JPH10209355A - 沸騰冷却装置 - Google Patents

沸騰冷却装置

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JPH10209355A
JPH10209355A JP995097A JP995097A JPH10209355A JP H10209355 A JPH10209355 A JP H10209355A JP 995097 A JP995097 A JP 995097A JP 995097 A JP995097 A JP 995097A JP H10209355 A JPH10209355 A JP H10209355A
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radiating
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    • F28D15/0233Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes the conduits having a particular shape, e.g. non-circular cross-section, annular
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらゆる姿勢での使用に対応できる沸騰冷却
装置1を提供すること。 【解決手段】 沸騰冷却容器3は、一定の間隔を保って
対向する受熱壁5と放熱壁6、この両者間の外周を囲む
周側壁7、受熱壁5と放熱壁6との間に設けられた複数
の柱部材8より成り、受熱壁5、放熱壁6、及び周側壁
7によって密閉された空間が形成され、その閉空間に所
定量の冷媒Rが封入されている。発熱体2は受熱壁5の
表面略中央部に配されて受熱壁5の表面に密着した状態
で受熱壁5に固定されている。放熱フィン4は放熱壁6
の表面全体に配されて放熱壁6の表面に密着した状態で
受熱壁5に固定されている。柱部材8は、放熱壁6及び
周側壁7と一体に複数個設けられて、放熱壁6の平面上
で相互に略等間隔に配置され、先端面が受熱壁5の内壁
面に当接している。冷媒Rは、閉空間の半分強程度の量
が封入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子等の発熱
体を冷却する沸騰冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷媒の沸騰蒸発と凝縮液化の
繰り返しによる熱伝達を利用して発熱体を冷却する沸騰
冷却装置が知られている。この沸騰冷却装置は、冷媒を
収容する冷媒槽と、この冷媒槽の上部に設けられた放熱
器とを備え、冷媒槽で発熱体の熱を吸収して沸騰した冷
媒が冷媒槽から放熱器へ移動し、その放熱器で冷やされ
て凝縮液化した後、再び冷媒槽へ戻る様に構成されてい
る。発熱体から発生した熱は、冷媒が放熱器で凝縮する
際に凝縮潜熱として外部に放出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、携帯端末等の需
要により、あらゆる姿勢での使用に対応できる沸騰冷却
装置が要求されているが、従来の沸騰冷却装置では、冷
媒を如何に冷媒槽へ供給するかが問題となっている。例
えば、沸騰冷却装置を天地方向に逆転した状態で使用す
る場合(冷媒槽が上で放熱器が下)、冷媒が放熱器内に
溜まって冷媒槽へ供給できなくなるため、事実上、冷却
装置として使用できない。本発明は、上記事情に基づい
て成されたもので、その目的は、あらゆる姿勢での使用
に対応できる沸騰冷却装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の手段によれ
ば、伝熱性を有する伝熱部材が沸騰冷却容器内の閉空間
で受熱壁と放熱壁とに接触して設けられている。これに
より、受熱壁が放熱壁より下方に位置する使用状態で
は、閉空間に封入されている冷媒が受熱壁の内壁面に接
触しているため、発熱体の熱は、冷媒の沸騰と凝縮の繰
り返しによって受熱壁から放熱壁へ伝達されるととも
に、伝熱部材を通じても放熱壁へ伝達されて、放熱壁よ
り外部へ放出される。
【0005】請求項2の手段によれば、受熱壁が放熱壁
より天地方向の上方側に配置されている。この場合、閉
空間の冷媒が受熱壁の内壁面に接触していないため、発
熱体の熱は受熱壁から伝熱部材に伝わり、この伝熱部材
を通じて放熱壁へ伝達されるとともに、伝熱部材から冷
媒へ伝達され、冷媒の沸騰と凝縮の繰り返しによって放
熱壁へ伝熱される。これにより、受熱壁が放熱壁より天
地方向の上方側に配置されている場合でも冷媒の沸騰と
凝縮の繰り返しによる熱伝達が可能となり、発熱体の冷
却装置として用いることができる。
【0006】請求項3の手段によれば、伝熱部材が柱状
の部材で構成されている。これにより、請求項1と同様
の効果が得られる。
【0007】請求項4の手段によれば、伝熱部材は、受
熱壁側より放熱壁側の方が太くなっている。この場合、
受熱壁が放熱壁の上方側に配置される使用状態の時は、
受熱壁が放熱壁の下方側に配置される使用状態の時よ
り、閉空間に封入されている冷媒の液面が高くなる。こ
れにより、発熱体の熱が受熱壁から伝熱部材を通じて冷
媒へ伝わる伝熱経路が短くなり、その分、熱抵抗を小さ
くできるため、冷媒液面が低く伝熱経路が大きい場合よ
り放熱性能が向上する。なお、受熱壁側より放熱壁側の
方が太くなっている伝熱部材の形状としては、例えば円
錐形状、あるいは受熱壁側から放熱壁側へ向かって段階
的に太くなる段付き形状等が考えられる。
【0008】請求項5の手段によれば、伝熱部材は、複
数本設けられて、受熱壁及び放熱壁の平面内で発熱体の
取付け部位に密に配置されている。受熱壁の発熱体が取
付けられている部分は、熱流束が高い(単位断面積当た
りの移動熱量が大きい)ため、受熱壁が放熱壁の上方側
に配置される使用状態において受熱壁からより速く冷媒
へ伝熱するためには、伝熱部材の放熱面積(伝熱面積)
を大きく取った方が良い。そこで、発熱体の取付け部位
に伝熱部材を密に配置して放熱面積を大きくすることで
放熱性を向上できる。
【0009】請求項6の手段によれば、放熱壁の内壁面
が凹形状に設けられている。この場合、受熱壁が放熱壁
の上方側に配置される使用状態の時は、受熱壁が放熱壁
の下方側に配置される使用状態の時より、閉空間に封入
されている冷媒の液面が高くなる。これにより、発熱体
の熱が受熱壁から伝熱部材を通じて冷媒へ伝わる伝熱経
路が短くなり、その分、熱抵抗を小さくできるため、冷
媒液面が低く伝熱経路が大きい場合より放熱性能が向上
する。
【0010】請求項7の手段によれば、閉空間の凝縮領
域に冷媒より比重の重い可動体が収容され、この可動体
が沸騰冷却容器の姿勢変化に応じて凝縮領域を移動でき
る。なお、凝縮領域とは、発熱体の熱を受けて沸騰した
冷媒が凝縮潜熱を放出して凝縮できる領域である。これ
により、閉空間の凝縮領域に可動体が収容されていない
場合と比較して、凝縮領域での液冷媒の淀み(凝縮領域
と沸騰領域とを循環しないで淀んでいる液冷媒)を少な
くできることにより放熱性能を向上できる。
【0011】請求項8の手段によれば、放熱フィンが放
熱壁と同一部材で構成されている。この場合、放熱フィ
ンを放熱壁と別体で形成して放熱壁に接触して取り付け
た場合と比較して、両者(放熱フィンと放熱壁)間の接
触熱抵抗が無くなるため、放熱性能が向上する。また、
放熱フィンを放熱壁に取り付ける手間を省くこともでき
る。
【0012】請求項9の手段によれば、放熱フィンが放
熱壁と金属結合(例えば、ろう付け、溶接等)されてい
る。この場合、両者を同一部材で構成した場合と同様
に、両者間の接触熱抵抗が無くなるため、放熱性能が向
上する。
【0013】請求項10の手段によれば、放熱フィンが
中空形状に形成され、その中空部と冷媒が封入された閉
空間とが連通して設けられている。これにより、受熱壁
を放熱壁より天地方向の下方側に配置した状態で沸騰冷
却器を使用した時、沸騰気化した冷媒が放熱フィンの中
空部へ入り込み、中空部の末端部近くで凝縮できるた
め、放熱性能が向上する。また、放熱フィンは、中空部
の体積が冷媒の液体体積より小さくなる様に形成されて
いるため、放熱壁を受熱壁より天地方向の下方側に配置
した状態で沸騰冷却器を使用した場合でも、冷媒の液面
が放熱壁より上方に位置するため、発熱体の熱を受熱壁
から柱部材を経由して冷媒へ伝達することができる。
【0014】請求項11の手段によれば、注入口が設け
られた壁面の一部を内側へ窪ませたことにより、注入口
に接続される注入パイプが容器壁面より外側へ飛び出る
のを無くすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の沸騰冷却装置を図
面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1は沸騰冷却装置の断面図である。本
実施例の沸騰冷却装置1は、携帯端末に使用される半導
体素子等を具備した発熱体2を冷却するもので、沸騰冷
却容器3(下述する)と放熱フィン4から成る。沸騰冷
却容器3は、一定の間隔を保って対向する受熱壁5と放
熱壁6、この両者間の外周を囲む周側壁7、受熱壁5と
放熱壁6との間に設けられた複数の柱部材8(本発明の
伝熱部材)より成り、受熱壁5、放熱壁6、及び周側壁
7によって密閉された空間を形成して、その閉空間に所
定量の冷媒Rが封入されている。
【0016】この沸騰冷却容器3は、例えばアルミニウ
ム等の熱伝導性に優れる金属材料から成り、横寸法及び
縦寸法に対して高さ寸法(図1の上下方向の寸法)が小
さい偏平な箱型(例えば縦:60〜70mm、横:60〜
70mm、高さ:5〜10mm)に設けられている。なお、
放熱壁6、周側壁7、及び柱部材8は一体に成形され、
受熱壁5とろう付けにより気密に組合わされている。容
器3の材料としては、アルミニウム以外に銅、ステンレ
ス等を使用しても良い。本実施例の特徴である柱部材8
は、周側壁7と同じ高さで複数個設けられ、放熱壁6の
平面上で相互に略等間隔に配置されている(図2参
照)。
【0017】冷媒Rは、容器3内に形成される閉空間の
半分強程度(閉空間の容積の約6〜7割)の量が注入パ
イプ9を通じて注入されている(図1参照)。注入パイ
プ9は、図3に示す様に、周側壁7の一部に設けられた
注入口10に接続され、冷媒Rを注入した後、先端を封
じ切って密閉される。なお、容器3の形状は、注入パイ
プ9の飛び出しを無くすために、図4に示す様に、注入
口10が設けられた周側壁7の一部を内側へ窪ませた形
状としても良い。発熱体2は、受熱壁5の表面略中央部
に配されて、図示しないボルト等の締め付けによって受
熱壁5の表面に密着した状態で固定されている。放熱フ
ィン4は、熱伝導性に優れるアルミニウム又は銅等で形
成され、放熱壁6の表面全体に渡って配され、図示しな
いボルト等の締め付けにより放熱壁6の表面に密着した
状態で固定されている。
【0018】次に、本実施例の作動を説明する。 a)沸騰冷却装置1を図5に示す姿勢(受熱壁5が放熱
壁6の下方側に位置する)で使用する場合。 発熱体2から発生した熱は、受熱壁5を通じて容器3内
に封入された冷媒Rに伝達されて冷媒Rを沸騰させる。
但し、発熱体2から受熱壁5へ伝わる熱は、発熱体2の
取付け部位から遠くなる程少なくなるため、容器3内の
冷媒Rは、主に発熱体2の取付け部位に対応する領域
(沸騰領域)で沸騰する。沸騰領域で沸騰した蒸気冷媒
Rは、閉空間を水平方向(図5の左右方向)に拡がり、
閉空間の沸騰領域から外れた領域(凝縮領域)で容器内
壁面(放熱壁6、周側壁7、柱部材8の各壁面)に凝縮
して液化する。液化した冷媒Rは、凝縮領域から再び沸
騰領域へ供給されて、上記サイクル(沸騰−凝縮−液
化)を繰り返す。発熱体2から冷媒Rに伝達された熱
は、蒸気冷媒Rが容器内壁面に凝縮する際に凝縮潜熱と
して放出され、その凝縮潜熱が放熱壁6全体に伝わり、
放熱壁6から放熱フィン4を通じて大気に放出される。
この場合、柱部材8は、沸騰領域では放熱面積を増大
し、凝縮領域では凝縮面積を増大させることができるた
め、その放熱面積及び凝縮面積の増大した分、放熱性能
を向上させることができる。
【0019】b)沸騰冷却装置1を図1に示す姿勢(受
熱壁5が放熱壁6の上方側に位置する)で使用する場
合。 発熱体2から発生した熱は、受熱壁5から柱部材8に伝
達され、その柱部材8を通じて放熱壁6に伝達されると
ともに、柱部材8に接触する冷媒Rに伝達されて冷媒R
を沸騰させる。但し、発熱体2の取付け部位から遠くな
る程、柱部材8の温度も低下するため、容器3内の冷媒
Rは、発熱体2の取付け部位に配置された柱部材8に接
触する領域(沸騰領域)で主に沸騰する。沸騰した蒸気
冷媒Rは、閉空間を水平方向(図1の左右方向)に拡が
り、閉空間の沸騰領域から外れた領域(凝縮領域)で容
器内壁面(受熱壁5、周側壁7、柱部材8の各壁面)に
凝縮して液化する。液化した冷媒Rは、凝縮領域から再
び沸騰領域へ供給されて、上記サイクル(沸騰−凝縮−
液化)を繰り返す。発熱体2から冷媒Rに伝達された熱
は、蒸気冷媒Rが容器内壁面に凝縮する際に凝縮潜熱と
して放出され、その凝縮潜熱が放熱壁6全体に伝わり、
放熱壁6から放熱フィン4を通じて大気に放出される。
一方、柱部材8を通じて放熱壁6に伝達された熱も、放
熱壁6から放熱フィン4を通じて大気に放出される。
【0020】(本実施例の効果)本実施例によれば、受
熱壁5が放熱壁6の上方側に位置する使用状態の時で
も、発熱体2から発生した熱を柱部材8を通じて冷媒R
に伝達できるため、冷媒Rの沸騰/凝縮の繰り返しによ
る熱伝達によって発熱体2を冷却することができる。ま
た、柱部材8によって直接受熱壁5から放熱壁6へ熱伝
達できるため、高い放熱性能を得ることができる。な
お、本実施例では、複数の柱部材8を放熱壁6の平面上
で略等間隔に配置したが、図6に示す様に、ランダムに
配置しても良い。
【0021】(第2実施例)図7は沸騰冷却装置1の断
面図である。本実施例は、柱部材8の断面積を高さ方向
(図7の上下方向)で変化させた一例を示すものであ
る。柱部材8は、図7に示す様に、受熱壁5側から放熱
壁6側へ向かって断面積が次第に大きくなる略円錐形状
に設けられている。この場合、容器3内の閉空間は、容
器3の高さ方向において放熱壁6側より受熱壁5側の方
が広くなる。このため、受熱壁5が放熱壁6の上方側に
位置する使用状態の時には、図7に示す様に、冷媒Rの
液面が高くなって受熱壁5に近づけることができる。こ
のため、受熱壁5から柱部材8を通じて冷媒Rへ伝熱さ
れる伝熱経路を小さく(短く)できることから、熱抵抗
が小さくなって放熱性能を向上できる。また、受熱壁5
が放熱壁6の下方側に位置する使用状態の時には、図8
に示す様に、冷媒Rの液面が低くなって容器3内の凝縮
空間を大きく確保できるため、放熱性を向上する上で効
果がある。
【0022】(第3実施例)図9は沸騰冷却装置1の断
面図である。本実施例は、柱部材8を閉空間の沸騰領域
(発熱体2の取付け部位に対応する領域)に密に配置し
た一例を示すものである。受熱壁5の発熱体2が取付け
られている部分は、熱流束が高い(単位断面積当たりの
移動熱量が大きい)ため、受熱壁5が放熱壁6の上方側
に配置される使用状態において受熱壁5から冷媒Rへよ
り速く熱を伝えるためには、柱部材8の放熱面積(伝熱
面積)を大きく取れば良い。そこで、図9及び図10
(図9のB−B線に沿う断面図)に示す様に、閉空間の
沸騰領域に柱部材8を密に配置して放熱面積を大きくす
ることで放熱性を向上できる。
【0023】(第4実施例)図11は沸騰冷却装置1の
断面図である。本実施例は、放熱壁6の内壁面(受熱壁
5と対向する面)を凹形状(緩やかに湾曲した形状)と
した一例を示すものである。本実施例の場合、容器3内
の閉空間は、容器3の高さ方向(図11の上下方向)に
おいて放熱壁6側より受熱壁5側の方が広くなる。この
ため、受熱壁5が放熱壁6の上方側に配置される使用状
態の時(図11に示す状態)は、受熱壁5が放熱壁6の
下方側に配置される使用状態の時より、閉空間に封入さ
れている冷媒Rの液面が高くなる。その結果、発熱体2
の熱が受熱壁5から伝熱部材を通じて冷媒Rへ伝わる伝
熱経路が短くなり、熱抵抗が小さくなって放熱性能が向
上する。
【0024】(第5実施例)図12は沸騰冷却装置1の
断面図である。本実施例は、容器3内の凝縮領域に可動
体11を収容した一例を示すものである。可動体11
は、図14(図12のC−C線に沿う断面図)に示す様
に略口字形に設けられて、容器3内の沸騰領域に配置さ
れた柱部材8Aの周囲に配されている。この可動体11
は、容器3に対して固定されておらず、容器3内を上下
移動可能に設けられている。但し、可動体11は冷媒R
より比重が重く、容器3を天地方向に逆転して使用した
場合でも絶えず容器3内の下部側に位置している(図1
2及び図13参照)。この様に、容器3内の凝縮領域に
可動体11を収容したことで、沸騰領域の冷媒R液面が
上昇するとともに、凝縮領域での液冷媒Rの淀み(凝縮
領域と沸騰領域とを循環しないで淀んでいる液冷媒R)
を少なくできることから放熱性能を向上できる効果が生
じる。
【0025】(第6実施例)図15は沸騰冷却装置1の
断面図である。本実施例は、容器3内の凝縮領域に可動
体11を収容した他の例を示すものである。可動体11
は、図15に示す様に容器3を立てた姿勢で使用した場
合に、容器3内の下部側に形成される凝縮領域に収容さ
れている。また、可動体11は、図16(図15のD−
D線に沿う断面図)に示す様に、容器3内の凝縮領域を
上下方向に移動可能な状態で収容されており、容器3を
上下逆転して使用した場合でも絶えず容器3内の下部側
に位置している(図15参照)。本実施例でも、凝縮領
域での液冷媒Rの淀みを少なくできるので放熱性能の向
上を期待できる。
【0026】(第7実施例)図17及び図18は沸騰冷
却装置1の断面図である。本実施例は、放熱壁6と放熱
フィン4とを同一部材で構成した一例を示すものであ
る。この場合、第1実施例の構成(放熱フィン4を放熱
壁6と別体で形成して放熱壁6の表面に密着した状態で
ボルト等により固定している)と比較して、両者(放熱
壁6と放熱フィン4)間の接触熱抵抗が無くなるため、
放熱性能が向上する。また、放熱フィン4を放熱壁6に
取り付ける手間を省くこともできる。なお、沸騰冷却容
器3の周側壁7と柱部材8は、図17に示す様に、放熱
壁6と一体に成形して受熱壁5とろう付けにより気密に
接合しても良いし、図18に示す様に、受熱壁5と一体
に成形して放熱壁6とろう付けにより気密に接合しても
良い。
【0027】(第8実施例)図19は沸騰冷却容器3の
分解斜視図である。本実施例は、放熱壁6と放熱フィン
4とを金属結合により組合わせた一例を示すもので、周
側壁7と柱部材8が受熱壁5と一体に成形され、それに
注入パイプ9、放熱壁6、及び放熱フィン4を一体ろう
付けして組み合わせている。この場合、放熱壁6と放熱
フィン4とを同一部材で構成しなくても、両者(放熱壁
6と放熱フィン4)をろう付けにより結合することで、
両者間の接触熱抵抗が無くなるため、放熱性能を向上で
きる。なお、図19に示す様に、注入口10が設けられ
た周側壁7の一部を内側へ窪ませることにより、注入口
10に接続された注入パイプ9が容器壁面より外側へ飛
び出るのを防ぐことができる(図20参照)。
【0028】(第9実施例)図21は沸騰冷却装置1の
断面図である。本実施例は、放熱フィン4を中空形状と
した一例を示すものである。放熱フィン4は、放熱壁6
と同一部材により構成されて、中空形状に形成され、且
つその中空部4aが沸騰冷却容器3の内部空間(冷媒R
が封入された空間)と連通されている。これにより、図
21に示す様に、受熱壁5を放熱壁6より天地方向の下
方側に配置した状態で沸騰冷却容器3を使用した時、沸
騰気化した冷媒Rが放熱フィン4の中空部4aへ入り込
み、中空部4aの末端部近くで凝縮できるため、放熱性
能が向上する。また、放熱フィン4は、中空部4aの体
積が冷媒Rの液体体積より小さくなる様に形成されてい
る。これにより、図22に示す様に、放熱壁6を受熱壁
5より天地方向の下方側に配置した状態で沸騰冷却容器
3を使用した場合でも、冷媒Rの液面が放熱壁6より上
方に位置するため、発熱体2の熱を受熱壁5から柱部材
8を経由して冷媒Rへ伝達することができる。その結
果、発熱体2から冷媒Rに伝達された熱は、蒸気冷媒が
容器3の内壁面に凝縮する際に凝縮潜熱として放出さ
れ、その凝縮潜熱が放熱壁6全体に伝わり、放熱壁6か
ら放熱フィン4を通じて大気に放出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】沸騰冷却装置の断面図である(第1実施例)。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である(第1実施
例)。
【図3】沸騰冷却容器の分解斜視図である(第1実施
例)。
【図4】沸騰冷却容器の斜視図である(第1実施例)。
【図5】沸騰冷却装置の断面図である(第1実施例)。
【図6】柱部材の配置を示す沸騰冷却容器の断面図であ
る(第1実施例)。
【図7】沸騰冷却装置の断面図である(第2実施例)。
【図8】沸騰冷却装置の断面図である(第2実施例)。
【図9】沸騰冷却装置の断面図である(第3実施例)。
【図10】図9のB−B線に沿う断面図である(第3実
施例)。
【図11】沸騰冷却装置の断面図である(第4実施
例)。
【図12】沸騰冷却装置の断面図である(第5実施
例)。
【図13】沸騰冷却装置の断面図である(第5実施
例)。
【図14】図12のC−C線に沿う断面図である(第5
実施例)。
【図15】沸騰冷却装置の断面図である(第6実施
例)。
【図16】図15のD−D線に沿う断面図である(第6
実施例)。
【図17】沸騰冷却装置の断面図である(第7実施
例)。
【図18】沸騰冷却装置の断面図である(第7実施
例)。
【図19】沸騰冷却容器の分解斜視図である(第8実施
例)。
【図20】沸騰冷却容器の外観を示す斜視図である(第
8実施例)。
【図21】沸騰冷却装置の断面図である(第9実施
例)。
【図22】沸騰冷却装置の断面図である(第9実施
例)。
【符号の説明】
1 沸騰冷却装置 2 発熱体 3 沸騰冷却容器 4 放熱フィン 4a 中空部 5 受熱壁 6 放熱壁 8 柱部材(伝熱部材) 9 注入パイプ 10 注入口 11 可動体 R 冷媒

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向して配置された受熱壁と放熱壁とを有
    し、この受熱壁及び放熱壁とともに閉空間を形成してそ
    の閉空間に冷媒が封入された沸騰冷却容器を備え、 前記受熱壁の表面に固定された発熱体の熱を前記受熱壁
    から冷媒を媒体として前記放熱壁へ伝達して外部へ放出
    する沸騰冷却装置であって、 前記沸騰冷却容器は、伝熱性を有する伝熱部材が前記閉
    空間で前記受熱壁と前記放熱壁とに接触して設けられて
    いることを特徴とする沸騰冷却装置。
  2. 【請求項2】前記沸騰冷却容器は、前記受熱壁が前記放
    熱壁より天地方向の上方側に配置されていることを特徴
    とする請求項1に記載した沸騰冷却装置。
  3. 【請求項3】前記伝熱部材は、柱状の部材から成ること
    を特徴とする請求項1または2に記載した沸騰冷却装
    置。
  4. 【請求項4】前記伝熱部材は、前記受熱壁側より前記放
    熱壁側の方が太くなっていることを特徴とする請求項1
    〜3に記載した何れかの沸騰冷却装置。
  5. 【請求項5】前記伝熱部材は、複数本設けられ、前記受
    熱壁及び前記放熱壁の平面内で前記発熱体の取付け部位
    に対応する領域に密に配置されていることを特徴とする
    請求項1〜4に記載した何れかの沸騰冷却装置。
  6. 【請求項6】前記放熱壁の内壁面が凹形状に設けられて
    いることを特徴とする請求項1〜5に記載した何れかの
    沸騰冷却装置。
  7. 【請求項7】前記閉空間にて冷媒が凝縮する凝縮領域に
    冷媒より比重の重い可動体が収容され、この可動体が前
    記沸騰冷却容器の姿勢変化に応じて前記凝縮領域を移動
    できることを特徴とする請求項1〜6に記載した何れか
    の沸騰冷却装置。
  8. 【請求項8】前記放熱壁に伝達された熱を放出する放熱
    フィンを備え、この放熱フィンが前記放熱壁と同一部材
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜7に記載
    した何れかの沸騰冷却装置。
  9. 【請求項9】前記放熱壁に伝達された熱を放出する放熱
    フィンを備え、この放熱フィンが前記放熱壁と金属結合
    されていることを特徴とする請求項1〜7に記載した何
    れかの沸騰冷却装置。
  10. 【請求項10】前記放熱フィンは、中空形状に形成され
    て、その中空部と前記沸騰冷却容器の冷媒が封入された
    空間とが連通して設けられ、且つ前記中空部の体積が冷
    媒の液体体積より小さいことを特徴とする請求項8また
    は9に記載した沸騰冷却装置。
  11. 【請求項11】前記沸騰冷却容器は、容器内部に冷媒を
    注入するための注入パイプが接続される注入口を有し、
    前記注入パイプが容器壁面より外側へ飛び出るのを無く
    すため、前記注入口が設けられた壁面の一部を内側へ窪
    ませていることを特徴とする請求項1〜10に記載した
    何れかの沸騰冷却装置。
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