JPH10204097A - H−ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体、及び該誘導体の製造方法 - Google Patents

H−ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体、及び該誘導体の製造方法

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JPH10204097A
JPH10204097A JP9310525A JP31052597A JPH10204097A JP H10204097 A JPH10204097 A JP H10204097A JP 9310525 A JP9310525 A JP 9310525A JP 31052597 A JP31052597 A JP 31052597A JP H10204097 A JPH10204097 A JP H10204097A
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phosphonate
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formula
protecting group
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JP9310525A
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Mitsuo Sekine
光雄 関根
Takeshi Wada
猛 和田
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なH-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘
導体、及び該誘導体の合成方法を提供することを課題と
する。 【解決手段】 合成過程におけるH-ホスホネートオリゴ
ヌクレオチドの塩基性条件下での分解を抑制し、高収率
でH-ホスホネートオリゴヌクレオチドを合成するため
に、固相法でオリゴマーを合成する際に、オリゴマーの
3'末端および5'末端に適当な鎖長のアルキレン基をもつ
アルコキシホスホン酸の導入をおこなった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なH-ホスホネ
ートオリゴヌクレオチド誘導体、及び該誘導体の製造方
法に関する。詳しくは、ホスホジエステラーゼ耐性で、
かつ細胞への取り込み効率の高いH-ホスホネートオリゴ
ヌクレオチド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子発現を阻害するアンチセン
スDNAとして数多くのDNA類似体が合成されている。中で
も、ホスホロチオエート型DNAとメチルホスホネート型D
NAについて広く研究されている。例えば、ホスホロチオ
エート型DNAに関しては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
の発現制御(C.Cazenave et al,Nucleic Acids Res.,1
5,10507(1987)、W.J.Stec et al,J.Am.Chem.,106,6077(1
984)、S.Agrawal et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,707
9(1988)、T.Vickers et al,Nucleic Acids Res.,19,3359
(1991))、単純ヘルペスウイルス(HSV)の発現制御
(W.Gao et al,J.Biol.Chem.,2643,11521(1989))、ウ
シパピローマウイルス(BPV)の発現の制御(L.M.Cowse
rt et al,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,37,
171(1993))、c-myc oncogeneの発現制御(E.L.Wickstr
om et al,In Vitro Cell Develop.Biol.,25,297(198
9))、BCL-2 oncogeneの発現制御(J.C.Reed et al,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,87,3660(1990))、ICAM-1タンパ
ク質の発現制御(J.A.M.Maier et al,Science.,249,157
0(1990))やIL-1βタンパク質の発現制御(J.Manson et
al,Lymphokine Res.,9,35(1990))などが報告されてい
る。また、メチルホスホネート型DNAに関しては、単純
ヘルペスウイルス(HSV)の発現制御(C.C.Smith et a
l,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,2785(1985)、M.Koziolkie
wicz et al,Chem.Scripta,26,251(1986))、水疱性口内
炎ウイルス(VSV)の発現制御(C.H.Agris et al,Bioch
emistry,25,6268(1986))、SV40の発現制御(P.S.Mille
r et al,Biochimie,67,769(1985))、N-ras oncogeneの
発現制御(D.M.Tidd,Anti-Cancer Drug Design,3,117(1
988))、βGlobinの発現制御(K.R.Blake,Biochemistr
y,24,6132(1985))やクロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼの発現制御(C.J.Marcus-Sekura,Nucl
eic Acid Res.,15,5749(1987))などが報告されてい
る。
【0003】しかしながら、ホスホロチオエート型DNA
には、その二重鎖の安定性が低く、標的とするmRNA以外
のタンパク質とも結合し、非選択的な阻害を惹起すると
いう問題点があった。また、メチルホスホネート型DNA
は、標的mRNAに高い特異性を有しているが、親和性が低
いために有効な生物活性を示すためには高濃度で使用し
なければならず、さらに、水に対する溶解度が低いため
高濃度で細胞に投与できないという問題点があった。
【0004】このような問題点を改良すべくいくつかの
提案がなされている。例えば、ヒドロキシメチル基を導
入することにより、水溶性などを高めたヒドロキシメチ
ルホスホネート型DNAが提案されている(Bioorganic Che
m.22,128(1994)、TetrahedronLett.,36,8845(1995))。
【0005】なお、構造上、二重鎖の安定性が高く、高
い水溶性を有し、さらにRNaseの基質になりにくいと考
えられるH-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体とし
ては、その有用性にも関わらず本発明者らの知る限りに
おいては、わずかに2量体のものが報告されているのみ
である(J.Org.Chem.,49.,2139(1984))、TetrahedronLe
tt.,29,2911(1989)、Tetrahedron Lett.,30,4713(198
9)、Tetrahedron Lett.,21,4145(1980))。また、固
相担体に結合した状態のH-ホスホネートオリゴヌクレオ
チドについての報告例もあるが(WO90/1202(PCT/US90/0
1865))、固相担体から切り出すと該ヌクレオチドは直
ちに加水分解されてしまう。即ち、長鎖のH-ホスホネー
トオリゴヌクレオチドについては、これまでに合成し、
単離された報告例は皆無である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なH-ホ
スホネートオリゴヌクレオチド誘導体、及び該誘導体の
合成方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】H-ホスホネートオリゴヌ
クレオチドは塩基性条件下において極めて不安定であ
る。このため通常のDNA合成における塩基部位のアシル
型保護基の除去および固相担体からのオリゴマーの切り
出しを行う場合には、用いられるアンモニア水処理の過
程で完全に分解されてしまう。この場合でも、H-ホスホ
ネートオリゴヌクレオチドの3'および5'水酸基に保護基
が導入されていれば無水塩基性条件下においても比較的
安定である。しかし、保護基を除去してしまうと、H-ホ
スホネートDNAの3'末端に存在する遊離の水酸基が2'-デ
オキシリボースを介して5'側に隣接するH-ホスホネート
ジエステルを分子内求核攻撃し、これによりH-ホスホネ
ートDNAがヌクレオシド3',5'-環状ホスホネートを形成
しながら逐次3'側から分解されてしまう。H-ホスホネー
トDNAの5'末端に存在する遊離の水酸基も同様の反応機
構により2'-デオキシリボースを介して3'側に隣接するH
-ホスホネートジエステルを分子内求核攻撃し、これに
よりH-ホスホネートDNAがヌクレオシド3',5'-環状ホス
ホネートを形成しながら逐次5'側から分解されてしまう
(図1A)。
【0008】そこで、本発明者らは、合成過程における
H-ホスホネートオリゴヌクレオチドの塩基性条件下にお
ける分解を抑制し、高収率でH-ホスホネートオリゴヌク
レオチドを合成する方法について、鋭意研究を行った。
この結果、本発明者等は、固相法でオリゴマーを合成す
る際に、オリゴマーの3'末端および5'末端に適当な鎖長
のアルキレン基をもつアルコキシホスホン酸の導入を行
うと、オリゴマーの3'および5'水酸基とそれにより分子
内求核攻撃を受けていたH-ホスホネートジエステルとの
分子間距離が離れるため、該水酸基のH-ホスホネートジ
エステルへの攻撃が不可能となり、無水塩基性条件下で
反応を行った場合でも、H-ホスホネートオリゴヌクレオ
チドの分解が顕著に抑制され(図1B)、これによりH-
ホスホネートオリゴヌクレオチドが効率よく合成される
ことを見いだした。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のH-ホスホネートオリゴヌ
クレオチド誘導体は、下記一般式(I)で表されるもので
ある。
【0010】
【化14】 [式中、Bは互いに異なっていてもよい、チミン、シト
シン、ウラシル等のピリミジン塩基、アデニン、グアニ
ン等のプリン塩基または5-メチルシトシン、5-フルオロ
ウラシル、5−ヒドロキシメチルシトシン等のそれらの
誘導体を表す。R1は水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル
基等のアルケニル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エト
キシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、メトキシ
エトキシ基等のアルコキシ基、アリルオキシ基等のアル
ケニルオキシ基、またはメチルカルボニル基、エチルカ
ルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基等のアシル基、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ
基、メトキシ基を表す。R2は炭素数1〜10、好ましく
は、炭素数6〜8等の分岐していてもよいアルキレン基を
表す。また、これらアルキレン基は1以上の酸素原子を
介していてもよい。例えば、
【0011】
【化15】 (式中xは、1〜5の数を表す)等が挙げられる。Xは酸素
原子、硫黄原子、セレン原子、好ましくは酸素原子等の
ヘテロ原子を表す。nは1以上、好ましくは、10〜30、特
に好ましくは、12〜15の数を表す。] 本発明のH-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体は、
例えば、以下の工程からなる方法によって合成すること
ができる。
【0012】<反応工程1>この工程は、アルキレン基
を導入した固相にモノマーを結合させる工程である(図
5参照)。 一般式(II)
【0013】
【化16】 [式中、R3は、トリチル基、モノメトキシトリチル基、
ジメトキシトリチル基、ピキシル基等の保護基を表し、
R4は式
【0014】
【化17】 (式中、R5はアミノプロピルCPG、長鎖アルキルアミノC
PG、アミノメチルポリスチレン等の担体を表す。)を表
し、R2は前記と同義を表す。]で表される化合物の保護
基R3を、通常、約1%のトリフルオロ酢酸/CH2Cl2、約2.5%
のトリクロロ酢酸/CH2Cl2、約3%のジクロロ酢酸/CH2Cl2
などによって除去後、下記一般式(III)
【0015】
【化18】 [式中、R1、B、およびXは前記と同義を表し、R6は一般式
(II)中のR3と同様の保護基を表し、
【0016】
【化19】 はトリエチルアンモニウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデカ-7-エニウム、トリブチルアンモニウム等の
アンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム等の
金属塩などのカチオニック塩を表す。]で表される塩基
モノマー単位と、該モノマー単位に対して、通常、1〜5
当量の脱水縮合剤の存在下、ピリジン、あるいはアセト
ニトリル−ピリジン(1:1、v/v)中、室温で1〜10分程度反
応させる。
【0017】上記一般式(II)で表される化合物および一
般式(III)で表される塩基モノマー単位は、後述の実施
例に示すような方法によって得ることができる(図2、
図7参照)。
【0018】かくして一般式(IV)
【0019】
【化20】 [式中、B、X、R1、R2、R4およびR6は前記と同義を表す.]
で表される化合物を得ることができる。
【0020】<反応工程2>この工程は、反応工程1に
おいて得た固相に結合したモノマーに、さらにモノマー
を結合させてヌクレオチド鎖を伸長させる工程である
(図5参照)。
【0021】反応工程1で得られる一般式(IV)で表され
る化合物の保護基R6を通常、約1%のトリフルオロ酢酸/
CH2Cl2などの条件下に除去し、前記一般式(III)で表さ
れる塩基モノマー単位を反応工程1の方法と同様にして
反応させる。この操作を繰り返し行うことによって式
【0022】
【化21】 [式中、B,X,R1,R2,R3,R4,R6およびnは前記と同義を表
す]で表されるオリゴマーを得ることができる。
【0023】<反応工程3>この工程は、反応工程2で
合成したオリゴマーの5'末端に、縮合剤の存在下、アル
キレン基を導入する工程である(図5参照)。
【0024】反応工程2で得たオリゴマーと一般式(V)
【0025】
【化22】 [式中、R7は一般式(II)中のR3と同様、あるいはアクリ
ジン等のインターカレーター等の保護基または官能基を
表し、
【0026】
【化23】 は前記X1と同様のカチオニック塩を表し、R2およびXは
前記と同義を表す。]とを縮合剤の存在下、ピリジンあ
るいはアセトニトリル−ピリジン(1:1,v/v)中、室温で1
〜10分反応させる。
【0027】ここで用いられる縮合剤としては、例え
ば、式
【0028】
【化24】 で表されるようなリン酸クロリド、式
【0029】
【化25】 で表されるようなアシルクロリド、式
【0030】
【化26】 で表されるような酸無水物、式
【0031】
【化27】 で表されるようなホスホニウム塩などが挙げられる。
[式中、R8は互いに異なっていてもよく、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基等のアルキル
基、フェニル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基等のアルコキシ
基、フェノキシ基、ヘキサフルオロフェノキシ基等のア
リールオキシ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチ
ルアミノ基、N,N-メチルエチルアミノ基、N,N-ジフェ
ニルアミノ基等のN,N-ジアルキルアミノ基、N,N-ジフ
ェニルアミノ基等のN,N-ジアリールアミノ基、ピロリ
ジニル基、ピペリジニル基、モノホニル基等の環状アミ
ン残基等、好ましくは、ピロリジニル基を表す。X3は、
塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、
【0032】
【化28】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子またはNO2を表
す。)、
【0033】
【化29】 (式中、Rは水素原子またはNO2を表す。)、
【0034】
【化30】 (式中、Rは水素原子またはニトロフェニル基を表
す。)、
【0035】
【化31】、
【0036】
【化32】 等のアゾリド基、
【0037】
【化33】 (式中、Rは水素原子またはフェニル基を表す。)、
【0038】
【化34】 (式中、Rは互いに異なっていてもよいハロゲン原子、C
F3またはNO2を表す。)、
【0039】
【化35】
【0040】
【化36】 (式中、Rは互いに異なっていてもよいCl、FまたはNO2
を表し、mは0〜5の数を表す。)等の活性化エステル、
【0041】
【化37】 は塩素イオン、PF6イオン、BF4イオン、ClO4イオン等の
アニオンを表す。] 好ましくは、
【0042】
【化38】 [式中、R9はメチル基、エチル基等の炭素数1〜6の低
級アルキル基]、例えば、
【0043】
【化39】 などが挙げられる。
【0044】また、本発明においては、
【0045】
【化40】 (式中、R8、X3および
【0046】
【化41】 は前記と同義を表す)、
【0047】
【化42】 (式中、R8、X3および
【0048】
【化43】 は前記と同義を表す)、
【0049】
【化44】 (式中、R9、X3および
【0050】
【化45】 は前記と同義を表す)、または、
【0051】
【化46】 (式中、R9、X3および
【0052】
【化47】 は前記と同義を表す)で表される化合物などを縮合剤と
して使用することもできる。
【0053】かくして一般式(VI)
【0054】
【化48】 で表される化合物を得ることができる。
【0055】<反応工程4>この工程は、反応工程3で
固相合成されたH-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導
体を塩基性条件下で固相から分離し、さらに加水分解に
より脱保護化して、H-ホスホネートオリゴヌクレオチド
誘導体を単離する工程である(図6参照)。
【0056】反応工程3で得られる一般式(VI)で表され
る化合物を、N,O-ビストリメチルシリルトリフルオロア
セトアミド-プロピルアミン-アセトニトリル(1:2:2,v
/v/v)等の無水塩基性の条件下に、通常、室温で30分〜
1時間反応させ、次いで、濾過により固相担体を除去
し、濾液を減圧下留去した後に、アセトニトリル-水
(1:1,v/v)またはジオキサン-水(1:1,v/v)またはT
HF-水(1:1,v/v)で、室温下、5分間加水分解処理する
ことによって、本発明の前記一般式(I)で表されるH-
ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体を得ることがで
きる。
【0057】以上の反応工程により得られる本発明のH-
ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体は以下のような
特徴を有する。
【0058】まず、本発明のH-ホスホネートオリゴヌク
レオチド誘導体はリン酸部位の立体障害が従来のものに
比べて小さく、アンチセンスとして用いた場合、標的遺
伝子との二重鎖を形成し易く、ホスホロチオエート型DN
Aやメチルホスホネート型DNA、さらには、天然型DNAよ
りも有利である。また、中性分子であるために、二重鎖
を形成したときに相補鎖のリン酸負電荷との静電反発が
起こらないため、天然型DNAよりも安定な二重鎖を形成
できる点で有利である。さらに、DNAのリン酸部に負電
荷を持たないため、RNAとの間に形成される二重鎖は、D
NAの負電荷を認識してRNAを分解する酵素であるRNaseH
の基質となりにくいが、標的遺伝子に対するアンチセン
ス効果の選択性はホスホロチオエート型DNAより有利で
ある。さらに、メチルホスホネート型DNAよりも高い水
溶性を有するため、高濃度で細胞に投与することが可能
である。
【0059】従って、本発明のH-ホスホネートオリゴヌ
クレオチド誘導体は、特に、アンチセンスとして有用で
あり、例えば、HIV、HCV、HCMV、HSV、HTLV等のウイル
スの増殖に際して生成するメッセンジャーRNA、通常、
対象とするウイルスの生存に必須のタンパク質をコード
するメッセンジャーRNA、例えば、HIVの「TAR」、「U
5」、「rev」、「tat」(O.Zelphati,et al.,Antisense
Res.Dev.,3,323(1993)、B.Bordier,et al.,Nucleic Ac
ids Res.,20,5999(1992))、HCVの「5'-UTR」(M.Alt,e
t al.,Hepatology,22,707(1995))、HSVの「IE110」、
「UL30」、「UL37」、「UL37」(A.Peyman,et al.,Bio
l.Chem.Hoppe Seyler,376,195(1995)、J.A.Smith,et a
l.,J.Virol,69,1925(1995))、HTLV-1の「tax」などに
相補的な塩基配列を有するウイルス増殖阻害剤として、
或いは急性および慢性白血病、肝臓癌、乳癌、大腸癌等
の腫瘍細胞の増殖に際して特異的に生成するメッセンジ
ャーRNA、通常、対象とする腫瘍細胞の生存に必須のタ
ンパク質をコ―ドするメッセンジャーRNA、例えば、急
性白血病の「AML-1」(C.Sakakura,et al.,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,91,11723(1994))、急性および慢性骨髄白
血病に関する「bcr-abl」(A.M.Tarai,et al.,Blood,8
4,601(1994))、白血病、その他の癌に関する「c-my
c」、「c-myb」(S.Kimura,et al.,Cancer Res.,55,137
9(1995)、M.Ratajczak,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,118
23(1992)、Y.Mizutani,J.Immunother.EmphasisTumor Im
munol.,17,78(1995))、大腸癌に関する「APC」、乳癌
に関する「BCA-1」などに相補的な塩基配列を有する腫
瘍細胞増殖阻害剤等として使用されうる。このアンチセ
ンスは、通常、4〜30、好ましくは、10〜20程度の長さ
の前記一般式(I)で表されるオリゴヌクレオチド誘導体
を有効成分としている。また、その製剤の成分や使用割
合などは特に制限はなく、従来アンチセンス治療剤とし
て知られている種々の製剤と同様に使用することができ
る。
【0060】なお、本発明のH-ホスホネートオリゴヌク
レオチド誘導体は合成化学的に、塩基部およびリン酸部
に特に保護基を用いる必要がないため、合成反応の工程
が短縮され、大量合成にも適している。
【0061】以下に実施例を挙げてさらに本発明を具体
的に説明するが、下記の実施例は本発明を制限するもの
ではない。
【0062】
【実施例】
<実施例1> H-ホスホネートDNAの化学合成 (1)縮合剤、2-ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ-
1,3-ジメチル-2-ピロリジン- 1 -イル- 1,3,2-ジアザホ
スホラニウムヘキサフルオロホスフェート(2-Benzotri
azol- 1 -yloxy-1,3-dimethyl-2-pyrrolydin- 1 -yl-
1,3,2-diazaphospholanium hexafluorophosphate)(BDP
P)の合成 1,3-ジメチル-2-ピロリジン-1-イル-1,3,2-ジアザホス
ホレン(1,3-Dimethyl-2-pyrrolydin-1-yl-1,3,2-diaza
phospholane)(F. Ramirez, A. V. Patwardham, H. J.
Kugler, C. P. Smith, J. Am. Chem. Soc., 89, 6276
(1967)を参照)(4.59 g, 25mmol) をよく撹拌した無水C
H2Cl2 (50 mL)中の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1
-hydroxybenzotriazol)(3.32g, 25 mmol) 及び CCl4
(4.8 mL, 50 mmol)の懸濁液に、アルゴン下、-78℃で、
5分間かけて滴下した。同じ温度で2時間撹拌後、この混
合液を室温まで徐々に暖め、KPF6 (4.6 g, 25 mmol)を
含む水(100 mL)で洗浄した。その有機相をNa2SO4で乾燥
し、濾過し、半量まで濃縮した。エーテル(50 mL)を上
記混合液に加え、濾過により淡黄色の沈殿物を回収し
た。その沈殿物をエーテルで洗浄し、真空中(in vacu
o)、P2O5で乾燥し、BDPP (8.56%)を73%の収率で得た。
この化合物は、無色針晶として酢酸エチルから再結晶さ
せることができた。
【0063】Mp 128-129 ℃(dec);31 P NMR (CDCl3)δ41.52 (s, P+), -142.90 (7重線, J
= 711.6 Hz, PF6-);1 H NMR (CDCl3) δ2.14 (4H, ddd, J = 7.7 Hz, 5.3 H
z, 1.3 Hz, ピロリジニル基の3,4-CH2), 2.87 (6H, d,
J = 11.2 Hz, N-CH3), 2.91 (2H, ddd, J = 8.9Hz, 7.3
Hz, 5.6 Hz, ピロリジニル基の2又は5-CH2), 3.50(2H,
ddd, J = 12.9Hz, 9.1 Hz, 5.8 Hz, ピロリジニル基の
2又は5-CH2), 3.64 (4H, ddd, J = 8.9Hz, 4.3 Hz, 2.3
Hz, ジアザホスホレンの4,5-CH2), 7.52 (1H, ddd, J
= 8.3Hz, 6.8 Hz, 1.3 Hz, ベンゾトリアゾリル基の6-
H), 7.72 (1H, dd, J = 8.6 Hz, 6.8 Hz, ベンゾトリア
ゾリル基の5-H), 7.78 (1H, d, J = 8.6 Hz, ベンゾト
リアゾリル基の4-H), 8.07 (1H, d, J = 8.3 Hz, ベン
ゾトリアゾリル基の7-H);13 C NMR (CDCl3) δ26.45 (d, J = 9.8 Hz, N-CH3), 3
0.95 (d, J = 6.1 Hz,ピロリジニル基の3,4-C), 45.78
(d, J = 15.8 Hz, ジアザホスホレンの4,5-C),48.68
(d, J = 4.9 Hz, ピロリジニル基の2,5-C), 108.19, 12
0.63, 126.15, 127.58, 130.60, 142.89 (ベンゾトリア
ゾリル基); Anal. Cl4H22F6N6OP2の計算値: C, 36.06;
H, 4.76; N, 18.02. 実測値: C, 35.88; H, 4.59; N, 1
8.15. BDPPのFAB+(M-PF6+H)+C14H22N6O1P1の計算値:321.159.
実測値:321.158 (2)モノマー、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-
7-エニウム 5'-O-ジメトキシトリチルデオキシアデノシ
ン-3'-イル ホスホネート(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]u
ndec-7-enium 5'-O-dimethoxytrityldeoxyadenosin-3'-
yl phosphonate)(以下、「2a」と称することがある)
の合成 以下の方法 A及び方法 Bを用いてモノマーの合成を行っ
た。
【0064】方法 A(図2): 5'-O-ジメトキシトリチ
ルデオキシアデノシン(5'-O-Dimethoxytrityldeoxyade
nosine)(以下、「la」と称することがある)(0.554
g, 1 mmol)を無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水(co
evaporation)により乾燥し、最終的に無水ピリジン(5
mL)中に溶解した。 この溶液にホスホン酸ジフェニル
(1.64 g,7 mmol)を加えた。20分の撹拌の後、この混合
液をH2O-Et3N (1: 1, v/v,2 mL)で処理し、さらに20分
室温で撹拌した。この混合液をMeOH (5 mL)で希釈し、1
Mのトリエチルアンモニウムヒドロゲンカルボネート
(triethylammoniumhydrogencarbonate)(10 mL)を加え
た。この混合液をEt2O (10 mL x 3)で3回洗浄し、その
有機相を1 Mのトリエチルアンモニウムヒドロゲンカル
ボネート(triethylammonium hydrogencarbonate)で逆
抽出した。 この水相(The aqueous layer)と洗浄液
(washings)を混合し、CHCl3-MeOH (2:1, v/v, 10 mL
x 3)で3回抽出し、その水相を CHCl3-MeOH (2:1, v/v)
で数回逆抽出した。その有機相と洗浄液(washings)を
混合し、Na2SO4を通じて乾燥し、濾過し、減圧下、濃縮
して乾固した。その残留物をシリカゲルカラム(30 gの
シリカゲル)に通した。クロマトグラフィーは、メタノ
ール勾配(0-15%)を適用して、0.5%トリエチルアミンを
含むCHCl3を用いて行った。「2a」を含む画分を混合
し、濃縮して乾固した。生成物をCHCl3-MeOH (2: 1, v/
v, 10 mL)に溶解し、0.2 Mの1,8-ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデク-7-エニウムヒドロゲンカルボネート(1,8-d
iazabicyclo[5.4.0]undec-7-eniumhydrogencarbonate)
(10 mL)で洗浄した。その水相をCHCl3-MeOH (2:1)で数
回逆抽出し、その有機相と洗浄液(washings)を混合
し、Na2SO4を通じて乾燥させ、濾過し、減圧下、濃縮し
て乾固し、無色の発泡体として「2a」(0.631 g,88%)を
得た。
【0065】方法 B(図2): 無水ピリジン(10 mL)中
のリン酸(0.082 g, 10 mmol, 無水ピリジンを用いた繰
り返し共脱水により乾燥したもの)溶液にビス(2-オキ
ソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィニックククロライド
(bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphinic chloride )
(1.40 g, 5.5mmol)を加えた。その反応混合液を室温で2
0分間撹 拌した。その混合液に5'-O-ジメチルトリルデ
オキシアデノシン(5'-O-dimethoxytrityldeoxyadenosi
ne)(la) (0.554 g, 1 mmol)を添加した。6時間の撹
拌後, H2O (1 mL)をその混合液に添加した。それをCHCl
3-MeOH (2:1, v/v, 10mL)で希釈し, 1 Mのトリエチルア
ンモニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium
hydrogencarbonate)(10 mL x 3)で3回洗浄し,その水
相をCHCl3-MeOH(2: 1, v/v)で数回逆抽出した。その有
機相と洗浄液(washings)を混合し、Na2SO4を通じて乾
燥し、濾過し、濃縮して乾固した。その粗生成物(トリ
エチルアンモニ ウム塩(triethylammonium salt))を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精 製し、方法
Aで述べたようにしてDBU塩に変換し、無色の発泡体とし
て「2a」(0.600 g,78%)を得た。
【0066】31P NMR (CDCl3)δ3.74 (dd, J = 612.8 H
z, 8.5 Hz);1 H NMR (CDCl3) δ1.66 (2H, m, DBUのCH2 ), 1.73 (4
H, m, DBUのCH2), 1.97(2H, 5重線, J = 5.6 Hz, DBUの
CH2),2.42-2.80 (2H, m, 2',2"-H), 2.83 (2H,m, DBUの
CH2), 3.36-3.44 (8H, m, 5',5"-H, DBUのCH2),3.77 (6
H, s, DMTrのOCH3), 4.22 (1H, m, 4'-H), 4.91 (1H,
m, 3'-H), 5.96 (2H, bs, 6-NH2), 6.52(1H, t, J = 6.
8 Hz, 1'-H), 6.78 (4H, d, J = 8.9 Hz, DMTrの3,3',
5,5'-H ), 6.96 (1H, d, J = 612.3 Hz,P-H), 7.15-7.4
2 (9H, m, 3,3',5,5'-Hを除くDMTrのArH), 7.99 (1H,
s, 2-H), 8.26 (1H, s, 8-H);13 C NMR (CDCl3) δ 19.50, 23.99, 26.85, 28.99, 32.
11, 37.90, 39.86 (2'-C), 48.56, 54.22, 55.15,63.65
(5'-C), 73.67 (d, J = 3.7 Hz, 3'-C), 84.17 (1'-
C), 85.61 (d, J= 7.3 Hz, 4'-C), 86.38, 113.08,119.
84 (5-C), 126.76, 127.75, 128.18, 130.06, 135.67,
135.74, 138.78 (8-C), 144.55, 149.72 (2-C),152.81
(4-C), 155.40 (6-C), 158.40, 166.11. 「2a」のAnal C40H48N7O7P1・5H2Oの計算値:C,55.87;H,
6.80;N,11.40.実測値:C,55.83;H,6.72;N,11.28. 「2a」のFAB+(M-DBU+H)+C31H33N5O7P1の計算値:618.21
2.実測値:618.212. (3)モノマー、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-
7-エニウム 5'-O-ジメトキシトリチルデオキシシチジン
-3'-イル ホスホネート(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]und
ec-7-enium 5'-O-dimethoxytrityldeoxycytidin-3'-yl
phosphonate)(以下、「2b」と称することがある)の合
成 「2a」の場合において述べたような方法 A 及び Bを用
いて、5'-O-ジメトキシトリチルデオキシシチジン(5'-
O-dimethoxytrityldeoxycytidine)(以下、「lb」と称
することがある)(0.530 g, 1 mmol)から「2b」が無色
の発泡体としてそれぞれ91% (0.679 g)と74% (0.552 g)
の収率で得られた。
【0067】31P NMR (CDCl3) δ3.83 (dd, J = 612.8
Hz, 8.6 Hz);1 H NMR(CDCl3) δ1.66 (2H, m, DBUのCH2), 1.71 (4H,
m, DBUのCH2), 1.97 (2H, 5重線, J = 5.6 Hz, DBUのC
H2), 2.22 (1H, m, 2'-H), 2.66 (1H, m, 2"-H), 2.81
(2H, m, DBUのCH2), 3.35-3.51 (8H, m,DBUの5',5"-H,
CH2), 3.78 (6H, s, DMTrのOCH3), 4.40 (1H, m, 4'-
H), 5.05 (1H, m, 3'-H), 5.51(2H, d, J= 7.3 Hz, 5-
H), 5.91 (2H, bs, 4-NH2), 6.30 (1H, t, J = 6.1 Hz,
1'-H), 6.82 (4H, d, J = 8.9 Hz, DMTrの3,3',5,5'-
H), 6.92 (1H, d, J = 613.3 Hz, P-H), 7.17-7.41 (9
H, m, 3,3',5,5'-Hを除くDMTrのArH), 7.80 (1H, d, J
= 7.3Hz, 6-H);13 C NMR (CDCl3) δ19.32, 23.87, 26.62, 30.44,32.0
4, 37.83, 40.42 (2'-C), 48.41, 54.11, 55.13, 62.97
(5'-C), 72.60 (3'-C), 84.82 (1'-C), 85.59(4'-C),
86.47, 94.74 (5-C), 113.08, 126.77, 127.76, 128.0
1, 129.97, 135.38, 135.47, 140.56 (6-C),144.46, 15
5.89 (2-C), 158.38, 165.48 (4-C), 165.89. 「2b」のAnal C39H48N5O8P1・4H2Oの計算値:C,57.27;H,
6.90;N,8.56.実測値:C,57.38;H,7.06;N,8.82. 「2b」のFAB+(M-DBU+H)+C30H33N3O8P1の計算値:594.20
1.実測値:594.203. (4)モノマー、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-
7-エニウム 5'-O-ジメトキシトリチルデオキシグアノシ
ン-3'-イル ホスホネート(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]u
ndec-7-enium 5'-O-dimethoxytrityldeoxyguanosin-3'-
yl phosphonate)(以下、「2c」と称することがある)の
合成 「2a」の場合において述べたような方法 A 及び Bを用
いて、5'-O-ジメトキシトリチルデオキシグアノシン
(5'-O-dimethoxytrityldeoxyguanosine)(以下、「l
c」と称することがある)(0.570 g, 1 mmol)から無色の
発泡体として(2c)をそれぞれ94% (0.739 g)と87% (0.68
4 g) の収率で得た。
【0068】31P NMR (CDCl3) δ3.07 (dd, J = 618.9
Hz, 8.5 Hz);1 H NMR(CDCl3) δ1.58-1.78 (6H, m, DBUのCH2), 1.95
(2H, 5重線, J = 5.6Hz, DBUのCH2), 2.31-2.54(2H, m,
2',2"-H), 2.62-2.78 (2H, m, DBUのCH2), 3.28-3.48
(8H, m, 5',5"-H, DBUのCH2), 3.78(6H, s, DMTrのOC
H3), 4.37 (1H,m, 4'-H), 4.99 (1H, m, 3'-H), 6.17
(1H, dd, J = 9.6 Hz, 4.3 Hz, 1'-H), 6.48 (2H, bs,
2-NH2), 6.82 (4H, d, J = 8.6 Hz, DMTrの3,3',5,5'-
H), 7.02 (1H, d, J = 619.3 Hz,P-H), 7.16-7.44 (9H,
m, 3,3',5,5'-Hを除くDMTrのArH),7.65 (1H, s, 8-H);13 C NMR (CDCl3)19.89, 24.17, 26.97. 29.09, 33.26,
39.01, 41.33 (2'-C),48.55, 54.13, 55.20. 63.90 (5'
-C), 74.90 (3'-C), 83.70 (1'-C), 85.16 (4'-C), 86.
43, 113.19, 117.29 (5-C), 126.82, 127.81, 128.12,
130.03, 130.06, 133.69, 135.67 (8-C), 135.70, 144.
56, 150.71 (4-C), 155.58 (2-C), 158.49 (6-C), 165.
57. 「2C」のAnal C40H48N7O8P1・6H2Oの計算値:C,53.74;H,
6.76;N,10.97.実測値:C,53.58;H,6.54;N,10.87. 「2C」のFAB+(M-DBU+H)+C31H33N5O8P1の計算値:634.20
7.実測値:634.208. (5)5'末端のホスホネート、トリエチルアンモニウム
6-(ジメトキシトリチルオキシ)ヘキシル ホスホネート
(Triethylammonium 6-(dimethoxytrityloxy)hexyl pho
sphonate)(以下、「3」と称することがある)の合成
(図3) 1,6-ヘキサンジオール(1,6-Hexanediol)(0.104g, 1 m
mol)を無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥
させ、最終的に無水ピリジン(10 mL)中に溶解した。こ
の溶液にジメトキシトリチルクロライド(dimethoxytri
tyl chloride)(0.373 g, 1.1 mmol)を添加し、この混
合液を室温で3時間撹拌した。この混合液をCHCl3で希釈
し、5% NaHCO3で3回洗浄し、その水相をCHCl3で逆抽出
した。その有機相と洗浄液(washings)を混合し、Na2S
O4を通じて乾燥し、濾過し、濃縮して乾固し、6-(ジメ
トキシトリチルオキシ)ヘキサノール(6-(dimethoxytri
tyloxy)hexanol)を粗混合液として得た。他方、無水ピ
リジン(10 mL)中のホスホン酸(0.082 g, 10 mmol, 無水
ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの)
の溶液に、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフ
ィニッククロライド(bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosp
hinic chloride)(1.40 g, 5.5 mmol)を添加した。20分
間の撹拌の後、この混合液を6-(dimethoxytrityloxy)he
xanolを含む混合液に添加した。20分間の撹拌後、この
混合液をピリジン(5 mL)で希釈し、1 Mのトリエチルア
ンモニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium
hydrogencarbonate)(10 mL)を添加した。この混合液
をEt2Oで5回洗浄し、有機相を1 Mのトリエチルアンモニ
ウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium hydro
gencarbonate)で逆抽出した。水相と洗浄液(washing
s)を混合し、CHCl3で3回抽出し、この有機相をCHCl3
逆抽出した。有機相と洗浄液(washings)を混合し、Na
2SO4を通じて乾燥し、濾過し、減圧下、濃縮して乾固
し、「3」(0.265 g, 63%)を淡黄色の油状物として得
た。その残留物をシリカゲルカラム(30 gのシリカゲル)
に通した。メタノールの勾配(0-4%)を適用して、0.5%の
トリチルアミン含むCHCl3を用いてクロマトグラフィー
を行った。「3」を含む画分を混合し、濃縮して乾固し
た。その生成物をCHCl3-MeOH (2:1, v/v, 10 mL)に溶解
し、1 Mのトリエチルアンモニウムヒドロゲンカルボネ
ート(triethylammonium hydrogencarbonate)(10 mL)
で洗浄した。水相をCHCl3 (10 mL)で逆抽出し、有機相
と洗浄液(washings)を混合し、Na2SO4を通じて乾燥
し、濾過し、減圧下、濃縮して乾固し、「3」(0.230 g,
53%)を無色の油状物として得た。
【0069】31P NMR (CDCl3) δ5.11 (dt, J = 607.9,
7.4 Hz);1 H NMR (CDCl3) δ1.19 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NのCH
3), 1.28 (2H, m, CH2), 1.52 (4H, m, CH2), 2.77 (8
H, q, J = 7.3 Hz, Et3NのCH2, CH2), 2.94 (2H, t, J
= 6.9 Hz, CH2), 3.67 (6H, s, DMTrのOCH3), 3.74 (2
H, t, J = 6.9 Hz, CH2), 6.72 (4H, d, J = 8.9 Hz, D
MTrの3,3',5,5'-H), 6.76 (1H, d, J = 608.1 Hz, P-
H), 7.06-7.36 (9H, m, 3,3',5,5'-Hを除くDMTrのAr
H);13 C NMR (CDCl3)δ 9.2O, 25.55, 25.79, 29.80, 30.5
7, 45.32, 63.1, 63.31, 76.53, 85.30, 112.63, 126.2
0, 127.35, 127.85, 129.67, 136.41, 145.16,157.97. (6)固相LCAA-CPGへのリンカーの導入(図4) 1,6-ヘキサンジオール(0.118 g, 1 mmol) を無水ピリジ
ンを用いた繰り返し共脱水により乾燥させ、最終的に無
水ピリジン(10 mL)に溶解した。この溶液にジメトキシ
トリチルクロライド(dimethoxytrityl chloride)(0.3
73 g, 1.1 mmol)を添加し、この混合液を室温で3時間撹
拌した。この混合液をCHCl3(20 mL)で希釈し、5% NaHCO
3(20 mL x 3)で3回洗浄し、その水相をCHCl3(50 mL)で
逆抽出した。その有機相と洗浄液(washings)を混合
し、Na2SO4を通じて乾燥し、濾過し、濃縮して乾固し、
6-(ジメトキシトリチルオキシ)ヘキサノール(6-(dimet
hoxytrityloxy)hexanol)を淡黄色の油状物として得
た。他方、無水CH3CN (4 mL)中のトリアゾール(0.173
g, 2.5 mmol, 無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水に
より乾燥したもの)の溶液にオキサリルクロライド(oxa
lyl chloride)(44 μL, 0.5 mmol)とピリジン(0.2 mL)
を添加した。5分間の放置後、この混合液をピリジン-CH
3CN (2:1, v/v, 3 mL)中の6-(ジメトキシトリチルオキ
シ)ヘキサノール(6-(dimethoxytrityloxy)hexanol)の
溶液に添加した。1時間の放置後、この混合液を反応容
器の中のLCAA-CPG (1 g)に添加した。この混合液を30分
放置後、CH3CN、無水MeOH及びCH3CNで順次洗浄した。CP
GゲルをAc2O-ピリジン(1 :9, v/v, 5mL)で処理した。3
時間の放置後、CPGゲルをピリジン、続いてCH3CNで洗浄
し、減圧下で乾燥させ、LCAA-CPGに結合した6-(ジメト
キシトリチルオキシ)ヘキシルオキザレート(6-(dimeth
oxytrityloxy)hexyl oxalate)を得た。LCAA-CPGに対す
る6-(ジメトキシトリチルオキシ)ヘキシルオキザレート
(6-(dimethoxytrityloxy)hexyl oxalate)の負荷量
は、DMTr解析により29μmol/g と評価された。
【0070】(7)オリゴマー、H-ホスホネートオリゴ
デオキシリボヌクレオチドの合成 固相合成は、「Applied Biosystems 380A synthesize
r」で、又は反応容器として、先端に制止装置をを有し
底に栓を有するガラスフィルター(10 mm x 50 mm)を用
いて手動で行った。鎖の伸長の各サイクルは、脱トリチ
ル化(detritylation) (CH2Cl2中の1% TFA ; 15秒)、
洗浄(CH2Cl2、次いでピリジン)、カップリング(ピリジ
ン中において0.1 Mのモノマー(「2a」、「2b」、「2
c」)及び0.5 MのBDPP; 2分)、洗浄(ピリジン)、キャッ
ピング (0.1 M トリエチルアンモニウムエチルホスホネ
ート, ピリジン中の0.5 M BDPP; 2分)、洗浄(ピリジ
ン、次いで CH2Cl2)から構成した。合成の最終サイクル
において、トリメチルアンモニウム 6-(ジメトキシトリ
チルオキシ)ヘキシルホスホネート(triethylammonium
6-(dimethoxytrityloxy)hexyl phosphonate)(3)を
モノマー単位(「2a」、「2b」、「2c」)の代わりに用い
た(図5)。一般に、1サイクル当たりの平均収率は、D
MTr解析により96-99%と評価された。鎖の伸長後、DMTr
群をCH2Cl2中の1% TFAで15秒処理することによって除去
し、CH2Cl2、次いでCH3CNで洗浄した。CPGゲル上のH-ホ
スホネートオリゴマーをN, O-ビス(トリメチルシリル)
アセトアミド-CH3CN(N,O-bis(trimethylsilyl)acetami
de-CH3CN)(1:2, v/v, 300 μL)で20分間処理し、この
混合液にn-PrNH2 (200μL)を添加し30分間放置した。CP
Gゲルを濾過により除去し、濾液を減圧下濃縮した。こ
の粗精製物を「Oligo-Pak EX (Millipore社製)」カート
リッジ上で精製した。生成物をH2O-CH3CN (3:2, v/v)を
用いて溶出させ、この溶出液を濃縮して乾固し、3'及び
5'末端に6-(ヒドロキシ)ヘキシルホスホネート(6-(hy
droxy)hexyl phosphonate)を有するH-ホスホネートオ
リゴデオキシリボヌクレオチドを得た(図6)。
【0071】以下にデカチミジレート H-ホスホネート
(Decathymidylate H-phosphonate)(T10)とテトラヌク
レオチド H-ホスホネート(Tetranucleotide H-phospho
nate)(CAGT)の合成例を示す。
【0072】合成例1:化学式
【0073】
【化49】 で示されるデカチミジレート H-ホスホネート(Decathy
midylate H-phosphonate)(T10)の合成 上記した典型的な工程を用いて、LCAA-CPGに結合した1
μmolの6-(ジメトキシトリチルオキシ)ヘキシルオキザ
レート(6-(dirmethoxytrityloxy)hexyl oxalate)から
デカチミジレート H-ホスホネート(decathymidylate H
-phosphonate)(61.4 A260 units)を82%の収率で得た。
【0074】UV (CH3CN-H2O, 1:1, v/v)λmax: 262.8 n
m, λmin 233.0 nm;31 P NMR (CD3CN-H2O, 1: 1, v/v) δ10.95- 11.49 (多
重線, 平均値としてJ =731.6 Hz); FAB+(M+1)+C112H158
N20O65P11の計算値:3165.29.実測値:3165.25. 合成例2:化学式
【0075】
【化50】 で示されるテトラヌクレオチド H-ホスホネート(Tetra
nucleotide H-phosphonate)(CAGT)の合成 上記した典型的な工程を用いて、LCAA-CPGに結合した1
μmolの6-(ジメトキシトリチルオキシ)ヘキシルオキザ
レート(6-(dirmethoxytrityloxy)hexyl oxalate)から
テトラヌクレオチド H-ホスホネート(tetranucleotide
H-phosphonate)(31.0 A260 units)を84%の収率で得
た。
【0076】UV (CH3CN-H2O, 1:1, v/v)λmax 259.2 n
m, λmin 229.8 nm;31 P NMR(CD3CN-H2O, 1:1, v/v) δ10.97- 12.29 (多重
線, 平均値としてJ = 728.8 Hz); FAB+(M+1)+C51H77N15
O25P5の計算値:1455.12.実測値:1455.09. 得られたテトラヌクレオチド H-ホスホネート(tetranu
cleotide H-phosphonate)(1.0 A260 units)を濃NH3-ピ
リジン(9: 1, v/v, 5 mL)で室温にて10分間処理し、H-
ホスホネートのジエステル結合を切断した。この混合液
を脱水して乾燥させ、無水ピリジン(300μL)中に溶解し
た。この溶液にEt3N (42μL)及びBSTFA(81μL)を添加し
た。室温で2時間の放置後、無水デカン(100μL)中の5.0
M t-BuOOHを添加し、この混合液を室温で10分間放置し
た。この混合液を脱水して乾燥させ、濃NH3-ピリジン
(9: 1, v/v, 5 mL)中に溶解した。5分間の放置後、この
混合液を脱水して乾燥させ、0.1M Tris-HCl緩衝液(pH
8.0, 100 μL)に溶解した。この溶液に、子牛の腸のア
ルカリホスファターゼ(10 units)を添加し、37℃で3時
間インキュベートし、dC, dA, dG,及びdTのほぼ1:1:1:1
の混合液を得た(逆相HPLC解析)。
【0077】<実施例2> H-ホスホネートオリゴデオ
キシリボヌクレオチドの化学合成 実施例1と異なる反応条件でH-ホスホネートオリゴデオ
キシリボヌクレオチドの化学合成を行った。
【0078】(1)モノマー、トリメチルアンモニウム
5'-O-ジメトキシトリチルデオキシアデノシン-3'-イル
ホスホネート(Triethylammonium 5'-O-dimethoxytrit
yldeoxyadenosin-3'-yl phosphonate)(2a)の合成 以下の方法 A及び方法 Bを用いてモノマーの合成を行っ
た。
【0079】方法 A(図7): 5'-O-ジメトキシトリチ
ルデオキシアデノシン(5'-O-Dimethoxytrityldeoxyade
nosine)(1a) (0.554 g, 1 mmol)を無水ピリジンを用い
た繰り返し共脱水により乾燥させ、最終的に無水ピリジ
ン(5 mL)中に溶解した。この溶液にジフェニルホスホネ
ート(diphenyl phosphonate)(1.64 g, 7 mmol)を添加
した。20分の撹拌後、この混合液をH2O-Et3N (1:1, v/
v, 2 mL)で処理し、室温でさらに20分撹拌した。この混
合液をピリジン(5 mL)で希釈し、1 Mのトリエチルアン
モニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium h
ydrogencarbonate)(10 mL)を添加した。この混合液をE
t2Oで5回洗浄し、その有機相を1 Mのトリエチルアンモ
ニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium hyd
rogencarbonate)で逆抽出した。その水相と洗浄液を混
合し、CHCl3で3回抽出し、この水相をCHCl3で逆抽出し
た。有機相と洗浄液を混合し、Na2SO4を通じて乾燥さ
せ、濾過し、減圧下、濃縮して乾固した。その残留物を
シリカゲルカラム(30 gのシリカゲル)に通した。メタノ
ールの勾配(0-15%)を適用して、4%のトリチルアミン含
むCHCl3を用いてクロマトグラフィーを行った。「2a」
を含む画分を混合し、濃縮して乾固した。その生成物を
CHCl3(10 mL)に溶解し、1 Mのトリエチルアンモニウム
ヒドロゲンカルボネート(triethylammonium hydrogenc
arbonate)(10mL)で洗浄し、シリカゲルを除去した。水
相をCHCl3 で逆抽出し、有機相と洗浄液(washings)を
混合し、Na2SO4を通じて乾燥し、濾過し、減圧下、濃縮
して乾固し、「2a」(0.589 g, 82%)を無色の発泡体とし
て得た。
【0080】方法 B(図7): 無水ピリジン(10 mL)中
のホスホン酸(0.082 g, 10 mmol, 無水ピリジンを用い
た繰り返し共脱水により乾燥したもの) の溶液に、ビス
(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィニッククロラ
イド(bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphinic chlorid
e)(1.40 g, 5.5 mmol)を添加した。反応混合液を室温
で20分間撹拌した。この混合液に5'-O-ジメトキシトリ
チルデオキシアデノシン(5'-O-dimethoxytrityldeoxya
denosine)(1a)(0.554 g, 1 mmol)を添加した。6時間の
撹拌後、混合液をCHCl3で希釈し、1 Mのトリエチルアン
モニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium h
ydrogencarbonate)で3回洗浄し、その水相をCHCl3で逆
抽出した。有機相と洗浄液(washings)を混合し、Na2S
O4を通じて乾燥し、濾過し、減圧下、濃縮して乾固し
た。その粗生成物を上記のようなシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、無色の発泡体として「2
a」(0.563 g, 78%)を得た。
【0081】31P NMR (CDCl3) δ3.88 (dd, J PH = 61
6.5 Hz, J POCH = 8.5 Hz);1 H NMR (CDCl3) δ1.21 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+の
CH3), 2.70-2.83 (2H,m, 2'-H and 2"-H), 2.92 (6H,
q, J = 7.3 Hz, CH2Et3NH+), 3.32 (3H, m, 5'-H, and
5-H), 3.69 (6H, s, DMTrのOCH3),4.33 (1H, m, 4'-H),
4.98(1H, m, 3'-H), 5.93 (2H, bs, 6-NH2), 6.45 (1
H, t, J1',2' = 5.9 Hz, 1'-H), 6.70 (4H, d, J = 8.6
Hz, DMTrの3,3',5,5'-H), 6.85 (1H, d, J PH = 617.0
Hz, P-H), 7.14-7.34 (9H, m, 3,3',5,5'-Hを除くDMTr
のArH), 7.91 (1H, s, 2-H), 8.20(1H, s, 8-H);13 C NMR (CDCl3) δ8.68 (Et3NH+のCH3), 39.70 (2'-
C), 45.41 (Et3NH+のCH2), 55.11 (DMTrのOCH3), 63.60
(5'-C), 73.84(JPOC = 4.9 Hz, 3'-C), 84.13 (1'-C),
85.50 (JPOCC = 7.3 Hz, 4'-C), 86.34 (DMTrのtert-
C),113.03 (DMTrの3,3',5,5'-C), 119.87 (5-C), 138.6
7 (8-C), 149.70 (C-2), 152.83 (C-4), 155.42(C-6),
126,74, 127.73, 128.12, 130.03, 135.58, 135.63, 14
4.47, 158.38 (DMTrのAr-C). (2)モノマー、トリエチルアンモニウム 5'-O-ジメト
キシトリチルデオキシシチジン-3'-イル ホスホネート
(Triethylammonium 5'-O-dimethoxytrityldeoxycytidi
n-3'-yl phosphonate)(2b)の合成 「2a」における場合に記載したような方法 A及びBを用
いて、5'-O-ジメトキシトリチルデオキシシチジン(5'-
O-dimethoxytrityldeoxycytidine)(1b)(0.530g, 1 mmo
l)から「2b」を無色の発泡体として、それぞれ収率91%
(0.635 g)及び74% (0.518 g)で得た。
【0082】31P NMR (CDCl3) δ3.67 (dd, JPH = 616.
4 Hz, JPOCH = 8.5 Hz);1 H NMR (CDCl3)δ1.21 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+のC
H3), 2.17 (1H, m, 2'-H), 2.59 (1H, m, 2"-H), 2.93
(6H,q, J = 7.3 Hz, Et3NH+のCH2), 3.32 (3H,m, 5'-H,
and 5"-H), 3.69 (6H, s, DMTrのOCH3),4. 15(1H, m,
4'-H), 4.83 (1H, m, 3'-H), 5.57 (1H, d, J = 7.6 H
z, 5-H), 6.20 (1H, t, J1',2' = 5.9 Hz, 1'-H), 6.74
(4H, d, J = 8.9 Hz, DMTrの3,3',5,5'-H), 6.81 (1H,
d, JPH= 617.0 Hz, P-H), 7.11-7.34 (9H, m, 3,3',5,
5'-Hを除くDMTrのArH), 7.70 (1H, d, J = 7.6 Hz, 6-
H);13 C NMR(CDCl3) δ8.77 (Et3NH+のCH3), 40.61 (2'-C),
45.61 (Et3NH+のCH2), 55.20 (DMTrのOCH3),62.82 (5'
-C), 72.82 (3'-C), 84.91 (1'-C), 85.76 (4'-C), 86.
67 (DMTrのtert-C), 94.68 (C-5),113.21 (DMTrの3,3',
5,5'-C), 141.24 (6-C), 154.47 (2-C), 163.97 (C-4),
123.68, 126,93,127.91, 128.12, 130.10, 135.38, 13
5.45, 144.46, 158.53 (DMTrのAr-C). (3)モノマー、トリエチルアンモニウム 5'-O-ジメト
キシトリチルデオキシグアノシン-3'-イル ホスホネー
ト(Triethylammonium 5'-O-dimethoxytrityldeoxyguan
osin-3'-yl phosphonate)(2c)の合成 「2a」の場合に記載したような方法 Aを用いて、5'-O-
ジメトキシトリチルデオキシシチジン(5'-O-dimethoxy
trityldeoxycytidine)(1c)(0.570 g, 1 mmol)から「2
C」(0.708 g, 94% )を無色の発泡体として得た。
【0083】31P NMR (CDCl3) δ3.22 (dd, JPH = 626.
2 Hz, JPOCH = 8.6 Hz);1 H NMR (CDCl3) δ1.18 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+の
CH3),2.35 (1H, m, 2'-H), 2.58 (1H, m, 2"-H), 2.99
(6H, q, J = 7.3 Hz, Et3NH+のCH2), 3.26 (3H, m,5'-
H, 及び5"-H), 3.69 (6H, s, DMTrのOCH3),4.29 (1H,
m, 4'-H), 4.95 (1H, m, 3'-H). 6.10(1H, dd, J1',2'/
J1',2'' = 4.6 Hz 及び8.9 Hz, 1'-H), 6.74 (4H, d, J
= 8.9 Hz, DMTrの3,3',5,5'-H),6.91 (1H, d, JPH = 6
25.5 Hz, P-H), 7.11-7.35 (9H, m, 3,3',5,5'-Hを除く
DMTrのArH),7.62 (1H, s, 8-H); )13 C NMR (CDCl3) δ8.86 (Et3NH+のCH3), 40.81 (2'-
C), 45.73 (Et3NH+のCH2), 55.19 (DMTrのOCH3), 63.67
(5'-C), 74.81 (3'-C), 83.61 (1'-C), 85.14 (4'-C),
86.41(DMTrのtert-C), 113.21 (DMTrの3,3',5,5'-C),
117.10 (5-C), 135.60 (8-C), 150.75 (4-C), 154.66
(C-2), 158.13 (6-C), 126,84, 127.85, 128.09, 130.0
2, 133.80, 144.51, 158.47 (DMTrのAT-C). (4)5'末端ホスホン酸、トリチルアンモニウム 5-(ジ
メトキシトリチルオキシ)ペンチル ホスホネート(Trie
thylammonium 5-(dimethoxytrityloxy)pentylphosphona
te)(3)の合成(図8) 1,5-ペンタンジオール(1,5-Pentanediol)(0.104 g, 1
mmol)を無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾
燥させ、最終的に無水ピリジン(10 mL)中に溶解した。
この溶液にジメトキシトリチルクロライド(dimethoxyt
rityl chloride)(0.373 g, 1.1 mmol)を添加し、この
混合液を室温で3時間撹拌した。この混合液をCHCl3で希
釈し、5% NaHCO3で3回洗浄し、その水相をCHCl3で逆抽
出した。その有機相と洗浄液(washings)を混合し、Na
2SO4を通じて乾燥し、濾過し、濃縮して乾固し、5-(ジ
メトキシトリチルオキシ)ペンタノール(5-(dimethoxyt
rityloxy)pentanol)を粗混合液として得た。他方、無
水ピリジン (10 mL)中のホスホン酸(0.082 g, 10 mmol,
無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾燥した
もの) の溶液に、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)
ホスフィニッククロライド(bis(2-oxo-3-oxazolidiny
l)phosphinic chloride)(1.40 g, 5.5 mmol)を添加し
た。20分間の撹拌の後、この混合液を5-(ジメチルトリ
チルオキシ)ペンタノール(5-(dimethoxytrityloxy)pen
tanol)を含む混合液に添加した。20分間の撹拌後、こ
の混合液をピリジン(5 mL)で希釈し、1 Mのトリエチル
アンモニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammoni
um hydrogencarbonate)(10 mL)を添加した。この混合
液をEt2Oで5回洗浄し、有機相を1 Mのトリエチルアンモ
ニウムヒドロゲンカルボネート(triethylammonium hyd
rogencarbonate)で逆抽出した。水相と洗浄液(washin
gs)を混合し、CHCl3で3回抽出し、この有機相をCHCl3
で逆抽出した。有機相と洗浄液(washings)を混合し、
Na2SO4を通じて乾燥し、濾過し、減圧下、濃縮して乾固
し、「3」(0.265 g, 63%)を淡黄色の油状物として得
た。この物質は、これ以上精製しなくとも分析上純粋で
あった。
【0084】31P NMR (CDCl3) δ4.99 (dt, JPH = 614.
0 Hz, JPOCH = 7.3 Hz);1 H NMR (CDCl3) δ1.15 (9H, t, J = 7.3 Hz, Et3NH+の
CH3), 1.36 (2H, m, CH2), 1.50 (4H, m, 2xCH2), 2.87
(6H, q, J = 7.3 Hz, Et3NH+のCH2), 2.90 (2H, dd, J
= 6.9 Hz 及び3.0 Hz, DMTrO-CH2), 3.63 (6H, s, DMT
rのOCH3), 3.74(2H, dd, J = 6.9 Hz 及び7.6 Hz, P-OC
H2), 6.69 (4H, d, J = 8.6 Hz, DMTrの3,3',5,5'-H),
6.73 (1H, d, JPH = 613.7 Hz, P-H), 7.05-7.55 (9H,
m, 3,3',5,5'-Hを除くDMTrのArH);13 C NMR (CDCl3) δ8.07 (Et3NH+のCH3), 22.32 (CH2),
29.35 (CH2), 30.32(JPOCC = 7.3 Hz, P-OCH2CH2), 4
4.93 (Et3NH+のCH2), 54.72 (DMTrのOCH3), 62.88 (C
H2), 63.27 (JPOC = 4.9 Hz, P-OCH2), 85.18 (DMTrのt
ert-C), 112.53 (DMTrの3,3',5,5'-C), 123.40, 126.0
9, 127.24, 127.71, 129.56. 135.78, 136.21, 145.01,
149.07, 157.84 (DMTrのAr-C). (5)固相LCAA-CPGへのリンカーの導入(図9) 1,5-ペンタンジオール(1,5-Pentanediol)(0.104 g, 1
mmol)を無水ピリジンを用いた繰り返し共脱水により乾
燥させ、最終的に無水ピリジン(10 mL)中に溶解した。
この溶液にジメトキシトリチルクロライド(dimethoxyt
rityl chloride)(0.373 g, 1.1 mmol)を添加し、この
混合液を室温で3時間撹拌した。この混合液をCHCl3で希
釈し、5% NaHCO3で3回洗浄し、その水相をCHCl3で逆抽
出した。その有機相と洗浄液(washings)を混合し、Na
2SO4を通じて乾燥し、濾過し、濃縮して乾固し、粗5-
(ジメトキシトリチルオキシ)ペンタノール(5-(dimetho
xytrityloxy)pentanol)を得た。他方、無水CH3CN(4 m
L)中のトリアゾール(0.173 g, 2.5 mmol, 無水ピリジン
を用いた繰り返し共脱水により乾燥したもの)の溶液
に、オキサリルクロライド(oxalyl chloride)(44 μ
L, 0.5 mmol)及びピリジン(0.2 mL)を添加した。5分間
の放置後、この混合液をピリジン-CH3CN (2:1, v/v, 3m
L)中の5-(ジメトキシトリチルオキシ)ペンタノール(5-
(dimethoxytrityloxy)pentanol)の溶液に添加した。1
時間の放置後、この混合液を反応容器中のLCAA-CPG (1
g)に添加した。この混合液を1時間放置し、順次CH3CN、
無水MeOH、及びCH3CNで洗浄した。CPGゲルをAc2Oピリジ
ン(1:9, v/v, 5 mL)で処理した。3時間の放置後、CPGゲ
ルをピリジン、次いで、CH3CNで洗浄し、減圧下乾燥さ
せ、LCAA-CPGに結合した5-(ジメトキシトリチルオキシ)
ペンチルオキザレート(5-(dimethoxytrityloxy)pentyl
oxalate)を得た。
【0085】(6)H-ホスホネートオリゴデオキシリボ
ヌクレオチド(H-phosphonate oligodeoxyribionucleot
ide)の固相合成 合成例1.実施例1の合成例1において使用したモノマ
ーが、方法 Aまたは方法 BでDBUの代わりにTEAを使用し
て得られたチミジンモノマーである以外は同様にして、
デカチミジレート H-ホスホネート(Decathymidylate H
-phosphonate)を合成した。
【0086】合成例2.実施例1の合成例1において使
用したモノマーが、方法 Aまたは方法 BでDBUの代わり
にTEAを使用して得られたチミジンモノマーであり、縮
合剤としてBDPPの代わりにPyFOPを使用した以外は同様
にして、デカチミジレート H-ホスホネート(Decathymi
dylate H-phosphonate)を合成した。
【0087】合成例3.実施例1の合成例2において使
用したモノマーが、方法 Aまたは方法 BでDBUの代わり
にTEAを使用して得られたチミジンモノマーである以外
は同様にして、テトラヌクレオチド H-ホスホネート(T
etranucleotide H-phosphonate)を合成した。
【0088】以上の実施例の結果を表1に示す。
【0089】表1 文献(H.H.Jensen,C.E.Olsen,A.Holm,J.Org. Chem.,
59, 1257(1994))に従って合成した。
【0090】<参考例1> テトラヌクレオチドメチル
ホスホネート(tetranucleotide methylphosphonate)の
合成 オキザリルリンカー(oxalyl linker)を介してLCAA-CPG
に結合したテトラヌクレオチドH-ホスホネート(tetranu
cleotide H-phosphonate)(1 μmol)をI2の5%メタノー
ルーピリジン溶液(9:1, v/v)で室温で10分間反応し
た後、ピリジン、アセトニトリルで順次洗浄した。つい
で、CPGゲルをn-PrNH2-アセトニトリル(1:4,v/v)中
で室温で30分間処理した。CPGゲルを濾過により除去
し、濾液を減圧下濃縮した。この粗精製物を逆相HPLCに
より精製することでテトラヌクレオチドメチルホスホネ
ート(tetranucleotide methylphosphonate)を得た。
【0091】31P NMR (CD3CN-H2O, 1:1, v/v) δ 0.05-
1.16, FAB MS (FAB-) Calcd for C56H86N15O30P5: 1603, Foun
d 1603. <参考例2> テトラヌクレオチドヒドロキシメチルホ
スホネート(tetranucleotide hydroxymethylphosphonat
e)の合成 オキザリルリンカー(oxalyl linker)を介してLCAA-CPG
に結合したテトラヌクレオチドH-ホスホネート(tetranu
cleotide H-phosphate)(1 μmol)をジオキサン(dioxan
e)中で1 MのN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミ
ド(N,O-bis(trimethylsilyl)acetamide)と室温で2時間
反応させ、ついでホルムアルデヒドガス(gaseous forma
ldehyde)と10分間反応した。ジオキサンで洗浄した
後、n-PrNH2-メタノール(1:4, v/v)中で室温で30分
間処理した。CPGゲルを濾過により除去し、濾液を減圧
下濃縮した。この粗精製物を逆相HPLCにより精製するこ
とでテトラヌクレオチドヒドロキシメチルホスホネート
(tetranucleotide hydroxymethylphosphonate)を得た。
【0092】31P NMR (CD3CN-H2O, 1:1, v/v) δ 28.52
-29.78, FAB MS (FAB-) Calcd for C56H86N15O30P5: 1603, Foun
d 1603. <参考例3> テトラヌクレオチドボラノホスホネート
(tetranucleotide boranophosphonate)の合成 オキザリルリンカー(oxalyl linker)を介してLCAA-CPG
に結合したテトラヌクレオチドH-ホスホネート(tetranu
cleotide H-phosphate)(1 μmol)を1 MのN,O-ビス(ト
リメチルシリル)アセトアミド-Me2S・BH3(5:2,v/
v)と室温で1時間反応させた。メタノールで洗浄した
後、n-PrNH3-メタノール(1:4,v/v)中で室温で30
分間処理した。CPGゲルを濾過により除去し、濾液を減
圧下濃縮した。この粗精製物を逆相HPLCにより精製する
ことでテトラヌクレオチドボラノホスホネート(tetranu
cleotide boranophosphonate)を得た。
【0093】31P NMR (CD3CN-H2O, 1:1, v/v) δ 92.41
-94.89. <参考例4> テトラヌクレオチドホスホアミデート(t
etranucleotide phosphoamidate)の合成 テトラヌクレオチドH-ホスホネート(tetranucleotide H
-phosphonate)(CAGT)を5%のI2を含む飽和アンモニア
ピリジン溶液で0℃で5分間反応した。ついで、過剰の
I2をNaHSO3水溶液で処理し、得られた粗精製物を逆相HP
LCにより精製することでテトラヌクレオチドホスホアミ
デート(tetranucleotide phosphoamidate)を得た。
【0094】31P NMR (CD3CN-H2O, 1:1, v/v) δ 12.47
-14.33, FAB MS(FAB-)Calcd for C51H81N20O25P5: 1528, Found
1528.
【0095】
【発明の効果】本発明により、新規なH-ホスホネートオ
リゴヌクレオチド誘導体、及び該誘導体の合成方法が提
供された。本発明のH-ホスホネートオリゴヌクレオチド
誘導体は、標的遺伝子との二重鎖を形成しやすく、ホス
ホジエステラーゼ耐性で、かつ細胞への取り込み効率の
高いなどの特性を有する。本発明のH-ホスホネートオリ
ゴヌクレオチド誘導体は、特にアンチセンス核酸として
の利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】H-ホスホネートヌクレオチドの塩基性条件下で
の挙動を示す図である。
【図2】H-ホスホネートオリゴヌクレオチドの単位とな
るモノマーの合成法を示す図である。
【図3】5'末端のホスホネートの合成法を示す図であ
る。
【図4】固相へのリンカーの導入方法を示す図である。
【図5】H-ホスホネートオリゴヌクレオチドの固相合成
の工程を示す図である。
【図6】固相合成されたH-ホスホネートオリゴヌクレオ
チドから保護基を除去する工程を示す図である。
【図7】H-ホスホネートオリゴヌクレオチドの単位とな
るモノマーの合成法を示す図である。
【図8】5'末端のホスホネートの合成法を示す図であ
る。
【図9】本発明において用いられる固相へのリンカーの
導入方法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/70 ADY A61K 31/70 ADY // A61K 48/00 48/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるH-ホスホネ
    ートオリゴヌクレオチド誘導体。 【化1】 [式中、Bは互いに異なっていてもよいピリミジン塩
    基、プリン塩基またはそれらの誘導体を表し、R1は水素
    原子、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アル
    コキシ基、アルケニルオキシ基またはアシル基を表し、
    R2は分岐していてもよいアルキレン基を表し、該アルキ
    レン基は酸素原子を介していてもよい。Xはヘテロ原子
    を表し、nは1以上の数を表す。]
  2. 【請求項2】 (a)一般式(II)、 【化2】 [式中、R3は保護基を表し、R4は式 【化3】 (式中、R5は担体を表す。)を表し、R2は前記と同義を
    表す。]で表される化合物の保護基R3を除去後、一般式
    (III)、 【化4】 [式中、R1、BおよびXは前記と同義を表し、R6は保護基
    を表し、 【化5】 はカチオニック塩を表す。]で表される塩基モノマー単
    位と反応させて、一般式(IV)、 【化6】 [式中、B、X、R1、R2、R4,およびR6は前記と同義を表
    す。]で表される化合物を得る工程、(b)前記工程で
    得られる一般式(IV)で表される化合物の保護基R6を除去
    後、前記一般式(III)で表される塩基モノマー単位と反
    応させる工程、(c)前記(b)と同様の操作を繰り返
    し行うことによって得られる化合物と、一般式(V)、 【化7】 [式中、R7は保護基を表し、 【化8】 は、カチオニック塩を表し、R2およびXは前記と同義を
    表す。]で表される化合物とを縮合剤の存在下に反応さ
    せて、一般式(VI)、 【化9】 [式中、R1、R2、R4、R7、BおよびXは前記と同義を表し、n
    は1以上の数を表す。]で表される化合物を得る工程、
    (d)前記工程(c)で得られる一般式(VI)で表される
    化合物を無水塩基性条件下に反応させ、次いで、加水分
    解処理することによって請求項1記載のH―ホスホネー
    トオリゴヌクレオチド誘導体を得る工程、から成ること
    を特徴とするH-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記の一般式(V)で表されるH-ホスホ
    ネートオリゴヌクレオチドの5’末端合成用試薬。 【化10】 [式中、R7、 【化11】 、R2およびXは前記と同義を表す。]
  4. 【請求項4】 下記の一般式(VII)で表されるH-ホス
    ホネートオリゴヌクレオチドの5’末端合成用試薬。 【化12】 [式中、R9は炭素数4以上の分岐をしていてもよいアル
    キレン基を表し、該アルキレン基は酸素原子を介してい
    てもよい。R7、 【化13】 、Xは前記と同義を表す。]
  5. 【請求項5】 ウイルスの増殖に際して生成するメッセ
    ンジヤーRNAに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレ
    オチド誘導体を有効成分とするウイルス増殖阻害剤であ
    って、該オリゴヌクレオチド誘導体が、請求項1記載の
    H-ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体であることを
    特徴とするウイルス増殖阻害剤。
  6. 【請求項6】 腫瘍細胞の増殖に際して特異的に生成す
    るメッセンジャーRNAに相補的な塩基配列を有するオリ
    ゴヌクレオチド誘導体を有効成分とする腫瘍細胞増殖阻
    害剤であって、該オリゴヌクレオチド誘導体が、請求項
    1記載のH―ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体で
    あることを特徴とする腫瘍細胞増殖阻害剤。
JP9310525A 1996-11-13 1997-11-12 H−ホスホネートオリゴヌクレオチド誘導体、及び該誘導体の製造方法 Pending JPH10204097A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184318A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Univ Of Tokyo リボヌクレシドh−ボラノホスホネート

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