JPH10209386A - 誘電体薄膜キャパシタ - Google Patents
誘電体薄膜キャパシタInfo
- Publication number
- JPH10209386A JPH10209386A JP9008140A JP814097A JPH10209386A JP H10209386 A JPH10209386 A JP H10209386A JP 9008140 A JP9008140 A JP 9008140A JP 814097 A JP814097 A JP 814097A JP H10209386 A JPH10209386 A JP H10209386A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- dielectric thin
- lower electrode
- dielectric
- tantalum nitride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000010409 thin film Substances 0.000 title claims abstract description 157
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 title claims abstract description 60
- MZLGASXMSKOWSE-UHFFFAOYSA-N tantalum nitride Chemical compound [Ta]#N MZLGASXMSKOWSE-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 46
- 239000010408 film Substances 0.000 claims abstract description 28
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims abstract description 20
- 229910052788 barium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 13
- 229910052712 strontium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 13
- 229910002367 SrTiO Inorganic materials 0.000 claims description 10
- 229910052715 tantalum Inorganic materials 0.000 claims description 4
- GUVRBAGPIYLISA-UHFFFAOYSA-N tantalum atom Chemical compound [Ta] GUVRBAGPIYLISA-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 4
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 24
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 abstract description 24
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 abstract description 24
- 238000012360 testing method Methods 0.000 abstract description 20
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 16
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 abstract description 16
- 239000010703 silicon Substances 0.000 abstract description 16
- 239000003989 dielectric material Substances 0.000 abstract description 6
- 238000002347 injection Methods 0.000 abstract description 4
- 239000007924 injection Substances 0.000 abstract description 4
- 230000004888 barrier function Effects 0.000 abstract description 2
- 229910002370 SrTiO3 Inorganic materials 0.000 abstract 2
- 229910010252 TiO3 Inorganic materials 0.000 abstract 2
- 239000000243 solution Substances 0.000 abstract 1
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 65
- BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N platinum Substances [Pt] BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 12
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 11
- 238000000034 method Methods 0.000 description 11
- 229910052454 barium strontium titanate Inorganic materials 0.000 description 10
- 238000004544 sputter deposition Methods 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 5
- 239000012790 adhesive layer Substances 0.000 description 4
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 4
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 4
- 229910052581 Si3N4 Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 3
- 238000009413 insulation Methods 0.000 description 3
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 3
- HQVNEWCFYHHQES-UHFFFAOYSA-N silicon nitride Chemical compound N12[Si]34N5[Si]62N3[Si]51N64 HQVNEWCFYHHQES-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000969 carrier Substances 0.000 description 2
- 238000005566 electron beam evaporation Methods 0.000 description 2
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 238000001755 magnetron sputter deposition Methods 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 2
- 238000001552 radio frequency sputter deposition Methods 0.000 description 2
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 2
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 description 2
- 229910004298 SiO 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000007772 electrode material Substances 0.000 description 1
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 1
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 1
- 230000006870 function Effects 0.000 description 1
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 1
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 1
- BPUBBGLMJRNUCC-UHFFFAOYSA-N oxygen(2-);tantalum(5+) Chemical compound [O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[Ta+5].[Ta+5] BPUBBGLMJRNUCC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052697 platinum Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005036 potential barrier Methods 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 235000012239 silicon dioxide Nutrition 0.000 description 1
- 239000000377 silicon dioxide Substances 0.000 description 1
- 238000005477 sputtering target Methods 0.000 description 1
- VEALVRVVWBQVSL-UHFFFAOYSA-N strontium titanate Chemical compound [Sr+2].[O-][Ti]([O-])=O VEALVRVVWBQVSL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- PBCFLUZVCVVTBY-UHFFFAOYSA-N tantalum pentoxide Inorganic materials O=[Ta](=O)O[Ta](=O)=O PBCFLUZVCVVTBY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000011282 treatment Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Semiconductor Memories (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 本発明は、高温通電での通電時間に伴うリー
ク電流の増大を抑制することができ、絶縁性及び信頼性
に優れた誘電体薄膜キャパシタ素子及びその製造方法を
提供することを目的としている。 【解決手段】 基板1上に下部電極と誘電体薄膜4と上
部電極とが順次配置されて構成される誘電体薄膜キャパ
シタにおいて、下部電極及び上部電極のぞれぞれが誘電
体薄膜4と接する部分に窒化タンタル層3,5を含んだ
構成とする。
ク電流の増大を抑制することができ、絶縁性及び信頼性
に優れた誘電体薄膜キャパシタ素子及びその製造方法を
提供することを目的としている。 【解決手段】 基板1上に下部電極と誘電体薄膜4と上
部電極とが順次配置されて構成される誘電体薄膜キャパ
シタにおいて、下部電極及び上部電極のぞれぞれが誘電
体薄膜4と接する部分に窒化タンタル層3,5を含んだ
構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC用キャパシ
タ、不揮発性メモリ素子等の電子部品に用いられる誘電
体薄膜キャパシタに関するものである。
タ、不揮発性メモリ素子等の電子部品に用いられる誘電
体薄膜キャパシタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、DRAMの信号蓄積用キャパ
シタ、MMIC(Microwave Monolithic Integrated Ce
rcuit)マイクロ波素子用キャパシタ等に代表されるI
C用の誘電体薄膜キャパシタの誘電体材料には、Ta2
O5(五酸化タンタル)、SiO2(二酸化シリコン)、
及びSiN(窒化シリコン)が主に使用されてきた。し
かしながら、近年では、半導体技術の進歩による電子部
品の小型化や高集積化に伴い、キャパシタ面積の縮小化
のために誘電体膜の極薄膜化や3次元構造化が行われて
いる。このため、半導体素子の作製工程はますます複雑
化し、微細加工技術も限界に近づき、歩留まりや信頼性
等に問題を生じている。そこで、従来と比較して誘電率
が高い誘電体薄膜が必要となり、現在では、上記のSi
O2やSiNと比較して誘電率が高い、SrTiO3(チ
タン酸ストロンチウム)や(Ba,Sr)TiO3(チ
タン酸バリウムストロンチウム)等からなる酸化物高誘
電体薄膜の研究が盛んに進められている。
シタ、MMIC(Microwave Monolithic Integrated Ce
rcuit)マイクロ波素子用キャパシタ等に代表されるI
C用の誘電体薄膜キャパシタの誘電体材料には、Ta2
O5(五酸化タンタル)、SiO2(二酸化シリコン)、
及びSiN(窒化シリコン)が主に使用されてきた。し
かしながら、近年では、半導体技術の進歩による電子部
品の小型化や高集積化に伴い、キャパシタ面積の縮小化
のために誘電体膜の極薄膜化や3次元構造化が行われて
いる。このため、半導体素子の作製工程はますます複雑
化し、微細加工技術も限界に近づき、歩留まりや信頼性
等に問題を生じている。そこで、従来と比較して誘電率
が高い誘電体薄膜が必要となり、現在では、上記のSi
O2やSiNと比較して誘電率が高い、SrTiO3(チ
タン酸ストロンチウム)や(Ba,Sr)TiO3(チ
タン酸バリウムストロンチウム)等からなる酸化物高誘
電体薄膜の研究が盛んに進められている。
【0003】これらSrTiO3薄膜や(Ba,Sr)
TiO3薄膜をキャパシタ用誘電体薄膜として用いる場
合、その上下に配置される上部電極及び下部基板の材料
としては、Pt(白金)が広く用いられている。これ
は、Pt上にSrTiO3薄膜や(Ba,Sr)TiO3
薄膜を形成しても、Ptの表面が酸化されにくいからで
ある。
TiO3薄膜をキャパシタ用誘電体薄膜として用いる場
合、その上下に配置される上部電極及び下部基板の材料
としては、Pt(白金)が広く用いられている。これ
は、Pt上にSrTiO3薄膜や(Ba,Sr)TiO3
薄膜を形成しても、Ptの表面が酸化されにくいからで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のSrTiO3や(Ba,Sr)TiO3等の酸化物
高誘電体薄膜を用いた誘電体薄膜キャパシタでは、信頼
性が大きな問題となっていた。即ち、通常の電子部品の
信頼性試験で行われるような、キャパシタをある一定の
温度に保持しある一定の電圧を印加する高温通電試験に
おいて、十分に実用化が可能な特性が得られる高誘電体
薄膜キャパシタ素子は実現できていなかった。例えば、
100℃一定に保持し10Vバイアス印加した場合の高
温通電試験においては、約10時間程度でリーク電流が
3桁から4桁増大してしまい、キャパシタとしての必要
な絶縁性が保てないキャパシタの抵抗劣化という問題が
生じていた。
従来のSrTiO3や(Ba,Sr)TiO3等の酸化物
高誘電体薄膜を用いた誘電体薄膜キャパシタでは、信頼
性が大きな問題となっていた。即ち、通常の電子部品の
信頼性試験で行われるような、キャパシタをある一定の
温度に保持しある一定の電圧を印加する高温通電試験に
おいて、十分に実用化が可能な特性が得られる高誘電体
薄膜キャパシタ素子は実現できていなかった。例えば、
100℃一定に保持し10Vバイアス印加した場合の高
温通電試験においては、約10時間程度でリーク電流が
3桁から4桁増大してしまい、キャパシタとしての必要
な絶縁性が保てないキャパシタの抵抗劣化という問題が
生じていた。
【0005】このようなキャパシタの抵抗劣化の原因と
して、下記のような理由によるものと考えられる。Sr
TiO3や(Ba,Sr)TiO3等の酸化物高誘電体薄
膜において、薄膜成長中にはその中に酸素の格子欠陥
(酸素空孔)が発生する。例えば、通常のRFスパッタ
法を用い基板温度300〜400℃でSrTiO3薄膜
や(Ba,Sr)TiO3薄膜を形成した場合、その薄
膜中には酸素空孔が4〜10mol%程度含まれる。
して、下記のような理由によるものと考えられる。Sr
TiO3や(Ba,Sr)TiO3等の酸化物高誘電体薄
膜において、薄膜成長中にはその中に酸素の格子欠陥
(酸素空孔)が発生する。例えば、通常のRFスパッタ
法を用い基板温度300〜400℃でSrTiO3薄膜
や(Ba,Sr)TiO3薄膜を形成した場合、その薄
膜中には酸素空孔が4〜10mol%程度含まれる。
【0006】この酸素空孔を含んだ誘電体薄膜から成る
キャパシタにおいては、酸素空孔が+2価に帯電してい
るので、高温通電試験での温度加熱と電極への電圧印加
により、酸素空孔が陰極側に移動して行く。そして、陰
極側に移動した酸素空孔は、陰極とSrTiO3又は
(Ba,Sr)TiO3とのポテンシャルバリアのため
に陰極に移動できず、陰極/誘電体薄膜界面でパイルア
ップ(pile up)する。このとき、電気的補償のため陰
極側から電子が注入される。また、一方陽極側からは、
新たに酸素空孔が導入されるが、この際電子をキャリア
として発生させる。これらの現象により、誘電体薄膜全
体としては、誘電率が時間とともに高くなり、リーク電
流が上昇する。このようなキャパシタの上部電極にPt
を用いると、100〜200℃程度で、電圧印加による
酸素空孔の注入が容易に起こってしまう。
キャパシタにおいては、酸素空孔が+2価に帯電してい
るので、高温通電試験での温度加熱と電極への電圧印加
により、酸素空孔が陰極側に移動して行く。そして、陰
極側に移動した酸素空孔は、陰極とSrTiO3又は
(Ba,Sr)TiO3とのポテンシャルバリアのため
に陰極に移動できず、陰極/誘電体薄膜界面でパイルア
ップ(pile up)する。このとき、電気的補償のため陰
極側から電子が注入される。また、一方陽極側からは、
新たに酸素空孔が導入されるが、この際電子をキャリア
として発生させる。これらの現象により、誘電体薄膜全
体としては、誘電率が時間とともに高くなり、リーク電
流が上昇する。このようなキャパシタの上部電極にPt
を用いると、100〜200℃程度で、電圧印加による
酸素空孔の注入が容易に起こってしまう。
【0007】そこで、この酸素空孔を補償してキャパシ
タの劣化を防ぐため、誘電体薄膜の成膜後に酸素雰囲気
中で加熱処理をする酸素アニール処理や、酸素プラズマ
処理を施すことが考えられる。しかしながら、これらの
処理を行っても、酸素が熱平衡的に安定に誘電体結晶格
子に組み込まれないため、誘電体薄膜の成膜後に酸素空
孔を低減することは困難なことである。
タの劣化を防ぐため、誘電体薄膜の成膜後に酸素雰囲気
中で加熱処理をする酸素アニール処理や、酸素プラズマ
処理を施すことが考えられる。しかしながら、これらの
処理を行っても、酸素が熱平衡的に安定に誘電体結晶格
子に組み込まれないため、誘電体薄膜の成膜後に酸素空
孔を低減することは困難なことである。
【0008】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、高温通電での通電時間に伴
うリーク電流の増大を抑制することができ、絶縁性及び
信頼性に優れた誘電体薄膜キャパシタを提供することを
目的としている。
めになされたものであって、高温通電での通電時間に伴
うリーク電流の増大を抑制することができ、絶縁性及び
信頼性に優れた誘電体薄膜キャパシタを提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、基板上に下部電極と誘電体薄膜と上部
電極とが順次配置されて構成される誘電体薄膜キャパシ
タにおいて、下部電極及び上部電極のぞれぞれが誘電体
薄膜と接する部分に窒化タンタル層を含んだ構成として
いる。
め、本発明では、基板上に下部電極と誘電体薄膜と上部
電極とが順次配置されて構成される誘電体薄膜キャパシ
タにおいて、下部電極及び上部電極のぞれぞれが誘電体
薄膜と接する部分に窒化タンタル層を含んだ構成として
いる。
【0010】さらに、本発明では、上記の誘電体薄膜キ
ャパシタにおいて、下部電極をは窒化タンタル層及びタ
ンタル層の積層膜から構成している。
ャパシタにおいて、下部電極をは窒化タンタル層及びタ
ンタル層の積層膜から構成している。
【0011】また、本発明では、上記の誘電体薄膜キャ
パシタにおいて、下部電極を窒化タンタル層とタンタル
層と窒化タンタル層とが順次配置された積層膜から構成
している。
パシタにおいて、下部電極を窒化タンタル層とタンタル
層と窒化タンタル層とが順次配置された積層膜から構成
している。
【0012】また、本発明では、上記の誘電体薄膜キャ
パシタにおいて、誘電体薄膜をSrTiO3から構成し
ている。
パシタにおいて、誘電体薄膜をSrTiO3から構成し
ている。
【0013】また、本発明では、上記の誘電体薄膜キャ
パシタにおいて、誘電体薄膜を(Ba,Sr)TiO3
から構成している。
パシタにおいて、誘電体薄膜を(Ba,Sr)TiO3
から構成している。
【0014】本発明による作用は以下のように考えられ
る。本発明で採用したTaN(窒化タンタル)層が酸素
の拡散のバリアとして働くので、上述の発明が解決しよ
うとする課題の欄で説明したような陽極側からの酸素空
孔の注入は起こらない。したがって、高温通電試験によ
っても、SrTiO3や(Ba,Sr)TiO3等の酸化
物高誘電体薄膜中に含まれる酸素空孔の移動のみが起こ
り、キャリアの増大は、この移動した酸素空孔の陰極界
面でのパイルアップに伴う陰極側からの電子注入のみと
なる。このようなTaN(窒化タンタル)層の作用によ
り、上記のようなキャパシタの抵抗劣化等の問題を大幅
に抑制することが可能となる。
る。本発明で採用したTaN(窒化タンタル)層が酸素
の拡散のバリアとして働くので、上述の発明が解決しよ
うとする課題の欄で説明したような陽極側からの酸素空
孔の注入は起こらない。したがって、高温通電試験によ
っても、SrTiO3や(Ba,Sr)TiO3等の酸化
物高誘電体薄膜中に含まれる酸素空孔の移動のみが起こ
り、キャリアの増大は、この移動した酸素空孔の陰極界
面でのパイルアップに伴う陰極側からの電子注入のみと
なる。このようなTaN(窒化タンタル)層の作用によ
り、上記のようなキャパシタの抵抗劣化等の問題を大幅
に抑制することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
て、図面を参照して説明する。
【0016】〔第1の実施形態〕図1は、本発明の第1
の実施形態の誘電体薄膜キャパシタの概略構造を示す断
面図である。図1に示すように、この誘電体薄膜キャパ
シタは、n型シリコン基板1上に、シリコン熱酸化膜
2、窒化タンタル(TaN)下部電極層3、誘電体薄膜
4、TaN上部電極層5が、それぞれ順次形成されてい
るものである。
の実施形態の誘電体薄膜キャパシタの概略構造を示す断
面図である。図1に示すように、この誘電体薄膜キャパ
シタは、n型シリコン基板1上に、シリコン熱酸化膜
2、窒化タンタル(TaN)下部電極層3、誘電体薄膜
4、TaN上部電極層5が、それぞれ順次形成されてい
るものである。
【0017】なお、図1に示した構造は、あくまでも、
後述する本実施形態による誘電体薄膜キャパシタの基本
的な電気特性を評価するためのものであり、本発明によ
る誘電体薄膜キャパシタの構造がこれに限定されるもの
でなく、実際には、DRAMやMMIC等のメモリ素子
を初めとする様々なデバイスに適宜自由な設計で用いら
れるものである。
後述する本実施形態による誘電体薄膜キャパシタの基本
的な電気特性を評価するためのものであり、本発明によ
る誘電体薄膜キャパシタの構造がこれに限定されるもの
でなく、実際には、DRAMやMMIC等のメモリ素子
を初めとする様々なデバイスに適宜自由な設計で用いら
れるものである。
【0018】次いで、第1の実施形態の誘電体薄膜キャ
パシタの作製について説明する。まず、n型シリコン基
板1の表面に、絶縁層として、膜厚200nmのシリコ
ン熱酸化膜2を熱酸化法により形成した。そして、この
シリコン熱酸化膜2上に、RFマグネトロンスパッタ法
を用いて、下部電極層3としてTaN薄膜を形成した。
このときの成膜条件は、スパッタターゲットとしてTa
を用い、スパッタガスとしてArとN2との混合ガス
(Ar:N2=5:1)を用い、スパッタガス圧0.6
Pa、RFパワー密度4.5W/cm2、基板温度20
0℃の条件で、膜厚100nmのTaN薄膜を成膜し
た。
パシタの作製について説明する。まず、n型シリコン基
板1の表面に、絶縁層として、膜厚200nmのシリコ
ン熱酸化膜2を熱酸化法により形成した。そして、この
シリコン熱酸化膜2上に、RFマグネトロンスパッタ法
を用いて、下部電極層3としてTaN薄膜を形成した。
このときの成膜条件は、スパッタターゲットとしてTa
を用い、スパッタガスとしてArとN2との混合ガス
(Ar:N2=5:1)を用い、スパッタガス圧0.6
Pa、RFパワー密度4.5W/cm2、基板温度20
0℃の条件で、膜厚100nmのTaN薄膜を成膜し
た。
【0019】次に、このようにして形成したTaN下部
電極層3上に、誘電体薄膜4をRFマグネトロンスパッ
タ法を用いて形成した。本実施形態では、誘電体薄膜4
としては、SrTiO3薄膜(以下STO薄膜と記載す
る)を形成したものと(Ba,Sr)TiO3薄膜(以
下BST薄膜と記載する)を形成したものとの2種類の
サンプルを作製した。このときの成膜条件は、スパッタ
ガスとしてO2ガスを用い、スパッタガス圧2Pa、R
Fパワー密度4.5W/cm2、基板温度380℃の条
件で、膜厚300nmの誘電体薄膜4を成膜した。ただ
し、STO薄膜成膜時にはスパッタターゲットとしてS
rTiO3粉体を焼結したものを用い、BST薄膜成膜
時にはスパッタターゲットとして(Ba0.7Sr0.3)T
iO3粉体を焼結したものを用いた。
電極層3上に、誘電体薄膜4をRFマグネトロンスパッ
タ法を用いて形成した。本実施形態では、誘電体薄膜4
としては、SrTiO3薄膜(以下STO薄膜と記載す
る)を形成したものと(Ba,Sr)TiO3薄膜(以
下BST薄膜と記載する)を形成したものとの2種類の
サンプルを作製した。このときの成膜条件は、スパッタ
ガスとしてO2ガスを用い、スパッタガス圧2Pa、R
Fパワー密度4.5W/cm2、基板温度380℃の条
件で、膜厚300nmの誘電体薄膜4を成膜した。ただ
し、STO薄膜成膜時にはスパッタターゲットとしてS
rTiO3粉体を焼結したものを用い、BST薄膜成膜
時にはスパッタターゲットとして(Ba0.7Sr0.3)T
iO3粉体を焼結したものを用いた。
【0020】その後、本実施形態による誘電体薄膜キャ
パシタの上部電極層5として、上記のそれぞれのサンプ
ルの誘電体薄膜4上に、膜厚100nmのTaN薄膜
を、上記TaN下部電極層3と同様の成膜条件で形成し
た。このときのTaN上部電極層5の形状は、後述の電
気特性を測定するためのものであるので、直径100μ
mの円形とした。
パシタの上部電極層5として、上記のそれぞれのサンプ
ルの誘電体薄膜4上に、膜厚100nmのTaN薄膜
を、上記TaN下部電極層3と同様の成膜条件で形成し
た。このときのTaN上部電極層5の形状は、後述の電
気特性を測定するためのものであるので、直径100μ
mの円形とした。
【0021】上記のようにして作製した誘電体薄膜キャ
パシタの2種類のサンプルについて、それぞれのTaN
上部電極層5とTaN下部電極層3との間に10Vの直
流電圧6を印加した状態で、温度を200℃に保持して
(高温通電試験)、それぞれのサンプルのリーク電流の
時間変化を測定した。その結果について、誘電体薄膜4
がSTO薄膜のサンプルのリーク電流密度の時間変化を
図2に、誘電体薄膜4がBST薄膜のサンプルのリーク
電流密度の時間変化を図3にそれぞれ示す。
パシタの2種類のサンプルについて、それぞれのTaN
上部電極層5とTaN下部電極層3との間に10Vの直
流電圧6を印加した状態で、温度を200℃に保持して
(高温通電試験)、それぞれのサンプルのリーク電流の
時間変化を測定した。その結果について、誘電体薄膜4
がSTO薄膜のサンプルのリーク電流密度の時間変化を
図2に、誘電体薄膜4がBST薄膜のサンプルのリーク
電流密度の時間変化を図3にそれぞれ示す。
【0022】図2及び図3に示すように、いずれの誘電
体薄膜キャパシタにおいても、高温通電試験開始後に1
000時間を経過しても、リーク電流密度の増大は10
%以下と、非常に優れた特性が得られた。
体薄膜キャパシタにおいても、高温通電試験開始後に1
000時間を経過しても、リーク電流密度の増大は10
%以下と、非常に優れた特性が得られた。
【0023】また、本実施形態の2種類の誘電体薄膜キ
ャパシタについて、それぞれの比誘電率を測定した結
果、誘電体薄膜4がSTO薄膜のものでは140、誘電
体薄膜4がBST薄膜のものでは160であった。
ャパシタについて、それぞれの比誘電率を測定した結
果、誘電体薄膜4がSTO薄膜のものでは140、誘電
体薄膜4がBST薄膜のものでは160であった。
【0024】〔比較例〕上記第1の実施形態に対する比
較のため、従来の電極材料であるPtを上部電極及び下
部電極のいずれにも用いた誘電体薄膜キャパシタを作製
した。その概略構造は、図4の断面図に示すように、n
型シリコン基板11上に、シリコン熱酸化膜12、Ti
接着層13、Pt下部電極層14、誘電体薄膜15、P
t上部電極層16が、それぞれ順次形成されているもの
である。
較のため、従来の電極材料であるPtを上部電極及び下
部電極のいずれにも用いた誘電体薄膜キャパシタを作製
した。その概略構造は、図4の断面図に示すように、n
型シリコン基板11上に、シリコン熱酸化膜12、Ti
接着層13、Pt下部電極層14、誘電体薄膜15、P
t上部電極層16が、それぞれ順次形成されているもの
である。
【0025】この比較例の誘電体薄膜キャパシタの作製
は、まず、n型シリコン基板11の表面に膜厚200n
mのシリコン熱酸化膜12を形成した。そして、このシ
リコン熱酸化膜12上に、DCスパッタ法を用いて、P
t下部電極層14の接着層13としてTi薄膜を、スパ
ッタガスにArガスを用い、スパッタガス圧1Pa、D
Cパワー密度4.5W/cm2、基板温度200℃の成
膜条件で、膜厚30nmで形成した。次に、このTi接
着層13の上に、Pt下部電極層14をTi接着層13
と同様の成膜条件で、膜厚100nmで形成した。
は、まず、n型シリコン基板11の表面に膜厚200n
mのシリコン熱酸化膜12を形成した。そして、このシ
リコン熱酸化膜12上に、DCスパッタ法を用いて、P
t下部電極層14の接着層13としてTi薄膜を、スパ
ッタガスにArガスを用い、スパッタガス圧1Pa、D
Cパワー密度4.5W/cm2、基板温度200℃の成
膜条件で、膜厚30nmで形成した。次に、このTi接
着層13の上に、Pt下部電極層14をTi接着層13
と同様の成膜条件で、膜厚100nmで形成した。
【0026】さらに、このPt下部電極層14の上に、
誘電体薄膜15を形成した。誘電体薄膜15としては、
上記第1の実施形態と同様、STO薄膜を用いたサンプ
ルとBTS薄膜を用いたサンプルの2種類を、上記第1
の実施形態と同様の成膜条件で形成した。最後に、この
誘電体薄膜15の上に、電子ビーム蒸着法を用いて、直
径100μmで膜厚100nmのPt上部電極層を形成
した。
誘電体薄膜15を形成した。誘電体薄膜15としては、
上記第1の実施形態と同様、STO薄膜を用いたサンプ
ルとBTS薄膜を用いたサンプルの2種類を、上記第1
の実施形態と同様の成膜条件で形成した。最後に、この
誘電体薄膜15の上に、電子ビーム蒸着法を用いて、直
径100μmで膜厚100nmのPt上部電極層を形成
した。
【0027】このようにして作製した比較例の誘電体薄
膜キャパシタについて、Pt上部電極層16とPt下部
電極層14との間に、上記第1の実施形態と同様に、1
0Vの直流電圧17を印加した状態で、温度を200℃
に保持して(高温通電試験)、それぞれのサンプルのリ
ーク電流の時間変化を測定した。その結果、誘電体薄膜
15がSTO薄膜のサンプル及びBST薄膜のサンプル
のいずれも、高温通電試験開始後10分程度で、リーク
電流密度が1桁以上増大した。
膜キャパシタについて、Pt上部電極層16とPt下部
電極層14との間に、上記第1の実施形態と同様に、1
0Vの直流電圧17を印加した状態で、温度を200℃
に保持して(高温通電試験)、それぞれのサンプルのリ
ーク電流の時間変化を測定した。その結果、誘電体薄膜
15がSTO薄膜のサンプル及びBST薄膜のサンプル
のいずれも、高温通電試験開始後10分程度で、リーク
電流密度が1桁以上増大した。
【0028】また、比較例の2種類の誘電体薄膜キャパ
シタについて、それぞれの比誘電率を測定した結果、誘
電体薄膜15がSTO薄膜のものでは142、誘電体薄
膜15がBST薄膜のものでは163と、上記第1の実
施形態とほぼ同等の値であった。
シタについて、それぞれの比誘電率を測定した結果、誘
電体薄膜15がSTO薄膜のものでは142、誘電体薄
膜15がBST薄膜のものでは163と、上記第1の実
施形態とほぼ同等の値であった。
【0029】〔第2の実施形態〕第2の実施形態では、
上記第1の実施形態で下部電極層にTaN層単層を用い
たが、配線抵抗を下げるために、下部電極層としてTa
N/Taの積層構造を採用したものである。その概略構
造は、図5の断面図に示すように、n型シリコン基板2
1上に、シリコン熱酸化膜22、Ta薄膜層23及びT
aN薄膜層24から成る下部電極層25、誘電体薄膜2
6、TaN上部電極層27が、それぞれ順次形成されて
いるものである。
上記第1の実施形態で下部電極層にTaN層単層を用い
たが、配線抵抗を下げるために、下部電極層としてTa
N/Taの積層構造を採用したものである。その概略構
造は、図5の断面図に示すように、n型シリコン基板2
1上に、シリコン熱酸化膜22、Ta薄膜層23及びT
aN薄膜層24から成る下部電極層25、誘電体薄膜2
6、TaN上部電極層27が、それぞれ順次形成されて
いるものである。
【0030】第2の実施形態の誘電体薄膜キャパシタの
作製は、上記第1の実施形態と同様にして、n型シリコ
ン基板21上にシリコン熱酸化膜22を形成した後、R
Fスパッタ法を用いて、スパッタターゲットとしてTa
を用い、スパッタガスにArとN2との混合ガス(A
r:N2=100:1)を用い、スパッタガス圧0.7
Pa、RFパワー密度4.5W/cm2、基板温度20
0℃の成膜条件で、膜厚30nmのTa薄膜層23を形
成した。これ以降は、上記第1の実施形態と同様にし
て、TaN薄膜層24、誘電体薄膜26、TaN上部電
極層27のそれぞれを順次形成した。
作製は、上記第1の実施形態と同様にして、n型シリコ
ン基板21上にシリコン熱酸化膜22を形成した後、R
Fスパッタ法を用いて、スパッタターゲットとしてTa
を用い、スパッタガスにArとN2との混合ガス(A
r:N2=100:1)を用い、スパッタガス圧0.7
Pa、RFパワー密度4.5W/cm2、基板温度20
0℃の成膜条件で、膜厚30nmのTa薄膜層23を形
成した。これ以降は、上記第1の実施形態と同様にし
て、TaN薄膜層24、誘電体薄膜26、TaN上部電
極層27のそれぞれを順次形成した。
【0031】上記のようにして作製した誘電体薄膜キャ
パシタの2種類のサンプル(誘電体薄膜26がSTO薄
膜又はBTS薄膜)について、それぞれのTaN上部電
極層26とTa薄膜層23及びTaN薄膜層24から成
る下部電極層25との間に10Vの直流電圧28を印加
した状態で、温度を200℃に保持して(高温通電試
験)、それぞれのサンプルのリーク電流の時間変化を測
定した。その結果について、誘電体薄膜26がSTO薄
膜のサンプルのリーク電流密度の時間変化を図6に、誘
電体薄膜26がBST薄膜のサンプルのリーク電流密度
の時間変化を図7にそれぞれ示す。
パシタの2種類のサンプル(誘電体薄膜26がSTO薄
膜又はBTS薄膜)について、それぞれのTaN上部電
極層26とTa薄膜層23及びTaN薄膜層24から成
る下部電極層25との間に10Vの直流電圧28を印加
した状態で、温度を200℃に保持して(高温通電試
験)、それぞれのサンプルのリーク電流の時間変化を測
定した。その結果について、誘電体薄膜26がSTO薄
膜のサンプルのリーク電流密度の時間変化を図6に、誘
電体薄膜26がBST薄膜のサンプルのリーク電流密度
の時間変化を図7にそれぞれ示す。
【0032】図6及び図7に示すように、いずれの誘電
体薄膜キャパシタにおいても、高温通電試験開始後に1
000時間を経過しても、リーク電流密度の増大は10
%以下と、非常に優れた特性が得られた。
体薄膜キャパシタにおいても、高温通電試験開始後に1
000時間を経過しても、リーク電流密度の増大は10
%以下と、非常に優れた特性が得られた。
【0033】また、本実施形態の2種類の誘電体薄膜キ
ャパシタについて、それぞれの比誘電率を測定した結
果、誘電体薄膜26がSTO薄膜のものでは140、誘
電体薄膜26がBST薄膜のものでは160であった。
ャパシタについて、それぞれの比誘電率を測定した結
果、誘電体薄膜26がSTO薄膜のものでは140、誘
電体薄膜26がBST薄膜のものでは160であった。
【0034】〔第3の実施形態〕第3の実施形態では、
基板としてガラス基板を用いた場合、下部電極層のガラ
ス基板の密着性の向上と下部基板層の低抵抗化のため
に、下部電極層としてTaN/Ta/TaNの積層構造
を採用したものである。その概略構造は、図8の断面図
に示すように、ガラス基板31上に、TaN薄膜層32
とTa薄膜層33とTaN薄膜層34とから成る下部電
極層35、誘電体薄膜36、TaN上部電極層37が、
それぞれ順次形成されているものである。
基板としてガラス基板を用いた場合、下部電極層のガラ
ス基板の密着性の向上と下部基板層の低抵抗化のため
に、下部電極層としてTaN/Ta/TaNの積層構造
を採用したものである。その概略構造は、図8の断面図
に示すように、ガラス基板31上に、TaN薄膜層32
とTa薄膜層33とTaN薄膜層34とから成る下部電
極層35、誘電体薄膜36、TaN上部電極層37が、
それぞれ順次形成されているものである。
【0035】第3の実施形態の誘電体薄膜キャパシタの
作製は、ガラス基板31上に、上記第1の実施形態のT
aN下部電極層3の成膜条件と同様にしてTaN薄膜層
32を形成した。これ以降は、上記第1の実施形態と同
様にして、Ta薄膜層33、TaN薄膜層34、誘電体
薄膜36、TaN上部電極層37のそれぞれを順次形成
した。
作製は、ガラス基板31上に、上記第1の実施形態のT
aN下部電極層3の成膜条件と同様にしてTaN薄膜層
32を形成した。これ以降は、上記第1の実施形態と同
様にして、Ta薄膜層33、TaN薄膜層34、誘電体
薄膜36、TaN上部電極層37のそれぞれを順次形成
した。
【0036】上記のようにして作製した誘電体薄膜キャ
パシタの2種類のサンプル(誘電体薄膜36がSTO薄
膜又はBTS薄膜)について、それぞれのTaN上部電
極層37−下部電極層36(TaN薄膜層32とTa薄
膜層33とTaN薄膜層34とから成る)間に10Vの
直流電圧38を印加した状態で、温度を200℃に保持
して(高温通電試験)、それぞれのサンプルのリーク電
流の時間変化を測定した。その結果について、誘電体薄
膜36がSTO薄膜のサンプルのリーク電流密度の時間
変化を図9に、誘電体薄膜36がBST薄膜のサンプル
のリーク電流密度の時間変化を図10にそれぞれ示す。
パシタの2種類のサンプル(誘電体薄膜36がSTO薄
膜又はBTS薄膜)について、それぞれのTaN上部電
極層37−下部電極層36(TaN薄膜層32とTa薄
膜層33とTaN薄膜層34とから成る)間に10Vの
直流電圧38を印加した状態で、温度を200℃に保持
して(高温通電試験)、それぞれのサンプルのリーク電
流の時間変化を測定した。その結果について、誘電体薄
膜36がSTO薄膜のサンプルのリーク電流密度の時間
変化を図9に、誘電体薄膜36がBST薄膜のサンプル
のリーク電流密度の時間変化を図10にそれぞれ示す。
【0037】図9及び図10に示すように、いずれの誘
電体薄膜キャパシタにおいても、高温通電試験開始後に
1000時間を経過しても、リーク電流密度の増大は1
0%以下と、非常に優れた特性が得られた。
電体薄膜キャパシタにおいても、高温通電試験開始後に
1000時間を経過しても、リーク電流密度の増大は1
0%以下と、非常に優れた特性が得られた。
【0038】また、本実施形態の2種類の誘電体薄膜キ
ャパシタについて、それぞれの比誘電率を測定した結
果、誘電体薄膜36がSTO薄膜のものでは140、誘
電体薄膜36がBST薄膜のものでは160であった。
ャパシタについて、それぞれの比誘電率を測定した結
果、誘電体薄膜36がSTO薄膜のものでは140、誘
電体薄膜36がBST薄膜のものでは160であった。
【0039】なお、上記第1〜3の実施形態では、Ta
N薄膜の成膜方法として、RFスパッタ法を用いたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、Taを蒸発源
としN2ガスを用いた反応性電子ビーム蒸着法など、他
の成膜方法を用いても良いものである。
N薄膜の成膜方法として、RFスパッタ法を用いたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、Taを蒸発源
としN2ガスを用いた反応性電子ビーム蒸着法など、他
の成膜方法を用いても良いものである。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の誘電体薄膜キャ
パシタによれば、直流電圧印加で1000時間以上高温
動作しても絶縁性がほとんど劣化しない誘電体薄膜キャ
パシタ素子を得ることができるので、信頼性に優れたI
C用薄膜キャパシタを実現することが可能となる。
パシタによれば、直流電圧印加で1000時間以上高温
動作しても絶縁性がほとんど劣化しない誘電体薄膜キャ
パシタ素子を得ることができるので、信頼性に優れたI
C用薄膜キャパシタを実現することが可能となる。
【図1】本発明の第1の実施形態の誘電体薄膜キャパシ
タの概略構造を示す断面図である。
タの概略構造を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の高温通電試験におけるリーク
電流密度の時間変化を示す図である。
電流密度の時間変化を示す図である。
【図3】第1の実施形態の高温通電試験におけるリーク
電流密度の時間変化を示す図である。
電流密度の時間変化を示す図である。
【図4】比較例の誘電体薄膜キャパシタの概略構造を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】第2の実施形態の誘電体薄膜キャパシタの概略
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図6】第2の実施形態の高温通電試験におけるリーク
電流密度の時間変化を示す図である。
電流密度の時間変化を示す図である。
【図7】第2の実施形態の高温通電試験におけるリーク
電流密度の時間変化を示す図である。
電流密度の時間変化を示す図である。
【図8】第3の実施形態の誘電体薄膜キャパシタの概略
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図9】第3の実施形態の高温通電試験におけるリーク
電流密度の時間変化を示す図である。
電流密度の時間変化を示す図である。
【図10】第3の実施形態の高温通電試験におけるリー
ク電流密度の時間変化を示す図である。
ク電流密度の時間変化を示す図である。
1,21 n型シリコン基板 2,22 シリコン熱酸化膜 3 TaN下部電極層 4,26,36 誘電体薄膜層 5,27,37 TaN上部電極層 23,33 Ta薄膜層 24,32,34 TaN薄膜層 25,35 下部電極層 31 ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 昇 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に下部電極と誘電体薄膜と上部電
極とが順次配置されて構成される誘電体薄膜キャパシタ
において、 前記下部電極及び前記上部電極のぞれぞれが前記誘電体
薄膜と接する部分に窒化タンタル層を含むことを特徴と
する誘電体薄膜キャパシタ。 - 【請求項2】 前記下部電極は窒化タンタル層及びタン
タル層の積層膜から成ることを特徴とする請求項1に記
載の誘電体薄膜キャパシタ。 - 【請求項3】 前記下部電極は窒化タンタル層とタンタ
ル層と窒化タンタル層とが順次配置された積層膜から成
ることを特徴とする請求項1に記載の誘電体薄膜キャパ
シタ。 - 【請求項4】 前記誘電体薄膜はSrTiO3から成る
ことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の誘電体
薄膜キャパシタ。 - 【請求項5】 前記誘電体薄膜は(Ba,Sr)TiO
3から成ることを特徴とする請求項1、2、又は3に記
載の誘電体薄膜キャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9008140A JPH10209386A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 誘電体薄膜キャパシタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9008140A JPH10209386A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 誘電体薄膜キャパシタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10209386A true JPH10209386A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11685003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9008140A Pending JPH10209386A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 誘電体薄膜キャパシタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10209386A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100505043B1 (ko) * | 2002-05-25 | 2005-07-29 | 삼성전자주식회사 | 커패시터 형성 방법 |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP9008140A patent/JPH10209386A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100505043B1 (ko) * | 2002-05-25 | 2005-07-29 | 삼성전자주식회사 | 커패시터 형성 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5923056A (en) | Electronic components with doped metal oxide dielectric materials and a process for making electronic components with doped metal oxide dielectric materials | |
US5907470A (en) | Dielectric thin film capacitor element | |
US6873517B2 (en) | Ferroelectric capacitor | |
US11469043B2 (en) | Electronic device comprising conductive material and ferroelectric material | |
EP1039525A1 (en) | Dielectric element and manufacturing method therefor | |
JP2013093589A (ja) | 誘電体材料を含む個別要素又は半導体デバイスを含む集積回路デバイス | |
JPS6349907B2 (ja) | ||
KR100275121B1 (ko) | 강유전체 캐패시터 제조방법 | |
JP3135483B2 (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
US7545625B2 (en) | Electrode for thin film capacitor devices | |
KR100807518B1 (ko) | 온도 보상형 강유전성 커패시터 장치 및 그 제조 | |
Chen et al. | Leakage and interface engineering in titanate thin films for non-volatile ferroelectric memory and ulsi drams | |
KR20070089638A (ko) | 반도체 장치 및 반도체 장치의 제조 방법 | |
JPH10209386A (ja) | 誘電体薄膜キャパシタ | |
JPH0687490B2 (ja) | 薄膜コンデンサおよびその製造方法 | |
JPH09331035A (ja) | 誘電体薄膜キャパシタ素子及びその製造方法 | |
JP2658819B2 (ja) | 薄膜キャパシタ | |
JPH10242393A (ja) | 誘電体薄膜キャパシタ素子及びその製造方法 | |
KR100224656B1 (ko) | 반도체 메모리소자의 커패시터 제조방법 | |
JP2001189422A (ja) | 薄膜キャパシタの製造方法 | |
JP3172665B2 (ja) | 誘電体薄膜キャパシタ素子及びその製造方法 | |
KR100335494B1 (ko) | Bst 유전막에 구리를 함유한 커패시터 및 그 제조방법 | |
JPH0587164B2 (ja) | ||
JPH06112082A (ja) | 薄膜容量素子 | |
JP4234234B2 (ja) | 薄膜の形成方法 |