JPH10206689A - 光コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 雌側ハウジングへの光コネクタプラグの差し
込み向きに表裏が生じる場合、逆差しによってフェルー
ルを傷めてしまう懸念があった。 【解決手段】 雌側ハウジング５１の対向する両ガイド
壁５３間を連結壁５６で強固に連結したことにより、雌
側ハウジング５１に差し込む光コネクタプラグ１０に突
設した位置決め突起２５が雌側ハウジング５１の位置決
め溝５４と一致しない場合には、ガイド壁５３が変形し
ないため光コネクタプラグ１０を強引に差し込むことが
不可能になり、逆差しを確実に防止できる光コネクタ５
０を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタに係
り、特に光コネクタプラグと、該光コネクタプラグが差
し込まれる雌側ハウジングとを具備する光コネクタに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】光コネクタプラグと、該光コネクタプラ
グを雌側ハウジングとを具備する光コネクタとしては、
例えば図４から図７に示すようなプラスチック製多心光
コネクタ（いわゆるＭＰＯコネクタ）が提供されてい
る。図４において、このＭＰＯコネクタは、光コネクタ
プラグ１０と、該光コネクタプラグ１０が差し込まれる
雌側ハウジング１７（光コネクタアダプタ）とから構成
される。図５において、この光コネクタプラグ１０は、
例えばＪＩＳ Ｃ ５９８１に制定されるプラスチック
製多心光コネクタ（いわゆるＭＴ形光コネクタ等）のフ
ェルール１１および該フェルール１１の後端部（図５右
側）に突出させたガイドピン１１ａをクランプするピン
クランプ１２を樹脂製筒状のプラグハウジング１３に内
装支持し、該プラグハウジング１３の後端部を筒状のカ
ップリング１４に内装支持し、カップリング１４内に突
き合わせ力発生用のスプリング１５を収容した構成にな
っている。フェルール１１はプラグハウジング１３内を
前後（図５左右）方向に移動可能であり、プラグハウジ
ング１３は別途設置されたハウジング用スプリング１６
によって前方に付勢されており、フェルール１１が光コ
ネクタプラグ１０の奥方に押し込まれた際にプラグハウ
ジング１３がフェルール１１に従動せずに光コネクタプ
ラグ１０の先端位置にあれば、プラグハウジング１３内
側にフェルール１１全体が入り込んで保護される。図４
に示すように、プラグハウジング１３は側面に突設した
係合突起１３ａが雌側ハウジング１７の弾性爪１８と係
脱可能に係合することで、該雌側ハウジング１７に差し
込んだ光コネクタプラグ１０の抜けを防止するととも
に、雌側ハウジング１７の反対側に固定したフェルール
（図示せず。通常雌側ハウジング１７に反対側から差し
込んだ光コネクタプラグに支持されている。）と該フェ
ルールに突き合わせた光コネクタプラグ１０側のフェル
ール１１との間の突き合わせ力を付与する。

【０００３】図４および図６に示すように、雌側ハウジ
ング１７は樹脂等から断面長方形筒状に形成され、光コ
ネクタプラグ１０が差し込まれるプラグ差込穴２０を内
側に形成している。図６および図７に示すように、弾性
爪１８は雌側ハウジング１７開口部の長手方向両端部に
対向して一対突設される。図４および図６に示すよう
に、雌側ハウジング１７開口部の両長辺部２４の一方に
は、プラグハウジング１３の側面に前後方向に延在突設
したキー２５（図４参照）を差し込むキー溝２６を形成
し、プラグ差込穴２０に差し込んだプラグハウジング１
３の向きや位置にずれが生じることを防止している。前
記キー２５の突出寸法は０．４ミリメートル程度であ
り、それに対応してキー溝２６も深さが０．４ミリメー
トル程度になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なＭＰＯコネクタの場合、例えば突き合わせ接続の際に
当接させる接合端面１１ｂを斜め研磨したフェルール１
１を光コネクタプラグ１０に組み込むと、光コネクタプ
ラグ１０の差し込み向きに表裏が生じるため逆差しする
可能性があり、逆差しによってフェルール１１を傷めて
しまう懸念があった。前記ＭＰＯコネクタでは、キー２
５をキー溝２６に差し込む構造によって逆差し防止を図
っている。しかし、キー２５の突出寸法が小さい上、キ
ー溝２６近傍の雌側ハウジング長辺部２４やおよびキー
２５が差し込み力によって変形すると、キー２５がキー
溝２６と一致しない場合でも光コネクタプラグ１０をプ
ラグ差込穴２０に差し込めてしまうため、逆差しが可能
になる場合が生じていた。すなわち、本出願人の検証に
よれば、キー２５の突出寸法が０．６ミリメートルまで
は逆差しが可能であり、０．７〜０．８ミリメートルで
は逆差しが困難になることが判明した。しかしながら、
キー２５の突出寸法を０．７〜０．８ミリメートルにし
た場合には、それに対応した深さでキー溝２６を形成し
た雌側ハウジング１７の強度が低下して光コネクタプラ
グ１０の差し込み時に変形しやすくなるため、逆差しを
確実に防止することが困難であり、前記問題の根本的な
解決には至らない。また、雌側ハウジング１７の強度が
低下すると、正規の向きで差し込んで雌側ハウジング１
７内で突き合わせた光コネクタプラグ１０、１０同士の
位置決め性や、衝撃に対する緩衝性が低下するといった
懸念もある。

【０００５】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、雌側ハウジングに細長に形成したプラグ差込穴の
両長辺部を長手方向両端部に設けた連結部で連結して、
両長辺部間が離間する方向への変形を規制したことによ
り、雌側ハウジングへの光コネクタプラグの逆差しを確
実に防止することができる光コネクタを提供することを
目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、光ファイバを成端するフェルールを対向す
る別のフェルールと突き合わせ接続可能に支持固定する
光コネクタプラグと、該光コネクタプラグが差し込まれ
るプラグ差込穴を形成する筒状の雌側ハウジングとを具
備する光コネクタにおいて、光コネクタプラグのフェル
ールを囲繞するプラグハウジング側面から０．７ミリメ
ートル以上の突出寸法で突設した位置決め突起が差し込
まれる位置決め溝を、雌側ハウジングの前記プラグ差込
穴を介して対向配置された一対のガイド壁の一方の内面
に形成して雌側ハウジング外側に貫通させずに０．７ミ
リメートル以上の深さ寸法を確保し、プラグ差込穴の開
口部近傍にて両ガイド壁の対向方向と垂直の方向でプラ
グ差込穴の両側に対向配置した連結壁で両ガイド壁を連
結して、プラグ差込穴に光コネクタプラグを差し込んだ
際に両ガイド壁間が離間する方向への雌側ハウジングの
変形が連結部により規制されるようにしたことを特徴と
する光コネクタを前記課題の解決手段とした。光ファイ
バとしては単心あるいは多心のいずれも採用可能であ
り、本発明の光コネクタのフェルールは、単心用、多心
用のいずれであってもよい。雌側ハウジングはガイド壁
や連結壁を含んで全体を樹脂等の成形の容易な材料によ
り一体成形することが好ましく、これにより、両ガイド
壁間の互いに離間する方向の変形を連結壁によって効果
的に規制することができる。雌側ハウジングとしては、
光コネクタアダプタの他、光コネクタジャック、光コネ
クタレセプタクル等の採用も可能である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の光コネクタの実施の
形態を、図１から図３を参照して説明する。なお、図中
図４から図７と同一の構成部分には同一の符号を付し、
その説明を簡略化する。図１符号５０は本実施の形態の
光コネクタを示す。図１において、この光コネクタ５０
は、光コネクタプラグ１０と、該光コネクタプラグ１０
が挿抜可能に差し込まれる雌側ハウジング５１（光コネ
クタアダプタ）とを備えて構成されている。光コネクタ
プラグ１０のプラグハウジング１３側面からは、位置決
め突起２５（キー）を０．７ミリメートルの突出寸法で
突設している。

【０００８】雌側ハウジング５１は、全体がプラスチッ
ク等の樹脂から断面長方形の筒状に形成される。この雌
側ハウジング５１の断面長方形の両長辺部分は、該雌側
ハウジング５１の内側に形成されるプラグ差込穴５２に
差し込まれた光コネクタプラグ１０を両側から挟み込ん
でガイドするガイド壁５３になっている。一方のガイド
壁５３のプラグ差込穴５２内面側には、位置決め突起２
５が差し込まれる位置決め溝５４（キー溝）を形成して
いる。この位置決め溝５４は、雌側ハウジング５１の外
側に貫通させずに０．７ミリメートル以上の深さ寸法を
確保している。また、プラグ差込穴５２の中心軸線方向
一端側の位置決め溝５４は、他端側の位置決め溝５４に
対して、雌側ハウジング５１の断面短辺方向で反対の位
置に形成される。

【０００９】図２および図３に示すように、雌側ハウジ
ング５１の断面長手方向両端部には、プラグ差込穴５２
に差し込んだ光コネクタプラグ１０の係合突起１３ａと
係脱可能に係合して、光コネクタプラグ１０のプラグ差
込穴５２からの抜けを規制する係止爪５５を突設し、さ
らに両ガイド壁５３間を連結する連結壁５６をこれら係
止爪５５の外側に延在させている。連結壁５６はガイド
壁５３に対して垂直であり、プラグ差込穴５２に光コネ
クタプラグ１０を差し込んだ際に両ガイド壁５３、５３
間の互いに離間する方向への変形を規制する。連結壁５
６と係止爪５５との間にはクリアランス５７を確保し、
このクリアランス５７の範囲内で係止爪５５の弾性変形
が許容される。

【００１０】この光コネクタ５０によれば、プラグ差込
穴５２に両側から光コネクタプラグ１０を差し込んでフ
ェルール１１同士を突き合わせ接続するに際して、両ガ
イド壁５３、５３間を押し開く方向に作用する変形力を
連結壁５６、５６が負担して両ガイド壁５３、５３間の
離間を規制する。位置決め突起２５が位置決め溝５４に
差し込まれる向きでプラグ差込穴５２両側から光コネク
タプラグ１０を差し込むと、正規の向きで突き合わせ接
続がなされ、両フェルール１１、１１の接合端面１１
ｂ、１１ｂ同士が正しい向きで接合される。

【００１１】逆に、位置決め溝５４と対向するガイド壁
５３に位置決め突起２５が向けられた状態で光コネクタ
プラグ１０をプラグ差込穴５２に差し込もうとした場合
（逆差し）には、位置決め突起２５をプラグ差込穴５２
に押し込むことができず、光コネクタプラグ１０をプラ
グ差込穴５２に差し込むことはできない。すなわち、こ
の光コネクタ５０では、ガイド壁５３、５３間が一対の
連結壁５６、５６によって強固に連結されて互いに離間
する方向への変形量が極めて小さいため、逆差しの場合
には光コネクタプラグ１０を強引にプラグ差込穴５２に
押し込もうとしても差し込むことができず、逆差しを確
実に防止することができる。これにより、位置決め突起
２５のプラグハウジング１３側面からの突出寸法が０．
７ミリメートル前後である場合では、光コネクタプラグ
１０の逆差しを完全に防止することができる。また、位
置決め突起２５のプラグハウジング１３側面からの突出
寸法が０．８ミリメートル前後である光コネクタプラグ
１０に対応して、位置決め溝５４の深さを０．８ミリメ
ートルとしても、ガイド壁５３、５３の互いに離間する
方向へ変形が殆ど生じないため、光コネクタプラグ１０
の逆差しを一層確実に防止することができる。

【００１２】なお、両ガイド壁５３、５３を連結壁５
６、５６で強固に連結したことは雌側ハウジング５１全
体の強度を向上するので、正規の向きで突き合わせ接続
を行った場合のフェルール接合端面１１ｂ、１１ｂ同士
の接合精度を向上することができ、フェルール１１同士
の接続によって接続される光ファイバ間に目的の接続損
失を安定かつ確実に確保することができる。

【００１３】なお、光コネクタプラグや雌側ハウジング
の構成ついては、図示したものに限定されず、各種構成
の採用が可能であることは言うまでも無い。すなわち、
本発明は、例えば、雌側ハウジングの連結壁より外側に
係止爪が突設された構成の光コネクタにも適用可能であ
る。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光コネク
タによれば、プラグ差込穴に光コネクタプラグを差し込
んでフェルール同士を突き合わせ接続するに際して、両
ガイド壁間を押し開く方向に作用する変形力を連結壁が
負担することによりガイド壁の互いに離間する方向への
変形を抑えるため、位置決め突起が位置決め溝と対向す
るガイド壁に向けられた状態で光コネクタプラグをプラ
グ差込穴に差し込もうとした場合には、光コネクタプラ
グを強引にプラグ差込穴に押し込もうとしても差し込む
ことができず、これにより逆差しを確実に防止でき、逆
差しによってフェルールが傷付くことを防止でき、フェ
ルール同士を正規の向きで接続することが容易になると
いった優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の光コネクタの実施の形態を示す分解
斜視図である。

【図２】 図１の光コネクタの雌側ハウジングを示す側
断面図である。

【図３】 図１の光コネクタの雌側ハウジングを示す正
面図である。

【図４】 従来例の光コネクタを示す図であって、ＭＰ
Ｏコネクタを示す分解斜視図である。

【図５】 図４のＭＰＯコネクタの正断面図である。

【図６】 図５のＭＰＯコネクタの雌側ハウジングを示
す側面図である。

【図７】 図６雌側ハウジングの正断面図である。

【符号の説明】

１０…光コネクタプラグ、１１…フェルール、１３…プ
ラグハウジング、２５…位置決め突起（キー）、５０…
光コネクタ、５１…雌側ハウジング（光コネクタアダプ
タ）、５２…プラグ差込穴、５３…ガイド壁、５４…位
置決め溝（キー溝）、５６…連結壁。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉木 康博 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 保苅 和男 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 古川 眞一 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバを成端するフェルール（１
   １）を対向する別のフェルールと突き合わせ接続可能に
   支持固定する光コネクタプラグ（１０）と、該光コネク
   タプラグが差し込まれるプラグ差込穴（５２）を形成す
   る筒状の雌側ハウジング（５１）とを具備する光コネク
   タにおいて、 光コネクタプラグのフェルールを囲繞するプラグハウジ
   ング（１３）側面から０．７ミリメートル以上の突出寸
   法で突設した位置決め突起（２５）が差し込まれる位置
   決め溝（５４）を、雌側ハウジングの前記プラグ差込穴
   を介して対向配置された一対のガイド壁（５３）の一方
   の内面に形成して雌側ハウジング外側に貫通させずに
   ０．７ミリメートル以上の深さ寸法を確保し、 プラグ差込穴の開口部近傍にて両ガイド壁の対向方向と
   垂直の方向でプラグ差込穴の両側に対向配置した連結壁
   （５６）で両ガイド壁を連結して、プラグ差込穴に光コ
   ネクタプラグを差し込んだ際に両ガイド壁間が離間する
   方向への雌側ハウジングの変形が連結部により規制され
   るようにしたことを特徴とする光コネクタ（５０）。