JPH10204799A - パルプモールド成形体 - Google Patents

パルプモールド成形体

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JPH10204799A
JPH10204799A JP9006814A JP681497A JPH10204799A JP H10204799 A JPH10204799 A JP H10204799A JP 9006814 A JP9006814 A JP 9006814A JP 681497 A JP681497 A JP 681497A JP H10204799 A JPH10204799 A JP H10204799A
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Suguru Tan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベース部材にパルプモールド体を成形した
後、ベース部材に加工を加えてパルプモールド体の位置
を移動することにより、パルプモールドのみで成形する
ことが困難な形状でも形成することができ、発泡スチロ
ールに代替え可能であって、廉価に製造できるパルプモ
ールド成形体を提供する。 【解決手段】 ベース部材51に、パルプモールド材料
PMをモールド成形することによって形成されるパルプ
モールド体52a,52bを接着し、パルプモールド体
52a,52bの接着後、ベース部材51に加工を加え
ることによりパルプモールド体52aの位置を移動させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプを主原料と
して澱粉系バインダと熱膨張性中空粒子とを含有するパ
ルプモールド材料によって成形される緩衝性を有するパ
ルプモールド体がベース部材に接着されたパルプモール
ド成形体に関し、特に、構造体としての強度を有するベ
ース部材の必要な部分にパルプモールド体が成形された
パルプモールド成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、テレビジョン、ビデ
オテープレコーダ、カセットテープレコーダ等の電気機
器の梱包材料、野菜、果物等の食品トレー、魚介類等の
魚箱等には、発泡スチロールで成形された発泡スチロー
ル成形体が使用されている。この発泡スチロールは、軽
量で比較的強度も高く緩衝材として優れていることか
ら、電気機器等の梱包材料に大量に使用されている。
【0003】このように、発泡スチロール成形体は優れ
た緩衝材であるが、その反面、使用後の廃棄処分におい
て種々の問題を生じている。例えば、発泡スチロールを
焼却処分する場合には、燃焼時に高熱を発生するため焼
却炉を損傷してしまう。また、発泡スチロールを直接土
壌中に埋込処分する場合、土壌中では発泡スチロールが
分解されず、土化されずにそのまま残存してしまう。こ
のように発泡スチロール成形体は、その廃棄処分方法に
多くの問題点を有するため、地球規模での環境保護、省
資源化の機運が高まる中で、その大量使用が問題となっ
ている。
【0004】近年、このような環境上の問題、資源の有
効利用等の面から、発泡スチロールの代替として、無公
害、省資源化が可能な梱包材料等の成形材料の開発が要
請されている。その一つとして、新聞紙等の故紙を主原
料とするパルプモールド材料への転換が進んでいる。
【0005】このパルプモールド材料による成形品とし
ては、例えば、新聞紙等の故紙から得られるパルプモー
ルドスラリーを多孔質或いは網を張った金型に吸着さ
せ、数段階の脱水、プレス、乾燥過程を経て成形される
ものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな成形品としてのパルプモールド成形体においては、
これを成形するパルプモールド材料の質量が0.08〜
0.14g/cm3 であるのに対して、発泡スチロール
の質量が、例えば50倍発泡品の場合には約0.02g
/cm3 、60倍発泡品の場合には約0.017g/c
3 であって、パルプモールド材料の比重が発泡スチロ
ールの比重よりも4〜8倍程度重いものであった。従っ
て、このパルプモールド材料を用いたパルプモールド成
形体を被緩衝物の緩衝材として用いる場合には、それが
被緩衝物の梱包重量として表れることから、輸送重量の
増加を招き、輸送コストが増大するという課題があっ
た。
【0007】また、パルプモールド成形体の成形形状、
成形方法等については、次のような制約があった。即
ち、パルプモールド成形体の成形は、一般的な射出成形
法のように成形品の外形形状をしたキャビティに成形材
料を流入させるものではなく、一方が開いた金型にパル
プモールド材料を投入した後、開口部を蓋で閉めてから
適当な温度及び湿気を有する水蒸気を通過させて加熱成
形するものであった。そのため、蓋側に大きな凹凸を設
けることが難しく、成形面の裏側から肉逃げを行うこと
が難しいことから、アンダーカットやスライド抜きのあ
る成形体を作ることが難しいという課題もあった。
【0008】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、ベース部材にパルプモールド体を成形し
た後、ベース部材に加工を加えてパルプモールド体の位
置を移動することにより、上記課題を解決できるパルプ
モールド成形体を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述したような課題等を
解決し、上記目的を達成するために、本発明のパルプモ
ールド成形体は、ベース部材にパルプモールド材料をモ
ールド成形することによって形成されるパルプモールド
体を接着し、パルプモールド体の接着後、ベース部材に
加工を加えることによりパルプモールド体の位置を移動
させるようにしたことを特徴としている。
【0010】また、本発明のパルプモールド成形体は、
ベース部材に接着補強手段を設け、接着補強手段に関連
させてパルプモールド材料をモールド成形することによ
りベース部材にパルプモールド体を接着し、パルプモー
ルド体の接着力を接着補強手段で補強したことを特徴と
している。
【0011】上述のように構成したことにより、本発明
のパルプモールド成形体では、ベース部材の必要な部分
にのみ緩衝性を有するパルプモールド体を配置し、その
パルプモールド体がベース部材の変形によって所定位置
に移動するため、少ないパルプモールド材料で所定の成
形体としての機能を確実に発揮することができ、また、
ベース部材とパルプモールド体との接着強度を高めるこ
とができる。従って、輸送重量の増加を招くことがな
く、発泡スチロール成形体の代替品として有効なパルプ
モールド成形体を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1〜図7は本発明の第1の実施の形
態例を示すもので、図1〜図3は、本発明の第1実施例
に係るパルプモールド成形体の斜視図、組立状態の説明
図、金型及び押し型との関係を示す斜視図である。図4
A〜Cは、ベース部材の凹み部分及び平面部にパルプモ
ールド体を設けた本発明の第2実施例に係るパルプモー
ルド成形体を示す図である。図5A〜Cは、ベース部材
の切出し片及び平面部にパルプモールド体を設けた本発
明の第3実施例に係るパルプモールド成形体を示す図で
ある。図6は、第2及び第3実施例に係るパルプモール
ド成形体の使用状態を説明する断面図である。
【0013】また、図7〜図15は本発明の第2の実施
の形態例を示すもので、図7A〜Cは、本発明の第4実
施例に係るパルプモールド成形体のベース部材と金型を
示す断面図、成形体の断面図、接着補強手段としてのア
ンカーの斜視図である。図8は、第4実施例に係るパル
プモールド成形体の使用状態を説明する断面図である。
図9〜図14は、本発明に係るパルプモールド成形体の
パルプモールド体の接着手段の実施例を示す図である。
図15は、図9〜図14で示す接着手段によって接着さ
れたパルプモールド体を有するパルプモールド成形体の
使用状態を説明する断面図である。
【0014】更に、図16〜図21は本発明のパルプモ
ールド成形体に係るパルプモールド体を製造するため一
般的に用いられる構成の成形用金型、圧縮装置及び成形
装置を示す図である。尚、以下に述べる実施の形態例で
は、パルプモールド成形体の一具体例としてテレビジョ
ン、オーディオスピーカーその他の電気機器の緩衝材に
適用し、この緩衝材を成形する成形用金型及びその製造
方法を例にとって説明する。
【0015】まず、本発明のパルプモールド成形体に係
るパルプモールド体を製造するため一般的に用いられる
構成の成形用金型、圧縮装置及び成形装置について説明
する。図16に示すパルプモールド成形体1は、図17
に示す金型2によって製造されるもので、パルプモール
ド材料を固めることによって形成された緩衝材の一具体
例を示すものである。この、パルプモールド成形体を成
形するためのパルプモールド材料は、パルプを主原料と
して、これに澱粉系バインダと熱膨張性中空粒子とが含
有されている。
【0016】パルプモールド成形体1は、図16に示す
ように、略矩形をなす平面部1aと、この平面部1aの
一側縁に設けられた堤部1bと、この堤部1bの反対側
に設けられた立壁部1cと、この立壁部1cの両端から
堤部1b側に延在された側壁部1dとを有し、立壁部1
cの中央上部には四角形の切欠き1eが形成されてい
る。このパルプモールド成形体1の主原料としてのパル
プは、例えば、次のようにして形成される。
【0017】即ち、新聞紙を、解繊機(HFC−23:
オリエント株式会社製)で10分間粉砕処理し、口径
2.5mmのフィルタを通してパルプ解繊物を得た。こ
のパルプ解繊物は、主に2mm角程度の小紙片と綿状に
解繊されたものとが混合されたもので形成されている。
この場合、綿状に解繊されたものが小紙片よりも多くな
った状態で、全てが綿状に解繊された状態となる前に粉
砕を停止する。この綿状に解繊されたものと小紙片とが
混合されたものを用いることにより、綿状に解繊された
ものだけのときよりも均一に水分を含みやすく、加熱成
形工程において変性澱粉の糊化が均一に行われる。
【0018】このパルプ解繊物に水分50重量%、発泡
済み熱膨張性中空粒子(f−80D:松本油脂製薬株式
会社製)を3重量%、変性澱粉(EAT−4;アセチル
化度3%〜4%、糊化温度57℃〜63℃:ホーネン株
式会社)を10重量%加え、5分間プラネタリーミキサ
ーで混練し、パルプモールド材料を得た。このパルプモ
ールド材料は、主原料となる新聞故紙には風乾状態で約
9%の水分を含んでいるため、全体の水分量は36%強
になっている。
【0019】また、熱膨張性中空粒子は、後述する成形
装置によって成形されたパルプモールド体としての緩衝
材中でクッションの機能を果たす。即ち、緩衝材が外部
から押圧された際に中空粒子が変形して緩衝効果を上げ
る働きを有する。この熱膨張性中空粒子としては、外殻
のポリマーが内殻の炭化水素を覆っており、加熱により
外殻のポリマーが軟化すると共に内殻の炭化水素がガス
化して体積が数十倍に膨張するもので、この粒子(熱膨
張性マイクロカプセル)を加熱して中空粒子としたもの
を使用することができる。
【0020】このような熱膨張性中空粒子としては、そ
の外殻が弾力性に優れていて応力を良好に吸収し、熱変
形温度が130℃以上あり、耐熱性が良好なものを使用
することが望ましい。より具体的には、例えば、イソブ
タン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の沸点が5
0℃〜100℃の有機溶媒を、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル等からなる熱可塑性樹脂で包み込んだ熱膨張性マイク
ロカプセル(粒度分布10〜30μm)を、100〜1
50℃に短時間加熱して直径を4〜5倍、体積を50〜
100倍に膨張させ、弾性変形するようにした中空粒子
(真比重0.015〜0.025、粒度分布40〜20
0μm、平均粒径100μm以下、耐圧性300kg/
cm2 以上)を使用することができる。
【0021】このような熱膨張性マイクロカプセルを本
発明のパルプモールド材料からなるパルプモールド成形
体の製造に使用するにあたり、パルプと混合する前に予
め膨張させて中空粒子としてもよく、また、パルプと混
合させた後に膨張させて中空粒子としてもよい。尚、主
原料としてのパルプを形成する故紙は、新聞紙の故紙に
限られるものではなく、段ボール故紙、その他の紙を使
用することができる。そして、これらの故紙を短冊状に
シュレッドし、或いは綿状になるまでミリングしてパル
プ解繊物を製作して使用できるものである。
【0022】以下に述べる各実施の形態例では、予め膨
張させた状態の熱膨張性中空粒子をパルプ解繊物に混入
している。但し、コストの面から見た場合には、パルプ
解繊物に熱膨張性中空粒子を変性澱粉及び水分と共に混
練した後に膨張させた方が有利となる。この混練後に膨
張する場合には、十分に中空粒子が膨張できることが確
保されなければならない。この熱膨張性中空粒子の配合
量は、使用するパルプの種類等に応じて適宜定めること
ができ、後述するバインダとして機能する変性澱粉との
関係で混合割合が決定される。
【0023】例えば、熱膨張性中空粒子の混合割合を多
くすると、クッション機能を大きくできる一方、コスト
アップにつながる。これに対して、熱膨張性中空粒子の
混合割合を少なくしてその分変性澱粉の添加量を多くす
ることにより、コストダウンを図ると共にパルプ解繊物
及び中空粒子の結合力を大きくすることができる。ま
た、バインダとして用いられる澱粉は、その分子中の水
酸基の一部が変性されている。
【0024】この変性澱粉は、澱粉分子中の水酸基の一
部がアセチル基や、エステル基に置換されたもので、糊
化温度が低く、約55℃〜65℃のものを使用すること
が好ましい。この変性澱粉を添加する量を多くすると、
パルプモールド成形体としての緩衝材の硬度が固くなる
ので緩衝効果が下がり、これとは反対に、添加する量が
少ないと、緩衝材自体の強度が低下する。従って、変性
澱粉の添加量は、上限は緩衝効果をどの位にするのか、
及びコストの点から決定され、下限は緩衝材自体の強度
をどの位にするのかによって決定される。
【0025】成形型としての金型2は、図17及び図1
8に示すように、例えば、主成形部となる上面が所定の
凹凸形状に形成された下型3と、押圧部となる板状の上
型4と、この下型3及び上型4が嵌挿される上下面が開
放された匣状の枠体5とから構成されている。これら下
型3、上型4及び枠体5には、それぞれ全体的に多数の
通気孔3a、4a及び5aが、例えば孔の直径6mm、
隣合う孔間のピッチ15mmにて穿設されている。これ
らの通気孔3a、4a及び5aには、後述する水蒸気加
熱成形装置から供給される水蒸気が通過する。
【0026】また、上型4の上面両側部には、枠体5に
対する案内兼用固定片6がそれぞれ立設されている。そ
して、各案内兼用固定片6には、上下方向に延びる案内
長孔6aがそれぞれ形成されている。この案内長孔6a
にハンドル付き締付ねじ部材7を挿通し、そのねじ部を
枠体5のねじ孔に螺合することにより、上型4が枠体5
に締付固定される。この枠体5の上端周縁部には、外側
に張り出されたフランジ5bが設けられている。そし
て、フランジ5bの上面両側部には、互いに対向する一
対の把手8が取り付けられている。
【0027】図19に示すように、圧縮装置10は、機
枠台11の上半部11aにエアシリンダ12が設置さ
れ、下半部11bには型収容部13が設けられている。
エアシリンダ12のシリンダロッド12aの下端には、
このシリンダロッド12aの下方への加圧摺動によって
金型2の枠体5内に挿入される押圧盤14が取り付けら
れている。そして、押圧盤14には、水を通過させる多
数の孔14aが穿設されている。更に、型収容部13に
は、金型2を両側から挟んで保持する型保持部材15が
備えられている。
【0028】図20に示すように、加熱成形装置の一具
体例を示す水蒸気加熱成形装置17は、本体18が型収
容室19と、この型収容室19を上下に挟んで連続して
配される上側の排気室20と下側の整圧室21とを有
し、機枠台22によって保持されている。この型収容室
19は前面壁部を開閉することができると共に、頭截角
錐状に形成された排気室20は型収容室19に対して後
端縁側を支点として跳上げ開放可能とされており、これ
により、型収容室19に対する金型2の取り付け・取り
外し作業が容易に行えるように構成されている。
【0029】この型収容室19と整圧室21との間は型
支持板23によって上下に仕切られており、この型支持
板23には全体的に多数の通気孔が、例えば、孔径6m
m、隣合う孔間のピッチ15mmにて穿設され、これに
より十分な量の水蒸気の通過が可能とされている。この
型支持板23には、金型2の嵌挿保持用の空胴部24が
下側の整圧室21と連通されて設置されている。この空
胴部24の上面側の型取付面部24aには、金型2の枠
体5が嵌挿される開口部25が形成されている。そし
て、開口部25を囲繞する面部には、金型2の枠体5を
フランジ部5bにおいて締付けるトグルクランプ26が
取り付けられている。また、整圧室21は逆頭截角錐状
に形成されていると共に、その内部には水滴防止ネット
27が架張されている。
【0030】このように構成される水蒸気加熱成形装置
17の本体18には、各配管が接続されている。そのた
め、排気室20の上面部20aには排気口28が設けら
れ、整圧室21の底面部21aには第1、第2のバルブ
付き給気口29,30とバルブ付き排気口31とが併設
されている。この排気室20の排気口28には排気用配
管32が連結されている。また、整圧室21の第1のバ
ルブ付き給気口29には加圧水蒸気給気用の第1の配管
33が連結され、第2のバルブ付き給気口30には常温
加圧エア給気用の第2の配管34が連結されている。そ
して、バルブ付き排水口31には排水用のドレン管35
が連結されている。
【0031】排気用配管32は、本体18内のエアを吸
引して外部に排出する排風機36が連結されている。第
1の配管33は切換バルブ37を介して加圧水蒸気発生
用のボイラ38に連結されていると共に、この第1の配
管33の中途部にはドレンバルブ39を介してドレン管
40が連結されている。更に、第2の配管34はコンプ
レッサ41に連結され、ドレン管35は排水溝へ導出さ
れている。
【0032】このように構成される金型2、圧縮装置1
0及び水蒸気加熱成形装置17を用いて、前述したパル
プモールド材料によってパルプモールド成形体1を成形
する工程を、次に説明する。
【0033】図17及び図18に示すように、まず、金
型2の枠体5の下端部に下型3を嵌合する。この下型3
の上に前述したパルプモールド材料PMを所定量投入
し、下型3の凹凸形状の上面側全面に行き渡るように押
し込み充填する。このパルプモールド材料PMの充填
後、枠体5の上部開口から上型4を嵌挿してパルプモー
ルド材料PM上に載置する。この状態で上型4の上面両
側の案内兼用固定片6の案内長孔6aにハンドル付き締
付ねじ部材7を挿通し、枠体5に対して上型4が摺動で
きる程度に締付ける。
【0034】このようにしてパルプモールド材料PMが
充填された金型2を圧縮装置10の型収容部13に収容
し、この金型2を型保持部材15で両側から挟圧保持し
て圧縮装置10の所定位置にセットする。この状態で、
エアシリンダ12を作動させてシリンダロッド12aを
下方へ突出させる。このシリンダロッド12aの突き出
し動作によって押圧盤14が下方へ移動され、その結
果、押圧盤14が金型2の枠体5内に挿入されて、上型
4の上面に圧接される。更にシリンダロッド12aを作
動させて押圧盤14で上型4を押圧し、金型2内のパル
プモールド材料PMを所定の圧力で圧縮する。
【0035】これにより、パルプモールド材料PMは、
例えば、乾燥後の密度が0.125g/cm3 (125
kg/m3 )程度となるように調整され、下型3の凹凸
形状に沿う形状に成形される。この状態でハンドル付き
締付ねじ部材7を締付けて、上型4を案内兼用固定片6
を介して枠体5に固定する。この後、エアシリンダ12
のシリンダロッド12aを戻し動作によって上昇させ、
金型2を圧縮装置10の型収容部13から取り出して水
蒸気加熱成形装置17に搬送する。そして、水蒸気加熱
成形装置17によって金型2内のパルプモールド材料P
Mの成形体を結合乾燥させ、所定形状のパルプモールド
成形体1を成形する。
【0036】水蒸気加熱成形装置17では、まず、金型
2を型収容室19内に収容する。この収容は、型収容室
19の前面壁部を開放すると共に排気室20を跳上げて
行い、型収容室19内の空胴部24の型取付面部24a
及び開口部25を露呈させる。この開口部25に金型2
を嵌挿して、枠体5のフランジ部5bを型取付面部24
a上に係合載置し、トグルクランプ26によって締付固
定する。その後、前面壁部を閉じると共に排気室20を
閉じて、型収容室19を密封する。
【0037】この状態で整圧室21側の第1の配管33
の切換バルブ37を開き、ボイラ38を駆動して加圧水
蒸気を発生させる。この加圧水蒸気は、略1気圧〜1.
5気圧で、熱に換算したときに100℃〜110℃に設
定して、第1の配管33を通して第1のバルブ付き給気
口29から整圧室21に送気する。この整圧室21内に
おいて、加圧水蒸気の水滴が水滴防止ネット27により
除去されると共に、圧力が均等化されて型収容室19の
空胴部24内に供給される。
【0038】このとき、水蒸気の圧力が高すぎると、パ
ルプモールド材料PMの熱膨張性中空粒子が変形してし
まったり、割れてしまったりする。これとは逆に、水蒸
気の圧力が低すぎると、変性澱粉が十分に糊化しなくな
る。また、整圧室21内に結露した水滴は、バルブ付き
排水口31からドレン管35を通して排水し、第1の配
管33内に結露した水滴は、ドレンバルブ39を開いて
ドレン管40から排水する。
【0039】このようにして、整圧室21及び第1の配
管33内の結露が無くなった状態で排水口31のバルブ
及びドレンバルブ39を閉じることにより、水蒸気は型
収容室19の空胴部24から金型2内のパルプモールド
材料PMに供給される。このとき、空胴部24内の水蒸
気は、金型2の下型3及び枠体5の各通気孔3a及び5
aを通して金型2内に進入し、パルプモールド材料PM
を加熱しながら通過して、上型4の通気孔4aから型収
容室19の上方の排気室20に達する。
【0040】この加熱水蒸気が金型2を通過する際に、
パルプモールド材料PMに熱と水分を供給することによ
り、変性澱粉が糊化される。その後、水蒸気は排気室2
0の上面部20aの排気口28から排気用配管32を通
して排風機36により、例えば、0.5気圧程度の負圧
で強制的に排気される。このようにして、金型2の下部
から供給されてパルプモールド材料PMを通過した水蒸
気により、パルプモールド材料PMが水分を加えられつ
つ加熱される。
【0041】この水蒸気の供給と強制排気とは所要時間
(例えば、数十秒間)継続し、強制排気を併用しながら
第1のバルブ付き給気口29を閉じて第2のバルブ付き
給気口30を開き、第2の配管34からコンプレッサ4
1により発生される所定気圧のバインダとしての変性澱
粉の糊化する温度以下の気体、例えば、1.4気圧程度
の乾燥した常温風を整圧室21に送風し、この送風を数
十秒継続する。この送風・強制排気の終了後、型収容室
19を開放して金型2を水蒸気加熱成形装置17から取
り出す。そして、金型2を分解し、パルプモールド材料
PMの成形体を金型2から離型させる。
【0042】かくして、金型2内のパルプモールド材料
PMは、水蒸気加熱成形装置17の本体18内において
水蒸気加熱され、この間にバインダとして添加されてい
る変性澱粉が糊化する。そして、水蒸気加熱の後、水蒸
気加熱成形装置17から取り出された金型2内に保持さ
れている間にパルプモールド材料PMは、水蒸気により
加えられた熱によって変性澱粉の糊化が進行すると共
に、糊化した澱粉の水分が蒸発することで澱粉の結合力
が高められる。これにより、パルプモールド成形体の硬
度が、金型2から離型させるときの抵抗力に抗して元の
形を保持するのに十分な固さとなる。
【0043】そして、離型されたパルプモールド成形体
を乾燥機で乾燥し、そのパルプモールド材料PMの水分
量が15%以下程度となるまで二次乾燥を行う。これに
より、全体がパルプモールド材料によって成形された緩
衝材としてのパルプモールド成形体1が得られる。
【0044】この水蒸気加熱成形装置17を用いて加熱
成形する方法では、パルプモールド材料PMを通過する
際にパルプモールド材料PMに熱及び水分が供給される
ため、パルプモールド材料PMの水分量は20〜60重
量%であればよい。この水分量の下限の20重量%は、
小紙片を綿状に解繊させたものと熱膨張性中空粒子及び
変性澱粉の混練を容易に可能とするために必要な量であ
る。但し、変性澱粉を糊化するのに必要な水分量には若
干不足しているが、この不足分は加熱水蒸気によって補
われる。水分量の上限の60重量%は、成形体の乾燥時
間と離型性によって決定される。
【0045】尚、この実施例においては、圧縮装置10
と水蒸気加熱成形装置17とを別体に設けた例について
説明したが、両装置10,17を一体にして1個の水蒸
気加熱圧縮成形装置として構成することもできる。例え
ば、前述した水蒸気加熱成形装置17の型収容室19に
圧縮装置10をそのまま内蔵して設ける場合等である。
この場合には、パルプモールド材料PMを圧縮しながら
同時に加熱水蒸気を供給することができるため、パルプ
モールド成形体の製造効率をより効果的なものとするこ
とができる。
【0046】この際、金型2の下型3が嵌挿された枠体
5にパルプモールド材料PMを供給した後、その上面を
通気・通水性を有する上型4で押さえながら、下型3及
び本体18の空胴部24より変性澱粉の糊化温度以上に
加熱された水蒸気を1分程度供給するようにする。これ
により、パルプモールド材料PMには糊化に必要な水分
と熱とが加えられ、その水蒸気がパルプモールド材料P
Mの全体を回って上方へ排気されることにより変性澱粉
が糊化されて、パルプモールド成形体としての結合力が
付与される。
【0047】また、加熱成形装置としては、図21に示
すような構造の装置を用いることができる。この加熱成
形装置は、加熱媒体として熱風を用いたもので、熱風に
よってパルプモールド材料PMを加熱成形する熱風加熱
成形装置である。尚、この加熱成形装置の第2実施例に
係る熱風加熱成形装置117に用いられる金型及び圧縮
装置は、前述した第1実施例の金型2及び圧縮装置10
と同様のものであるためこれらの説明は省略し、熱風加
熱成形装置117について説明する。
【0048】この熱風加熱成形装置117は、図21に
示すように、本体118が型収容室119と、この型収
容室119を上下に挟んで連続して配される上側の排気
室120と下側の整圧室121とを有し、機枠台122
によって保持されている。この型収容室119は前面壁
部を開閉することができると共に、頭截角錐状に形成さ
れた排気室120は型収容室119に対して後端縁側を
支点として跳上げ開放可能とされており、これにより、
型収容室119に対する金型2の取り付け・取り外し作
業が容易に行えるように構成されている。
【0049】この型収容室119と整圧室121との間
は型支持板123によって上下に仕切られており、この
型支持板123には全体的に多数の通気孔が、例えば、
孔径6mm、ピッチ15mmにて穿設されている。この
型支持板123には、金型2の嵌挿保持用の空胴部12
4が下側の整圧室121と連通されて設置されている。
この空胴部124の上面側の型取付面部124aには、
金型2の枠体5が嵌挿される開口部125が形成されて
いる。そして、開口部125を囲繞する面部には、金型
2の枠体5をフランジ部5bにおいて締付けるトグルク
ランプ126が取り付けられている。また、整圧室12
1は逆頭截角錐状に形成されていると共に、その内部に
は水滴防止ネット127が架張されている。
【0050】このように構成される熱風加熱成形装置1
17の本体118には、各配管が接続されている。排気
室120の上面部120aには排気口128が設けら
れ、整圧室121の底面部121aには第1、第2のバ
ルブ付き給気口129,130とバルブ付き排水口13
1とが併設されている。この排気室120の排気口12
8には排気用配管132が連結されている。また、整圧
室121の第1のバルブ付き給気口129には熱風給気
用の第1の配管133が連結され、第2のバルブ付き給
気口130には常温加圧エア給気用の第2の配管134
が連結されている。
【0051】更に、バルブ付き排水口131には排水用
のドレン管135が連結されている。また、排気用配管
132は、本体118内のエアを吸引して外部に排出す
る排風機136が連結されている。そして、第1の配管
133は切換バルブ137を介して熱風送風装置142
に連結されている。更に、第2の配管134はコンプレ
ッサ141に連結され、ドレン管135は排水溝へ導出
されている。
【0052】この熱風加熱成形装置117で加熱成形さ
れるパルプモールド材料PMは、前述した水蒸気加熱成
形装置17によって成形されるパルプモールド材料PM
よりも水分の多い材料が用いられる。即ち、このパルプ
モールド材料PMには、30〜80重量%の水分量を有
するものが用いられる。この下限の30重量%は、小紙
片及び綿状に解繊されたものとの混合物と、中空粒子及
び変性澱粉が容易に混ぜ合わせることができ且つ変性澱
粉によって加熱されて糊化するのに足りるだけの水分量
である。また、上限の80重量%は、乾燥時間と離型性
とによって決定されるものである。この水分量の上限及
び下限には、ともに熱風によって加熱した際に失われる
水分の量が加味されている。
【0053】次に、以上のように構成される熱風加熱成
形装置117を用いて、前述したパルプモールド成形体
1を加熱成形する工程を説明する。この実施例で用いら
れるパルプモールド材料PMの水分量は解繊物に対して
80重量%となっている。
【0054】まず、圧縮装置10から取り出した金型2
を熱風加熱成形装置117の型収容室119に収容す
る。この収容動作は、型収容室119の前面壁部を開放
すると共に上蓋となる排気室120を跳上げ開放し、型
収容室119内の空胴部124の型取付面部124aを
露呈させる。そして、開口部125に金型2を嵌挿して
枠体5のフランジ部5bを型取付面部124a上に係合
載置し、トグルクランプ126により締付固定する。そ
の後、前面壁部を閉じると共に排気室120を閉じて、
型収容室119を密封する。
【0055】この状態で整圧室121の第1の配管13
3の切換バルブ137を開く一方、排水口131を閉じ
て、熱風送風装置142を駆動して熱風を発生させる。
これにより、略1気圧〜1.5気圧の圧力で熱に換算し
たときに100℃〜110℃の温度に設定された熱風
が、第1の配管133を通して第1のバルブ付き給気口
129から整圧室121に送気され、圧力が均等化され
て型収容室119の空胴部124内に供給される。この
熱風は、空洞部124から下型3及び枠体5の通気孔3
a及び5aを通して金型2内に進入し、内部のパルプモ
ールド材料PMを加熱して水分を吸収しながら通過し、
上型4の通気孔4aから排気室120に達する。この水
蒸気を含んだ熱風は、排風機136で強制的に吸引され
ることにより上面部120aの排気口128から排気用
配管132を介して排気される。
【0056】このようにして、金型2の下部から供給さ
れてパルプモールド材料PMの成形体を加熱すると共
に、この成形体を通過した熱風は、排風機136によ
り、例えば0.5気圧程度の負圧で強制的に吸引されて
排気される。この熱風による加熱と強制排気を所要時間
(数十秒間)継続し、第1のバルブ付き給気口129を
閉じて第2のバルブ付き給気口130を開き、第2の配
管134からコンプレッサ141により発生される所定
の気圧で変性澱粉の糊化温度以下の気体、例えば1.4
気圧程度の乾燥した常温風を整圧室121に送風し、こ
の送風を数十秒継続する。
【0057】この送風・強制排気の終了後、金型2を熱
風加熱成形装置117から取り出して、パルプモールド
材料PMの成形体を離型する。このようにして金型2内
のパルプモールド材料PMの成形体を熱風加熱すること
により、バインダとして添加されている変性澱粉は糊化
し、この糊化した変性澱粉の水分が蒸発することにより
変性澱粉の結合力は成形体を金型2から離型するに十分
となる。これにより、パルプモールド材料によって成形
される緩衝性を有するパルプモールド成形体1が製造さ
れる。
【0058】このパルプモールド材料PMの成形体は、
上述したようにして成形されるが、この成形体を本発明
のパルプモールド成形体に適用した例について、図1〜
図15を参照して詳細に説明する。
【0059】図1は、本発明のパルプモールド成形体の
第1実施例を示すもので、このパルプモールド成形体5
0は、耐水性を有する段ボールによって形成されたベー
ス部材51と、このベース部材51の所定位置に一体成
形される複数のパルプモールド体52a,52bとから
構成されている。このベース部材51の耐水性は、成形
時に水蒸気から付与される水分に対して型崩れを生ずる
ことなく一定の形態を保持する必要があることから要求
されるものである。このベース部材51の材質として
は、この耐水性段ボールの他にも、厚紙その他の紙系材
料、熱可塑性プラスチック等の合成樹脂のシートや板
体、鉄板やアルミニウム板等の金属板、その他各種の材
料を用いることができる。
【0060】このベース部材51は、長方形をなす平面
部51aと、この平面部51aの四辺に連続する四面の
側面部51bとを有し、平面部51aと各側面部51b
との境界部にはミシン目等の折曲手段53を設けること
によって各側面部51bの折曲加工が容易に行えるよう
にされている。そして、平面部51a及び側面部51b
の所定位置には、パルプモールド成形時に前述した水蒸
気加熱成形装置17の水蒸気、或いは熱風加熱成形装置
117の熱風等を通過させるために十分な数及び大きさ
の通気孔54(例えば、穴径6mm、穴間のピッチ15
mm)が設けられている。
【0061】尚、水蒸気等を通過させるための通気孔5
4は、その大きさ及びピッチ、孔の形状等については、
この実施例に限定されるものではなく、例えば、孔径を
3mmと小さくする一方、孔ピッチを8mmとして孔の
個数を増加させて通気性・通水性を確保するようにして
もよく、これとは逆に孔径を大きくして孔ピッチを長く
する等、適宜に設定することができるものである。更
に、ベース部材51の全面に通気孔54を満遍なく設け
るようにしてもよく、この場合、孔の大きさ、数、形状
等は適宜に設定することができる。また、ベース部材5
1の材質が、通気孔54を特別に設けないでも水蒸気の
通過が十分に確保できる素材、例えば、互いに連続され
た多数の細孔又は空隙を有する多孔性プラスチックシー
トのようなものであれば、特に通気孔54を設ける必要
はない。
【0062】このようなパルプモールド成形体50の製
造には、例えば、図3に示すような成形型としての金型
60及び押し型61が用いられる。金型60は、適当な
肉厚を有する四角形のブロック体からなり、その上面に
はベース部材51が嵌合固定される凹陥部からなるキャ
ビティ62が設けられている。このキャビティ62はベ
ース部材51に対応した形状を有しており、このキャビ
ティ62の底面部であってベース部材51の平面部51
a及び側面部51bの各所定位置には成形用凹部63,
64がそれぞれ設けられている。
【0063】これらの成形用凹部63,64は、パルプ
モールド材料PMを所望の形状に固めてパルプモールド
体52を成形するためのものであり、各成形用凹部6
3,64の底面部には、金型60の下面側に貫通する複
数の通気孔65がそれぞれ穿設されている。この通気孔
65も通気孔54と同様に、パルプモールド成形時の水
蒸気を通過させるために十分な数及び大きさの孔であ
り、例えば、穴径6mm、穴間のピッチ15mm程度に
設定されている。
【0064】押し型61は、金型60に対応した平板状
の板体からなり、同じくパルプモールド成形時の水蒸気
を通過させるために十分な数及び大きさの通気孔66
(例えば、穴径8mm、穴間のピッチ15mm)が、全
面に渡ってその上下面間を貫通するように穿設されてい
る。この押し型61を金型60のキャビティ62側に重
ね合わせることにより、ベース部材51が両型60,6
1間に位置決めされた状態で保持される。この金型60
と押し型61との位置合わせは、例えば、一方の型に位
置決めピンを設け、これが嵌合される位置決め孔を他方
の型に設ける構成としてもよく、また、キャビティ62
内に先端部が嵌合される凸部を押し型61に設ける構成
とすることもできる。
【0065】尚、金型60及び押し型61の通気孔65
及び66の大きさ及びそのピッチ、孔の形状等について
は、この実施例に限定されるものではなく、金型60の
成形用凹部63,64内に充填されたパルプモールド材
料PMに十分な量の水蒸気又は熱風を供給することがで
きるものであれば、適宜に設定できるものである。
【0066】次に、このような構成を有する金型60及
び押し型61を用いることによって成形されるパルプモ
ールド成形体50の製造工程等について説明する。ま
ず、金型60のキャビティ62内の成形用凹部63,6
4にパルプモールド材料PMを必要量だけ充填する。こ
のパルプモールド材料PMに重ね合わせるようにしてベ
ース部材51をキャビティ62に嵌合し、このベース部
材51の上に押し型61を重ね合わせる。そして、前述
した実施例と同様に、ベース部材51が挟持された金型
60及び押し型61を水蒸気加熱成形装置17等の加熱
成形装置にセットする。その後、変性澱粉の糊化温度以
上に加熱された水蒸気又は熱風を、金型60の下方より
1分程度供給する。
【0067】これにより、パルプモールド材料PM全体
に水蒸気等が回り、糊化に必要な水分と熱とが加えられ
て変性澱粉が糊化され、パルプモールド体52a,52
bにある程度以上の結合力が発現される。これと同時
に、変性澱粉の糊化によってパルプモールド材料PMが
ベース部材51の一面に接着される。その結果、図1に
示すように、複数のパルプモールド体52a,52bが
ベース部材51の一面に接着されたパルプモールド成形
体50が形成される。
【0068】このように形成されたパルプモールド成形
体50を、ベース部材51のミシン目等の折曲手段53
で同方向へ折り曲げることにより、図2に示すように、
パルプモールド体52bを所定位置に移動させることが
できる。従って、本実施例によれば、ベース部材51の
必要部分に緩衝性を有するパルプモールド体52a,5
2bを必要形状により接着させて一体成形することがで
き、その後、ベース部材51に曲げ加工を施すことによ
り、平面的な構造のパルプモールド成形体50を立体的
な構造に変化させることができる。これにより、先行技
術に係わるパルプモールド成形体のみでは成形すること
が困難であった形状のパルプモールド成形体を容易に形
成することができる。
【0069】このように、ベース部材51の必要な部分
にのみ緩衝性を持たせたパルプモールド体52a,52
bを配置することにより、パルプモールド材料PMの使
用量を少なくしつつ、緩衝体として必要な機能を確実に
発揮させることができ、廉価であって発泡スチロールに
代替可能な緩衝体を提供することができる。また、パル
プモールド体52a,52bに抜きテーパを付けたくな
い部分や、正確な角度が必要とされる部分がある等の場
合においても、ベース部材51に曲げ加工等を加えるこ
とにより、抜きテーパを付けない場合と同様の効果を得
ることができ、成形されたパルプモールド体の面を必要
な角度に設定することが可能となる。
【0070】更に、パルプモールド体の細かい部分の形
状や、細いリブ等については、リブ状の寸法に当該リブ
幅に対して高さを低く成形した後、ベース部材51を折
り曲げてリブの先端位置を必要位置に配置することによ
り、被緩衝物の必要部分を確実に支持できる成形体を得
ることができる。しかも、パルプモールド体の緩衝性能
を保持したまま、ベース部材51の持つ構造強度によっ
て緩衝体の構造体としての強度を付与することができ
る。従って、このようなパルプモールド成形体を採用す
ることにより、発泡スチロールの代替品として極めて有
効であって、前述した環境上の問題と資源の有効利用の
両面を共に解決することができる。
【0071】また、本発明のパルプモールド成形体は、
図4及び図5に示すような形状に形成することができ
る。図4A〜Cに示すパルプモールド成形体55は、ベ
ース部材51にパルプモールド体52a,52bを一体
成形した後、ベース部材51に絞り加工を加えて一部に
凹(又は凸)部分57a,57bを設け、これにより、
2つのパルプモールド体52a,52bの位置を上下方
向へ相対的に変移させるようにしたものである。
【0072】ベース部材51の絞り加工は、例えば、同
図Aに示すような成形型によって行うことができる。こ
の成形型は上型70と下型71とからなり、上型70に
は、ベース部材51のパルプモールド体52aの接着部
及びその周囲を下方へ膨出させるための凸起部72a
と、ベース部材51の一方の端部を下方へ膨出させるた
めの凸起部72bとが設けられている。そして、一方の
凸起部72aの中央には、パルプモールド体52aを収
容するための凹部73aが設けられ、平面部の中央には
パルプモールド体52bを収容するための凹部73bが
設けられている。一方、下型71の上型70の凸起部7
2a,72bに対応した位置には、これら凸起部72
a,72bよりも若干大きな凹陥部74a,74bが設
けられている。
【0073】これら上下の型70,71間にベース部材
51が挟み込まれることにより、ベース部材51が所定
形状に絞り加工されて、同図B及びCに示すようなパル
プモールド成形体55が形成される。即ち、ベース部材
51の所定部分が上型70の凸起部72a,72bによ
って下型71の凹陥部74a,74b側に押圧される。
このとき、ベース部材51の材質が熱可塑性プラスチッ
クである場合には、熱を加えることによってそれ自体に
大きな展性・延性が生じるため、上型70と下型71の
押圧力によってベース部材51が上型70等の凹凸に添
って曲げ又は絞られ、パルプモールド成形体55が得ら
れる。
【0074】一方、ベース部材51の材質が含水した紙
系材料等である場合には、上型70と下型71の押圧力
により、含水紙系材料が含有する水分の働きによって繊
維間にズレ(相対的な移動)を生じる。その結果、乾燥
した状態のままでは殆ど展性・延性を発揮し得ない紙材
料であっても、予め設けられた切り起こし用のカット等
の存在により、ベース部材51が上下型70,71の凹
凸に添って曲げ又は絞られ、同様に図4B及びCに示す
ような形状に形成される。
【0075】また、図5A〜Cに示すパルプモールド成
形体56は、ベース部材51にパルプモールド体52
a,52bを一体成形した後、パルプモールド体52a
の周囲にコ字状のスリット58を設けて切出し片59を
形成したものである。この切出し片59に曲げ加工を加
えて階段状の折曲部分を設けることにより、パルプモー
ルド体52aの位置を斜め下方へ移動させることができ
る。このパルプモールド成形体56のベース部材51の
材質としては、絞り加工又は曲げ加工が可能な金属製の
板体、或いは熱可塑性プラスチックシート等が好適であ
る。このベース部材51の外形形状は予め所定形状に形
成しておき、パルプモールド体52aを接着させる所定
位置の近傍には所定形状のカット部を設けておく。
【0076】尚、ベース部材51の材質が金属プレー
ト、プラスチックシートであると段ボールであるとを問
わず、前述した多孔性プラスチックシート等の特別な材
料を使用する場合を除いて、ベース部材51の必要位置
には、パルプモールド成形時に水蒸気加熱成形装置17
の水蒸気、或いは熱風加熱成形装置117の熱風等を通
過させるために十分な数及び大きさの通気孔54(例え
ば、穴径6mm、穴間のピッチ15mm)を設けておく
必要があることは勿論である。更に、ベース部材51に
接着されるパルプモールド体52a,52bの位置は、
図4及び図5のものに限定されるものではなく、例え
ば、図4とは逆にベース部材51の凹み部分57aの反
対側、即ち下向きにパルプモールド体52aを接着し、
或いは図5とは逆にベース部材51の切出し片59の下
面側、即ち下向きにパルプモールド体52aを接着させ
る構成とすることもできる。
【0077】かくして、ベース部材51にパルプモール
ド体52a,52bを成形した後、図4Aに示すよう
に、ベース部材51に絞り加工を施して所定形状に変形
することにより、同図B及びCに示すように、ベース部
材51の凹み部分57aの凹側にパルプモールド体52
aが接着され、平面部にパルプモールド体52bが接着
されたパルプモールド成形体55を製造することができ
る。また、図5Aに示すようにベース部材51にパルプ
モールド体52a,52bを成形した後、ベース部材5
1の切出し片59に曲げ加工を施して所定形状に変形す
ることにより、同図B及びCに示すように、ベース部材
51の折曲部上にパルプモールド体52aが接着され、
平面部にパルプモールド体52bが接着されたパルプモ
ールド成形体56を製造することができる。
【0078】このようにして製造されるパルプモールド
成形体50,55及び56の使用例を、図6に示す。こ
の図6は、これらのパルプモールド成形体50,55,
56で電子機器の一具体例を示すテレビジョン等の被緩
衝物100を段ボール箱等の梱包容器110に収容した
状態を示す断面図である。第1実施例のパルプモールド
成形体50は被緩衝物100の下側に配置されており、
ベース部材51の凹み部分57aの凸側に設けられたパ
ルプモールド体52aが被緩衝物100のほぼ中央部分
を支え、他のパルプモールド体52bが被緩衝物100
の四隅に設けられた脚体部分を支えるように構成されて
いる。
【0079】更に、第2実施例のパルプモールド成形体
55は被緩衝物100の上側に配置されており、凹み部
分57aの凹側に設けられたパルプモールド体52aは
被緩衝物100の天井側の最も高い部分に上方から接触
してこれを支え、平面部に設けられたパルプモールド体
52bは被緩衝物100の天井側の最も低い部分に上方
から接触してこれを支えている。
【0080】そして、第3実施例のパルプモールド成形
体56は被緩衝物100の背面側に配置されており、切
出し片59の凹側に設けられたパルプモールド体52a
は被緩衝物100の背面側に最も突出した部分に接触し
てこれを支え、平面部に設けられたパルプモールド体5
2bは被緩衝物100の背面側の低い部分に後方から接
触してこれを支えるようになされている。このパルプモ
ールド成形体56の外側には、その周縁部の撓みを防止
するための枠体67が配設されている。尚、被緩衝物1
00の正面側に配設されているパルプモールド成形体6
8は、平板状のベース部材51に複数のパルプモールド
体52bを接着させたもので、その製造方法は同様であ
るため、その詳細な説明は省略する。
【0081】これらのパルプモールド成形体50、5
5、56及び68によれば、パルプモールド体52a,
52bが被緩衝物であるテレビジョン100の六面全体
に当接してこれを保持し、梱包材料等の緩衝材としての
機能を十分に発揮し得るため、テレビジョン100をし
っかりと保持して確実に保護することができる。しか
も、ベース部材51の必要部分にのみパルプモールド体
52a,52bが設けられているため、発泡スチロール
に比較して比重の大きなパルプモールド材料PMを用い
た緩衝材であっても、発泡スチロールの緩衝材と同等か
又はそれ以下の重量に抑えることができ、被緩衝物の梱
包材料として輸送重量の増加を招くことがない。
【0082】尚、被緩衝物としての電子機器としては、
この実施例の他にも、例えば、オーディオスピーカ、カ
セットテープレコーダ等の機器、装置を適用することが
できる。更に、緩衝材としてのパルプモールド成形体
は、電子機器以外にも各種の機械、装置に適用すること
ができることは勿論である。
【0083】また、図7に示す第4実施例としてのパル
プモールド成形体80は、製造されたパルプモールド成
形体を他のパルプモールド成形体、他の部品、外装体等
に取り付けるための連結手段を設けると共に、ベース部
材81に接着されるパルプモールド体52a,52bの
接合強度を高めるための接着補強手段を設ける構成とし
たものである。
【0084】このパルプモールド成形体80のベース部
材81としては、段ボール、熱可塑性プラスチックシー
ト、金属板等の各種の部材を用いることができる。この
ベース部材81は、高い位置にある上部片81aと、低
い位置にある下部片81bと両片81a,81bを斜め
に連結する傾斜片81cとを有し、パルプモールド体5
2a,52bが接着される上部片81a及び下部片81
bの所定位置には通気孔82がそれぞれ穿設されてい
る。そして、これらの通気孔82に関連させて上部片8
1a及び下部片81bには、下面側に突出する接着補強
手段の一具体例を示すアンカー83,84がそれぞれ設
けられている。
【0085】一方のアンカー83は、所定の間隔をあけ
て立設された一対の突起を有し、各突起の先端には抜け
止め用の爪部83aが互いに外側に突出するように一体
に設けられている。他方のアンカー84は、鏃状をなす
爪部84aが先端に設けられた突起により形成されてい
る。これらのアンカー83,84は、いずれもパルプモ
ールド体52a,52b内に挿入され、その状態でパル
プモールド体52a,52bが固められることによって
当該パルプモールド体52a,52bの接合強度が高め
られる。
【0086】更に、ベース部材81の上部片81a及び
下部片81bには、上面側に突出する連結手段の一具体
例を示す複数のフック85が設けられている。このフッ
ク85は、アンカー83,84と反対側に突出する突起
からなり、この突起の先端には外側に鉤形に突出する鉤
部85aが設けられている。そして、このパルプモール
ド成形体80を成形するための成形用金型75には、前
述した金型60と同様に、成形用凹部76a,76bと
通気孔77とが設けられている。
【0087】次に、この金型75を用いてパルプモール
ド成形体80を製造する工程について説明する。まず、
金型75の成形用凹部76,77に所定量のパルプモー
ルド材料PMを充填し、その上にベース部材81を重ね
合わせて密着させる。これにより、ベース部材81に設
けられたアンカー83,84が、金型75の成形用凹部
76a,76b内に充填されたパルプモールド材料PM
内に挿入される。
【0088】この後、図3の押し型61と同様に通気性
を有するプレートでベース部材81の上面を押える。そ
して、前述したパルプモールド成形体1の製造方法と同
様に、パルプモールド材料PMが充填され且つベース部
材81が装着された金型75を水蒸気加熱成形装置17
等の加熱成形装置にセットする。そして、金型75内に
保持されたパルプモールド材料PMに、金型75の下方
より変性澱粉の糊化温度以上に加熱された水蒸気を1分
程度供給する。
【0089】これにより、パルプモールド材料PM全体
に水蒸気が回り、糊化に必要な水分と熱とが加えられて
変性澱粉が糊化され、パルプモールド材料PMにある程
度以上の結合力が発現される。これと同時に、変性澱粉
の糊化によってパルプモールド材料PMがベース部材8
1の一面に接着される。これにより、複数のパルプモー
ルド体52a,52bがベース部材81の一方の面に接
着されたパルプモールド成形体80が形成される。
【0090】その後、まず通気性プレートを分離させて
から、パルプモールド成形体80を金型75から分離さ
せる。次に、この離型後のパルプモールド成形体80を
適当な温度で加熱する。これにより、全体として十分な
機械的強度を持つ複合パルプモールド成形体80を製造
することができる。
【0091】尚、ベース部材81のアンカー83,84
は、ベース部材の材質が熱可塑性プラスチックである場
合には、例えば射出成形等によって形成することができ
る。更に、ベース部材81の材質が鉄板等の金属である
場合には、例えば図7Cに示すように、ベース部材81
の一部を所定形状に切り出した後、折曲加工を施すこと
によって容易に形成することができる。
【0092】かくして本実施例の場合には、ベース部材
81のアンカー83,84がパルプモールド材料PM内
に挿入され、このアンカー83,84を心材のようにし
てパルプモールド体52a,52bが一体成形される。
従って、パルプモールド体52a,52bをベース部材
81から剥離させるように作用する力に対して抵抗力を
大幅に増大させ、ベース部材81とパルプモールド体5
2a,52bとの接着力を高めて剥離強度を向上させる
ことができる。
【0093】このようにして製造されるパルプモールド
成形体80及び、その変形例を示すパルプモールド成形
体86の使用例を、図8に示す。この図8は、電子機器
の外装体120にパルプモールド成形体80,86を組
み込み、これらパルプモールド成形体80,86が一体
化された外装体120を段ボール箱等の梱包容器110
に収容した状態を示す断面図である。
【0094】第4実施例のパルプモールド成形体80は
外装体120の下側に複数配置されており、その内側中
央には別の被緩衝物101が配置されている。各パルプ
モールド成形体80は、外装体120の下面に設けられ
た開口部を覆うように左右対称に配置されている。そし
て、ベース部材81に設けられたフック85を外装体1
20の係合穴121に嵌合させ、その鉤部85aを係合
穴121の内縁に係止させることによってパルプモール
ド成形体80が外装体120に取り付けられている。こ
のパルプモールド成形体80のベース部材81の上部片
81aに接着されたパルプモールド体52bは、被緩衝
物101の上面に設けられた受け穴101aにそれぞれ
載置され、ベース部材81の下部片81bに接着された
パルプモールド体52aは、外装体120の底面部に載
置されている。
【0095】また、変形実施例に係るパルプモールド成
形体86は、四角形の枠体をなすベース部材87と、こ
のベース部材87の凹側に接着されたパルプモールド体
88とを有し、ベース部材87には横方向両側に張り出
すフランジ87aが設けられている。そして、ベース部
材87のフランジ87aには、パルプモールド体88と
反対側に突出するフック89が設けられている。
【0096】このパルプモールド成形体86は、外装体
120の上側に複数配置されており、外装体120の上
面に設けられた開口部を閉じるように左右対称に配置さ
れている。そして、ベース部材87のフック89を外装
体120の係合穴122に嵌合させ、その鉤部を係合穴
122の内縁に係止させることによってパルプモールド
成形体86が外装体120に取り付けられている。この
パルプモールド成形体86のパルプモールド体88は、
梱包容器110の上面部に下方から当接されている。
【0097】また、梱包容器110の両側部に配置され
たパルプモールド成形体90は、平板状のベース部材9
1と、このベース部材91に接着された複数のパルプモ
ールド体92とを有している。このパルプモールド成形
体90は、梱包容器110の内面に張り付くように設け
られていて、各パルプモールド体92は両外側から外装
体120にそれぞれ接触してこれを支えている。
【0098】次に、図9〜図14を参照して、ベース部
材とパルプモールド体との接合強度を高めるための接着
補強手段の他の実施例を説明する。
【0099】図9に示す本発明の第5実施例は、押し型
98によってベース部材94に係合凸起95a,95b
を設け、この係合凸起95a,95bを心材としてパル
プモールド体96を接着して、同図Dに示すパルプモー
ルド成形体93を形成したものである。図9Aは、金型
97の成形用凹部97aにパルプモールド材料PMを充
填した状態を示すものである。同図Bは、金型97の上
にベース部材94を載置し、更に、ベース部材94の上
に押し型98を臨ませた状態を示すものである。このベ
ース部材94の所定位置には、パルプモールド成形時に
水蒸気等を通過させるに十分な大きさ、数の通気孔94
a(例えば、孔径6mm、孔間のピッチ15mm)が穿
設されている。このベース部材94のパルプモールド体
96が接着される位置に押し型98の錐状体98aが配
置され、押し型98をベース部材94に重ね合わせるこ
とにより、錐状体98aがベース部材94を貫通してパ
ルプモールド材料PM内に入り込む。
【0100】その結果、同図Cに示すように、錐状体9
8aによってベース部材94にバーリングのような加工
が施され、これにより尖頭形の係合凸起95aや台形の
係合凸起95b等が形成され、これらの係合凸起95
a,95bがパルプモールド材料PM内に挿入される。
この状態で、前述したように水蒸気等を通気孔97bか
ら成形用凹部97aに供給し、パルプモールド材料PM
内を通過させて排出することにより、材料中の変性澱粉
が糊化されて表面の糊化した変性澱粉によりパルプモー
ルド体96がベース部材94に接着される。これによ
り、係合凸起95a,95bを心材としてパルプモール
ド体96がベース部材94に接着されるため、その接着
強度を大幅に向上させることができ、パルプモールド体
96の剥離力に対する抵抗力の大きなパルプモールド成
形体93が得られる。
【0101】図10に示す本発明の第6実施例は、ベー
ス部材94に設けた切出し片99を押し型98によって
パルプモールド材料PM側に折り曲げ、この切出し片9
9を心材としてパルプモールド体96を接着して、同図
Dに示すパルプモールド成形体93Aを形成したもので
ある。図10Aは、金型97の成形用凹部97aにパル
プモールド材料PMを充填した状態を示すもので、この
金型97にベース部材94を載置し、更に同図Bに示す
ように、ベース部材94に押し型98を臨ませる。この
ベース部材94のパルプモールド体96が接着される位
置には、所定の通気孔94aが穿設されている。
【0102】このベース部材94に押し型98を重ね合
わせることにより、同図Cに示すように、押し型98の
折曲体98bがベース部材94の切出し片99をクラン
ク状に折り曲げる。これにより、切出し片99がパルプ
モールド材料PMを圧縮して内部に入り込む。この状態
で、前述したように水蒸気等を通気孔97bから成形用
凹部97aに供給し、パルプモールド材料PM内を通過
させて排出することにより、材料中の変性澱粉が糊化さ
れて表面の糊化した変性澱粉によりパルプモールド体9
6がベース部材94に接着される。その結果、切出し片
99を心材としてパルプモールド体96がベース部材9
4に接着されるため、その接着強度を大幅に向上させる
ことができ、剥離力に対する抵抗力の大きなパルプモー
ルド成形体93Aが得られる。
【0103】図11に示す本発明の第7実施例は、ベー
ス部材94に設けた切出し片99を押し型98によって
パルプモールド材料PM内に挿入し、この切出し片99
の一面にパルプモールド体96の側部を接着して、同図
Dに示すパルプモールド成形体93Bを形成したもので
ある。図11Aは、金型97の成形用凹部97aにパル
プモールド材料PMを充填した状態を示すもので、この
金型97にベース部材94を臨ませ、更に同図Bに示す
ように、ベース部材94を挟んで押し型98を臨ませ
る。このベース部材94のパルプモールド体96が接着
される位置には、予め切出し片99が折り曲げ等の加工
手段によって形成されていると共に、必要数の通気孔9
4aが穿設されている。
【0104】このベース部材94に押し型98を重ね合
わせることにより、同図Cに示すように、押し型98に
よってベース部材94の切出し片99がパルプモールド
材料PMの側部に挿入される。この状態で、前述したよ
うに水蒸気等を通気孔97bから成形用凹部97aに供
給し、パルプモールド材料PM内を通過させて排出する
ことにより、材料中の変性澱粉が糊化されて表面の糊化
した変性澱粉によりパルプモールド体96がベース部材
94及び切出し片99に接着される。これにより、ベー
ス部材94の切出し片99がパルプモールド体96の側
面に折り曲がった形で接着され、この切出し片99によ
って剥離力の一部が直に受け止められるため、パルプモ
ールド体96の剥離抵抗を大幅に向上させることがで
き、パルプモールド体96の接着面方向の接着強度の大
きなパルプモールド成形体93Bが得られる。
【0105】また、図12〜図14に示す実施例は、ベ
ース部材94を予め金型97に取り付け、その後にパル
プモールド材料PMを充填してパルプモールド成形体9
3を形成するようにしたものである。このうち、図12
Bに示す第8実施例に係るパルプモールド成形体93C
は、ベース部材94が図7で示したアンカー83を有す
るもので、同図Aに示すように、金型97の一面にはベ
ース部材94が取り付けられ、その反対側には押し型9
8が配置されている。金型97の成形用凹部97aは表
裏面を貫通するように設けられており、この実施例では
前述した通気孔97bは存在しない。
【0106】図13Bに示す第9実施例に係るパルプモ
ールド成形体93Dは、ベース部材94が図11で示し
た切出し片99を有するものである。このパルプモール
ド成形体93Dには、同図Aに示すように、金型97の
一面にベース部材94が取り付けられ、他面には押し型
98が配置されている。
【0107】更に、図14Bに示す第10実施例に係る
パルプモールド成形体93Eは、ベース部材94に、抜
け止め作用を有する充填孔94b(又は94c)を設け
たものである。同図Cに示すように、逆円錐台形の充填
孔94b又は逆角錐台形の充填孔94cは、それぞれパ
ルプモールド体96の接着面側が反対側の面よりも小さ
く形成されており、両面間に設定されたテーパ部(又は
勾配部)によってパルプモールド体96の抜け出しが防
止されている。
【0108】尚、第10実施例では、同図Aに示すよう
に、金型97の成形用凹部97aは先細となるように形
成されており、その一面にベース部材94及び押し型9
8cが配置され、他面には押し型98が配置されてい
る。このパルプモールド成形体93Eではパルプモール
ド体96が先細に形成されているため、金型97からパ
ルプモールド体96を取出す作業を容易に行うことがで
き、離型時におけるパルプモールド体96の型崩れを効
果的に防止することができる。
【0109】かくして、この第7〜第9実施例によれ
ば、成形加工、曲げ加工、絞り加工等によって予めアン
カー83、切出し片99又は充填孔94b(94c)が
設けられたベース部材94を金型97に取り付け、その
後、金型97の反対面からパルプモールド材料PMを充
填してパルプモールド成形体93C〜Eを形成するよう
にしたため、パルプモールド体96の密度を上げること
なくベース部材94とパルプモールド体96との接着強
度を高めることができる。
【0110】これらのパルプモールド成形体93、93
A〜93Eによれば、例えば、図15に示すようにし
て、被緩衝物の緩衝体として使用することができる。こ
の図15は、ワイドテレビジョンなどの被緩衝物100
を4種類のパルプモールド成形体93、93A、93B
及び93Eで保持したものである。第5実施例のパルプ
モールド成形体93は被緩衝物100の下面に配置さ
れ、第6及び第7実施例のパルプモールド成形体93
A,93Bは被緩衝物100の側面に配置され、第10
実施例のパルプモールド成形体93Eは被緩衝物100
の上面に配置されている。
【0111】これにより、各パルプモールド体96が被
緩衝物100の各面にそれぞれ当接してこれを保持し、
梱包材料等の緩衝体としての機能を十分に発揮すること
ができ、被緩衝物100をしっかりと保持して確実に保
護することができる。しかも、ベース部材94の必要部
分にのみパルプモールド体96が設けられているため、
発泡スチロール成形体に比較して比重の大きなパルプモ
ールド材料PMを用いたパルプモールド成形体であって
も、発泡スチロールの緩衝体と同等か又はそれ以下の重
量に抑えることができ、被緩衝物100の梱包材料とし
て輸送重量の増加を招くことがない。
【0112】以上説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、上記実施例においては、ベース
部材の必要部分にのみ通気孔を設ける構成としたが、ベ
ース部材の全体に通気孔を設けることができ、この場合
にはベース部材の大幅な重量軽減を図ることができる。
更に、上記実施例ではベース部材の材質として、耐水性
段ボール等の紙系材料、熱可塑性樹脂のプラスチックシ
ート及び鉄板やアルミニウム板等の金属板を用いた例に
ついて説明したが、その用途、用法等に応じて、熱硬化
性樹脂、木製の板体等の各種の部材を用いることができ
ることは勿論である。
【0113】また、上記実施例においては、パルプモー
ルド成形体を段ボール箱等の外装体内に収容される緩衝
体に適用した例について説明したが、例えば、パルプモ
ールド成形体自体を外装体として包装用容器に直接適用
できることは勿論のこと、電子機器等の製品に直接接着
させる構成とすることもできる。このように、本発明
は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるもので
ある。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベース部材の必要な部分にのみ緩衝性を有するパルプモ
ールド体を配置し、そのパルプモールド体がベース部材
の変形によって所定位置に移動する構成としたため、パ
ルプモールドのみでは成形が困難な形状の緩衝体等のパ
ルプモールド成形体を容易に製造することができる。し
かも、ベース部材の必要部分にのみパルプモールド体が
設けられているため、発泡スチロールに比較して比重の
大きなパルプモールド材料を用いた緩衝体であっても、
発泡スチロール製緩衝体と同等か又はそれ以下の重量に
抑えることができ、発泡スチロールに代替可能であっ
て、被緩衝物の梱包材料として輸送重量の増加を招くこ
とがない。従って、全体として軽量であって、緩衝体と
しての使用に際してもそれが被緩衝物の梱包重量の増加
として表れることが少なく、輸送重量の軽減を図り、又
は輸送重量の増加を最小限に押えることができるパルプ
モールド成形体を提供することができる。
【0115】更に、ベース部材に接着補強手段を設ける
構成とすることにより、パルプモールド体とベース部材
との接合強度を高め、パルプモールド体の接着強度を向
上させて、剥離力に対する抵抗力の大きなパルプモール
ド体を有するパルプモールド成形体が得られる。従っ
て、少ないパルプモールド材料で所定の成形体としての
機能を確実に発揮することができ、発泡スチロール成形
体の代替品として有効なパルプモールド成形体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプモールド成形体の第1実施例を
示す斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の第1実施例のパルプモー
ルド成形体を所定部分で折り曲げて筐体を形成する状態
を示す斜視図である。
【図3】図1に示した本発明の第1実施例のパルプモー
ルド成形体を製造する金型、押し型及びベース部材を示
す分解斜視図である。
【図4】本発明のパルプモールド成形体の第2実施例を
示すもので、同図Aは成形前のパルプモールド成形体と
上型及び下型を示す断面図、同図Bは成形後のパルプモ
ールド成形体の断面図(同図CのX−X線部分)、同図
Cは成形後のパルプモールド成形体の平面図である。
【図5】本発明のパルプモールド成形体の第3実施例を
示すもので、同図Aは成形前のパルプモールド成形体の
断面図、同図Bは成形後のパルプモールド成形体の断面
図(同図CのY−Y線部分)、同図Cは成形後のパルプ
モールド成形体の平面図である。
【図6】図1〜図5に示した本発明の第1〜第3実施例
に係るパルプモールド成形体の使用状態を示す断面図で
ある。
【図7】本発明のパルプモールド成形体の第4実施例を
示すもので、同図Aはベース部材と金型の断面図、同図
Bはパルプモールド成形体の断面図、同図Cはアンカー
の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】図7に示した本発明の第4実施例に係るパルプ
モールド成形体の使用状態を示す断面図である。
【図9】本発明のパルプモールド成形体の第5実施例を
示すもので、同図Aは金型にパルプモールド材料を充填
した状態の断面図、同図Bは金型にベース部材を重ねた
上に押し型を配置した状態の断面図、同図Cは押し型で
ベース部材にバーリング加工を施した状態の断面図、同
図Dはパルプモールド成形体の断面図である。
【図10】本発明のパルプモールド成形体の第6実施例
を示すもので、同図Aは金型にパルプモールド材料を充
填した状態の断面図、同図Bは金型にベース部材を重ね
た上に押し型を配置した状態の断面図、同図Cは押し型
で切出し片をクランク状に曲げ加工した状態の断面図、
同図Dはパルプモールド成形体の断面図である。
【図11】本発明のパルプモールド成形体の第7実施例
を示すもので、同図Aは金型にパルプモールド材料を充
填した状態の断面図、同図Bは金型にベース部材及び押
し型を臨ませた状態の断面図、同図Cは押し型で切出し
片をパルプモールド材料内に挿入した状態の断面図、同
図Dはパルプモールド成形体の断面図である。
【図12】本発明のパルプモールド成形体の第8実施例
を示すもので、同図Aはベース部材が取り付けられた金
型にパルプモールド体を充填して押し型を重ね合わせた
状態の断面図、同図Bはパルプモールド成形体の断面図
である。
【図13】本発明のパルプモールド成形体の第9実施例
を示すもので、同図Aはベース部材が取り付けられた金
型にパルプモールド体を充填して押し型を重ね合わせた
状態の断面図、同図Bはパルプモールド成形体の断面図
である。
【図14】本発明のパルプモールド成形体の第10実施
例を示すもので、同図Aはベース部材が取り付けられた
金型にパルプモールド体を充填して押し型を重ね合わせ
た状態の断面図、同図Bはパルプモールド成形体の断面
図、同図Cはベース部材に設けた充填孔の斜視図であ
る。
【図15】図9〜図11及び図14に示した本発明の第
5〜第7及び第10実施例に係るパルプモールド成形体
の使用状態を示す断面図である。
【図16】本発明に係るパルプモールド材料を用いて成
形したパルプモールド成形体を示す斜視図である。
【図17】図16に示したパルプモールド成形体及びこ
の成形体を製造する金型を示す断面図である。
【図18】図17に示した金型の分解斜視図である。
【図19】図17に示した金型に充填されるパルプモー
ルド材料を圧縮する圧縮装置を示す斜視図である。
【図20】図17に示した金型に水蒸気を供給する水蒸
気加熱成形装置の構成を示す系統図である。
【図21】図17に示した金型に熱風を供給する熱風加
熱成形装置の構成を示す系統図である。
【符号の説明】
50,55,56,68,80,86,90,93,9
3A〜93E パルプモールド成形体、 51,81,
87,91,94 ベース部材、 52a,52b,8
8,92,96 パルプモールド体、 53 折曲手
段、 54,65,66,77,82,94a 通気
孔、 59,99 切出し片、 60,75,97 金
型(成形型)、 61,98,98c 押し型、 62
キャビティ(凹陥部)、 63,64,76a,76
b,97a,97b 成形用凹部、70 上型、 71
下型、 83,84 アンカー(接着補強手段)、
85,89 フック(連結手段)、 94b,94c
充填孔(接着補強手段)、95,95a,95b 係合
凸起、 98a 錐状体、 98b 折曲体、 10
0,101 被緩衝物、 110 梱包容器、 120
外装体、 PM パルプモールド材料

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース部材にパルプモールド材料をモー
    ルド成形することによって形成されるパルプモールド体
    を接着し、 上記パルプモールド体の接着後、上記ベース部材に加工
    を加えることにより上記パルプモールド体の位置を移動
    させるようにしたことを特徴とするパルプモールド成形
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記パルプモールド体は、パルプを主原料として澱粉系
    バインダと熱膨張性中空粒子とを含有するパルプモール
    ド材料に水分を加えて所定温度以上に加熱し、上記澱粉
    系バインダを糊化させて上記パルプと上記熱膨張性中空
    粒子とを結合させることにより成形されることを特徴と
    するパルプモールド成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記ベース部材は、その表裏面間を水蒸気が通過できる
    通気孔又は隙間を有する段ボール、プラスチックシート
    又は金属板からなることを特徴とするパルプモールド成
    形体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記パルプは、故紙を数mm以下に切断した紙片と、上
    記紙片を更に粉砕した綿状の解繊物との混合物からなる
    ことを特徴とするパルプモールド成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記澱粉系バインダは、その澱粉分子中の水酸基の一部
    が変性されたアセチル化変性澱粉又はエステル化変性澱
    粉であることを特徴とするパルプモールド成形体。
  6. 【請求項6】 ベース部材に接着補強手段を設け、上記
    接着補強手段に関連させてパルプモールド材料をモール
    ド成形することによりベース部材にパルプモールド体を
    接着し、 上記パルプモールド体の接着力を上記接着補強手段で補
    強したことを特徴とするパルプモールド成形体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記接着補強手段は、先端が尖った鏃形の補強片からな
    り、上記補強片を上記パルプモールド材料に絡ませて上
    記パルプモールド体の接着強度を強化させることを特徴
    とするパルプモールド成形体。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記接着補強手段は、接着面側が反接着面側よりも小さ
    い円錐台形又は角錐台形の補強穴からなり、上記補強穴
    に上記パルプモールド材料の一部を充填させて上記パル
    プモールド体の接着強度を強化させることを特徴とする
    パルプモールド成形体。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のパルプモールド成形体に
    おいて、 上記パルプモールド体は、パルプを主原料として澱粉系
    バインダと熱膨張性中空粒子とを含有するパルプモール
    ド材料に水分を加えて所定温度以上に加熱し、上記澱粉
    系バインダを糊化させて上記パルプと上記熱膨張性中空
    粒子とを結合させることにより成形されることを特徴と
    するパルプモールド成形体。
  10. 【請求項10】 請求項6記載のパルプモールド成形体
    において、 上記ベース部材は、その表裏面間を水蒸気が通過できる
    通気孔又は隙間を有する段ボール、プラスチックシート
    又は金属板からなることを特徴とするパルプモールド成
    形体。
  11. 【請求項11】 請求項6記載のパルプモールド成形体
    において、 上記パルプは、故紙を数mm以下に切断した紙片と、上
    記紙片を更に粉砕した綿状の解繊物との混合物からなる
    ことを特徴とするパルプモールド成形体。
  12. 【請求項12】 請求項6記載のパルプモールド成形体
    において、 上記澱粉系バインダは、その澱粉分子中の水酸基の一部
    が変性されたアセチル化変性澱粉又はエステル化変性澱
    粉であることを特徴とするパルプモールド成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011121610A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Iida Sangyo Kk 保護カバー
CN113355953A (zh) * 2021-06-11 2021-09-07 张宝华 一种复合纸浆制品模塑加工方法及其纸浆制品

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