JP2006520576A - コストの安い多重チャネル直交振幅変調 - Google Patents

コストの安い多重チャネル直交振幅変調 Download PDF

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Abstract

【解決手段】多重チャネルQAM変調用の高効率かつ低コスト技術が説明される。当該技術は多重チャネル変調器として逆高速フーリエ変換を採用する。IFFTは一組の複素周波数入力を受取り、各々は特定周波数の複素周波数仕様(位相及び振幅)を表す。入力はすべて均一に離隔され、IFFTは周波数ドメイン入力の間に適当な周波数間隔を与えるような速度でサンプリングされることを仮定し、IFFTは所望のチャネル分割を有するキャリアへ変調されたさまざまな入力に対して適用されるQAM記号の時間ドメイン表現を生成する。チャネル間隔及び記号速度は過剰なチャネル帯域幅のために異なるので、差を補償するために補間が使用される。この補間とベースバンドフィルタリング及びアンチイメージフィルタリングとを結合するための有効な手法が説明される。

Description

本願は、2003年2月28日に出願された米国仮特許出願第60/451,336号に基づくものである。
本発明は、デジタルデータ送信システムに関し、特に、デジタル符号化データストリームの、ケーブル、光ファイバーまたは同様の送信媒体を通じた多重チャネル配信に関し、さらに、デジタルテレビデータ及び関連データソースの多重チャネル直交振幅変調に関する。
ここ数年間に、デジタルケーブル及び衛星テレビ放送の利用率が拡大した。デジタル番組需要が増加するに従い、ケーブルテレビプロバイダーは、アナログケーブル送信システム及びコンバータから混合アナログ/デジタル及び完全デジタルケーブル配信システムへ移行しつつある。デジタル衛星サービスプロバイダーの競業者の増加は、デジタルデータサービス、双方向番組サービス及びビデオオンデマンド(VOD)のようなオンデマンドサービスを含むより多くの異なるデジタルケーブルサービスに対する需要を増加させることに貢献した。VODの変形であるエブリシング・オンデマンド(EOD)はユーザーごとに専用の、フルタイムのビデオ及びオーディオストリームを提供する。EODストリームは、ネットワークのヘッドエンドでコンテンツプロバイダーにより格納された時間シフトテレビ、映画、または他のコンテンツを見るために、一時停止、早送り、ブックマークによるランダムアクセス等のような完全VCR状制御によって、使用される。
双方向番組、ケーブルインターネットサービス等のような他のサービスと組み合わせれば、これらのサービスは、単体の放送サービスよりもかなり大規模なインフラストラクチャーを必要とする。これらの新しい、高級サービスはユーザーごとにダイナミックにカスタマイズされた複数番組マルチプレクスを与えるサーバーサブシステムを要求する。これは、かつて無い大量の、高速、高性能処理、データ追跡、符号化及び多重化ハードウエアを要求する。
これらの高級なユーザー単位のサービスに対する需要の増加が続くと、多数のカスタムプログラムマルチプレクスを作成するための、より効率的かつより低コストの方法への必要性が高まる。
本発明は、多重チャネル変調器として逆高速フーリエ変換(IFFT)を採用することにより、非常に効率的かつ低コストな多重チャネルQAM変調用技術を与える。QAM符号化は、各QAM記号が適用されるキャリア周波数の特定の位相及び振幅を表すように、複素平面空間内でコンステレーション点としてデータ記号を表す。多重チャネルシステムにおいて、概して、キャリア周波数は、チャネル間隔周波数(米国でのデジタルテレビサービスに対しては、6MHz)で均一に離隔されている。合成均一フィルタバンクとして作用するIFFTは、各々が6MHzのサブバンドを表す周波数ドメインの入力セットを受け取る。入力はすべて均一に離隔されており、周波数ドメイン入力の間に適当な周波数間隔を与えるような速度でIFFTがサンプリングされることを仮定し、IFFTは所望のチャネル分離を有するキャリアに変調されるさまざまな入力へ適用されるQAM記号のタイムドメイン表現を生成する。
典型的に、ベースバンドスペクトルを成形し、レシーバフィルタリングと協働して、記号間の干渉を制御するために、ベースバンドフィルタリングがQAM入力ストリームに適用される。また、適当なチャネル分離を保証するためにアンチイメージフィルタがIFFT出力に適用される。
本発明の態様に従い、典型的な多重チャネルQAM変調は、QAM符号化手段、逆FFT処理手段、D/Aコンバータ及びアップコンバージョンを含む。QAM符号化手段は、複数のデジタル入力ストリームを複数の対応するQAM記号ストリームへ符号化する。IFFTは、中間複素ベースバンドのQAM記号ストリームの所望の変調及びチャネル間隔をデジタル形式で作成する。D/A変換手段は、IFFT変換処理からのデジタル出力をアナログ形式に変換し、アップコンバージョン手段は、合成された多重チャネルIF QAM信号の周波数を、送信用の多重RF出力を実現するための目標周波数帯域までシフトする。
本発明の態様に従い、デジタルデータストリームは、ITU仕様J.83 Annex Bに従って符号化された256-QAMまたは64-QAMである。
本発明の態様に従い、ベースバンドフィルタリング、アンチイメージング、及び補間のすべてが、単一のIFFT後の時間変化デジタルフィルタステージ内で結合される。
複数のデジタルデータストリームを単一の多重出力へ変調するための多重チャネルQAM変調器のひとつの実施例が、QAMエンコーダ、IFFT処理手段、IFFT後の結合フィルタリング手段、D/A変換手段及びアップコンバータ手段の組み合わせにより達成される。QAMエンコーダはデジタルデータ入力ストリームのQAM記号ストリーム符号化を与える。上記したように、IFFT処理は中間周波数帯域において、並列多重チャネルQAM変調を実行する。IFFT後の結合フィルタリングは、ベースバンドフィルタリング、アンチイメージフィルタリング及び速度補間を単一のフィルタリングステージに結合する。D/A変換は、IFFT後のフィルタリング手段からのIF出力をデジタルからアナログ形式に変換し、アップコンバータ手段は多重RF出力での目標周波数帯域へ合成アナログ信号の周波数をシフトする。
発明の態様に従い、デジタル直交補正手段が、アナログアップコンバータ手段の非理想的な動作を事前補正/事前補償するためにデジタルドメインで使用される。
発明の他の態様に従い、アナログD/A変換及びアップコンバータ手段内のDCオフセットを事前補正するために、デジタルオフセット補正がデジタルドメインで使用される。
本発明はまた、デジタル信号プロセッサ、FPGA、ASIC、または他のプロセッサ上で実行するための方法を与える。
発明に従い、多重チャネルQAM変調は、複数のデジタルデータ入力ストリームを与える工程と、各々のデジタルデータストリームをQAM符号化ストリームのセットに符号化する工程と、中間周波数帯域の均一に離隔された一組のキャリア周波数へ多重QAM符号化ストリームを符号化しながら、複数のQAM符号化ストリームを単一のデジタル多重チャネルIFストリームに変調するよう逆FFT(IFFT)を介してQAM符号化ストリームを処理する工程と、デジタル多重チャネルIFストリームをアナログ形式に変換する工程と、アナログの多重チャネルIFストリームを多重RF出力の目標周波数帯域へ周波数シフトする工程と、から成る。
本発明の他の態様に従い、デジタル多重チャネルIFストリームは結合されたベースバンド及びアンチイメージフィルタを介してIFFT後にフィルタリングされる。
本発明の他の態様に従い、デジタル多重チャネルIFストリームは、QAM記号速度とチャネル間隔(サンプリング速度)との間の差を補償するべく補間される。
本発明の他の態様に従い、デジタル多重チャネルIFストリームは、周波数シフト処理の非理想的な動作(特に、アナログ直交変調器のエラー)を事前補正するようデジタル的に直交補正される。
本発明の他の態様に従い、デジタル-アナログ変換及び周波数シフト処理でのDCオフセットを補償するべく、デジタルオフセット補正が適用される。
本発明は、デジタルテレビ及び他のデータの多重チャネルを単一の送信媒体に多重化するための効率的で低コストの手段を与える。
従来技術のほとんどの多重チャネルQAM変調器は、概して図1に示されるように構成されており、システム100は多重チャネルRF出力信号を生成するべくRF結合器114を介して結合された独立のチャネル変調器から成る。図1において、n個の独立の番組ソースに対応するMPEGデータストリーム102A、102B、…102nは、MPEGデータストリーム102A、102B、…102nを表すそれぞれのQAM記号ストリーム106A、106B、…106nを生成するべくそれぞれのチャネル符号器104A、104B、…104nにより符号化される。各QAM記号ストリームはデジタルケーブルテレビQAMストリーム符号化用の適当は標準(例えば、スイス、ジュネーブのインターナショナル・テレコミュニケーションズ・ユニオンにより与えられたITU-T J.83 Annex AまたはAnnex B)に従って符号化され、それにより、各QAM記号は複素周波数空間内で予め定義された位相/振幅コンステレーションポイントのセットのひとつを表す。例えば、256−QAMは複素平面内でコンステレーションポイントの矩形16×16アレイを画成する。アレイ内の各コンステレーションポイントは、特定のキャリア振幅及び位相角度で符号化された一意の8ビット二値を表す。64−QAMはコンステレーションポイントの8×8矩形アレイを画成する。
デジタルケーブルテレビ用の米国周波数計画に従い、チャネルは6MHz間隔で離隔され、256−QAMの場合5.360537Mbaudの記号速度で符号化される。64−QAM及び1024−QAMのようなその他のQAM変調法は異なる記号速度で符号化される。ベースバンドフィルタ108A、108B、…108nはそれぞれ符号化された5.360537Mbaud QAM記号ストリーム106A、106B、…106nを受信し、一般的なチャネル成形を実行する。ほとんどのヨーロッパのシステムは8MHzチャネル間隔で動作する。ベースバンドフィルタ108A、108B、…108nからの出力はその後、デジタル/アナログ変換器110A、110B、…110nにより、デジタルからアナログに変換される。D/Aコンバータ110A、110B、…110nからのアナログ出力は、それぞれのアップコンバータ112A、112B、…112nによりそれぞれのチャネル周波数へアップコンバートされる。各アップコンバータ112は、それぞれのD/Aコンバータ110からのアナログQAM符号化ストリームの周波数を特定のチャネル周波数へシフトする。アップコンバータ112A、112B、…112nからの出力は、適当な同軸ケーブル、光ファイバー、またはファイバー/同軸ハイブリッド(HFC)信号配信ネットワークを通じて送信するために、RF結合器114により単一の多重RF出力に結合される。
図1の多重チャネル変調器への入力はMPEGデータストリームとして示されているが、QAMまたは類似の符号化が定義されるところのあらゆる適当なデジタル情報ソースが使用可能であることは当業者の知るところである。ひとつの例はDOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specification)データであり、それにより、インターネット通信のようなデジタル通信がデジタルケーブルテレビ送信媒体で符号化される。DOCSISは収束サブレイヤーとしてMPEG転送ストリームを使用する。
図1の多重チャネル変調器100は固有の非効率を蒙る。第1に、処理中にD/A変換が生じるのが早過ぎて、かつ比較的低い帯域幅のベースバンドストリームでのみ動作する点である。結果として、最新型D/Aコンバータの比較的高いサンプリング速度能力は無駄になる。第2に、各アップコンバータは周波数スペクトルのわずかな6MHzスライスを占める信号チャネルのみを処理する点である。これは低いコンバータ利用率及び高コストを生じさせている。
6MHzチャネルごとに別々のアップコンバータを利用すれば各チャネルが他のチャネルと独立に配置されるという点で大きな周波数アジリティをもたらすが、このアジリティは現在のアプリケーションでは必要ではなく、将来のデジタルケーブルアプリケーション用に考えられていない。連続チャネルのブロックはスペクトル計画に対して適切なフレキシビリティを与える。ユーザーのセットトップボックスは、どのRFチャネルが番組を運んでいるか、どのRFチャネルが動作便宜によってのみ制限されて、スペクトルチャネルスロット内でほぼ完全に任意に割当てられるかを気にしない。
図1の多重チャネル変調器のコスト効率を改善するためのひとつのアプローチは、できるだけ多くのアナログコンポーネント、主としてアップコンバータをデジタルコンポーネントと入れ替えて、それを単一のD/Aコンバータの後ろへ移動することである。これによりD/Aコンバータの利用率が大きく改善され、離散的なアップコンバータが除去される。このアプローチにおいて、数値制御オシレータ(NCO)はローカルオシレータ(LO)の関数を実行し、デジタル乗算器は二重平衡ミキサーの関数を実行し、デジタル加算器はアナログRF結合器と置換され、ベースバンドチャネルQAM記号速度(例えば、256−QAMに対して5.360537Mbaud)と6MHzチャネル間隔の実行を容易にする6MHzデジタル変換速度との間を補間するためにデジタルフィルタが採用される。このアプローチは、新しいデジタル関数の実行の付加的コストは除去されたアナログ関数のコストによるオフセット以上であることが仮定されている。
図2はこのような実行のブロック図である。図2において、多重チャネルQAM変調器200は、デジタル処理ブロック230、それに続く単一のD/Aコンバータ210及びアップコンバータ212から成る。デジタル処理ブロック230において、チャネルコーダ204A、204B、…204nは、MPEGストリーム入力(または他の適当なデジタルストリームデータ)を受信し、ベースバンドQAM符号化規則のセット(例えば、256−QAM)に従ってそれを符号化する。各チャネルコーダ204A、204B、…204nからのQAM符号化データは、その後それぞれのベースバンドフィルタ208A、208B、…208nにより処理される。各ベースバンドフィルタ208A、208B、…208nの出力はその後、5.360537MbaudのQAM記号速度と6n MHz(ここで、nはチャネル数)のD/Aサンプリング速度との間の差を補償するデジタル補間器220A、220B、…220nにより処理される。QAM記号速度とチャネル間隔はヨーロッパ周波数計画と異なるが、原理的に同じであり同一の技術が簡単に応用できることは当業者の知るところである。
補間の後、それぞれの補間器220A、220B、…220nの出力は、数値制御オシレータ222A、222B、…222n及びデジタル乗算器224A、224B、…224nから成る各デジタルアップコンバータにより処理される。各NCO222は二重平衡変調器(DBM)のデジタル様式として作用する。結合において、各NCO/乗算器の対は、異なる中間周波数へアップコンバートされたひとつのQAM符号化チャネルをデジタル的に表すデジタル出力ストリームを生成する。その後、デジタル乗算器224A、224B、…224nの出力はデジタル加算器226で加算されて、複数の適当に離隔されたQAMチャネルを中間周波数帯域で符号化しながら、多重チャネルデジタルストリームを生成する。この複数チャネルデジタルストリームはその後D/Aコンバータ210によりアナログ形式に変換される。すべてのアナログIF複数チャネルストリームを送信用(多重RF出力)の正しい周波数帯域に周波数シフトするために、最終アップコンバータ212が使用される。
デジタル信号処理システムのコストの点で最大の2つの要因は、デジタル信号処理(DSP)それ自身のコスト及びD/Aコンバータのコストである。半導体集積度は40年間で指数関数的に増加した。このトレンドは、あらゆるDSPベースまたはデジタルロジックベースの技術が、以前として、集積度の増加及びデジタル回路に関連するコストの減少に有効であることを予測している。D/Aコンバータは同様の密度及びコスト曲線に従い、デジタル携帯通信及びワイヤレスデータ通信市場の性能要求及び大量生産により駆り立てられる。
デジタル信号処理技術は、フルカスタムの専用関数集積回路から、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)に対するASIC(特定用途向け集積回路)までの範囲のさまざまな技術で実行される。論理合成技術と組み合わせたVerilog及びVHDLのようなハードウエア記述言語(HDL)は、これらのさまざまな技術プラットフォームを通じたデジタル設計のポータビリティを促進する。それぞれの技術は、開発コスト、装置価格及びフレキシビリティに関する利点及び欠点を有し、そのすべては毎秒1億回のデジタル演算を実行することができる。
広帯域デジタル-アナログコンバータ(D/Aコンバータ、D/AまたはDAC)は開発の発展段階に達した。例えば、アナログ装置のAD9744は、11ドルのコストに対し、65dBのスプリアスフリー・ダイナミックレンジで165Ms/sを変換することができる。このサンプリング速度は数百のビデオユーザーを表し、その結果ユーザーあたりのコストはほとんど無視できる。
図2に示す多重チャネル変調器のアプローチは、スペクトルにわたってチャネルがまばらに分配される状況に対して適しており、例えばCIC(Cascade Integrator Comb)フィルタのようなフィルタに対して多重速度技術を採用することにより効率的になる。しかし、ケーブルテレビスペクトルは、均一に離隔されたチャネルを有するのが主流である。これがより効率的なアプローチを支持する。
効率の大きな改善は、均一に離隔されたチャネルでのQAM符号化は、複素周波数成分と独立の複数の均一離隔された単純表現であることを認識することにより実現される。これは、FDM/TDM(周波数分割多重化/時間分割多重化)トランスマルチプレクサのようなアプリケーションにおいて永年実行されてきたような、合成、多重チャネル乗算の時間ドメイン表現へ、複素周波数の均一離隔アレイの同時アップコンバージョンを達成するために、変換ベース技術を使用することを示唆している。例として、高速フーリエ変換(FFT)技術、特殊な場合の離散フーリエ変換(DFT)などは、信号の時間ドメインと周波数ドメインの間の変換に対して、周知かつウェルデファインドであり、計算上効率的である。一般的な連続フーリエ変換の特殊形である離散フーリエ変換は、一組の均一に離隔された複素周波数成分の線形和として時間変化信号を表す。その逆の形式で、逆DFT(IDFT)は一組の均一に離隔された複素周波数成分(周波数スペクトルアレイ)を対応する時間ドメイン表現へ変換する。FFT及びIFFTはDFT及びIDFTの計算上最適化されたものであり、それは計算を最少化しかつ速度を最大化するために再帰的構造を利用する。
QAMストリームが、一組の時間変化する複素周波数計数の対(すなわち、複素数[A,jB]として表されるAcosωnt+jBsinωnt)として表され、複素数IFFTのアレイ内の特定の位置に割当てられ、入力アレイの周波数間隔が所望のチャネル間隔と対応するようにIFFTがスケールされかつサンプリングされることを仮定すると、IFFTは一組の均一に離隔されたキャリア上で変調されかつ加算されたすべてのQAMストリームの離散時間ドメイン表現を生成する。したがって、単一の計算ブロック内のIFFTは、図1及び2のすべてのアップコンバータ及びローカルオシレータ(NCO/乗算器)を効率的に置換する。
図3は多重チャネルQAM変調器300のIFFTベースの実行例のブロック図である。図1及び2と同様に、n個のMPEG入力ストリーム(または他の適当なデジタル入力ストリーム)302A、302B、…302nが複数のチャネルコーダ304A、304B、…304nのそれぞれによってQAM符号化され、続いて複数のベースバンドフィルタ308A、308B、…308nにより処理されて、チャネルコーダ304により生成されたQAM符号化複素周波数記号ストリームをプレチャネル成形し、一組の複素周波数を生成する。生成されたベースバンドフィルタされたQAMストリームは、その後IFFT入力アレイ内のそれぞれの複素周波数位置へ割当てられ、IFFT340により処理される。均一なフィルタバンクを実現するために多くの変換が可能であるが(例えば、離散コサイン変換(DCT))、簡潔かつ単純のためここではIFFTのみを扱う。IFFT340の結果は、適当なチャネル分離を保証するために一組のアンチイメージフィルタ342A、342B、342n(h0(z),h1(z),…,hn-1(z))により処理され、アンチイメージフィルタ342の出力はデジタル加算器326により加算されて合成多重チャネルQAM符号化デジタル時間ドメインストリームを生成し、それは続いてD/Aコンバータ310によりアナログに変換されアップコンバータ312により適当な周波数帯域へ周波数シフトされ、多重RF出力を生成する。
図3の変調器300の設計は2つの別個のフィルタリングステージ、すなわち、ベースバンドフィルタリングステージ(IFFT前の308)及びアンチイメージフィルタステージ(IFFT後の342)を採用する。この手法はうまく採用されるが、フィルタリングステージ間の分割が厄介で、かつIFFTを通じたカスケードされた効果が所望の結果を生成することを保証するためにベースバンド及びアンチイメージフィルタの設計に対して妥当な注意を要求する。また、2つの別個のデジタルフィルタステージの使用は、各ステージに対し別々の回路及び/または計算機を要求する際の、回路及び/計算機の点でコスト高となる。
この欠点は、IFFT前のベースバンドフィルタとIFFT後のアンチイメージフィルタとを単一のIFFT後のフィルタステージに結合することによりアドレスされる。図4はこの方法で実行された多重QAM変調器を示す。
図4は2つのステージのベースバンドフィルタリング及びアンチイメージフィルタリングが単一のステージのIFFT後のフィルタリング結合されるところの、IFFTベースの多重チャネルQAM変調器400のブロック図である。図1、2及び3と同様に図4において、複数のnチャネルMPEG(または他のデジタルデータ)ソース402A、402B、…402nが、複数のチャネルコーダ404A、404B、…404nによりQAM符号化される。上記した図3の実行例と違い、QAM符号化記号ストリームはベースバンドフィルタリング無しでIFFT440の入力へ直接に適用され、IFFTはQAM記号速度で動作する。その後IFFTの出力はn個の時間変化するIFFT後の結合チャネル成形及びアンチイメージ補間フィルタ444A、444B、…444n(g0,t(z),g1,t(z),…gn-1,t(z))により処理され、フィルタリングされた出力を生成し、それはその後デジタル加算器426により加算され、中間周波数帯域でQAM符号化された合成デジタル多重チャネルマルチプレクスを生成する。このマルチプレクスはその後、D/Aコンバータ410を通じてアナログ形式へ変換され、アップコンバータ412により適当な周波数帯域へ周波数シフトされて多重RF出力を生成する。
図4の多重チャネル変調器400は、ベースバンド成形及びアンチイメージングが単一のフィルタステージに結合されるため、すべての入力チャネル402が同じ変調フォーマット及び記号速度を有することを要求する。これは妥当な制限であり、あらゆる現在のデジタルテレビ送信技術に単純に収まる。
図5を参照して、本発明の好適実施例が以下に説明される。複素周波数または複素時間ドメイン信号のような複素量(実数部及び虚数部を有する)は図5で二頭矢印により表されている。
図5は、ケーブル、光ファイバーまたはHFC送信媒体を通じて送信するための多重チャネルRF信号へ16MPEG信号ストリーム(または他の適当なQAM-256符号化可能デジタルデータソース、例えばDOCSISデータ)を多重チャネルQAM-256符号化するための16−チャネル変調器500のブロック図である。コンバータ500は、デジタル処理部530、複素D/Aコンバータ510及びアップコンバータ512から成り、それは実際には2つのD/Aコンバータ(ひとつは実数用でひとつは虚数用)及び直交変調器として実行される。
図5において、n個のMPEG(またはデータ)ストリーム502A、502B、…502nがITU J.83 annex Bに従ってQAM-256符号化され、一組の複素周波数QAM記号表現が生成される。24ポイントIFFT関数540は、QAM記号速度で動作し、IFFT540への複素周波数ドメイン入力を同数の時間ドメイン出力へ変換するために採用される。最初の4つ及び最後の4つのIFFT複素周波数入力は複素ゼロ(すなわち、(0,j0))の固定値に設定され、その他の複素QAM符号化ストリームは16個の中央IFFT入力へ適用される。ゼロチャネルはアナログのアンチアリアスフィルタの要件を単純化するために保護周波数帯を作成する。
IFFT関数540の24個の出力は、IFFTからの連続複素時間ドメイン値(実数/虚数値の対)を連続的にシフトアウトするパラレル/シリアル(P/S)関数550により直列化される。各IFFT変換はIFFTフレームを構成し、P/S関数550は、24のフレーム長を有する複素直列ストリーム出力を生成しながら24個のシフトアウトが各IFFTフレームに生じるように、構成される。
パラレル-シリアルコンバータ550からの複素直列出力は、複数のi-1個の連続接続されたディレイエレメント552、i個の複素デジタル乗算器554及びデジタル加算器556から成るi番目のFIRデジタルフィルタにより処理される。各遅延エレメント552は正確にひとつの完全なIFFTフレームだけ(すなわち、24個の複素値)前のステージの複素直列出力を遅らせる。したがって、直列接続された遅延エレメント552の各々からの出力は特定の遅延タップを与える。各遅延タップ(及び直列接続されたアレイへの入力)はひとつの複素デジタル乗算器554を通じて実数係数(hx)だけ乗算される。係数hxは実数値なので、複素乗算器554は複素クロス乗積を扱う必要はなく、実際の複素乗算器より単純である。実際の複素乗算器は4つの掛け算及び2つの足し算を要求するが、単純化された複素リアルタイム乗算器は2つの掛け算のみを要求する。乗算器からの複素乗積出力はデジタル加算器556により加算され、フィルタ出力を生成する。
一組の係数ROM564に対するアドレス生成器として作用するダイレクトデジタルシンセサイザ562(DDS)から成る係数生成器は、IFFTフレーム同期形式でFIRフィルタ用の係数を通じて循環して、一組のi係数値(h0,h1,h2,…hi-2,hi-1)を並列に生成する。DDS562は、パラレル-シリアルコンバータ550の各工程に対する係数値を更新し、IFFTフレームごとに係数値のシーケンスを繰り返す。結合の際、これらの要素は、ベースバンドフィルタ、アンチイメージフィルタ及び補間器(QAM記号速度とチャネル間隔との間の差を補償するための)として作用する補間フィルタを生成する。
FIRフィルタの出力は、中間周波数帯域の適当なチャネル間隔を有する多重チャネルQAM変調ストリームであり、補間され、かつアップコンバートされる準備ができる。出力は最初に、最終ステージのアップコンバータ512の非理想的動作を前補正するために直交補正器558により処理される。続くDCオフセットを前補償するために、オフセットがデジタル加算器560を通じて直交補正器558の出力へ加算される。オフセット補償された結果はアナログ形式へ変換するためにD/Aコンバータ510へ適用される。ここで、FIRフィルタ出力、直交出力、及びオフセット補償出力はすべて複素量である点に注意すべきである。デジタル加算器560は二重加算器であり、オフセットは複素量である。実際に、D/Aコンバータ510は複素入力の実数部及び虚数部をアナログ形式へ別々に変換するための2つのコンバータから成る。D/Aコンバータ510の複素出力は、完全に補償されかつ補正されたIF多重チャネルQAM符号化ストリームを所望の最終周波数帯域まで周波数シフトするために最終ステージのアップコンバータ512へ適用され、送信用の多重RF出力を生成する。
多重チャネル設計のデジタル部分の完全なVerlog HDL記述が付録資料として与えられる。
図5に示される好適実施例は、現在入手可能なデジタル信号処理、D/Aコンバータ及びアップコンバータ技術に適応される特定の実行例を示しており、それらの実行例への付加は他の技術を使って容易に為されることは当業者の知るところである。例えば、所与の十分な速度の、図5の多重チャネルQAM変調器のすべてまたは一部が、コンピュータコードをデジタルロジックに置き換えることにより、デジタル信号プロセッサまたは汎用プロセッサにより実行される。このようなシステムは本発明の技術の関数を実行するように特に設計され、または商業的に入手可能なプロセッサにより実行可能である。このようなシステムにおいて、コードはコンピュータ読み取り可能媒体内にコンピュータ命令として格納される。コンピュータ読み取り可能媒体の例として、これらに限定されないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM及びホログラフィック装置のような光学媒体、フロプティカルディスクのような磁気光学媒体、及び特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)並びにROM及びRAMデバイスのようなプログラムコードを格納しかつ実行するように特定的に構成されたハードウエアデバイスが含まれる。コンピュータコードの例として、コンパイラーにより生成されるような機械コード、及びインタプリタ−を使うコンピュータにより実行される高レベルコードを含むファイルが含まれる。例えば、本発明の実施例は、Java(登録商標)、C、または他のオブジェクト指向プログラム言語及び開発ツールを使って実行される。本発明の他の実施例は、機械実行可能ソフトウエア命令の代わりに、またはそれと組み合わせてハードワイヤード回路内で実行されてもよい。
発明はある好適実施例と関連して説明されてきたが、本願の明細書及び図面の記載を読むことにより、変形及び修正が可能であることは当業者の知るところである。特に、上記コンポーネント(アセンブリ、デバイス、回路等)により実行されるさまざまな関数に関して、これらのコンポーネントを説明するのに使用された用語は、たとえ本発明の実施例内の関数を実行する開示された構造と構造的に同等でなくとも、上記コンポーネントの特定の関数を実行する任意のコンポーネントに対応することが意図されている。さらに、本発明の特定の特徴はいくつかの実施例のひとつのみに関して開示されたが、この特徴は任意の特定の応用に対して所望されかつ有利であるような他の実施例のひとつまたはそれ以上の特徴と組み合わされる。
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図1は、従来技術に従う、多重チャネル直交振幅変調(QAM)変調器のブロック図である。 図2は、図1の多重チャネルQAM変調器のデジタル形式への直接変換を示すブロック図である。 図3は、本発明に従う、逆高速フーリエ変換を使用する完全デジタル多重チャネルQAM変調器のブロック図である。 図4は、本発明に従う、図3の多重チャネルQAM変調器の単純化バージョンを示すブロック図である。 図5は、本発明に従う、16チャネルQAM変調器の好適実施例のブロック図である。

Claims (20)

  1. 複数のデジタルデータストリームを単一の多重RF出力に変調するための多重チャネル変調器であって、
    各デジタルデータストリームを一組の記号ストリームに符号化するための符号化手段と、
    複数の記号ストリームを、中間周波数帯域内の一組の均一に離隔されたキャリア周波数に変調された複数の記号ストリームを有する単一デジタル多重チャネルIFストリームへ同時に変換するための、逆FFT(IFFT)処理手段と、
    単一のデジタル多重チャネルIFストリームをアナログの多重チャネルIFストリームに変換するための、デジタル-アナログ変換手段と、
    単一の多重RF出力において、目標周波数帯域へアナログ多重チャネルIFストリームを周波数シフトするためのアップコンバージョン手段と、
    から成る多重チャネル変調器
  2. 請求項1に記載の多重チャネル変調器であって、デジタルデータストリームはITU J.83 Annex Bに従って符号化されることを特徴とする多重チャネル変調器。
  3. 請求項2に記載の多重チャネル変調器であって、デジタルデータストリームは256-QAM符号化されることを特徴とする多重チャネル変調器。
  4. 請求項2に記載の多重チャネル変調器であって、デジタルデータストリームは64-QAM符号化されることを特徴とする多重チャネル変調器。
  5. 請求項1に記載の多重チャネル変調器であって、さらに、記号ストリームを成形するためのIFFT前のベースバンドフィルタ手段を含む、ところの多重チャネル変調器。
  6. 請求項1に記載の多重チャネル変調器であって、さらに、チャネル分割を達成するためにデジタル多重チャネルIFストリームをフィルタリングするためのIFFT後のアンチイメージフィルタ手段を含む、ところの多重チャネル変調器。
  7. 請求項1に記載の多重チャネル変調器であって、さらに、ベースバンドとアンチイメージフィルタの結合を実行するためのIFFT後の結合されたフィルタ手段を含む、ところの多重チャネル変調器。
  8. 請求項1に記載の多重チャネル変調器であって、さらに、QAM記号速度とチャネル間隔との差を補償するための補間手段を含む、ところの多重チャネル変調器。
  9. 複数のデジタルデータストリームを単一の多重RF出力に変調するための多重チャネル変調器であって、
    デジタルデータストリームを記号速度で複数の記号ストリームに符号化するための符号化手段と、
    特定の複素周波数入力へ適用された各記号ストリームを有する逆周波数変換処理手段であって、該手段は中間周波数(IF)帯域内の一組の均一に離隔されたキャリア周波数に変調された複数の記号ストリームを表す時間ドメイン信号を生成する、ところの逆周波数変換処理手段と、
    ベースバンドフィルタリング、アンチイメージフィルタリング及び記号速度とチャネル間隔との間の差を補償するための速度補間の結合を実行するための、フィルタリングされた時間ドメイン信号を生成する変換後の手段と、
    フィルタリングされた時間ドメイン信号をデジタルからアナログ形式に変換するためのデジタル-アナログ変換手段と、
    多重RF出力においてアナログ時間ドメイン信号を目標周波数帯域へ周波数シフトするためのアップコンバータ手段と、
    から成る多重チャネル変調器。
  10. 請求項9に記載の多重チャネル変調器であって、逆周波数変換処理手段は逆FFT(IFFT)関数を実行することを特徴とする、多重チャネル変調器。
  11. 請求項9に記載の多重チャネル変調器であって、さらに、アップコンバータ手段の非理想的動作を事前補正するためのデジタル直交補正手段を含む多重チャネル変調器。
  12. 請求項9に記載の多重チャネル変調器であって、さらに、デジタル-アナログコンバータ手段及びアップコンバータ手段内のDCオフセットを事前補償するためのデジタルオフセット補償手段を含む多重チャネル変調器。
  13. 複数のデジタルデータストリームを単一の多重RF出力へ多重チャネルQAM変調するための方法であって、
    複数のデジタルデータ入力ストリームを与える工程と、
    各デジタルデータストリームを一組のQAM符号化ストリームへ符号化する工程と、
    多重QAM符号化ストリームを中間周波数帯域内の一組の均一に離隔されたキャリア周波数に符号化しながら、複数のQAM符号化ストリームを単一のデジタル多重チャネルIFストリームへ変調するよう、逆FFT(IFFT)を介してQAM符号化ストリームを処理する工程と、
    デジタル多重チャネルIFストリームをアナログ形式に変換する工程と、
    アナログ多重チャネルIFストリームを単一の多重RF出力において目標周波数帯域へ周波数シフトする工程と、
    から成る方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、さらに、デジタルデータストリームをITU J.83 Annex Bに従って符号化する工程を含む方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、デジタルデータストリームは256-QAMに従って符号化される、ところの方法。
  16. 請求項14に記載の方法であって、デジタルデータストリームは64-QAMに従って符号化される、ところの方法。
  17. 請求項13に記載の方法であって、さらに、結合されたベースバンド及びアンチイメージフィルタでデジタル多重チャネルIFストリームをIFFT後にフィルタリングする工程を含む方法。
  18. 請求項13に記載の方法であって、さらに、QAM記号速度とチャネル間隔との間の差を補償するためにデジタル多重チャネルIFストリームを補間する工程を含む方法。
  19. 請求項13に記載の方法であって、さらに、周波数シフト処理の非理想的動作に対してデジタル補償を与える工程を含む方法。
  20. 請求項13に記載の方法であって、さらに、デジタル-アナログ変換及び周波数シフト処理におけるDCオフセットを補償するデジタルオフセットを与える工程を含む方法。
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