JPH10208627A - マスクパターン用ドライフィルムとそれを用いた表示パネルのリブ形成方法 - Google Patents

マスクパターン用ドライフィルムとそれを用いた表示パネルのリブ形成方法

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JPH10208627A
JPH10208627A JP786497A JP786497A JPH10208627A JP H10208627 A JPH10208627 A JP H10208627A JP 786497 A JP786497 A JP 786497A JP 786497 A JP786497 A JP 786497A JP H10208627 A JPH10208627 A JP H10208627A
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film
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rib
slit
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Akira Tokai
章 渡海
Osamu Toyoda
治 豊田
Hironobu Kono
浩信 河野
Keiichi Betsui
圭一 別井
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクパターン用ドライフィルムとそれを用
いた表示パネルのリブ形成方法に関し、マスクパターン
用ドライフィルムの膨潤による蛇行、剥離をなくす。 【解決手段】 感光性のドライフィルムを複数の細長の
パターンに形成するとともに、形成した各パターンの長
手方向に交差して複数の微細な凹部またはスリットを設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マスクパターン
用ドライフィルムとそれを用いた表示パネルのリブ(隔
壁)形成方法に関し、さらに詳しくは、高精細表示が可
能な、例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)の
ような表示パネルのリブの形成に用いられるマスクパタ
ーン用ドライフィルム、およびそれを用いた表示パネル
のリブ形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置をはじめとして、各種
の装置の小型化に伴い、より微細な形状のパターニング
が必要とされてきている。例えば、PDPでは、より高
精細な表示が求められるようになってきており、これに
伴い、放電空間を仕切るためのリブを微細に形成するこ
とが必要となってきている。
【0003】このような微細形状のパターニングに関
し、PDPを例に挙げて説明する。PDPは、一対の基
板(通常はガラス板)を微小間隙を設けて対向配置し、
周囲を封止することによって内部に放電空間を形成した
自己発光型の表示パネルである。
【0004】一般に、マトリクス表示方式のPDPに
は、放電空間を仕切るために、100〜200μm程度
の高さのリブが設けられている。例えば、蛍光体による
カラー表示に適した面放電型PDPには、平面的にみた
場合に直線状あるいは波形のリブが表示のライン方向に
沿って等間隔に設けられている。このリブは、例えば2
1インチサイズのカラーPDPでは約200μmの配列
間隔で形成する必要がある。
【0005】近年、このようなリブの形成には、パター
ン印刷に代えて、サンドブラスト法や液体ホーニング法
が用いられており、なかでもサンドブラスト法は、ウェ
ットエッチング法に比べてパターニング精度が高く、生
産性の面で大画面化に適しているため、よく用いられて
いる。
【0006】このサンドブラスト法を用いてリブを形成
するには、まず、基板の上に一様なリブ材料層(ガラス
ペーストなどの平面膜)を形成し、その上に、例えば感
光性のドライフィルムを用いてマスクパターンを形成す
るのであれば、30〜40μm程度の厚みの感光性のド
ライフィルムを貼り付け、そのドライフィルムにネガマ
スクをかぶせて露光し、現像液をシャワー状に当てなが
ら未露光部分を取り除くいわゆるフォトリソグラフィ法
によって、ドライフィルムを所定のマスクパターンに形
成した後、その上から粒子等の切削剤を吹きつけてリブ
材料層をパターニングする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなPDPで
は、上述したように、高精細化や、あるいは開口率を上
げて輝度の向上を図るためには、リブの幅を細線化する
必要があり、そのためにはリブ形成用マスクパターンで
あるドライフィルムの細線化が必要である。
【0008】ところが、細い幅のドライフィルムパター
ンを形成しようとする場合、ドライフィルムの幅が細く
なるにつれてドライフィルムの現像時にドライフィルム
の膨潤によるパターンの蛇行と剥離が生じやすくなる。
【0009】図8はドライフィルムの膨潤による頂面側
の伸長力を示す説明図である。この図に示すように、リ
ブ材料層であるガラスペーストなどの平面膜61上にド
ライフィルム62のパターンが形成されるのであるが、
ドライフィルム62の露光後の現像処理においては、光
によって硬化したドライフィルム62の頂面側は、現像
の開始時から終了時までの長い間現像液にさらされるた
め、膨潤により膨張し、ドライフィルム62の長手方向
(図8中、aで示す方向)に伸長力がはたらく。
【0010】すなわち、図9は図8のA−A断面を示す
説明図であり、この図に示すように、ドライフィルム6
2の頂面側(図中、ドライフィルム62の上側)は、長
時間現像液にさらされるため、膨潤により膨張する。
【0011】それに対し、ドライフィルム62の底面側
(平面膜61との密着面側:図中、ドライフィルム62
の下側)は、現像液にさらされる時間が頂面側に比較し
て短く、さらに平面膜61と密着しているために、膨潤
による膨張が起こりにくい。結果としてドライフィルム
62の頂面側の長さが底面側の長さに比べて長くなる。
【0012】このため、ドライフィルム62の頂面側の
パターン長手方向への膨張した分は、底面が密着してい
るためにそのまま伸びることができず、蛇行することに
よって距離を保とうとする。
【0013】図10はドライフィルムの膨潤による頂面
側の蛇行を示す説明図であり、ドライフィルムの蛇行す
る様子を示したものである。このように蛇行した後、膨
張による伸長力が平面膜61への密着力を越えたとき
に、ドライフィルム62が剥離を起こす。
【0014】従来では、微細形状のパターニングに際
し、このような膨潤により、ドライフィルムパターンが
蛇行、剥離して、ストレートなパターンが形成できない
という問題があった。また、この膨張のため、ドライフ
ィルムの現像時間に余裕を持たせることができなかっ
た。
【0015】この発明は、このような事情を考慮してな
されたもので、細線化した場合でも、膨潤による蛇行、
剥離をなくし、現像の余裕度範囲を広げることが可能な
マスクパターン用ドライフィルムと、それを用いた表示
パネルのリブ形成方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、感光性のド
ライフィルムを複数の細長のパターンに形成するととも
に、形成した各パターンの長手方向に交差して複数の微
細な凹部またはスリットを設けてなることを特徴とする
マスクパターン用ドライフィルムである。
【0017】この発明のマスクパターン用ドライフィル
ムにおいては、感光性のドライフィルムを複数の細長の
パターンに形成し、形成した各パターンの長手方向に交
差して複数の微細な凹部またはスリットを設けるので、
この複数の微細な凹部またはスリットによってドライフ
ィルムの膨潤による伸長が吸収され、ドライフィルムの
蛇行や剥離を防止することができる。また、これにより
現像の余裕度範囲を広げることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明において、感光性のドラ
イフィルムとしては、被加工材料層上に貼り付けた後、
露光用マスクで覆って露光した後現像するいわゆるフォ
トリソグラフィーにより、被加工材料層上に各種のレジ
ストパターンを形成することが可能なものであればよ
く、東京応化工業(株)製のオーディルや、旭化成工業
(株)製のサンフォート等を適用することができる。
【0019】ドライフィルムに設けられる複数の微細な
凹部またはスリットは、ドライフィルムの膨潤による伸
長を吸収することが可能な形状のものであればよく、例
えば、凹部としては、ドライフィルムの頂面側だけに形
成された窪み、切れ目、切り欠き等の形状のものであれ
ばよく、スリットとしては、ドライフィルムの頂面側か
ら底面側まで切断された形状のものであればよい。
【0020】この発明は、また、基板上に形成されたリ
ブ材料層に感光性のドライフィルムを積層し、露光用マ
スクを用いて露光した後、現像することにより、感光性
のドライフィルムを複数の細長のパターンに形成すると
ともに、形成した各パターンの長手方向に交差して複数
の微細な凹部またはスリットを設け、次いでその感光性
のドライフィルムを介して切削剤を吹き付けてリブ材料
層を部分的に除去することからなる表示パネルのリブ形
成方法である。
【0021】この発明において、基板としては、一般に
カラーPDPの分野において背面基板と呼ばれる、ガラ
ス基板に下地層、アドレス電極、絶縁層をあらかじめ形
成したものを適用することができる。
【0022】基板上へのリブ材料層の形成は、スクリー
ン印刷法、ブレードコーティング法、グリーンシート法
等の方法で行うことができる。スクリーン印刷法および
ブレードコーティング法では、リブ材料として、無機物
の粉末と有機物のバインダ(接合剤)とを混合してペー
スト状にしたものを用いることができる。例えば、無機
物の粉末としてガラス粉末を適用したものとして、ガラ
スペーストを挙げることができ、このようなガラスペー
ストを塗布後、乾燥させることによりリブ材料層を形成
することができる。
【0023】グリーンシート法では、リブ材料として、
無機物の粉末と有機物のバインダとを混合して可塑性の
シート状に形成した材料(グリーンシート)を用いるこ
とができる。グリーンシート法では、この材料を基板に
加圧ロールで貼り付け、切削加工性を上げるために30
0〜400℃で仮焼成して有機成分を除去することによ
りリブ材料層を形成することができる。
【0024】リブ材料層の部分的な除去は、サンドブラ
スト法、あるいは液体ホーニング法等で行うことができ
る。サンドブラスト法を用いる場合には、サンドブラス
ト装置で、数十μmの大きさの切削剤としての研磨材を
空気流に乗せて吹き付け、これによりリブ材料層のマス
クパターン用ドライフィルムで覆われていない部分を切
削する。
【0025】本発明においては、露光用マスクのリブの
長手方向に交差して設けられる複数のスリットの幅を適
切に設定することにより、マスクパターン用ドライフィ
ルムを任意の深さまで除去することが可能である。
【0026】すなわち、露光用マスクのスリットの幅を
リブの間隔と同等に設定しておけば、現像液によってス
リット部分(未露光部分)の溶解される速度は、リブと
リブとの間の未露光部分の溶解される速度とほぼ同じで
あるので、ドライフィルムの頂面側から底面側までスリ
ットの入った完全に独立した鎖線状のマスクパターン用
ドライフィルムを得ることができる。
【0027】また、露光用マスクのスリットの幅をリブ
の間隔よりも狭く設定しておけば、スリット部分のドラ
イフィルムの溶解される速度は、リブとリブとの間の未
露光部分の溶解される速度よりも遅くなるので、リブと
リブとの間の未露光部分のドライフィルムが全て溶解さ
れた時点で現像を止めれば、ドライフィルムの頂面側だ
けに凹部を設けたマスクパターン用ドライフィルムを得
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。なお、これによってこの発明が限定される
ものではない。以下においては、PDPを例に挙げ、P
DPのリブの形成に用いられるマスクパターン用ドライ
フィルム、およびそれを用いたPDPのリブ形成方法に
ついて説明する。この説明に際し、まず、この発明の表
示パネルのリブ形成方法によって作製されるPDPの構
成を説明する。
【0029】図1はこの発明のマスクパターン用ドライ
フィルムを用いた表示パネルのリブ形成方法を適用した
カラー表示用のAC駆動形式の面放電型PDPの構成を
示す説明図であり、3ライン分の画素に対応する部分の
基本的な構図を示したものである。図1に示したPDP
1は、蛍光体の配置形態による分類の上で反射型と称さ
れる3電極構造のPDPである。
【0030】この3電極面放電型PDPは、前面側と背
面側の一対のガラス基板11,21、横方向に互いに平
行に隣接して延びた一対の表示電極X,Y、壁電荷によ
って放電を維持するAC駆動のための誘電体層17、M
gOからなる保護膜18、下地層22、表示電極X,Y
に直行するアドレス電極A、絶縁層24、アドレス電極
Aと平行なストライプ状のリブ29、フルカラー表示の
ための蛍光体層28B,28R,28Gなどから構成さ
れている。
【0031】内部の放電空間30は、リブ29によって
表示電極X,Yの延長方向に単位発光領域EU毎に区画
され、かつその間隙寸法が規定されている。また、この
放電空間30にはNe+Xe等の適当な放電ガスが封入
されている。
【0032】PDP1では、図のように1つの画素(ド
ット)EGに対応づけられた3つの単位発光領域EUの
それぞれにおいて、一方の表示電極Yとアドレス電極A
との交差部に表示または非表示を選択するための選択放
電セルが画定され、選択放電セルの近傍における表示電
極X,Yの間に主放電セルが画定される。
【0033】蛍光体層28B,28R,28Gは、面放
電によるイオン衝撃を避けるために、表示電極X,Yと
反対側のガラス基板21上の各リブ29の間に設けら
れ、主放電セルの面放電で生じる紫外線によって励起さ
れて発光する。蛍光体層28B,28R,28Gの表面
層(放電空間と接する面)で発光した光は、誘電体層1
7およびガラス基板11などを透過して外部へ放射され
る。つまり、PDP1では、ガラス基板11の外面が表
示面Hとなる。
【0034】表示電極X,Yは、蛍光体層28B,28
R,28Gに対して表示面H側に配置されることから、
面放電を広範囲とし、かつ表示光の遮光を最小限とする
ため、幅の広い透明導電膜41と、その導電性を補うた
めの幅の狭い金属膜(バス電極)42とから構成されて
いる。透明導電膜41は、ITO(酸化インジウム+酸
化スズ)やネサ(酸化スズ)などの酸化金属で形成す
る。また、金属膜42はクロム−銅−クロムの3層構造
の薄膜などで形成する。
【0035】上記のようにPDP1は、表示電極X,Y
を覆い、放電を維持するための誘電体層17をもつ前面
側のガラス基板11と、放電空間を区画するためのリブ
29をもつ背面側のガラス基板21との2枚のガラス基
板11,21を重ね合わせて形成されている。
【0036】次に、背面側のガラス基板21にリブを形
成する方法を説明する。背面側のガラス基板21にリブ
を形成するには、背面側のガラス基板21に下地層2
2、アドレス電極A、絶縁層24を形成し、その上に、
ガラス基板21のほぼ全面に低融点ガラスペーストを塗
布して乾燥させることにより200μm程度の厚さのリ
ブ材料層(ガラスペーストの平面膜)を形成したものを
用意する。
【0037】ガラスペーストの平面膜の形成は、スクリ
ーン印刷法、ブレードコーティング法、グリーンシート
法等の方法で行う。その後、ガラスペーストの平面膜上
にマスクパターンを形成し、サンドブラストによってマ
スクパターンの上から切削剤を吹き付けて、ガラスペー
ストの平面膜を切削し、リブを形成する。
【0038】以下、ガラスペーストの平面膜上にマスク
パターンを形成する方法を説明するが、この説明におい
ては、マスクパターンの形成に感光性のドライフィルム
を用いた例を説明する。
【0039】図2は感光性のドライフィルムを用いたマ
スクパターンの形成方法を示す説明図である。この図に
示すように、マスクパターンの形成は、以下の工程にて
行う。
【0040】レジスト膜形成工程 ガラスペーストの平面膜51上に感光性のドライフィル
ム52をラミネート装置などにより貼り付けてレジスト
膜とする。(図2(a)参照)
【0041】露光工程 所望のパターンを有する露光用のネガマスク53を通し
て紫外線ランプの光Kをドライフィルム52に照射し、
ドライフィルム52のネガマスク53で覆われていない
部分を感光させる(図2(b)参照)。
【0042】現像工程 露光したドライフィルム52に炭酸ナトリウム水溶液等
の現像液54をシャワーなどにより所定の時間当てて、
ドライフィルム52の未感光部分を除去し、ドライフィ
ルムの感光した硬化部分52aだけのドライフィルムパ
ターンを形成する(図2の(c)〜(e)参照:図2
(c)は現像開始時点、図2(d)は現像途中、図2
(e)は現像終了時点をそれぞれ示す)。
【0043】図3は露光工程で用いるネガマスク53の
平面図である。この図に示すように、ネガマスク53
は、リブの形状に対応した直線状の開口部の任意の場所
に幅Tのスリット55を設けて、鎖線状の開口としたも
のを用いる。
【0044】図4は露光後のドライフィルム52の平面
図である。この図に示すように、ドライフィルム52
は、ネガマスク53の開口部分のみが感光して硬化す
る。したがって、ネガマスク53のスリット55に対応
する未露光部分56はドライフィルム52が感光され
ず、現像時に溶解して徐々に膜厚が減少してゆく。
【0045】図5は現像後のドライフィルムとサンドブ
ラスト後のリブ形状を示す説明図であり、図5(a)は
図4のB−B断面を示す正面図、図5(b)は図5
(a)の平面図、図5(c)は図4のB−B断面におけ
るサンドブラスト後のリブ断面図である。
【0046】図5(a)および図5(b)に示すよう
に、現像後は、マスクパターン用ドライフィルムは、硬
化部分52aにスリット57を設けた鎖線状のパターン
となる。そして、硬化部分52aの底面側(平面膜51
との密着面側:図中、硬化部分52aの下側)のスリッ
ト57の幅は、ネガマスク53のスリット55の幅Tと
同じであるが、硬化部分52aの頂面側(図中、硬化部
分52aの上側)は、長時間現像液にさらされるため、
膨潤により膨張して、図中矢印Uで示すように、特にド
ライフィルムのパターンの長手方向に伸長し、スリット
57の幅がSとなる。
【0047】図3のネガマスク53を作製する場合、ネ
ガマスク53のスリット55の幅Tを、平行に隣接する
鎖線状の開口の間隔Vと同等にしておけば、ドライフィ
ルムのスリット55における未露光部分と間隔Vの部分
における未露光部分との溶解速度は、ほぼ同じであるの
で、現像により、ドライフィルムの底部までスリット5
7の入った完全に独立した鎖線状のドライフィムパター
ンが得られる。このスリット57の部分でドライフィル
ムパターンの頂面側の膨潤による膨張を緩和し、ドライ
フィルムの現像時の膨潤に起因するドライフィルムパタ
ーンの蛇行、剥離を防止し、現像の余裕度範囲を広げる
ことができ、幅の細いドライフィルムの解像が可能とな
る。
【0048】ただし、この場合は、図5(c)に示すよ
うに、ガラスペースト平面膜51のスリット57に対応
する部分がサンドブラストによって切削され、窪みWが
形成されてしまう。
【0049】したがって、図1に示した構造のAC駆動
方式の3電極面放電型PDPでは、隣接するセルの放電
が結合しないように、放電の逆スリットの位置にリブの
窪みWを配置するようにする。
【0050】あるいは、DC型PDPでは、プライミン
グセルと主放電セルとの間の高さの低いリブと、主放電
を区切るための通常の高さのリブとを作製する必要があ
るので、このような場合に、このリブの窪みWを利用し
て、高さの低いリブと通常の高さのリブとをサンドブラ
ストの一工程で形成するようにする。
【0051】図6はAC駆動方式の3電極面放電型PD
Pにおいて放電の逆スリットの位置にリブの窪みを配置
した例を示す説明図である。この図に示すように、AC
駆動方式の3電極面放電型PDPにおいては、コントラ
ストを向上させるために、前面側のガラス基板11に帯
状のブラックマトリクス43を配置する場合があるが、
そのような場合には、ブラックマトリクス43の位置に
リブの窪みWがくるように、ネガマスク53のスリット
部分の位置を適切に設定しておく。
【0052】すなわち、窪みWの間隔を画素ピッチと
し、対向する前面側のガラス基板11に、窪みWに応じ
た凸部を持つブラックマトリクス43を、放電の逆スリ
ットの位置に表示電極X,Yと平行に作製する。これに
より、前面側のガラス基板11と背面側のガラス基板2
1とを重ね合わせる際に、この窪みWによる凹部とブラ
ックマトリクス43による凸部とを合わせることで、両
基板を位置合わせなしに重ね合わせることができる。
【0053】図7はドライフィルムパターンの頂面側に
凹部を設けるようにした場合の現像後のドライフィルム
とサンドブラスト後のリブ形状を示す説明図であり、図
7(a)は図5(a)対応図、図7(b)は図5(b)
対応図、図7(c)は図5(c)対応図である。
【0054】マスクパターン用ドライフィルムの頂面側
に凹部58を設けるには、図3のネガマスク53を作製
する場合、ネガマスク53のスリット55の幅Tを、平
行に隣接する鎖線状の開口の間隔Vよりも狭くしてお
く。これにより、ドライフィルムのスリット55におけ
る未露光部分の溶解速度は、間隔Vの部分における未露
光部分の溶解速度より遅くなるので、ドライフィルムの
間隔Vの部分の残渣がなくなるまでで現象を止めれば、
ドライフィルムのスリット55の部分は頂面側のみ溶解
し、底面側はつながったままとなり、ドライフィルムパ
ターンは、頂面側にだけ凹部58を設けたストレートの
鎖線状パターンとなる。そして、凹部58の底面側の幅
は、ネガマスク53のスリット55の幅Tと同じである
が、頂面側は、長時間現像液にさらされるため、膨潤に
より膨張して、ドライフィルムのパターンの長手方向に
伸長し、凹部58の幅がSとなる。
【0055】膨潤は、図中矢印Uで示すように、ドライ
フィルムパターンの頂面側で顕著に起こり、頂面側が伸
長するため、頂面側にスリット55の幅Tに相当する幅
の凹部58を設けることで、ドライフィルムパターン頂
面側の長手方向の膨張を緩和することができ、ドライフ
ィルム現象時の膨潤に起因するドライフィルムパターン
の蛇行、剥離を防止し、現像の余裕度を広げることがで
き、幅の細いドライフィルムの解像が可能となる。この
場合、図7(c)に示すように、リブには窪みが形成さ
れない。
【0056】なお、ガラスペーストの平面膜51上に感
光性のドライフィルムによるマスクパターンを形成する
に際しては、リブの長手方向に交差する方向にあらかじ
め複数の凹部58を形成したドライフィルムをガラスペ
ーストの平面膜51上に貼り付け、その後リブの形状に
対応したストレート開口を有する露光用のネガマスクで
覆って、ドライフィルムを露光し現像してマスクパター
ン用ドライフィルムを形成するようにしてもよい。
【0057】このようにして、マスクパターン用ドライ
フィルムに、長手方向に交差して複数の微細な凹部また
はスリットを設けることにより、ドライフィルムの現像
時に、頂部の膨潤による長手方向への伸長力を緩和し
て、ドライフィルムの蛇行および剥離を防止することが
できる。また、ドライフィルムの現像の余裕度範囲を広
げることができる。
【0058】このことによって、従来よりも細い幅のマ
スクパターンの解像ができ、結果としてリブの幅を細く
することができるので、PDPのセルの放電空間を広げ
ることができ、また開口率が上がるため、パネルの輝度
を上げることができる。
【0059】また、マスクパターン用ドライフィルムに
スリットを形成した場合には、そのスリットの部分はサ
ンドブラストにより切削され、リブに窪みが形成される
ため、一度のサンドブラスト工程で高さの異なるリブを
同時に作製することができる。
【0060】
【発明の効果】この発明によれば、現像時の膨潤に起因
する伸長によってマスクパターン用ドライフィルムが蛇
行や剥離することを防止することができる。これによ
り、現像の余裕度を広げることができ、幅の細いドライ
フィルムの解像が可能となる。そして、このマスクパタ
ーン用ドライフィルムを用いて表示パネルのリブを形成
した場合には、細いパターンのリブを形成することがで
きるので、表示パネルの放電空間および開口率を上げる
ことができ、輝度を上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマスクパターン用ドライフィルムを
用いた表示パネルのリブ形成方法を適用したAC駆動形
式の面放電型PDPの構成を示す説明図である。
【図2】本発明による感光性のドライフィルムを用いた
マスクパターンの形成方法を示す説明図である。
【図3】本発明の露光工程で用いるネガマスクの平面図
である。
【図4】本発明の露光後のドライフィルムの平面図であ
る。
【図5】本発明の現像後のドライフィルムとサンドブラ
スト後のリブ形状を示す説明図である。
【図6】AC駆動方式の3電極面放電型PDPにおいて
放電の逆スリットの位置にリブの窪みを配置した例を示
す説明図である。
【図7】本発明のドライフィルムパターンの頂面側に凹
部を設けるようにした場合の現像後のドライフィルムと
サンドブラスト後のリブ形状を示す説明図である。
【図8】従来のドライフィルムの膨潤による頂面側の伸
長力を示す説明図である。
【図9】図8のA−A断面を示す説明図である。
【図10】従来のドライフィルムの膨潤による頂面側の
蛇行を示す説明図である。
【符号の説明】
1 PDP 11 前面側のガラス基板 17 誘電体層 18 保護膜 21 背面側のガラス基板 22 下地層 24 絶縁層 28B,28R,28G 蛍光体層 29 リブ 30 放電空間 41 透明導電膜 42 金属膜 43 ブラックマトリクス 51 ガラスペーストの平面膜 52 感光性のドライフィルム 52a 硬化部分 53 ネガマスク 54 現像液 55 スリット 56 未露光部分 57 スリット 58 凹部 A アドレス電極 EG 画素 EU 単位発光領域 H 表示面 T 幅 V 鎖線状の開口の間隔 W 窪み X,Y 表示電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 浩信 鹿児島県薩摩郡入来町副田5950番地 株式 会社九州富士通エレクトロニクス内 (72)発明者 別井 圭一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性のドライフィルムを複数の細長の
    パターンに形成するとともに、形成した各パターンの長
    手方向に交差して複数の微細な凹部またはスリットを設
    けてなることを特徴とするマスクパターン用ドライフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 基板上に形成されたリブ材料層に感光性
    のドライフィルムを積層し、露光用マスクを用いて露光
    した後、現像することにより、感光性のドライフィルム
    を複数の細長のパターンに形成するとともに、形成した
    各パターンの長手方向に交差して複数の微細な凹部また
    はスリットを設け、次いでその感光性のドライフィルム
    を介して切削剤を吹き付けてリブ材料層を部分的に除去
    することからなる表示パネルのリブ形成方法。
JP786497A 1997-01-20 1997-01-20 マスクパターン用ドライフィルムとそれを用いた表示パネルのリブ形成方法 Withdrawn JPH10208627A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000036625A1 (en) * 1998-12-17 2000-06-22 E.I. Du Pont De Nemours And Company Barrier rib formation for plasma display panels

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000036625A1 (en) * 1998-12-17 2000-06-22 E.I. Du Pont De Nemours And Company Barrier rib formation for plasma display panels

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