装置を模式的に示した模
式図。
【図7】図6に示す装置により測定された実施例1〜
4、比較例1〜8の各衝撃吸収部材の振動加速度レベル
を示したグラフ。
【図8】実施例1〜4、比較例1〜8の各衝撃吸収部材
を安全靴(JIS規格品)内に配置して、それらの振動
加速度レベルを測定する装置を模式的に示した模式図。
【図9】図8に示す装置により測定された実施例1〜
4、比較例1〜8の各衝撃吸収部材の振動加速度レベル
を示したグラフ。
【符号の説明】
1・・・衝撃吸収部材(母材) 2・・・双極子 11・・・靴 14・・・ミドルソール

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材中に、前記母材における双極子モー
    メント量を増加させる活性成分が配合されている衝撃吸
    収部材を使用したことを特徴とする靴ソール。
  2. 【請求項2】 前記母材が、ポリ塩化ビニル、塩素化ポ
    リエチレン、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジ
    エンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、及びクロロプレ
    ンゴムから選ばれる極性高分子よりなることを特徴とす
    る請求項1記載の靴ソール。
  3. 【請求項3】 前記母材が使用温度域にガラス転移点を
    有する高分子よりなることを特徴とする請求項1記載の
    靴ソール。
  4. 【請求項4】 前記活性成分が母材100重量部に対し
    て10〜200重量部の割合で含まれていることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の靴ソール。
  5. 【請求項5】 前記活性成分が、メルカプトベンゾチア
    ジル基を含む化合物の中から選ばれた1種若しくは2種
    以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の靴ソール。
  6. 【請求項6】 前記メルカプトベンゾチアジル基を含む
    化合物が、N、N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−
    2−スルフェンアミドであることを特徴とする請求項5
    記載の靴ソール。
  7. 【請求項7】 前記メルカプトベンゾチアジル基を含む
    化合物が、2−メルカプトベンゾチアゾールであること
    を特徴とする請求項5記載の靴ソール。
  8. 【請求項8】 前記メルカプトベンゾチアジル基を含む
    化合物が、ジベンゾチアジルスルフィドであることを特
    徴とする請求項5記載の靴ソール。
  9. 【請求項9】 前記活性成分が、ベンゾトリアゾール基
    を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    靴ソール。
  10. 【請求項10】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−3′−(3″,
    4″,5″,6″テトラハイドロフタリミデメチル)−
    5′−メチルフェニル}−ベンゾトリアゾールであるこ
    とを特徴とする請求項9記載の靴ソール。
  11. 【請求項11】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニ
    ル}−ベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求
    項9記載の靴ソール。
  12. 【請求項12】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−
    5′−メチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾー
    ルであることを特徴とする請求項9記載の靴ソール。
  13. 【請求項13】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t
    −ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾールで
    あることを特徴とする請求項9記載の靴ソール。
  14. 【請求項14】 前記活性成分が、ジフェニルアクリレ
    ート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種
    以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の靴ソール。
  15. 【請求項15】 前記ジフェニルアクリレート基を持つ
    化合物が、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニル
    アクリレートであることを特徴とする請求項14記載の
    靴ソール。
  16. 【請求項16】 前記衝撃吸収部材の周波数110Hz
    における誘電損率が50以上であることを特徴とする請
    求項1〜15のいずれかに記載の靴ソール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016163632A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 株式会社ムーンスター 発熱ゴム

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