JPH10213587A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH10213587A
JPH10213587A JP1530997A JP1530997A JPH10213587A JP H10213587 A JPH10213587 A JP H10213587A JP 1530997 A JP1530997 A JP 1530997A JP 1530997 A JP1530997 A JP 1530997A JP H10213587 A JPH10213587 A JP H10213587A
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JP
Japan
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cantilever
sample
movement amount
beam splitter
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JP1530997A
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Hirohisa Fujimoto
洋久 藤本
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定環境の変化の影響を受けること無く若しく
はその影響を極力抑え、再現性が良く且つ歪みの無い測
定情報を得ることが可能な走査型プローブ顕微鏡を提供
する。 【解決手段】カンチレバー2と、試料4に沿ってカンチ
レバーを相対的に移動させる圧電体チューブスキャナ6
と、カンチレバーと試料との間の相対的な移動量を光学
的に検出可能なX方向用及びY方向用移動量検出手段4
0,42とを備え、X方向用及びY方向用移動量検出手
段は、支持ベース18に固定された保持部材16に取付
けられた固定ミラー44と、固定ミラーと平行な位置関
係となるようにステージ10に取付けられた可動ミラー
46と、固定ミラー及び可動ミラーからのレーザー光に
よって形成される干渉縞の変化に基づき、カンチレバー
と試料との間のXY方向の相対的な移動量を検出可能な
干渉測長器48とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子オーダ
ー(ナノメートルオーダー)の分解能で試料を観察する
ことができる走査型プローブ顕微鏡(SPM;Scanning Prob
e Microscope) に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、SPMの一例として、ビニッヒ
(Binnig)やローラー(Rohrer)等によって、走査型ト
ンネル顕微鏡(STM;Scanning Tunneling Microscope)が
発明された。しかし、このSTMでは、観察できる試料
は導電性の試料に限られている。そこで、サーボ技術を
始めとするSTMの要素技術を利用し、絶縁性の試料を
原子オーダーの分解能で観察できる装置として原子間力
顕微鏡(AFM;Atomic ForceMicroscope )が提案された
(特開昭62−130302号公報参照)。
【0003】AFM構造は、STMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡の一つとして位置付けられており、
自由端に尖鋭化した探針を持つカンチレバーと、探針と
試料とを相対的に移動させるスキャナとを備えている。
【0004】このような構成において、探針を試料に近
づけると、探針先端の原子と試料表面の原子との間に働
く相互作用力(原子間力)によって、カンチレバーの自
由端が変位する。そして、この自由端に生じる変位量を
電気的あるいは光学的に測定しながら、探針を試料表面
に沿ってXY方向に相対的に走査することによって、例
えば試料の凹凸情報等が三次元的に測定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来のSPM測定では、スキャナに印加する電圧を
一定のステップ幅で変化させながら、そのステップ毎に
測定情報をサンプリングしている。この場合、SPM測
定中において、印加電圧とスキャナの変位量との関係
は、直線状の関係に維持されることは無く、測定環境や
測定条件等に対応したヒステリシス現象の影響を受け
る。この結果、印加電圧とスキャナの変位量との関係
は、所定のヒステリシス特性に従って曲線状に変化して
しまう。更に、SPM測定中において、スキャナの変位
量は、常時一定値に維持されることは無く、電圧の印加
時間の経過と共にスキャナに対する塑性変形が進んで歪
みが増加するクリープ現象の影響を受ける。この結果、
スキャナの変位量は、所定のクリープ特性に従って不規
則に変動してしまう。
【0006】SPM測定において、上述したようなヒス
テリシス現象やクリープ現象の影響を受けた場合、その
SPM像は、再現性の悪い歪んだ像となり得る。そこ
で、例えば、“Nanotechnology 6 (1995) ”の 121-126
頁に開示された「Three-dimensional displacement mea
surement of a tube scanner for ascanning tunneling
microscope by optical interferometer」、及び、特
開平8−248041号公報には、夫々、レーザー干渉
測長器によってスキャナの変位量を直接測定し、その測
定結果に基づいて、SPM像に補正を施すSPM測定方
法(以下、補正測定法という)が提案されている。
【0007】しかしながら、このようなSPM測定中に
おいて、例えばレーザー干渉測長器やカンチレバー変位
センサのレーザー光源から発生する熱によって、カンチ
レバーを保持する保持部材や試料を載置するステージ等
が熱膨張した場合、以下のような問題が生じる。
【0008】即ち、上記の補正測定法では、スキャナの
変位量だけを直接測定している。このため、熱膨張によ
ってカンチレバーと試料との相対的な位置関係が変動し
た場合、かかる変動量に補正処理を施すことができな
い。この結果、変動量に対応した位置変化分が測定誤差
となって、SPM測定像上に重畳されてしまうといった
問題が生じる。ここで相対的な位置関係の変動とは、具
体的に、ステージの熱膨張に起因したカンチレバーと試
料との相対的な位置関係の変動、カンチレバーを保持す
る保持部材の熱膨張に起因したカンチレバーと試料との
相対的な位置関係の変動を言う。
【0009】また、熱膨張によってレーザー干渉測長器
自体が位置変化した場合や、SPM測定環境下の空気の
揺らぎ等に起因してレーザー干渉測長器の測長誤差が生
じた場合にも、SPM像上に測定誤差が重畳されてしま
うといった問題が生じる。
【0010】このような測定環境の変化(熱膨張、空気
揺らぎ等)に起因する問題を解消するためには、例えば
低膨脹性材料を用いたり、空気の安定化を図るための構
成を適用することも可能であるが、ナノメートルオーダ
ーの分解能を実現するためには、複雑且つ高価な構成が
必要となり、その結果、装置が大型化してしまう。
【0011】本発明は、このような課題を解決するため
に成されており、その目的は、測定環境の変化の影響を
受けること無く若しくはその影響を極力抑え、再現性が
良く且つ歪みの無い測定情報を得ることが可能な走査型
プローブ顕微鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレ
バーと、試料に沿って前記カンチレバーを相対的に移動
させるスキャナと、前記カンチレバーと前記試料との間
の相対的な移動量を光学的に検出可能な移動量検出手段
とを備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る走査型プローブ顕微鏡について、添付図面を参照して
説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態の
走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバー2と、試料4に
沿ってカンチレバー2を相対的に移動させるスキャナ6
と、カンチレバー2と試料4との間の相対的な移動量を
光学的に検出可能な移動量検出手段とを備えている。
【0014】本実施の形態において、スキャナ6として
は、XYZ方向に変位可能に構成された圧電体チューブ
スキャナ6が適用されている。この圧電体チューブスキ
ャナ6は、その基端が基台8に固定されており、その先
端には、試料4を載置可能なステージ10が固定されて
いる。
【0015】この圧電体チューブスキャナ6の上方に
は、先端に尖鋭化した探針12を有するカンチレバー2
が位置付けられている。このカンチレバー2の基端は、
カンチレバー変位センサ14が内蔵された保持部材16
に保持されており、この保持部材16は、基台8から延
出した支持ベース18に固定されている。
【0016】カンチレバー変位センサ14は、SPM測
定中に探針12先端と試料4表面との間の相互作用によ
って生じるカンチレバー2の変位量を光学的に検出する
ことができるように構成されており、カンチレバー2の
背面(探針12が設けられた面とは反対側の面)にレー
ザー光を照射する半導体レーザ20と、カンチレバー2
の背面から反射した反射光を受光する受光素子22とを
備えている。なお、受光素子22は、受光量に対応した
電気信号SD (具体的には、カンチレバー変位信号S
D )を出力することができるように制御されている。
【0017】このような構成において、カンチレバー2
の探針12を試料4に所定距離(仮に、初期設定値とい
う)だけ近接させた状態でSPM測定を行う場合、図示
しない制御系から出力された制御信号に基づいて、スキ
ャンコントローラ24からXトリガー信号TX 及びYト
リガー信号TY がXY走査回路26に出力される。
【0018】このとき、XY走査回路26からX走査信
号SX 及びY走査信号SY が出力され、圧電体チューブ
スキャナ6の先端をXY方向に変位させる。圧電体チュ
ーブスキャナ6の先端には、試料4が載置されたステー
ジ10が固定されているため、この圧電体チューブスキ
ャナ6の先端がXY方向に変位することによって、ステ
ージ10上の試料4は、同様に、XY方向に移動する。
この結果、カンチレバー2の探針12によって、試料4
に対するXY走査が行われることになる。
【0019】XY走査中において、探針12先端と試料
4表面との間の相互作用によって、カンチレバー2がZ
方向に変位した場合、その変位量に対応したカンチレバ
ー変位信号SD が、受光素子22からZサーボ回路28
に出力される。
【0020】このとき、カンチレバー変位信号SD が予
め設定した信号レベルに維持されるように(即ち、探針
12と試料4との間の距離が上記初期設定値に維持され
るように)、Zサーボ回路28から圧電体チューブスキ
ャナ6にサーボ信号SC が出力され、圧電体チューブス
キャナ6に対するフィードバック制御が行われる。
【0021】フィードバック制御中において、カンチレ
バー2のXY走査量、即ち探針12と試料4との間のX
Y方向の相対的な移動量は、常時、移動量検出手段によ
って検出されている。そして、この移動量検出手段から
出力される検出信号に基づいて、パルス生成回路30か
らサンプリングパルスがサンプリング回路32に入力さ
れる。
【0022】このとき、サンプリング回路32は、サン
プリングパルスの入力タイミングに同期して、Zサーボ
回路28からサーボ信号SC を取り込むと共に移動量検
出手段から検出信号を取り込む。続いて、サンプリング
回路32は、サーボ信号SC及び検出信号に基づいて、
所定の画像信号SI を形成した後、この画像信号SI
メモリ34及び画像処理ユニット36に出力する。
【0023】この結果、メモリ34には、試料4の表面
情報が記憶され、一方、画像処理ユニット36におい
て、画像信号SI に所定の演算処理を施すことによっ
て、モニタ38上に試料4の表面情報(例えば、表面凹
凸画像)が三次元表示されることになる。
【0024】このようなSPM測定を行う場合、カンチ
レバー2の探針12と試料4との間のXY方向の相対的
な移動量を正確に検出する必要がある。この場合、探針
12及び試料4のXY方向の位置を直接検出することが
好ましいが、SPM装置の構成上、これら探針12及び
試料4に移動量検出手段を直接取り付けることは困難で
ある。
【0025】従って、本実施の形態に適用した移動量検
出手段は、カンチレバー2の近傍に設けられた第1の反
射手段と、試料4の近傍に設けられた第2の反射手段
と、これら第1及び第2の反射手段から反射された光に
よって形成される干渉縞の変化に基づいて、カンチレバ
ー2と試料4との間の相対的な移動量を検出可能な干渉
測長器とを備えている。
【0026】具体的には、図2及び図3に示すように、
本実施の形態の走査型プローブ顕微鏡には、カンチレバ
ー2の探針12と試料4との間のXY方向の相対的な移
動量を同時に検出することができるように、探針12先
端で互いに直交してXY方向に延出する軸線(図示しな
い)に沿って、X方向用移動量検出手段40とY方向用
移動量検出手段42とが配置されている。
【0027】以下、X方向用及びY方向用移動量検出手
段40,42の構成及び作用について説明する。なお、
これらX方向用及びY方向用移動量検出手段40,42
は、相互に、同一の構成を有しているため、同一構成に
は同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0028】X方向用及びY方向用移動量検出手段4
0,42において、第1の反射手段は、支持ベース18
に固定された保持部材16に取り付けられた固定ミラー
44を備えて構成されており、一方、第2の反射手段
は、固定ミラー44と平行な位置関係となるようにステ
ージ10に取り付けられた可動ミラー46を備えて構成
されている。なお、ステージ10は、少なくとも後述す
るレーザー光f1 ,f2 が通過する部分を透光性部材
(例えば、ガラス)で形成することが好ましい。
【0029】可動ミラー46は、その全体が透光性部材
(例えば、ガラス)によって形成されており、この可動
ミラー46の両側には、夫々、干渉測長器48に対向し
て反射膜50(図3参照)が成膜されている。
【0030】また、特に図3に示すように、干渉測長器
48は、互いに直交する偏光方向を有する第1及び第2
のレーザー光f1 ,f2 を出射可能なレーザー光源52
と、第1のレーザー光f1 を固定ミラー44に照射させ
且つ第2のレーザー光f2 を可動ミラー46の反射膜5
0に照射させると共に、これら第1及び第2のレーザー
光f1 ,f2 の光路長に光路差を与えることによって、
干渉縞を発生させることが可能な干渉光学系と、干渉縞
の変化を検出することによって、カンチレバー2の探針
12と試料4との間のXY方向の相対的な移動量を検出
可能な検出器54とを備えている。なお、図3におい
て、第1及び第2のレーザー光f1 ,f2は、その光路
位置をずらせて示されているが、実際の動作中におい
て、第1及び第2のレーザー光f1 ,f2 は、互いに重
なり合っており、1本の光線となって光路中を進んでい
る。
【0031】次に、X方向用及びY方向用移動量検出手
段40,42の動作について説明する。なお、以下の説
明において、干渉測長器48の干渉光学系に設けられた
第1及び第2のλ/4板56,58は、夫々、その光学
軸が入射光の偏光方向に対して45°傾斜するように、
光路中に配置されているものとする。
【0032】フィードバック制御が施されたSPM測定
中において、レーザー光源52から出射された第1及び
第2のレーザー光f1 ,f2 は、偏光ビームスプリッタ
60によって、2方向に分離される。即ち、第1のレー
ザー光f1 は、偏光ビームスプリッタ60を透過し、一
方、第2のレーザー光f2 は、偏光ビームスプリッタ6
0から反射される。
【0033】偏光ビームスプリッタ60を透過した第1
のレーザー光f1 は、第1のλ/4板56及び可動ミラ
ー46を透過した後、固定ミラー44に照射される。こ
のとき、固定ミラー44から反射した第1のレーザー光
1 は、可動ミラー46及び第1のλ/4板56を介し
て偏光ビームスプリッタ60に導光される。
【0034】偏光ビームスプリッタ60に導光された第
1のレーザー光f1 は、その偏光方向が90°回転して
いるため、偏光ビームスプリッタ60から反射する。偏
光ビームスプリッタ60から反射した第1のレーザー光
1 は、第1の直角プリズム62を経由した後、再び、
偏光ビームスプリッタ60に導光される。このとき、偏
光ビームスプリッタ60に導光された第1のレーザー光
1 は、その偏光方向が変化していないため、偏光ビー
ムスプリッタ60から反射する。
【0035】偏光ビームスプリッタ60から反射した第
1のレーザー光f1 は、再び、第1のλ/4板56及び
可動ミラー46を透過した後、固定ミラー44に照射さ
れる。このとき、固定ミラー44から反射した第1のレ
ーザー光f1 は、可動ミラー46及び第1のλ/4板5
6を介して偏光ビームスプリッタ60に導光される。
【0036】偏光ビームスプリッタ60に導光された第
1のレーザー光f1 は、その偏光方向が90°回転して
いるため、偏光ビームスプリッタ60を透過する。偏光
ビームスプリッタ60を透過した第1のレーザー光f1
は、第2のλ/4板58を透過した後、第2の直角プリ
ズム64に導光される。このとき、第2の直角プリズム
から反射した第1のレーザー光f1 は、再び、第2のλ
/4板58を透過した後、偏光ビームスプリッタ60に
導光される。
【0037】偏光ビームスプリッタ60に導光された第
1のレーザー光f1 は、その偏光方向が90°回転して
いるため、偏光ビームスプリッタ60から反射する。偏
光ビームスプリッタ60から反射した第1のレーザー光
1 は、第3の直角プリズム66を経由した後、再び、
偏光ビームスプリッタ60に導光される。このとき、偏
光ビームスプリッタ60に導光された第1のレーザー光
1 は、その偏光方向が変化していないため、偏光ビー
ムスプリッタ60から反射する。
【0038】そして、偏光ビームスプリッタ60から反
射した第1のレーザー光f1 は、検出器54に照射され
る。一方、偏光ビームスプリッタ60から反射した第2
のレーザー光f2 は、第3の直角プリズム66を経由し
た後、偏光ビームスプリッタ60に導光される。このと
き、偏光ビームスプリッタ60に導光された第2のレー
ザー光f2 は、その偏光方向が変化していないため、偏
光ビームスプリッタ60から反射する。
【0039】偏光ビームスプリッタ60から反射した第
2のレーザー光f2 は、第2のλ/4板58を透過した
後、第2の直角プリズム64に導光される。このとき、
第2の直角プリズムから反射した第2のレーザー光f2
は、再び、第2のλ/4板58を透過した後、偏光ビー
ムスプリッタ60に導光される。
【0040】偏光ビームスプリッタ60に導光された第
2のレーザー光f2 は、その偏光方向が90°回転して
いるため、偏光ビームスプリッタ60を透過する。偏光
ビームスプリッタ60を透過した第2のレーザー光f2
は、第1のλ/4板56を透過した後、可動ミラー46
の反射膜50に照射される。このとき、反射膜50から
反射した第2のレーザー光f2 は、再び、第1のλ/4
板56を介して偏光ビームスプリッタ60に導光され
る。
【0041】偏光ビームスプリッタ60に導光された第
2のレーザー光f2 は、その偏光方向が90°回転して
いるため、偏光ビームスプリッタ60から反射する。偏
光ビームスプリッタ60から反射した第2のレーザー光
2 は、第1の直角プリズム62を経由した後、再び、
偏光ビームスプリッタ60に導光される。このとき、偏
光ビームスプリッタ60に導光された第2のレーザー光
2 は、その偏光方向が変化していないため、偏光ビー
ムスプリッタ60から反射する。
【0042】偏光ビームスプリッタ60から反射した第
2のレーザー光f2 は、第1のλ/4板56を透過した
後、可動ミラー46の反射膜50に照射される。このと
き、反射膜50から反射した第2のレーザー光f2 は、
再び、第1のλ/4板56を介して偏光ビームスプリッ
タ60に導光される。
【0043】偏光ビームスプリッタ60に導光された第
2のレーザー光f2 は、その偏光方向が90°回転して
いるため、偏光ビームスプリッタ60を透過する。そし
て、偏光ビームスプリッタ60を透過した第2のレーザ
ー光f2 は、検出器54に照射される。
【0044】このように、干渉光学系によって光路差が
与えられた第1及び第2のレーザー光f1 ,f2 を重ね
合わせると、レーザー光相互が干渉することによって所
定の干渉縞が発生する。そして、この干渉縞は、固定ミ
ラー44に対する可動ミラー46の移動量に対応して変
化する。
【0045】検出器54は、この干渉縞を検出すること
ができるように構成されており、干渉縞の変化状態を検
出することによって、カンチレバー2の探針12と試料
4との間のXY方向の相対的な移動量を光学的に検出す
ることができる。
【0046】X方向用及びY方向用移動量検出手段4
0,42によって、カンチレバー2の探針12と試料4
との間のXY方向の相対的な移動量が検出された際、図
1に示すように、干渉測長器48からX測長信号LX
びY測長信号LY が、パルス生成回路30に出力され
る。
【0047】このとき、パルス生成回路30は、X測長
信号LX 及びY測長信号LY が一定量だけ変化する毎に
(例えば、上記移動量が約1nm程度変化する毎に)、
XサンプリングパルスPX 及びYサンプリングパルスP
Y をサンプリング回路32に入力する。
【0048】サンプリング回路32は、Xサンプリング
パルスPX 及びYサンプリングパルスPY の入力タイミ
ングに同期してサーボ信号SC を取り込む。そして、サ
ーボ信号SC とX測長信号LX 及びY測長信号LY とに
所定の演算処理を施すことによって、試料4の表面情報
(例えば、表面凹凸画像)に対応した画像信号SI を形
成する。そして、画像処理ユニット36において、画像
信号SI に所定の演算処理を施すことによって、モニタ
38上に試料4の表面情報(例えば、表面凹凸画像)が
三次元表示されることになる。
【0049】このように本実施の形態によれば、SPM
測定中、例えば、カンチレバー2を保持する保持部材1
6の熱膨張の影響は、固定ミラー44の移動量を測定
し、この測定値に基づいてキャンセル(補正)できる。
また、試料4を載置するステージ10の熱膨張の影響
は、可動ミラー46の移動量を測定し、この測定値に基
づいてキャンセル(補正)できる。更に、熱膨張によっ
て干渉測長器48自体が位置変化した場合においても、
固定ミラー44と可動ミラー46の位置関係が変化する
訳では無いため、熱膨張の影響は無い。また、SPM測
定環境下の空気の揺らぎ等に起因して干渉測長器48の
測長誤差が生じた場合でも、干渉させるための第1及び
第2のレーザー光f1 ,f2 の夫々が同一の環境にある
ため測定に影響は無い。
【0050】以上のことから、本実施の形態によれば、
熱膨張や空気の揺らぎ等の測定環境の変化の影響を受け
ること無く若しくはその影響を極力抑え、再現性が良く
且つ歪みの無い測定情報を得ることが可能な走査型プロ
ーブ顕微鏡を提供することができる。
【0051】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されることは無く、新規事項を追加しない範囲で種々
変更することが可能である。例えば、図4に示すよう
に、探針12の先端12aに対して対称な位置関係とな
るように、第1及び第2のレーザー光f1 ,f2 を固定
ミラー44及び可動ミラー46の反射膜50に照射させ
ることも好ましい。具体的には、探針12の先端12a
から等しい距離W1 となるように、第1のレーザー光f
1 を固定ミラー44に照射させ、また、探針12の先端
12aから等しい距離W2 となるように、第2のレーザ
ー光f2 を可動ミラー46の反射膜50に照射させる。
【0052】このような変形例によれば、カンチレバー
2の探針12と試料4との間のXY方向の相対的な移動
量を直接検出している状態と同等の効果を実現すること
ができる。この場合、例えば圧電体チューブスキャナ6
を変位させた際に生じる角度変化に起因した測長誤差
(アッベの誤差)を除去することができる。この結果、
高精度な測定情報を得ることが可能となる。
【0053】また、本実施の形態は、XY方向の相対的
な移動量検出のみに限られるものでは無く、Z方向の相
対的な移動量検出に用いることが可能である。従って、
Z方向の熱膨張や空気の揺らぎの影響をキャンセル(補
正)することができる。
【0054】また、X測長信号LX 及びY測長信号LY
の代わりにカウントパルス又はアップダウンパルスを干
渉測長器48からパルス生成回路30に入力しても良
い。この場合、このカウントパルス又はアップダウンパ
ルスをトリガ信号として、サンプリング回路32に入力
させても良い。
【0055】また、上述した実施の形態では、試料走査
型SPMについて説明したが、探針走査型SPMとして
も上記同様の作用効果を実現することができる。更に、
上述した実施の形態では、その一例として、Z方向のフ
ィードバック制御を行うSPM測定方法について説明し
たが、本発明は、フィードバック制御を行わないSPM
測定方法にも適用可能である。
【0056】また、上述した本実の形態では、一対の固
定ミラー44と一対の可動ミラー46とを配置させてい
るが、例えばスコヤミラーを利用することによって、一
対の固定ミラー44相互をL字状に一体化させると共
に、同様に、一対の可動ミラー46相互をL字状に一体
化させても良い。
【0057】更に、固定ミラー44及び可動ミラー46
の代わりに、ステージ10及び保持部材16に夫々反射
膜を成膜しても良い。ただし、この場合には、ステージ
10の一部に光束通過用の穴を形成する必要がある。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、測定環境の変化の影響
を受けること無く若しくはその影響を極力抑え、再現性
が良く且つ歪みの無い測定情報を得ることが可能な走査
型プローブ顕微鏡を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る走査型プローブ顕
微鏡の構成を示す図。
【図2】(a)は、圧電体チューブスキャナの周辺の構
成を拡大して示す側面図、(b)は、同図(a)の上面
図。
【図3】X方向用及びY方向用移動量検出手段の構成を
示す図。
【図4】本発明の変形例に係るX方向用及びY方向用移
動量検出手段の構成を示す図。
【符号の説明】
2 カンチレバー 4 試料 6 圧電体チューブスキャナ 10 ステージ 18 支持ベース 40 X方向用移動量検出手段 42 Y方向用移動量検出手段 44 固定ミラー 46 可動ミラー 48 干渉測長器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カンチレバーと、 試料に沿って前記カンチレバーを相対的に移動させるス
    キャナと、 前記カンチレバーと前記試料との間の相対的な移動量を
    光学的に検出可能な移動量検出手段とを備えていること
    を特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記移動量検出手段は、前記カンチレバ
    ーの近傍に設けられた第1の反射手段と、前記試料の近
    傍に設けられた第2の反射手段と、これら第1及び第2
    の反射手段から反射された光によって形成される干渉縞
    の変化に基づいて、前記カンチレバーと前記試料との間
    の相対的な移動量を検出可能な干渉測長器とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕
    微鏡。
  3. 【請求項3】 前記干渉測長器は、互いに直交する偏光
    方向を有する第1及び第2のレーザー光を出射可能なレ
    ーザー光源と、前記第1のレーザー光を前記第1の反射
    手段に照射させ且つ前記第2のレーザー光を前記第2の
    反射手段に照射させると共に、これら第1及び第2のレ
    ーザー光の光路長に光路差を与えることによって、干渉
    縞を発生させることが可能な干渉光学系と、干渉縞の変
    化を検出することによって、前記カンチレバーと前記試
    料との間の相対的な移動量を検出可能な検出器とを備え
    ていることを特徴とする請求項2に記載の走査型プロー
    ブ顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016017862A (ja) * 2014-07-09 2016-02-01 株式会社日立ハイテクサイエンス 3次元微動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016017862A (ja) * 2014-07-09 2016-02-01 株式会社日立ハイテクサイエンス 3次元微動装置
US10161958B2 (en) 2014-07-09 2018-12-25 Hitachi High-Tech Science Corporation Three-dimensional fine movement device

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