JPH10204096A - マンノピラノシル誘導体、それを有効成分とする薬剤およびその製造用中間体 - Google Patents

マンノピラノシル誘導体、それを有効成分とする薬剤およびその製造用中間体

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JPH10204096A
JPH10204096A JP2856497A JP2856497A JPH10204096A JP H10204096 A JPH10204096 A JP H10204096A JP 2856497 A JP2856497 A JP 2856497A JP 2856497 A JP2856497 A JP 2856497A JP H10204096 A JPH10204096 A JP H10204096A
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mannopyranosyl
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JP2856497A
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Toshio Achinami
壽夫 阿知波
Yoshiyuki Nakai
良幸 中井
Takahiro Tsukida
孝博 月田
Hirosato Kondou
裕郷 近藤
Hiroshi Omoto
弘志 大本
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下式(I) (式中、R1は分岐状長鎖アルキル基を表し、R2は−C
ONHR3、カルボキシル基または水素原子を表し、X
は酸素原子または硫黄原子を表し、nは0、1または2
の整数を表し、R3は低級アルキル基またはフェニル基
を表す。)で示されるマンノピラノシル誘導体またはそ
の薬学的に許容される塩、それを有効成分とする薬剤お
よびその製造用中間体。 【効果】本発明化合物(I)またはその薬学的に許容さ
れる塩は、E−セレクチン、P−セレクチンおよび/ま
たはL−セレクチンとシアリルLexとの結合を強く阻
害するので、各種炎症性疾患、例えば慢性関節リウマ
チ、慢性甲状腺炎等の自己免疫性慢性疾患、アトピー性
皮膚炎、接触性過敏症、光線過敏症等の炎症性皮膚炎等
の予防薬または治療薬として好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なマンノピラ
ノシル誘導体、それを有効成分とする薬剤およびその製
造用中間体に関する。更に詳しくは、細胞接着分子であ
るセレクチンとシアリル−ルイスx(以下、シアリルL
exと略記する)糖鎖との結合を阻害する化合物として
有用な下式(I)
【0002】
【化4】 (式中、R1は分岐状長鎖アルキル基を表し、R2は−C
ONHR3、カルボキシル基または水素原子を表し、X
は酸素原子または硫黄原子を表し、nは0、1または2
の整数を表し、R3は低級アルキル基またはフェニル基
を表す。)で表される新規なマンノピラノシル誘導体ま
たはその薬学的に許容される塩およびそれを有効成分と
する薬剤に関する。
【0003】本発明は、更に、これら新規マンノピラノ
シル誘導体の製造用中間体に関する。
【0004】
【従来の技術】最近、各種の炎症性疾患において細胞接
着分子であるセレクチンの役割が注目されている。セレ
クチンには、E−セレクチン(ELAM−1と呼ばれる
こともある)、P−セレクチン(GMP−140と呼ば
れることもある)あるいはL−セレクチン(LECAM
−1と呼ばれることもある)等の種類が知られている
が、これらのセレクチンは、炎症の過程において種々の
細胞に発現される。
【0005】例えば、E−セレクチンはTNFα(tu
mor necrosis factorα)、IL−
1(interleukine 1)などの刺激で主に
血管内皮細胞上に発現される接着分子であり、P−セレ
クチンはトロンビン、ヒスタミンなどの刺激で主に血小
板α顆粒と血管内皮細胞のワイベルパラーデ小体に発現
される接着分子であり、L−セレクチンは白血球細胞上
に発現される接着分子である。
【0006】一般に、細胞浸潤は炎症の最も重要な所見
のひとつであるが、血液中の炎症性細胞が血管内皮細胞
と接着した後、組織中へ浸潤してくることが知られてい
る。その血管内皮細胞との接着の前段階として、炎症性
細胞が血管壁に沿って転がる現象が知られていて、ロー
リング(rolling)と呼ばれている。このローリ
ングは細胞浸潤の第一段階として重要な過程であるが、
上記の各種セレクチンと炎症性細胞表面に存在するシア
リルLex糖鎖(セレクチンのリガンド)との相互作用
によって媒介されている。
【0007】従って、これらのセレクチンとシアリルL
ex糖鎖との結合を阻害し炎症性細胞の接着を阻止する
ことによって、各種の炎症性疾患を治療する試みがなさ
れている。この炎症性細胞の接着を阻止するセレクチン
リガンド(カウンターリガンド)としてはいくつかのシ
アリルLex誘導体の他、ペプチド性のカウンターリガ
ンドも知られており(例えば、WO95/04751、
WO95/10296等)、これらは糖部分としてフコ
ースのみを有する化合物である。
【0008】又、糖部分として、マンノースのみを有す
るセレクチンリガンドが最近報告された〔T.G.Ma
rron他,Tertahedron Lett.,3
7(50),9037(1996)〕。
【0009】これらセレクチンのカウンターリガンドを
有効成分とする薬剤(セレクチン阻害剤)は、炎症性細
胞の接着を阻止することによって、各種の炎症、例えば
アトピー性皮膚炎、接触性過敏症、光線過敏症等の炎症
性皮膚炎等の他、慢性関節リウマチ、慢性甲状腺炎等の
自己免疫性の慢性疾患を抑えることができる。
【0010】又、虚血−再灌流障害においても、好中球
の浸潤に伴う内皮細胞障害に各種のセレクチンが関与し
ていることが報告されている〔Stroke,25,2
02〜210(1994)〕。実際、セレクチンのカウ
ンターリガンドであるシアリルLex誘導体で再灌流動
物モデルの障害が抑制できることが報告されている
〔J.Clin.Invest.,93,1140〜1
148(1994)〕。従って、セレクチン阻害剤は虚
血−再灌流障害においても有効な抑制作用を有する(例
えば、米国特許5,444,050)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セレ
クチンとシアリルLexとの結合を阻害する新規なマン
ノピラノシル誘導体、それを有効成分とする薬剤および
その製造用中間体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、前記一般式(I)で表される、長鎖アルキル
基を有する糖ペプチドがセレクチンとシアリルLex糖
鎖との結合に対して強い阻害作用を有することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明化合物は、下式(I)
【0014】
【化5】 (式中、R1は分岐状長鎖アルキル基を表し、R2は−C
ONHR3、カルボキシル基または水素原子を表し、X
は酸素原子または硫黄原子を表し、nは0、1または2
の整数を表し、R3は低級アルキル基またはフェニル基
を表す。)またはその薬学的に許容される塩として表す
ことができる。
【0015】本願明細書において分岐状長鎖アルキル基
とは、α位またはβ位で分岐する総炭素数が23から4
0のアルキル基を表し、具体例としては、1−(デシ
ル)トリデシル基、1−(ドデシル)トリデシル基、1
−(ドデシル)ペンタデシル基、1−(ドデシル)ヘプ
タデシル基、1−(ドデシル)ノナデシル基、1−(テ
トラデシル)ペンタデシル基、1−(テトラデシル)ヘ
プタデシル基、1−(テトラデシル)ノナデシル基、1
−(ヘキサデシル)ヘプタデシル基、1−(ヘキサデシ
ル)ノナデシル基、1−(オクタデシル)ノナデシル
基、2−(ヘキシル)トリデシル基、2−(オクチル)
トリデシル基、2−(デシル)トリデシル基、2−(ド
デシル)トリデシル基、2−(ドデシル)ペンタデシル
基、2−(ドデシル)ヘプタデシル基、2−(ドデシ
ル)ノナデシル基、2−(テトラデシル)ペンタデシル
基、2−(テトラデシル)ヘプタデシル基、2−(テト
ラデシル)ノナデシル基、2−(ヘキサデシル)ヘプタ
デシル基、2−(ヘキサデシル)ノナデシル基、2−
(オクタデシル)ノナデシル基等を例示できる。
【0016】低級アルキル基とは直鎖または分岐状の炭
素数1〜4のアルキル基を表し、具体的にはメチル基、
エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基
等を挙げることができる。
【0017】本発明化合物の薬学的に許容される塩とし
ては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩
等の無機塩基塩またはアルギニン塩、リジン塩等の有機
塩基塩を挙げることができる。
【0018】前記式(I)において、R2が−CONH
3またはカルボキシル基である化合物には下式
【0019】
【化6】 (式中、R1、R2、nおよびXは前記に同じ。)に示さ
れる不斉炭素aおよびbに由来する立体異性体が存在
し、R2が水素原子の場合は不斉炭素aに由来する立体
異性体が存在するが、本願発明はこれらすべての立体異
性体およびこれらの混合物を包含する。
【0020】さらに本願発明化合物は、式(I)で示さ
れる化合物またはこの薬学的に許容される塩の水和物も
包含される。
【0021】前記式(I)で示される化合物のうちで、
好ましい化合物の例は、R1が総炭素数23〜31の分
岐状長鎖アルキル基であり、R2がN−メチルカルバモ
イル基であり、Xは酸素原子または硫黄原子であり、n
は0〜2のいずれかの整数の化合物である。
【0022】本発明化合物(I)またはその薬学的に許
容される塩の具体例を以下に列挙する。 ・[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−L−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド ・[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−D−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド ・[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−L−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド ・[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−D−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド ・[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−L−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド L−アルギニン塩 本発明は、更に、下式(II)
【0023】
【化7】 (式中、R1は分岐状長鎖アルキル基を表し、Bnはベ
ンジル基を表し、Acはアセチル基を表し、R4は−C
ONHR3、ベンジルオキシカルボニル基または水素原
子、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、nは0、1ま
たは2の整数を表し、R3は低級アルキル基またはフェ
ニル基を表す。)および下式(III)
【0024】
【化8】 (式中、Fmocは9―フルオレニルメトキシカルボニ
ル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Acはアセチル
基を表し、R4は−CONHR3、ベンジルオキシカルボ
ニル基または水素原子、Xは酸素原子または硫黄原子を
表し、nは0、1または2の整数を表し、R3は低級ア
ルキル基またはフェニル基を表す。)で表される、前記
マンノピラノシル誘導体(I)の製造用中間体を提供す
るものである。
【0025】本明細書中で用いられる略語、記号の意味
を以下に示す。 Ac:アセチル基 Bn:ベンジル基 Boc:tert−ブトキシカルボニル基 BF3/OEt2:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 DMF:N,N−ジメチルホルムアミド WSC:1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩 HOBt:1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール
1水和物 TFA:トリフルオロ酢酸 THF:テトラヒドロフラン TEA:トリエチルアミン Pd(OH)2/C:水酸化パラジウムカーボン Fmoc:9―フルオレニルメトキシカルボニル基 Fmoc−セリン:Fmoc−L−セリンまたはFmo
c−D−セリンまたはこれらの混合物 Fmoc−システイン:Fmoc−L−システインまた
はFmoc−D−システインまたはこれらの混合物 DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド HPLC:高速液体クロマトグラフィー NaOMe:ナトリウムメチラート MeOH:メタノール DMSO:ジメチルスルホキシド DOWEXTM:陽イオン交換樹脂DOWEXTM50W−
X8(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー) 以下に本発明化合物の製造方法について述べる。以下、
化学式(I)において、Xが酸素原子である化合物(I
a)の製造方法を説明する。本発明化合物(Ia)は、
例えば次式(スキーム1)
【0026】
【化9】 (式中、R1、R2、R4およびnは前記に同じ。)に示
すごとく、化合物(Va)から化合物(IIIa)〔一
般式(III)においてXが酸素原子である化合物〕お
よび化合物(IIa)〔一般式(II)においてXが酸
素原子である化合物〕を経由して製造することができ
る。
【0027】最初に、化合物(Va)と化合物(IV)
とを縮合剤による方法または混合酸無水物法で縮合し化
合物(IIIa)を得る。
【0028】縮合剤による方法においては、例えばDC
CまたはWSC等の縮合剤を使用することができ、要す
ればHOBt等の縮合補助剤の存在下、通常、0℃〜室
温で2〜24時間攪拌して縮合反応を行なう。反応に供
する化合物のモル比は、化合物(IV)1モルに対して
化合物(Va)0.8〜1.2モル、縮合剤0.8〜
1.5モル、縮合補助剤0.8〜1.5モルである。
【0029】混合酸無水物法においては、例えば、TH
FまたはDMF等の非プロトン性溶媒に化合物(Va)
を溶解し、TEAやN−メチルモルホリン等の三級アミ
ンを添加した後、好ましくは−20〜5℃でエチルクロ
ロホルメート等のクロロ炭酸エステルまたは塩化ピバロ
イル等の酸クロリドを加えて混合酸無水物を調製する。
化合物(Va)1モルに対して三級アミン1.0〜1.
2モル、クロロ炭酸エステルまたは酸クロリド1.0〜
1.2モルを通常用いる。次いで、調製した混合酸無水
物に化合物(IV)を通常0.8〜1.2モル加えて好
ましくは2〜24時間、0℃〜室温で反応させ目的の化
合物を得る。
【0030】次に、化合物(IIIa)のFmoc基を
切断除去する。反応は、例えば20%モルホリン−DM
F溶液を30当量〜溶媒量加え、室温で2〜10時間反
応させて行なう。
【0031】次いで、例えばDMF等の不活性溶媒中で
上記で述べた縮合剤を用いる方法によりカルボン酸(R
1−COOH)を縮合させ、化合物(IIa)を得る。
【0032】最後に、化合物(IIa)のベンジル基を
水素化分解し、次いでアセチル基を切断除去して化合物
(Ia)を得る。この水素化分解は、通常、エタノール
中またはジオキサン中、要すれば水、塩酸、酢酸等を加
え、10%パラジウムカーボン、20%水酸化パラジウ
ムカーボンまたは白金等の触媒存在下、水素気流下又は
加圧下に室温〜60℃で行なう。
【0033】アセチル基の切断除去反応は、例えばメタ
ノール等の溶媒中で、1当量〜5当量のナトリウムメチ
ラ−トを加え、通常、0℃〜室温で2〜24時間攪拌す
る。
【0034】次に上記スキーム1の出発化合物(Va)
の製造方法について説明する。化合物(Va)は例えば
次のスキーム2
【0035】
【化10】 で示される方法により製造できる。
【0036】即ち、公知化合物(VI)とFmoc−セ
リンとを縮合させ、化合物(Va)を調製する。即ち、
クロロホルム等の非プロトン性溶媒に化合物(VI)お
よびFmoc−セリンを懸濁し、1当量〜5当量の三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を加えて反応させ目的
の化合物(Va)を得る。この反応は、通常、窒素ある
いはアルゴン気流下、10℃〜室温で行なう。
【0037】次に上記スキーム1のもう一つの出発化合
物(IV)の製造方法について説明する。化合物(I
V)のうち、R4が水素原子またはベンジルオキシカル
ボニル基である化合物は公知である。R4が原子団−C
ONHR3である化合物(IVa)は例えば次のスキー
ム3
【0038】
【化11】 (式中、n、R3は前記に同じ。)で示される方法によ
り製造できる。
【0039】即ち、公知の化合物(VIII)と低級ア
ルキルアミンまたはアニリンを縮合させ、化合物(VI
I)を調製する。この場合、前記縮合剤を用いる方法や
混合酸無水物法により縮合させることができる。
【0040】次に、化合物(VII)のBoc基を切断
除去する。反応は、例えば塩化メチレン等の溶媒中また
は無溶媒で、10当量〜溶媒量のTFAを加え、通常、
0℃〜室温で0.5〜3時間攪拌することにより行な
う。反応完結後、TFA(および溶媒)を減圧下に留去
し目的化合物(IVa)を得るが、通常は、炭酸水素ナ
トリウムまたはTEA等の塩基で中和した後直ちに次の
反応に供する。
【0041】一般式(I)において、Xが硫黄原子であ
る化合物(Ib)も前記のスキーム1に準じて製造する
ことができる。この場合、化合物(Vb)はFmoc−
セリンに変えてFmoc−システインと公知化合物(V
I)をスキーム2の方法に準じて反応させれば容易に得
ることができる。
【0042】
【化12】 (式中、R1、R2およびnは前記に同じ。) 本発明化合物(I)は、常法によりその薬学的に許容さ
れる塩に変換することができる。例えば、本発明化合物
(I)および塩基を水に溶解させた後、凍結乾燥するこ
とにより(I)の薬学的に許容される塩が得られる。塩
基としては、例えばリジン、アルギニン等の有機塩基や
ナトリウム、カリウム等の無機塩基を用いることが可能
である。
【0043】本発明化合物(I)またはその薬学的に許
容される塩を有効成分とする薬剤は経口または非経口で
患者に投与される。
【0044】経口投与の剤型としては、錠剤、顆粒剤、
細粒剤、カプセル剤が含まれる。かかる製剤は常法によ
って製造され、錠剤、顆粒剤、細粒剤は、本発明化合物
(I)またはその薬学的に許容される塩と通常の医薬添
加物、例えば、乳糖、合成ケイ酸アルミニウム、ブドウ
糖、マンニトール、結晶セルロース、でんぷん等の賦形
剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の
滑沢剤、あるいはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン
等の結合剤とを混合して常法により製造され、カプセル
剤は上記の顆粒剤、散剤を適宜カプセルに充填して製造
される。
【0045】非経口投与の剤型としては注射剤、坐剤、
貼付剤等が挙げられる。このうち、注射剤は、本発明化
合物(I)またはその薬学的に許容される塩を滅菌水に
溶解または懸濁し、これにマンニトール、塩化ナトリウ
ム、グルコース、ソルビット、グリセロール、キシリト
ール、フルクトース、マルトース、マンノース等の等張
化剤を加え、要すれば更に亜硫酸ナトリウム、アルブミ
ン等の安定化剤およびベンジルアルコール等の防腐剤を
加えて無菌的にアンプルまたはバイアルに充填すること
によって製造される。
【0046】投与量は、投与方法、患者の年齢、体重又
は病状により異なるが、一般には患者一人当たり本発明
化合物(I)として0.1〜600mg/日の範囲が適
当であり、これを1日1回または1日2〜4回に分けて
経口または非経口で投与する。
【0047】
【発明の効果】本発明化合物(I)またはその薬学的に
許容される塩は、E−セレクチン、P−セレクチンおよ
び/またはL−セレクチンとシアリルLexとの結合を
強く阻害するので、各種炎症性疾患、例えば慢性関節リ
ウマチ、慢性甲状腺炎等の自己免疫性慢性疾患、アトピ
ー性皮膚炎、接触性過敏症、光線過敏症等の炎症性皮膚
炎等の予防薬または治療薬として好適に使用される。
【0048】以下に試験例を示して本発明化合物の作用
および効果を具体的に説明する。 (試験例1) E−セレクチンとシアリルLexとの結合阻害試験 (1)供試化合物 ・本発明化合物a [N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(α−D−マンノピラノシル)−L−
セリル]−L−グルタミン酸 1−メチルアミド(実施
例9の化合物) ・本発明化合物b [N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(α−D−マンノピラノシル)−L−
セリル]−D−グルタミン酸 1−メチルアミド(実施
例10の化合物) ・本発明化合物c [N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(α−D−マンノピラノシル)−D−
セリル]−L−グルタミン酸 1−メチルアミド(実施
例11の化合物) ・本発明化合物d [N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(α−D−マンノピラノシル)−D−
セリル]−D−グルタミン酸 1−メチルアミド(実施
例12の化合物) ・本発明化合物e [N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(α−D−マンノピラノシル)−D−
セリル]−L−グルタミン酸 1−メチルアミドL−ア
ルギニン塩 (実施例13の化合物) ・公知化合物X シアリルLex(陽性対照化合物)
【0049】(2)試験方法 フォクサール(Foxall,C.)らが報告したセレ
クチンIgGキメラを用いた方法〔J.Cell Bi
ol.,117,895−902頁(1992)〕に準
じて試験した。シアリルLex−ペンタセラミドを50
%メタノール/蒸留水に溶解させた後に、96穴プレー
トに100pmol/ウエルずつ入れ、室温で終夜静置
して、溶媒を蒸発させた。プレートを蒸留水で洗浄し、
5%BSA(Bovine Serum Albumi
n)および1mM塩化カルシウムを含む50mMイミダ
ゾール緩衝液(pH7.2)で室温にて1時間ブロッキ
ングした。一方、ビオチン標識抗ヒトIgGFcおよび
ストレプトアビジン標識アルカリフォスファターゼを1
%BSAおよび1mM塩化カルシウムを含む50mMイ
ミダゾール緩衝液(pH7.2)でそれぞれ500倍希
釈したものに、40μg/mlとなるようにE−セレク
チンIgGキメラを加え、室温で30分間インキュベー
トして複合体溶液を調製した。供試化合物をDMSOに
溶解(供試化合物eの場合のみ蒸留水に溶解)して10
mM水溶液を調製し、これを1%BSAおよび1mM塩
化カルシウムを含む50mMイミダゾ−ル緩衝液(pH
7.2)で順次希釈して8段階の濃度(20μMから2
倍段階希釈)の溶液を作製した。供試化合物の各濃度溶
液と上記の複合体溶液とを等容量混合して、室温で30
分間インキュベートし、反応液を調製した。ブロッキン
グ終了後の前記プレートのブロッキング液を捨て50m
Mイミダゾール緩衝液(pH7.2)で洗浄後、上記の
反応液(50μl/ウエル)を加え、37℃で45分間
インキュベートした。次に、プレートを50mMイミダ
ゾール緩衝液(pH7.2)と蒸留水で各3回洗い、
0.01%塩化マグネシウムおよび1mg/mlパラニ
トロフェニルフォスフェートを含む1Mジエタノールア
ミン(pH9.8)を50μl/ウエル入れて1〜2時
間発色させた。その後、405nmの吸光度を測定し
た。供試化合物を含まないウエルの吸光度(A)を対照
とし、各濃度の供試化合物を含むウエルの吸光度(X)
を測定して下式
【0050】
【数1】 により各濃度における結合率(%)を算出した後、プロ
ビット法によりIC50を算出した。 (3)試験結果 試験例2の結果と併せて表1(後記)に示した。
【0051】(試験例2) P−セレクチンとシアリルLexとの結合阻害試験 (1)供試化合物 試験例1の供試化合物と同じ。 (2)試験方法 E−セレクチンIgGキメラ(40μg/ml)をP−
セレクチンIgGキメラ(40μg/ml)に代えたこ
と以外は試験例1と同様にして試験した。 (3)試験結果 試験例1の結果と併せて表1(後記)に示した。
【0052】(試験例3) L−セレクチンとシアリルLexとの結合阻害試験 (1)供試化合物 試験例1の供試化合物と同じ。 (2)試験方法 E−セレクチンIgGキメラ(40μg/ml)をL−
セレクチンIgGキメラ(40μg/ml)に代えたこ
と以外は試験例1と同様にして試験した。 (3)試験結果 試験例1および試験例2の結果と併せて表1に示した。
【0053】
【表1】 以上の結果から、本発明化合物がE−セレクチン、P−
セレクチンおよび/またはL−セレクチンとシアリルL
exとの結合を強く阻害することが明らかである。従っ
て、本発明化合物はセレクチン阻害剤として有用であ
り、各種炎症、例えばアトピー性皮膚炎、接触性過敏
症、光線過敏症等の炎症性皮膚炎、慢性関節リウマチ、
慢性甲状腺炎等の自己免疫性の慢性疾患並びに虚血−再
灌流障害等の治療又は予防に好適に使用される。
【0054】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。 参考例1N−9−フルオレニルメトキシカルボニル−O−(2,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピ
ラノシル)−L−セリン[一般式(Va)の立体異性
体:A1]の製造: N−9−フルオレニルメトキシカル
ボニル−D−セリン(0.9g)および1,2,3,
4,6−ペンタ−O−アセチル−α−D−マンノピラノ
ース(0.9g)をクロロホルム(36ml)に懸濁
し、窒素気流中室温で攪拌下に三フッ化ホウ素ジエチル
エーテル錯体(2.6ml)を加え、21時間攪拌し
た。反応液を濃縮後、酢酸エチル(90ml)を加え、
水洗後乾燥し減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を
シリカゲル中圧液体カラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール=30:1〜20:1)で精製し
て、標記化合物(1.15g)をシラップとして得た。
【0055】1H−NMR(CDCl3)δ:1.96,
2.03,2.16(3s,12H),3.9−4.2
(m,3H),4.2−4.3(m,2H),4.2−
4.8(m,3H),4.88(bs,1H),5.1
−5.4(m,3H),6.1(bs,1H),7.2
−7.5(m,5H),7.8(d,2H,J=7.4
Hz).
【0056】参考例2N−9−フルオレニルメトキシカルボニル−O−(2,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピ
ラノシル)−D−セリン[一般式(Va)の立体異性
体:A2]の製造: N−9−フルオレニルメトキシカル
ボニル−D−セリン(1.0g)および1,2,3,
4,6−ペンタ−O−アセチル−α−D−マンノピラノ
ース(1.4g)をクロロホルム(30ml)に懸濁
し、窒素気流中室温で攪拌下に三フッ化ホウ素ジエチル
エーテル錯体(4ml)を加え、21時間攪拌した。反
応液を濃縮後、酢酸エチル(100ml)を加え、水洗
後乾燥し減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリ
カゲル中圧液体カラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール 30:1〜20:1)で精製し、更に
調製用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール=10:1)にて精製して標記化合物(0.9g)
をシラップとして得た。
【0057】1H−NMR(CDCl3)δ:1.98,
2.09,2.14(3s,12H),3.65−3.
85(m,1H),3.98(bs,1H),4.05
−4.3(m,4H),4.3−4.7(m,3H),
4.83(bs,1H),5.15−5.4(m,3
H),5.9(bs,1H),7.2−7.45(m,
4H),7.61(d,2H,J=6.4Hz),7.
75(d,2H,J=7.4Hz).
【0058】参考例3N−tert−ブトキシカルボニル−L−グルタミン酸
1−メチルアミド−5−ベンジルエステル[化合物
(VII)において、R3がメチル基であり、nが1で
ある化合物のS体]の製造: N−tert−ブトキシカ
ルボニル−L−グルタミン酸 5−ベンジルエステル
(10.0g)を含むTHF(100ml)溶液にTE
A(3.9g)を加え、続いて氷冷攪拌下にクロロ炭酸
エチル(4.2g)を加え、2分間攪拌後、40%メチ
ルアミンメタノール溶液(6.9g)を加えて徐々に室
温に戻しながら2時間攪拌した。次いで、反応液に酢酸
エチル(200ml)を加え、1規定塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次
洗浄後乾燥し溶媒を留去した。析出した固体を濾取し、
エーテルで洗浄して標記化合物(9.3g)を無色の結
晶として得た。
【0059】融点:124〜125℃1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.37(s,9
H),1.66−1.82(m,1H),1.83−
2.00(m,1H),2.35(t,2H,J=7.
6Hz),2.57(d,3H,J=4.5Hz),
3.83−3.95(m,1H),5.08(s,2
H),6.90(d,1H,J=8.2Hz),7.2
5−7.45(m,5H),7.76(d,1H,J=
4.6Hz).
【0060】参考例4N−tert−ブトキシカルボニル−D−グルタミン酸
1−メチルアミド−5−ベンジルエステル[化合物
(VII)において、R3がメチル基であり、nが1で
ある化合物のR体]の製造: N−tert−ブトキシカ
ルボニル−D−グルタミン酸 5−ベンジルエステル
(5.0g)を含むTHF(50ml)溶液にTEA
(1.9g)を加え、続いて氷冷攪拌下にクロロ炭酸エ
チル(2.1g)を加え、2分間攪拌後、40%メチル
アミンメタノール溶液(2.9g)を加えて徐々に室温
に戻しながら2時間攪拌した。次いで、反応液に酢酸エ
チル(150ml)を加え、1規定塩酸、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄後乾燥し溶媒を留去した。析出した固体を濾取し、エ
ーテルで洗浄して標記化合物(4.5g)を無色の結晶
として得た。
【0061】融点:120〜123℃1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.37(s,9
H),1.65−1.82(m,1H),1.83−
2.00(m,1H),2.36(t,2H,J=7.
7Hz),2.57(d,3H,J=4.5Hz),
3.82−3.98(m,1H),5.08(s,2
H),6.90(d,1H,J=8.2Hz),7.2
5−7.45(m,5H),7.76(d,1H,J=
4.5Hz).
【0062】実施例1[N−9−フルオレニルメトキシカルボニル−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−L−セリル]−L−グルタミン酸1
−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(II
Ia)において、R4がメチルカルバモイル基、nが1
である化合物の立体異性体:B1]の製造: 参考例3の
化合物S体(0.7g)を4規定塩酸/ジオキサン(5
ml)に溶解し、15分間攪拌後、トルエンと共沸させ
濃縮することにより脱Boc体のシラップを得た。次い
で、参考例1の異性体A1(1.1g)および上記シラ
ップをDMF(15ml)に溶解し、トリエチルアミン
(0.22g)を加え、氷冷攪拌下にWSC(0.38
g)およびHOBt(0.31g)を加えて室温で72
時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(100ml)を加
え、1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後乾燥し減圧下に溶媒
を留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧液体カラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=2
0:1〜10:1)にて精製して標記化合物(905m
g)を結晶として得た。
【0063】1H−NMR(CDCl3)δ:1.97,
2.0,2.08,2.15(4s,12H),1.9
−2.7(m,4H),2.77(d,3H,J=4.
8Hz),3.9−4.0(m,1H),4.1−4.
5(m,6H),4.8(bs,1H),5.0−5.
2(m,2H),5.2−5.4(m,3H),5.7
(bs,1H),6.3(bs,1H),7.2−7.
5(m,9H),7.61(d,2H,J=7.2H
z),7.76(d,2H,J=7.4Hz).
【0064】実施例2[N−9−フルオレニルメトキシカルボニル−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−L−セリル]−D−グルタミン酸1
−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(II
Ia)において、R4がメチルカルバモイル基、nが1
である化合物の立体異性体:B2]の製造: 参考例4の
化合物R体(461mg)を4規定塩酸/ジオキサン
(3ml)に溶解し、15分間攪拌後、トルエンと共沸
させ濃縮することにより脱Boc体のシラップを得た。
次いで、参考例1の異性体A1(720mg)および上
記シラップをDMF(15ml)に溶解し、トリエチル
アミン(144mg)を加え、氷冷攪拌下にWSC(2
52mg)およびHOBt(201mg)を加えて室温
で19時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(100m
l)を加え、1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後乾燥し減圧
下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧液
体カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=40:1〜10:1)にて精製して標記化合物(9
50mg)を得た。
【0065】1H−NMR(CDCl3)δ:1.97,
2.0,2.08,2.15(4s,12H),1.9
−2.7(m,4H),2.77(d,3H,J=4.
8Hz),3.9(bs,3H),4.1−4.5
(m,9H),4.83(bs,1H),5.0−5.
2(m,3H),5.3−5.4(m,3H),5.8
(bs,1H),6.3(bs,1H),7.3−7.
45(m,9H),7.61(d,2H,J=7.2H
z),7.76(d,2H,J=7.1Hz)8.0
(bs,1H).
【0066】実施例3[N−9−フルオレニルメトキシカルボニル−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−D−セリル]−L−グルタミン酸1
−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(II
Ia)において、R4がメチルカルバモイル基、nが1
である化合物の立体異性体:B3]の製造: 参考例3の
化合物S体(575mg)を4規定塩酸/ジオキサン
(3ml)に溶解し、15分間攪拌後、トルエンと共沸
させ濃縮することにより脱Boc体のシラップを得た。
次いで、参考例2の異性体A2(0.9g)および上記
シラップをDMF(25ml)に溶解し、トリエチルア
ミン(180mg)を加え、氷冷攪拌下にWSC(31
5mg)およびHOBt(252mg)を加えて室温で
18時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(120ml)
を加え、1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後乾燥し減圧下に
溶媒を留去した。得られた残渣を調製用薄層クロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて
精製して標記化合物(767mg)を無色の結晶として
得た。
【0067】1H−NMR(CDCl3)δ:1.98,
2.00,2.10,2.15(4s,12H),1.
9−2.7(m,4H),2.78(d,3H,J=
4.8Hz),3.54(dd,1H,J=4.8,1
0Hz),3.97(bs,1H),4.1−4.3
(m,4H),4.3−4.5(m,4H),4.8
(s,1H),5.06(d,1H,J=12.3H
z),5.12(d,1H,J=12.3Hz),5.
15−5.35(m,3H),5.86(d,1H,J
=7.4Hz),6.36(q,1H,J=4.8H
z),7.2−7.45(m,9H),7.62(d,
2H,J=7.2Hz),7.76(d,2H,J=
7.3Hz).
【0068】実施例4[N−9−フルオレニルメトキシカルボニル−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−D−セリル]−D−グルタミン酸1
−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(II
Ia)において、R4がメチルカルバモイル基、nが1
である化合物の立体異性体:B4]の製造: 参考例4の
化合物R体(771mg)を4規定塩酸/ジオキサン
(5ml)に溶解し、30分間攪拌後、トルエンと共沸
させ濃縮することにより脱Boc体のシラップを得た。
次いで、参考例2の異性体A2(1.09g)および上
記のシラップをDMF(10ml)に溶解し、トリエチ
ルアミン(0.31ml)を加え、氷冷攪拌下にWSC
(422mg)およびHOBt(337mg)を加えて
室温で50時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(150
ml)を加え、1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後乾燥し減
圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル中圧
液体カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール=1:0〜25:1)にて精製して標記化合物
(1.08g)を淡黄色結晶として得た。
【0069】1H−NMR(CDCl3)δ:1.95,
1.97,2.10,2.16(4s,12H),2.
05−2.2(m,2H),2.5−2.7(m,2
H),2.77(d,3H,J=4.8Hz),3.5
3(dd,1H,J=4.1,8.9Hz),3.94
(bs,1H),4.1−4.3(m,4H),4.3
−4.5(m,3H),4.84(s,1H),5.0
4(d,1H,J=12.2Hz),5.11(d,1
H,J=12.2Hz),5.23−5.3(m,2
H),5.72(bs,1H),6.36(bs,1
H),7.1−7.45(m,9H),7.62(d,
2H,J=6.6Hz),7.76(d,2H,J=
7.7Hz).
【0070】実施例5[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−L−セリル]−L−グルタミン酸
1−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(I
Ia)において、R1が1−テトラデシルペンタデシル
基、R4がメチルカルバモイル基、nが1である化合物
の立体異性体:C1]の製造: (1)O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−L−グル
タミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエステル:
実施例1の異性体B1(210mg)に20%モルホリ
ン/DMF溶液(12ml)を加え、室温で2時間攪拌
した。次いで、反応液に酢酸エチル(50ml)を加
え、2回水洗後乾燥し減圧下に溶媒を留去した。得られ
た残渣を調製用薄層クロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=10:1)にて精製して標記化合物
(110mg)をシラップとして得た。
【0071】1H−NMR(CDCl3)δ:1.98,
2.03,2.10,2.14(4s,12H),2.
0−2.25(m,2H),2.25−2.65(m,
2H),2.78(d,3H,J=4.7Hz),3.
4−3.7(m,2H),3.97(dd,1H,J=
2.3,8.6Hz),4.11(dd,1H,J=
2.5,12.3Hz),4.28(dd,1H,J=
5.5,12.2Hz),4.3−4.5(m,1
H),4.8(d,1H,J=1.4Hz),5.0−
5.35(m,5H),6.14(bs,1H),7.
3−7.4(m,5H),7.9−8.1(m,2H)
【0072】(2)[N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−L
−グルタミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエス
テル:上記(1)の化合物(105mg)および2−テ
トラデシルヘキサデカン酸(71mg)をDMF(8m
l)に加熱溶解し、室温でWSC(36mg)およびH
OBt(29mg)を加え、19時間攪拌した。次い
で、反応液に酢酸エチル(50ml)を加え、1規定塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で順次洗浄し乾燥後減圧下に溶媒を留去した。
得られた残渣を調製用薄層クロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール=25:1)にて精製して標記化合
物(62mg)を得た。
【0073】融点:139℃1 H−NMR(CDCl3)δ:0.8−0.95(m,
6H),1.1−1.5(m,52H),1.95,
2.02,2.09,2.13(4s,12H),2.
4−2.6(m,2H),2.78(d,3H,J=
4.8Hz),3.8−3.9(m,2H),3.98
(bs,1H),4.11(dd,1H,J=2.4,
12.3Hz),4.27(dd,1H,J=5.4,
12.3Hz),4.35−4.5(m,1H),4.
5−4.65(m,1H),4.86(d,1H,J=
1.2Hz),5.09(d,1H,J=12.3H
z),5.15(d,1H,J=12.3Hz),5.
2−5.32(m,3H),6.25−6.45(m,
2H),7.3−7.4(m,5H).
【0074】実施例6[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−L−セリル]−D−グルタミン酸
1−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(I
Ia)において、R1が1−テトラデシルペンタデシル
基、R4がメチルカルバモイル基、nが1である化合物
の立体異性体:C2]の製造: (1)O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−D−グル
タミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエステル:
実施例2の異性体B2(600mg)に20%モルホリ
ン/DMF溶液(10ml)を加え、室温で2時間攪拌
した。次いで、反応液に酢酸エチル(120ml)を加
え、2回水洗後乾燥し減圧下に溶媒を留去した。得られ
た残渣を調製用薄層クロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=10:1)にて精製して標記化合物
(200mg)をシラップとして得た。
【0075】(2)[N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−D
−グルタミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエス
テル:上記(1)の化合物(200mg)および2−テ
トラデシルヘキサデカン酸(136mg)をDMF(5
0ml)に加熱溶解し、室温でWSC(69mg)およ
びHOBt(55mg)を加え、17時間攪拌した。次
いで、反応液に酢酸エチル(150ml)を加え、1規
定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナト
リウム水溶液で順次洗浄し乾燥後減圧下に溶媒を留去し
た。得られた残渣を調製用薄層クロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=20:1)にて精製して標記
化合物(74mg)を得た。
【0076】1H−NMR(CDCl3)δ:0.7−
1.0(m,6H),1.0−1.6(m,52H),
1.96,2.01,2.09,2.13(4s,12
H),2.3−2.65(m,2H),2.77(d,
3H,J=4.8Hz),3.7−4.0(m,3
H),4.10(dd,1H,J=2.4,12.2H
z),4.26(dd,1H,J=5.1,12.3H
z),4.3−4.5(m,2H),4.85(s,1
H),5.0−5.35(m,5H),6.38(d,
1H,J=7.1Hz),6.49(d,1H,J=
4.6Hz),7.20(d,1H,J=7.9H
z),7.25−7.45(m,5H).
【0077】実施例7[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−D−セリル]−L−グルタミン酸
1−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(I
Ia)において、R1が1−テトラデシルペンタデシル
基、R4がメチルカルバモイル基、nが1である化合物
の立体異性体:C3]の製造: (1)O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−L−グル
タミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエステル:
実施例3の異性体B3(500mg)に20%モルホリ
ン/DMF溶液(12ml)を加え、室温で1.5時間
攪拌した。次いで、反応液に酢酸エチル(100ml)
を加え、2回水洗後乾燥し減圧下に溶媒を留去した。得
られた残渣を調製用薄層クロマトグラフィー(クロロホ
ルム:メタノール=10:1)にて精製して標記化合物
(347mg)をシラップとして得た。
【0078】1H−NMR(CDCl3)δ:1.97,
2.03,2.11,2.14(4s,12H),1.
9−2.6(m,4H),2.77(d,3H,J=
4.8Hz),3.45−3.55(m,1H),3.
62(dd,1H,J=3.6,9.5Hz),3.9
−4.07(m,2H),4.1−4.2(m,1
H),4.25(dd,1H,J=5.2,12.3H
z),4.3−4.5(m,1H),4.83(d,1
H,J=1.1Hz),5.08(d,1H,J=1
2.3Hz),5.14(d,1H,J=12.3H
z),5.15−5.35(m,3H),5.86
(d,1H,J=7.4Hz),6.58(q,1H,
J=4.7Hz),7.2−7.4(m,5H),8.
03(d,1H,J=8.3Hz).
【0079】(2)[N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−L
−グルタミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエス
テル:上記(1)の化合物(345mg)および2−テ
トラデシルヘキサデカン酸(234mg)をDMF(5
0ml)に加熱溶解し、室温でWSC(119mg)お
よびHOBt(95mg)を加え、18.5時間攪拌し
た。次いで、反応液に酢酸エチル(120ml)を加
え、1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し乾燥後減圧下に溶媒
を留去した。得られた残渣を調製用薄層クロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=25:1)にて精製
して標記化合物(347mg)を得た。
【0080】1H−NMR(CDCl3)δ:0.85−
1.0(m,6H),1.1−1.6(m,52H),
1.96,2.02,2.11,2.13(4s,12
H),1.9−2.6(m,4H),2.78(d,3
H,J=4.8Hz),3.51(dd,1H,J=
5.3,9.4Hz),4.02(bs,1H),4.
12−4.39(m,3H),4.4−4.5(m,1
H),4.55−4.7(m,1H),4.79(s,
1H),5.1(d,1H,J=12.3Hz),5.
15(d,1H,J=12.3Hz),5.2−5.3
(m,3H),6.37(q,1H,J=4.9H
z),6.48(d,1H,J=7.0Hz),7.1
(d,1H,J=7.8Hz),7.35(s,5
H).
【0081】実施例8[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マ
ンノピラノシル)−D−セリル]−D−グルタミン酸
1−メチルアミド−5−ベンジルエステル[一般式(I
Ia)において、R1が1−テトラデシルペンタデシル
基、R4がメチルカルバモイル基、nが1である化合物
の立体異性体:C4]の製造: (1)O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−D−グル
タミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエステル:
実施例4の異性体B4(1.07g)に20%モルホリ
ン/DMF溶液(25ml)を加え、室温で3.5時間
攪拌した。次いで、反応液に酢酸エチル(100ml)
を加え、2回水洗後乾燥し減圧下に溶媒を留去した。得
られた残渣をシリカゲル中圧液体カラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=1:0〜10:1)
にて精製してDMFを含む標記化合物(900mg)を
得た。
【0082】1H−NMR(CDCl3)δ:1.95,
1.97,2.10,2.15(4s,12H),2.
0−2.2(m,2H),2.35−2.62(m,2
H),2.78(d,3H,J=5.0Hz),3.5
−3.8(m,2H),3.9−4.0(m,1H),
4.05−4.15(m,1H),4.15(d,1
H,J=2.5Hz),4.25(dd,1H,J=
5.1,12.3Hz),4.3−4.45(m,1
H),4.83(s,1H),5.10(d,1H,J
=12.3Hz),5.16(d,1H,J=12.3
Hz),5.2−5.3(m,3H),6.40(b
s,1H),7.3−7.4(m,5H).
【0083】(2)[N−(2−テトラデシルヘキサデ
カノイル)−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−D
−グルタミン酸 1−メチルアミド−5−ベンジルエス
テル:上記(1)の化合物(900mg)および2−テ
トラデシルヘキサデカン酸(543mg)をDMF(3
0ml)に溶解し、室温でWSC(276mg)および
HOBt(221mg)を加え、19時間攪拌した。次
いで、反応液に酢酸エチル(200ml)を加え、1規
定塩酸、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し乾
燥後減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲ
ル中圧液体カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール=1:0〜30:1)にて精製して標記化合
物(992mg)を淡黄色結晶として得た。
【0084】1H−NMR(CDCl3)δ:0.85−
0.9(m,6H),1.0−1.7(m,52H),
1.93,1.99,2.11,2.15(4s,12
H),2.05−2.25(m,2H),2.46−
2.65(m,2H),2.78(d,3H,J=4.
6Hz),3.52(dd,1H,J=5.1,9.4
Hz),3.97(bs,1H),4.1−4.3
(m,3H),4.4−4.55(m,1H),4.6
2(bs,1H),4.83(s,1H),5.08
(d,1H,J=12.3Hz),5.14(d,1
H,J=12.3Hz),5.2−5.35(m,3
H),6.3−6.5(m,2H),7.3−7.4
(m,5H),7.53(bs,1H).
【0085】実施例9[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−L−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド[一般式(Ia)におい
て、R1が1−テトラデシルペンタデシル基、R2がメチ
ルカルバモイル基、nが1である化合物の立体異性体]
の製造: 実施例5の異性体C1(61mg)を98%ジ
オキサン水溶液(6ml)に溶解し、20%Pd(O
H)2/C(30mg)を加え、水素雰囲気下室温で2
4時間攪拌した。次いで、触媒を濾去し濾液を濃縮し
た。得られた残渣をメタノール(6ml)に溶解し、2
8%NaOMe/メタノール溶液(0.06ml)を加
え、室温で4時間攪拌した。次いで、DOWEX
TM(0.3g)を加えて3分間攪拌後不溶物を濾去し、
溶媒を留去後ジオキサン:水(1:1)の混合溶媒に溶
解し凍結乾燥して標記化合物(42mg)を無色の粉末
として得た。
【0086】融点:168℃1 H−NMR(DMSO−d6)δ:0.75−0.9
(m,6H),1.0−1.55(m,52H),1.
55−2.0(m,2H),2.0−2.3(m,3
H),2.56(d,3H,J=4.5Hz),3.2
−3.8(m,8H),4.1−4.25(m,1
H),4.35−4.5(m,1H),4.61(s,
1H),7.67(q,1H,J=4.5Hz),7.
80(d,1H,J=7.9Hz),7.98(d,1
H,J=8.0Hz).
【0087】実施例10[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−L−セリル]−D−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド[一般式(Ia)におい
て、R1が1−テトラデシルペンタデシル基、R2がメチ
ルカルバモイル基、nが1である化合物の立体異性体]
の製造: 実施例6の異性体C2(50mg)を98%ジ
オキサン水溶液(30ml)に溶解し、Pd/C(25
mg)を加え、水素雰囲気下室温で2.5時間攪拌し
た。次いで、触媒を濾去し濾液を濃縮した。得られた残
渣をメタノール(5ml)に溶解し、28%NaOMe
/メタノール溶液(3drops)を加え、室温で2時
間攪拌した。次いで、DOWEXTM(0.5g)を加え
て3分間攪拌後不溶物を濾去し、溶媒を留去して析出し
た固体を水から濾取して標記化合物(34mg)を無色
の粉末として得た。
【0088】融点:162−168℃1 H−NMR(DMSO−d6)δ:0.75−0.95
(m,6H),1.1−1.6(m,52H),1.6
−1.8(m,1H),1.85−2.05(m,1
H),2.1−2.35(m,3H),2.57(d,
3H,J=4.5Hz),3.35−3.8(m,6
H),4.1−4.25(m,1H),4.35−4.
5(m,1H),4.65(d,1H,J=1.4H
z),7.75(q,1H,J=4.5Hz),7.9
−8.15(m,2H).
【0089】実施例11[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−L−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド[一般式(Ia)におい
て、R1が1−テトラデシルペンタデシル基、R2がメチ
ルカルバモイル基、nが1である化合物の立体異性体]
の製造: 実施例7の異性体C3(347mg)を98%
ジオキサン水溶液(30ml)に溶解し、Pd/C(3
50mg)を加え、水素雰囲気下室温で1.5時間攪拌
した。次いで、触媒を濾去し濾液を濃縮した。得られた
残渣をメタノール(35ml)に溶解し、28%NaO
Me/メタノール溶液(122mg)を加え、室温で
1.5時間攪拌した。次いで、DOWEXTM(1.0
g)を加えて3分間攪拌後不溶物を濾去し、溶媒を留去
して析出した固体を水から濾取して標記化合物(223
mg)を無色の粉末として得た。
【0090】[α] D23°(c=0.1,MeOH) 融点:203−206℃1 H−NMR(DMSO−d6)δ:0.75−1.0
(m,6H),1.05−1.55(m,52H),
1.6−1.8(m,1H),1.8−2.05(m,
1H),2.56(d,3H,J=4.5Hz),3.
2−3.8(m,8H),4.1−4.25(m,1
H),4.25−4.4(m,1H),4.4−4.5
(m,1H),4.5−4.7(m,2H),7.76
(q,1H,J=4.7Hz),8.02(d,1H,
J=7.7Hz),12.0(s,1H).
【0091】実施例12[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−D−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド[一般式(Ia)におい
て、R1が1−テトラデシルペンタデシル基、R2がメチ
ルカルバモイル基、nが1である化合物の立体異性体]
の製造: 実施例8の異性体C4(397mg)を98%
ジオキサン水溶液(50ml)に溶解し、20%Pd
(OH)2/C(350mg)を加え、水素雰囲気下室
温で3時間攪拌した。次いで、触媒を濾去し濾液を濃縮
した。得られた残渣をメタノール(30ml)に溶解
し、28%NaOMe/メタノール溶液(29mg)を
加え、室温で3時間攪拌した。次いで、DOWEX
TM(1.0g)を加えて3分間攪拌後不溶物を濾去し、
溶媒を留去して析出した固体を水から濾取して標記化合
物(238mg)を無色の粉末として得た。
【0092】1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.8
5−0.9(m,6H),1.05−1.55(m,5
2H),1.6−2.0(m,2H),2.1−2.3
(m,3H),2.60(d,3H,J=4.4H
z),3.3−3.7(m,8H),4.15−4.3
(m,2H),4.5−4.6(m,1H),4.62
(s,1H),7.71(q,1H,J=4.4H
z),7.83(d,1H,J=7.5Hz),7.9
5(d,1H,J=7.9Hz).
【0093】実施例13[N−(2−テトラデシルヘキサデカノイル)−O−
(α−D−マンノピラノシル)−D−セリル]−L−グ
ルタミン酸 1−メチルアミド L−アルギニン塩[一
般式(Ia)において、R1が1−テトラデシルペンタ
デシル基、R2がメチルカルバモイル基、nが1である
化合物の立体異性体]のL−アルギニン塩の製造: 実施
例11の化合物(210mg)およびL−アルギニン
(43.3mg)を蒸留水(80ml)に溶解させた
後、凍結乾燥することにより標記化合物(228mg)
を無色の粉末として得た。
【0094】[α] D14°(c=0.1,MeOH) 融点:187℃(分解)1 H−NMR(DMSO−d6)δ:0.8−0.95
(m,6H),1.1−1.35(m,52H),1.
5−1.8(m,6H),1.85−2.1(m,4
H),2.15−2.3(m,1H),2.55(d,
3H,J=4.1Hz),3.0−3.75(m,8
H),4.0−4.1(m,1H),4.3−4.45
(m,1H),4.5−4.6(m,1H),7.65
−7.75(m,1H),7.85−8.0(m,1
H),8.45−8.6(m,1H).
【0095】実施例14(錠剤の製造) 実施例11の化合物100重量部、乳糖30重量部、結
晶セルロース20重量部、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース5重量部、カルボキシメチルセルロース20重
量部に蒸留水150重量部を加えて充分練合した後、当
該練合物を粗砕して乾燥する。得られた乾燥物に、ステ
アリン酸マグネシウム5重量部を加えて混合し顆粒物を
得る。打錠機でこの顆粒を直径8mm,重量180mg
の錠剤に圧縮成型し、1錠中に実施例11の化合物10
0mgを含有する錠剤を得る。
【0096】実施例15(注射剤の製造) 実施例11の化合物0.5重量部及びソルビット5重量
部の混合物に注射用蒸留水を加えて溶解し、100重量
部とし、この水溶液をメンブランフィルターで濾過す
る。濾液を窒素置換したアンプルに5gずつ充填し、溶
閉後、120℃で15分間滅菌処理して1アンプル中に
実施例11の化合物25mgを含有する注射剤を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/70 AED A61K 31/70 AED C07H 15/14 C07H 15/14 (72)発明者 大本 弘志 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目3番23− 504号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I) 【化1】 (式中、R1は分岐状長鎖アルキル基を表し、R2は−C
    ONHR3、カルボキシル基または水素原子を表し、X
    は酸素原子または硫黄原子を表し、nは0、1または2
    の整数を表し、R3は低級アルキル基またはフェニル基
    を表す。)で示されるマンノピラノシル誘導体またはそ
    の薬学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】請求項1のマンノピラノシル誘導体(I)
    またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする薬
    剤。
  3. 【請求項3】請求項1のマンノピラノシル誘導体(I)
    またはその薬学的に許容される塩を有効成分とするセレ
    クチン阻害剤。
  4. 【請求項4】請求項1のマンノピラノシル誘導体(I)
    またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする、炎
    症性疾患の予防または治療用薬剤。
  5. 【請求項5】 下式(II) 【化2】 (式中、R1は分岐状長鎖アルキル基を表し、Bnはベ
    ンジル基を表し、Acはアセチル基を表し、R4は−C
    ONHR3、ベンジルオキシカルボニル基または水素原
    子を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、nは
    0、1または2の整数を表し、R3は低級アルキル基ま
    たはフェニル基を表す。)で示される化合物。
  6. 【請求項6】 下式(III) 【化3】 (式中、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニ
    ル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Acはアセチル
    基を表し、R4は−CONHR3、ベンジルオキシカルボ
    ニル基または水素原子を表し、Xは酸素原子または硫黄
    原子を表し、nは0、1または2の整数を表し、R3
    低級アルキル基またはフェニル基を表す。)で示される
    化合物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100378255B1 (ko) * 2000-12-29 2003-03-29 학교법인 포항공과대학교 β-D-만노피라노시드의 입체선택적 제조방법
CN113480583A (zh) * 2021-07-01 2021-10-08 杭州先益生物科技有限公司 氨基酸衍生物及其制备方法
WO2023014875A3 (en) * 2021-08-04 2023-04-20 Research Foundation Of The City University Of New York Method of synthesizing a mucin and product thereof

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KR100378255B1 (ko) * 2000-12-29 2003-03-29 학교법인 포항공과대학교 β-D-만노피라노시드의 입체선택적 제조방법
CN113480583A (zh) * 2021-07-01 2021-10-08 杭州先益生物科技有限公司 氨基酸衍生物及其制备方法
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