JPH10212578A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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JPH10212578A
JPH10212578A JP1847097A JP1847097A JPH10212578A JP H10212578 A JPH10212578 A JP H10212578A JP 1847097 A JP1847097 A JP 1847097A JP 1847097 A JP1847097 A JP 1847097A JP H10212578 A JPH10212578 A JP H10212578A
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JP
Japan
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film
film forming
support
forming apparatus
winding means
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JP1847097A
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English (en)
Inventor
Koji Kitagawa
浩司 北川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムの両面に対称的な屈折率分布を有す
る膜を形成するため、屈折率の制御が容易な成膜装置を
提供すること。 【解決手段】 チャンバー1内に、逆方向に回転するキ
ャンロール2、3を近接配置してこれにフィルム9を巻
回し、ターゲット6a、6bとの間に供給管16a、1
6bからアルゴン、酸素又は窒素を供給し、スパッタに
より酸化及び/又は窒化膜をフィルム9の両面に形成す
る。そして、キャンロール2、3の上方には、酸素等を
供給するガスプラズマ供給装置を配し、フィルム9の送
り出し及び巻き戻し時に膜組成を制御しながらフィルム
9の両面に同様の成膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜装置(例え
ば、フィルムの両面に屈折率勾配が対称である光学膜を
形成するための真空薄膜形成装置)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の如き光学膜を有する光学フ
ィルタとしてルゲートフィルタ(Rugate filter)が知ら
れているが、これは、膜の厚み方向で屈折率の変化が対
称になるように作製することにより、透過率−波長特性
において非対称なフィルタ特性が得られる等の特徴を有
している。
【0003】こうしたルゲートフィルタの理論的研究及
び設計が近年盛んに行われ、その作製方法として、2種
類の物質の共蒸着法〔J. P. Heuer et al, Proc. Opt.
Interf. Coat. (1992) 122〕、活性化IAD法〔I. Tak
agi and S. Ogura, Rev. Laser Engin. 24 (1995)11
8〕、CVD法〔S. C. Miller and K. K. Mackmul, Op
t.Interf. Coat. Techn. Digest 17 (1995)172〕などが
既に試みられている。
【0004】しかし、これらのいずれも、不安定なプロ
セスであって広範囲に屈折率を制御し難く、また長時間
実施可能な蒸着プロセスとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたものであって、屈折率の制御が容易で
あり、屈折率変化が対称的である光学膜を支持体両面に
形成するのに好適な成膜装置を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、所定の
成膜を施すべき支持体を送る支持体送り手段を有し、前
記支持体の一方の面に膜組成の制御下に第1の成膜を施
すための第1成膜手段と、前記支持体の他方の面に膜組
成の制御下に第2の成膜を施すための第2成膜手段とが
前記支持体に対してそれぞれ近接して設けられ、前記膜
組成の制御のために各成膜面に所定の反応ガスを供給す
るガス供給手段が配設されている成膜装置に係るもので
ある。
【0007】本発明によれば、共通の成膜装置内で、支
持体の搬送中に、支持体の一方の面が第1成膜手段によ
り成膜されると共に、その他方の面が第2成膜手段によ
って成膜され、しかもこれらの成膜中に各成膜面に反応
ガスを供給することによって膜組成が制御された(特に
屈折率変化が支持体両面で対称的な)所望の成膜を容易
に実現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の成膜装置は、真空槽内に
互いに回転方向が異なる第1の支持体巻回手段及び第2
の支持体巻回手段が互いに近接して設けられ、前記第1
の支持体巻回手段に対向し、反応ガス導入口を配した前
記第1成膜手段と、前記第2の支持体巻回手段に対向
し、反応ガス導入口を配した前記第2成膜手段と、前記
第1の支持体巻回手段及び/又は前記第2の支持体巻回
手段に近接して(例えば上方に)配されたガスプラズマ
供給手段と、前記支持体の帯電電荷を中和するためのホ
ローカソードニュートラライザ等の帯電防止手段とを有
することが望ましい。
【0009】そして、上記の装置は前記支持体の両面に
対して、その厚み方向の組成分布がほぼ対称的である膜
がそれぞれ成膜されることが望ましい。
【0010】この場合、前記第1の支持体巻回手段から
の前記支持体の送り出し時に、前記第1成膜手段により
前記支持体の一方の面に第1光学膜が形成され、前記第
2成膜手段により前記支持体の他方の面に第2光学膜が
形成されることが望ましい。
【0011】また、前記反応ガス導入口から前記第1成
膜手段及び/又は前記第2成膜手段と前記支持体との間
に所定の反応ガスをそれぞれ供給することにより、酸化
及び/又は窒化された前記第1光学膜及び/又は前記第
2光学膜がそれぞれ形成されることが望ましい。
【0012】また、前記第1及び第2の支持体巻回手段
の上方に設けられたガスプラズマ供給手段からのガスプ
ラズマによって、前記第1光学膜及び/又は前記第2光
学膜の酸化度及び/又は窒化度が制御されることが望ま
しい。
【0013】更に、前記第1成膜手段によって酸化及び
/又は窒化された第1光学膜が形成されると共に、前記
第2成膜手段によって成膜された第2光学膜が、前記第
2の支持体巻回手段から前記第1の支持体巻回手段側へ
の前記支持体の巻き戻し時に、前記第1及び前記第2の
支持体巻回手段の上方に設けられたガスプラズマ供給手
段からのガスプラズマによって酸化及び/又は窒化され
ることが望ましい。
【0014】そして、上記の装置においては、前記第1
成膜手段及び第2成膜手段による成膜がスパッタリング
で行われ、このスパッタリング時に、前記支持体の成膜
面とターゲット面との間を所定距離に保持するために、
ターゲットの位置変位手段が設けられていることが望ま
しい。
【0015】また、前記支持体と前記真空槽の内壁との
間隙が微小となるように構成されていることが望まし
い。
【0016】更に、前記第1の支持体巻回手段及び前記
第2の支持体巻回手段として送り出しロール又は巻き取
りロールがそれぞれ用いられ、これらの各ロール上での
前記支持体の成膜面がほぼ同一形状であり、各ロール間
でのロール径の比が2倍以内であることが望ましい。
【0017】上記の装置によって、前記支持体が光学フ
ィルタを形成するためのフィルムとして形成され、この
フィルムの厚さを、フィルタリング波長λのλ/2(±
10%)の整数倍に作製するのがよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0019】図1は、本発明の実施例による成膜装置の
一部破断概略斜視図であり、この装置の駆動、制御用の
ブロック回路を併記したものである。そして、図2は図
1のA矢視の概略断面図、図3は同じくB矢視の概略断
面図である。
【0020】本実施例の成膜装置25は、図示するよう
に、チャンバー1の内部において互いに近接して設けら
れたキャンロール2、3に帯状のフィルム9が逆方向に
巻回されるように構成され、それぞれのキャンロール
2、3が図示省略したモータによって逆方向に回転駆動
されるようになっている。そして、このモーターの動力
は、フィルム9の送り出し又は巻き戻し時の巻き取る側
のキャンロール2又は3に伝達され、フィルム送り出し
側のキャンロールはフィルム9を介して従動回転するか
或いは独立して回転する。
【0021】上記したキャンロール2、3の下方におい
ては、左右に分割されたカソードシールド4a、4b上
にバッキングプレート5a、5bが固着され、更に、こ
の上に例えばチタンからなるターゲット6a、6bが固
着された積層体がそれぞれ配置されている。これらの積
層体は、それぞれのキャンロール2、3の下方に位置し
て配され、補助カソード7により連結されている。
【0022】図4は、この形状を示す斜視図である。図
示の如く、左右に分割して形成した上記積層体をその側
端において補助カソード7で連結し、この両積層体間の
中心に補助カソード7と一体にシャフト8を設け、後述
するようにこのシャフト8を軸として円弧矢印で示すよ
うに回動可能に構成されている。そして、両ターゲット
6a、6bの間には断面がほぼ3角形の仕切り板21
(図1では簡略化のために図示省略)が設けられてい
る。
【0023】この場合、シャフト8によるターゲットの
回動により、図2に示すように、フィルム9の巻回状態
に伴うキャンロール2、3の径の変化に対応して、ター
ゲット6a、6bとロール上のフィルム9の面(成膜
面)との間隙を常に所定の間隙に保てるようになってい
る。そして、このターゲット6a、6bとフィルム9の
成膜面との間隙23a、23bには、チャンバー1の内
壁に設けられた反応ガス供給管16a、16bから後述
の反応ガスが供給される。
【0024】そして、キャンロール2、3の上方にはガ
スプラズマ供給装置10が配設され、これには別のガス
供給管20が連結されている。また、キャンロール2、
3はアース(接地)されると共に、フィルム9の帯電防
止のためのニュートラライザ11(これはホローカソー
ドタイプであってよい。)がガスプラズマ供給装置10
上のチャンバー1の天井部に設けられている。更に、チ
ャンバー1の天井部には、チャンバー1を真空引きする
ための配管12が設けられている。これらの作用につい
ては後述する。
【0025】本実施例の成膜装置25は上記のように構
成されているが、その構成部分は図1に示した回路と接
続され、後述の如くに制御されながら動作する。
【0026】次に、成膜装置25の各部の動作及び機能
を説明する。
【0027】成膜に際しては、まず、送り出し用のキャ
ンロール2にフィルム9をその一端側にて巻回してチャ
ンバー1内に装着し、フィルム9の他方端側は巻き取り
用のキャンロール3に巻き付ける。そして、フィルムは
成膜の進行に伴ってキャンロール2からキャンロール3
へ巻き取られていくが、この際、巻回状態のキャンロー
ル2、3の外径比は2倍以内(後述する巻き戻し時も同
様)とする。
【0028】このように、フィルム9を装着してから運
転を開始する以前に、チャンバー1の天井部に接続した
配管12に設けられたターボポンプ13及びメカニカル
ポンプ14により、配管12を介してチャンバー1の内
部を真空引きする。この真空引き後、後述する制御回路
からキャンロール2の下方のターゲット6aとキャンロ
ール3の下方のターゲット6bと補助カソード7とにそ
れぞれ通電され、所定の電圧が印加される。そして、同
時に、図示省略したモータでキャンロール3が回転駆動
されることによりフィルム9を介してキャンロール2が
連動し、それぞれが矢印方向(図1、図2参照)に回転
する。
【0029】チャンバー1の外部には、キャンロール
2、3とターゲット6a、6bとのそれぞれの間隙23
a、23bに対して反応ガスを供給するための反応ガス
供給管16a、16bが並列して設けられている。図1
は、キャンロール2側へ接続された反応ガス供給管16
aと反応ガス供給装置15のみを示したものであり、他
方の反応ガス供給管16bに接続される反応ガス供給装
置15は図示省略してある。そして、これらの反応ガス
供給装置15には、図示省略したガスボンベにより、バ
ルブ17aからはアルゴン、17bからは酸素、17c
からは窒素の各反応ガスが所定流量で選択可能に供給さ
れる。
【0030】上記において、バルブ17b、17cは制
御回路によって制御され、その開放動作によってアルゴ
ンと共に酸素及び/又は窒素が反応ガス供給装置15に
選択的に送り込まれ、ここで混合される。従って、この
混合ガスは、配管16a、16bのバルブ16c、16
dが開かれることにより、配管16a、16bを通して
チャンバー1内の上記した間隙23a、23bへ導入さ
れる。
【0031】そして、キャンロール2、3とターゲット
6a、6bとの間に印加される電圧によって、それぞれ
のキャンロール2、3とこれらの下方のターゲット6
a、6bとの間の間隙23a、23bに供給される上記
ガスをプラズマ化し、このうち、アルゴンプラズマによ
りチタンからなるターゲット6a、6bをスパッタし、
対向するキャンロール2、3上のフィルム9の両面にチ
タン膜を成膜する。即ち、図2に示す如く、間隙23a
においては、フィルム9の表面9aに、間隙23bにお
いてはフィルム9の裏面9bにスパッタ粒子(チタン)
が付着して堆積し、チタン膜を形成すると共に、これら
のチタン膜は同時に、上記の酸素及び/又は窒素のプラ
ズマによって酸化及び/又は窒化される。この結果、フ
ィルム9の両面には、酸素及び/又は窒素の供給量を時
間経過と共に変化させることにより、それぞれ、所望の
組成比(特に濃度分布が厚み方向で対称的)の酸化及び
/又は窒化チタン膜を成膜することができる。
【0032】また、このような成膜操作は、キャンロー
ル2からキャンロール3へフィルム9を連続的に送り出
して走行させながら行えるため、量産性が向上する。こ
のように、フィルム9の表面9a及び裏面9bに酸化及
び/又は窒化されたチタン膜を連続的に成膜した状態で
キャンロール3に巻き取り、フィルム9の送り出しが終
われば、上記した反応ガスを供給する各バルブ17a、
17b、17c、16c、16dが閉じて送り出し工程
が終わる。
【0033】この場合、キャンロール2側からキャンロ
ール3側へフィルム9が巻き取られるに伴ってキャンロ
ール2、3の巻き径が変化し、スパッタ効率が変化する
可能性があるが、これを是正するため、図2に明示する
ように、ターゲット6a、6bの位置をロールの巻き径
の変化に応じて実線から仮想線の如くにシャフト8を軸
に回動させて変位させるようになっている。これによ
り、キャンロール2、3に巻回されたフィルム9とター
ゲット6a、6bとの間を所定の間隙に保持でき、フィ
ルム9面へのスパッタによる成膜の効率性を高めてい
る。このことを実現する上で、キャンロール2、3の巻
き径の比は2倍以内に抑える(2倍を超えない)こと、
ターゲットと対向するフィルム面が同一形状であること
が望ましい。
【0034】また、ターゲット6a、6b間に設けられ
た補助カソード7にはターゲットよりも低電圧が印加さ
れるが、これは、ターゲット6a、6bからそれぞれス
パッタされるチタン粒子が一方側から他方側へ飛翔して
互いに混じり合うことを静電的な作用により防止し、各
ターゲットによる成膜性又は成膜組成を維持する作用を
している。同様に、ターゲット6a、6b間の仕切り板
21(図2及び図4参照)も、上記の如きチタン粒子の
飛翔による混合を物理的に阻止している。
【0035】更に、ターゲット6a、6b及びフィルム
9とチャンバー1の内壁面との間の間隙は図3に23c
で示すように微小であり、例えば2cm以下の僅小間隙
に形成されている。このため、スパッタ粒子が上記内壁
面側へ漏出してそこに付着するのが防止されると共に、
ターゲットの利用効率を高めることができる。
【0036】また、図1に示す如く、チャンバー1の天
井部に設けられたニュートラライザ11は、電子の放出
によってフィルム9面の帯電電荷(正イオン)を中性化
或いは除去する作用がある。この帯電防止作用によっ
て、異常放電を減少させることができる。
【0037】なお、図1の如く、キャンロール2、3は
個別に配線されていてよく、また接地されることもでき
る。
【0038】上記の如く、キャンロール2から送り出さ
れたフィルム9のキャンロール3への巻き取りが終われ
ば、このフィルム9は再びキャンロール2側へ巻き戻す
ことができる。この時には、モータによる駆動方向を、
図示省略した例えばギヤ装置により逆回転に切り換え、
今度はキャンロール2を回転駆動させればよい。従っ
て、図1及び図2に図示したキャンロール2、3の回転
方向とは逆方向の回転となり、キャンロール3に巻回さ
れているフィルム9はキャンロール2側に巻き戻され
る。
【0039】このような巻き戻し動作によって、上述し
た例とは異なる成膜操作を行うことができる。
【0040】即ち、フィルムの巻き戻しの開始と共に、
図1に示す別設の反応ガス供給装置18に連結されたバ
ルブ19a又は19bを開き、バルブ19aからは酸
素、バルブ19bからは窒素を供給し、酸素及び/又は
窒素をガスプラズマ供給装置10によってプラズマ化し
て巻き戻されるフィルム9の裏面9bに供給する。これ
により、フィルム9の両面に形成されたチタン膜のう
ち、フィルム9の裏面9bのチタン膜の酸化度及び/又
は窒化度を目的値に制御できる。
【0041】例えば、上記したフィルム巻き出し工程時
には、フィルム9の表面9aには上記したように酸化及
び/又は窒化チタン膜を形成するが、フィルムの巻き戻
し時において、フィルム9の裏面9bにはチタンのみを
(従って、酸素及び/又は窒素は供給しないで)順次堆
積させ、これに引き続いて裏面9b上の堆積チタンに対
してガスプラズマ供給装置10から酸素プラズマ及び/
又は窒素プラズマを供給する。この結果、フィルム9の
裏面9bには、厚み方向に酸化度及び/又は窒化度の分
布を有し、この分布がフィルム9の表面9aのチタン膜
の酸化度及び/又は窒化度の分布と対称的であるチタン
膜を成膜することができる。
【0042】或いは、上記したフィルム送り出し工程で
フィルム9の両面に酸化及び/又は窒化チタン膜を成膜
する場合、フィルム巻き戻し時に上記のガスプラズマ供
給装置10からのガスプラズマによってフィルム裏面9
bのチタン膜の酸化度及び/又は窒化度を更に制御する
こともできる。
【0043】上記した成膜装置は、その一連の動作が、
図1に示すディスプレイ部30でモニタされながらコン
ピュータの回路系によって制御される、いわばインプロ
セスモニタ装置として構成されるものである。これにつ
いて以下に詳細に説明する。
【0044】本実施例の成膜装置25の各部は、図1に
示した回路に接続され、ディスプレイ部30に組み合わ
される記憶演算可能な制御部31により制御されて動作
する。
【0045】まず、成膜に際しては、制御部31の制御
信号に基づき、D/Aコンバータ部32を介して、電圧
/電流制御回路28からターゲット6aに電圧を印加
し、かつ別の電圧/電流制御回路29からターゲット6
bに電圧を印加する。各制御回路28、29の印加電圧
はA/Dコンバータ部27を介して制御部31にフィー
ドバックされ、常に所定の電圧に設定される。
【0046】一方、図示省略したモータが回転駆動し、
キャンロール2、3が図示した矢印方向に回転してフィ
ルム9が走行し、キャンロール2側からフィルム9が送
り出されてキャンロール3側へ巻き取られ、この間にフ
ィルム両面に酸化及び/又は窒化チタン膜が成膜され
る。この成膜時には、制御部31からの制御信号によ
り、D/Aコンバータ部38を介してバルブ制御部41
が動作し、バルブ17b及び/又は17c及びバルブ1
6c、16dが開き、アルゴンと共に酸素及び/又は窒
素が制御された流量で反応ガス供給装置15から配管1
6a、16bを通してキャンロール2、3とターゲット
6a、6bとの間の間隙23a、23b(図2参照)に
供給される。
【0047】また、制御部31からの制御信号により、
D/Aコンバータ部34を介して制御部35が動作し、
補助カソード7に電圧を印加する。
【0048】更に、制御部31からの制御信号により、
D/Aコンバータ部33を介して制御部36、37が動
作し、キャンロール2及びキャンロール3の電圧がコン
トロールされる。
【0049】このようにしてキャンロール2からのフィ
ルム9の送り出し時にフィルム両面に成膜を行った後、
反応ガス供給機構の上記した各バルブが制御部31から
の制御信号によって閉じる。そして更に、制御部31の
制御信号によりモータの駆動が逆回転に切り換えられ、
巻き戻し工程に移行する。
【0050】フィルム9がこのようにキャンロール3側
からキャンロール2側へ巻き戻されて走行すると同時
に、制御部31の制御信号により、D/Aコンバータ部
39を介してバルブ制御部42が動作し、バルブ19a
及び/又は19bを開き、酸素及び/又は窒素が反応ガ
ス供給装置18から配管20を通してガスプラズマ供給
装置10に供給されてよい。このガスプラズマ供給装置
10には、制御部31との間にD/Aコンバータ部40
を介して電圧/電流制御回路43が接続され、所定の放
電電圧が印加される。ガスプラズマ供給装置10への印
加電圧は制御回路43から制御部31へフィードバック
され、常に所定値に設定される。
【0051】このようにして、ガスプラズマ供給装置1
0からは、キャンロール3から巻き戻されて走行するフ
ィルム9の裏面9bに酸素及び/又は窒素のガスプラズ
マが供給され、上述したチタン膜の酸化度及び/又は窒
化度がコントロールされる。
【0052】上記の如く、成膜装置25の各部の動作及
び成膜状況がディスプレイ部30でモニタされながら、
制御部31によりコントロールされるため、反応ガス
(酸素及び/又は窒素)の供給量を徐々に変化させてチ
タン膜の酸化度及び/又は窒化度を制御し、これらの度
合い又は分布によって屈折率がチタン膜の場合にはn=
1.3〜2.6の範囲で膜厚方向に変化する(特に、フ
ィルム両面で対称的に変化する)光学膜をフィルム9の
両面に形成することができる。これは、ルゲートフィル
タとして有用である。そして、フィルム9の厚さをフィ
ルタリングされる波長λに対してλ/2(±10%)の
整数倍にすることにより、特定波長λに対する反射防止
作用も十分な光学膜を形成することができる。
【0053】以上に述べたことから明らかなように、本
実施例によれば、フィルム9の両面に同時にチタン膜を
連続成膜することができ、しかも堆積するチタンに対す
る酸素及び/又は窒素の反応ガスの供給量をモニタしな
がらコントロールし、成膜されたチタン膜において、フ
ィルム9の両面で屈折率分布(勾配)が対称になるフィ
ルタを容易に作製することができる。
【0054】また、ニュートラライザ11の作用によ
り、フィルム9の帯電が防止されるため、異常放電が少
なくなる。
【0055】また、補助カソード7及び仕切り板20、
更にはキャンロール及びターゲットとチャンバー内壁面
との間隙の微小化により、ターゲット6a、6bからの
スパッタ粒子の飛散を防止し、その利用効率を高めるこ
とができる。更に、フィルム9の厚さの調整により、特
定波長に対応する反射防止膜の成膜も可能である。
【0056】また、成膜中に膜の誘電率をモニタ(例え
ば対向電極との間の容量変化を検出)しながら成膜すれ
ば、フィルムコンデンサーも作製可能となる。
【0057】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
した実施例は本発明の技術的思想に基づいて種々に変形
が可能である。
【0058】例えば、フィルム9の一方の面に酸化及び
/又は窒化チタン膜を形成し、他方の面にはチタン膜の
みを形成したい場合には、送り出し工程において、反応
ガス供給装置15へのガス導入バルブは17aのみを開
き、アルゴンのみを供給してフィルム9の表面9aにチ
タン膜のみを形成し、巻き戻し時にはバルブ17a、バ
ルブ17b及び/又は17cを開くと、巻き戻し工程に
おいてフィルム9の裏面9bに酸化及び/又は窒化チタ
ン膜を形成することができる。勿論、上記とは反対に、
フィルム9の表面9aに酸化及び/又は窒化チタン膜、
裏面9bにチタン膜を形成することができる。
【0059】また、ターゲット6a、6bとフィルム9
面との間隙23a、23bの調整方法は、例えば図5の
ようにすることもできる。即ち、ターゲット6A、6B
のそれぞれに上下動可能な移動扞22を設けて上下に変
位させ、補助カソード7はジョイント7aを支点として
幾分回動可能に構成し、両ターゲット6A及び6Bの高
低差に対応させることもできる。なお、図5においては
前記したカソードシールド4a、4b、バッキングプレ
ート5a、5b及び仕切り板20は図示省略してある。
【0060】また、反応ガスの配管や供給方法も各種に
変形が可能であり、使用する反応ガスの種類についても
適宜に変えることができる。スパッタするターゲット材
も、上述のチタンに限ることはなく、タンタル、シリコ
ンなど、他の材質であってよい。成膜方法もスパッタ以
外に、真空蒸着(反応蒸着を伴うもの)、CVD(化学
的気相成長法)等が適用可能である。
【0061】更に、各部の形状や配置その他各部の駆動
方法等も上記した以外の適宜のものにすることができ
る。上述のキャンロールの個数も、目的に応じて変更し
てよく、3個又はそれ以上設けてもよい。また、フィル
ム9の供給方法については、上述のキャンロール方式だ
けでなく、一方の供給ロールからガイド用の一対のキャ
ンロールの各周面上でフィルムを導きながら巻き取るこ
とができる。
【0062】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、所定の成膜
を施すべき支持体を送る支持体送り手段を有し、前記支
持体の一方の面に膜組成の制御下に第1の成膜を施すた
めの第1の成膜手段と、前記支持体の他方の面に膜組成
の制御下に第2の成膜を施すための第2成膜手段とが前
記支持体に対して近接して設けられ、前記膜組成の制御
のために各成膜面に所定の反応ガスを供給するガス供給
手段が配設されているので、支持体送り手段による支持
体の搬送中に、第1の成膜手段による支持体の一方の面
と第2の成膜手段による支持体の他方の面とを成膜する
ことができ、しかも、成膜中に成膜面に対して反応ガス
が供給されて膜組成が制御されるので、所望の物性を示
す膜の成膜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による成膜装置の一部破断概略
斜視図である。
【図2】図1におけるA矢視の概略断面図である。
【図3】図1におけるB矢視の概略断面図である。
【図4】同、成膜装置のターゲット部の構成を示す斜視
図である。
【図5】同、成膜装置のターゲット部の変形例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1…チャンバー、2、3…キャンロール、4a、4b…
カソードシールド、5a、5b…バッキングプレート、
6a、6b…ターゲット、7…補助カソード、8…シャ
フト、9…フィルム、9a…表面、9b…裏面、10…
ガスプラズマ供給装置、11…ニュートラライザ、1
2、16a、16b、20…配管、13…ターボポン
プ、14…真空ポンプ、15、18…反応ガス供給装
置、16c、16d、17a、17b、17c、19
a、19b…バルブ、21…仕切り板、22…上下動機
構、23a、23b、23c…間隙、25…成膜装置、
27…A/Dコンバータ部、28、29、43…電圧/
電流制御回路、30…ディスプレイ部、31、35、3
6、37…制御部、32、33、34、38、39、4
0…D/Aコンバータ部、41、42…バルブ制御部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の成膜を施すべき支持体を送る支持
    体送り手段を有し、前記支持体の一方の面に膜組成の制
    御下に第1の成膜を施すための第1成膜手段と、前記支
    持体の他方の面に膜組成の制御下に第2の成膜を施すた
    めの第2成膜手段とが前記支持体に対してそれぞれ近接
    して設けられ、前記膜組成の制御のために各成膜面に所
    定の反応ガスを供給するガス供給手段が配設されている
    成膜装置。
  2. 【請求項2】 真空槽内に互いに回転方向が異なる第1
    の支持体巻回手段及び第2の支持体巻回手段が互いに近
    接して設けられ、前記第1の支持体巻回手段に対向し、
    反応ガス導入口を配した前記第1成膜手段と、前記第2
    の支持体巻回手段に対向し、反応ガス導入口を配した前
    記第2成膜手段と、前記第1の支持体巻回手段及び/又
    は前記第2の支持体巻回手段に近接して配されたガスプ
    ラズマ供給手段と、前記支持体の帯電電荷を中和するた
    めの帯電防止手段とを有する、請求項1に記載した成膜
    装置。
  3. 【請求項3】 前記支持体の両面に対して、その厚み方
    向の組成分布がほぼ対称的である膜がそれぞれ成膜可能
    である、請求項1に記載した成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の支持体巻回手段からの前記支
    持体の送り出し時に、前記第1成膜手段により前記支持
    体の一方の面に第1光学膜が形成され、前記第2成膜手
    段により前記支持体の他方の面に第2光学膜が形成され
    る、請求項2に記載した成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記反応ガス導入口から前記第1成膜手
    段及び/又は前記第2成膜手段と前記支持体との間に所
    定の反応ガスをそれぞれ供給することにより、酸化及び
    /又は窒化された前記第1光学膜及び/又は前記第2光
    学膜がそれぞれ形成される、請求項4に記載した成膜装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の支持体巻回手段の上
    方に設けられたガスプラズマ供給手段からのガスプラズ
    マによって、前記第1光学膜及び/又は前記第2光学膜
    の酸化度及び/又は窒化度が制御される、請求項4に記
    載した成膜装置。
  7. 【請求項7】 前記第1成膜手段によって酸化及び/又
    は窒化された第1光学膜が形成されると共に、前記第2
    成膜手段によって成膜された第2光学膜が、前記第2の
    支持体巻回手段から前記第1の支持体巻回手段側への前
    記支持体の巻き戻し時に、前記第1及び前記第2の支持
    体巻回手段の上方に設けられたガスプラズマ供給手段か
    らのガスプラズマによって酸化及び/又は窒化される、
    請求項4に記載した成膜装置。
  8. 【請求項8】 前記第1成膜手段及び第2成膜手段によ
    る成膜がスパッタリングで行われる、請求項1に記載し
    た成膜装置。
  9. 【請求項9】 前記支持体の成膜面とターゲット面との
    間を所定距離に保持するために、ターゲットの位置変位
    手段が設けられている、請求項8に記載した成膜装置。
  10. 【請求項10】 前記支持体と前記真空槽の内壁との間
    隙が微小となるように構成されている、請求項2に記載
    した成膜装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の支持体巻回手段及び前記第
    2の支持体巻回手段として送り出しロール又は巻き取り
    ロールがそれぞれ用いられ、これらの各ロール上での前
    記支持体の成膜面がほぼ同一形状であり、各ロール間で
    のロール径の比が2倍以内である、請求項2に記載した
    成膜装置。
  12. 【請求項12】 前記支持体が光学フィルタを形成する
    ためのフィルムであり、このフィルムの厚さが、フィル
    タリング波長のλ/2(±10%)の整数倍である、請
    求項4に記載した成膜装置。
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