JPH10214959A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH10214959A
JPH10214959A JP1570097A JP1570097A JPH10214959A JP H10214959 A JPH10214959 A JP H10214959A JP 1570097 A JP1570097 A JP 1570097A JP 1570097 A JP1570097 A JP 1570097A JP H10214959 A JPH10214959 A JP H10214959A
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JP
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layer
substrate
epitaxial growth
doped
supply means
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JP1570097A
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Yuji Hiratani
雄二 平谷
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化物III−V族化合物半導体のエピタキシ
ャル成長層を用いた新規な半導体装置を提供する。 【解決手段】 この半導体装置は、Si基板1の上に、
窒化物系III−V族化合物半導体から成るエピタキシャ
ル成長層3A,3Bが複数層積層されている半導体装置
であって、エピタキシャル成長層の少なくとも1層3A
におけるSi濃度が1015〜1020/cm3であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物系III−V族
化合物半導体のエピタキシャル成長層を有する半導体装
置に関し、更に詳しくは、半導体レーザや発光ダイオー
ドなどの発光素子、また、ホトダイオード,ホトトラン
ジスタなどの受光素子や、FET,HBTなどの電子素
子にも使用可能である新規な半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAsに代表されるIII−V族化合物
半導体の単結晶、更にその3元または多元混晶は、各種
の半導体装置の構成材料として重要な位置を占めはじめ
ている。そして、これらIII−V族化合物半導体のう
ち、BN,AlN,GaN,InNのような窒化物系II
I−V族化合物半導体は、可視光域から紫外域に亘って
使用可能な発光・受光素子用の材料として重要視され、
とくにGaNは青色発光ダイオードの材料として注目さ
れている。
【0003】ところで、上記した窒化物系III−V族化
合物半導体の結晶を成長させるためには、これらがいず
れも高融点でしかもその融点における蒸気圧が低いとい
うこともあって、GaAsやInPのように、水平ブリ
ッジマン法や引上げ法を適用することができない。した
がって、窒化物系III−V族化合物半導体のバルク結晶
の製造は困難であり、そのため、その単結晶基板を得る
ことは不可能である。
【0004】このようなことから、窒化物系III−V族
化合物半導体の結晶成長に関してはエピタキシャル成長
法が適用される。その場合、成長用の基板として単結晶
基板を用いることができないのであるから、必然的に異
種材料の基板が用いられる。しかしながら、窒化物系II
I−V族化合物半導体の結晶成長の場合、GaAsやI
nPの場合とは異なり、その格子定数と熱膨張係数に整
合した材料の成長用基板は存在しない。
【0005】現在、窒化物系III−V族化合物半導体の
エピタキシャル結晶成長に用いられている基板は、比較
的良質な結晶成長を実現できるということで、サファイ
ヤ,アルミナが主要には採用されている。しかしなが
ら、窒化物系III−V族化合物半導体の結晶格子定数と
サファイヤ(Al23)結晶との間における格子不整合
率は、概ね、13%であるので、このまま単純にエピタ
キシャル成長法を適用しても、窒化物系III−V族化合
物半導体の良質な結晶を得ることはできない。
【0006】そのため、現在では、サファイヤやアルミ
ナの基板の上に、例えば温度400〜600℃の低温で
非晶質のGaNやAlNをバッファ層として一旦形成し
てミスフィット転位を防止できるようにし、ついでこの
バッファ層の上にGaNなどの単結晶をエピタキシャル
成長させるということが行われている。そして、このよ
うにして製造した半導体装置からは、輝度が1〜数カン
デラ程度のLEDや、短時間ではあるがCW発振するL
Dなどの発光素子が製造されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た方法で作成した窒化物系III−V族化合物半導体の成
長結晶の場合であっても、それは充分に満足すべき単結
晶構造になっていないという問題がある。そのため、そ
の結晶を用いて製造した発光素子は、発光輝度も小さ
く、発光効率も低い値になっている。
【0008】したがって、輝度の向上、発光効率の向
上、また安定して発振する発光素子の製造を目的とした
場合、基板上にエピタキシャル成長させる窒化物系III
−V族化合物半導体の結晶を更に良質なものにすること
が必要になる。本発明は、窒化物系III−V族化合物半
導体のエピタキシャ成長層を備えた従来の半導体装置に
おける上記した問題を解決し、エピタキシャル成長した
窒化物系III−V族化合物結晶の結晶性が優れている新
規な半導体装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するために鋭意研究を重ねる過程で、基板を
各種材料のものに代え、かつエピタキシャル成長層へS
iをドーピングし、そのときに成長層におけるSi濃度
を変化させ、得られたGaNエピタキシャル成長層の結
晶性につきホトルミネッセンス(PL)法による評価実
験を試みた。
【0010】なお、上記したPL法は、エピタキシャル
成長させた半導体から成る発光素子において、当該半導
体の結晶性を評価する方法として知られている。そし
て、PL法による評価時に発光しなければ、そのエピタ
キシャル成長層を用いた素子は基本的には発光素子にな
らない、しかし、PL法による評価時に発光すれば、そ
のエピタキシャル成長層を用いた素子は発光素子に成り
うることが多い、ということが経験則として知られてい
る。
【0011】そして、上記した一連の評価実験におい
て、成長用基板としてSi単結晶基板を用い、かつ、G
aNのエピタキシャル成長層におけるSi濃度を比較的
高濃度にする、すなわち、GaNのエピタキシャル成長
時に比較的高濃度でSiをドーピングしたところ、Ga
Nのバンド端発光(波長365nm付近)の強度が非常に
強くなるという新たな知見を得た。しかしSi濃度が低
い場合には発現しなかった。
【0012】一方、サファイヤ基板を用いた場合には、
GaNのエピタキシャル成長層にSiをドーピングして
もGaNエピタキシャル成長層の結晶性改善の効果はさ
ほど顕著ではなかった。なお、上記した現象が発現する
理由は必ずしも明確ではないが、次のように推論するこ
とができる。
【0013】すなわち、異種材料の基板の上にエピタキ
シャル成長を行うと、形成された成長層の結晶には結晶
欠陥が発生する。そして、その結晶欠陥の発生原因や結
晶欠陥の性状などは用いた基板によって様々に異なって
くる。したがって、前記したように、Si単結晶基板の
上にGaNをエピタキシャル成長させた場合でも、基板
の影響を受けることにより、形成された成長層には結晶
欠陥が発生しているものと考えられる。
【0014】しかしながら、上記した事例の場合、たま
たまドーピングされたSiによってGaN成長層に対す
るSi単結晶基板の影響が減殺され、GaN成長層にお
ける結晶欠陥が低減し、もってその結晶性は良好とな
り、PL法による評価時に前記した顕著な効果を発揮す
るものと考えられる。このように、本発明者らは上記し
たような試行錯誤の実験を重ねる中で上記した現象を見
出し、更にその現象に関する考察を加え、それら一連の
過程から、本発明の新規な半導体装置を開発するに至っ
たのである。
【0015】すなわち、本発明の半導体装置は、Si基
板の上に、窒化物系III−V族化合物半導体から成るエ
ピタキシャル成長層が複数層積層されている半導体装置
であって、前記エピタキシャル成長層の少なくとも1層
におけるSi濃度が1015〜1020/cm3であることを特
徴とする。とくに、本発明においては、前記したSi濃
度が1015〜1020/cm3である窒化物系III−V族化合
物半導体のエピタキシャル成長層が発光層になっている
半導体発光装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の半導体装置を図1に基づ
いて説明する。図1は、本発明の半導体装置の構成例を
示す断面図である。図1において、Si単結晶基板1の
上には、非晶質の例えばGaN層がバッファ層2として
形成され、更に、このバッファ層2の上に、例えばGa
Nのエピタキシャル成長層3,4が順次積層されてい
る。
【0017】なお、エピタキシャル成長層は、図1のよ
うに2層であることに限定されず、任意の複数層であっ
てもよい。ここで、バッファ層2は、この上に目的とす
るIII−V族化合物半導体のエピタキシャル成長を行う
ために設けられる層である。そして、エピタキシャル成
長層3,4のいずれか、または両方にはSiがドーピン
グされて、Si濃度が1015〜1020/cm3になってい
る。
【0018】Si濃度が1015/cm3より低い場合には、
エピタキシャル成長した結晶における結晶性改善効果は
低減し、PL法による評価時における発光ピーク強度が
弱くなる。Si濃度が高くなればなるほど、結晶性の改
善効果は進み、PL法による評価時における発光ピーク
強度は強くなっていき、とくに1×1018以上になる
と、発光ピーク強度は顕著に強くなり、エピタキシャル
成長した結晶が著しく改質されていることが推定され
る。
【0019】しかし、Si濃度を高めることによる結晶
性の改善効果は飽和傾向を示すので、Si濃度を徒に高
めることは無意味である。しかも、エピタキシャル成長
層3,4の導電性を制御するような場合、例えばこれら
成長層をp型やi型の導電性に制御するような場合、当
該成長層のSi濃度が高くなっていると、そこにドーピ
ングするp型ドーパントのドープ量を増加させなければ
ならないという問題が生じてくる。
【0020】このようなことを考慮して、本発明の半導
体装置では、エピタキシャル成長層におけるSi濃度の
上限値は1×1020/cm3に設定される。なお、上記した
半導体装置を発光素子として機能させる場合には、少な
くとも、発光層として機能させるエピタキシャル成長層
のSi濃度を1015〜1020/cm3に制御することが重要
である。
【0021】その場合、発光素子の代表的な形態として
は、ホモ接合型,pn接合型,ダブルヘテロ接合型があ
り、そして、それぞれの場合、発光層をp型導電性,i
型導電性やn型導電性にすることが必要になる。そのよ
うなときには、次のような対応が採られる。例えば、発
光層をi型導電性にする場合には、発光層にすべきエピ
タキシャル成長層にSiを1015〜10 20/cm3ドーピン
グする。しかし、このドーピングによって当該エピタキ
シャル成長層はn型になるので、ここに、更にMgやZ
nのようなp型ドーパントをドーピングし、そのときの
ドープ量を調整してn型導電性を相殺すればよい。そし
て、発光層をp型導電性にする場合は、p型ドーパント
のドープ量を更に増量すればよい。また、発光層をn導
電性にするためには、エピタキシャル成長層にSiを前
記した濃度となるようにドーピングするだけでよい。
【0022】なお、Siのドーピングは、発光層として
機能させるエピタキシャル成長層に限定される必要はな
く、例えばクラッド層として機能させるような他のエピ
タキシャル成長層に行えば、当該クラッド層の結晶性も
向上して、より良質の発光素子を得ることができる。次
に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。
【0023】まず、本発明の半導体装置をガス源MBE
法で製造する場合に用いる装置例の概略を図2に示す。
この装置Aは、試料準備室A1と結晶成長室A2とを有
し、両室の間にはゲートバルブA3が介装されている。
試料準備室A1と結晶成長室A2には、それぞれ、図示
しない排気装置が配設され、両室内を所定の真空度にな
るまで真空引きすることができるようになっている。
【0024】試料準備室A1の中央部にはSi単結晶基
板1を保持するための回転可能な基板ホルダ(図示しな
い)が配置され、ホルダ内の基板1を試料準備室A1か
ら結晶成長室A2に搬送するためのトランスファーロッ
ドA4が配置されている。また、ホルダにはヒータA5
が装着されていて、ホルダ内の基板1を所定の温度に加
熱できるようになっている。
【0025】結晶成長室A2の下部には、まず、III族
元素源の供給手段Bが装着されている。具体的には、金
属Gaの供給手段B1,金属Inの供給手段B2,金属
Alの供給手段B3である。また、結晶成長室A2に
は、N源の供給手段Cが装着されている。具体的には、
アンモニアの供給手段C1とジメチルヒドラジン(DM
Dy:(CH3)2N(NH2))の供給手段C2である。
【0026】更に、結晶成長室A2には、金属Siの供
給手段D1と金属Mgの供給手段D2が装着されてい
て、これらでドーパントの供給手段Dを構成している。
これらの供給手段のうち、供給手段B1,B2,B3,
D1,D2は、いずれも、公知のクヌードセンセルであ
り、セル内部には例えばpBN製のるつぼが配置され、
セルの外側には例えばTa製のヒータが配置され、また
セルの噴出口には自動シャッタ開閉機構が配置されてい
る。
【0027】これらの供給手段Bには、それぞれ所定の
金属元素がチャージされる。そしてセル外側のヒータを
作動することにより、セル内にチャージされている各金
属元素をビーム状にしてセルの噴出口から後述するSi
単結晶基板の結晶表面に向かって噴出させる。このと
き、ヒータ温度を精密に制御することにより、ビーム束
の密度を調節することができる。
【0028】他の供給手段C1,C2は、ここから供給
される原料がいずれも気体であるため、バリアブルリー
クバルブまたはマスフローコントローラを備えていて、
原料の流量を精密制御することができるようになってい
る。結晶成長室A2の中央部には、試料準備室A1から
搬送されてきたSi単結晶基板1をセットするためのマ
ニュピレータが配置され、更に基板ヒータA5が設けら
れることにより、マニュピレータにセットされた基板1
を所定温度に加熱・保持できるようになっている。な
お、基板1は、その表面が真下を向くようにセットさ
れ、前記した各供給手段と対向せしめられる。
【0029】また、結晶成長室A2には、四重極質量分
析計(QMS)A6が配置されていて室内の残留ガスを
分析できるようになっており、更には、高速電子線回析
装置(RHEED)A7が設置されていて、基板1の表
面における結晶成長の状態を時々刻々観察することがで
きるようになっている。この装置Aを用いて、本発明の
半導体装置は次のようにして製造される。
【0030】まず、Si単結晶基板に対して以下のよう
な前処理が行われる。すなわち、選定したSi単結晶基
板を例えばフッ酸で洗浄して表面の自然酸化膜を除去
し、ついで、試料準備室A1に導入して基板ホルダにセ
ットする。その後、図示しない排気装置を運転して、試
料準備室A1の中を例えば1×10-5Pa以下の真空度に
し、ヒータA5で基板1を例えば温度300℃程度にな
るまで加熱して表面に吸着している水分子を除去する。
【0031】図示しない排気装置で結晶成長室A2の室
内を所定の超高真空状態にし、ゲートバルブA3を開に
し、トランスファーロッドA4で試料準備室A1内の基
板1を結晶成長室A2に搬送し、当該基板をマニュピレ
ータの基板ホルダにセットする。ついで、基板ヒータA
5を作動することにより、更に基板1を例えば1100
℃程度の温度にまで加熱し、その温度で30分間程度保
持するという熱クリーニングを行って、前処理を終了す
る。
【0032】上記した前処理終了後、基板1の温度を降
温して600〜800℃程度の温度に保持し、またQM
SA7で室内のガス分析を行いながら、供給手段B1〜
B3から所定のIII族元素源を供給し、かつ供給手段C
1またはC2からN源を供給して、基板1の上に非晶質
の窒化物から成るバッファ層を形成する。例えば、Ga
Nのバッファ層を成膜する場合、供給手段B1からGa
を供給し、また供給手段C1またはC2からN源を供給
すればよい。
【0033】基板上に所望厚みのバッファ層を形成した
のち、基板1の温度を例えば800〜1100℃に昇温
してその温度に保持し当該バッファ層の上にエピタキシ
ャル成長層を順次形成する。すなわち、供給手段B1〜
B3のいずれかから所定のIII族元素源を供給し、供給
手段C1またはC2からN源を供給し、かつ、供給手段
D1からSiを供給する。その結果、n型の導電性を備
えた窒化物系III−V族化合物半導体のエピタキシャル
成長層が形成される。
【0034】このとき、例えば供給手段B1〜B5から
のIII族元素源の供給量を調整し、同時に、供給手段D
1のセル温度を調整することにより、エピタキシャル成
長層におけるSi濃度の調整は、D1のセル温度,基板
温度、およびIII族元素源の供給手段B1〜B3の温
度,V族元素源の供給手段C1またはC2からの供給量
によって行われる。
【0035】所望厚みのSiドープエピタキシャル成長
層が形成されたのち、その上に、他のエピタキシャル成
長層が形成される。例えば、Siドープエピタキシャル
成長層の場合と同じ条件で結晶成長を行いながら、供給
手段D2からMgを供給すれば、Si,Mgドープエピ
タキシャル成長層が形成される。
【0036】このとき、Mg供給量を多くすることによ
り、上記したSi,Mgドープエピタキシャル成長層に
p型の導電性を付与することができる。
【0037】
【実施例】
実施例1 本発明のSiドープGaN膜につき、以下のようにして
PL法による評価を行った。面方位(111)で、抵抗
率1×10-2Ω・cmのSi単結晶基板を用意した。
【0038】この基板をアセトンで洗浄し、ついで濃度
100%のフッ酸に浸漬して表面の自然酸化膜を除去し
たのち、ただちに試料準備室A1に導入した。試料準備
室A1内の真空度を1×10-6Paに設定し、ヒータA5
を作動し、基板1を温度300℃で30分間保持して表
面の水分子を除去した。ついで、ゲートバルブA3を開
にし、基板1をトランスファーロッドA4で、1×10
-8Paにまで排気された結晶成長室A2に搬送し、マニュ
ピレータにセットした。ついで、基板ヒータA5を作動
することにより基板1に対し温度1100℃で30分間
の熱クリーニングを行った。
【0039】基板1の温度を650℃に降温し、温度6
50±0.5℃に保持しながら供給手段B1からGa、供
給手段C2からジメチルヒドラジンを室内に供給して、
基板1の表面に厚み10nmの非晶質GaN層を形成し
た。なお、このとき、GaNの成長速度が0.3μm/hr
となるように、供給手段B1のGaセル温度を調整し
た。
【0040】ついで、基板1の温度を800〜900℃
に昇温し、供給手段B1のGaセル温度を950℃の一
定温度に設定し、N源の供給手段を供給手段C1に切り
換えてアンモニアを流量5sccmの一定値で供給し、同時
に、供給手段D1からSiを供給してエピタキシャル結
晶成長を2時間行い、Siドープn−GaN層を形成し
た。
【0041】この条件の場合、GaNの成長速度は0.3
μm/hrであり、またこのGaNエピタキシャル成長層
の厚みは0.6μmになる。このとき、供給手段D1にお
けるSiセル温度を制御することにより、Siのドープ
量が、それぞれ、3×1015/cm3,6×1016/cm3,6
×1017/cm3,4×1018/cm3,2×1019/cm3のSi
ドープn−GaN層を形成した。
【0042】Siドープn−GaN層の形成後、それぞ
れについて、前記したSiドープn−GaN層の成膜条
件を維持しながら、同時に供給手段D2からMgを供給
してエピタキシャル結晶成長を行うことにより、更にM
gもドーピングされている厚み0.6μmのSi,Mgド
ープp−GaN層を形成した。なお、このとき、Mgセ
ル温度は300℃と一定にし、Mgのドープによる正孔
濃度が3×1017/cm3となるように設定した。
【0043】かくして、Si単結晶基板の上に、非晶質
のGaN層,Siドープn−GaN層,Si,Mgドー
プp−Gan層が積層されている図1で示した構造の半
導体装置が製造された。なお、比較のために、Siのド
ーピングを行わなかったことを除いては、上記したと同
じ条件の下で半導体装置を製造した。
【0044】これら5種類の半導体装置につきPL法に
よる評価試験を行った。更に、Si単結晶基板の裏面に
Al電極を設け、またSi,Mgドープp−GaN層の
上面にTi/Ni/Ti電極を設けて素子を製造した。
それらに対してPL法による評価実験を行った。PL法
による評価試験の結果を図3〜図8に示した。図中縦軸
のPL強度は対数換算表示になっている。
【0045】図3〜図8から次のことが明らかである。 (1) GaNのエピタキシャル成長層にSiをドーピング
しない素子ではPLピーク強度は現れない(図3)。 (2) しかし、Siを、ドープ量が3×1015/cm3以上と
なるようにドーピングすると波長365nm付近で明瞭な
ピークを示す(図4〜図8)。これは、エピタキシャル
成長層の結晶性が改善されていることを意味する。
【0046】(3) その場合、Siのドーピング時にSi
セル温度を高めてSiのドープ量を増量していくと、P
L強度のピーク値は順次高まっている(図4〜図6)。
これはSiドープ量が増量する、すなわちGaNのエピ
タキシャル成長層におけるSi濃度が高まるほど、結晶
が良質なものになっていくことを意味する。 (4) しかし、Siドープ量が4×1018/cm3,2×10
19/cm3である場合にはPLピーク強度はほとんど同じで
ある(図7,図8)。このことから、Siドープ量を4
×1018/cm3以上にしても、GaNのエピタキシャル成
長層における結晶性の改善効果は飽和することがわか
る。
【0047】実施例2 図2で示した装置を次のように運転して、図9で示した
構造の半導体装置を製造した。まず、実施例1の場合と
同様にして、同じSi単結晶基板1の前処理後、その上
に、厚み10nmの非晶質GaN層2を形成した。
【0048】ついで、基板1の温度を800〜900℃
の間の適当な温度に保持した(ただし、成長中の温度変
動は±5℃以内におさえた)。そして、供給手段B1か
らGa、供給手段B3からAl、供給手段C1からアン
モニア、供給手段D1からSiを同時に供給して、非晶
質GaN層2の上に、Siドープn−Al0.1Ga0.9
から成る厚み1μmのエピタキシャル成長層3aを形成
した。
【0049】このとき、成長速度が0.3μm/hrとなる
ようにGaセル温度、Alセル温度をそれぞれ調整し、
Siセル温度は1030℃としてSiドープ量が5×1
18/cm3となるように調整した。ついで、供給手段B3
を閉にしてAlの供給を絶ち、Siセル温度は1030
℃のままにしてピタキシャル結晶成長を行い、前記した
Siドープn−Al0.1Ga0.9N層3aの上に、Siド
ープn−GaNから成る厚み0.1μmのエピタキシャル
成長層3bを形成した。
【0050】ついで、結晶成長の条件を前記したSiド
ープn−Al0.1Ga0.9Nを成長させるときの条件に復
元し、同時に、供給手段D2を開にしてMgを供給し、
前記したSiドープn−GaN層3bの上に、Si,M
gドープp−Al0.1Ga0.9Nから成る厚み1μmのエ
ピタキシャル成長層3cを形成した。このとき、供給手
段D2におけるMgセル温度を320℃としMgのドー
ピングによる正孔濃度が1×1018/cm3となるように調
整した。
【0051】このようにして製造した図9の半導体装置
につき、PL法による評価実験を行ったところ、波長3
65μm付近で鋭いPLピーク強度が認められた。な
お、前記したSiドープn−GaN層3bの形成時に、
供給手段D2も開にしてそこから正孔濃度が1×1018
/cm3となるようにMgを供給することによりSi,Mg
ドープi−GaNから成るエピタキシャル成長層を形成
し、他の層は全て同じ条件で層形成して半導体装置を製
造した。
【0052】この装置の場合も、PL法による評価実験
時に、波長365μm付近で鋭いPLピーク強度を示し
た。 実施例3 図10は、別の半導体装置の層構造を示す断面図であ
る。この装置は、図9で示した層構造の装置において、
最下層のn−Si単結晶基板をp−Si単結晶基板に代
え、そして、層3aと層3cの位置関係を逆にしたもの
である。すなわち、層2と層3bの間にp型導電性の層
3cを配置し、最上層にn型導電性の層3aを配置した
半導体装置である。
【0053】この層構造にすると次のような利点が得ら
れる。図9の層構造の場合、Ti/Ni/Ti電極(n
電極)が配設される最上層を適正なp型導電性にするこ
とは、p型ドーパントであるMgを大量にドーピングす
ることなどが必要になるのでかなり困難である。そのた
め、この最上層にp電極を配設したときに、p電極の接
触抵抗が高くなる傾向が現れてくる。
【0054】しかし、図10で示した層構造の場合、最
上層はn型導電性の層であるため、その導電性を高める
ことは容易である。そのため、図10で示した層構造で
は、最上層に配設される電極の接触抵抗の低下を実現す
ることが容易になる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
半導体装置は、PL法による評価時に、波長365nm付
近で鋭いPLピーク強度を示し、窒化物系III−V族化
合物半導体のエピタキシャル成長層の結晶性が著しく改
善されたものになっている。このことは、結晶成長用基
板としてSi単結晶基板を用い、エピタキシャル成長時
にSiをドーピングして成長層におけるSi濃度を1×
1015〜1×1020/cm3にしたことによってもたらされ
る効果である。
【0056】したがって、この半導体装置は、窒化物II
I−V族化合物半導体から成る高性能の発光素子,受光
素子,更にはFET,HBTなどの電子素子の製造を可
能にする新規な材料として有望視される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の層構造例を示す断面図で
ある。
【図2】ガス源MBE結晶成長装置例を示す概略図であ
る。
【図3】PL法による評価実験時におけるPL強度のス
ペクトル変化を示すグラフである(Siドープ量ゼロの
場合)。
【図4】PL法による評価実験時におけるPL強度のス
ペクトル変化を示すグラフである(Siドープ量3×1
15/cm3の場合)。
【図5】PL法による評価実験時におけるPL強度のス
ペクトル変化を示すグラフである(Siドープ量6×1
16/cm3の場合)。
【図6】PL法による評価実験時におけるPL強度のス
ペクトル変化を示すグラフである(Siドープ量6×1
17/cm3の場合)。
【図7】PL法による評価実験時におけるPL強度のス
ペクトル変化を示すグラフである(Siドープ量4×1
18/cm3の場合)。
【図8】PL法による評価実験時におけるPL強度のス
ペクトル変化を示すグラフである(Siドープ量2×1
19/cm3の場合)。
【図9】本発明の別の半導体装置を示す断面図である。
【図10】本発明の更に別の半導体装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 Si単結晶基板 2 バッファ層 3A Siドープエピタキシャル成長層 3B エピタキシャル成長層 3a Siドープn−Al0.1Ga0.9N層 3b Siドープn−GaN層 3c Si,Mgドープp−Al0.1Ga0.9N層 A1 試料準備室 A2 結晶成長室 A3 ゲートバルブ A4 トランスファーロッド A5 基板ヒータ A6 QMS A7 RHEED B1 金属Gaの供給手段 B2 金属Inの供給手段 B3 金属Alの供給手段 C1 アンモニアの供給手段 C2 ジメチルヒドラジンの供給手段 D1 金属Siの供給手段 D2 金属Mgの供給手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si基板の上に、窒化物系III−V族化
    合物半導体から成るエピタキシャル成長層が複数層積層
    されている半導体装置であって、前記エピタキシャル成
    長層の少なくとも1層におけるSi濃度が1015〜10
    20/cm3であることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体装置が半導体発光装置であっ
    て、少なくとも発光層におけるSi濃度が1015〜10
    20/cm3である請求項1の半導体装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109840A1 (en) * 2005-04-07 2006-10-19 Showa Denko K.K. Production method of group iii nitride semioconductor element

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