JPH10212243A - トロンボポエチン蛋白を含有する血小板止血血栓形成能回復促進用組成物 - Google Patents
トロンボポエチン蛋白を含有する血小板止血血栓形成能回復促進用組成物Info
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- JPH10212243A JPH10212243A JP9019549A JP1954997A JPH10212243A JP H10212243 A JPH10212243 A JP H10212243A JP 9019549 A JP9019549 A JP 9019549A JP 1954997 A JP1954997 A JP 1954997A JP H10212243 A JPH10212243 A JP H10212243A
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Abstract
小板のその機能を回復すること。 【解決手段】 保存血小板の止血血栓形成能を回復させ
るための、トロンボポエチン(TPO )含有組成物、およ
びこの組成物を、止血血栓形成能の低下が認められる血
小板液に添加することからなる血小板の止血血栓形成能
の回復方法。
Description
血小板の止血血栓形成能回復用組成物に関する。
n)(以下「TPO 」と称する)は、サイトカインのレセ
プタースーパーファミリーのひとつであるMplのリガ
ンドとしてクローニングされたタンパク質である(de S
auvageら、Nature(London) 369巻、533-565 頁、(199
4)、Bartley, T. D.ら、Cell 77 巻、1117-1124 頁、(1
994))。これらのMplリガンドはいずれも血小板減少
症の動物(ヒト、マウス、イヌ)の血清や血漿中に検出
され、巨核球形成や血小板形成への関与が確認されてい
る。
て、本出願人も、ラット骨髄より高度に純化した巨核球
前駆細胞からの巨核球生成を促進する活性を指標にし
て、血小板減少症のラット血漿よりラットTPO を精製
し、その部分アミノ酸配列に基づいて、ラットTPO cD
NA、さらにはヒトTPO cDNAをクローニングし、遺
伝子組換え技術によって大量に均一なヒトTPO を取得す
ることに成功した(H. Miyazaki ら、Exp. Hematol. 22
巻、838 頁、(1994))。本出願人が取得に成功したこの
ヒトTPO は、前述のヒトMplのリガンドとして取得さ
れた因子と同一のアミノ酸配列を有することが判明して
いる(配列表:配列番号1)。
疫抑制剤の投与、あるいは放射線照射やBMTによって
骨髄抑制の起きた血小板減少症のマウスに投与したとこ
ろ、血小板減少阻止効果、血小板増加促進効果、さらに
は、造血機能の亢進が認められ、本発明のTPO がこれら
の血小板減少症に有効であることを見いだしている。
細胞移植の普及に伴い、輸血製剤の使用量は年々増加し
ている。血小板は止血において重要な役割を果たしてお
り、血小板減少症あるいは先天性血小板機能異常症によ
る出血の治療や予防に対しては、血小板輸血以外に効果
的な治療はないのが現状である。現在、汎用されている
濃厚血小板(PC)は血漿で浮遊した状態で保存されている
が保存時間とともに血小板止血血栓形成能が低下するた
め(G. Rock ら、Transfusion 16巻、571 頁、(1976)、
S. Holmeら Blood 52 巻 425頁、(1978))、PCの有効期
間は採血後72時間と規定されている(Blood Services 1
995, 25 頁, the Japanese Red CrossSociety )。PC
の有効期間の延長のため、血小板採取方法(PRP 法から
buffy coat法)、保存温度、振蘯、容器の材質、血小板
濃度、白血球共存、血小板液の容量などの条件検討が試
みられてきている(J.D. Sweeneyら Immunol Invest 、
24巻、353 頁、(1995))。また、長期保存を目的とし
て、凍結保存、乾燥保存あるいは人工血小板の開発が検
討されているが未だ研究段階といわざるをえない。
血小板は主に同種輸血されている。同種の血小板輸血
は、感染、白血球混入による移植片対宿主反応、等のリ
スクを伴い、また輸血の繰り返しにより抗血小板抗体が
出現し輸血が無効になる(CA Schiffer ら、Blood 77
巻、1 頁、(1991))ことがある。悪性腫瘍に対する癌化
学療法剤の使用により血小板減少が予想される場合、ま
た外科手術により出血が予想されうる場合、予め患者の
血小板を採取・保存し、血小板減少期・出血時に輸血す
る方法が試みられているが、保存による血小板止血血栓
形成能の低下が問題となっている。
の低下については種々の説明がなされている。血小板は
赤血球と異なりミトコンドリアを有している為、TCA 回
路によりCO2 を産生し、酸化的リン酸化により酸素を消
費する。栄養源(グルコース、アミノ酸等)の不足によ
り機能が低下する。また、保存期間中通気が悪いとCO2
が蓄積するとともに嫌気的呼吸により乳酸を発生するた
めpHが低下するため血小板止血血栓形成能が低下する。
これらに対して、栄養源としてグルコース、酢酸の添
加、緩衝作用を有する媒体の利用、等が試みられてい
る。また、保存期間中にヌクレオチドが蓄積し、血小板
に抑制的に作用することが報告されている。R Fijngeer
ら(Thromb Haemostas、68巻、595 頁、(1992))は、保
存血小板を洗浄後、新鮮血漿で再浮遊させると血小板凝
集能が回復することを報告しているが、採血直後のレベ
ルまでは回復していない。また、保存期間中の血小板活
性化を抑制する目的でプロスタグランジンI2 (JE Men
itove ら、Transfusion 24巻、528-31頁、(1984))、PG
E1(JE Menitove ら、Transfusion 26巻、346 頁、(198
6))、theophylline(AP Bodeら、Vox Sang 60 巻、10
5 頁、(1991))、アプロチニン(A Bodeら、J Lab Clin
Med 113巻、753 頁、(1989))、など種々の薬剤が単独
あるいは併用で試みられているが、保存後の血小板の止
血血栓形成能を採血直後のレベルに戻すような知見はな
い。
の止血血栓形成能についての検討は皆無であり、この保
存血小板が、TPO により活性化を受けるのか明らかでは
なかった。
保存により止血血栓形成能の低下した血小板の機能を回
復する方法およびそのための組成物を提供することであ
る。
存血小板の止血血栓形成能を回復する方法を得るべく、
種々の検討を行った結果、TPO が長期保存により止血血
栓形成能の低下した血小板液の凝集能を回復することを
見出し、本発明を完成させた。
栓形成能の低下した血小板のその機能回復を促進し、さ
らにその機能を延長するためのTPO 含有組成物、および
そのための方法を提供する。
復させるための、トロンボポエチン(TPO)含有組成
物。
る、(1)に記載の組成物。
(1)に記載の組成物。
する、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(4)のいずれかに記載の組成物。
(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
成能の持続時間を延長させる、(1)〜(6)のいずれ
かに記載の組成物。
る血小板液に、(1)〜(7)のいずれかに記載のTP
O含有組成物を添加することを含む、血小板の止血血栓
形成能を回復する方法。
る。
は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク
質およびTPO 活性をもつその誘導体を指す。
引き起こすことを意味する。
による凝集能を増強することをいい、それ自体では凝集
を惹起しない。
報伝達系を刺激し、粘着反応、放出反応、凝集反応を生
じやすくする状態にすることを意味する。
最初に係わる因子であり、止血反応全体に大きな影響力
を与えている。この血小板の生理的な作用とは、血小板
が血管の損傷部位、即ち血管の内皮細胞が破壊されて露
出された内皮下組織(コラーゲンを含む)などに接触結
合し(粘着反応)、その場で他の流血の血小板を呼び込
み血小板同士が接着して(凝集反応)止血血栓を形成す
る(諸井、血栓形成と血栓溶解、44頁、1991)。この
際、ある程度活性化された血小板よりADP などの細胞内
顆粒が放出され(放出反応)、凝集反応が増幅される
(H. Holmsen、EurJ Clin Invest 、24巻、3-8 頁、(19
94))。血小板凝集を全く欠如する血小板無力症患者が
著明な出血傾向を示すこと(Caen J、 Clin Haematol、
1 巻、383 頁、(1972)、Glazmann E、Ein Beitrag zur
Plattchen J Kinder、88巻、1 頁、(1918))、また、血
小板粘着には影響を及ぼさず血小板凝集を抑制する薬剤
が抗血小板剤として有効である(Mehta A ら、Am J Car
diol、63巻、370 頁、(1989))との報告から、血小板凝
集は止血血栓形成に重要な役割を果たしている(池田、
臨床血栓止血学、15頁、(1994))。したがって、本発明
で実施した凝集能測定はin vitroでの検討ではあるが、
血小板の生体内における止血血栓形成作用を予測させる
ものである。さらに、本発明で認められたTPO による凝
集能の亢進した血小板を血小板減少あるいは血小板異常
により出血傾向のある患者に輸血することにより、止血
効果が期待される。
パク質であればその製法による由来は問わないが、配列
番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質が用い
られる。配列番号1に示されたアミノ酸配列のうち、TP
O 活性を保持する限りにおいてその一部が改変(置換、
欠失、挿入、および/または付加)されているようなア
ミノ酸配列からなるタンパク質も本発明のTPO として用
いることができる。
的に配列番号1に示されたアミノ酸配列であるようなタ
ンパク質をも用いることができる。ここで言う「実質的
に配列番号1に示されたアミノ酸配列」とは、配列番号
1に示されたアミノ酸配列に加えて、「TPO 活性を保持
する限りにおいて、配列番号1に示されたアミノ酸配列
の一部に置換、欠失、挿入、および/または付加などが
あるアミノ酸配列」を含むことを意味する。
は配列番号1に示されたアミノ酸配列の152位まで欠
失させても活性を保持していること、N末端側について
は6位まで欠失させても活性を保持していることを確認
している。具体的なデータについては表1に示した。
1に示されたアミノ酸配列の7位から151位のアミノ
酸配列を含み、かつTPO 活性を有するタンパク質も含ま
れる。より具体的には配列番号1に示されたアミノ酸配
列のうち、1位から231位、1位から211位、1位
から191位、1位から171位、1位から163位、
1位から157位、1位から156位、1位から155
位、1位から154位、1位から153位、1位から1
51位、および7位から163位、からなるタンパク質
が本発明のTPO として挙げられる。
または外部に、TPO 活性を損なわない範囲で、少なくと
も1つのアミノ酸の置換、欠失、挿入、および/または
付加を有しているアミノ酸配列からなるタンパク質も本
発明のTPO に含まれる。
も、配列番号1のアミノ酸配列を有するヒトTPO の1位
のセリン残基がアラニン残基に、かつ3位のアラニン残
基がバリン残基に置換されたタンパク質、25位のアル
ギニン残基がアスパラギン残基に置換されたタンパク
質、33位のヒスチジン残基がトレオニン残基に置換さ
れたタンパク質、25位のアルギニン残基がアスパラギ
ン残基に、かつ231位のグルタミン酸残基がリジン残
基に置換されたタンパク質、更にこれらのタンパク質の
C末端にThrSerIleGlyTyrProTyr
AspValProAspTyrAlaGlyValH
isHisHisHisHisHisのポリペプチドが
付加されたタンパク質を挙げることができる。
し、少なくとも、33位のヒスチジン残基が欠失したタ
ンパク質、116位のグリシン残基が欠失したタンパク
質、117位のアルギニン残基が欠失したタンパク質、
33位のヒスチジン残基と34位のプロリン残基の間に
トレオニン残基が挿入されたタンパク質、33位のヒス
チジン残基と34位のプロリン残基の間にアラニン残基
が挿入されたタンパク質、33位のヒスチジン残基と3
4位のプロリン残基の間にグリシン残基が挿入されたタ
ンパク質、33位のヒスチジン残基と34位のプロリン
残基の間にグリシン残基が挿入され、かつ38位のプロ
リン残基がセリン残基に置換されたタンパク質、116
位のグリシン残基と117位のアルギニン残基の間にア
スパラギン残基が挿入されたタンパク質、116位のグ
リシン残基と117位のアルギニン残基の間にアラニン
残基が挿入されたタンパク質、116位のグリシン残基
と117位のアルギニン残基の間にグリシン残基が挿入
されたタンパク質を挙げることができる。また、少なく
とも、129位のロイシン残基がアルギニン残基に置換
されたタンパク質、133位のヒスチジン残基がアルギ
ニン残基に置換されたタンパク質、143位のメチオニ
ン残基がアルギニン残基に置換されたタンパク質、82
位のグリシン残基がロイシン残基に置換されたタンパク
質、146位のグリシン残基がロイシン残基に置換され
たタンパク質、148位のセリン残基がプロリン残基に
置換されたタンパク質、59位のリジン残基がアルギニ
ン残基に置換されたタンパク質、115位のグルタミン
がアルギニン残基に置換されたタンパク質が挙げられ
る。
A、または化学合成により得られるDNAを含む組換え
ベクターで、形質転換された宿主細胞から分離・精製し
て得られたものであることが好ましい。宿主としては、
原核細胞(例えば細菌、好ましくは大腸菌)、真核生物
(例えば、酵母、昆虫、哺乳動物)細胞を用いることが
できる。哺乳動物細胞の例としては、COS細胞、チャ
イニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、X63.6.5.3.
細胞、C-127細胞、BHK(Baby Hamster Kidney )細
胞、ヒト由来細胞(例えば、HeLa細胞)等が挙げられ
る。酵母の例としては、パン酵母(Saccharomyces cere
visiae)やメタノール資化性酵母(Pichia pastoris )
等が挙げられる。昆虫細胞の例としては、蚕培養細胞
(例えば、Sf21細胞)等が挙げられる。
および大腸菌を用いた本発明TPO の製造例を後述の参考
例1、および2にそれぞれ示した。
場合には、該タンパク質をコードするDNAに、制限酵
素による切断部位の供与、および/または、発現を容易
にするようなDNAを付加したものを、適切な発現ベク
ターに組み込み、該ベクターで形質転換された原核細胞
(例えば細菌、好ましくは大腸菌)を培養し、産生され
たTPO 活性を有するタンパク質を分離・精製することに
よって得ることができる。宿主として大腸菌を選択する
場合には、大腸菌における発現に好ましいコドン(優先
コドン)を組み込んでもよい。
クターには、 pKC30(Shimatake H.and M. Rosenberg,
Nature, 292, p128-132, 1981 )、 pTrc99A(Amann
E.ら、Gene、108 、p193-200、1991)、 pCFM536(ATCC
No. 39934、特表昭60−501988号参照)等が挙
げられる。
列1〜332位からなるTPO タンパク質を製造する場
合、1〜332位のアミノ酸配列をコードするDNAを
合成し、そのN末端にメチオニン残基とリジン残基をコ
ードするDNA配列、更にその上流にXba I部位となる
ようなDNA配列を付加し、またC末端に停止コドンを
コードするDNA配列、更にその下流にHindIII 部位と
なるようなDNA配列を付加する。
理することにより、例えば配列番号2に示すようなDN
A断片を得ることができる。このDNAを、Xba I、Hi
ndIII で消化したpCFM536(ATCC No. 39934、特
表昭60−501988号参照)にクローニングし、p
MW1(ATCC No. 39933 )で予め形質転換されたE.c
oli JM109を使用し、発現ベクターを有する大
腸菌株をTPO タンパク質発現用の形質転換体とする。
はλPLプロモーターによるが、これ自体が、cI85
7リプレッサー遺伝子の制御下にある。上記のような方
法で得られた形質転換株を培養し、発現されたTPO タン
パク質を分離精製する。
とによって、N末端に付加されたメチオニン−リジン残
基が切断され、アミノ酸1〜332位からなるTPO タン
パク質を得ることができる。
するDNA(配列番号3参照)を有するプラスミドpH
TF1は大腸菌DH5に担持され、1994年3月24
日付で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に
受託番号FERM BP−4617として寄託されてい
る。
有する種々のタンパク質のみならず、該タンパク質が少
なくとも一つの水溶性ポリマーに結合している化学修飾
TPOタンパク質も含まれる。特に本発明のTPO として
は、前述のTPO タンパク質が反応性ポリエチレングリコ
ール(PEG )分子と反応して、PEG をTPO タンパク質に
付加させた、即ち化学修飾TPO タンパク質を含む。この
ような付加は、次に述べるように、アシル化またはアル
キル化等のPEG 化反応によって実施され得る。
は、主要生成物がモノPEG 付加またはポリPEG 付加を呈
するような条件下にて行われる。ポリPEG 付加では一般
に、リジン残基のε−アミノ基へPEG が付加し、さらに
タンパク質のN −末端にあるα−アミノ基へPEG が付加
する。このようなモノPEG 化反応の収率および均一性
は、TPO タンパク質部分のN 末端残基のα−アミノ基を
選択的に修飾するような還元的アルキル化を介して増強
され、これによりタンパク質の N−末端に水溶性のポリ
マーの付加が提供される。PEG が付加した化学修飾TPO
タンパク質の製造例を後述の参考例3に示した。
タンパク分解酵素がタンパク質の構造体自体と物理的に
接触するのを効果的にブロックして、分解を防ぎ得る。
付加的利点には、特定の環境下において、治療用タンパ
ク質類の安定度と循環時間を増大させ、免疫原性を低下
させる点がある。しかし、特定タンパク質を修飾した場
合の効果を予言するのは不可能である点に留意すべきで
ある。タンパク質の修飾と融合タンパクについて記述し
た総説には、Fransis,Focus on Growth Factors 3:4-10
(May 1992)(Mediscript発行、Mountview Court, Frier
n Barnet Lane,London N20, OLD, UK)がある。
治療用タンパク質製品の調製に利用されてきた化学的部
分の1 例である。たとえば、Adagen(登録商標)は、PE
G 化アデノシンデアミナーゼ製剤であり、重症合併免疫
不全症の治療用に許可されてきた。PEG 化スーパーオキ
シドジスムターゼは、頭部傷害の治療を目的とした臨床
治験において、PEG 化α−インターフェロンは肝炎の治
療に向けて試験されてきた。PEG 化グルコセレブロシダ
ーゼおよびPEG 化ヘモグロビンは前臨床試験の段階にあ
ると報告されている。若干のタンパク質向けには、Sada
ら,J.fermentation Bioengineering 71:137-139(1991)
において、ポリエチレングリコールを付加することによ
り、タンパク分解から保護することが示されており、あ
る種のポリエチレングリコール部分の付加方法を入手で
きる。1979年12月18日発行の米国特許第4,179,337 のDa
vis ら,“Non-Immunogenic Polypeptides”および1977
年1 月11日発行の米国特許第4,002,531 号のRoyer,“Mo
difying enzymes with Polyethylene Glycol and Produ
ct Produced Thereby ”を参照のこと。総説には、Abuc
howskiらのin Enzymes as Drugs(J.S.Holcerberg and
J.Roberts,eds,pp367-383(1981)) がある。
ルのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキス
トラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリ-1,3- ジオキソラン、ポリ-1,3,6- トリオキサ
ン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、およびポリ
アミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのい
ずれか)のような他の水溶性ポリマーも、タンパク質を
修飾するために使われている。
ングリコール分子をタンパク質に結合させるために様々
な手段が利用される。一般に、ポリエチレングリコール
分子はタンパク質上に見い出される反応性の基を介して
タンパク質に結合する。リジン残基上のアミノ基または
N末端上のアミノ基のようなアミノ基は、かかる結合に
好都合である。たとえば、Royer ら(米国特許第 4,00
2,531)は、酵素にポリエチレングリコール分子を結合
させるために還元アルキル化を提唱している。1993年4
月28日に公開されたEP O 539 167(Wright)の“Peg Imid
ates and ProteinDerivates Thereof”は、ペプチドお
よび遊離アミノ基を伴う有機化合物が、PEG のイミデー
ト誘導体または関連する水溶性有機ポリマーで修飾され
ると提唱している。1990年2 月27日に発行されたShawの
米国特許第4.904.584 号は、反応性アミノ基を介してポ
リエチレングリコール分子と結合するタンパク質におけ
る、リジン残基の数の修飾に関連する。
質の1つは、顆粒球コロニー刺激因子“G-CSF ”であ
る。欧州特許EP O 401 384,EP O 473,268, およびEPO
335 423 を参照のこと。
EP O 442 724[名称“Modified hIL-6”(U.S.S.N 07/
632,070 の同時係属出願)では、IL-6に付加したポリエ
チレングリコールについて開示している。1985年9 月11
日に公告されたEP O 154 316は、リンホカインとポリエ
チレングリコールのアルデヒドとの反応性について報告
している。
を促進する任意の量のTPO を含有する。一般に活性発現
に必要なTPO 濃度は、約1〜1000 ng/ml−血小板液であ
る。
ための安定化剤を含有しうる。好ましい安定化剤として
は、薬剤的に許容可能な糖類、界面活性剤が挙げられ、
TPO組成物の振盪時、輸送時における凝集に対する安定
性を向上するものであれば、その種類を問わないが、例
えば下記のものが挙げられる。
ス、シュクロース、マルトース、グルコース、イノシト
ール、キシロース、ソルビトール、フルクトース、ガラ
クトース、リボース、マンノース、セロビオース、シク
ロデキストリンなどが利用できる。これらの中でもソル
ビトール、マンニトール、シュクロースが好ましく、特
にソルビトールが好ましい。
硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリソル
ベート80やモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビ
タン(別名:ポリソルベート20)などのポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール、モノオレイン酸ソル
ビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖モノラ
ウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル、塩化ベ
ンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの芳香族四級
アンモニウム塩、カプリル酸ナトリウム、亜硫酸ナトリ
ウムなどが利用できる。この中でも、ポリソルベート8
0やポリソルベート20、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油が好ましく、特にポリソルベート80やポリソルベ
ート20が好ましい。
並びに界面活性剤は、TPO 含有組成物中、糖類の場合に
は0.1〜50%(W/V )、界面活性剤の場合には0.
0001〜50%(w/v )の範囲で使用されうる。
剤化の目的に応じて希釈剤、可溶化剤、防腐剤、酸化防
止剤、安定化剤、吸着防止剤、賦形剤および等張化剤な
どを含有することができる。
法、投与経路をとってもよい。血小板輸血の場合、予め
調製した血小板液を本発明の組成物で処理した後、再び
体内に戻す、ex vivo での使用が可能である。血小板液
へのTPO の添加は、生体内における血小板の最も重要な
役割である止血血栓形成を考慮すると、採血直後より
も、一定期間保存した血小板を輸血する直前(1時間以
内)に添加する方が望ましい。ここでいう血小板液と
は、例えば、濃厚血小板液、凍結血小板を解凍したも
の、および凍結乾燥血小板を再浮遊させたもの、新鮮全
血を含み、かつ血小板としては自己および同種の血小板
が使用可能であり、また保存期限を経過した血小板にも
使用できる。また、赤血球膜に合成ぺプチド(Ac-CGGRGD
F-NH2 ) を共有結合させた thromboerythrocyte は、血
小板と混合した状態でADPにより凝集することが知られ
ており(B.S. Collerら、J. Clin. Invest. 89 巻、546-
555頁、(1992)) 、thromboerythrocyteを含む現在開発
中の人工血小板と血小板を混合した血小板液でも使用可
能である。また、体外での添加だけでなく、本発明組成
物を生体内に投与して、輸血血小板のみならず患者血小
板の止血血栓形成能を亢進することもできる。投与経路
として、静脈内投与、動脈内投与、注射による局所投
与、腹腔または胸腔への投与、皮下投与、筋肉内投与に
より投与することができる。具体的な本発明組成物の添
加濃度は保存血小板の条件(例えば、保存期間、保存状
態など)、あるいは患者の諸条件(例えば、年齢、性
別、血小板輸血歴、血中血小板数、併用薬剤など)によ
り変化する。一般に本発明組成物の活性発現に必要なTP
O 濃度は 1〜1000 ng/ml程度であるため、例えば静脈内
投与でのTPO の用量は 0.1〜100/μg/kg程度で血小板輸
注の直前に投与するのが望ましい。
らに具体的に説明する。
成分採血装置CS-3000(Baxter Biotech, Munich, German
y)にて acid-citrate-dextrose10% 添加濃厚血小板を約
5単位採取し、オレフィンバッグ(Lifecell PL732, Ba
xter, Brussels, Belgium )に入れて、 20-24℃で振と
う保存した。刺激する時期は採血1,72,120および168 時
間後とし、刺激前の条件分けとして、TPO を添加せず37
℃にて 5分加温、TPO を50ng/ml 添加し37℃にて 5分加
温、TPO を50ng/ml 添加し37℃にて60分加温した群とし
た。刺激薬剤としてADP 、コラーゲン、およびその併用
を用いた。血小板凝集能は透過光型血小板凝集能測定器
(HEMA TRACER 6 (二光バイオサイエンス株式会社、東
京))にて刺激後 5分間測定し、最大凝集率にて血小板
機能を評価した。これはBornの方法に準じた測定方法で
ある(J. Physiol.162 巻、67頁、(1962))。採血1時
間後に刺激した場合の最大凝集率を 100%として、それ
に対する%にて各凝集率を表示し、Wilcoxon検定によっ
て統計処理を行った。
保存期間が長くなるにつれてADP による凝集能は顕著に
低下するが、測定前 5分あるいは60分前にTPO 処理する
と、有意な凝集能の回復が認められた。TPO による凝集
能回復作用は血小板の保存期間により減弱する傾向はあ
るものの、120 時間保存までは採血直後と同程度にまで
回復した。同様の結果はコラーゲン刺激(図2)、ADP+
コラーゲン刺激(図3)でも認められた。これらの結果
は、保存期間中に止血血栓形成能の低下した血小板に対
し、TPO を添加することにより、採血直後のレベルまで
血小板止血血栓形成能を上昇させ得ることを示す。
るTPO の製造例を示す。
Natl. Acad. Sci. USA;77巻4216頁、1980
年)を6cm径のプレート(Falcon社製)中10%牛胎児
血清を含むα最小必須培地(α-MEM(−)、チミジン、
ヒポキサンチン添加)で培養増殖させ、これをリン酸カ
ルシウム法(Cellphect 、ファルマシア社製)によっ
て、プラスミドpDEF202- hTPO-P1で形質転換
した。
ト部分を含むpDEF202- hTPO-P1プラスミド1
0μg にバッファーA :120μl および H2 O :12
0μl を加え混合したのち、室温で10分間放置した。
つぎに、この溶液にバッファーB :120μl を加え、
再度混合したのち、室温で30分間放置した。このDNA
溶液を前述のプレートに滴下したのち、CO2 インキュベ
ーター中で6時間培養した。プレートから培地を除去
し、α-MEM(−)にて2回洗浄後、10%ジメチルスル
フォオキシド含有α-MEM(−)を添加し、室温で2分間
処理した。次いで、10%透析牛胎児血清含有非選択培
地(α-MEM(−)、ヒポキサンチン、チミジン添加)を
添加して2日間培養したのち、10%透析牛胎児血清含
有選択培地(α-MEM(−)、ヒポキサンチン、チミジン
無添加)での選択をおこなった。選択は細胞をトリプシ
ン処理した後、6cm径プレート1枚あたりを、10cm径
プレート5枚あるいは24ウエルプレート20枚に分割
したのち、2日ごとに選択培地にて培地交換を行いなが
ら培養を続行することにより実施した。細胞が増殖して
きたプレートあるいはウエルについてはその培養上清中
のヒトTPO 活性を測定した。培養上清中にヒトTPO 活性
の認められたものについては新しいプレートあるいはウ
エルに25nMのメソトレキセートを含む選択培地で1:
15に細胞を分割し、培養を続行することによりメソト
レキセートに耐性の細胞を増殖させてクローニングを行
った。
に対しpHTP-1とpMG1を同時形質転換(co-transfection
)することによっても行うことができる。
によって形質転換されたCHO細胞株(CHO-DUKXB11 )
は1995年1月31日付で通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に受託番号FERM BP−498
8として寄託されている。
よびヒトTPO の精製 MTX 耐性化を繰り返して得られたヒトTPO 産生CHO細
胞株(CHO28/1/1/3-C6株、400nM MTX耐性)は以下の
ようにして実施した。細胞を400nM MTXおよび10%FC
S を含むDMEM/F-12 培地(GIBCO社) を用いて培養増殖さ
せた。この細胞をトリプシン溶液を用いて剥離したの
ち、200ml の同培地を含むFalcon社性ローラーボトエウ
(Falcon300 )に1×107 個の細胞を接種し37℃で1
rpm の回転速度で3日間培養した。3日後、培養液を吸
引除去し、50mlのPBS で細胞をリンスしたのち、400nM
MTX および10%FCS を含まず、2μg/mlインシュリン、
10μM 硫酸銅を含むDMEM/F-12 培地(GIBCO 社)を300m
l 加え、37℃で1rpmの回転速度で4日間培養し、4日後
その培養上清を回収した(ハーベスト1)。更に上記生
産培地を300ml 加え、同様に37℃で1rpmの回転速度で4
日間培養し、4日後その培養上清を回収した(ハーベス
ト2)。
培養上清約220 Lを0.5 μmフィルター(日本ポール社
製、FILTER CARTRIDGE)で濾過し、これを限外濾過(FI
LTRON 社製、CENTRASETTETM OMEGA 30k cut )で濃縮か
つ溶媒を10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.8 )に置換
し、容量を約5 Lとした。これに蛋白質分解酵素阻害剤
であるE-64(ペプチド研)を最終濃度10μM となるよう
に加え、予め10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.8 )で平
衡化しておいたSP Sepharose FF カラム(ファルマシア
社製、直径11cm, ベッド高10cm)に流速100ml/mim で添
加した。その後、平衡化緩衝液で洗浄した後、0.3M塩化
ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.8 )
1700mlで溶出した。この溶出液に363gの硫酸アンモニウ
ムを加え、12000xg で20分遠心後、上清を1.2 M硫酸ア
ンモニウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.8 )
で平衡化しておいたMacroPrep Methyl HICカラム(Bi
o−Rad社製、直径6cm,ベッド高30cm)に流速10
0ml/mim で添加した。添加終了後、平衡化緩衝液で洗浄
した後、0.5 M硫酸アンモニウムを含む10mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH6.8 )700ml で溶出した。この溶出液に
プロパノールを80ml加えた後、SOURCE15RPC カラム(フ
ァルマシア社製、直径3.5cm,ベッド高10cm)に流速16ml
/mimで添加した。添加終了後、10%プロパノールを含む
10mMトリス緩衝液(pH7.5)(展開溶媒A)で洗浄後、
展開溶媒Aから80%プロパノールを含む10mMトリス緩衝
液(pH7.5 )(展開溶媒B)でプロパノール濃度が70%
になるまで60分間の直線グラジエントで溶出した。直線
グラジエントを始めてから25分付近の画分192ml を回収
し、これを2 回にわけてPBS で平衡化しておいたSuperd
ex200pg カラム(ファルマシア社製、直径10cm, ベッド
高56cm)に供し、流速40ml/mimで溶出した。溶出液をSD
S-PAGEで分析したところ、TPO と思われる分子量約6500
0-100000の分子は、保持時間42-52 分付近に得ることが
でき、単一なバンドであることが確認できた。さらにウ
ェスターン分析により、このタンパク質がTPO であるこ
とを確認した。このサンプルの一部を取り、N末端アミ
ノ酸分析およびアミノ酸組成分析を行った結果、非常に
高度に精製され、配列番号1のアミノ酸配列1位〜33
2位を有するTPO が約230mg 得られたことがわかった。
AMG11-hMKT(1-163)の構築、大腸菌における発現 配列番号1の1位〜163位までのアミノ酸配列を有す
るタンパク質(以下、TPO (1-163 )/E. coli とい
う。)を大腸菌で発現させるために、そのアミノ酸配列
をコードするDNAを大腸菌における優先コドンを用い
て化学合成した。更に、そのN末端にメチオニン残基と
リジン残基を、またC末端側に停止コドンをコードする
DNA配列を付加した。このDNA配列によりコードさ
れるタンパク質、即ち配列番号1の1位から163位の
アミノ酸配列のN末端にMet- Lysが付加されてい
るタンパク質(以下、「hMKT(1-163 )」という)
のアミノ酸配列については配列番号5に示した。
グメントは、その5’末端、3’末端にそれぞれXba
I、HindIII 制限酵素部位を有しており、リボソーム結
合部位、ATG開始コドン、hMKT(1-163 )のアミ
ノ酸配列をコードする配列、および停止コドンを含んで
いる。
ベクター、pAMG11のXba I、HindIII 部位にクローニン
グされた。pAMG11ベクターは、pR100 由来の複製起源を
もつ低コピー数のプラスミドである。発現ベクター、pA
MG11はプラスミドpCFM1656(ATCC No.69576、1994
年2月24日付で寄託されている。)からPCRを利用
した変異導入法により一連の部位特異的塩基の変異を起
こすことによって得ることができる。このプラスミドの
複製プロモーター、PcopBのすぐ5’側にあるBgl
II部位(プラスミドbp #180 )から始まって、プラスミ
ド複製遺伝子が続いているが、塩基対の変異は表2に示
すとおりである。
の間のDNA配列を以下のオリゴヌクレオチドで置換し
た。
3 )遺伝子の発現は以下に示した配列を有するPs4プ
ロモーターのような合成ラクトース誘導性プロモーター
によって誘導される。
1-63)遺伝子の発現は、大腸菌lacI遺伝子産物である
ラクトースリプレッサー(Lac I)、により抑制され
る。
スミドによってlaq Iq対立遺伝子を含む大腸菌K-12株
を形質転換した。laq Iq対立遺伝子はLac I遺伝子の
発現を増加させるlac Iプロモーターの内部における変
異であり、その結果、Ps4プロモータによるタンパク
質の発現に関し、より厳密なコントロールをうけること
になる。従って、この株においては、ラクトースの非存
在下では、hMKT(1-163 )の発現はLac Iにより抑
制される。ラクトースの添加によりPs4プロモーター
のオペレーター部位へのLac Iタンパク質の結合が減少
し、Ps4プロモーターによるhMKT(1-163 )遺伝
子の転写が開始される。この実施例で宿主細胞として用
いられた大腸菌は1994年11月30日付でATCCにAT
CC No.69717 として寄託されている。
- hMKT(1-163 )プラスミドにより形質転換し、以
下の培養条件にて培養した。
え大腸菌の培養、TPO (1-163 )/E.coliの製造 得られた形質転換株をLB培地にて30℃、約12時間
培養した。培養した細胞は、batch medium(酵母抽出物
20g/l;クエン酸3.4g/l; K2 HPO 4 15g/l;Dow P200
0 15ml;グルコース 5g/l;MgSO4 ・7H2 O 1g/l ;
微量金属 5.5ml/l ;ビタミン 5.5ml/lを含む)を含む
発酵器に無菌的に移された。まず、最初の培養工程で
は、その培養液のODがA600で5.0±1.0に至
るまで続けた。
/l;MgSO4 ・7H2 O 6.75g/lを含む)は添加速度を規定
の方法に従って、2時間ごとに調整しながら培養を行っ
た。
ン 129g/l;酵母抽出物 258g/l)の添加は、培養液の
ODがA600で20〜25になってから開始した。そ
の第2フィード培地の添加は、第1フィード培地の添加
を調整し続ける一方で、一定の流速を維持した。
た。培養液は必要に応じて酸や塩基を添加することによ
りpH約7.0に保たれた。望ましい溶存酸素濃度は発
酵器における撹拌速度、通気速度、および酸素流入速度
を調整することにより維持した。その培養液のODがA
600で57〜63に達してから、第3フィード培地
(ラクトース 300g/l)を一定の速度で発酵器に送りこ
んだ。第1フィード培地の添加を止め、第2フィード培
地の流速を新たに一定の速度に変更した。培養を第3フ
ィード培地の添加開始後、約10時間続けた。培養後、
その培養液を15±5℃まで冷却し、細胞を遠心分離に
より回収した。 得られたペレットは−60℃以下で保
存された。
T(1-163 )の精製、およびTPO (1-163 )/E.coliの
製造は次のように行った。
懸濁し、高圧ホモジナイザーに15,000psi にて通した。
破砕した細胞懸濁液を遠心分離にかけ、その沈澱物を1
0Lの10mM EDTA に再懸濁した。その懸濁液を遠心分離
にかけ、沈澱物200gを、2Lの8M塩酸グアニジン、10mM
DTT、5mM EDTAを含む10mM Tris 緩衝液、pH8.7 で可溶
化した。この溶液を200L の3M 尿素、30%グリセロ
ール、3mM シスタミン、 1mM システインを含有する
10mM CAPS 、pH10.5でゆっくりと希釈した。
と撹拌し、pHを6.8 に調整した。pH調整後、清澄化し、
1.5M尿素、15%グリセロールを含む10mMリン酸ナトリウ
ム緩衝液、pH6.8 で予め平衡化した2L のCM Sepharose
カラム(ファルマシアバイオテク社製)に添加した。添
加終了後、15%グリセロールを含有するリン酸ナトリウ
ム緩衝液、pH7.2 で洗浄した。hMKT(1-163 )は10
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2 )中で塩化ナトリウ
ム濃度0 から0.5Mの直線濃度勾配により溶出された。
ムの溶出画分を、分子量10,000カットの膜を用いて10mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5 )で濃縮しかつバッフ
ァー交換した。その濃縮液(タンパク濃度約2mg/ml)
は、90分間、室温にてカテプシンC(基質タンパク
質:酵素=500:1 (モル比))により処理した。
る10mMリン酸ナトリウム(pH7.2 )で予め平衡化した1.
2LのSP High Performance Sepharose カラム(ファルマ
シアバイオテク社製)に添加した。添加終了後、hMK
T(1-163 )のN末端のMet- Lysが切断されたTP
O 活性タンパク質、即ち、TPO (1-1-63)/E. coliは1
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2 )中で塩化ナトリ
ウム濃度0.1 から0.25M の直線濃度勾配で溶出した。
出液に0.6Mになるまで硫酸アンモニウムを添加し、0.6M
硫酸アンモニウムを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.2 )で予め平衡化した1.6LのPhenyl Toyopearlカ
ラム(東ソー社製)に添加した。TPO (1-163 )/E.co
liのピークは、10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2 )
中で硫酸アンモニウム濃度0.6 から0Mの直線濃度勾配に
より溶出された。
の溶出液を、分子量10,000カットの膜を用いて 5%ソル
ビトール含有10mM Tris 緩衝液(pH7.5 )で濃縮かつバ
ッファー交換した。
と PEG14〜PEG21 の合成について示す。各ケースにおい
て、PEG 化された TPO分子は、E. coli 由来のTPO-11
(シグナルペプチドの始まりから数えてアミノ酸22-18
4、あるいは成熟したタンパク質の始まりから数えてア
ミノ酸 1-163)である。これら全てのPEG 化種に関する
詳細は、下記の表5〜7に概略してある。
化した、poly-MePEG(20kDa)-TPO コンジュゲート(PEG1
1) の調製 0.1M BICINE バッファー、pH8 中の冷却(4℃) した TPO
(2.5 mg/ml) 溶液を、10倍モル過剰の固形 MePEGスクシ
ンイミジルプロピオナート(MW 20kDa)(Shearwater Poly
mers, Inc.) に加えた。ポリマーを穏やかな撹拌によっ
て溶解し、反応は室温でさらに続けた。
perdex 200 HR 10/30 カラム(Pharmacia Biotech) を用
いた、サイズ排除(SEC) HPLCによってモニターした。溶
離は、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー、pH6.9 を用い
て、流速0.7ml/min で行った。
は、反応混合物中に遊離タンパク質は残っていないこと
を示した。この時点で反応混合物のタンパク質濃度を、
滅菌水を加えて、1mg/mlに下げ、数滴の0.5M酢酸を滴下
して混合物のpHを4 に調整した。
se HP (Pharmacia Biotech) イオン交換樹脂を用いたイ
オン交換クロマトグラフィーによって、過剰のMePEG と
他の反応副生物から分離させた。
(樹脂)) した。未反応のMePEG は、3 カラム容量のス
タートバッファー A(20mMリン酸ナトリウム、pH7.2 、
15%リセロール)で溶出させた。その後、MePEG-TPO コ
ンジュゲートを、10カラム容量で、エンドバッファーB
(バッファーA中、 1M NaCl)の、0%から30% の直線勾
配を用いて溶出させた。溶出液は280nm でモニターし
た。 poly-MePEG-TPO コンジュゲートを含んでいるフラ
クションをプールし、濃縮、滅菌濾過した。
は、TSK-GEL G4000SWXL とG2000SWXLのゲル濾過カラム
を連結した、HPLC SECで、分析した。タンパク質は280n
m におけるUV吸収によって検出した。球状タンパク質の
分子量マーカーとして、BIO-RAD ゲル濾過標準を使っ
た。
( およそ2 対1 の割合) が含まれており、その溶出位置
は、それぞれ、370.9kDaと155.0kDaの球状タンパク質に
相当した。下記の表6を参照のこと。
エステルによる、TPO のアシル化で調製した、コンジュ
ゲートPEG9、PEG10 およびPEG12 も同じように行った。
これらの調製に用いた主な反応パラメータは、表5に要
約してある。
結果は、表6に示してある。
キル化することによる、 poly-MePEG(20kDa)-TPOコンジ
ュゲート(PEG20) の調製 20mM NaCNBH3 を含む、100mM リン酸ナトリウム、pH5
、中のTPO(2ml, 2.5mg/ml)冷却(4℃) 、撹拌溶液に、1
0倍モル過剰のモノメトキシ−ポリエチレングリコール
アルデヒド(平均分子量 20kDa)を加えた。反応混合物
の撹拌は、同じ温度で続けた。
uperdex 200 HR 10/30カラム(Pharmacia Biotech) を用
いた、SEC HPLCによってモニターした。溶離は0.1Mリン
酸ナトリウムバッファー、pH6.9 を用いて、流速0.7ml/
min で行なった。
初めの量の90% 以上が修飾されていることを示した。こ
の時点で反応混合物のタンパク質濃度は、反応混合物を
滅菌水で希釈することによって、1mg/mlに下げ、0.5M酢
酸で混合物のpHを4 に調整した。
se HP (Pharmacia Biotech) イオン交換樹脂を用いたイ
オン交換クロマトグラフィーによって、過剰のMePEG と
他の反応副生物から分離させた。
(樹脂))した。未反応のMePEG は、3 カラム容量のス
タートバッファー A(20mMリン酸ナトリウム、pH7.2 、
15%グリセロール)で溶出させた。その後、MePEG-TPO
コンジュゲートは、10カラム容量で、エンドバッファー
B(バッファーA中、1M NaCl )の、0%から30% の直線
勾配を用いて溶出させた。溶出液は280nm でモニターし
た。 poly-MePEG-TPOコンジュゲートを含んでいるフラ
クションをプールし、濃縮、滅菌濾過した。
は、TSK-GEL G4000SWXL とG2000SWXLのゲル濾過カラム
を連結した、HPLC SECで、分析した。タンパク質は280n
m におけるUV吸収によって検出した。球状タンパク質の
分子量マーカーとして、BIO-RAD ゲル・フィルトレーシ
ョン・スタンダードを使った。
(全量の52% と47% )が含まれており、その溶出位置
は、それぞれ、359.4kDaと159.3kDaの球状タンパク質に
相当した。表6を参照のこと。
O の還元アルキル化で調製した、コンジュゲートPEG18
、PEG19 およびPEG21 も同じように行った。これらの
調製に用いた主な反応パラメータは、表5に要約してあ
る。
結果は、表6に示してある。
する、mono-MePEG(20kDa)-TPO コンジュゲート(PEG16)
の調製 20mM NaCNBH3 を含む、100mM リン酸ナトリウム、pH5
、中のMGDF(2 ml,2.5mg/ml)冷却(4℃) 、撹拌溶液に、
5 倍モル過剰のメトキシポリエチレングリコールアルデ
ヒド(MePEG)(平均分子量 20kDa) を加えた。反応混合物
の撹拌は、同じ温度で続けた。
uperdex 200 HR 10/30カラム(Pharmacia Biotech) を用
いた、SEC HPLCによってモニターした。溶離は0.1Mリン
酸ナトリウムバッファー、pH6.9 を用いて、流速0.7ml/
min で行った。
初めの量の約90% が修飾されていることを示した。この
時点で反応混合物のタンパク質濃度は、滅菌水で希釈す
ることによって、1mg/mlに下げ、0.5M酢酸で反応混合物
のpHを4 に調整した。
は、 SP Sepharose HP(Pharmacia Biotech) イオン交換
樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィーによって、
過剰のMePEG と他の反応副生物から分離させた。
(樹脂)) した。未反応のMePEG は、3 カラム容量のス
タートバッファーA(20mMリン酸ナトリウム、pH7.2 、15
% グリセロール) で溶出させた。その後、MePEG-TPO コ
ンジュゲートは、20カラム容量で、エンドバッファーB
(バッファーA中、 1M NaCl)の、0%から25% の直線勾
配を用いて溶出させた。溶出液は280nm でモニターし
た。poly-MePEG-TPOコンジュゲートを含んでいるフラク
ションをプールし、濃縮、滅菌濾過した。
は、4-20% のプレキャスト・ 勾配・ ゲル(NOVEX) を用い
たSDS-PAGE(ナトリウム・ドデシル・スルファート・ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動)で判定した。46.9kDa
のタンパク質の位置に相当する、1 本のメジャーバンド
が現れた。
は、TSK-GEL G4000SWXL とG2000SWXLのゲル濾過カラム
を連結した、HPLC SECで、分析した。タンパク質は280n
m におけるUV吸収によって検出した。球状タンパク質の
分子量マーカーとして、BIO-RAD ゲル濾過標準を使っ
た。
含まれており、その溶出位置は、181.1kDaの球状タンパ
ク質に相当した。表7を参照のこと。
O の還元アルキル化で調製した、mono-MePEG-TPOコンジ
ュゲートPEG14 、PEG15 およびPEG17 も同じように行っ
た。これらの調製に用いた主な反応パラメータは、表5
に要約してある。
結果は、表7に示してある。
リコール)アルデヒドで還元アルキル化することによ
る、DiMePEG(12kDa)-TPOコンジュゲート(PEG22) の調製 次の操作によって、PEG22 と称する、精製された分子を
得た。
中の、2.5 mg/ml のTPO(E. coli 由来、1-163)溶液に、
5 倍過剰モルのメトキシ−ポリエチレングリコールアル
デヒド(MePEG;すなわち, OHC- (CH2 )2 O -(CH2 -
CH2 O)n - CH3 ; ここでnは、分子量が約12kDa となる
繰り返し数である)(Shearwater Polymers) を加えた。
10分間混合した後、十分量のNaCNBH3 (ナトリウム−シ
アノボロヒドリド)(Aldrich) を、反応混合物中の濃度
が20mMになるように、加えた。
した。16時間経過後、十分量の純水、USP を加えて、TP
O 濃度を1mg/mlにした。これを0.2 ミクロンの減圧・フ
ィルターを通して濾過した。このようにして、90mgの反
応生成物を調製した。少量の1.0M−一塩基性ホスフェー
ト(monobasic phosphate) と1N NaOH 溶液を、この反応
生成物の混合物に加えて、pH6.8 、10mMのホスフェート
溶液にした。
精製した。40mlのSP-Sepharose High Performance カラ
ムを、ベッド高7.5cm で、作成した。カラムは、平衡化
バッファー(10mMホスフェート、pH6.8 、15% グリセロ
ール)で平衡化しておいた。カラムに、2.2 mg/ml (樹
脂)、0.15CV(カラムボリューム)/分でロードした。
ベースラインが安定するまで平衡化バッファーで洗浄し
た。カラムは、バッファー A(20mMホスフェート、pH7.
2 、15% グリセロール)からバッファーB(バッファA
中、 0.3M NaCl)への、10カラム容量の直線勾配で溶出
させた。流速は0.15CV(カラムボリューム)/分を維持
した。溶出液は280nm でモニターした。
G コンジュゲートを含んでいるフラクションをプール
し、0.2 ミクロン・ユニットを通して濾過した。
成能の低下した血小板に対しTPO を添加することによ
り、採血直後のレベルまで血小板の止血血栓形成能を回
復させることが可能である。したがって、このような処
置を施した血小板を出血傾向のある患者に輸血すること
により、より一層の止血効果が期待できる。
理した際の、TPO による血小板凝集能亢進作用(刺激薬
剤としてADP 使用)を示す。
理した際の、TPO による血小板凝集能亢進作用(刺激薬
剤としてコラーゲン使用)を示す。
理した際の、TPO による血小板凝集能亢進作用(刺激薬
剤としてADP とコラーゲン使用)を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 保存血小板の止血血栓形成能を回復させ
るための、トロンボポエチン(TPO)含有組成物。 - 【請求項2】 自己血小板輸血又は貯血に使用する、請
求項1に記載の組成物。 - 【請求項3】 同種血小板輸血に使用する、請求項1に
記載の組成物。 - 【請求項4】 保存期限を経過した血小板に使用する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。 - 【請求項5】 受容者体内で使用する、請求項1〜4の
いずれか一項に記載の組成物。 - 【請求項6】 ex vivoで使用する、請求項1〜
4のいずれか一項に記載の組成物。 - 【請求項7】 さらに、保存血小板の止血血栓形成能の
持続時間を延長させる、請求項1〜6のいずれか一項に
記載の組成物。 - 【請求項8】 止血血栓形成能の低下が認められる血小
板液に、請求項1〜7のいずれか一項に記載のTPO含
有組成物を添加することを含む、血小板の止血血栓形成
能を回復する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9019549A JPH10212243A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | トロンボポエチン蛋白を含有する血小板止血血栓形成能回復促進用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9019549A JPH10212243A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | トロンボポエチン蛋白を含有する血小板止血血栓形成能回復促進用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212243A true JPH10212243A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=12002407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9019549A Pending JPH10212243A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | トロンボポエチン蛋白を含有する血小板止血血栓形成能回復促進用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212243A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016129593A1 (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | 国立大学法人京都大学 | 血小板の機能を維持および/または増強するための組成物 |
-
1997
- 1997-01-31 JP JP9019549A patent/JPH10212243A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016129593A1 (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | 国立大学法人京都大学 | 血小板の機能を維持および/または増強するための組成物 |
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