JPH10205901A - 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機 - Google Patents

蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機

Info

Publication number
JPH10205901A
JPH10205901A JP9010126A JP1012697A JPH10205901A JP H10205901 A JPH10205901 A JP H10205901A JP 9010126 A JP9010126 A JP 9010126A JP 1012697 A JP1012697 A JP 1012697A JP H10205901 A JPH10205901 A JP H10205901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
regenerator
cold storage
storage material
fine
thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9010126A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Ishizaki
崎 嘉 宏 石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ECTI KK
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
ECTI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, ECTI KK filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP9010126A priority Critical patent/JPH10205901A/ja
Publication of JPH10205901A publication Critical patent/JPH10205901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02G2257/00Regenerators
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/14Compression machines, plants or systems characterised by the cycle used 
    • F25B2309/1406Pulse-tube cycles with pulse tube in co-axial or concentric geometrical arrangements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/14Compression machines, plants or systems characterised by the cycle used 
    • F25B2309/1415Pulse-tube cycles characterised by regenerator details

Landscapes

  • Separation By Low-Temperature Treatments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄冷器を作製する際に、簡単に構成でき、か
つ性能、信頼性も維持し得る蓄冷材とすること。 【解決手段】 複数の細線によりマット状に形成された
蓄冷材としたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄冷材及び蓄冷器並び
にこれらの蓄冷材及び蓄冷器を主構成とする冷凍機及び
パルス管と蓄冷器とを一体化したパルス管冷凍機機に関
するものである。尚、本発明に係る蓄冷材及び蓄冷器を
スターリングエンジン等の動力を発生させる熱機関に適
用した場合には、蓄熱材及び蓄熱器となるが、ここでは
これら熱機関に適用する蓄熱材、蓄熱器も総称して蓄冷
材及び蓄冷器と称することとする。
【0002】
【従来の技術】絶対温度で120K以下の冷凍を生成す
る冷却システムにおいて、蓄冷材は、その冷却システム
の性能を決定する重要な一因となる。従来、このような
蓄冷材として、比熱の大きな銅、ブロンズ、ステンレス
等の金網(100〜300メッシュ)を蓄冷材として使
用し、これらを円形状に打ち抜き、パイプ内に数百枚詰
め込んで積層したもの(以下、メッシュタイプの蓄冷材
という。)、又は、無数の小さな(φ0.3mm以下)
鉛球や低温で磁気比熱の大きなEr3 Ni等の球体を詰
め込んで充填したもの(以下、小球タイプの蓄冷材とい
う。)がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の蓄冷材は、上記
説明したように、数百枚の円形状のメッシュを積層した
メッシュタイプ、又は、無数の小さな球体を充填した小
球タイプである。しかしながら、メッシュタイプのもの
においては、メッシュを積層するに際し、1枚1枚メッ
シュを積み重ね、積層していくものであり、手作業でも
治具を使用しても非常に時間がかかり、生産性が極めて
悪いという問題がある。また、小球タイプのものにおい
ては、ピストンの往復動作等で発生する機械振動や、流
体の急激な速度変化による衝撃等で破砕され、蓄冷器性
能に劣化を起こすばかりでなく、この球体や球体が破砕
され粉体化したものが他の要素部に侵入したり、流体の
主流路部を閉塞させたりして、システムの故障を引き起
こすという問題がある。
【0004】故に、本発明は、上記問題点を解消すべく
なされたものであり、生産性が良好であり、かつ蓄冷器
としての性能、信頼性を維持できる蓄冷材及び蓄冷器と
することを技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するためになされた請求項1の発明は、複数の細線に
よりマット状に形成された蓄冷材としたことである。
【0006】上記発明は、以下のように作用する。即
ち、蓄冷材は、複数の細線によりマット状に形成されて
いるため、このようなマット状蓄冷材を充填して蓄冷器
とするに際し、蓄冷材を巻き上げてロール状とし、ロー
ル状となった蓄冷材を蓄冷器内に挿入すればよい。又
は、該蓄冷材を芯材等に巻き付けてロール状とし、芯材
と一体的にロール状となった蓄冷材を蓄冷器内に挿入す
ればよい。本発明における蓄冷材はこのような構成のた
め、蓄冷器の生産性が極めて向上するものである。
【0007】ここで、マット状とは、平面状のシートの
ごとき形状をいい、丸めてロール状にしたり、芯材等に
巻きつかせることが可能なものをいう。
【0008】上記技術的課題を解決するに当たり、請求
項2の発明のように、前記細線は、第1方向に略平行に
配列された複数の第1細線と、前記第1細線に略垂直に
配列された複数の第2細線群とを備え、前記各第2細線
群は、相隣接する前記第1細線間で交差する一対の第2
細線を有することを特徴とする蓄冷材とすることが好ま
しい。このような蓄冷材の形状は、後述する図2(a)
に具体的に一例が示されている。また、本発明における
蓄冷材を蓄冷器に充填するときは、前記第1の方向を作
動流体の流れ方向に一致させた方向で該蓄冷材を充填す
る。このように構成した蓄冷材では、後述する図2
(b)にその詳細を示すように、作動流体の流路7が確
保されるため、ただ単に細線を絡め合わせたマット状蓄
冷材に比して圧力損失が少なくなり、また、蓄冷材の充
填密度及び作動流体の流路が均一となるものである。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1におい
て、前記細線は、第1方向に略平行に配列された複数の
第1細線と、第2方向に略平行に配列された複数の第2
細線群とを備え、前記各第2細線群は、相隣接する前記
第1細線間で交差する一対の第2細線を有し、前記第2
の方向(第2細線の配列方向)は、前記第1の方向(第
1細線の配列方向)に直交する方向から0°〜45°の
範囲で傾斜していることを特徴とする蓄冷材である。第
2細線を第1細線に対して傾斜させることにより、流体
流路を長くとることができる。
【0010】また、請求項4の発明のように、前記一対
の第2細線が交差する交差部は、1回以上ねじられてい
ることが好ましい。第2細線の交差部を1回以上ねじる
ことにより、各細線同志の結合がより強固となり、蓄冷
材としての信頼性をより向上させ得る。
【0011】次に、請求項5の発明のように、前記一対
の第2細線が交差する交差部で、前記一対の第2細線同
志が連結されていることが好ましい。第2細線の交差部
において、その交差部にて交差する一対の細線同志を連
結することにより、各第2細線がその位置で強固に保持
される。これにより、例えば後述する図2(c)の図示
上側に位置する第2細線6−1、6−2と、図示下側に
位置する第2細線6−3、6−4は、非接触の状態を保
つことができる。これにより細線間の接触による熱伝達
が押さえられ、蓄冷器効率がより向上する。
【0012】また、一対の第2細線を交差部で連結する
ことにより、蓄冷材の結合をより強固とすることができ
る。このため、本発明における蓄冷材を使用するときの
任意形状に切断しても、細線がほどけてしまうことがな
くなる。これは、従来のメッシュタイプの蓄冷材と比較
すれば、その効果が明らかとなる。即ち、従来のメッシ
ュタイプの蓄冷材は、図13にその部分断面図を示すよ
うなごとき構成であるが、この図13より明らかなよう
に、図示縦の細線2は、図示右方向に行くに従い、その
長さが短くなる。このため、金網を円形状に打ち抜いた
ときに、その周辺部の細線が最も短くなり、抜け落ちて
しまう。このように、周辺部の細線が抜け落ちたメッシ
ュタイプの蓄冷材を蓄冷器に使用すると、細線が抜け落
ちた部分の開口面積が最も大きくなるので、作動流体
は、円形状のメッシュの周辺部に多く流れる。このた
め、作動流体の流れが不均一となり、蓄冷効率が落ち
る。これに対し、本発明の蓄冷材は、細線同志の結合が
強固であるため、任意の形状に切断しても細線が抜け落
ちることはない。このため、どのような形状に切断して
も、常に一定の蓄冷性能を確保することができる。尚、
図13において、1は蓄冷器、3は図示横の細線、4は
作動流体の流路である。
【0013】次に、請求項6の発明のように、前記第2
細線は、銅、銅合金、ニッケル合金で形成されることが
好ましい。これらの材質は、比較的高温領域での比熱が
大きいものである。従って、蓄冷材の材質にこれらを使
用することにより、高温領域での蓄冷効率の向上が期待
できるものである。
【0014】また、請求項7の発明のように、前記第2
細線は、銅より構成される芯材に鉛、鉛合金、ネオジ
ム、磁気比熱の大きい材質をコーティングして形成され
ることが好ましい。上述した蓄冷材の材質及び構成は、
比較的低温領域での比熱が大きくなるものである。従っ
て、蓄冷材の材質及び構成をこのようにすることによ
り、低温領域での蓄冷効率の向上が期待できるものであ
る。
【0015】また、請求項8の発明のように、前記第2
細線は、銅より構成される芯材に鉛、鉛合金、ネオジ
ム、磁気比熱の大きい材質を微粉体として接着または接
合して形成されることが好ましい。上述した蓄冷材の材
質及び構成は、比較的低温領域での比熱が大きくなるも
のである。従って、蓄冷材の材質及び構成をこのように
することにより、低温領域での蓄冷効率の向上が期待で
きるものである。
【0016】また、請求項9の発明のように、前記第2
細線は、使用温度領域でそれぞれ容積比熱の大きな材質
で形成されることが好ましい。このように構成すると、
各温度領域、例えば蓄冷器内の高温領域では、この温度
領域で比熱の高い材質、例えば請求項6の発明で示した
銅、銅合金、ニッケル合金で第2細線を構成し、蓄冷器
内の低温領域では、この温度領域で比熱の高い材質、例
えば請求項7及び8で示したような、銅より構成される
芯材に鉛、鉛合金、ネオジム等低温磁気比熱の大きい材
質をコーティングしたもの又はこれらの粉体を接着もし
くは接合したもので第2細線を構成することができる。
このため、蓄冷器内のいずれの温度領域においても比熱
が大きい材質で蓄冷器を構成でき、蓄冷効率がより一層
向上するものである。
【0017】次に、請求項10において講じた発明は、
前記第1細線を、前記第2細線と比較して熱伝導の悪い
材質で形成することである。このように蓄冷材を形成す
ることにより、この蓄冷材を蓄冷器に挿入するときに第
1細線を蓄冷器の周方向に配列、つまり、1本の第1細
線が蓄冷器の軸方向(高温端部から低温端部へ向かう方
向)に延びることとなる。この場合に、第1細線は熱伝
導が悪いため、蓄冷器の高温端において得た熱を蓄冷器
の低温端まで伝達することが極力抑制されるものであ
る。
【0018】次に、上記技術的課題を解決するために、
請求項11において講じた発明は、低温端及び高温端を
備えた蓄冷器において、請求項1〜10に記載の蓄冷材
を前記第2細線が軸方向に配列されるように巻き上げて
ロール状とし、該ロール状とされた蓄冷材の一端部を前
記蓄冷器の低温端に、他端部を前記蓄冷器の高温端に配
置されるように挿入した蓄冷器としたことである。
【0019】これによれば、請求項1〜10において示
した蓄冷材を第2細線が軸方向に配列するように巻き上
げてロール状とし、このロール状とされた蓄冷材を挿入
した蓄冷器としたので、蓄冷器を作製するときの作業性
が飛躍的に良好となり、生産性を向上させることができ
るものである。また、このような蓄冷器とすることによ
り、蓄冷器内部の蓄冷材の充填密度及び作動流体の流路
が均一となるため、蓄冷効率の非常に良い蓄冷器とする
ことができる。また、このような蓄冷器とすることによ
り、蓄冷器の高温端から低温端への熱の伝達が極力抑制
されるため、より蓄冷効率を向上させることができる。
【0020】この場合、より好ましくは、請求項12の
発明のように、蓄冷器は芯材を備え、前記芯材の周りに
前記蓄冷材が巻き付けられてロール状とされたものとす
ることである。このように構成することにより、蓄冷器
を作製するときの作業は、該蓄冷材を芯材等に巻き付け
てロール状とし、芯材と一体的にロール状となった蓄冷
材を蓄冷器内に挿入すればよい。本発明における蓄冷材
はこのような構成のため、蓄冷器の生産性を極めて向上
させることができるものである。
【0021】さらにより好ましくは、請求項13の発明
のように、前記芯材は周方向に複数個に分割されている
ことである。これにより、1つの蓄冷器を作製するとき
に複数枚の蓄冷材を使用することができ、1枚当たりの
蓄冷材を小さくすることができるので、蓄冷器を作製す
るときの作業効率がより向上するものである。
【0022】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項14において講じた発明は、請求項11〜13
に記載の蓄冷器を備えた蓄熱型冷凍器とすることであ
る。本発明における蓄冷器を蓄冷型冷凍機に適用するこ
とにより、蓄冷型冷凍機を作製するときの作業性が極め
て向上するとともに、蓄冷型冷凍機の冷凍性能をも向上
させることができる。
【0023】また、請求項15の発明は、請求項14に
おいて、前記蓄冷型冷凍機は、前記蓄冷器とパルス管と
を一体化したパルス管冷凍機であることを特徴とする蓄
冷型冷凍機としたことである。これにより、蓄冷器とパ
ルス管とを一体化したパルス管冷凍機において、冷凍機
を作製するときの作業効率が格段に向上するものであ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0025】(第1実施形態例)図1(a)、図1
(b)、図1(c)は、本発明の第1実施形態例におけ
るマット状の蓄冷材の形状を示すものであり、図1
(a)は正面図、図1(b)は断面図、図1(c)は図
1(a)の部分拡大図である。図1(a)において、5
は第1細線である。第1細線5は、図示矢印A方向(第
1方向)に略平行に複数本配列されており、例えば直径
0.07mm、各第1細線5間の間隔Pは0.35mm
で等間隔とされている。第1細線5は、後述する第2細
線6−1、6−2・・・6−12を巻き込むガイドとし
ての役割を果たす。第1細線5の材質特性としては、高
硬度で軸方向に弾性があり、低熱伝導性のものが好まし
く、例えばシリコンカーバイド等のセラミックスファイ
バー、ガラス、合金、PBO(ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール)等の繊維の細線が用いられる。こ
のような材質で第1細線5を構成することにより、前述
した第2細線のガイド機能の他に、補助的な蓄冷効果も
兼ね備えるとともに、常温よりの熱の伝達を抑制するこ
とができる。
【0026】前述した6−1、6−2・・・6−12は
第2細線である(以下、総称する場合には単に第2細線
6と称する。)。第2細線6は、図1(a)に具体的に
示すように、一対の第2細線6−1と6−2で第2細線
群6Aを構成し、以下同様に、6−3、6−4の一対で
第2細線群6B、6−5、6−6で一対の第2細線群6
C、6−7、6−8で第2細線群6D、6−9、6−1
0で第2細線群6E、6−11、6−12で第2細線群
6Fを構成する。各第2細線群6A〜6Fは、第1細線
5と略垂直方向に複数群配列されており、隣り合う第1
細線5の間で第1細線5を挟むように交差している。そ
して、全ての交差部(図示Bで示す部分)においては、
糸部材8によって交差している細線同志を結合してい
る。このように、交差部を糸部材8により結合すること
により、マット状の蓄冷材を必要とする任意の横幅、並
びに縦長さに切断しても、蓄冷材がばらばらに分散する
ことがないものである。また、交差している細線同志を
連結することにより、第2細線6の位置をしっかりと固
定できる。このため、図2(a)もしくは図1(c)に
示すように、隣接する各第2細線群はそれぞれが非接触
状態で保たれている(例えば図1(a)の第2細線群6
Bは、第2細線群6A、第2細線群6Cと非接触状態で
ある。)。このように構成することにより、以下のよう
な効果が期待できる。即ち、本例における蓄冷材をGM
冷凍機、スターリング冷凍機、さらにはパルス管冷凍機
等の蓄冷型冷凍機に適用した場合、より低温となる部分
(被冷却体を冷却するコールドヘッドに近い部分)を図
示下部(図示L3で示す領域側)に、高温部(圧力変動
源に近い部分)を図示上部(図示L1で示す領域側)に
なるように蓄冷材を配置した場合、高温部から低温部へ
と蓄冷材同志が接触することによる熱の伝達が抑制され
る。故に、熱伝導損失を少なくして効率を向上させるこ
とができるものである。
【0027】第2細線6は、本例における蓄冷材の蓄冷
効果を実質的に奏するためのものであり、そのため容積
比熱が大きな材料が選択される。選択されるべき材料の
候補の例として、ステンレス(例えばSUS316)、
Pb、Al2 3 、Er3 Co、Cu、Ni、Er3
i、Er0.9 Yb0.1 Ni、Brass、Alが挙げら
れる。これらの材料の容積比熱の温度依存性を図12に
示す。これによると、各蓄冷材料は、温度領域によって
比熱の大きさが異なり、一般に低温度になるに従い比熱
は小さくなる。通常、60Kの温度領域までは、ブロン
ズ、銅、ステンレス等が使用され、20K以下の温度領
域では、銅線を芯に鉛、ネオジム等をメッキした単線、
銅線を芯にして鉛、ネオジムの微粉体を接着又は接合し
たもの、又はこれらを材料とした無数の細線を撚り込ん
で単線とした柔軟性のある金属細線(例えば直径0.0
2〜0.08mm)のものが使用される。
【0028】第2細線6の材質は、その使用温度によっ
て選択する材質が異なるものである。比較的高温領域で
使用する場合には、その温度で比熱の大きい材質、例え
ば銅、鉛、または銅合金、ニッケル合金等を使用する。
比較的低温領域で使用する場合には、銅線を芯に鉛、ネ
オジム等をメッキしたもの又は銅線を芯に鉛、ネオジム
の微粉体を接着又は接合したもの等が使用される。これ
らは使用温度領域でそれぞれ容積比熱の大きい材質を選
択すべきであり、例えば蓄冷器の高温端に挿入されるべ
き第2細線6の材質としては銅、鉛、銅合金、鉛合金を
使用し、蓄冷器の低温端に挿入されるべき第2細線の材
質としては銅線を芯に鉛、ネオジム等をメッキ又は粉体
化して接着したもの等を使用する。
【0029】図1(b)は、上記構成の蓄冷材の断面図
である。これによれば、第2細線6−1と6−2は、相
隣接する第1細線5間で、第1細線5を挟むように交互
に交差している。このため、第1細線5の図示左右には
空隙7ができ、この空隙7を作動流体が通過可能となっ
ている。本例における蓄冷材は、このような構成のた
め、空隙7で構成される作動流体の通過流路面積が一様
に均一であり、蓄冷材内を通過する作動流体の線速度を
均一化し、蓄冷効率を向上させることができる。
【0030】以上のように、第1実施形態例における蓄
冷材は上記の如き構成のため、以下に示す効果を有する
ことが明らかである。
【0031】第1細線5、第2細線6によりマット状
に蓄冷材が形成されているため、このようなマット状蓄
冷材を充填して蓄冷器とするに際し、蓄冷材を巻き上げ
てロール状とし、ロール状となった蓄冷材を蓄冷器内に
充填すればよい。又は、該蓄冷材を芯材等に巻き付けて
ロール状とし、芯材と一体的にロール状となった蓄冷材
を蓄冷器内に充填すればよい。従って、従来のように、
メッシュタイプの蓄冷材を充填するときの充填作業、球
タイプの蓄冷材を充填するときの充填作業に比較して格
段に作業性が向上し、蓄冷器を作製するときの生産性が
飛躍的に向上する。
【0032】第1細線5は一方向に略平行に配列され
ており、第2細線群6A〜6Fは、第1細線5と略垂直
に配列されている。そして、各第2細線群は、隣り合う
第1細線5間で交差する一対の第2細線より構成されて
いる。このため、一対の第2細線と第1細線5とで空隙
7が形成され、この空隙7が作動流体の通過流路とな
る。従って、確実に作動流体の通過流路を確保でき、蓄
冷材内を作動流体が通過するときの圧力損失を小さくす
ることができる。また、この隙間7は、作動流体の通過
する部分において全て同じ様な形状となるため、作動流
体の通過流路断面積が一様に均一となる。このため作動
流体の線速度も均一となり、蓄冷効率をより向上させる
ことができる。
【0033】各第2細線群を構成する一対の第2細線
は、それらが交差する交差部において連結されている。
そのため、第2細線の位置が固定される。従って、各第
2細線群同志が接触することを防止でき、接触による熱
の伝達を抑制できる。また、第2細線の位置が固定され
るため、このような蓄冷材を必要な大きさに切断して
も、ばらばらになることはない。これに対し、図13に
示すような従来のメッシュタイプの蓄冷材においては、
金網を円形状に打ち抜く際に、図に示すように、周辺部
(例えば図示Aで示す右端部)の細線が短くなって欠落
してしまう。このように細線が欠落すると、作動流体の
通過流路断面積が不均一となり(図示Aで示す部分の空
隙の面積のが、図示Bで示す空隙の面積よりも大き
い)、作動流体の線速度も不均一となって蓄冷効率が低
下する。本例においては上記不具合が発生しないため、
どのような大きさに切断したとしても、常に一定の蓄冷
効率を実現することができる。
【0034】尚、本例において、一対の第2細線を連結
する際に、糸部材を使用したが、これに限らず、一対の
第2細線を溶着等の手段により接合してもよいことは明
らかである。
【0035】(第2実施形態例)図2に示す第2実施形
態例は、上記第1実施形態例で示した第2細線6の構造
が異なるものであり、以下、異なる部分を中心に説明す
る。
【0036】図2は、上記第1実施形態例に示した蓄冷
材の構造をより機械的に強固にした本発明の第2実施形
態例の蓄冷材の構造及び作製工程を示す図である。図2
(a)において、一対の第2細線6−1、6−2を配列
し、次に、図2(b)で高硬度の第1細線5を挿入し、
次に、図2(c)で第1細線5をガイドにして第2細線
6−1、6−2を交差させ、次に図2(d)で2本の第
2細線6−1、6−2を1回又は複数回ねじる(図示G
の部分)。このようにして構成したものを織り上げてマ
ット状の蓄冷材と成すものである。このように、本例に
おける蓄冷材は、一対の第2細線を交差させる交差部で
1回又は複数回ねじる部分を設けた構成であり、その他
の部分は第1実施形態例と同様である。本例における蓄
冷材は、機械的強度がより向上しているために、動力機
関として使用する蓄熱器に使用する蓄熱材として最適で
ある。この場合、2本の第2細線をねじった部分を連結
してもよく、連結手段として上記第1実施形態例で説明
した糸部材8を用いる場合には、ステンレスの細線を用
いるのが好ましい。
【0037】(第3実施形態例)次に、本発明における
蓄冷材のさらに異なる例を、図3を基にして説明する。
【0038】図3は本例の蓄冷材の断面概略図である。
本例においては、第2細線6を6−1、6−2、6−
3、6−4の4本とし、高硬度で弾性のある第1細線5
を5−1、5−2の2列の多重織りとした蓄冷材の構成
である。このように構成すると、作動流体の流路は7−
1、7−2、7−3の3つが形成される。8は、対とな
る第2細線を連結する糸部材である。
【0039】この構造の蓄冷材は、第1及び第2実施形
態例で説明した第1細線5が1層当たり1列のものより
も厚くなり、蓄冷性能を決定する第2細線6の密度が高
くなって製造時間も短縮できる。これに伴い製造コスト
も低減できるが、蓄冷性能は第1及び第2実施形態例の
ものよりも若干劣る。なぜならば、この構造で多重の渦
巻き状の蓄冷器とすると、隣り合う流路の開口部7−3
の面積が、ガイドとなる第1細線5の数の不足で圧縮さ
れて小さくなるとともに、開口部7−1を含めた総流路
面積が変化しやすくなるからである。
【0040】(第4実施形態例)第4実施形態例は、上
記第1実施形態例にて説明した第1細線5の配列方向が
異なるものであり、以下異なる部分を中心に説明する。
【0041】図4は、本例における蓄冷材の構造を示す
図である。図4において、第1細線5は、図示矢印A方
向に平行に複数本配列されている。また、第2細線6−
1〜6−8は、図示矢印B方向に平行に複数本配列され
ている。図示矢印A方向は、図示矢印C方向で示す矢印
B方向に垂直な方向に対して20°〜45°程度傾斜し
ており(つまり、矢印C方向に対する矢印A方向の傾斜
角が20°〜45°であることを示す。以下、本例にお
いてこの角度を傾斜角と称する。)、この状態で織り込
んで蓄冷材を作製したものである。このように構成する
ことにより、作動流体が流路7とその空間を往復すると
き、第2細線6と作動流体との熱交換面積が増えること
となる。これにより蓄冷効率をより向上させることが可
能となる。これは、作動流体の線速度が遅い場合(20
kHz以下)には特に効果がある。また、第1細線5は
低熱伝導性であるが、それの固有の比熱を有し、蓄冷効
果の補助的役割も果たす。ただし、8で示す糸部材は、
第1細線5と同じ傾斜角度で第2細線6を連続させて織
り込む。
【0042】尚、上記においては傾斜角を20°〜45
°としたが、この傾斜角は0°〜45°の範囲であれ
ば、本例に示す効果を充分に有するものである。
【0043】(第5実施形態例)次に、上記第1〜第4
実施形態例において説明した蓄冷材を充填した蓄冷器の
構成の一例について、第5実施形態例として説明する。
【0044】図5は、本例の蓄例材を蓄冷器へ適用する
ときの工程を示す図である。これによれば、まず、図5
(a)に示すような、必要とする蓄冷材の幅と同じ長さ
の低熱伝導の蓄冷器用の芯材11に、蓄冷材の厚さとほ
ぼ同じ厚さのスリット12を作り、これに、図5(b)
に示すように蓄冷材13を挿入し、図3(c)に示すよ
うに多重の渦巻き状に巻き上げてロール状とする。この
場合において、蓄冷材13は、第1実施形態例において
説明した第1細線の配線方向が芯材11の軸方向に一致
するように芯材11に巻き付けられる。そして、蓄冷材
13が巻き付けられた芯材11を、図5(d)に示すよ
うに蓄冷器17のハウジングを構成するパイプ27内に
挿入する。この場合において、芯材11の一端部11a
が蓄冷器17の低温端17aに、図示せぬ他端部が蓄冷
器17の高温端17bに配置されるように挿入する。こ
のように挿入することにより、第2細線6が軸方向に配
列されるように巻き上げてロール状にされた蓄冷材13
の軸方向の一端部13aは蓄冷器13の低温端17a
に、蓄冷材の図示せぬ他端部は蓄冷器13の高温端17
bに配置された構成となる。このようにして、蓄冷器を
作製する。
【0045】本例における蓄冷器は、以上のように構成
されるため、以下に示す効果を有することは明らかであ
る。即ち、蓄冷材13を芯材11に巻き上げてロール状
とし、ロール状とされた蓄冷材13の一端部13aを蓄
冷器の低温端17aに、他端部を蓄冷器の高温端17b
に配置されるように充填したため、蓄冷器を作製すると
きの作業が極めて簡単になる。従って、従来のように、
メッシュタイプの蓄冷材を充填するときの充填作業、球
タイプの蓄冷材を充填するときの充填作業に比較して格
段に作業性が向上し、蓄冷器を作製するときの生産性が
飛躍的に向上する。また、蓄冷器17の軸方向に配列さ
れた複数の第2細線は、各々が非接触状態を保つため、
接触による熱の伝達を極力抑制でき、蓄冷効率を向上さ
せることができる。
【0046】(第6実施形態例)第6実施形態例は、第
5実施形態例において説明した蓄冷器とは、芯材の構成
及び蓄冷材の巻き上げ構成が異なるものであり、以下相
違点を中心に説明する。図6は、本例における蓄冷器の
構造及び作製方法を示したものであり、図6(a)では
低熱伝導の棒状の芯材14を14−1、14−2、14
−3、14−4の部分に4分割し、図2に示すマット状
の蓄冷材の必要長さ分を2分割した。そして、図6
(b)に示すように2分割された蓄冷材の一方の蓄冷材
13−1を芯材の14−4と14−3の間に挟み込む。
同様に、図6(c)に示すように2分割された蓄冷材の
他方の蓄冷材13−2を芯材の14−1と14−2の間
に挟み込む。次に、図示しない細線により、4分割され
た芯材14を棒状に固定する。そして、蓄冷材13−1
と13−2を図示矢印の方向に巻き込んでロール状とす
る。この場合において、蓄冷材13−1、13−2は、
第1及び第2実施形態例において説明した第1細線5の
配線方向が芯材14の軸方向に一致するようにする。こ
のようにして芯材14と一体となった蓄冷材13を図6
(d)に示すように蓄冷器17のハウジングを構成する
パイプ27に挿入する。この場合において、芯材14の
一端部14aが蓄冷器の低温端17aに、他端部が蓄冷
器17の高温端17bに配置されるように挿入する。こ
のように挿入することにより、第2細線6が軸方向に配
列されるように巻き上げてロール状にされた蓄冷材13
の軸方向の一端部13aは蓄冷器13の低温端17a
に、蓄冷材の図示せぬ他端部は蓄冷器13の高温端17
bに配置された構成となる。このようにして、図6
(d)に示すような蓄冷器を作製する。
【0047】このような構造の蓄冷器は、上記第5実施
形態例における蓄冷器が有する効果に加え、芯材の形状
と数によって複雑な蓄冷器の流路構造が形成でき、高効
率が期待できることは明らかである。
【0048】(第7実施形態例)次に、上記第5、第6
実施形態例において説明した蓄冷器に充填された蓄冷材
の断面配置状態の一例について、図7に基づいて説明す
る。
【0049】図7は、図5に示すようにして多重に巻き
上げられた蓄冷材の切断面の一部を示すものである。こ
れによれば、蓄冷器内に充填された蓄冷材は、第1層A
における第1細線5間のピッチP1と第2層Bにおける
第1細線5間のピッチP2とが半分ずれていることがわ
かる。このように、各層において第1細線5の位置を半
ピッチずらして充填配置することにより、蓄冷材の充填
密度をより大きくし、蓄冷効率を向上させることができ
る。
【0050】(第8実施形態例)次に、第5、第6実施
形態例において説明した蓄冷器に充填された蓄冷材の断
面配置状態について、上記第7実施形態例とは異なる配
置状態の例を図8に基づいて説明する。
【0051】図8は図7と同様、多重に巻き上げられた
蓄冷材の切断面の一部を示すものである。これによれ
ば、蓄冷器内に充填された蓄冷材は、第1層Aにおける
第1細線5と第2層Bにおける第1細線5とのピッチが
同じにされていることがわかる。このようにすると、図
示C点で隣合う層の第2細線同志が接触してしまう。し
かしながら、これらの細線は、蓄冷器内においてほぼ同
じ温度領域に配置されたもの同志であるから、接触する
第2細線同志での熱の伝達はおこらず、何ら問題は起き
ない。またこの場合には、空隙7−1の形状が空隙7−
2の形状と類似することとなり、流体がより均一に蓄冷
材内を通過するため、高効率が期待される、ものであ
る。
【0052】(第9実施形態例)次に、上記第1〜第8
実施形態例において説明した蓄冷材及び蓄冷器を蓄冷型
冷凍機の一種である同軸型パルス管冷凍機に適用した例
を、図9、図10に基づいて説明する。
【0053】図9は、パルス管冷凍機の全体を説明する
ための簡易な流路図で、図示しない圧縮機より高圧で常
温の流体は流路15よりロータリー弁16、蓄冷器1
7、被冷却体を冷却するコールドヘッド18、パルス管
19、ニードル弁20より図示しない熱交換器、バファ
ータンクに流路21より侵入する。また、ロータリー弁
16より一部の流体は分岐点Aよりバイパス管26に入
り、弁22を経てより流路21に侵入する。弁16が閉
じて弁23が開くと、バッファータンク内の流体は、侵
入時とは逆に移動し、コールドヘッド18で被冷却体を
冷却し、蓄冷器17で温度上昇してロータリー弁23よ
り圧縮機25の中圧側に戻る。
【0054】本例における蓄冷器17に、前述の第1〜
第6実施形態例において説明した蓄冷材及び蓄冷器が使
用されるものである。
【0055】図10は、本例の要点である、パルス管と
蓄冷器とが同軸的に配置された同軸型パルス管冷凍機の
構成を示す図である。図において、作動流体は、往路過
程では流路16よりドーナツ状の蓄冷器17内に侵入
し、コールドヘッド18を経て、蓄冷器17の内部に同
軸状に配置されたパルス管19内に侵入する。そして、
流路23より図示せぬバッファータンク側に入る。作動
流体の復路過程は、上記往路過程と逆の経路である。こ
の場合、蓄冷器17及び蓄冷器17内の蓄冷材13に
は、上記第1〜第6実施形態例で説明した蓄冷材及び蓄
冷器が使用される。また、コールドヘッド18には、作
動流体の流れをスムーズにし、かつ伝熱面積を増大した
コーン形状の突起物28が取り付けられているため、コ
ールドヘッド18での熱がより効率良く持ち出され、冷
凍効率がさらに向上するものである。尚、図示L1、L
2、L3は、図1(a)におけるL1、L2、L3と同
じものであり、蓄冷材13内の各領域を示す。
【0056】図11は、上記説明した同軸型パルス管冷
凍機に、上記第1〜第8実施形態例において示した蓄冷
材を使用して蓄冷器を構成するときの作製工程及び構成
を示す図である。図において、24−1、24−2、2
4−3、24−4は、4分割された中空状の芯材である
(図11(a)参照)。13−1、13−2は蓄冷材で
ある。そして、蓄冷材13−1を、芯材24−1の内側
に通して芯材24−1及び24−2に巻き付ける(図1
1(b)参照)。同様に、蓄冷材13−2を、芯材24
−3の内側に通して心材24−3及び24−4に巻き付
ける(図11(c)参照)。その後、これらを一体化
し、図12(c)に示すように、パルス管19を蓄冷器
の内側に挿通する。これで、蓄冷器とパルス管の同軸形
が完成する。
【0057】このように、本発明における蓄冷材及び蓄
冷器を本例で説明したような同軸型パルス管冷凍機に適
用することにより、より作業性が向上する。即ち、この
ような同軸型パルス管冷凍機において、蓄冷材をメッシ
ュタイプのものとすると、蓄冷材メッシュをドーナツ状
に形成しなければならず、より作業性が悪い。これに対
し、本例で示したものは、マット状の蓄冷材を中空状の
芯材にロール状に巻き上げて蓄冷器とし、パルス管を蓄
冷器の中空部に挿通するだけで完成するため、このよう
な同軸型パルス管冷凍機を作製するときの作業効率が格
段に良好になる。
【0058】尚、上記例では中空状の芯材を使用して蓄
冷器を構成したが、この芯材を廃止し、パルス管の外壁
に直接蓄冷材を巻き上げてロール状としてもよいことは
明らかである。
【0059】また、上記例では、蓄冷型冷凍機の一種で
ある同軸型パルス管冷凍機の例について説明したが、本
発明における蓄冷器は、蓄冷型冷凍機のあらゆるタイプ
のものに適用可能であり、かつ適用したときに、冷凍機
作製時の作業性向上、冷凍性能の向上等の優れた効果を
発揮することは明らかである。
【0060】
【発明の効果】本発明における蓄冷材は、以上のように
構成されているため、これを蓄冷器に組み込むときに
は、蓄冷材をロール状にして充填するだけであり、これ
により均一な性能の蓄冷器を短時間に製造できる。即ち
量産向きの構造となり、蓄冷型の冷凍機や冷却システム
を低価格で提供できる。
【0061】また、どのような要求仕様でも本発明の蓄
冷材では、第1細線のピッチ及び傾斜角度、第2細線の
材質、直径及び長さの調整で対応できる。
【0062】さらに、各第2細線群は、隣接する第2細
線群とは非接触状態に保たれるので、蓄冷材の接触によ
る熱の伝達が極小とされ、蓄冷効率がより向上する。
【0063】また、蓄冷材内の作動流体の流路面積と流
路空間がランダムに形成できるから、圧力損失も蓄冷効
率も、均一な性能の蓄冷器を大量生産できる。
【0064】また、蓄冷材の第1細線及び第2細線はマ
ット状に編み込まれ、さらに、第2細線群を構成する一
対の第2細線が、その交差部で連結されているため、流
体の出入りに伴って細線が動いたり、流体の流路面積や
空間も変形しない構造である。このため、流体に振動を
与え、それが伝搬して被冷却体を冷却するコールドヘッ
ドで機械振動を発生させることもない。従って、本発明
における蓄冷材を充填した蓄冷器を使用した蓄冷型冷凍
機は、微小な振動でも嫌う高感度のエレクトロニクス機
器への応用が可能となる。
【0065】また、本発明における蓄冷器を適用した蓄
冷型冷凍機の発明は、冷凍機を作製する上で作業性及び
冷凍効率が極めて向上するという効果を有する。特に、
本発明における蓄冷材、蓄冷器を実施形態例において一
例として示した同軸型パルス管冷凍機のような蓄冷器と
パルス管とを一体化したパルス管冷凍機に適用すれば、
これを作製する上で、従来のようなメッシュタイプの蓄
冷材を使用する場合と比較して、格段に作業効率が向上
するという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例における蓄冷材を示す図であ
り、図2(a)は正面図、図2(b)は断面図、図2
(c)は図2(a)の部分拡大図である。
【図2】第2実施形態例における蓄冷材の製造工程及び
構造を示す図である。
【図3】第3実施形態例における蓄冷材の2層構造の蓄
冷材を示す図である。
【図4】第4実施形態例における蓄冷材の構造を示す図
である。
【図5】第5実施形態例における蓄冷器を作製するとき
の工程及び蓄冷器の構造を示す図である。
【図6】第6実施形態例における蓄冷器を作製するとき
の工程及び蓄冷器の構造を示す図である。
【図7】第7実施形態例における蓄冷器において、内部
の蓄冷材の断面構造を示す図である。
【図8】第8実施形態例における蓄冷器において、内部
の蓄冷材の断面構造を示す図である。
【図9】第9実施形態例におけるパルス管冷凍機の流路
図である。
【図10】第9実施形態例における同軸型パルス管冷凍
機の図である。
【図11】第9実施形態例に適用する蓄冷材及び蓄冷器
の構造を示す図である。
【図12】蓄冷材として使用可能な材料の比熱の温度依
存性を示すグラフである。
【図13】従来のメッシュタイプの蓄冷材の部分断面図
である。
【符号の説明】
5・・・第1細線 6、6−1、6−2、6−3、6−4、6−5、6−
6、6−7、6−8、6−9、6−10、6−11、6
−12、・・・第2細線 6−A、6−B、6−C、6−D、6−E、6−F・・
・第2細線群 7、7−1、7−2・・・隙間 8・・・糸部材 9・・・ピッチ 11・・・芯材 11a・・・一端部、11b・・・他端部 12・・・スリット 13・・・蓄冷材 14、14−1、14−2、14−3、14−4・・・
芯材 17・・・蓄冷器 19・・・パルス管 26・・・蓄冷器 27・・・パイプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】第1 実施形態例における蓄冷材を示す図であ
り、図1(a)は正面図、図1 (b)は断面図、図1
(c)は図1(a)の部分拡大図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の細線によりマット状に形成された
    蓄冷材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記細線は、第1方向に略平行に配列された複数の第1
    細線と、前記第1細線に略垂直に配列された複数の第2
    細線群とを備え、 前記各第2細線群は、相隣接する前記第1細線間で交差
    する一対の第2細線を有することを特徴とする蓄冷材。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記細線は、第1方向に略平行に配列された複数の第1
    細線と、第2方向に略平行に配列された複数の第2細線
    群とを備え、 前記各第2細線群は、相隣接する前記第1細線間で交差
    する一対の第2細線を有し、 前記第2の方向は、前記第1の方向に直交する方向から
    0°〜45°の範囲で傾斜していることを特徴とする蓄
    冷材。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、 前記一対の第2細線が交差する交差部は、1回以上ねじ
    られていることを特徴とする蓄冷材。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3において、 前記一対の第2細線が交差する交差部で、前記一対の第
    2細線同志が連結されていることを特徴とする蓄冷材。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3において、 前記第2細線は、銅、鉛、銅合金、ニッケル合金で形成
    されることを特徴とする蓄冷材。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3において、 前記第2細線は、銅より構成される芯材に鉛、鉛合金、
    ネオジム、磁気比熱の大きい材質をコーティングして形
    成されることを特徴とする蓄冷材。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3において、 前記第2細線は、銅より構成される芯材に鉛、鉛合金、
    ネオジム、磁気比熱の大きい材質を微粉体として接着又
    は接合して形成されることを特徴とする蓄冷材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8において、 前記第2細線は、使用温度領域でそれぞれ容積比熱の大
    きな材質で形成されることを特徴とする蓄冷材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9において、 前記第1細線は、前記第2細線と比較して熱伝導の悪い
    材質で形成されることを特徴とする蓄冷材。
  11. 【請求項11】 低温端及び高温端を備えた蓄冷器にお
    いて、 請求項1〜10に記載の蓄冷材を前記第1細線が軸方向
    に配列されるように巻き上げてロール状とし、該ロール
    状とされた蓄冷材の軸方向の一端部を前記蓄冷器の低温
    端に、軸方向の他端部を前記蓄冷器の高温端に配置され
    るように挿入した蓄冷器。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記蓄冷器は芯材を備え、前記芯材の周りに前記蓄冷材
    が巻き付けられてロール状とされていることを特徴とす
    る蓄冷器。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記芯材は周方向に複数個に分割されていることを特徴
    とする蓄冷器。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13に記載の蓄冷器を備
    えた蓄冷型冷凍機。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記蓄冷型冷凍機は、前記蓄冷器とパルス管とを一体化
    したパルス管冷凍機であることを特徴とする蓄冷型冷凍
    機。
JP9010126A 1997-01-23 1997-01-23 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機 Pending JPH10205901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9010126A JPH10205901A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9010126A JPH10205901A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10205901A true JPH10205901A (ja) 1998-08-04

Family

ID=11741605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9010126A Pending JPH10205901A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10205901A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001021245A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Irie Koken Kk 蓄冷材及び蓄冷器
JP2001172618A (ja) * 1999-12-16 2001-06-26 Ekuteii Kk テープ型蓄冷材およびその製造方法、並びにそれを使用した蓄冷器および冷凍機
WO2002044630A1 (fr) * 2000-11-30 2002-06-06 Sharp Kabushiki Kaisha Moteur stirling
CN104232026A (zh) * 2013-06-20 2014-12-24 住友重机械工业株式会社 蓄冷材料及蓄冷式制冷机
JP2017156084A (ja) * 2013-06-20 2017-09-07 住友重機械工業株式会社 蓄冷材および蓄冷式冷凍機

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001021245A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Irie Koken Kk 蓄冷材及び蓄冷器
JP2001172618A (ja) * 1999-12-16 2001-06-26 Ekuteii Kk テープ型蓄冷材およびその製造方法、並びにそれを使用した蓄冷器および冷凍機
WO2002044630A1 (fr) * 2000-11-30 2002-06-06 Sharp Kabushiki Kaisha Moteur stirling
US6779342B2 (en) 2000-11-30 2004-08-24 Sharp Kabushiki Kaisha Stirling engine
CN104232026A (zh) * 2013-06-20 2014-12-24 住友重机械工业株式会社 蓄冷材料及蓄冷式制冷机
JP2015025648A (ja) * 2013-06-20 2015-02-05 住友重機械工業株式会社 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
KR20160056864A (ko) * 2013-06-20 2016-05-20 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 축냉재 및 축냉식 냉동기
JP2017156084A (ja) * 2013-06-20 2017-09-07 住友重機械工業株式会社 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
CN104232026B (zh) * 2013-06-20 2017-11-14 住友重机械工业株式会社 蓄冷材料及蓄冷式制冷机
US11137216B2 (en) 2013-06-20 2021-10-05 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Regenerator material and regenerative refrigerator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6475935B1 (en) Regenerator and regenerative material used therein
JP5805421B2 (ja) 蓄冷器式冷凍機及び仕切り部材
US5901556A (en) High-efficiency heat-driven acoustic cooling engine with no moving parts
JPH0914875A (ja) 多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器
US4785879A (en) Parallel wrapped tube heat exchanger
US10247451B2 (en) Cryogenic regenerator and cryogenic refrigerator
CN1981167A (zh) 热交换器及斯特林发动机
JPH10205901A (ja) 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機
JP2011149600A (ja) パルスチューブ冷凍機
US10429139B2 (en) Heat exchanger with a glass body
US6779342B2 (en) Stirling engine
US8782890B2 (en) Regenerator for a thermal cycle engine
JP2008281234A (ja) 蓄冷式冷凍機およびパルスチューブ冷凍機
US20220057147A1 (en) Regenerator and method for manufacturing such a regenerator
JP3814418B2 (ja) 蓄冷材、蓄冷器及びこれらを適用した蓄冷型冷凍機
JP2008115918A (ja) フラットスプリング及びスターリング機関
JP2002206816A (ja) 蓄冷器及びこれを用いた極低温冷凍機
JP2019536972A (ja) 作業ガスとしてのヘリウムを有する極低温冷凍機のための熱交換器、こうした熱交換器を生産するための方法、およびこうした熱交換器を含む極低温冷凍機
JP2006090648A (ja) 蓄冷器及び蓄冷型冷凍機
JP2550242Y2 (ja) リジェネレータ
KR20060045109A (ko) 극저온 냉각기의 재생기 및 그 제조방법과 이를 이용한극저온 냉동기
JP2002039639A (ja) パルス管式冷凍機
JPS59189254A (ja) 極低温サ−マルダンパ
JPH09152206A (ja) 外燃機関の再生器
JP7146543B2 (ja) パルス管冷凍機およびパルス管冷凍機の製造方法