JPH10212365A - 樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents

樹脂成形体およびその製造方法

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JPH10212365A
JPH10212365A JP33064397A JP33064397A JPH10212365A JP H10212365 A JPH10212365 A JP H10212365A JP 33064397 A JP33064397 A JP 33064397A JP 33064397 A JP33064397 A JP 33064397A JP H10212365 A JPH10212365 A JP H10212365A
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resin
resin molded
measured
rmax
average roughness
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JP33064397A
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English (en)
Inventor
Koichi Haruta
浩一 春田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂表面の特性を改質し、ぬれ性および接着
性を向上させる。 【解決手段】 半導体装置のパッケージ等に用いられる
樹脂成形体について、樹脂表面の微小面の表面粗さの比
率(Rmax/Ra)が10以下になるようにし、かつ
ぬれ性が30度以下となるように光表面改質が施された
樹脂成形体とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、樹脂表面の改質に
関し、特に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の表面に光
が照射され表面特性が改善された樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、あらゆる分野で高機能なフィルム
状樹脂や繊維状樹脂が多用されている。さらに、情報電
子産業や自動車工業の精密機械をはじめとして高度な樹
脂の精密成形や小型成形技術が要求されている。
【0003】たとえば半導体分野では、樹脂基板の表面
に配線回路や製造番号等を直接印刷する必要があるた
め、その濡れ性改善が大きな課題となっている。また、
半導体装置の樹脂パッケージは水分の浸入を防止するた
めその表面特性を改質する必要があった。
【0004】表面改質の手法としては、以下の処理法が
知られている。 (1)サンドブラスト処理 研磨粉で物理的に表面を研削する技術であるが、表面に
凹部などの研磨粉が滞留しやすい箇所があると研磨加工
精度にばらつきが生じる。また、研磨粉の消耗が激しく
研磨粉量に対する研磨効率がさほど良くない。これとと
もに治具および装置そのものの消耗も激しい。
【0005】また、研磨粉径のばらつきあるいは噴流が
不安定になると詰まり・脈流が発生する可能性がある。 (2)ケミカル処理 フッ酸、クロム混酸、王水等の化学液に浸漬させる技術
であるが、薬液および廃液の管理・取り扱いを慎重にし
なければならない。また、浸漬時の反応速度の制御(濃
度・温度管理など)が難しいという問題があった。さら
に、表面の凹凸などの形状の影響で処理度合にばらつき
が生じ、全面処理を行うためには数十μm以上の加工深
さが必要となっていた。 (3)プラズマ処理 被処理表面を真空中でプラズマに曝す処理方法である
が、樹脂表面からガスが発生するため真空度を維持する
ことが難しかった。また、プラズマに対して三次元形状
では加工度のばらつきが大きくなってしまうという問題
があった。さらに、真空容器、プラズマ源ともに処理面
積に限界があり、処理効率がかならずしも良くなかっ
た。
【0006】さらに前述のいずれの処理方法も大がかり
な装置構成が必要となっていた。また、いずれの方法を
用いても、均一で安定した表面改質を得るためには処理
深さを大きくする必要がある。しかし、処理深さが大き
くなると、超精密成形品、透明光学部材(無色または着
色)やフィルムなどへの適用はできなくなる。すなわ
ち、超精密成形品では寸法不良を生じることになり、透
明光学部材では不透明化し、フィルムでは接着性不良と
なってしまう。
【0007】ところで、ガラスやシリコンウエハなどの
無機物に対して1分子層(monolayer)レベルでの有機
物汚れを除去するための高精度洗浄法としてUV/O3
洗浄が知られている(『ガラス表面設計−洗浄と表面処
理−』234頁、大場洋一著、株式会社近代編集者発
行)。ところが、従来のUV/O3洗浄はあくまでも溶
剤洗浄〜純水リンスなどの前洗浄を行った後の1分子層
レベルの汚れに対してのみ有効であり、汚染層がこれよ
りも厚い場合には光の吸収が表面のみであるために洗浄
効率が十分ではなく、汚れ成分によっては紫外線の作用
により架橋や2重結合などを生じて光分解しにくくなる
ことがある。
【0008】さらに、UV/O3洗浄で除去できる汚れ
としては、カッティングオイル、みつろうとロジンの混
合物、研磨液、真空ポンプオイル、拡散ポンプオイル、
シリコン真空グリース、酸性のハンダフラックス、ハン
ダのロジンフラックス、人間の皮脂、空気中に放置され
ていたときの吸着物または真空蒸着したカーボンの薄膜
などの飛散物が挙げられる。
【0009】しかし、従来のUV/O3洗浄では、洗浄
後に表面に新たな有機物汚れが付着しやすくなるが、こ
の場合事後に溶剤洗浄などの簡易的な洗浄または拭き取
りを行ったとしても当初の濡れ性は回復できない。
【0010】また樹脂の成形体では、樹脂の成形時に金
型からの樹脂の剥離を容易にするために、ワックス成分
などからなる離形剤をあらかじめ樹脂組成物に混入させ
るのが一般的で、成形時にこの離形剤成分を樹脂表面に
表出させて離形を容易にすることが行われている。
【0011】ところが離形後もこの離形剤が表面に付着
したままだと接着性が悪くなるという問題があった。そ
こで、従来技術では、接着性を向上させるために樹脂表
面を粗面化させることが行われていた。この粗面化によ
り確かにさらに密着性が向上する場合もあったが、必要
以上に樹脂表面に粗面化させると、樹脂表面に直接回路
配線を形成した場合にはワイヤボンディングが困難にな
ったり、樹脂成形体の用途によっては外観不良となって
しまう不具合があった。
【0012】本発明の目的は、樹脂の極表面への浅い処
理深さで均一で安定した表面改質をされた安価に製作で
きる樹脂成形体を提供することにある。本発明のより具
体的な目的は、樹脂成形体の表面の平滑性を維持したま
まで、接着性のよい表面、すなわち濡れ性のよい表面を
有する樹脂成形体を提供することにある。
【0013】本発明では、樹脂成形体の極表面のみを処
理されるので、この樹脂成形体は超精密成形品、透明光
学部材(無色または着色)やフィルム等への適用が可能
となる。また、コストが低いので汎用樹脂部材にも適用
される。
【0014】さらに、樹脂成形体表面に新たな有機物汚
れが付着した場合でも、溶剤洗浄などの簡易的な洗浄ま
たは拭き取りで濡れ性が回復・維持できる。つまり樹脂
バルクの表面そのものの特性を変えられた樹脂成形体を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、熱硬
化性樹脂または熱可塑性樹脂からなる樹脂成形体であ
り、その表面が略3μm角で測定された2次元の中心線
平均粗さRaが100nm以下で、略3μm角で測定さ
れる2次元の最大高さRmaxと前記中心線平均粗さR
aとの間に下記の関係があり、 Rmax/Ra ≦ 10 濡れ指数標準液を約12.50mg滴下したときの接触
角θが θ≦30゜ となる表面特性を備えた樹脂成形体である。
【0016】本発明者は、樹脂表面への光照射を行っ
て、平滑性を維持しつつ濡れ性や接着性を改善する方法
について研究を重ねた結果、濡れ性や接着性の特性改善
が見い出されたものについて表面粗さにある特徴が存在
するのを見い出した。ここで表面粗さとはJIS B0
601に規定されており、図1に示すように、基準長さ
Lについての中心線平均粗さRaや最大高さRmaxに
より規定される。
【0017】ここでRmaxとRaとの関係は、図2に
示すように、Rmax/Raの値が大きければ(図2
(a)参照)表面が粗くなり、逆に小さくなれば(図2
(b)参照)平坦度が増して凹凸も小さく滑らかにな
る。
【0018】ところで、対象となる表面粗さは、比較的
滑らかなものであるので、従来の接触式の方法では測定
困難である。そこで本発明では、表面形状を高分解能で
計測するために、セイコー電子工業株式会社製原子間力
顕微鏡SPI3800を用いて2.234×2.405
μmの微小平面内の中心線平均粗さRaと最大高さRm
axとを測定することにした。
【0019】また、濡れ性の指標としての接触角の測定
には次の方法を用いた。すなわち、『表面張力』(小野
周著、1987年共立出版株式会社発行)によると、液
滴や気泡の体積があまり大きくないときには重力の影響
は無視され、液滴の形は球の一部とみることができる。
そこで、図3に示すように、和光純薬株式会社製濡れ指
数標準液No.38を12.5mg滴下したときの直径
および高さを測定し、球とみなしたときの接触角を計算
した。
【0020】さらに本発明は第2に、前記樹脂成形体を
半導体素子または電子部品を搭載または収容するための
基板、フィルムまたはパッケージとして用いるものであ
る。前記表面特性を半導体素子用基板、フィルムまたは
パッケージの樹脂表面で実現することにより、半導体素
子や電子部品の接着性が良好となり、また配線回路の形
成、製品番号の印字が容易となり、耐湿性も向上する。
【0021】また、第3に、前記樹脂成形体のその表面
または内部に電子回路用配線を形成した。これにより、
濡れ性のよい基板上に微小な電子回路用配線の形成が容
易となるため、小面積での高密度実装に適した半導体装
置を提供することが可能となる。
【0022】第4に、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂
からなる樹脂成形体の表面に光を照射して、その表面が
略3μm角で測定された2次元の中心線平均粗さRaが
100nm以下で、略3μm角で測定される2次元の最
大高さRmaxと前記中心線平均粗さRaとの間に下記
の関係があり、 Rmax/Ra ≦ 10 濡れ指数標準液を約12.50mg滴下したときの接触
角θが θ≦30゜ となる表面特性を得るものである。
【0023】照射する光特性としては、第5に示したよ
うに、185nmにピーク波長を有する透過管型低圧水
銀ランプからのUV光、また第6に示したように、TE
A−CO2レーザからの波長10.6μmのレーザ光を
用いることができる。
【0024】これらの中では、低圧水銀ランプ(ランプ
長は2m以上も可能)が大面積の一括処理に適してお
り、樹脂加工品の搬送もコンベアまたはチェーンによる
連続またはステップ送りが可能であり、小型・低コスト
設備が実現できる上、消耗品のコストも低く抑えること
ができるので好ましい。
【0025】これらの光を照射することにより樹脂成形
体の表面に露出している離形剤が除去されるため、濡れ
性がよくなると考えられる。
【0026】なお、このような特性の光を用いて表面改
質を施した場合、その後に新たな有機物汚れが付着した
場合でも、溶剤洗浄などの簡易的な洗浄または拭き取り
で濡れ性が回復・維持できる。つまり樹脂バルクの表面
そのものの特性を変化させてしまうことにより恒久的な
表面特性が得られるようになった。
【0027】そして以上の数値条件を満たす表面粗さと
接触角を有することにより表面の平滑性を保ったまま良
好な接着面を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。本発明に係る樹脂成形体は3次
元形状のものすべてに適用される。一例として、気密封
止用箱型樹脂成形体を用いた半導体装置を示す図10に
おいて、151は熱硬化性樹脂からなる箱型樹脂成形
体、152は42アロイ・銅合金などからなるリードフ
レーム、153は半導体装置を密封するための蓋接着
部、154は接着剤、155は蓋材、156は半導体素
子、157は前記半導体素子とリードフレームとを電気
的に導通するためのボンディングワイヤ、158は放熱
部材または印字部(半導体装置の型式・製造番号等の記
述を行う印字部)である。
【0029】本発明における重要な技術的特徴は、この
半導体装置における蓋接着部153および/または蓋材
の接着部155’、つまり蓋材のうち接着剤154と接
触する面と、さらに放熱部材接着部または印字部158
の面に非常に滑らかな表面に超微細な凹凸を持つ樹脂成
形体を適用することにある。接着部の滑らかな表面に超
微細な凹凸を持つことによって、箱型成形体151と、
蓋材155の水平度を精密に保ちながら少量の接着剤で
接着することが可能となる。そのため、接着剤のはみ出
し不良、大きな凹凸によるエアパス不良等が生じない箱
型成形体を得ることができる。
【0030】また、他の例として、板・フィルム等の薄
肉樹脂成形体の場合、非常に滑らかな表面に超微細な凹
凸を持つことにより、透過率・反射率・色相など光学特
性を妨げることなく良好な接着性や濡れ性をもつ樹脂成
形体を提供できる。
【0031】さらに、他の例として、前記樹脂成形体の
ある部分または全体について、非常に滑らかな表面に超
微細な凹凸を持つことにより、蒸着・スパッタ・CVD
などの薄膜形成やメッキ、その他の接着等の方法で導電
材料をその表面に回路として形成可能な樹脂成形体を提
供できる。
【0032】
【実施例1】エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、効果促進剤、無機フィラーを含んだエポキシ樹脂組
成物を箱型に成形した中空パッケージ(以下エポキシ樹
脂パッケージという)を用意した。このエポキシ樹脂パ
ッケージの1面に185nmにピーク波長をもつ透過管
型低圧水銀ランプ(U字管型、ランプ出力40W)のU
V光を照射した。
【0033】照射装置は図4に示す通りである。すなわ
ち、炉内には複数の透過管型低圧水銀ランプ1が並列に
配置されており、その上面には反射板2が設けられてい
る。前記水銀ランプ1の下方にはコンベア3が配置され
ており、該コンベア3上を移動するワーク(エポキシ樹
脂パッケージ4)に対してUV照射が実現されるように
なっている。
【0034】なお、このときの照射条件は下記の通りで
ある。 雰囲気温度 :65±5℃ ランプ−サンプル間隔(ランプ管壁とサンプル照射面と
の間隔) :2.30mm(ガラスリッド貼付部) :4.10mm(接触角測定部) 照射時間 :240秒 なお本装置の排気条件では、雰囲気オゾン濃度は50〜
70ppmであった。
【0035】
【比較例1】サンドブラスト装置として、株式会社不二
製作所製、ニューマブラスターSGH−3を用いて、熱
硬化性樹脂エポキシ樹脂パッケージの一面(およそ12
mm角)にサンドブラスト処理を施した。
【0036】このときの処理条件は下記の通りである。 研磨材 :アランダム A#800 搬送速度 :32mm/秒 ノズル :φ3.2/φ7mm エア吐出圧:5kg/mm2
【0037】この結果得られたエポキシ樹脂パッケージ
4のUV照射した面に和光純薬株式会社製濡れ指数標準
液No.38を12.5mg滴下したときの直径および
高さを測定し、球とみなしたときの接触角を測定した。
この結果、接触角は図5に示すように15.5度であっ
た。これに対して表面を未処理のものは接触角が65.
0度あり、サンドブラスト処理を施したものでは30.
0度あった。
【0038】さらに、接着強度とPCT試験(プレッシ
ャー・クッカー・テスト)によるエポキシ樹脂パッケー
ジ内への水分の浸入を評価した。これを以下に説明す
る。接着強度は、光照射後の樹脂板を10×50mmに
2枚切り出し、1枚の長手方向の片端部にエポキシ樹脂
系接着剤を厚さ0.05mmで5.0×1.0mmにわ
たり塗布した。次に、このエポキシ接着剤を約80℃に
て半硬化させた後、接着剤の塗布部分で2枚の片端部同
士を重ねクリップで挟持した。そしてクリップで挟持し
たまま約150℃で加熱硬化させた後、クリップをはず
し引っ張り試験機(テンシロンUCT−5型、ロードセ
ル荷重500kgf)でせん断荷重を測定した。
【0039】その結果、接着部が剥離する前に母材が破
断して、強い接着力が得られることがわかった。
【0040】PCT試験に用いるサンプルは、上記エポ
キシ樹脂パッケージの開口部の周縁部を処理面として実
施例1と比較例1の処理をそれぞれ施した。そしてこの
周縁部の処理面を接着面にして開口部を覆うようにガラ
スリッドを貼り付けた後、125℃かつ2気圧のオート
クレーブ(媒体:水)中に保持するPCT試験を実施し
た。経過時間毎に常温下に取り出し、取り出し直後のガ
ラスリッド内面での曇りの有無を目視で確認した。図6
(a)に、曇り発現状況の概略図を示す。これを各処理
について20個ずつ実施した。その結果、ガラスリッド
内面で曇りの発現を生じた時間の平均値は、図6(b)
のように未処理のものが0時間、サンドブラスト処理を
施したものは14.8時間、上記条件でのUV照射が行
われたものは18.2時間であった。
【0041】また、セイコー電子工業株式会社製原子間
力顕微鏡SPI3800を用いて実施例1と比較例1の
サンプルの処理面の2.234×2.405μmの微小
平面内を256本の走査線にて表面形状を測定し、その
測定値から中心線平均粗さRaと最大高さRmaxとを
求めた。表1にRaおよびRmax/Raと接着強度の
測定結果および上述の接触角とPCTの結果を数字をま
るめて示す。
【0042】なおRとRmax/Raは、1サンプルに
ついての測定点を処理内面を偏らないで5点以上とし、
そのうち最も大きな値を示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【実施例2〜8】実施例1と同様なUV光照射装置を用
いて、UV光を以下の各々の樹脂に照射した。なお照射
条件は下記の通りである。
【0045】雰囲気温度:65±5℃ (実施例2)熱硬化性樹脂、三井石油化学工業株式会社
製エポキシ樹脂(商標名「エポックス」を厚み2mmに
シート成形後に硬化させたもの。(200×150m
m) ランプ−サンプル間隔:3.50mm 照射時間 :240秒 (実施例3)熱可塑性樹脂、三井石油化学工業株式会社
製高密度ポリエチレン(商標名「ハイゼックス」)厚み
3mmにシート成形したもの。(200×150mm) ランプ−サンプル間隔:2.50mm 照射時間 :240秒 (実施例4)熱可塑性樹脂、三井石油化学工業株式会社
製ポリプロピレン(商標名「ハイポール」インジェクシ
ョングレード)を厚み3mmにシート成形したもの。
(200×150mm) ランプ−サンプル間隔:2.50mm 照射時間 :300秒 (実施例5)熱可塑性樹脂、三井石油化学工業株式会社
製ポリプロピレン(商標名「ハイポール」ブローグレー
ド)を厚み3mmにシート成形したもの。(200×1
50mm) ランプ−サンプル間隔:2.50mm 照射時間 :240秒 (実施例6)熱可塑性樹脂、三井石油化学工業株式会社
製ポリエチレンテレフタレート(商品名「三井PE
T」)を厚み0.5mmにシート成形した未延伸のも
の。(200×150mm) ランプ−サンプル間隔:3.75mm 照射時間 :240秒 (実施例7)熱可塑性樹脂、大日本インキ化学株式会社
製ポリスチレン(GH−8300)厚み1.0mmにシ
ート成形したもの。(200×150mm) ランプ−サンプル間隔:4.50mm 照射時間 :240秒 (実施例8)熱可塑性樹脂、ポリプラスチック株式会社
製、ポリフェニレンサルファイド(フォートロン114
0AE64)を厚み2.5mmにシート成形したもの。
(100×80mm) ランプ−サンプル間隔:3.00mm 照射時間 :240秒 前記実施例2〜8のそれぞれの処理前と処理後に和光純
薬株式会社製濡れ指数標準液No.38を12.5mg
滴下したときの直径および高さを測定し、球とみなした
ときの接触角を計算して求めた。その結果を図7に示
す。
【0046】また、セイコー電子工業株式会社製原子間
力顕微鏡SPI3800を用いて2.234×2.40
5μmの微小平面の中心線平均粗さRaと最大高さRm
axとを測定し、粗さ比率(Rmax/Ra)を算出し
たものが図8である。
【0047】いずれも処理後のRmax/Raは10以
下になっていることがわかる。またRaはすべて100
nm以下であった。
【0048】
【参考例1】実施例1と同様のエポキシ樹脂パッケージ
の一面(およそ12mm角)に実施例1と同様なUV光
照射装置を用いてUV光を照射した。照射条件は下記の
通りである。
【0049】 雰囲気温度 :65±5℃ ランプ−サンプル間隔:5.50mm 照射時間 :0〜400秒 そしてUV光を照射した処理面上に和光純薬株式会社製
濡れ指数標準液No.38を12.5mg滴下したとき
の直径および高さを測定し、球とみなしたときの接触角
を照射時間毎に計算した。その結果を図9に示す。
【0050】
【参考例2】実施例1と同様のエポキシ樹脂パッケージ
の一面(およそ12mm角)に実施例1と同様なUV光
照射装置を用いてUV光を照射した。照射条件は下記の
通りである。
【0051】 雰囲気温度 :65±5℃ ランプ−サンプル間隔:2〜20mm(裏面側) 照射時間 :75秒 そして処理面上に和光純薬株式会社製濡れ指数標準液N
o.38を12.5mg滴下したときの直径および高さ
を測定し、球とみなしたときの接触角をランプ−サンプ
ル間隔を変えて計算した。その結果を図11に示す。
【0052】これらの参考例から所定の照射時間以上U
V光を照射するか、またはランプ−サンプル間隔を所定
の値以下にすればθ<30゜の条件が得られることがわ
かる。この所定の値は照射光の強度などの条件によって
変わるもので、実験により適宜求められるものである。
【0053】
【実施例9】図12に示すTEA−CO2レーザ(ウシ
オ電機株式会社製ユニマークII612ATH、またはレ
ーザテクニクス社製BLAZER6000)を用いて波
長が10.6μmのレーザ光を実施例1と同様のエポキ
シ樹脂パッケージの一面(およそ12mm角)に照射し
た。
【0054】照射条件は下記の通りである。 パルスエネルギー:5.9J パルス周波数 :12Hz パルスショット数:4ショット 焦点位置 :ジャストフォーカス 処理面上に和光純薬株式会社製濡れ指数標準液No.3
8を12.5mg滴下したときの直径および高さを測定
し、球とみなしたときの接触角を測定した。Raおよび
Rmax/Raとともに表2に示す通りである。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂の極表面への浅い
処理深さで均一で安定した表面改質の施された樹脂成形
体を得ることができる。そして表面の平滑性を高めた状
態で濡れ性のよい表面を有する樹脂成形体を得ることが
できる。
【0057】また、小型の設備でかつ消耗品コストを抑
えた表面改質の施された樹脂成形体を得ることができ
る。また、本発明によれば、処理深さが浅く樹脂の極表
面のみを改質するため、超精密成形品、透明光学部材
(無色または着色)やフィルムへの適用が可能となる。
さらに、低コストであるため汎用樹脂部材にも利用でき
る。
【0058】また立体形状を有する樹脂成形体の所望の
面に光を照射することにより、必要な面の表面を改質す
ることができる。
【0059】さらに、表面改質後に新たな有機物汚れが
付着した場合でも、溶剤洗浄などの簡易的な洗浄または
拭き取りを施すことにより濡れ性が回復・維持できる。
つまり樹脂バルクの表面そのものの特性を変化させてし
まうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において、粗面の中心線平均粗さと最
大高さを求めるための説明図
【図2】 本発明において、RaとRmaxとを説明す
るための図
【図3】 本発明において、接触角を説明するための図
【図4】 本発明で用いる低圧水銀ランプの構造を示す
概略図
【図5】 本発明において、低圧水銀ランプの照射後の
接触角を示すグラフ図
【図6】 本発明において、PCT試験における曇り発
現状況および時間を示す図
【図7】 本発明の実施例2〜8における各樹脂の接触
角の結果を示すグラフ図
【図8】 本発明の実施例2〜8における処理表面前後
のRa/Rmaxの変化を示すグラフ図
【図9】 本発明の参考例1における接触角と照射時間
との関係を示すグラフ図
【図10】 本発明を用いて気密封止用箱型樹脂成形体
を用いて半導体装置を構成した例を示す説明図
【図11】 本発明の参考例2における接触角とランプ
−サンプル間隔との関係を示すグラフ図
【図12】 本発明の実施例9で用いるTEA−CO2
レーザ照射装置の構造を示す概略図
【符号の説明】
1・・185nm透過管型低圧水銀ランプ 2・・反射板 3・・コンベア 4・・ワーク(エポキシ樹脂パッケージ) 131・・UVエキシマランプ照射装置 132・・誘電体バリア放電エキシマランプ 133・・反射板 134・・石英板 135・・エポキシ樹脂パッケージ 136・・コンベア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂からな
    る樹脂成形体であり、 その表面の少なくとも一部が略3μm角で測定された2
    次元の中心線平均粗さRaが100nm以下で、 略3μm角で測定される2次元の最大高さRmaxと前
    記中心線平均粗さRaとの間に下記の関係があり、 Rmax/Ra ≦ 10 濡れ指数標準液を約12.50mg滴下したときの接触
    角θが θ≦30゜ となる表面特性を備えた樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 前記樹脂成形体は半導体素子または電子
    部品を搭載または収容するための基板、フィルムまたは
    パッケージとして用いられることを特徴とする請求項1
    記載の樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 前記樹脂成形体はその表面または内部に
    電子回路用配線が形成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の樹脂成形体。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂からな
    る樹脂成形体の表面の少なくとも一部に光を照射して、 その表面が略3μm角で測定された2次元の中心線平均
    粗さRaが100nm以下で、 略3μm角で測定される2次元の最大高さRmaxと前
    記中心線平均粗さRaとの間に下記の関係があり、 Rmax/Ra ≦ 10 濡れ指数標準液を約12.50mg滴下したときの接触
    角θが θ≦30゜ となる表面特性を得ることを特徴とする樹脂成形体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記光は、185nmにピーク波長を有
    する透過管型低圧水銀ランプからのUV光であることを
    特徴とする請求項4記載の樹脂成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光は、TEA−CO2レーザからの
    波長10.6μmのレーザ光であることを特徴とする請
    求項4記載の樹脂成形体の製造方法。
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