JPH10210691A - 発電機におけるロータの構造及びロータの製造方法 - Google Patents
発電機におけるロータの構造及びロータの製造方法Info
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- JPH10210691A JPH10210691A JP9020938A JP2093897A JPH10210691A JP H10210691 A JPH10210691 A JP H10210691A JP 9020938 A JP9020938 A JP 9020938A JP 2093897 A JP2093897 A JP 2093897A JP H10210691 A JPH10210691 A JP H10210691A
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- Japan
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- rotor
- outer cylinder
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- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、極めて容易に高精度に研削加工で
きる回転子を組み込んだ発電機におけるロータの構造及
びロータの製造方法を提供する。 【解決手段】 この発電機におけるロータの構造は、回
転軸２に固定された回転子５から成る。回転子５は、永
久磁石から成る円筒体３、及び円筒体３の外周に配置し
た外筒４から構成されている。外筒４は、巻き上げたカ
ーボン繊維又はセラミック繊維を樹脂材で固めたもので
ある。外筒４と円筒体３との間に発生する隙間には、カ
ーボン繊維又はセラミック繊維を埋め込んだ樹脂材を侵
入させて外筒４と円筒体３との固定状態を安定させる。
きる回転子を組み込んだ発電機におけるロータの構造及
びロータの製造方法を提供する。 【解決手段】 この発電機におけるロータの構造は、回
転軸２に固定された回転子５から成る。回転子５は、永
久磁石から成る円筒体３、及び円筒体３の外周に配置し
た外筒４から構成されている。外筒４は、巻き上げたカ
ーボン繊維又はセラミック繊維を樹脂材で固めたもので
ある。外筒４と円筒体３との間に発生する隙間には、カ
ーボン繊維又はセラミック繊維を埋め込んだ樹脂材を侵
入させて外筒４と円筒体３との固定状態を安定させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転軸に取り付
けられた永久磁石から成る回転子と該回転子の外周に配
置されたステータとから成る発電機におけるロータの構
造及びロータの製造方法に関する。
けられた永久磁石から成る回転子と該回転子の外周に配
置されたステータとから成る発電機におけるロータの構
造及びロータの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、永久磁石を回転子とした発電機或
いは電動機は、高い出力と簡単な構造という特徴を有す
ることから、最近、工業用機器に多く使用されるように
なった。ところが、発電機における回転子については、
電圧及び電流が増加するに従って回転子の回転が上昇す
ると、回転子に大きな遠心力が発生するが、その遠心力
に耐えることが要求される。そのため、回転子を構成す
る永久磁石の外周を補強リング等で補強し、回転子が遠
心力に耐えるように構成されているのが一般的である。
いは電動機は、高い出力と簡単な構造という特徴を有す
ることから、最近、工業用機器に多く使用されるように
なった。ところが、発電機における回転子については、
電圧及び電流が増加するに従って回転子の回転が上昇す
ると、回転子に大きな遠心力が発生するが、その遠心力
に耐えることが要求される。そのため、回転子を構成す
る永久磁石の外周を補強リング等で補強し、回転子が遠
心力に耐えるように構成されているのが一般的である。
【０００３】また、永久磁石を回転子とした発電機とし
ては、例えば、実開平２−１４６９７５号公報に開示さ
れた小型発電機、実開昭６０−１６２９７７号公報に開
示された回転電機発電機、或いは特開昭６２−２７２８
５０号公報に開示された永久磁石式回転機が知られてい
る。例えば、実開平２−１４６９７５号公報に開示され
た小型発電機は、ガバナウエイトを一対のリンクで軸支
したガバナ機構を介して主軸とロータが連結されてお
り、主軸の回転数に応じてガバナウエイトを遠心力で主
軸から離間してリンク間の角度を縮小させ、ロータをス
テータから抜け出る方向に移動させるものである。ま
た、特開平７−２３６２６０号公報に開示された高出力
交流発電機は、回転速度に応じて磁束密度を制御して発
電量を適正に制御するものであり、回転子とステータと
の間に制御リングを相対回転可能に配置すると共に、制
御リングに接離可能な透磁性体を設けたものである。
ては、例えば、実開平２−１４６９７５号公報に開示さ
れた小型発電機、実開昭６０−１６２９７７号公報に開
示された回転電機発電機、或いは特開昭６２−２７２８
５０号公報に開示された永久磁石式回転機が知られてい
る。例えば、実開平２−１４６９７５号公報に開示され
た小型発電機は、ガバナウエイトを一対のリンクで軸支
したガバナ機構を介して主軸とロータが連結されてお
り、主軸の回転数に応じてガバナウエイトを遠心力で主
軸から離間してリンク間の角度を縮小させ、ロータをス
テータから抜け出る方向に移動させるものである。ま
た、特開平７−２３６２６０号公報に開示された高出力
交流発電機は、回転速度に応じて磁束密度を制御して発
電量を適正に制御するものであり、回転子とステータと
の間に制御リングを相対回転可能に配置すると共に、制
御リングに接離可能な透磁性体を設けたものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、高速度
で回転する回転子を永久磁石を用いて構成した発電機で
は、回転子となる永久磁石を作製するため、鉄−ネオジ
ム合金の粉体を焼結し、その焼結体を所定の形状や精度
に加工して作製することが多いが、永久磁石を焼結した
後に、研削加工する時に、永久磁石の材質上、研削工具
での加工が困難であり、その永久磁石を回転子に加工す
るための加工時間が長時間かかり、精密加工に至る加工
工数が多くなり、回転子の製造コストをアップさせると
いう要因になっている。即ち、永久磁石は、希土類の合
金の焼結体であり、加工性が悪く、バイトの破損を避け
るため、永久磁石をゆっくりと研削加工するため、材料
費に比較して加工コストが大幅に高くなり、製造コスト
が高くなっている。
で回転する回転子を永久磁石を用いて構成した発電機で
は、回転子となる永久磁石を作製するため、鉄−ネオジ
ム合金の粉体を焼結し、その焼結体を所定の形状や精度
に加工して作製することが多いが、永久磁石を焼結した
後に、研削加工する時に、永久磁石の材質上、研削工具
での加工が困難であり、その永久磁石を回転子に加工す
るための加工時間が長時間かかり、精密加工に至る加工
工数が多くなり、回転子の製造コストをアップさせると
いう要因になっている。即ち、永久磁石は、希土類の合
金の焼結体であり、加工性が悪く、バイトの破損を避け
るため、永久磁石をゆっくりと研削加工するため、材料
費に比較して加工コストが大幅に高くなり、製造コスト
が高くなっている。
【０００５】また、発電機において、回転子が高速回転
する時に、大きな遠心力が作用するので、その遠心力で
永久磁石がバーストしないような強度が永久磁石に常に
要求され、そのため、永久磁石の強度をアップさせるた
めの構造上の工夫が必要になる。
する時に、大きな遠心力が作用するので、その遠心力で
永久磁石がバーストしないような強度が永久磁石に常に
要求され、そのため、永久磁石の強度をアップさせるた
めの構造上の工夫が必要になる。
【０００６】通常、円筒形の永久磁石を作製するには、
鉄、ネオジム、サマリウム、コバルト等の元素を含有す
る合金粉末を非磁性体から成る円筒形の成形型に充填
し、高温度で圧縮成形して固化させ、その成形体を高周
波加熱で瞬間的に焼結し、成形体の焼結時にＮＳ極即ち
磁力をかけて合金中の磁力線を揃えている。磁力をかけ
た後に、焼結型から円筒形の永久磁石の焼結体を取り出
し、その焼結体の外周面や内周面を研削加工し、永久磁
石の焼結体を作製する。一方、焼結体を補強するための
補強材として、カーボン連続繊維を巻き上げた薄肉外筒
を作製する。そこで、前記薄肉外筒内に永久磁石の焼結
体をプレスで圧入嵌合させて、回転子に仕上げている。
鉄、ネオジム、サマリウム、コバルト等の元素を含有す
る合金粉末を非磁性体から成る円筒形の成形型に充填
し、高温度で圧縮成形して固化させ、その成形体を高周
波加熱で瞬間的に焼結し、成形体の焼結時にＮＳ極即ち
磁力をかけて合金中の磁力線を揃えている。磁力をかけ
た後に、焼結型から円筒形の永久磁石の焼結体を取り出
し、その焼結体の外周面や内周面を研削加工し、永久磁
石の焼結体を作製する。一方、焼結体を補強するための
補強材として、カーボン連続繊維を巻き上げた薄肉外筒
を作製する。そこで、前記薄肉外筒内に永久磁石の焼結
体をプレスで圧入嵌合させて、回転子に仕上げている。
【０００７】しかしながら、永久磁石の焼結体の外周面
や内周面を研削加工するには、その加工が困難であり、
研削加工は長時間かかり、製造コストを大幅にアップさ
せていた。そこで、永久磁石の焼結体に対する研削加工
を如何に容易に且つ迅速に行い、また、焼結体を如何に
高精度に研削加工すると共に製造コストを如何に低減す
るかの課題がある。
や内周面を研削加工するには、その加工が困難であり、
研削加工は長時間かかり、製造コストを大幅にアップさ
せていた。そこで、永久磁石の焼結体に対する研削加工
を如何に容易に且つ迅速に行い、また、焼結体を如何に
高精度に研削加工すると共に製造コストを如何に低減す
るかの課題がある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、回転
子を鉄、ネオジム、サマリウム、コバルトの磁性粉末を
焼結した永久磁石から構成し、前記永久磁石の外側をカ
ーボン繊維又はセラミック繊維を巻き上げた薄肉の巻線
体又は織布体から成る外筒で補強し、前記外筒と前記永
久磁石との間に焼結時に発生する隙間を樹脂材で埋めて
両者の固定状態を安定させ、外筒の外径を容易に研削加
工した後に、永久磁石の円筒体の内径を研削加工して、
研削加工を極めて容易に、迅速に且つ高精度に研削加工
を行い、それによって製造コストを低減した発電機にお
けるロータの構造及びロータの製造方法を提供すること
である。
子を鉄、ネオジム、サマリウム、コバルトの磁性粉末を
焼結した永久磁石から構成し、前記永久磁石の外側をカ
ーボン繊維又はセラミック繊維を巻き上げた薄肉の巻線
体又は織布体から成る外筒で補強し、前記外筒と前記永
久磁石との間に焼結時に発生する隙間を樹脂材で埋めて
両者の固定状態を安定させ、外筒の外径を容易に研削加
工した後に、永久磁石の円筒体の内径を研削加工して、
研削加工を極めて容易に、迅速に且つ高精度に研削加工
を行い、それによって製造コストを低減した発電機にお
けるロータの構造及びロータの製造方法を提供すること
である。
【０００９】この発明は、ハウジングに回転可能に支持
された回転軸、前記回転軸に取り付けられた永久磁石か
ら成る回転子、及び前記回転子の外周に配置されたステ
ータから成る発電機において、前記回転子はカーボン繊
維又はセラミック繊維の巻線体又は織布体から成る外筒
及び前記外筒内に配置された前記永久磁石から成る円筒
体から構成され、前記円筒体は前記外筒内に充填された
少なくとも鉄、ネオジウム、サマリウム、コバルトを原
料とする混合粉末を成形固化して焼結すると共に着磁さ
れていることを特徴とする発電機におけるロータの構造
に関するものである。
された回転軸、前記回転軸に取り付けられた永久磁石か
ら成る回転子、及び前記回転子の外周に配置されたステ
ータから成る発電機において、前記回転子はカーボン繊
維又はセラミック繊維の巻線体又は織布体から成る外筒
及び前記外筒内に配置された前記永久磁石から成る円筒
体から構成され、前記円筒体は前記外筒内に充填された
少なくとも鉄、ネオジウム、サマリウム、コバルトを原
料とする混合粉末を成形固化して焼結すると共に着磁さ
れていることを特徴とする発電機におけるロータの構造
に関するものである。
【００１０】また、前記外筒は前記カーボン繊維又はセ
ラミック繊維の前記巻線体又は織布体に樹脂材を溶融含
浸させて作製されている。
ラミック繊維の前記巻線体又は織布体に樹脂材を溶融含
浸させて作製されている。
【００１１】また、セラミック繊維の前記巻線体又は織
布体から成る前記外筒に前記永久磁石から成る筒体を内
封したものである。また、前記樹脂材には強度と熱伝導
性をアップするため熱伝導率の大きいセラミック繊維材
が混入されている。
布体から成る前記外筒に前記永久磁石から成る筒体を内
封したものである。また、前記樹脂材には強度と熱伝導
性をアップするため熱伝導率の大きいセラミック繊維材
が混入されている。
【００１２】また、前記外筒と前記円筒体との馴染みを
良好にするため、前記外筒の内側に弾性を有するカーボ
ンやグラファイトの薄肉材を配置したものである。
良好にするため、前記外筒の内側に弾性を有するカーボ
ンやグラファイトの薄肉材を配置したものである。
【００１３】又は、この発明は、カーボン繊維又はセラ
ミック繊維を巻き上げて薄肉円筒状の巻線体又は織布体
から成る外筒を作製し、前記外筒を環状成形型に配置す
ると共に前記外筒の内側に少なくとも鉄、ネオジウム、
サマリウム、コバルトを原料とする磁性粉末を充填し、
前記磁性粉末を押圧成形した後、無酸素雰囲気で着磁し
ながら加熱焼結して前記磁性粉末を永久磁石に転化させ
たことから成る発電機におけるロータの製造方法に関す
るものである。
ミック繊維を巻き上げて薄肉円筒状の巻線体又は織布体
から成る外筒を作製し、前記外筒を環状成形型に配置す
ると共に前記外筒の内側に少なくとも鉄、ネオジウム、
サマリウム、コバルトを原料とする磁性粉末を充填し、
前記磁性粉末を押圧成形した後、無酸素雰囲気で着磁し
ながら加熱焼結して前記磁性粉末を永久磁石に転化させ
たことから成る発電機におけるロータの製造方法に関す
るものである。
【００１４】また、この発電機におけるロータの製造方
法は、前記外筒と前記永久磁石との境界部に焼結時に発
生する隙間に樹脂材を加圧含浸させることから成る。更
に、前記樹脂材には強度と熱伝導性をアップするため熱
伝導率の大きいセラミック繊維材が混入されている。
法は、前記外筒と前記永久磁石との境界部に焼結時に発
生する隙間に樹脂材を加圧含浸させることから成る。更
に、前記樹脂材には強度と熱伝導性をアップするため熱
伝導率の大きいセラミック繊維材が混入されている。
【００１５】この発電機におけるロータの構造及びロー
タの製造方法は、上記のように、焼結体の永久磁石から
成る円筒体をカーボン繊維又はセラミック繊維で補強で
き、樹脂材とカーボン繊維とで形成されている外筒を容
易に、迅速に且つ高精度に研削加工でき、次いで、外筒
の外周面を基準にして円筒体の内面面を研削加工するの
みであるから、加工時間が半分以下で済み、製造コスト
を大幅に低減できる。また、永久磁石は、２００℃以上
の温度では減磁するので、２００℃以下の雰囲気環境で
使用され、外筒と円筒体との間に樹脂材を浸透させて
も、樹脂材が溶融したり劣化することがなく、強度を維
持することができる。また、樹脂材に補強材としてカー
ボン短繊維等を加えれば、強度を更にアップさせること
ができる。
タの製造方法は、上記のように、焼結体の永久磁石から
成る円筒体をカーボン繊維又はセラミック繊維で補強で
き、樹脂材とカーボン繊維とで形成されている外筒を容
易に、迅速に且つ高精度に研削加工でき、次いで、外筒
の外周面を基準にして円筒体の内面面を研削加工するの
みであるから、加工時間が半分以下で済み、製造コスト
を大幅に低減できる。また、永久磁石は、２００℃以上
の温度では減磁するので、２００℃以下の雰囲気環境で
使用され、外筒と円筒体との間に樹脂材を浸透させて
も、樹脂材が溶融したり劣化することがなく、強度を維
持することができる。また、樹脂材に補強材としてカー
ボン短繊維等を加えれば、強度を更にアップさせること
ができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による発電機におけるロータの構造の実施例を説明す
る。図１はこの発明によるロータの構造を組み込んだ発
電機を示す断面図、及び図２は図１のロータの構造を作
製する製造工程を示す説明図である。
による発電機におけるロータの構造の実施例を説明す
る。図１はこの発明によるロータの構造を組み込んだ発
電機を示す断面図、及び図２は図１のロータの構造を作
製する製造工程を示す説明図である。
【００１７】この発明によるロータの構造を組み込んだ
発電機は、主として、一対のハウジング１Ａ，１Ｂから
成るケース１に一対の軸受８を介して回転可能にそれぞ
れ支持されている回転軸２、回転軸２に固定されている
ロータを構成する回転子５、及び回転子５の外周で回転
子５との間に隙間１９を形成してケース１に固定されて
いるステータ６を有している。回転子５は、その一端が
回転軸２に設けたストッパ９に当接し、他端が回転軸２
に螺入された固定ナット１０によって回転軸２に固定さ
れている。また、回転軸２の一端には、伝達歯車１１が
固定され、伝達歯車１１には入力又は出力用の歯車１２
が噛み合っている。ステータ６は、積層された薄板にス
テータコイル７が巻き付けられている。例えば、例え
ば、歯車１２がエンジンの出力軸に連結されれば、エン
ジンの回転力が発電機の回転軸２に伝達され、発電機が
発電することになる。
発電機は、主として、一対のハウジング１Ａ，１Ｂから
成るケース１に一対の軸受８を介して回転可能にそれぞ
れ支持されている回転軸２、回転軸２に固定されている
ロータを構成する回転子５、及び回転子５の外周で回転
子５との間に隙間１９を形成してケース１に固定されて
いるステータ６を有している。回転子５は、その一端が
回転軸２に設けたストッパ９に当接し、他端が回転軸２
に螺入された固定ナット１０によって回転軸２に固定さ
れている。また、回転軸２の一端には、伝達歯車１１が
固定され、伝達歯車１１には入力又は出力用の歯車１２
が噛み合っている。ステータ６は、積層された薄板にス
テータコイル７が巻き付けられている。例えば、例え
ば、歯車１２がエンジンの出力軸に連結されれば、エン
ジンの回転力が発電機の回転軸２に伝達され、発電機が
発電することになる。
【００１８】この発電機におけるロータは、ロータ即ち
回転子５の構造に特徴を有し、回転子５は、永久磁石か
ら成る円筒体３と、円筒体３の外周に配置されたカーボ
ン繊維又はセラミック繊維の巻線体又は織布体から成る
薄肉の外筒４とから構成されている。円筒体３は、焼結
型に配置された外筒４内に鉄、ネオジウム、サマリウ
ム、コバルト等を原料とする混合磁性粉末を充填し、磁
性粉末を成形固化して密度をアップし、その成形体を焼
結すると共にＮＳ極の磁界をかけて着磁されているもの
である。
回転子５の構造に特徴を有し、回転子５は、永久磁石か
ら成る円筒体３と、円筒体３の外周に配置されたカーボ
ン繊維又はセラミック繊維の巻線体又は織布体から成る
薄肉の外筒４とから構成されている。円筒体３は、焼結
型に配置された外筒４内に鉄、ネオジウム、サマリウ
ム、コバルト等を原料とする混合磁性粉末を充填し、磁
性粉末を成形固化して密度をアップし、その成形体を焼
結すると共にＮＳ極の磁界をかけて着磁されているもの
である。
【００１９】更に、円筒体３の外周に位置する外筒４
は、カーボン繊維又はセラミック繊維から成る巻線体又
は織布体にプラスチック即ち樹脂材を溶融含浸させた非
磁性材から作製されている。樹脂材は、巻線体の全体に
浸透し、巻線体自体の保形を維持するように固定するこ
とができる。従って、外筒４の外周面に対して研削加工
を可能にし、回転子５の外径を高精度に研削加工するこ
とができる。
は、カーボン繊維又はセラミック繊維から成る巻線体又
は織布体にプラスチック即ち樹脂材を溶融含浸させた非
磁性材から作製されている。樹脂材は、巻線体の全体に
浸透し、巻線体自体の保形を維持するように固定するこ
とができる。従って、外筒４の外周面に対して研削加工
を可能にし、回転子５の外径を高精度に研削加工するこ
とができる。
【００２０】また、外筒４と円筒体３との馴染みを良好
にするため、外筒４の内側に弾性を有するカーボンやグ
ラファイトの薄肉材を配置することもできる。また、外
筒４を構成する樹脂材には、強度と熱伝導性をアップす
るため、ＡｌＮ、ＳｉＣ等の熱伝導率の大きいセラミッ
ク繊維材が混入されている。また、外筒４を構成する樹
脂材には、アルミニウム又はその合金を浸透させること
ができる。また、外筒４の透磁性をアップするため、樹
脂材に鉄粉を混合することもできる。
にするため、外筒４の内側に弾性を有するカーボンやグ
ラファイトの薄肉材を配置することもできる。また、外
筒４を構成する樹脂材には、強度と熱伝導性をアップす
るため、ＡｌＮ、ＳｉＣ等の熱伝導率の大きいセラミッ
ク繊維材が混入されている。また、外筒４を構成する樹
脂材には、アルミニウム又はその合金を浸透させること
ができる。また、外筒４の透磁性をアップするため、樹
脂材に鉄粉を混合することもできる。
【００２１】次に、図１及び図２を参照して、この発電
機におけるロータの構造の製造方法について説明する。
この発電機におけるロータの製造方法は、主として、カ
ーボン繊維又はセラミック繊維を巻き上げて薄肉円筒状
の外筒４を作製し、外筒４を環状成形型１３及び環状成
形型１３の中央に設けられた中子１４から成る非磁性材
から成る成形型に配置し、外筒１の内側に鉄、ネオジウ
ムを原料とする磁性粉末３Ａを充填し、磁性粉末３Ａを
押圧成形して密度をアップした後、不活性ガスやＮ2 ガ
スから成る無酸素雰囲気１８でＮＳ極１６の磁界をかけ
て着磁しながら加熱焼結して磁性粉末３Ａを永久磁石の
円筒体３に転化させることから成る。更に、この発電機
におけるロータの製造方法は、外筒４と永久磁石の円筒
体３との境界部に焼結時に発生する隙間に樹脂材を加圧
含浸させる工程を有している。また、樹脂材には、強度
と熱伝導性をアップするため熱伝導率の大きいＡｌＮ、
ＳｉＣ等のセラミック繊維材が混入されている。
機におけるロータの構造の製造方法について説明する。
この発電機におけるロータの製造方法は、主として、カ
ーボン繊維又はセラミック繊維を巻き上げて薄肉円筒状
の外筒４を作製し、外筒４を環状成形型１３及び環状成
形型１３の中央に設けられた中子１４から成る非磁性材
から成る成形型に配置し、外筒１の内側に鉄、ネオジウ
ムを原料とする磁性粉末３Ａを充填し、磁性粉末３Ａを
押圧成形して密度をアップした後、不活性ガスやＮ2 ガ
スから成る無酸素雰囲気１８でＮＳ極１６の磁界をかけ
て着磁しながら加熱焼結して磁性粉末３Ａを永久磁石の
円筒体３に転化させることから成る。更に、この発電機
におけるロータの製造方法は、外筒４と永久磁石の円筒
体３との境界部に焼結時に発生する隙間に樹脂材を加圧
含浸させる工程を有している。また、樹脂材には、強度
と熱伝導性をアップするため熱伝導率の大きいＡｌＮ、
ＳｉＣ等のセラミック繊維材が混入されている。
【００２２】この実施例では、まず、焼結体を補強する
ための補強材として、カーボン連続繊維又はセラミック
連続繊維を巻き上げた巻線体又は織布体を樹脂材で固め
た薄肉の外筒４を作製する。外筒４を成形型１３と成形
型を構成する中子１４に配置し、外筒４の内側に鉄、ネ
オジム、サマリウム、コバルト等の元素を含有する磁性
粉末３Ａを焼結型を構成する外型１３と焼結型を構成す
る中子１４に充填し、そこで、不活性ガスとして窒素ガ
ス１８を封入してプレス１５によって圧縮成形して成形
体を作製し、ヒータ１７によって、例えば、１３００℃
の高温度で焼結すると共に、その成形体を所定の方向に
磁極ができるように磁界１６をかけて磁力線を揃えて着
磁させた。成形体の形状は、焼結に先立って、最終形状
が高精度になるように、所定の形状に近づけた形状に成
形した。
ための補強材として、カーボン連続繊維又はセラミック
連続繊維を巻き上げた巻線体又は織布体を樹脂材で固め
た薄肉の外筒４を作製する。外筒４を成形型１３と成形
型を構成する中子１４に配置し、外筒４の内側に鉄、ネ
オジム、サマリウム、コバルト等の元素を含有する磁性
粉末３Ａを焼結型を構成する外型１３と焼結型を構成す
る中子１４に充填し、そこで、不活性ガスとして窒素ガ
ス１８を封入してプレス１５によって圧縮成形して成形
体を作製し、ヒータ１７によって、例えば、１３００℃
の高温度で焼結すると共に、その成形体を所定の方向に
磁極ができるように磁界１６をかけて磁力線を揃えて着
磁させた。成形体の形状は、焼結に先立って、最終形状
が高精度になるように、所定の形状に近づけた形状に成
形した。
【００２３】更に、外型１３と中子１４の上方に設けた
樹脂材を供給できる高圧タンクから樹脂材を供給する。
即ち、磁性粉末３Ａの成形体を焼結することによって部
分的に隙間が発生し、外筒４と焼結体との間には隙間部
が発生する。そこで、外筒４と焼結体から成る円筒体３
との境界部に発生した隙間に高圧タンクから供給される
溶融樹脂材を浸透させ、隙間に浸透した溶融樹脂を固化
させる。この時、高圧タンクからの樹脂材は、外筒４の
カーボン繊維又はセラミック繊維の巻線体又は織布体の
隙間にも浸透し、外筒４と円筒体３の永久磁石との固定
状態を安定した強固なものとする。
樹脂材を供給できる高圧タンクから樹脂材を供給する。
即ち、磁性粉末３Ａの成形体を焼結することによって部
分的に隙間が発生し、外筒４と焼結体との間には隙間部
が発生する。そこで、外筒４と焼結体から成る円筒体３
との境界部に発生した隙間に高圧タンクから供給される
溶融樹脂材を浸透させ、隙間に浸透した溶融樹脂を固化
させる。この時、高圧タンクからの樹脂材は、外筒４の
カーボン繊維又はセラミック繊維の巻線体又は織布体の
隙間にも浸透し、外筒４と円筒体３の永久磁石との固定
状態を安定した強固なものとする。
【００２４】
【発明の効果】この発明による発電機におけるロータの
構造及びロータの製造方法は、上記のように、カーボン
繊維又はセラミック繊維を巻き上げて構成した外筒内に
磁性粉体を充填して焼結して回転子を作製し、焼結収縮
で発生した隙間には樹脂材が充填されているので、両者
の固定状態が安定し、耐久性を向上させることができ
る。また、永久磁石を構成する円筒体は、その外周に樹
脂材を含んだカーボン繊維又はセラミック繊維から成る
外筒が設けられているので、円筒体の外周面及び内周面
を高精度に且つ容易に研削加工を施すことができ、製造
コストを大幅に低減できる。
構造及びロータの製造方法は、上記のように、カーボン
繊維又はセラミック繊維を巻き上げて構成した外筒内に
磁性粉体を充填して焼結して回転子を作製し、焼結収縮
で発生した隙間には樹脂材が充填されているので、両者
の固定状態が安定し、耐久性を向上させることができ
る。また、永久磁石を構成する円筒体は、その外周に樹
脂材を含んだカーボン繊維又はセラミック繊維から成る
外筒が設けられているので、円筒体の外周面及び内周面
を高精度に且つ容易に研削加工を施すことができ、製造
コストを大幅に低減できる。
【００２５】このロータの構造は、例えば、回転エネル
ギを電気エネルギに変換する発電・電動機の交流機にお
ける回転子として組み込むことができ、該交流機をコジ
ェネレーションシステム、自動車用エンジン等のエネル
ギ回収装置等に容易に適用でき、高速回転にも耐えるこ
とができ、しかも回転子が高精度に研削加工されている
ことから、所定の性能を発揮でき、極めて好ましいもの
である。
ギを電気エネルギに変換する発電・電動機の交流機にお
ける回転子として組み込むことができ、該交流機をコジ
ェネレーションシステム、自動車用エンジン等のエネル
ギ回収装置等に容易に適用でき、高速回転にも耐えるこ
とができ、しかも回転子が高精度に研削加工されている
ことから、所定の性能を発揮でき、極めて好ましいもの
である。
【図１】この発明によるロータの構造を組み込んだ発電
機を示す断面図である。
機を示す断面図である。
【図２】図１のロータを作製する製造方法を説明する概
略図である。
略図である。
１ ケース １Ａ，１Ｂ ハウジング ２ 回転軸 ３ 円筒体 ４ 外筒 ５ 回転子 ６ ステータ １３ 外型（焼結型） １４ 中子（焼結型） １８ 不活性ガス
Claims (7)
- 【請求項１】 ハウジングに回転可能に支持された回転
軸、前記回転軸に取り付けられた永久磁石から成る回転
子、及び前記回転子の外周に配置されたステータから成
る発電機において、前記回転子はカーボン繊維又はセラ
ミック繊維の巻線体又は織布体から成る外筒及び前記外
筒内に配置された前記永久磁石から成る円筒体から構成
され、前記円筒体は前記外筒内に充填された少なくとも
鉄、ネオジウム、サマリウム、コバルトを原料とする混
合粉末を成形固化して焼結すると共に着磁されているこ
とを特徴とする発電機におけるロータの構造。 - 【請求項２】 前記外筒は前記カーボン繊維又はセラミ
ック繊維の前記巻線体又は織布体に樹脂材を溶融含浸さ
せて作製されていることを特徴とする請求項１に記載の
発電機におけるロータの構造。 - 【請求項３】 セラミック繊維の前記巻線体又は織布体
から成る前記外筒に前記永久磁石から成る筒体を内封し
たことを特徴とする請求項２に記載の発電機におけるロ
ータの構造。 - 【請求項４】 前記外筒と前記円筒体との馴染みを良好
にするため、前記外筒の内側に弾性を有するカーボンや
グラファイトの薄肉材を配置したことを特徴とする請求
項１〜３のいずれか１項に記載の発電機におけるロータ
の構造。 - 【請求項５】 カーボン繊維又はセラミック繊維を巻き
上げて薄肉円筒状の巻線体又は織布体から成る外筒を作
製し、前記外筒を環状焼結型に配置すると共に前記外筒
の内側に少なくとも鉄、ネオジウムを原料とする磁性粉
末を充填し、前記磁性粉末を押圧成形した後、無酸素雰
囲気で着磁しながら加熱焼結して前記磁性粉末を永久磁
石に転化させたことから成る発電機におけるロータの製
造方法。 - 【請求項６】 前記外筒を含む前記永久磁石に至る境界
部に焼結時に発生する隙間、繊維間の隙間に樹脂材を加
圧含浸させることから成る請求項５に記載の発電機にお
けるロータの製造方法。 - 【請求項７】 前記樹脂材には強度と熱伝導性をアップ
するため熱伝導率の大きいセラミック繊維材が混入され
ていることを特徴とする請求項６に記載の発電機におけ
るロータの製造方法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9020938A JPH10210691A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 発電機におけるロータの構造及びロータの製造方法 |
| EP98300331A EP0854558A3 (en) | 1997-01-21 | 1998-01-19 | Structure of a rotor for generators and method of manufacturing the same rotor |
| US09/009,894 US6144130A (en) | 1997-01-21 | 1998-01-21 | Structure of rotor for generators and method of manufacturing the same rotor |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9020938A JPH10210691A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 発電機におけるロータの構造及びロータの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10210691A true JPH10210691A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=12041159
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9020938A Pending JPH10210691A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 発電機におけるロータの構造及びロータの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10210691A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014180202A (ja) * | 2010-09-23 | 2014-09-25 | Dyson Technology Ltd | 強化マグネット |
| WO2019151766A1 (ko) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | 엘지이노텍 주식회사 | 모터 |
| JP2019213264A (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-12 | 株式会社明電舎 | 回転電機の表面永久磁石型ロータ |
| JP2020511922A (ja) * | 2017-03-22 | 2020-04-16 | ホワイロット エスアエス | 単位磁石のメッシュハウジングを有する、径方向磁束電磁モータまたは発電機用のロータ |
| JP2021052466A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社明電舎 | 炭素繊維強化樹脂成形品 |
| JP2021052458A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社明電舎 | ロータ、及び回転機 |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP9020938A patent/JPH10210691A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014180202A (ja) * | 2010-09-23 | 2014-09-25 | Dyson Technology Ltd | 強化マグネット |
| JP2020511922A (ja) * | 2017-03-22 | 2020-04-16 | ホワイロット エスアエス | 単位磁石のメッシュハウジングを有する、径方向磁束電磁モータまたは発電機用のロータ |
| WO2019151766A1 (ko) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | 엘지이노텍 주식회사 | 모터 |
| US11418085B2 (en) | 2018-02-01 | 2022-08-16 | Lg Innotek Co., Ltd. | Motor for electric power steering and sensing device |
| JP2019213264A (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-12 | 株式会社明電舎 | 回転電機の表面永久磁石型ロータ |
| JP2021052466A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社明電舎 | 炭素繊維強化樹脂成形品 |
| JP2021052458A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社明電舎 | ロータ、及び回転機 |
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