JPH10211431A - ディーゼル排ガス用酸化触媒 - Google Patents

ディーゼル排ガス用酸化触媒

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JPH10211431A
JPH10211431A JP9016806A JP1680697A JPH10211431A JP H10211431 A JPH10211431 A JP H10211431A JP 9016806 A JP9016806 A JP 9016806A JP 1680697 A JP1680697 A JP 1680697A JP H10211431 A JPH10211431 A JP H10211431A
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porous carrier
catalyst
powder
tio
noble metal
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JP9016806A
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Michio Taguchi
教夫 田口
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温域でHC及びSOFを効率良く吸着してH
C及びSOFを酸化浄化するとともに、サルフェートの
生成を一層抑制する。 【解決手段】触媒貴金属の活性が高い第1多孔質担体2
0と、触媒貴金属の活性が低い第2多孔質担体21とを
含み、触媒貴金属22は主として第1多孔質担体20に
担持されている。低温時に第2多孔質担体に吸着された
SO2 は、高温時にも酸化されることなく離脱するた
め、サルフェートの生成が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン(以下DEという)の排ガス中に含まれるHC(炭化
水素)及びSOF(Soluble Organic Fraction)を酸化
浄化するとともに、ディーゼルパティキュレートの排出
量を低減するディーゼル排ガス用酸化触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンについては、排ガスの
厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩により、排ガ
ス中の有害物質は確実に減少している。しかしDEにつ
いては、有害成分が主としてパティキュレートとして排
出されるという特異な事情から、規制も技術の開発もガ
ソリンエンジンに比べて遅れており、確実に浄化できる
排ガス浄化触媒の開発が望まれている。
【0003】現在までに開発されているDE排気ガス浄
化装置としては、大きく分けてトラップを用いる方法
(触媒無しと触媒付き)と、オープン型SOF分解触媒
とが知られている。このうちトラップを用いる方法は、
ディーゼルパティキュレートを捕捉してその排出を規制
するものであり、特にドライスーツの比率の高い排気ガ
スに有効である。しかしながらトラップを用いる方法で
は、捕捉されたディーゼルパティキュレートを焼却する
ための再生処理装置が必要となり、再生時の触媒構造体
の割れ、アッシュによる閉塞あるいはシステムが複雑に
なるなど、実用上多くの課題を残している。
【0004】一方オープン型SOF分解触媒は、例えば
特開平1−171626号公報に示されるように、ガソ
リンエンジンと同様に活性アルミナなどの担持層に白金
族金属などの触媒金属を担持した触媒が利用され、CO
やHCとともにSOFを酸化分解して浄化している。こ
のオープン型SOF分解触媒は、ドライスーツの除去率
が低いという欠点があるが、ドライスーツの量はDEや
燃料自体の改良によって低減することが可能であり、か
つ再生処理装置が不要という大きなメリットがあるた
め、今後の一段の技術の向上が期待されている。
【0005】ところがオープン型SOF分解触媒は、高
温下ではSOFを効率良く分解可能であるが、低温条件
では触媒金属の触媒作用が低くSOFの浄化性能が低下
するという欠点がある。そのためエンジン始動時やアイ
ドリング運転時などには、排ガスの温度が低く、未分解
のSOFが煤となってハニカム通路内に堆積する現象が
起こる。そして堆積した煤により触媒に目詰まりが生
じ、触媒性能が低下するという不具合があった。
【0006】またオープン型SOF分解触媒において
は、高温域で排ガス中のSO2 までも酸化されてSO3
やSO4 が生成し、サルフェートとなって逆にパティキ
ュレート量が増大するという問題がある。これは、SO
2 はパティキュレートとして測定されないが、サルフェ
ートはパティキュレートとして測定されるためである。
特にDEにおいては排ガス中に酸素ガスが多く存在し、
SO2 の酸化反応が生じやすい。
【0007】そこで本願出願人は、特開平4−2679
28号公報において、活性アルミナやゼオライトなどH
C吸着性の高いコート層をもち触媒金属をもたない触媒
を排ガス流の上流側に配置し、SiO2 やTiO2 など
HCの吸着性の低いコート層をもつ担体に触媒金属を担
持した酸化触媒を下流側に配置した触媒装置を提案して
いる。
【0008】この触媒装置によれば、上流側触媒ではH
C及びSOFが低温時に吸着されるとともにSO2 も吸
着されるが、上流側触媒は触媒金属をもたないためSO
2 の酸化が防止されている。そして下流側触媒では、高
温時に上流側触媒から放出されたHC及びSOFが触媒
金属により酸化浄化される。一方、上流側触媒からはS
2 も放出されるが、下流側触媒は吸着性が低いためS
2 が吸着して酸化されるのが抑制され、サルフェート
の生成が防止されている。
【0009】また特開平3−258316号公報には、
コート層を二層構造とし、Ptを担持したAl2 3
ら下層を構成するとともに、その上層に触媒貴金属を担
持しないTiO2 層を配置した触媒が開示されている。
この触媒によれば、上層のTiO2 層にはPtが担持さ
れていないので、低温時に吸着されたSO2 は高温時に
酸化されることなく離脱して排出され、サルフェートの
生成が抑制される。またHC及びSOFは、下層まで拡
散して下層のPtにより酸化浄化される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−267
928号公報に開示された触媒装置では、定常条件の場
合には確かに効果がある。しかしながら、低温時に上流
側触媒に吸着・蓄積された多量のSO2 が高温時に放出
されて下流側触媒に流入すると、下流側触媒の触媒金属
と接触するSO2 も少なからず存在し、それがサルフェ
ートとして排出されるという不具合があった。
【0011】また特開平3−258316号公報に開示
された触媒では、上層のTiO2 層がSO2 を吸着しや
すいという性質をもつことから、高温時における離脱が
生じにくく、下層まで拡散したSO2 が酸化されてサル
フェートを生成するという問題があった。本発明はこの
ような事情に鑑みてなされたものであり、低温域でHC
及びSOFを効率良く吸着してHC及びSOFを酸化浄
化するとともに、サルフェートの生成を一層抑制するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載のディーゼル排ガス用酸化触媒の特徴は、触
媒貴金属の活性が高い第1多孔質担体と、触媒貴金属の
活性が低い第2多孔質担体とを含み、触媒貴金属は主と
して第1多孔質担体に担持されていることにある。
【0013】また請求項2に記載のディーゼル排ガス用
酸化触媒の特徴は、請求項1に記載の酸化触媒におい
て、第1多孔質担体はアナターゼ型TiO2 、γ−Al
2 3、δ−Al2 3 、η−Al2 3 、θ−Al2
3 、非晶質Al2 3 、ZrO2 、Nb2 5 、Ti
2 −Al2 3 複合酸化物、TiO2 −ZrO2 複合
酸化物、ZrO2 −Al2 3 複合酸化物、TiO2
SiO2 複合酸化物及びZrO2 −SiO2 複合酸化物
から選ばれる少なくとも一種からなり、第2多孔質担体
はルチル型TiO2 、α−Al2 3 、SiO2 及びS
iO2 −Al2 3 複合酸化物から選ばれる少なくとも
一種からなることにある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者の研究によれば、触媒上
での触媒貴金属の活性は、担持される担体の性質により
大きく異なることが明らかとなった。そして、担体が触
媒貴金属の活性を高めるかどうかと、SO2 の吸着性と
の間には、相関関係があることが実験的にわかってい
る。つまり触媒貴金属の活性が低い担体に触媒貴金属を
担持した場合には、SO2 の吸着が少なく酸化が抑制さ
れるため高温でのサルフェートの生成が抑制されるもの
の、HC及びSOFの浄化活性も低くなる。一方、触媒
貴金属の活性が高い担体に触媒貴金属を担持した場合に
は、HC及びSOFの浄化活性が高いものの、SO2
吸着しやすく高温でのサルフェート生成量も多くなる。
【0015】そこで本発明のディーゼル排ガス用酸化触
媒では、触媒貴金属は触媒貴金属の活性が高い第1多孔
質担体に担持され、かつ触媒貴金属の活性が低い第2多
孔質担体が触媒貴金属をほとんど担持しない状態で含ま
れている構成としたものである。このような構成とする
ことにより、低温時に第2多孔質担体に吸着されたSO
2 は、高温時にも酸化されることなく離脱するため、サ
ルフェートの生成が抑制される。またHC及びSOFは
SO2 より酸化されやすく、第1多孔質担体に担持され
ている触媒貴金属により容易に酸化浄化される。
【0016】第1多孔質担体と第2多孔質担体の区分は
相対的なものであり、2種類の多孔質担体がある場合、
触媒貴金属を担持した時の活性が高い方を第1多孔質担
体とすることができる。また、ある程度絶対的に区分す
るには、SO2 の50%低減温度を測定することで行う
こともできる。例えば、多孔質担体容積1リットル当た
り1.0gのPtを担持させ、SO2:100ppm,O2
10%,H2 O:10%,残部N2 のモデルガスをSV
=50000h-1で流した場合のSO2 50%低減温度
が250℃以下のものを第1多孔質担体とし、350℃
以上のものを第2多孔質担体として区分することができ
る。
【0017】このようにして各種多孔質担体を区分する
と、表1のように区分することができる。なお、表1に
おける括弧内の数字は、活性の高さの順序である。
【0018】
【表1】 本発明の酸化触媒に用いられる第1多孔質担体と第2多
孔質担体の比率は、第1多孔質担体を第2多孔質担体よ
り少ない量で用いるのが好ましい。その比率は多孔質担
体の種類、触媒貴金属の種類あるいは担持量などにより
異なる。
【0019】例えば触媒貴金属としてPtを全体の1重
量%担持し、第1多孔質担体としてアナターゼ型TiO
2 を、第2多孔質担体としてSiO2 を選択した場合に
は、全担体中の第1多孔質担体の割合を1重量%以上、
10重量%未満とすることが望ましい。第1多孔質担体
が1重量%以下では、担持されたPtの粒成長によりH
C及びSOFの酸化活性が低下し、10重量%以上とな
るとSO2 の酸化が生じてサルフェートの生成を抑制す
ることが困難となる。
【0020】第1多孔質担体に担持される触媒貴金属と
しては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム
(Rh)、イリジウム(Ir)などが例示される。これ
らの貴金属の他、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロ
ム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、銅
(Cu)などの卑金属を併用することもでき、目的とす
る酸化力に応じて選択される。この触媒貴金属の担持量
としては、多孔質担体全体の体積1リットルに対して
0.1〜5g程度が適当である。担持量がこれより少な
いとHC及びSOFの酸化力が不十分となり、これより
多く担持しても効果が飽和するとともにコスト面での不
具合が発生するようになる。
【0021】本発明の酸化触媒は、触媒貴金属を担持し
た第1多孔質担体粉末と第2多孔質担体粉末の混合粉末
をペレット状などの形状に成形して用いてもよいし、こ
の混合粉末をコーディエライトなどの耐熱性無機物や金
属などから形成されたハニカム形状の担体基材にコート
して用いることもできる。そして本発明の酸化触媒を製
造するには、触媒貴金属が担持された第1多孔質担体粉
末と、何も担持されない第2多孔質粉末とを所定比率で
混合する方法が簡便である。また、第1多孔質担体に対
する担持効率が第2多孔質担体に対するそれより極めて
高い触媒貴金属溶液を用い、第1多孔質担体粉末と第2
多孔質担体粉末の混合粉末に含浸して第1多孔質担体に
選択的に担持させることもできる。
【0022】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例により本発
明を一層具体的に説明する。 (実施例1)図1に本発明の一実施例の排ガス用酸化触
媒の要部拡大断面図を示す。この酸化触媒は、コーディ
エライトからなるハニカム形状の担体基材(1)と、担
体基材(1)表面に被覆形成されたコート層(2)とか
ら構成されている。
【0023】コート層(2)は、アナターゼ型TiO2
からなる第1多孔質担体(20)と、SIO2 からなる
第2多孔質担体(21)とから構成され、第1多孔質担
体(20)にPt(22)が高分散担持されている。第
1多孔質担体(20)はコート層(2)中に5重量%含
まれ、第2多孔質担体(21)はコート層(2)中に9
5重量%含まれている。この酸化触媒は以下のようにし
て製造された。
【0024】Ptを7.5g含むジニトロジアンミン白
金硝酸塩水溶液30mlに、25gのアナターゼ型Ti
2 粉末(比表面積60m2 /g)を浸し1時間攪拌し
た。攪拌後、120℃の乾燥炉で蒸発乾固し、さらに2
50℃で1時間の熱処理を行ってPt担持TiO2 粉末
を調製した。このPt担持TiO2 粉末全量と、SiO
2 粉末275gと、SiO2 濃度40重量%のSiO2
ゾル500gと、水200gをボールミルにて6時間混
合してスラリーを調製した。
【0025】次に、容積1.7リットルのコーディエラ
イト製ハニカム状の担体基材(1)を用意し、上記スラ
リーに浸漬後引き上げ、余分なスラリーを吹き払った後
120℃で6時間乾燥し500℃で1時間焼成してコー
ト層(2)を形成した。コート層(2)は担体基材
(1)1個当たり172.05±5g形成されている。
またコート層(2)中のPt(22)の平均粒径は4n
mであった。
【0026】得られた酸化触媒を2.6Lのディーゼル
エンジンの排気系に装着し、ベンチ評価を行った。条件
は、エンジン回転数2000rpmとし、入りガス温度
500℃で1時間運転するエージング処理を行った後、
入りガス温度を50℃ずつ降温させて400℃、300
℃及び200℃でのHC浄化率とSO2 低減率を測定し
た。結果を表2に示す。なおSO2 低減率は、触媒の入
りガスに対する触媒上で減少したSO2 の割合であっ
て、サルフェート生成量に相当する。
【0027】上記評価を行った後、さらに入りガス温度
400℃で50時間運転し、その後酸化触媒に付着して
いるS量を分析した結果を表2に併せて示す。なお、こ
のときの排ガス中のSO2 濃度は20〜30ppmであ
った。 (実施例2)Ptを7.5g含むジニトロジアンミン白
金硝酸塩水溶液30mlに、10gのアナターゼ型Ti
2 粉末(比表面積60m2 /g)を浸し1時間攪拌し
た。攪拌後、120℃の乾燥炉で蒸発乾固し、さらに2
50℃で1時間の熱処理を行ってPt担持TiO2 粉末
を調製した。
【0028】このPt担持TiO2 粉末全量と、SiO
2 粉末290gと、SiO2 濃度40重量%のSiO2
ゾル500gと、水200gをボールミルにて6時間混
合してスラリーを調製した。このスラリーを用いたこと
以外は実施例1と同様にしてコート層を形成し、本実施
例の酸化触媒を調製した。そして実施例1と同様にHC
浄化率とSO2 低減率及びS量を測定し、結果を表2に
示す。
【0029】なお、Ptを担持したTiO2 粉末はコー
ト層中に2重量%含まれ、Ptを担持しないSiO2
末はコート層中に98重量%含まれている。また得られ
た酸化触媒のコート層中のPtの平均粒径は7nmであ
った。 (実施例3)Ptを7.5g含むジニトロジアンミン白
金硝酸塩水溶液30mlに、25gのアナターゼ型Ti
2 粉末(比表面積60m2 /g)を浸し1時間攪拌し
た。攪拌後、120℃の乾燥炉で蒸発乾固し、さらに2
50℃で1時間の熱処理を行ってPt担持TiO2 粉末
を調製した。
【0030】このPt担持TiO2 粉末全量と、BaS
4 粉末275gと、SiO2 濃度40重量%のSiO
2 ゾル500gと、水200gをボールミルにて6時間
混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてコート層を形成し、本比
較例の酸化触媒を調製した。そして実施例1と同様にH
C浄化率とSO2 低減率及びS量を測定し、結果を表2
に示す。
【0031】なお、Ptを担持したTiO2 粉末はコー
ト層中に5重量%含まれ、Ptを担持しないBaSO4
粉末はコート層中に55重量%、Ptを担持しないSi
2粉末はコート層中に40重量%含まれている。また
得られた酸化触媒のコート層中のPtの平均粒径は4n
mであった。 (実施例4)Ptを7.5g含むジニトロジアンミン白
金硝酸塩水溶液30mlに、25gのTiO2 −Al2
3 複合酸化物粉末を浸し1時間攪拌した。攪拌後、1
20℃の乾燥炉で蒸発乾固し、さらに250℃で1時間
の熱処理を行ってPt担持TiO2 −Al2 3 粉末を
調製した。
【0032】このPt担持TiO2 −Al2 3 粉末全
量と、α−Al2 3 粉末(比表面積15m2 /g)2
75gと、SiO2 濃度40重量%のSiO2 ゾル50
0gと、水200gをボールミルにて6時間混合してス
ラリーを調製した。このスラリーを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてコート層を形成し、本比較例の酸化
触媒を調製した。そして実施例1と同様にHC浄化率と
SO2 低減率及びS量を測定し、結果を表2に示す。
【0033】なお、Ptを担持したTiO2 −Al2
3 複合酸化物粉末はコート層中に5重量%含まれ、Pt
を担持しないα−Al2 3 粉末はコート層中に55重
量%、Ptを担持しないSiO2 粉末はコート層中に4
0重量%含まれている。また得られた酸化触媒のコート
層中のPtの平均粒径は2nmであった。 (比較例1)実施例1で調製されたPt担持TiO2
末全量と、アナターゼ型TiO2 粉末(比表面積60m
2 /g)325gと、TiO2 濃度20重量%のTiO
2 ゾル750gをボールミルにて6時間混合してスラリ
ーを調製した。
【0034】このスラリーを用いたこと以外は実施例1
と同様にしてコート層を形成し、本比較例の酸化触媒を
調製した。そして実施例1と同様にHC浄化率とSO2
低減率及びS量を測定し、結果を表2に示す。なお、P
tを担持したTiO2 粉末はコート層中に5重量%含ま
れ、Ptを担持しないTiO2 粉末はコート層中に95
重量%含まれている。また得られた酸化触媒のコート層
中のPtの平均粒径は4nmであった。
【0035】(比較例2)アナターゼ型TiO2 粉末
(比表面積60m2 /g)350gと、TiO2 濃度2
0重量%のTiO2 ゾル750gをボールミルにて6時
間混合してスラリーを調製した。そして、このスラリー
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコート層を形
成した。
【0036】次に、コート層が形成された担体基材に、
Ptを2.55g含むジニトロジアンミン白金硝酸塩水
溶液を1時間含浸させ、120℃の乾燥炉で6時間蒸発
乾固し、さらに500℃で1時間焼成してコート層にP
tを担持した。Ptを担持したTiO2 粉末はコート層
中の全体を占め、Ptの平均粒径は1nmであった。そ
して実施例1と同様にHC浄化率とSO2 低減率及びS
量を測定し、結果を表2に示す。
【0037】(比較例3)SiO2 粉末300gと、S
iO2 濃度40重量%のSiO2 ゾル500gと、水2
00gをボールミルにて6時間混合してスラリーを調製
した。そして、このスラリーを用いたこと以外は実施例
1と同様にしてコート層を形成した。次に、コート層が
形成された担体基材に、Ptを2.55g含むジニトロ
ジアンミン白金硝酸塩水溶液を1時間含浸させ、120
℃の乾燥炉で6時間蒸発乾固し、さらに500℃で1時
間焼成してコート層にPtを担持した。Ptを担持した
SiO2 粉末はコート層中の全体を占め、Ptの平均粒
径は1nmであった。
【0038】そして実施例1と同様にHC浄化率とSO
2 低減率及びS量を測定し、結果を表2に示す。 (参考例1)Ptを7.5g含むジニトロジアンミン白
金硝酸塩水溶液30mlに、5gのアナターゼ型TiO
2 粉末(比表面積60m2 /g)を浸し1時間攪拌し
た。攪拌後、120℃の乾燥炉で蒸発乾固し、さらに2
50℃で1時間の熱処理を行ってPt担持TiO2 粉末
を調製した。
【0039】このPt担持TiO2 粉末全量と、SiO
2 粉末295gと、SiO2 濃度40重量%のSiO2
ゾル500gと、水200gをボールミルにて6時間混
合してスラリーを調製した。このスラリーを用いたこと
以外は実施例1と同様にしてコート層を形成し、本参考
例の酸化触媒を調製した。そして実施例1と同様にHC
浄化率とSO2 低減率及びS量を測定し、結果を表2に
示す。
【0040】なお、Ptを担持したTiO2 粉末はコー
ト層中に1重量%含まれ、Ptを担持しないTiO2
末はコート層中に99重量%含まれている。また得られ
た酸化触媒のコート層中のPtの平均粒径は15nmで
あった。 (参考例2)Ptを7.5g含むジニトロジアンミン白
金硝酸塩水溶液30mlに、50gのアナターゼ型Ti
2 粉末(比表面積60m2 /g)を浸し1時間攪拌し
た。攪拌後、120℃の乾燥炉で蒸発乾固し、さらに2
50℃で1時間の熱処理を行ってPt担持TiO2 粉末
を調製した。
【0041】このPt担持TiO2 粉末全量と、SiO
2 粉末250gと、SiO2 濃度40重量%のSiO2
ゾル500gと、水200gをボールミルにて6時間混
合してスラリーを調製した。このスラリーを用いたこと
以外は実施例1と同様にしてコート層を形成し、本比較
例の酸化触媒を調製した。そして実施例1と同様にHC
浄化率とSO2 低減率及びS量を測定し、結果を表2に
示す。
【0042】なお、Ptを担持したTiO2 粉末はコー
ト層中に10重量%含まれ、Ptを担持しないTiO2
粉末はコート層中に90重量%含まれている。また得ら
れた酸化触媒のコート層中のPtの平均粒径は2nmで
あった。 (評価)
【0043】
【表2】
【0044】比較例1及び比較例2では、第1多孔質担
体と第2多孔質担体がともに活性の高いアナターゼ型T
iO2 であるために、SO2 低減率が高くサルフェート
が生成している。またS付着量も多いことから、SO2
が多く吸着したために酸化されるSO2 が多くなったこ
とが考えられる。比較例2では、第1多孔質担体と第2
多孔質担体がともに活性の低いSiO2であるために、
SO2 の酸化は抑制されているものの、HC浄化率まで
低くなっている。
【0045】しかし実施例では、本願発明の構成とした
ことにより、HC及びSOFの高い浄化性能とサルフェ
ート生成の抑制性能とが両立していることが明らかであ
る。また二つの参考例と、実施例1及び実施例2の比較
より、第1多孔質担体としてのアナターゼ型TiO2
割合が1重量%と低いとPtの粒成長によりHC浄化率
が低下し、10重量%まで増加するとサルフェートが生
成してしまうことも明らかである。
【0046】
【発明の効果】すなわち本発明のディーゼル排ガス用酸
化触媒によれば、排ガス中のSO2 をほとんどそのまま
排出することができ、HC及びSOFのみを効率よく浄
化することができるので、低温から高温まで高いパティ
キュレート浄化率が得られ、パティキュレート浄化の温
度ウィンドウが拡大される。
【0047】したがって本発明の酸化触媒では、従来に
比べて排ガスとの接触面積を小さくしても従来と同等以
上の浄化性能が得られるので、触媒容積を小さくするこ
とができ、軽量化及び配置スペース面で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の酸化触媒の模式的説明図で
ある。
【符号の説明】
1:担体基材 2:コート層 20:第
1多孔質担体 21:第2多孔質担体 22:
Pt

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒貴金属の活性が高い第1多孔質担体
    と、触媒貴金属の活性が低い第2多孔質担体とを含み、
    該触媒貴金属は主として該第1多孔質担体に担持されて
    いることを特徴とするディーゼル排ガス用酸化触媒。
  2. 【請求項2】 前記第1多孔質担体はアナターゼ型Ti
    2 、γ−Al2 3 、δ−Al2 3 、η−Al2
    3 、θ−Al2 3 、非晶質Al2 3 、ZrO2 、N
    2 5 、TiO2 −Al2 3 複合酸化物、TiO2
    −ZrO2 複合酸化物、ZrO2 −Al2 3 複合酸化
    物、TiO2 −SiO2 複合酸化物及びZrO2 −Si
    2 複合酸化物から選ばれる少なくとも一種からなり、
    前記第2多孔質担体はルチル型TiO2 、α−Al2
    3 、SiO2 及びSiO2 −Al2 3 複合酸化物から
    選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求
    項1記載のディーゼル排ガス用酸化触媒。
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