JPH10205273A - トンネル削孔における孔尻調整方法及びその装置 - Google Patents

トンネル削孔における孔尻調整方法及びその装置

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JPH10205273A
JPH10205273A JP1047397A JP1047397A JPH10205273A JP H10205273 A JPH10205273 A JP H10205273A JP 1047397 A JP1047397 A JP 1047397A JP 1047397 A JP1047397 A JP 1047397A JP H10205273 A JPH10205273 A JP H10205273A
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JP
Japan
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distance
guide cell
tunnel
drilling
hole
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JP1047397A
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Katsuyuki Kawada
功行 河田
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MATSUDA ASTEC KK
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MATSUDA ASTEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネルの切羽面に穿孔する複数の発破孔の
孔尻位置を揃えることを可能にし、かつ、その際の作業
工数の削減と孔尻位置精度の向上とを図る。 【解決手段】 ガイドセル6の前端部6aを切羽面1上
の第1ペイントマーク1aに当接させ、この状態で、ガ
イドセル上に配設された反射プリズム61と原点位置2
aとの間のトンネル掘削方向Yの距離を、レーザセオド
ライト4により基準距離L0 として検出する。ドリフタ
7を予め設定された基準穿孔長さD0 だけ前進作動さ
せ、第1の発破孔11を形成する。ガイドセルの前端部
を第2のペイントマーク1bに当接させ、この状態で、
反射プリズムの原点位置に対するトンネル掘削方向の距
離をレーザセオドライトにより検出する。この検出相対
距離L1 の基準距離に対する相対偏差を演算し、基準穿
孔長さから相対偏差を減算した実穿孔長さD1 だけ上記
ドリフタを前進作動させて発破孔12を形成する。ガイ
ドセルの傾き角θに応じて検出相対距離や実穿孔長さを
補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルの切羽面
に複数の発破孔を穿孔する際に、その切羽面の凹凸に影
響されることなく、上記発破孔の孔尻を揃えるためのト
ンネル削孔における孔尻調整方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、トンネル施工においてこのト
ンネルの切羽面に複数の発破孔を穿孔する際には、車体
の前側に配設された複数のブームの先端部に削岩機が取
付けられた、いわゆるジャンボ(ドリルキャリジ)等の
穿孔装置を用いている。この際、複数の発破孔の孔尻を
トンネルの掘削方向について略同一位置に揃えることが
できれば、発破の際に効率良く土砂を取り除くことがで
き発破効率が向上する上、発破後の切羽面の凹凸が緩く
なるため肌落ちによる落石が減少し、かつ、それらの凹
凸と削岩機との衝突頻度も減少する等利点が多い。この
ため、切羽面の凹凸を削り取って平坦にした後に、この
切羽面に対し各発破孔の穿孔長さを同一に設定して穿孔
することにより上記各発破孔の孔尻が揃うようにすると
いう方法があるが、この方法では、発破の度毎に切羽面
の凹凸を削り取る作業が必要になり、労力と時間がかか
り過ぎるという不都合がある。
【0003】これに対し、切羽面の凹凸に影響されずに
各発破孔の孔尻を揃えるための孔尻調整方法として、従
来より、切羽面の手前に仮想の切羽平面を設定し、この
仮想切羽平面に合わせて各発破孔を穿孔するという方法
が知られている(例えば、特開平5−222893号広
報参照)。この方法では、まず、削岩機のガイドセルに
受光器を配設する一方、切羽面の手前の所定位置に、回
転レーザ装置をその回転軸がトンネルの掘削方向と一致
するように配設し、この回転レーザ装置から回転投射さ
れるレーザ光線により上記トンネル掘削方向に直交する
仮想切羽平面を設定する。続いて、オペレータの手動操
作により、上記削岩機を切羽面上の所定の穿孔位置に向
けて移動させ、その削岩機のガイドセルの先端部が上記
切羽面に予め設定された第1の穿孔位置に対向し、か
つ、そのガイドセル上に配設された受光器が上記仮想の
切羽平面に位置付けられてレーザ光線を受光するように
位置合わせをした状態で一旦停止させる。その後、上記
ガイドセルを前進させてその先端部を上記第1の穿孔位
置に当接させ、この際のガイドセルの前進量を、上記仮
想切羽平面に対して平行になるよう予め設定された予定
孔尻面までの予定孔尻距離から減算し、この減算後の穿
孔長さだけ岩盤を穿孔して発破孔を形成する。そして、
上記の作業を繰り返して行うことにより、発破孔の孔尻
を上記予定孔尻面に揃えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
トンネル削孔における孔尻調整方法では、第1に、仮想
切羽平面を設定するために回転レーザ装置を正確に設置
する必要があり、このため作業工程数が増加するという
不都合がある。また、上記ガイドセルの先端部を切羽面
の所定の穿孔位置に対向させつつ、その受光部を上記仮
想切羽平面に位置付けるめには、上記仮想切羽平面から
実際の切羽面までの距離を短く設定する必要がある。つ
まり、上記回転レーザ装置を実際の切羽面の近傍に設定
せざるを得ず、このため、肌落ち等による落石によりそ
の回転レーザ装置の設置位置がずれて上記仮想切羽平面
の設定位置がずれるおそれがあり、さらに、この回転レ
ーザ装置が破損するおそれもある。
【0005】第2に、オペレータが手動操作により削岩
機の受光部を仮想切羽平面に対し正確に位置合わせする
必要があるため手間がかかり、その上、その位置合わせ
の際に生じる誤差によって孔尻の位置精度が低下すると
いう不都合がある。特に、トンネルの外周部近傍におい
ては、発破孔をトンネルの掘削方向に対して所定の差し
角だけ外側に向けて穿孔するため、孔尻の位置精度が低
下して発破孔が深くなり過ぎた場合、発破によりトンネ
ルの外周位置を越えて余計に削岩してしまうことになり
(いわゆる余堀り)、この場合には、その余計に削岩し
てしまった分をコンクリート等で埋め直さなくてはなら
ず、施工コストの無用な増大を招くという不都合があ
る。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、トンネルの切
羽面に穿孔する複数の発破孔の孔尻位置をこの切羽面の
凹凸に影響されることなく揃えることを可能にするとと
もに、その際の作業工数の削減と作業精度の向上とを図
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、トンネルの切羽面に対し複
数の発破孔をトンネル掘削方向に穿孔する際に、それら
の発破孔の底端部である孔尻の位置を揃えるためのトン
ネル削孔における孔尻調整方法を前提とし、この方法に
おいて、前後方向に延びるガイドセルの前端側に配設さ
れたビットがそのガイドセルに沿って進退するドリフタ
により駆動されて岩盤を穿孔するように構成された削岩
機を用いるものとする。そして、上記ガイドセルの前端
部を上記切羽面に予め設定された複数の穿孔位置の内の
第1の穿孔位置に当接させ、この状態のガイドセルの位
置を基準位置として設定する基準位置設定工程と、上記
ガイドセルを基準位置に保持した状態で上記ドリフタを
予め設定された基準穿孔長さだけ前進作動させ、上記第
1の穿孔位置に第1の発破孔を形成する第1穿孔工程と
を備えるものとし、さらに、上記ガイドセルを移動させ
てその前端部を上記第1の穿孔位置とは異なる第2の穿
孔位置に当接させ、この状態のガイドセルと上記基準位
置のガイドセルとの間のトンネル掘削方向における相対
偏差を検出する相対偏差検出工程と、上記基準穿孔長さ
を上記相対偏差だけ変更した実穿孔長さを求め、上記第
2の穿孔位置にガイドセルを保持した状態で上記ドリフ
タを上記実穿孔長さだけ前進作動させて第2の発破孔を
形成する第2穿孔工程とを備える構成とするものであ
る。
【0008】上記の構成の場合、基準位置設定工程で
は、第1の穿孔位置に当接されたガイドセルの位置が基
準位置として設定され、第1穿孔工程では、予め設定さ
れた基準穿孔長さの第1の発破孔が上記第1の穿孔位置
に形成される。続いて、相対偏差検出工程では、第2の
穿孔位置に当接されたガイドセルと上記基準位置にある
ガイドセルとの間のトンネル掘削方向における相対偏
差、すなわち、上記第2の穿孔位置の上記第1の穿孔位
置に対するトンネル掘削方向の相対偏差が検出される。
そして、第2穿孔工程では、上記基準穿孔長さを上記相
対偏差だけ変更して実穿孔長さを求め、上記第2の穿孔
位置に上記実孔尻長さの第2の発破孔を形成する。これ
により、この第2の発破孔のトンネル掘削方向の長さ
を、上記第1の発破孔のトンネル掘削方向の長さに対し
ちょうど上記相対偏差の分だけ補正することが可能にな
る。つまり、切羽面の凹凸の分だけ実穿孔長さを補正す
ることにより、第2の発破孔の孔尻を第1の発破孔の孔
尻に対しトンネル掘削方向について同一の位置に揃える
ことが可能になり、これを繰り返すことにより、複数の
発破孔の孔尻位置を揃えることが可能になる。
【0009】そして、上記のトンネル削孔における孔尻
調整方法によれば、従来のように切羽面の手前に予め仮
想切羽平面を設定する必要がないためその分工程数を削
減することが可能になり、また、上記仮想切羽平面を設
定するための回転レーザ装置が落石によって破損するお
それもなくなる。さらに、削岩機を移動させる度毎にそ
のガイドセルを上記仮想切羽平面に対し位置合わせする
必要がなくなるため作業の容易性が向上する上に、その
位置合わせの誤差が解消されて孔尻の位置精度が向上す
る。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における相対偏差検出工程で、ガイドセルに配設した
光線反射器と、予め設定された原点位置に配設したレー
ザ光線の投光系及び受光系とを有する光学式距離計測手
段を用いて上記原点位置から上記光線反射器までの直線
距離を計測し、この計測直線距離に基づいて相対偏差の
検出を行うものである。
【0011】上記の構成の場合、請求項1記載の発明に
おいて相対偏差の検出を行う方法が具体的に特定され
る。すなわち、ガイドセルに光線反射器を配設する一
方、原点位置にレーザ光線の投光系及び受光系を配設し
て光学式距離計測手段を構成し、上記原点位置から上記
光線反射器までの直線距離を計測してこの計測直線距離
に基づいて上記ガイドセルと上記原点位置との間のトン
ネル掘削方向の相対距離を検出する。そして、ガイドセ
ルが基準位置にあるときの検出相対距離とこのガイドセ
ルが第2の穿孔位置にあるときの検出相対距離とに基づ
き、相対偏差の検出を確実かつ容易に行うことが可能に
なる。なお、上記光学式距離計測手段としては、反射プ
リズム及びレーザセオドライ等を用いればよい。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明における相対偏差検出工程で、トンネル掘削方向に対
するガイドセルの傾き角を検出し、この検出傾き角に基
づいて計測直線距離を補正することにより相対偏差を検
出する構成とするものである。
【0013】上記の構成の場合、請求項2記載の発明に
よる作用に加えて、ガイドセルの長手方向がトンネル掘
削方向に平行でない場合でも、第2の穿孔位置の第1の
穿孔位置に対するトンネル掘削方向の相対偏差を正確に
検出することが可能になる。すなわち、例えば、基準位
置設定工程において第1の穿孔位置に当接されたガイド
セルがトンネル掘削方向に平行であり、かつ、相対偏差
検出工程において第2の穿孔位置に当接された上記ガイ
ドセルがトンネル掘削方向に平行でない場合、このガイ
ドセルの基準位置にあるガイドセルに対する相対偏差は
上記第2の穿孔位置の第1の穿孔位置に対する相対偏差
とは僅かに異なることになる。そこで、上記ガイドセル
のトンネル掘削方向に対する傾き角を検出し、この検出
傾き角に基づいて上記計測直線距離を補正して、上記ガ
イドセルがその前端部を中心に回転されてトンネル掘削
方向に平行になった仮想位置にあるものとして、このガ
イドセルの上記基準位置にあるガイドセルに対する相対
偏差を求めることにより、上記穿孔位置の第1の穿孔位
置に対するトンネル掘削方向の相対偏差を正確に検出す
ることが可能になり、これにより、実穿孔長さを切羽面
の凹凸に応じて正確に補正することが可能になる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明における第2穿孔工程で、検出傾き角に応じてドリフ
タの実穿孔長さを変更補正するものである。
【0015】上記の構成の場合、請求項4記載の発明に
よる作用に加えて、ガイドセルがトンネル掘削方向に対
し平行でない場合でも、ドリフタの実穿孔長さを検出傾
き角に応じて補正することにより、すなわち、ドリフタ
の実穿孔長さを上記検出傾き角の余弦関数で除算するこ
とにより、発破孔がトンネル掘削方向に対し傾いている
分だけその長さを長くさせることが可能になり、これに
より、上記発破孔の孔尻を第1の発破孔の孔尻に対しト
ンネル掘削方向について同一の位置に揃えることが可能
になる。
【0016】請求項5記載の発明は、トンネルの切羽面
に対し複数の発破孔をトンネル掘削方向に穿孔する際
に、それらの発破孔の底端部である孔尻の位置を揃える
ためのトンネル削孔における孔尻調整装置を前提とす
る。このものにおいて、前後方向に延びるガイドセルの
前端側に配設されたビットがそのガイドセルに沿って進
退するドリフタにより駆動されて岩盤を穿孔するように
構成された削岩機と、上記ドリフタを設定穿孔長さだけ
前進作動させる作動制御手段と、トンネル内に予め設定
した原点位置と上記ガイドセルとの間のトンネル掘削方
向における相対距離を検出する距離検出手段とを備える
ものとし、上記作動制御手段として、予め設定された基
準穿孔長さが初期設定穿孔長さとして設定され、上記距
離検出手段から1番目に入力される検出相対距離を基準
距離として保持するとともに、その距離検出手段から2
番目以降に入力される検出相対距離と上記基準距離との
相対偏差だけ上記基準穿孔長さを変更し、その変更した
値を上記設定穿孔長さとして順次設定する構成とするも
のである。
【0017】上記の構成の場合、まず、削岩機のガイド
セルの前端部を切羽面に予め設定された第1の穿孔位置
に当接させる。この状態で、トンネル内に予め設定され
た原点位置と上記ガイドセルとの間のトンネル掘削方向
における相対距離が距離検出手段により検出され、この
検出相対距離が作動制御手段に入力されて基準距離とし
て保持される。続いて、上記作動制御手段により、ドリ
フタが予め設定された基準穿孔長さだけ前進作動されて
第1の発破孔が形成される。次に、上記ガイドセルを移
動させてその前端部を第2の穿孔位置に当接させる。こ
の状態で上記ガイドセルと上記原点位置との間のトンネ
ル掘削方向における相対距離が距離検出手段により検出
され、この検出相対距離が上記作動制御手段に入力され
る。そして、この作動制御手段において上記検出相対距
離の上記基準距離に対する相対偏差、すなわち、上記第
2の穿孔位置の上記第1の穿孔位置に対するトンネル掘
削方向の相対偏差が算出され、さらに、この相対偏差だ
け上記基準穿孔長さを変更した実穿孔長さが演算され
る。そして、上記作動制御手段により、ドリフタを上記
実穿孔長さだけ前進作動させて第2の発破孔を形成する
ことにより、この第2の発破孔のトンネル掘削方向の長
さを、上記第1の発破孔のトンネル掘削方向の長さに対
しちょうど上記相対偏差の分だけ補正することが可能に
なる。つまり、上記第2の発破孔の孔尻を上記第1の発
破孔の孔尻に対しトンネル掘削方向について同一の位置
に揃えることが可能になり、これを繰り返すことにより
複数の発破孔の孔尻位置を揃えることが可能になる。
【0018】そして、上記のトンネル削孔における孔尻
調整装置によれば、従来のように切羽面の手前に予め仮
想切羽平面を設定する必要がないためその分工程数を削
減することが可能になり、また、上記仮想切羽平面を設
定するための回転レーザ装置が落石によって破損等する
おそれもなくなる。さらに、削岩機を移動させる度毎に
そのガイドセルを上記仮想切羽平面に対し位置合わせす
る必要がなくなるため作業の容易性が向上する上に、そ
の位置合わせの誤差が解消されて孔尻の位置精度が向上
する。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明における削岩機を、トンネルの切羽面の手前に位置付
けられた台車に対し三次元方向に移動可能なようブーム
を介して配設する構成とするものである。
【0020】上記の構成の場合、請求項5記載の発明に
おける削岩機を切羽面に対し支持する構成が具体的に特
定され、上記削岩機を所定の穿孔位置に対し確実に支持
することが可能になる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明における距離検出手段を光学式距離計測手段とし、こ
の上記光学式距離計測手段として、ガイドセルに配設さ
れた光線反射器と、原点位置に配設されたレーザ光線の
投光系及び受光系とを備える構成とするものである。
【0022】上記の構成の場合、請求項6記載の発明に
おける距離検出手段の構成が具体的に特定される。すな
わち、ガイドセルに光線反射器が配設される一方、原点
位置にレーザ光線の投光系及び受光系が配設されて光学
式距離計測手段が構成されており、上記原点位置から上
記光線反射器までの直線距離を計測することにより、上
記ガイドセルと上記原点位置との間のトンネル掘削方向
の相対距離を検出することが可能になる。そして、ガイ
ドセルが基準位置にあるときの検出相対距離と、上記ガ
イドセルが第2の穿孔位置にあるときの検出相対距離と
に基づいて、相対偏差の検出を確実かつ容易に行うこと
が可能になる。なお、上記光学式距離計測手段として
は、反射プリズム及びレーザセオドライ等を用いればよ
い。
【0023】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明における原点位置を台車に設定し、かつ、光学式距離
計測手段を上記台車上に配設する構成とするものであ
る。
【0024】上記の構成の場合、請求項7記載の発明に
おける原点位置が台車に設定されているため、その台車
を切羽面の手前に位置付けるだけで上記原点位置の設定
が行われる上、光学式距離計測手段が上記台車上に配設
されているためこの光学式距離計測手段の有するレーザ
光線の投光系及び受光系を予め上記原点位置に固設する
ことが可能になり、これにより、設定作業の簡略化が図
られる。
【0025】請求項9記載の発明は、請求項7記載の発
明において、ガイドセルのトンネル掘削方向に対する傾
き角を検出する傾き角検出手段と、光学式距離計測手段
により計測された計測直線距離を上記傾き角検出手段に
よる検出傾き角に基づいて補正する計測距離補正手段と
を備える構成とするものである。
【0026】上記の構成の場合、請求項7記載の発明に
よる作用に加えて、ガイドセルがトンネル掘削方向に平
行でない場合でも、第2の穿孔位置の第1の穿孔位置に
対するトンネル掘削方向の相対偏差を正確に検出するこ
とが可能になる。すなわち、例えば、第1の穿孔位置に
当接されたときにガイドセルがトンネル掘削方向に平行
であり、かつ、上記第2の穿孔位置に当接されたときに
上記ガイドセルがトンネル掘削方向に平行でない場合、
このガイドセルの基準位置にあるガイドセルに対する相
対偏差は上記第2の穿孔位置の第1の穿孔位置に対する
相対偏差とは僅かに異なることになる。ここで、上記ガ
イドセルのトンネル掘削方向に対する傾き角が傾き角検
出手段により検出され、その検出傾き角に基づき計測直
線距離が計測距離補正手段により補正されて、上記ガイ
ドセルがその前端部を中心に回転されてトンネル掘削方
向に平行になった仮想位置にあるものとして、このガイ
ドセルの上記基準位置にあるガイドセルに対する相対偏
差が求められる。これにより、上記第2の穿孔位置の第
1の穿孔位置に対するトンネル掘削方向の相対偏差を正
確に検出することが可能になり、これにより、実穿孔長
さを切羽面の凹凸に応じて正確に補正することが可能に
なる。
【0027】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明における作動制御手段を、傾き角検出手段による
検出傾き角に応じて実穿孔長さを補正する構成とするも
のである。
【0028】上記の構成の場合、請求項10記載の発明
による作用に加えて、ガイドセルがトンネル掘削方向に
対し平行でない場合でも、作動制御手段においてドリフ
タの実穿孔長さを検出傾き角に応じて補正することによ
り、すなわち、ドリフタの実穿孔長さを上記検出傾き角
の余弦関数で除算することにより、発破孔がトンネル掘
削方向に対し傾いている分だけその長さを長くさせるこ
とが可能になり、これにより、発破孔の孔尻を第1の発
破孔の孔尻に対しトンネル掘削方向について同一の位置
に揃えることが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0030】−孔尻調整装置の構成− 図1及び図2は、本発明の実施形態に係るトンネル削孔
における孔尻調整装置をジャンボに適用した例を示し、
1はトンネルの切羽面、2は削岩機としてのフィードユ
ニット3,3,…を備えたジャンボ、4は光学式距離計
測手段としてのレーザセオドライト、5は上記削岩機
3,3,…の作動制御を行う作動制御手段としてのコン
トローラである。
【0031】上記切羽面1は、水平方向であるトンネル
掘削方向Y(両図における左右方向)に対し直交する方
向に略円形に拡がってその表面に凹凸が形成されてお
り、発破孔を穿孔する穿孔位置を示すためのペイントマ
ーク1a,1b,…が所定位置に記されている。
【0032】上記ジャンボ2は、上記切羽面1に対向す
るように配置され、台車21の前側(上記両図における
左側)に配設された3本のブーム22,22,…によ
り、これらの各ブーム22の先端部にロータリアクチュ
エータ23,23,…を介して配設されたフィードユニ
ット3,3,…を、上記台車2の前方の所定の範囲内に
おいて任意の位置に配置可能に構成されている。すなわ
ち、上記各ブーム22は、図示省略のオペレータの操作
入力に応じて油圧シリンダ22a,22bにより駆動さ
れて上下左右に回転作動されるとともに伸縮作動され、
また、上記各ロータリアクチュエータ23が、油圧シリ
ンダ23a,23bにより各ブーム22に対し上下左右
に回転作動されるようになっており、これにより、上記
各フィードユニット3,3,…を、上記切羽面1のペイ
ントマーク1a,1b,…に対向させた状態で支持でき
るようになっている。
【0033】上記各フィードユニット3は、図3に示す
ように、前後方向(同図における左右方向)に延びるガ
イドセル6と、このガイドセル6に沿って進退するドリ
フタ7と、上記ガイドセル6の先端側に配設される一
方、ロッド71を介して上記ドリフタ7に連結されたビ
ット8とを備えており、上記ガイドセル6の前端部6a
が切羽面1の所定のペイントマーク1a,1b,…に当
接された状態で、上記ビット8を上記ドリフタ7により
打撃駆動及び回転駆動して岩盤を削りつつ、そのビット
8を上記ドリフタ7とともに前進させることにより、上
記切羽面1に発破孔を形成するようになっている。ま
た、上記フィードユニット3は、ロータリアクチュエー
タ23によりその回転軸Wの回りに回転作動されるとと
もに、ロックチルトシリンダ31により上記回転軸Wに
対し傾き角θ(図6参照)を有するようこの回転軸Wを
含む仮想平面内で回転作動され、さらに、セルスライド
シリンダ32により上記回転軸W方向に進退作動される
ようになっている。また、上記ガイドセル6には、レー
ザセオドライト4から投光されるレーザ光線を反射する
光線反射器としての反射プリズム61が配設されてお
り、さらに、その下側にガイドセル6の水平方向に対す
る傾き角θを検出する傾き角検出手段としての重力式角
度センサ62が配設されている。
【0034】上記レーザセオドライト4は、台車2上に
予め設定された原点位置2aに配設されており、図4に
示すように、下盤41に対し垂直軸z回りに旋回可能に
配設された水平盤42と、この水平盤42に対し一対の
支柱43,43を介して水平軸x回りに回転可能に配設
された望遠鏡44及びレーザ発振器45を備えており、
反射プリズム61の上記原点位置2aに対するトンネル
掘削方向Yについての相対距離を検出するように構成さ
れている。具体的には、まず、オペレータが手動操作で
望遠鏡44とレーザ発振器45とを一体に動かしてこの
望遠鏡44の視野の中心位置に上記反射プリズム61を
位置付ける。この状態で、上記レーザ発振器45を作動
させてレーザ光線を上記反射プリズム61に投光する
と、この反射プリズム61からの反射光が図示省略の受
光部に受光されて往復するレーザ光線の光波が計数され
ることにより、反射プリズム61までの直線距離が計測
される。同時に、上記水平軸xと直交する方向に延びる
水平軸yがトンネル掘削方向Yに一致するよう位置付け
られた状態を計測基準として、上記望遠鏡44及びレー
ザ発振器45の上記水平軸x及び垂直軸z回りの回転角
度が図示省略のエンコーダにより検出され、この検出角
度と上記の計測直線距離とに基づき、演算部46により
上記反射プリズム61の上記原点位置2aに対するトン
ネル掘削方向Yについての相対距離が演算されるように
なっている。
【0035】上記コントローラ5は、入力設定された設
定穿孔長さだけ各フィードユニット3のドリフタ7を前
進作動させる作動制御部51(図5参照)と、図示省略
の操作盤を介してオペレータにより入力設定される基準
穿孔長さや、レーザセオドライト4の演算部46から入
力される基準距離等を記憶するデータ記憶部52と、上
記演算部46から入力される検出相対距離の上記基準距
離に対する相対偏差を、上記基準穿孔長さから減算して
実穿孔長さを算出し、この実穿孔長さを上記作動制御部
51に入力設定する変更設定部53とを備えている。ま
た、上記コントローラ5は、重力式角度センサ62から
入力されるガイドセル6の水平方向に対する検出傾き角
θを上記データ記憶部52に記憶して、上記変更設定部
53で算出する実穿孔長さをその検出傾き角θに基づい
て補正するようになっており、さらに、上記演算部46
から入力された検出相対距離をその検出傾き角θに基づ
いて補正する計測距離補正手段としての補正演算部54
を備えている。なお、この補正演算部54及び変更設定
部53における具体的な補正内容は後述する。
【0036】−孔尻調整方法− 以下に、上記実施形態に係る孔尻調整装置を用いて発破
孔の孔尻を揃える方法を説明する。
【0037】最初に、第1のペイントマーク及び第2の
ペイントマークの両方において、発破孔をトンネル掘削
方向Yに平行に形成する場合(つまり、差し角がない場
合)について、図5に基づいて説明する。
【0038】まず、第1の発破孔11を形成するため
に、オペレータは手動操作によりブーム22(図1参
照)を作動させてフィードユニット3を移動させ、この
フィードユニット3のガイドセル6をトンネル掘削方向
Yに平行な状態で、切羽面1の第1のペイントマーク1
a(同図の下側)に当接させる。この際、ロータリアク
チュエータ23の回転軸W(図3参照)をトンネル掘削
方向Yと平行にするとともに、ロックチルトシリンダ3
1の作動量を零とすることにより、上記ガイドセル6を
トンネル掘削方向Yに平行に位置付ける。この状態で、
上記オペレータは、レーザセオドライト4の望遠鏡44
(図4参照)の視野の中心位置にガイドセル6の反射プ
リズム61が位置付けられるようにしてレーザ発振器4
5を作動させる。これにより、上記反射プリズム61の
原点位置2aに対するトンネル掘削方向Yについての相
対距離L0 が検出され、この検出相対距離L0 がレーザ
セオドライト4の演算部46からコントローラ5に入力
されて基準距離L0 としてデータ記憶部52に記憶され
る(基準位置設定工程)。
【0039】そして、上記オペレータは、切羽面1の岩
質等に応じて適当な穿孔長さD0 を決定し、この穿孔長
さD0 をコントローラ5に対し入力設定する。この入力
設定値は上記データ記憶部52に基準穿孔長さD0 とし
て保持されるとともに、ドリフタ7の作動制御を行う作
動制御部51に設定され、この作動制御部51によりド
リフタ7が上記基準穿孔長さD0 だけ前進作動されて第
1の発破孔11が形成される(第1穿孔工程)。
【0040】続いて、第2の発破孔12を形成するため
に、上記オペレータは、ブーム22の作動によりフィー
ドユニット3を移動させ、上記第1の発破孔11の場合
と同様に、フィードユニット3のガイドセル6をトンネ
ル掘削方向Yに平行な状態でペイントマーク1b(同図
の上側)に当接させる。この状態で、上記の第1の発破
孔11の場合と同様に、レーザセオドライト4により反
射プリズム61の原点位置2aに対するトンネル掘削方
向Yについての相対距離L1 を検出し、この検出相対距
離L1 をレーザセオドライト4の演算部46からコント
ローラ5に入力させる。そして、このコントローラ5の
変更設定部53において、この検出相対距離L1 から基
準距離L0 が減算されて相対偏差が算出され(相対偏差
検出工程)、さらに、基準穿孔長さD0 から上記相対偏
差L1 −L0 が減算され、この減算結果が実穿孔長さD
1 として上記作動制御部51に設定される。すなわち、 D1 = D0 −(L1 −L0 )
【0041】そして、上記作動制御部51により、ドリ
フタ7が上記実穿孔長さD1 だけ前進作動されて第2の
発破孔12が形成される(第2穿孔工程)。この結果、
この発破孔12のトンネル掘削方向Yの長さは、上記第
1の発破孔11のトンネル掘削方向Yの長さに対しちょ
うど上記相対偏差L1 −L0 の分だけ短くなり、その発
破孔12の孔尻を上記第1の発破孔11の孔尻に対しト
ンネル掘削方向Yについて同一位置の仮想平面10上に
揃えることができる。
【0042】次に、第3のペイントマークにおいて、発
破孔をトンネル掘削方向Yに対し上方に角度θだけ傾け
て形成する場合(つまり、差し角のある場合)につい
て、図6に基づいて説明する。
【0043】オペレータは、上述のように第1のペイン
トマーク1a(同図の下側)の位置に基準穿孔長さD0
の第1の発破孔11を形成した後、ブーム22を手動操
作してフィードユニット3を移動させ、このフィードユ
ニット3のガイドセル6をペイントマーク1c(同図の
上側)に当接させる。この際、上記オペレータは、上述
の差し角のない場合と同様にロータリアクチュエータ2
3の回転軸Wをトンネル掘削方向Yと平行に位置付けた
状態で、ロックチルトシリンダ31(図3参照)を所定
量だけ作動させて上記ガイドセル6が上記回転軸Wに対
して上方に傾き角θを有するようにさせ、その後、上記
ガイドセル6の前端部6aをペイントマーク1cに当接
させる。そして、上述の場合と同様にレーザセオドライ
ト4の作動により、反射プリズム61の原点位置2aに
対するトンネル掘削方向Yについての相対距離L2 が検
出され、この検出相対距離L2 が演算部46からコント
ローラ5に入力される。
【0044】一方、ガイドセル6に配設された重力式角
度センサ62により、そのガイドセル6の水平方向に対
する傾き角θが検出されてコントローラ5に入力され、
この検出傾き角θすなわち上記ガイドセル6のトンネル
掘削方向Yに対する傾き角θがデータ記憶部52に記憶
される。そして、この検出傾き角θに基づき、補正演算
部54により、上記ガイドセル6がトンネル掘削方向Y
に平行な仮想位置にある場合の反射プリズム61の原点
位置2aに対する距離になるよう、上記検出相対距離L
2 が補正される。すなわち、ガイドセル6の全長をRと
して、 L2' = L2 −R(1−coθ) こうして算出された補正距離L2'が、補正演算部54か
ら変更設定部53に入力され、この変更設定部53にお
いて、この補正距離L2'から基準距離L0 が減算されて
相対偏差L2'−L0 が算出される。つまり、上記補正距
離L2'と基準距離L0 との相対偏差を求めることによ
り、上記第3のペイントマーク1cの第1のペイントマ
ーク1aに対するトンネル掘削方向Yについての相対偏
差が正確に検出される。
【0045】そして、上記変更設定部53において、基
準穿孔長さD0 から上記相対偏差L2'−L0 が減算され
てトンネル掘削方向Yについての穿孔長さD2 が算出さ
れ、さらに、このトンネル掘削方向Yについての穿孔長
さD2 を傾き角θの余弦値で除算することにより補正し
て、実穿孔長さD2'が算出される。すなわち、 D2' = D2 /cos θ ={D0 −(L2'−L0 )}/cos θ そして、上記実穿孔長さD2'が作動制御部51に入力設
定され、この作動制御部51により、ドリフタ7が上記
実穿孔長さD2'だけ前進作動されて発破孔13が形成さ
れる。このように形成された第3の発破孔13は、トン
ネル掘削方向Yに対し差し角θだけ上方に傾いて形成さ
れ、かつ、その傾いている分だけ長めに形成されている
ため、結局、上記トンネル掘削方向Yについての長さ
は、 D2'cos θ = D2 = D0 −(L2'−L0 ) となる。すなわち、この第3の発破孔13のトンネル掘
削方向Yについての長さは、上記第1の発破孔11のト
ンネル掘削方向Yについての長さに対しちょうど上記相
対偏差L2'−L0 の分だけ短くなり、その孔尻を上記第
1の発破孔11の孔尻に対しトンネル掘削方向Yについ
て同一位置の仮想平面10に揃えることができる。
【0046】次に、上記実施形態の作用・効果を説明す
る。
【0047】上記実施形態に係るトンネル削孔における
孔尻調整装置によれば、第2の発破孔12の実穿孔長さ
D1 を、ペイントマーク1bに当接させた状態のガイド
セル6のペイントマーク1aに当接させた状態のガイド
セル6に対する相対偏差に基づいて補正することによ
り、切羽面1の凹凸に応じて補正することができるた
め、発破孔11,12,…の孔尻をトンネル掘削方向Y
について同一位置の仮想平面10上にに揃えることがで
き、これにより、発破効率の向上や発破後の切羽面から
の落石の減少等の効果が得られる。しかも、従来のよう
に切羽面1の手前に予め回転レーザ装置等により仮想切
羽平面を設定する必要がないため、その分の工程数の削
減ができる上、上記回転レーザ装置が落石によって破損
等するおそれもなくなり、また、フィードユニット3,
3,…を移動させる度毎に各フィードユニット3のガイ
ドセル6を上記仮想切羽平面に対し位置合わせする必要
がなくなるため、作業の容易性が向上する上に、その位
置合わせの誤差が解消されて孔尻の位置精度が向上す
る。
【0048】また、上記ガイドセル6,6,…のトンネ
ル掘削方向Yについての距離の検出を、これらの各ガイ
ドセル6に配設した反射プリズム61及びレーザセオド
ライト4により、確実かつ容易に行うことができ、さら
に、ガイドセル6がトンネル掘削方向Yに平行でない場
合でも、実穿孔長さD2 を切羽面1の凹凸に応じて補正
することができる上、上記ガイドセル6の上記トンネル
掘削方向Yに対する傾き角θに応じて傾いている分だけ
長く補正することができ、これにより、発破孔13の孔
尻を第1の発破孔11の孔尻に対しトンネル掘削方向Y
について正確に揃えることができる。加えて上記レーザ
セオドライト4がジャンボ2の台車21上に配設されて
いるため、その台車21を切羽面1の手前に位置付ける
だけでレーザセオドライト4を設定することができ、設
定作業の簡略化が図られる。
【0049】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
距離検出手段として反射プリズム61及びレーザセオド
ライト4を用いているが、これに限らず、例えば、ブー
ム22,22,…を作動させるための各油圧シリンダ2
2a,22b,…の作動量を作動油の流量に基づいて検
出し、これらの各作動量を積算してガイドセル6,6,
…の位置を検出することも可能である。
【0050】上記実施形態では、発破孔の穿孔位置を示
すためにペイントマーク1a,1b,…を記す用にして
いるが、これに限らず、投影機により穿孔位置を示すよ
うにしてもよい。
【0051】上記実施形態では、レーザセオドライト4
をジャンボ2の台車21上に配設するようにしている
が、これに限らず、例えばトンネル内の所定位置に配設
してもよい。この場合、トンネル施工の基準といて用い
るレーザ投光器を光源として利用することも可能であ
る。
【0052】上記実施形態では、レーザセオドライト4
として、望遠鏡44及びレーザ発振器45を備えるもの
を用い、オペレータが望遠鏡44の視野の中心に反射プ
リズム61を位置付けた後に、レーザ発振器45から反
射プリズム61にレーザ光線を投光するようにしている
が、これに限らず、可視光レーザを投光するレーザセオ
ドライトを用い、望遠鏡なしで照準と測距とを行うよう
にすることも可能である。
【0053】上記実施形態では、傾き角検出手段として
重力式角度センサ62を用いるようにしているが、これ
に限らず、例えば、ロックチルトシリンダ31の作動量
を作動油の流量に基づいて検出するようにしてもよい。
【0054】上記実施形態では、トンネル掘削方向Yが
水平方向の場合について説明しているが、これに限るも
のではない。そして、トンネル掘削方向Yが水平方向で
ない場合には、このトンネル掘削方向Yの水平方向に対
する傾き角を予め検出しておき、重力式角度センサ62
によるガイドセル6の水平方向に対する検出傾き角θに
基づいてこのガイドセルル6のトンネル掘削方向に対す
る傾き各を算出すればよい。
【0055】上記実施形態では、オペレータの手動操作
によりジャンボ2のブーム22,22,…を作動させる
ようにしているが、これに限らず、例えば、コントロー
ラ5に上記ブーム22,22,…の作動制御を行う制御
部を設けて全自動とすることも可能である。
【0056】上記実施形態では、ガイドセ6の後端部に
反射プリズム61を配設するようにしているが、これに
限らず、反射プリズム61を例えば上記ガイドセル6の
中間部位等に配設してもよい。また、反射プリズム61
の代わりに反射板を用いいるようにすることも可能であ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるトンネル削孔における孔尻調整方法によれ
ば、第1の穿孔位置に当接させたガイドセルの位置を基
準位置として設定した上で、第2の穿孔位置に当接させ
たガイドセルの上記基準位置に対するトンネル掘削方向
の相対偏差を検出し、この相対偏差に基づいて上記第2
の発破孔の実穿孔長さを補正することにより、上記両発
破孔の穿孔長さを切羽面の凹凸に応じて補正することが
できる。このため、複数の発破孔の孔尻をトンネル掘削
方向について同一位置に揃えることができ、これによ
り、発破効率の向上や発破後の切羽面からの落石の減少
等の効果が得られる。この際、従来のように仮想切羽平
面を設定する必要がないため工程数を削減することがで
き、また、ガイドセルを上記仮想切羽平面に対し位置合
わせする必要がなくなるため、作業の容易性の向上と孔
尻の位置精度の向上とが図られる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、ガイドセルに配設し
た光線反射器の原点位置に対する直線距離を光学式距離
計測手段によって計測することにより、相対偏差の検出
を確実かつ容易に行うことができる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、ガイドセルがトンネ
ル掘削方向に平行でない場合でも、第2の穿孔位置の第
1の穿孔位置に対するトンネル掘削方向の相対偏差を正
確に検出することができる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、ガイドセルがトンネ
ル掘削方向に平行でない場合でも、発破孔のトンネル掘
削方向の長さを傾きの分だけ長くさせることができ、こ
れにより、発破孔の孔尻を正確に揃えることができる。
【0061】請求項5記載の発明におけるトンネル削孔
における孔尻調整装置によれば、第1及び第2の穿孔位
置にそれぞれ当接させたガイドセルと原点位置との間の
相対距離を距離検出手段によって検出することにより、
上記第2の穿孔位置の第1の穿孔位置に対するトンネル
掘削方向の相対偏差を検出することができ、この相対偏
差に基づいて上記第2の発破孔の実穿孔長さを補正する
ことにより、上記両発破孔の穿孔長さを切羽面の凹凸に
応じて補正することができる。このため、複数の発破孔
の孔尻をトンネル掘削方向について同一位置に揃えるこ
とができ、これにより、発破効率の向上や発破後の切羽
面からの落石の減少等の効果が得られる。この際、従来
のように仮想羽平面を設定する必要がないため工程数を
削減することができ、また、ガイドセルを上記仮想切羽
平面に対し位置合わせする必要がなくなるため、作業の
容易性の向上と孔尻の位置精度の向上とが図られる。
【0062】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
5記載の発明における削岩機を、所定の穿孔位置に対し
確実に支持することができる。
【0063】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
6記載の発明による効果に加えて、ガイドセルに配設し
た光線反射器の原点位置に対する直線距離を、光学式距
離計測手段により計測する構成により、相対偏差の検出
を確実かつ容易に行うことができる。
【0064】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
7記載の発明による効果に加えて、光学式距離計測手段
を台車上に配設することにより設定作業の簡略化が図ら
れる。
【0065】請求項9記載の発明によれば、上記請求項
7記載の発明による効果に加えて、ガイドセルがトンネ
ル掘削方向に平行でない場合でも、第2の穿孔位置の第
1の穿孔位置に対するトンネル掘削方向の相対偏差を正
確に検出することができる。
【0066】請求項10記載の発明によれば、上記請求
項9記載の発明による効果に加えて、ガイドセルがトン
ネル掘削方向に平行でない場合でも、発破孔のトンネル
掘削方向の長さを傾きの分だけ長くさせることができ、
これにより、発破孔の孔尻を正確に揃えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るジャンボを示す側面図
である。
【図2】図1のジャンボの上面図である。
【図3】フィードユニットの構成を示す拡大図である。
【図4】レーザセオドライトの構成を示す斜視図であ
る。
【図5】差し角がない場合の孔尻調整方法を示す概念図
である。
【図6】差し角がある場合の孔尻調整方法を示す概念図
である。
【符号の説明】
1 切羽面 1a,1b,1c ペイントマーク(孔尻位置) 2a 原点位置 3 フィードユニット(削岩機) 4 レーザセオドライト(光学式距離計
測手段) 5 コントローラ(作動制御手段) 6 ガイドセル 6a ガイドセルの前端部 7 ドリフタ 8 ビット 11,12,13 発破孔 21 ジャンボの台車 22 ジャンボのブーム 54 補正演算部(計測距離補正手段) 61 反射プリズム(光線反射器) 62 重力式角度センサ(傾き角検出手
段) D0 基準穿孔長さ D1 ,D2' 実穿孔長さ L0 基準距離 L1 ,L2 検出相対距離 θ 差し角、検出傾き角

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルの切羽面に対し複数の発破孔を
    トンネル掘削方向に穿孔する際に、それらの発破孔の底
    端部である孔尻の位置を揃えるためのトンネル削孔にお
    ける孔尻調整方法において、 前後方向に延びるガイドセルの前端側に配設されたビッ
    トがそのガイドセルに沿って進退するドリフタにより駆
    動されて岩盤を穿孔するように構成された削岩機を用
    い、 上記ガイドセルの前端部を上記切羽面に予め設定された
    複数の穿孔位置の内の第1の穿孔位置に当接させ、この
    状態のガイドセルの位置を基準位置として設定する基準
    位置設定工程と、 上記ガイドセルを基準位置に保持した状態で上記ドリフ
    タを予め設定された基準穿孔長さだけ前進作動させ、上
    記第1の穿孔位置に第1の発破孔を形成する第1穿孔工
    程と、 上記ガイドセルを移動させてその前端部を上記第1の穿
    孔位置とは異なる第2の穿孔位置に当接させ、この状態
    のガイドセルと上記基準位置のガイドセルとの間のトン
    ネル掘削方向における相対偏差を検出する相対偏差検出
    工程と、 上記基準穿孔長さを上記相対偏差だけ変更した実穿孔長
    さを求め、上記第2の穿孔位置にガイドセルを保持した
    状態で上記ドリフタを上記実穿孔長さだけ前進作動させ
    て第2の発破孔を形成する第2穿孔工程とを備えている
    ことを特徴とするトンネル削孔における孔尻調整方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 相対偏差検出工程では、ガイドセルに配設した光線反射
    器と、予め設定された原点位置に配設したレーザ光線の
    投光系及び受光系とを有する光学式距離計測手段を用い
    て上記原点位置から上記光線反射器までの直線距離を計
    測し、この計測直線距離に基づいて相対偏差の検出を行
    うことを特徴とするトンネル削孔における孔尻調整方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 相対偏差検出工程では、トンネル掘削方向に対するガイ
    ドセルの傾き角を検出し、この検出傾き角に基づいて計
    測直線距離を補正することにより相対偏差を検出するこ
    とを特徴とするトンネル削孔における孔尻調整方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 穿孔工程では、検出傾き角に応じてドリフタの実穿孔長
    さを補正することを特徴とするトンネル削孔における孔
    尻調整方法。
  5. 【請求項5】 トンネルの切羽面に対し複数の発破孔を
    トンネル掘削方向に穿孔する際に、それらの発破孔の底
    端部である孔尻の位置を揃えるためのトンネル削孔にお
    ける孔尻調整装置において、 前後方向に延びるガイドセルの前端側に配設されたビッ
    トがそのガイドセルに沿って進退するドリフタにより駆
    動されて岩盤を穿孔するように構成された削岩機と、 上記ドリフタを、設定穿孔長さだけ前進作動させる作動
    制御手段と、 トンネル内に予め設定した原点位置と上記ガイドセルと
    の間のトンネル掘削方向における相対距離を検出する距
    離検出手段と、を備えており、 上記作動制御手段は、予め設定された基準穿孔長さが初
    期設定穿孔長さとして設定され、上記距離検出手段から
    1番目に入力される検出相対距離を基準距離として保持
    するとともに、その距離検出手段から2番目以降に入力
    される検出相対距離と上記基準距離との相対偏差だけ上
    記基準穿孔長さを変更し、その変更した値を上記設定穿
    孔長さとして順次設定するように構成されていることを
    特徴とするトンネル削孔における孔尻調整装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 削岩機は、トンネルの切羽面の手前に位置付けられた台
    車に対し三次元方向に移動可能なようブームを介して配
    設されていることを特徴とするトンネル削孔における孔
    尻調整装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 距離検出手段は光学式距離計測手段を備えており、この
    光学式距離計測手段は、ガイドセルに配設した光線反射
    器と、原点位置に配設されたレーザ光線の投光系及び受
    光系とを備えていることを特徴とするトンネル削孔にお
    ける孔尻調整装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 原点位置は台車に設定され、光学式距離計測手段は上記
    台車上に配設されていることを特徴とするトンネル削孔
    における孔尻調整装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 ガイドセルのトンネル掘削方向に対する傾き角を検出す
    る傾き角検出手段と、 光学式距離計測手段により計測された計測直線距離を上
    記傾き角検出手段による検出傾き角に基づいて補正する
    計測距離補正手段とを備えている。ことを特徴とするト
    ンネル削孔における孔尻調整装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 作動制御手段は、傾き角検出手段による検出傾き角に応
    じて実穿孔長さを補正するように構成されていることを
    特徴とするトンネル削孔における孔尻調整装置。
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