JPH10215906A - 靴 底 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で優れた牽引性能を有する室内運動用の
靴及び靴底を提供する。 【解決手段】 靴の本底は足の土踏まずの下に位置する
よう配置された中央部材を有する。高牽引性材料からな
る牽引挿入部が中央部材の開口部に設けてある。牽引挿
入部は中央部材から外側に突出して、本底の中央領域で
牽引力を得る場合には、固定式自転車のペダルのような
任意表面と接触してこれを保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、靴底、特に高摩擦
性能を有する室内運動用の靴の靴底に関する。

【０００２】

【発明の背景】室内運動の中には、床のあちこちを移動
するエアロビクス床運動や、固定式自転車のペダリン
グ、トレッドミル上や階段マシン上でのウォーキングや
ランニングのような練習器具を用いた運動が含まれる。
行う運動に応じて、異なる摩擦の要求が靴に課せられ
る。ある床運動は、着用者は自分の足の球関節部分や爪
先部分で立って、横方向に激しく移動する運動を含む。
固定式装置上でのウォーキングやランニングは靴の踵や
中央領域にから牽引力（摩擦力）を得る。一般に、激し
い横方向の動きはない。人によって床又は運動器具と接
触する靴の部分が異なる。例えば、ある人は足の球関節
部分をペダルに掛けて固定式自転車をこぐであろう。し
かし、別の人は靴の中央領域（土踏まず領域）でもって
ペダルをこぎ、牽引力を得てペダル上に足を保つ。

【０００３】室内トレーニングの別の特徴は、足に対す
る有効な保護となると共に良好な牽引力を得る一方で、
できるだけ軽量であることが必要である。室内トレーニ
ング環境では、靴は水や高度な摩耗面に晒されることも
ないので、別の材料を用いることができる。

【０００４】

【発明の概要】本発明の目的は、異なる使用条件で良好
な牽引性能を有する室内運動用の靴及び靴底を提供する
こと、固定自転車のような運動器具上でスリップするこ
とがない靴と靴底を提供すること、本底の中央領域に良
好な牽引性能を有する靴及び靴底を提供すること、軽量
の靴及び靴底を提供することである。

【０００５】概略、本発明の室内運動靴は、足を収容す
る空間を形成するように形作られていると共に上記空間
に足を入れるための開口部を有する上部と、この上部に
設けられて足を支持するための上面を有する。靴底は、
爪先領域と、この爪先領域の後方に配置されて足の球関
節の下に位置する球領域と、この球領域の後方に配置さ
れて上記足中央部の下に位置する中央領域と、この中央
領域の後方に配置されて踵の下に位置する踵領域とを含
む底部を備えている。上記靴底は床に接触する本底を有
する。本底は、靴底の底部のほぼ中央領域に配置された
中央部材を有する。この中央部材は擦り減りに抵抗して
足中央部を保護するように選択された硬さを有する材料
で作られている。靴の長手方向に間隔をあけた複数の開
口部はそれぞれ牽引挿入部を収容しており、これは開口
部から外側に突出している。それぞれの牽引挿入部は、
この牽引挿入部が接触する表面に調和して該表面を保持
するように選択された硬さを有する材料で作られてい
る。牽引挿入部の材料の硬さは中央部材の材料の硬さよ
りも低い。複数の牽引挿入部は開口部において靴の長手
方向に沿って互いに間隔をあけてあり、中央部材が隣接
する牽引挿入部の間に伸びて、牽引挿入部と中央部が互
いに協働して中央領域に保持性能と牽引性能を付与す
る。

【０００６】本発明の別の特徴は、靴底が実質的に上述
のものと同一である点である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図面を参照すると、特に図１と図
２には、本発明の原理に従って構成された靴が示してあ
り、これは上部と底部（それぞれ符号１０、１２で示
す。）を備えている。上部１０はつま革１４、先端１
６、腰革１８、アイステー２０、舌革２２、襟部（カラ
ー）２４、及び踵革２６を含む。靴の両側で腰革１８に
縫い合わされている追加部分２８は、靴紐（図示せず）
を受けるループ２８Ａを有する。靴紐は、他のループ３
０やアイステー２０の紐孔３２と共に、ループ２８Ａに
通して収容される。襟部２４のホック３４も紐を掛ける
ために設けられている。図示する上部１０は、編み上げ
靴用に作られている。編み上げは、ループ３０のような
ものによってループを介して紐を締める周知の紐締めを
いう。上述の構成を有する上部は説明のためにだけ示し
たものである。上部の特定の構造は、本発明の範囲から
逸脱することなく、図示するもの以外のものであっても
よい。

【０００８】上部１０は足（図示せず）を収容するため
の空間を形成するように形作られており、この空間内に
足を入れる開口部３６を有する。開口部３６は襟部２４
と舌革２２とで主に形成されている。図３に示すよう
に、靴底１２は、足を支持する上面を有し、中物と本底
（それぞれ符号４０、４２で示す。）を備えている。足
の下に位置する内側底部と中敷は図面を簡略化するため
に図示していない。しかし、これらの部分の構造や、こ
れらの部分を靴の中に組み入れることは、当業者であれ
ば容易に理解できることである。好適な実施形態では、
中物４０は例えばＥＶＡなどの高分子材料で作られてお
り、足の両側に部分４０Ａ（一方だけを図示する。）を
有する。この部分は装飾上の目的からメッシュの外観を
有するように形成されている。中物４０は特に靴の中央
部で下方に向けてカーブしており（図５参照）、中物４
０の底面は靴底の一部を形成している。３つの凹部（４
４Ａ、４４Ｂ、４４Ｃ）は中物４０の底部に形成されて
おり、これらは以下に詳述する本底４２の挿入部を収容
している。

【０００９】図３を参照すると、靴底の底部１２は、爪
先の下に位置する爪先領域ＴＲと、足の球関節の下に位
置する球領域ＢＲと、足の中央部（土踏まず）の下に位
置する中央領域ＭＲと、踵の下に位置する踵領域ＨＲを
含む。これらの領域は図３において区分けしてある。爪
先挿入部４８は、靴底の爪先領域ＴＲにおいて、前方に
ある一つの凹部４４Ａに接着等により中物４０に取り付
けてある。爪先挿入部４８は中物４０から下方に突出し
ており、これにより中物ではなく爪先挿入部が床と接触
する。爪先挿入部４８は、平坦な縁部４８Ａと、杉綾模
様に形成された内側部４８Ｂを有し、これにより横方向
の動きだけでなく、あらゆる方向に関して良好な牽引力
を得ることができる。爪先挿入部４８は、ゴム、又は本
底の擦り減り面に対して適当な硬さと耐摩耗性を有する
他の材料で作られる。

【００１０】爪先挿入部４８の後方には球挿入部５０が
あり、これは靴底の球領域ＢＲにおいて中物４０の細長
い中央凹部４４Ｂの一部に収容してある。球挿入部５０
は、凹部４４Ｂにおいて中物４０に接着するなどして、
この中物４０に固定的に取り付けてある。爪先挿入部４
８と球挿入部５０は中物４０の低い隆起部４０Ａによっ
て分離されている。球挿入部５０は弾性ゴムにより作ら
れているが、適当な高い牽引特性を有する別の材料で作
ってもよい。弾性ゴムは爪先挿入部４８のゴムよりも柔
らかく、この挿入部の接触する表面と調和して高い牽引
力を生み出す。図３と図６を参照すると、球挿入部５０
は、平坦な縁部５０Ａと、この縁部の内側にある石目模
様５０Ｂとを有する。爪先挿入部４８と同様に、球挿入
部５０は凹部から中物４０の下に突出しており、これに
より、中物ではなく、球挿入部が床と接触する。

【００１１】中物４０の中央凹部４４Ｂは中央部材５２
を有し、これは球挿入部５０の後方に配置され、靴底の
中央領域ＭＲに位置している。中央部材５２と球挿入部
５０は少し間隔があけてあり、これにより中央凹部４４
Ｂの底部が一部だけそれらの間に表れている。中央部材
５２は、爪先挿入部４８と同一のゴム（又は材料）で作
るのが好ましく、凹部４４Ｂにおいて中物４０に接着等
により取り付けてある。中央部材５２は、最も狭い部分
をほぼ中央に有する略砂時計形状をしている。図４に示
すように、中物４０はその中央領域ＭＲにおいて上方に
向けてアーチ状になっており、この中物に一致して中央
部材５２は上方に向けてアーチ状になっている。その他
の挿入部（４８、５０）と同様に、中央部材５２は凹部
４４から中物４０の下に突出しており、靴底の下で床と
接触するようにしてある。

【００１２】中央部材５２の後方には一対の踵挿入部
（符号５４と５６で示す。）が設けてあり、第１の踵挿
入部５４は中物４０の中央凹部４４Ｂに配置され、第２
の踵挿入部５６は中物４０の最も後方にある凹部４４Ｃ
に配置されている。第１と第２の踵挿入部５４、５６
は、爪先挿入部４８と同一のゴム又はその他の適当な材
料で作るのが好ましい。第１と第２の挿入部５４、５６
は、それぞれの凹部４４Ｂ、４４Ｃにおいて中物４０に
接着等で取り付けてあり、これらの凹部から中物の下に
突出して床と接触するようにしてある。第１の踵挿入部
５４は中央部材５２から後方に少しだけ間隔が開けてあ
り、これにより中央凹部４４Ｂの底部の別の部分が露出
している。略横方向に角度をなして伸びている中物４０
の低い隆起部４０Ｂは第１の踵挿入部５４と第２の踵挿
入部５６の間に配置されている。これらの踵挿入部は略
半月形状をしているが、第１の挿入部５４はその表面積
が第２の挿入部５６のそれよりも大きく、第１の挿入部
５４の配置方向は第２の挿入部５６の方向と逆になって
いる。第１と第２の踵相入部５４、５６はそれぞれ、平
坦な縁部（５４Ａ、５６Ａ）と、爪先挿入部４８と同様
の杉綾模様を有する内側部（５４Ｂ、５６Ｂ）とを備え
ている。

【００１３】本底４２は特に、中央領域ＭＲが任意表面
と接触する際に牽引力を得る構造としてある。中央領域
ＭＲが頻繁に床と接触することはないが、トレッドミル
上でのウォーキングや固定自転車のペダリングのような
運動では、必要な牽引力を得るために、主として中央領
域又はこの中央領域だけに頼ることがある。その場合の
ために、中央部材５２は、この中央部材の略中心に沿っ
て、また長手方向に関して互いに間隔をあけて、複数の
楕円形凹部（開口部）６０を備えている。図５を参照す
ると、凹部６０はそれぞれ、丸みのある端部を備えた略
円筒状の牽引挿入部６２（又はリブ）を有する。牽引挿
入部６２は、凹部６０において中央部材５２にしっかり
と連結するために、中央部材５２と共に成型される。好
適な実施形態では、牽引用挿入部６２は弾性ゴムで作ら
れているが、接触面の形に調和して高い牽引力が得られ
る別の材料で作ってもよい。比較的柔らかいということ
に加えて、接触面を貫くように作用しないように、その
底部表面は丸みが付けてある。弾性ゴムの硬さは５５か
ら６０のショアＡ硬度測定計硬度で、中央部材５２のゴ
ムは６５−７０のショアＡ硬度測定計硬度である。それ
ぞれの牽引挿入部６２は対応する凹部６０、さらに中央
部材５２の表面から下方に突出している。しかし、牽引
挿入部６２は、床や他の形式の運動面に接触しないよう
に、靴底１２の緊張が解かれている状態や曲がっていな
い状態では、爪先挿入部４８、球挿入部５０又は踵挿入
部５４，５６の下に張り出していない。

【００１４】牽引挿入部６２は中央部材の材料よりも柔
らかく、該挿入部の接触する面を保持して牽引力を得
る。また、牽引挿入部６２と、中央部材５２の底面下へ
のそれらの突出部分との間に間隔が設けてあることによ
り、牽引挿入部は任意表面のエッジ（例えば、固定式自
転車のペダルのエッジ）を捕らえる連続歯として機能し
て靴をペダル上に保持する。

【００１５】以上のことから、本発明の複数の目的が達
成されると共に、その他の利点が得られることが理解で
きるであろう。

【００１６】本発明の範囲から逸脱することなく、上述
の構成には種々の変更を加えることができるように、以
上の説明に含まれるか添付図面に示されたすべての事項
は説明のためのものと解釈すべきであって、限定的な意
味に解釈すべきでない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本底と上部を備えた本発明に係る靴の右側面
図。

【図２】 図１の靴の平面図。

【図３】 図１の靴の底面図。

【図４】 図３の４−４線でとった本底の長手方向断面
図（上部の一部を仮想線で示す）。

【図５】 図３の５−５線を含む平面でとった本底の断
面図。

【図６】 図３の６−６線を含む平面でとった本底の断
面図。

【符号の説明】

１０…靴底、４２…本底、５２…中央部材、６０…開口
部、６２…牽引挿入部、ＴＲ…爪先領域、ＢＲ…球領
域、ＭＲ…中央領域、ＨＲ…踵領域。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 爪先の下に位置する爪先領域（ＴＲ）
   と、上記爪先領域の後方にあって足の球関節の下に位置
   する球領域（ＢＲ）と、上記球領域の後方にあって足の
   中央部の下に位置する中央領域（ＭＲ）と、上記中央領
   域の後方にあって踵の下に位置する踵領域（ＨＲ）とを
   有する靴底（１０）であって、 上記靴底は床に接触する本底（４２）を有し、 上記本底は靴底のほぼ中央領域に配置された中央部材
   （５２）を有し、 上記中央部材は擦り減りに抵抗して中央領域を保護する
   ように選択された硬さを有する材料で作られており、靴
   の長手方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の開口
   部（６０）と、各開口部において該開口部の外側に突出
   する牽引挿入部（６２）とを有し、 上記各牽引挿入部は該牽引挿入部の接触する表面にほぼ
   調和して該表面を保持するように選択された硬さを有す
   る材料で作られており、 上記牽引挿入部の材料の硬さは中央部材の材料の硬さよ
   りも低く、 上記牽引挿入部は上記靴の長手方向に互いに間隔をあけ
   て設けてあり、 上記中央部材は隣接する牽引挿入部の間に伸びており、
   これにより牽引挿入部と中央部材が互いに協働して上記
   中央領域に保持性と牽引性を与えている靴底。
2. 【請求項２】 上記牽引挿入部（６２）は、中央部材の
   開口部に配置されたリブを有し、上記リブは靴底のほぼ
   横方向に伸びており、丸みのある底面を有する、請求項
   １に記載の靴底。
3. 【請求項３】 上記リブ（６２）の材料は５５から６０
   のショアＡ硬度測定計硬度を有し、中央部材の材料は６
   ５から７０のショアＡ硬度測定計硬度を有する、請求項
   ２に記載の靴底。
4. 【請求項４】 上記リブ（６２）弾性ゴムで作られてい
   る、請求項３に記載の靴底。
5. 【請求項５】 上記靴底はまた高分子材料からなる中物
   （４０）を有し、上記中物は凹部（４４Ｂ）を有する底
   部を含み、 上記中央部材（５２）は上記凹部において上記中物に取
   り付けられており、 上記本底（４２）の中央部材は上記中物の両側から内側
   に間隔があけてあり、 上記中物は中央領域でくぼんでいる、請求項４に記載の
   靴底。
6. 【請求項６】 上記本底（４２）はまた、足の爪先の下
   に位置するように配置された爪先挿入部（４８）と、足
   の球関節の下に位置するように配置された球挿入部（５
   ０）と、足の踵の下に位置するように配置された踵挿入
   部（５４、５６）を有し、 上記中物（４０）は、上記爪先挿入部、球挿入部及び踵
   挿入部を収容する凹部（４４Ａ、４４Ｂ及び４４Ｃ）を
   有し、 上記挿入部はそれぞれ上記凹部から外側に突出してお
   り、 上記中物が隣接する凹部の間に露出するように、上記凹
   部は互いに離れている、請求項５に記載の靴底。
7. 【請求項７】 上記本底（４２）の球挿入部（５０）は
   弾性ゴムで作られており、この弾性ゴムは中央部材（５
   ２）の材料の硬さよりも低い硬さを有する、請求項６に
   記載の靴底。
8. 【請求項８】 上記球挿入部（５０）はその底面に石目
   模様に形成されている、請求項６に記載の靴底。
9. 【請求項９】 上記本底（４２）における上記踵挿入部
   （５４、５６）と上記爪先挿入部（４８）の少なくとも
   一部とは杉綾模様に形成されている、請求項８の靴底。