JPH10215237A - 離散時間信号に対する多重化装置および多重化システム - Google Patents

離散時間信号に対する多重化装置および多重化システム

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JPH10215237A
JPH10215237A JP1833597A JP1833597A JPH10215237A JP H10215237 A JPH10215237 A JP H10215237A JP 1833597 A JP1833597 A JP 1833597A JP 1833597 A JP1833597 A JP 1833597A JP H10215237 A JPH10215237 A JP H10215237A
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    • H04L5/02Channels characterised by the type of signal

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  • Signal Processing (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 送路周波数帯域の経済化を図りながら、直線
ひずみのある伝送路においてもサブチャンネル間の干渉
がない多重化装置・多重化システムを提供する。 【解決手段】 中国人剰余定理を信号の多重化に利用
し、Xm(z),m=0,1,...,M−1,を送信すべきサブ
チャンネル信号とみなし、多重信号X(z)を次式で求
める。 【数1】 受信側では受信側多重信号をY(z)としたとき、各受信
側サブチャンネル信号を 【数2】 によって分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気通信の技術
分野に属するもので、1つの伝送路(CH:Channel)を
通じて複数の並列信号を同時に送受信を可能にする多重
化装置および多重化システムに関する。詳しくは、電気
通信分野に於いて、1つの伝送路を通じて、複数の並列
信号(以下各並列信号をサブチャンネル信号と呼ぶこと
にする)を一つの信号に変換する多重化装置があり、受
信側には受信した信号から各サブチャンネル信号を取り
出す分離化装置がある。本発明は、これら多重化装置、
分離化装、および、多重化装置と分離化装置を含めた多
重化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1つの伝送路を見かけ上いくつか
のサブチャンネルに分割し、複数の信号を平行して伝送
を行う多重化通信方式として、周波数分割多重方式(fr
equency division multiplex:FDM、以下「FDM」
という)と 時分割多重方式(TDM:time division mu
ltiplex :TDM、以下「TDM」という)が知られて
いる。
【0003】TDMは、一定時間間隔のパルス列を各信
号波で変調して得たパルスを互いに重複しないように時
間軸上に順次配列して信号波を多重伝送する方式であ
り、FDMは、広い周波数帯域を持つ一本の通信媒体を
いくつかの周波数帯域に分割しその各々の帯域に回線を
割り当てる方式である。また、FDMの特殊な例とし
て、伝送路の周波数帯域の経済化を図るため各サブチャ
ンネル搬送周波数帯域に重なりを許す多重搬送波変調
(multicarrier modulation:MCM、以下「MCM」
という)も提案されている。
【0004】このような多重化通信方式は、複数の利用
者間の通信のみならず1つの情報源からの情報系列を並
列に配置し、1対1通信にも利用することができる。特
に、MCMでは、このように多重化を用い、多重化装置
と分離化装置と一体化しモデムとしての利用も提案され
ている(Bingham,J.A.C.,“Multicarrier modulationfo
r data transmission:an idea whose time has come,"I
EEE Communication Mag., pp.5-14,May 1990)。
【0005】一方、近年注目されている多重化方式とし
て、スペクトル拡散(Spread Spectrum:SS)技術を用い
た、符号分割多重方式(Code Division Multiple Acce
s:CDMA)がある。スペクトル拡散通信方式は、送
出される情報を伝送するのに必要な帯域よりも、ずっと
広い周波数帯域に拡散させた信号を使用する通信方式で
ある。符号分割多重方式では、各サブチャンネル信号を
帯域拡散を行う際に、それぞれのサブチャンネルに対し
て特定の符号を組み込むことにより、同じ帯域に複数の
信号成分を混在させることを可能にしている。受信側で
は、対応する特定の符号系列との相関を取りながら、広
い帯域に拡散している信号成分をある狭い帯域に集中さ
せ、その狭い帯域のみを通過させるフィルタにより、対
応するサブチャンネル信号を取り出す。他の符号系列で
拡散された広帯域信号は、相関を取った後も拡散された
ままなので、狭帯域フィルタによりこれらの信号成分は
除かれる。このようにそれぞれ異なった符号系列で多数
の拡散信号を作り通信の多重化を行っている。符号分割
多重方式の有利な特徴として、主に以下の二つが指摘さ
れている。第一の特徴としては、妨害や干渉に対して強
いことである。妨害波がある狭い帯域に局在している場
合と広帯域に渡る場合が考えられるが、いずれの場合に
も相関を取り逆拡散を行った後では、その妨害波成分は
広い帯域に拡散したままとなり、望ましい信号成分のみ
がある狭い帯域に集められ、フィルタによりS/N比の
高いサブチャンネル信号を抽出できる。
【0006】第二の特徴としては、秘話性を高めること
ができることである。使われている符号系列を秘密にし
ておくことにより、傍受者がサブチャンネル信号成分を
取り出すことができないようにできる。このように符号
分割多重方式は、秘話性、耐妨害性、耐干渉性に優れて
いるため、元来軍需用の通信技術として開発されてきた
が、最近では民生向けのさまざまな応用が考えられてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、提案する項目により2つに大きく分類でき
る。1つは、請求項1、2の「1.多項式剰余演算に基
づく多重化方式」であり、他の1つは、請求項3、4の
「2.フィルタバンクによるスペクトル拡散多重化方
式」である。以下、本明細書の説明の流れもこの分類に
従って進める。 (1.多項式剰余演算に基づく多重化方式)まず、TD
Mでは、直線ひずみ(linear distortion)があると、サ
ブチャンネル間に干渉が発生する欠点があり、FDMで
は、直線ひずみに対しては干渉は発生しないが、伝送路
の通過帯域幅の有効利用が困難であるという問題があ
る。
【0008】また、MCMでは、サブチャンネルの独立
性を直交性原理によって保ち伝送路の通過帯域幅の有効
利用を図るものであるが、伝送路に直線ひずみがある
と、その直交性がくずれ、各チャンネルの独立性が保た
れなくなるという欠点があるそこで、本発明の第1の目
的は、伝送路の通過帯域幅の有効利用を図りながら、直
線ひずみのある伝送路においてもサブチャンネル間の干
渉がない離散時間信号に対する多重化装置および多重化
システム(多重化装置と分離化装置を含めたシステム)
を提供することにある。また、本発明では、サブチャン
ネル通信が単独の伝送路として、直線ひずみのある伝送
路に対する蓄積された等価器やディジタル通信でのパル
ス波形の設計などの従来技術が容易に利用できるように
することを目的とする。 (2.フィルタバンクによるスペクトル拡散多重化方
式)他方、スペクトル拡散技術を使った符号分割多重方
式は、秘話性や耐妨害性に優れている。最近では民生用
にもこのような特質を持つ通信への要求が高まってい
て、符号分割多重方式の商用通信への応用が研究されて
いる。
【0009】しかし、この方式は、FDMやTDMに比
べ、一般に装置が複雑で高価となり、民生用としては不
向きな面がある。そこで、本発明の第2の目的は、符号
分割多重方式と類似の効果があり、FFTプロセッサな
どを利用した比較的簡単な構成で実現できる離散時間信
号に対する多重化システムを提供することにある。ま
た、本発明は、伝送路の通過帯域幅も有効にできるよう
にすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】始めに、本発明で想定し
ている多重化通信方式の構成を概略的に説明しておく。
並列に送信するM個のサブチャンネル入力信号は長さが
Kの離散時間情報系列{xm(n)},m=0,1,...,M-
1, で与えられているものとする。これらの信号系列を
z-変換の形式、
【0011】
【数10】
【0012】で表現する。以後、信号系列とz-変換
は、同じ信号の表現するのに(10)式の関係におい
て、必要に応じて使い分けて用いる。z-変換はz-1
ついての多項式と見ることができ、そのように見たとき
のz-変換を以降単に多項式と呼ぶことにする。M個の
サブチャンネル入力信号を多重化装置に入力し、その出
力を多重信号X(z)とする。この多重信号を変調器に
より搬送周波数帯の信号に変換し、搬送伝搬送周波数送
(carrier frequency transmission )を行う。受信側で
は、まず伝送路受信波形を復調し、受信側多重信号Y
(z)を得る。その受信側多重信号を分離化装置に入力
し、その出力としてM個の受信側サブチャンネル信号Y
m(z),m=0,1,...,M-1,を復元する。以降、前記2
つの分類に従って課題を解決するための手段を説明す
る。 (1.多項式剰余演算に基づく多重化方式)この多重化
方式は、多項式に対する中国人剰余定理(Chinese rema
inder theorem for polynomials)に基づいているので、
ここでその定理を簡単に述べる。
【0013】Pm(z),m=0,1,...,M-1,を互いに素な
多項式とすると、それぞれのPm(z)に対応して
【0014】
【数11】
【0015】を満足する多項式Qm(z),m=0,1,...,
M-1,が存在する。P(z)を
【0016】
【数12】
【0017】とすると、与えられた任意のM個の多項式
m(z),m=0,1,...,M-1,に対し、合同方程式、X
m(z)≡X(z)mod(Pm(z)),m=0,1,...,M-1,を満
足する多項式X(z)がmod(P(z))上存在し、それは
【0018】
【数13】
【0019】で与えられる。本発明では上の中国人剰余
定理を信号の多重化に利用するもので、Xm(z),m=
0,1,...,M-1,を送信すべきサブチャンネル信号とみな
し、多重信号X(z)を(13)式で求める。一方、受
信側では受信側多重信号をY(z)としたとき、各受信側
サブチャンネル信号を
【0020】
【数14】
【0021】によって分離する。M個の互いに素な多項
式Pm(z),m=0,1,...,M-1,を決めれば、Qm(z),m
=0,1,...,M-1,とP(z)は従属的に定まる。サブチャ
ンネル信号の長さをKとするので、Pm(z)の次数をKと
して選ぶ。すると(12)の式の関係よりP(z)の次数
はMKとなり、多重信号の長さはMKとなる。このよう
に(13)式の関係を信号の多重化に用い、それを具体
的に実現するものが請求項1記載の発明の離散時間信号
に対する多重化装置になる。この多重化装置と(14)
式で与えられる分離化装置を一体化したものが請求項2
記載の発明の離散時間信号に対する多重化システムとな
る。
【0022】この多重化方式でX(z)を加法的な雑音と
直線ひずみのある伝送路を通して送信したときの効果を
考える。この場合、受信側多重信号は
【0023】
【数15】
【0024】で表わされる。ここでのH(z)は伝送路の
伝達関数で、N(z)は加法的な雑音である。この信号に
対する分離化装置の出力として得られるサブチャンネル
信号は
【0025】
【数16】
【0026】で与えられる。ここで
【0027】
【数17】
【0028】である。ここでのXm(z) は,前述した中国
人定理により送信された対応する送信側のサブチャンネ
ル信号に一致する。この式には他のサブチャンネル信号
の値は関与していない。すなわち、この出力側のサブチ
ャンネル信号には、直線ひずみのいかんにかかわらず、
他のサブチャンネル信号との干渉は発生しない。(1
6)式は、直線ひずみのある伝送路に対する関係式(1
5)と同じ形式であり、直線ひずみ伝送路に対する従来
技術を比較的容易にサブチャンネル通信に適用できる。
【0029】提案する多重化システムをFDMやTDM
と比較した場合の利点をまとめてみる。 (a)提案する多重化装置は長さKのサブチャンネル信
号M個多重化し、長さMKの信号に変換するもので、多
重化損失は発生しない。言い換えれば、この多重化シス
テムは伝送路の通過帯域幅を有効に利用している。 (b)直線ひずみのある伝送路においても、他のサブチ
ャンネル信号からの干渉のないサブチャンネル通信を提
供する。 (c)直線ひずみのある伝送路においては、サブチャン
ネル通信を直線ひずみのある伝送路と同じような形式で
モデル化でき、そのような伝送路に対する従来技術を容
易に適用できる。 (2.フィルタバンクによるスペクトル拡散多重化方
式)ディジタル信号処理の一つの重要な分野としてフィ
ルタバンクがあり、それに関連する図書や研究論文が多
数出版されている。フィルタバンクは一つの信号を帯域
成分ごとに分割する分割フィルタバンクと、分割された
信号成分から元の一つの信号を復元する合成フィルタバ
ンクで構成されている。分割フィルタバンクの出力を直
接合成フィルタバンクへの入力としたとき、その合成さ
れた信号が元の信号と遅延を除き一致するとき、その合
成フィルタバンクと分割フィルタバンクは完全再構成
(Perfect Reconstruction)を形成するという。完全再
構成の議論は複雑であり、また関連する図書等に詳しく
説明されているので、ここではその説明を省くことにす
る。
【0030】合成フィルタバンクがある条件を満足する
と、完全再構成をみたす分割フィルタバンクが存在し、
それが一義的に決まる。フィルタバンク技術の応用とし
て、分割フィルタバンクと合成フィルタバンクの順序を
逆にし、多重化方式として用いるFDM−TDM変換が
ある。FDM−TDM変換では、合成フィルタバンクに
よって複数のサブチャンネル信号を一つの信号に置き換
え多重信号を求め、また分割フィルタバンクによって、
その多重信号から各サブチャンネル信号を復元する。本
発明でも同様な使い方をするので、呼び方を統一するた
め、以降合成フィルタバンクのことを多重化装置、分割
フィルタバンクのことを分離化装置と呼ぶことにする。
また、合成フィルタバンクで使われるフィルタを多重化
用フィルタ、分割フィルタバンクで使われるフィルタを
分離化用フィルタと呼ぶ。
【0031】これまでと同様に、サブチャンネル信号の
数をM、各サブチャンネル信号の長さをKとする。多重
化装置では、まずサブチャンネル信号をサンプル点の間
にM−1個の零値サンプル点を挿入するアップサンプラ
(up-sampler)を通し、それぞれの出力を多重化用フィ
ルタFm(z),m=0,1,...,M-1,への入力とする。それ
らM個のフィルタ出力の和を取り、それを多重信号とす
る。アップサンプラは入力信号のz-変換のzMを代入す
る効果があるので、多重信号は式として
【0032】
【数18】
【0033】で与えられる。一方分離化装置では、まず
受信側多重信号Ym(z)をM個の分離化用フィルタHm(z)
に通す。それらのフィルタ出力を
【0034】
【数19】
【0035】と置くことにする。これらのフィルタ出力
を、サンプル点をM個の間隔で選び出す操作を行うダウ
ンサンプラ(down-sampler)に通し、その出力を各受信
側サブチャンネル信号Ym(z)とする。すなわち、w
m(n)をWm(z)に対する信号系列とすると、受信側サブ
チャンネル信号系列は
【0036】
【数20】
【0037】で与えられる。Hm(z)による分離化装置
(分割フィルタバンク)とFm (z)による多重化装置
(合成フィルタバンク)が完全再構成の条件を満足して
いると、上記方式で復元した受信側サブチャンネル信号
は元の送信側サブチャンネル信号と一致する。従来使わ
れているFDM−TDM変換での各多重化用フィルタは
狭い通過帯域を持ち、互いに重なり合う部分がほとんど
無いように設計している。従って、FDM−TDM変換
による多重化方式は機能的にはFDMと同じ方式であ
り、ただ完全再構成の条件により通過帯域の有効利用を
図っている。本発明のフィルタバンクによるスペクトル
拡散多重化方式は、構成としては FDM−TDM変換
による方式と同じであるが、多重化用フィルタの設計方
針は全く逆で、FDMよりもスペクトル拡散方式に近い
ものにする。すなわち、請求項3記載の発明の多重化装
置は次の二つの条件を満足するものとする。 (1)各多重化用フィルタFm(z),m=0,1,...,M-1,
の周波数特性はサブチャンネル信号の周波数帯域よりも
ずっと広い通過帯域を持ち、広い帯域で重なりを持つ。 (2)多重化用フィルタは、それらで構成される多重化
装置とそれと対となって完全再構成の条件を満足する分
離化装置が存在するものとする。
【0038】上記(1)の条件はスペクトル拡散通信と
類似の条件で、本発明装置の特徴的な部分である。この
特徴により、スペクトル拡散通信の利点が本発明の通信
方式でも生かされる。各多重化用フィルタの周波数特性
は広い帯域に渡り重なりを持つのであるから、アップサ
ンプラの周波数拡散効果と相まって各サブチャネル信号
が広帯域に拡散されることになる。
【0039】上記(2)の条件はFDM−TDM変換に
よる多重化方式でも必要とされている条件で、この条件
により分離化された受信側サブチャネル信号が送信側サ
ブチャネル信号に一致することを保証している。請求項
4の多重化システムは上記の多重化装置と、その多重化
装置と対となり完全再構成の条件を形成するフィルタH
m(z)で構成される分離化装置とを一体化したものであ
る。
【0040】本方式によるスペクトル拡散のメカニズム
を説明する。サブチャネル信号Xm(z)のサンプル点を時
間間隔τで配置するものとすると、その信号はアナログ
信号として形式的に
【0041】
【数21】
【0042】と書くことができる。ここでxm(n)はX
m(z)に対する信号系列で、δ(t)は単位インパルス波形
である。上式のフーリエ変換を取り、λ=1/τとする
と、アナログ信号として解釈した場合のサブチャネル信
号の周波数特性は
【0043】
【数22】
【0044】となる。τのことをサンプリング間隔、λ
=1/τをサンプリング周波数と言う。上式の最右辺の式
は、Xm(z)のzにej2πf/λを代入したものが周波数特性
となることを示す。この表現から周波数特性は周期λで
同じ値を繰り返すことがわかる。多重化装置では、これ
らサブチャネル信号をアップサンプラに通し、それらの
和を多重信号とする。アップサンプラはサンプル点の間
にM−1個のサンプル点を追加するので、その出力側の
サンプリング間隔はτ/Mとなり、サンプリング周波数
はMλとなる。多重信号の周波数特性は、(18)式の
関係とサンプリング周波数がMλであることより、
【0045】
【数23】
【0046】で与えられる。この周波数特性の周期はM
λで、アップサンプル前のM倍に拡張されている。信号
m(zM)に対する周波数特性はアップサンプルする前の
特性と同じであるが、周波数特性の周期がM倍になった
ので、その一周期の間にサブチャネル信号の周波数特性
がM回繰り返さる。本方式では、多重化用フィルタの周
波数特性Fm(ej2πf/Mλ)は広い通過帯域を持っている
としているので、例えば通過帯域が全帯域に渡るものと
すると、サブチャネル信号の帯域はM倍に拡散されたこ
とになる。
【0047】分離化装置では、 ダウンサンプルする前
の信号は(19)式のWm(z)で与えられる。これをダウ
ンサンプルした受信側サブチャネル信号の周波数特性は
【0048】
【数24】
【0049】となる。Wm(ej2π(f-kλ)/Mλ)はWm(z)
の周波数特性Wm(ej2πf/Mλ)をkλだけ右にシフトした
特性となる。受信側サブチャネル信号の周波数特性は、
これらの特性をk=0, 1, ..., M-1について重ね合わせ
たものとなる。重ね合せの結果、その周波数特性の周期
はλとなり、元のサブチャネル信号の帯域に圧縮され
る。各分離化用フィルタHm(z)は、重ね合わせる際に、
他のサブチャネル信号の周波数成分を相殺させる働きを
する。
【0050】本発明の方式で期待できることをまとめて
みる。 (a)多重信号のサンプリング間隔はサブチャネル信号
のサンプリング間隔の1/Mであり、多重信号がM個分の
サブチャネル信号を含んでいることより、この多重化装
置は伝送路の周波数帯域を有効に利用している。 (b)各多重化用フィルタを広帯域で重なりを持つ広帯
域通過フィルタとすることで、スペクトル拡散の効果を
持たせることができる。すなわち、広帯域あるいは狭帯
域の妨害波に対しても各サブチャネル信号に重大にひず
みをもたらすことが少ない。 (c)また、多重化用フィルタの特性を秘密にしておく
ことにより、秘話性を保つことができる。伝送信号を傍
受されても、多重化用フィルタの特性がわからなけれ
ば、サブチャネル信号を抽出できない。 (d)符号分割多重方式と比較しての有利性は、多重化
システムの実現にフィルタバンクで蓄積されたディジタ
ル信号処理技術を利用でき、比較的安価なDSPプロセ
ッサ(ディジタル信号処理の専用プロセッサ)を用いて
構成できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
(I. 多項式剰余演算に基づく多重化方式)まず、多項式
剰余演算による多重化方式で想定している多重化通信の
一般的な概要を図1を参照しながら説明する。図1に於
いて、P(z), Pm(z), Qm(z),m=0, 1, ..., M-1,
は請求項1で記載の条件を満たしているものとする。複
数のサブチャネル信号Xm(z)をそれぞれ別々のフィル
タQm(z)に通し、それらのフィルタ出力の和をP(z)上
で多項式剰余を取ったものを多重信号X(z)とする。得
られた多重信号を変調器8により通過帯域の信号に変換
し、それを伝送路9を通し送信する。受信側では、まず伝
送路受信波形を復調器10により、受信側多重信号Y
(z)を得る。その受信側多重信号を別々の多項式Pm(z)
上で多項式剰余を取り、受信側サブチャネル信号とする。
図1中の箱で示してあるように、送信側での多重化用フ
ィルタ群と和を取る部分が多重化装置1となり、受信側
での分離化用フィルタ群の部分が分離化装置2となる。
【0052】信号が複素数の場合、整数の場合、2値など
のかぎられた値しか取らない場合、の3つの場合につい
て、離散時間信号に対する多重化装置1及びその多重化
システムの効率的な実現方法を以下に示す。 (第1の実施の形態)ここでは、サブチャネル信号は複素数
値を取るものとし、従ってその多重信号も複素数値を取
る場合を扱う。複素多重信号を搬送周波数波形に変換す
るには、変調方式としてQAM(quadrature amplitude m
odulation)を用いればよい。QAMでは、位相が90度
異なる2つの搬送波に対して、複素多重信号の実数部と
虚数部で独立に変調し、その得られた実数値搬送波を送
信する。このような変調方式を想定した上で、複素数多重
化システムを実現する。Pm(z), m=0, 1, ..., M-1,
を適切に選ぶことにより、多重化装置1と分離化装置2
を効率的に実現できる。
【0053】この実施の形態で適用される効率的な多重
化システムを、サブチャネル数をM、サブチャネル信号の
長さをKとして、ブロック図を用いて示す。図2は本実施
の形態の多重化装置1の構成を示すブロック図である。
まず各サブチャネル信号Xm(z)を係数に分離し、それら
を図2に示してあるように長さMのIFFT(Inverse
Fast Fourier Transform;高速逆フーリエ変換)プロセ
ッサ4への入力とする。図2に於いて、xm(n)とXm(z)
は(10)式で関係づけられている。IFFTプロセッ
サ4の出力を係数として信号X(i)(z)を形成する。上向
き矢印とKを含む箱はK倍のアップサンプラ(up-sampl
er)5で、これは信号のサンプル点の間にK-1個の零値
サンプル点を挿入する働きがあり、多項式表現では、入力
多項式のzにzKを代入する効果がある。このアップサン
プラ5を用いX(i)(zK)の多項式にし、順次z-1を乗算
し和を取ることによって長さMK多重信号X(z)を求め
る。すなわち多重信号を
【0054】
【数25】
【0055】として与える。x(n), n=0, 1, ..., M
K-1,をX(z)に対する系列とすると、X(i)(z)は系列
x(Kn+i), n=0, 1, ..., M-1,に対するz-変換と
なる。このような表現はディジタル信号処理の分野でポ
リフェーズ分解とよばれ、 X(i)(z)をポリフェーズ系
列信号と呼ぶ。 図3は分離化装置2の実現方法を示すブロック図であ
る。下向き矢印とKを含む箱はK倍のダウンサンプラ(do
wn-sampler)3で、これはサンプル点をK個の間隔で選び
出す操作を行う。zの乗算とダウンサンプラ3を用いて、
受信側多重信号Y(z)をポリフェーズ分解しY(i)(z),
i=0, 1, ..., K-1,を求める。すなわち(25)式と同
様に、Y(i)(z)とY(z)は
【0056】
【数26】
【0057】の関係がある。ポリフェーズ系列y(i)(n)
を長さMのFFT( Fast Fourier Transform;高速フー
リエ変換)プロセッサ6に入力する。その出力を図で示す
ように、 ym(n) とし、これらの係数から図に示すよう
に受信側サブチャネル信号Ym(z)を構成する。 上記構成で用いられるFFTプロセッサ6は離散的フー
リエ変換(以降、DFTという)を高速に計算するDSP
プロセッサで、IFFTはその逆DFT変換(IDFT)
を高速に計算するDSPプロセッサである。長さNのD
FTおよびIDFTはそれぞれ、j=√−1として、
【0058】
【数27】
【0059】
【数28】
【0060】で定義されている。 DFTを、z-変換と区
別するために、引数をかぎ括弧‘[ ]'で示す。 DFTはディジタル信号処理でもっともよく利用される
変換で、これを高速に計算するLSIやプロセッサはF
FTプロセッサ(FFTプロセッサのパラメータを変え
ればIFFTプロセッサとして使える)として種々のも
のが製造されている。多重化装置1は図2で示すよう
に、K個の長さMのIFFTプロセッサ4で構成でき
る。IFFTプロセッサ4への入力はサブチャンネル信
号のサンプル値そのままであり、IFFTプロセッサ4
の出力をアップサンプルし多重信号を合成する部分は単
に信号の並べ替えを行っているだけなので、それらの所
では演算は行っていない。したがって、多重化装置1で
必要とされる演算はすべてIFFTプロセッサ4で行わ
れ、他の処理は単に信号の並べ替えのみである。分離化
装置2も同様に図3で示すように演算としてはFFTプ
ロセッサ6のみで実現できる。
【0061】次に、上記実施の形態のもととなる理論的
背景の説明に入ることにする。この多重化システムは、
本願出願人が参考文献で提案した多項式因数分解が基礎
となっている(Hideo Murakami,“Sampling rate conve
rsion systems usinga new generalized form of the d
iscrete Fourier transform,” IEEE Tr. Signal Proce
ssing, vol. 43, no. 9, pp. 2095-2102, Sept. 199
5.)。その因数分解は、Mおよび Kを正整数として、
【0062】
【数29】
【0063】で与えられる。上式右辺の因数多項式(1-e
j2πm/Mz-K), m=0, 1,..., M-1,は、互いに素であり中
国人剰余定理が使える。上記参考文献では、この因数分
解はDFTを高速に計算するアルゴリズムとサンプリン
グレート変換方式に応用しているが、多重方式への応用
は検討していない。(29)式の因数分解を多重化シス
テムに用いた場合、分離化装置2は、Y(z)を受信側多
重信号とすると、
【0064】
【数30】
【0065】で与えられる。mod(1-ej2πm/Mz-K)を取る
ことはY(z)にzK=ej2πm/Mを代入することに対応す
る。(26)式の表現で、 Y(i)(zK)にこれらの値を代
入するとY(i)(ej2πm/M)となる。これと(27)式を
対応させて考えると、この値はY( i)(z)に対する信号系
列の長さMのDFTとなることがわかる。従って、受信側
サブチャネル信号は
【0066】
【数31】
【0067】で与えられる。ここで Y(i)[m],m=0,
1, ..., M-1,はポリフェーズ系列 Y (i)(zK) のDFT
である。このDFTの計算を長さMのFFTプロセッサ
6で実現したのが図3のブロック図である。多重化装置
1は分離化装置2の逆の操作を行えばよいので、図3の
ブロック図を順次逆の操作を行うようにして図2のブロ
ック図を得る。
【0068】この多重化システムに於いて、K=1とす
ると、各サブチャンネル信号は一つのサンプル値とな
り、多重化装置1は一個の長さMのIFFTプロセッサ
4で構成され、多重信号はサブチャンネル信号サンプル
値の逆DFTとして与えられる。このような並列アンプ
ル値の逆DFTを取ったものを多重信号とする多重化方
式はOFDM(Orthogonal Frequency division multip
lexing)として知られ、移動通信や衛星通信に応用され
ている(E.F.Casas and C.Leung,“OFDM for data comm
unication over mobile radio FM channeles-part 2:Pe
rformance improvement,"IEEE Tr. Communications, vo
l. 40, no. 4, pp. 680-683, Apr. 1992.およびL.Wei a
nd C.Schlgel,"Synchronizaition requirements for mu
lti-userOFDMon satellite mobile and tow-path Rayle
igh fading channels,”IEEE Tr.Communications, vol.
43, no.2/3/4, pp. 887-895,Feb. 1995.)。
【0069】この第1の実施の形態はK=1とした特別
の場合としてOFDMを含むもので、移動通信や衛星通
信への応用が可能である。この実施の形態では必ずしも
信号を符号化する必要がなく、サブチャンネル信号をデ
ィジタル信号としてそのまま多重化できるなどの利点が
あり、その応用範囲がさらに広がる。 (第2の実施の形態)送信すべきサブチャネル信号が音
声や画像などの場合、量子化されていて限られた値しか
取らないことが多い。このような場合はサブチャネル信
号を大きさの限られた整数列として表わすことができ
る。このように、サブチャネル信号が大きさの限られた整
数列であるとした場合にも第1の実施の形態と同様な方
式で、多重化システムを実現できることを示す。
【0070】大きさの限られた整数列に対する変換とし
て、数論変換が知られている。qをある正整数とし、 qを
法とする整数剰余環をR(q)と書くことにする。 R(q)
の要素は通常、0, 1, ..., q-1,の整数で表わされ、そこ
での和および積演算は整数剰余mod(q)上で行われ
る。 R(q)のある要素αが
【0071】
【数32】
【0072】を満足し、Nより小さいαのべき乗の値は
1とならないならば、 αのことを R(q)上の1の原始
N乗根という。以降この実施の形態での整数演算に於い
てはすべてmod(q)上でのものなので多項式での剰余
演算との混乱をさけるために、整数剰余式を単に=で置き
換えることにする。1の原始N乗根αを用いて、長さがN
の数論変換およびその逆変換はそれぞれ
【0073】
【数33】
【0074】
【数34】
【0075】で定義されている。ここでN-1はNx=1を
満足する整数xである。αをej2π/Nで置き換えると(3
3)式および(34)式はそれぞれDFTおよびIDFT
の式と一致する。 ej2π/Nは複素数上の1のN乗根であ
り、 αが R(q)上の1の原始N乗根であることより、数
論変換は代数的にDFTと同等の変換と考えることがで
きる。Nが2のべき乗の場合、数論変換の計算にFFT形
の高速算法を用いることができる。なかでも、 qとして
メルセンヌ数を用いるメルセンヌ数変換、また qとして
フェルマ数を用いるフェルマ数変換などが有名であり、
これらの数論変換は特に効率的に計算できることが知ら
れている。
【0076】βをR(q)上の原始M乗根とし、(29)式
でej2π/Mをβに置き換えることにより、1-z-MK
【0077】
【数35】
【0078】のようにR(q)上で因数分解できることを
示すことができる。この因数分解による分離化装置2は
【0079】
【数36】
【0080】で与えられる。mod(1-βKm-K)を取る
ことはY(z)にzKKmを代入することに対応する。受
信側多重信号Y(z)を(26)式と同じくポリフェーズ分
解し、この代入を行うと、Y(i)Km)はそのポリフェー
ズ系列の長さMの数論変換を取ることに対応する。従っ
て多重化装置1は図2に於いて、長さMのIFFTの所
に長さMの逆数論変換を用いることにより構成でき、ま
た分離化装置2は、図3に於いて、長さMのFFTの所に
長さMの数論変換を用いることにより構成できる。
【0081】数論変換および逆数論変換の計算は、整数
剰余演算で、複素数演算を含むFFTやIFFTより高
速に計算できる。また、多重信号も限られた整数値しか
取らないので、ディジタル通信方式の変調に適してい
る。 (第3の実施の形態)ディジタル通信では、信号列が0と
1の2値の列で与えられる場合が多い。サブチャネル信
号がこのような列で与えられるときに便利な多重化シス
テムも第1の実施の形態の構成で実現できる。
【0082】qが素数のとき、rを正整数としてqr個の
要素を持つ体(field)を構成でき、このような体は有限体
あるいはガロア体と呼ばれ一般にGF(qr)と書かれる。
GF(qr)はr次元のベクトルの集合、
【0083】
【数37】
【0084】として表現される。特にGF(2)の要素は0
または1となり、GF(2r)の要素は0または1の長さrの
ベクトルで表わされ、符号化された信号やコンピュータ
間の通信に適している。 この実施の形態は、第2の実施の形態でのR(q)の代わ
りにGF(qr)を用いることにより多重化システムを構
成するものである。GF(qr)に於いて、qr -1を割り切
る整数Nに対して、 GF(qr)上に1の原始N乗根が存
在する。この整数Nに対して、(33)と(34)の変換およ
び逆変換がGF(qr)上に定義できる。これらの変換を用
いて、第2の実施の形態での議論を同様に展開でき、多重
化システムをGF(qr)上に構成できる。すなわち、多重
化装置1は図2に於いて、長さMのIFFTの所に長さ
Mの(34)式で与えられるGF(qr)上の変換を用い、ま
た、分離化装置2は、図3に於いて、長さMのFFTの所
に長さMの(33)式で与えられるGF(qr)上の変換を
用いることにより構成できる。
【0085】多重信号X(z) の長さはMKとなるが、こ
の場合、個々の値はr次元ベクトルであるので、全体とし
てはGF(q)上の長さがrMKの系列となる。例えばG
F(2 r)の場合、これは長さrKMの0、1のビット列とな
る。従って、この多重信号を送信するのにバイナリー方式
の変調を用いることができる。 (2.フィルタバンクによるスペクトル拡散多重化方
式)サブチャネル数をMとしたときのフィルタバンクに
よるスペクトル拡散多重化方式で想定している通信形態
を図4に示す。多重化装置11としては合成フィルタバ
ンクを利用する。これはM個のアップサンプラ15とM
個のフィルタFm(z)によって構成されている。図4中、
上向き矢印とMを含む箱はサンプル点の間にM-1個の零
値サンプル点を挿入するものでM倍のアップサンプラ1
5と呼ばれる。このアップサンプラ15の出力を、それぞ
れフィルタFm(z)に通し、その和を多重信号X(z)とす
る。この多重信号を変調器8により、通過帯域波形に変換
し送信を行う。
【0086】受信側では復調器10により、受信側多重
信号Y(z)を得る。分離化装置12としては分割フィル
タバンクを利用する。受信側多重信号をまず別々のフィ
ルタHm(z)に通し、それらの出力を下向き矢印とMを含
む箱で示すダウンサンプラ13に入力する。このM倍の
ダウンサンプラ13はサンプル点をM個の間隔で選び出
す操作を行う。これらの出力を受信側サブチャネル信号
m(z)とする。ここに於いて、多重化装置11と分離化
装置12は完全再構成の性質を持ち、各多重化用フィル
タは広帯域に渡り重なりを持つ広帯域通過フィルタであ
るとする。 (第4の実施の形態)図4の多重化装置11と分離化装置
12をそのままの形で構成するのは効率的でないので、
実際には同等の働きを持つ別の構成で実現する。多重化
装置11でのアップサンプラ15は零値のサンプル点を
加えるので、そのことを考慮してフィルタFm(z)の計算
の効率化を図ることができる。また分離化装置12では
最後のダウンサンプラ13がサンプル点を間引きしてい
るので、フィルタHm(z)の計算でそれによる不用な所を
除くことにより効率化を図ることができる。さらにフィ
ルタの部分を周期的たたみ込み演算に置き換え、FFT
プロセッサ16を使えるようにする。このような効率化
を図った場合の実施の形態を以下に示す。
【0087】図5に効率化を図った多重化装置11の実
施の形態を示す。この多重化装置11では、まず各サブチ
ャネル信号のDFTを長さKのFFTプロセッサ16を
用いて計算する。その出力を図に示しているような順序
で並べ替えて、M×Mの行列R(k)を掛ける。その掛け算
した出力を図5に示してあるように再び順序を入れ替え
て、長さKのIFFT(逆高速フーリエ変換)プロセッサ
14を用いてIDFTを取る。それらの出力を図のよう
にポリフェーズ合成し多重信号X(z)を得る。
【0088】図6は効率化を行った分離化装置12で、
まず受信側多重信号Y(z)をz-1によるシフト操作とダ
ウンサンプラ13によりY(z)のポリフェーズ系列信号
(m )(z), m=0, 1, ..., M-1,に分解する。それぞれ
のポリフェーズ系列信号に対し、長さKのFFTを施し、
それらの出力を図6に示してあるように並べて、M×M
の行列E(k)を乗算する。最後にその乗算出力を図に示し
てあるように並べ、長さKのIFFTをプロセッサに通
し、その出力を受信側サブチャネル信号とする。
【0089】図7(a)は一様合成フィルタバンクを多重
化装置11として用いたときの行列R(k)の乗算を効率
的に実現するブロック図である。図7(b)は、一様分
割フィルタバンクを分離化装置12として用いたときの
行列E(k)の乗算を効率的に実現するブロック図である。
以上のように、M個の長さKのサブチャンネル信号を一
様多重化フィルタで多重化するとすると、多重化装置1
1は長さKのFFTプロセッサ16とIFFTプロセッ
サ14をそれぞれM個、長さMのIFFTプロセッサ1
4をK個、およびMK個の複素乗算器で構成される。他
の処理は信号の並べ替えのみである。分離化装置12も
同様の数のプロセッサと乗算器で構成される。FFTプ
ロセッサ16は比較的安価に手に入れることができ、こ
の実施の形態の多重化システムはスペクトル拡散による
符号分割多重方式の装置に比べてはるかに安価に製造で
きる。
【0090】上記実施の形態は本願出願人が参考文献で
提案したフィルタバンクの実現方式に基づいている
(“Implementation and perfect reconstruction of a
maximally decimated FIR filter bank using paralle
l module decomposition," HideoMurakami, IEEE Trans
actions on Signal Processing, Feb. 1997, 掲載予
定)。この文献で、図5および図6の構成が、図4の多重
化装置11と分離化装置12と等価であることや、完全
再構成の条件等が議論されている。ここでは、これらの説
明は省略し、上記の実施の形態で必要となるR(k)および
(k)の値を具体的にどのようにして決めるかを述べる。
与えられた多重化用および分離化用のフィルタをそれぞ
れ、Fm(z), およびHm(z), m=0, 1, ..., M-1,と
し、これらの多項式剰余を取ったものを
【0091】
【数38】
【0092】
【数39】
【0093】k=0, 1, ..., K-1,と置く。Hl (k)(z)は
-1でなくてzについての多項式となっているが、これ
はz-M≡e-j2πk/K mod(1- e-j2πk/K-M)の関係
を用いることにより常にこの形式で表現できる。(38)
式、(39)式で定まる係数を用いて行列R(k)およびE
(k)
【0094】
【数40】
【0095】
【数41】
【0096】で定義する。このようにして得られた行列
(k)を図5の多重化装置11に用い、行列E(k)を図6
の分離化装置12に用いて実現する。 一様フィルタバンク(Uniform Filter Bank)と言われる
特別なフィルタバンクがあり、このフィルタバンクを多
重化システムに使うと有利である。一様合成フィルタバ
ンクを多重化装置11として使うとすると、その定義に
より第0番目の多重化用フィルタF0(z)だけを与えれ
ば、他の多重化用フィルタは
【0097】
【数42】
【0098】で与えられる。これらのフィルタの周波数
特性はzにej2πfを代入することにより
【0099】
【数43】
【0100】で与えられる。これから第0番目以外のフ
ィルタは第0番目フィルタの特性を単にシフトした特性
を持つことがわかる。従って、第0番目フィルタの周波数
特性が広帯域であると、他のすべての多重化用フィルタ
の特性は広帯域となる。一様フィルタバンクを用いる第
一の利点はこのように第0番目フィルタを広帯域に設計
すれば他のフィルタは自然に定まり、その特性も広帯域
となることである。同様に一様分割フィルタバンクを分
離化装置12として用いるとすると、第0番目の分離化
用フィルタH0(z)と他の分離化用フィルタは
【0101】
【数44】
【0102】で関連づけられている。このように一様フ
ィルタバンクを用いた場合のR(k)とE (k)
【0103】
【数45】
【0104】
【数46】
【0105】となる。(45)式の右辺の2番目の行列は
変換長Mの逆DFT行列で長さMのIFFTプロセッサ
4で計算できる。従って行列R(k)による乗算は図7(a)
で示すように、長さMのIFFTプロセッサ14とその
出力にf0 (k)(n), n=0, 1, ..., M-1,を掛けること
によって実現できる。また(46)式の右辺の1番目の行
列は変換長MのDFT行列で長さMのFFTプロセッサ
16で計算できる。従って行列E(k)による乗算は図7
(b)で示すように、h0 (k)(n), n=0, 1, ..., M-1,の
乗算と長さMのFFTプロセッサ16によって実現でき
る。このように行列の乗算を効率的に行えることが一様
フィルタバンクを利用する第2の利点である。
【0106】上記参考文献で完全再構成の条件は
【0107】
【数47】
【0108】であることが証明されている。ここでIは
M×Mの単位行列である。この条件が満たされると、変調
器8と復調器10を含めた伝送路9に全くひずみが無い
とした時、すべての受信側サブチャネル信号と対応する
送信側サブチャネル信号とが一致する。この完全再構成
の条件式に(45)式と(46)式のR(k)とE(k)を代入
し、逆DFT行列とDFT行列の積がMIとなることを
利用して、
【0109】
【数48】
【0110】を得る。この関係により第0番目多重化用
フィルタF0(z)を決めれば、第0番目分離化用フィルタ
を含めた他のすべてのフィルタが一義的に決まる。また、
上式が意味を持つためにはf0 (k)(n)≠0, k=0, 1,
..., K-1, n=0, 1, ..., M-1,でなければならない。 以上より、この実施の形態の多重化システムは、f
0 (k)(n)が零とならないようにしながら、第0番目多重
化用フィルタの特性を広帯域にすることで設計できる。
これらの条件を満足するフィルタは多数あるが、その特
性を秘密キーとして利用する。
【0111】この秘密キー、すなわちf0 (k)(n)の値を
知らなければ行列E(K)を決定できず、多重信号からサ
ブチャンネル信号を抽出できない。また、多重化フィル
タはすべて広帯域通過の特性を持っているで、妨害や干
渉に対して強い。このように、この実施の形態は、符号
分割多重方式の秘話性、耐妨害性、耐干渉性などの優れ
た特徴を備えつつ、FFTプロセッサを使って比較的安
価に実現でき、民生用の多重化システムとして有望であ
る。 (第5の実施の形態)複素数の代わりにガロア体(有限
体ともの呼ばれる)を用いて、第4の実施の形態と同じよ
うな構成で多重化システムを構築できる。 qを素数、r
を正整数とするとき、qr個の要素を持つガロア体はGF
(qr)と書かれる。特にGF(2r)は重要で、この要素は0ま
たは1の長さrのベクトルで表わされ、符号化された信
号やコンピュータ間の通信に適している。GF(qr)に於
いて、整数Nがqr-1を割り切るとき、1のN乗根がGF
(qr)に存在する。その根をαとすると、GF(qr)上に長さ
Nの変換
【0112】
【数49】
【0113】
【数50】
【0114】が定義できる。ここでN-1はxN=1を満足
するGF(qr)の要素xである。MKがqr-1を割り切ると
き、1のMK乗根がGF(qr)に存在し、それをβとする
と、 βKは1のM乗根となり、 βMは1のK乗根となる。
これらの根を用いて長さがMと長さがKの変換を定義で
きる。第4の実施の形態で、ej2π/KをβM、 ej2π/M
βKで置き換えれば、第4の実施の形態と同様の議論をG
F(qr)上で展開できる。従って、図5の多重化装置11お
よび図6の分離化装置12に於いて、長さKのFFTと
IFFTをGF(qr)上の長さKの変換で置き換えて構成
できる。また一様フィルタバンクの場合にはR(k)やE
(k)よる乗算も、図7(a)(b)で長さMのFFTと
IFFTを長さMのGF(qr)の変換に置き換えて構成で
きる。ここで、第0番目分離化用フィルタは、第0番目
多重化用フィルタの値により、
【0115】
【数51】
【0116】が定まる。ここでM-1および(f
0 (k)(n))-1はそれぞれMおよびf0 (k)(n)のGF(qr)
上の積に対する逆元である。GF(qr)は体なので、積に
対する単位元、すなわちGF(qr)上のr次元零ベクト
ル、以外のGF(qr)の要素に対しては積に対する逆元が
存在する。従って第0番目多重化用フィルタを選ぶ条件
は各f0 (k)(n)が零ベクトル以外であることとなる。f
0 (k)(n),k=0, 1, ..., K-1, n=0, 1, ..., M-1,と
して零ベクトル以外ものを自由に選べ、この選んだ値の
列が秘密キーの役をする。第4の実施の形態と大きく異
なる点は周波数の概念がなく、q=2とするとGF(qr)
上は長さrの0、1の列となることを考えると、その選
んだ列を秘密符号と捕えることができる。この点で、符
号分割多重方式と非常に良く似た特徴をもっている。 (第6の実施の形態)サブチャンネル信号が大きさの限
られた整数列であるとした場合にも第4あるいは第5の
実施の形態と同様な方式で、多重化システムを実現でき
る。qをある正整数とし、qを法とする整数剰余環をR
(q)と書くことにする。R(q)上の1の原始N乗根αを用
いて、長さがNの数論変換およびその逆変換は、それぞ
れ(33)式、(34)式で定義されている。βをR
(q) 上の1の原始MK乗根とすると、βKは1の原始M
乗根となり、βMは1のK乗根となる。これらの根を用
いて長さがMと長さがMと長さがKの数論変換を定義で
きる。第4の実施の形態で、e j2π/K をβM、 ej2π/M
をβK で置き換えれば、第4の実施の形態と同様の議論
をR(q)上で展開できる。図5の多重化装置11および図
6の分離化装置12に於いて、長さKのFFTとIFF
Tをそれぞれ長さKの数論変換と逆数論変換で置き換え
て構成できる。
【0117】また、一様フィルタバンクの場合にはR
(k) やE(k) による乗算も、図7で長さMのFFTとI
FFTをそれぞれ長さMの数論変換と逆数論変換で置き
換えて構成できる。第0番目分離化フィルタは、第0番
目多重化用フィルタの値により(51)式で定められ
る。この式でM-1および(f0 (k)(n))-1はそれぞれM
およびf0 (k)(n)のR(q)上の積に対する逆元である。
【0118】R(q)は環なので、積に対する逆元が存在
する為に各f0 (k)(n) をqと互いに素な整数とする必
要がある。そのようにして選んだ値の列が秘密キーの役
をする。変換長が2のべき乗の場合、数論変換の計算に
FFT形の高速算法を用いることができる点で第5の実
施の形態よりも有利である。なかでも、数論変換として
メルセンヌ数変換またはフェルマ数変換を用いれば特に
効率的な多重化システムを構築できる。
【0119】
【発明の効果】本発明の離散時間信号に対する多重化装
置および多重化システムは、次のような特徴を有してい
る。 (1.多項式剰余演算に基づく多重化方式) (1)多重化損失がなく、伝送路の周波数帯域幅を有効
に利用できる。 (2)直線ひずみのある伝送路に於いても、送信される
サブチャンネル信号波形の如何にかかわらず、非干渉な
サブチャネル通信が可能である。 (3)直線ひずみのある伝送路に於いては、各サブチャ
ネル伝送路も擬似的に直線ひずみの伝送路でモデル化で
き、従来の直線ひずみのある伝送路に対する技術をサブ
チャネル通信に利用できる。 (4)発明の実施の形態の所で示したように、FFTな
どの高速DSPプロセッサ技術を用いて効率的に実現で
きる。 (2. フィルタバンクによるスペクトル拡散多重化方
式) (1) 多重化損失がなく、伝送路の周波数帯域幅を有
効に利用できる。 (2) 各多重化用フィルタの周波数特性を広帯域で重
なりを持たせることで、スペクトル拡散の効果を持たせ
ることができる。すなわち、広帯域あるいは狭帯域の妨
害波に対しても各サブチャネル信号に重大にひずみをも
たらすことが少ない。 (3)多重化用フィルタの特性を秘密にしておけば、秘
話性が保たれる。通信を傍受されても、使われているフ
ィルタの特性がわからなければ、サブチャネル信号を抽
出できない。 (4) スペクトル拡散の符号分割多重方式と比較して
の有利性は、本発明の実現に高速プロセッサが利用で
き、構成が簡単で安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多項式剰余演算に基づく多重化方式の
通過帯域通信への利用形態を示す概念図である。
【図2】第1の実施の形態で適用される多重化装置のブ
ロック図である。
【図3】第1の実施の形態で適用される分離化装置のブ
ロック図である。
【図4】本発明のフィルタバンクによるスペクトル拡散
多重化方式の通過帯域通信への利用形態を示す概念図で
ある。
【図5】第4の実施の形態で適用される多重化装置のブ
ロック図である。
【図6】第4の実施の形態で適用される分離化装置のブ
ロック図である。
【図7】一様フィルタバンクを用いたときのブロック図
であり、(a)が行列R(k)による乗算を実現するブロ
ック図であり、(b)が行列E(k)による乗算を実現す
るブロック図である。
【符号の説明】
1,11 多重化装置、 2,12 分離化装置、 3,13 ダウンサンプラ、 4 長さMのIFFTプロセッサ、 5,15 アップサンプラ、 6 長さMのFFTプロセッサ、 8 変調器、 9 通過帯域伝送路、 10 復調器、 14 長さKのIFFTプロセッサ、 16 長さKのFFTプロセッサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M個のサブチャンネル信号をXm(z),
    m=0,1,...,M-1,と表わし、M個のフィルタをQ
    m(z),m=0,1,...,M-1,としたとき、多重信号が 【数1】 で与えられることを特徴とする離散時間信号に対する多
    重化装置。ただし、P(z)はPm(z),m=0,1,...,M-
    1,を互いに素なz-1についての多項式として、 【数2】 で因数分解されるものとし、Qm(z),m=0,1,...,M-
    1,は 【数3】 を満足するものとする。
  2. 【請求項2】 M個のサブチャンネル信号をXm(z),
    m=0,1,...,M-1,と表わし、M個のフィルタをQ
    m(z),m=0,1,...,M-1,としたとき、多重信号が 【数4】 で与えられる多重化装置と、受信側多重信号をY(z)
    としたとき、受信側サブチャンネル信号が 【数5】 で与えられる分離化装置とが一体化されたことを特徴と
    する離散時間信号に対する多重システム。ただし、P
    (z)は、Pm(z),m=0,1,...,M-1,を互いに素なz
    -1についての多項式として、 【数6】 で因数分解されるものとし、Qm(z),m=0,1,...,M-
    1,は 【数7】 を満足するものとする。
  3. 【請求項3】 M個のサブチャンネル信号をXm(z),
    m=0,1,...,M-1,と表わしたとき、多重信号が、M個
    のフィルタFm(z),m=0,1,...,M-1,で構成される
    合成フィルタバンクの出力、すなわち、 【数8】 で与えられることを特徴とする離散時間信号に対する多
    重化装置。ただし、この合成フィルタバンクは、これと
    対となって完全再構成を形成する分割フィルタバンクが
    存在するものであり、Fm(z),m=0,1,...,M-1,は
    広帯域に渡り互いに重なりを持つ広帯域通過フィルタで
    ある。
  4. 【請求項4】 M個のサブチャンネル信号をXm(z),
    m=0,1,...,M-1,と表わしたとき、多重信号が、M個
    のフィルタFm(z),m=0,1,...,M-1,で構成される
    合成フィルタバンクの出力、すなわち、 【数9】 で与えられる多重化装置と、受信側として、上記合成フ
    ィルタバンクと対となって完全再構成を形成する分割フ
    ィルタバンクの出力を受信側サブチャンネル信号とする
    分離化装置とが一体化されたことを特徴とする離散時間
    信号に対する多重システム。ただし、Fm(z),m=0,
    1,...,M-1,は広帯域に渡り互いに重なりを持つ広帯域
    通過フィルタである。
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