JPH10201777A - 可動型義眼 - Google Patents

可動型義眼

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JPH10201777A
JPH10201777A JP8379797A JP8379797A JPH10201777A JP H10201777 A JPH10201777 A JP H10201777A JP 8379797 A JP8379797 A JP 8379797A JP 8379797 A JP8379797 A JP 8379797A JP H10201777 A JPH10201777 A JP H10201777A
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iris
eye
movable
eyeball
muscle
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JP8379797A
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Nobutaka Ikehara
信孝 池原
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼筋が切断されている義眼者に対しても装用
が可能であり、かつ義眼台を必要としない黒目部可動型
の義眼を提供することを目的とする。 【解決手段】 眼球部の外形を形成する眼球フレーム
と、該眼球フレームの内側に設けられた黒目部と、該黒
目部を眼窩内奥部の残存眼筋部の動きに応じて傾動させ
る変形可動部とを備え、上記黒目部を該変形可動部を介
して眼窩内奥部の残存眼筋部に連接させて構成した。し
たがって、眼筋自体が切除されていても、その基部が残
存されていさえすれば、当該残された眼筋基部の動きに
より、上記変形可動部が変形可動され、それによって黒
目部が自然眼球の場合と同様に眼球フレーム内で動くよ
うになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、可動型の義眼に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な義眼は眼球の前半部形成
する眼球フレームをガラス、もしくはプラスチックなど
で型取ったものが普通であり、黒目部分と白目の部分は
その中に納められて固定されている。したがって、眼球
フレームは勿論黒目部自体も動かない。
【0003】一方、眼球全体を動かすようにした可動型
の義眼として、従来から義眼台を必要とする可動型義眼
が知られている。この可動型義眼は、義眼と義眼台とか
ら構成されている。そして、義眼台は、眼球摘出後の眼
窩内の4つの眼筋(上直筋、下直筋、内側直筋、外側直
筋・・・図4参照)の内側に挿入され、これらの4つの
眼筋と付着接合させることによって義眼に自然眼球と同
様の動きを実現するように工夫されている。そして、義
眼に眼筋の動きと連動した動きをさせるための突起又は
永久磁石を義眼台の中に設けている。
【0004】例えば永久磁石を利用したものの場合、義
眼台の眼筋に連動して動く可動部分に永久磁石を設ける
とともに義眼内部にも小さい永久磁石を設け、それら義
眼台の永久磁石と義眼側の永久磁石とを必要に応じ相互
に吸着させることによって義眼が動かされるようになっ
ている。
【0005】このような可動型義眼の最近の公知例とし
て、例えば特開平7−163600号公報に記載の発明
がある。この発明も、上述した従来からの可動型義眼の
場合と同様に、やはり義眼台と義眼とから構成されてお
り、義眼台に眼筋を付着し、この眼筋の動きと連動した
動きを義眼に伝えるようにしている。
【0006】このように、従来の可動型義眼の構成で
は、義眼を可動させるには必ず義眼台が必要であり、先
ず義眼台に対して4つの眼筋を付着接合する手術を施
し、その上に義眼を置いて装用されるようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、一部可
動型の義眼が提供されているものの、現在一般に装用さ
れている義眼の多くは可動しない非可動型の義眼であ
る。そして、この義眼は、上述のようにガラス、もしく
はプラスチックなどで眼窩の大きさに合わせて眼球フレ
ームを型取り、内部に黒目部と白目部を固定したものに
すぎない。したがって、該従来の非可動型の義眼の場
合、可動部分がないために、構造が簡単で、作りやすい
というメリットはある。
【0008】しかし、該義眼の場合、健眼のように眼球
(特に黒目部)が動かないため、一度義眼を装着してし
まえば当該義眼は同一方向を向いたままの状態となる。
従って、片方側の健眼に動きがある場合、どうしても健
眼との間に眼位の差が表われて義眼であることが明らか
になる。そのため、対面者に義眼であることが分かって
しまうか、又は斜視であると思われ、そのことが義眼装
用者の精神的負担となっている。
【0009】また、上記一部の人に使用されている義眼
台を必要とする可動型の義眼は、4つの眼筋(上直筋、
下直筋、内側直筋、外側直筋)を義眼台に付着接合する
ために、相当に大がかりな手術が必要である(例えば
「眼科学」昭和56年発行の第343頁参照)。さら
に、義眼台に付着接合させる4つの眼筋(上直筋、下直
筋、内側直筋、外側直筋)が必要であるため、失目した
時点で同眼筋を損傷してしまった者には用いることがで
きない。さらに、装用後の移動を防ぐために義眼は一般
に球形ではないので、この様な形のもの全体を可動させ
る場合、義眼が大きくなるにつれて、可動量は逆に小さ
くなる。また、一旦義眼台に付着接合させる手術を行っ
た後には再び手術を行わなければ取り出すことができな
いという欠点も持っている。
【0010】本願各発明は、以上のような事情に基づい
てなされたもので、眼筋が切断されている義眼者に対し
ても装用が可能であり、かつ義眼台を必要としない黒目
部可動型の義眼を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願各発明は、該目的を
達成するために、次のような有効な課題解決手段を備え
て構成されている。
【0012】すなわち、先ず本願の請求項1の発明で
は、眼球部の外形を形成する眼球フレームと、該眼球フ
レームの内側に設けられた黒目部と、該黒目部を眼窩内
奥部の残存眼筋部の動きに応じて傾動させる変形可動部
とを備え、上記黒目部を該変形可動部を介して眼窩内奥
部の残存眼筋部に連接させて構成されている。
【0013】したがって、眼筋自体が切除されていて
も、その基部が残存されていさえすれば、当該残された
眼筋基部自体の動き又は該眼筋基部とともに動く周辺部
の動きにより、上記変形可動部が変形可動され、それに
よって黒目部が自然眼球の場合と同様に眼球フレーム内
で動くようになる。
【0014】そして、該構成における上記変形可動部
は、例えば請求項2の発明のように、粘性流体を封入し
た前後および左右に平行変形可能な可撓性部材により形
成され、残された眼筋部の動きにより粘性流体を封入し
た可撓性部材を左右又は上下方向に平行変形させて、黒
目部を対応する方向に移動させる。
【0015】次に、本願の請求項3の発明では、眼球部
の外形を形成する眼球フレームと、該眼球フレームの内
側に設けられた黒目部と、該黒目部を眼窩内奥部の残存
眼筋部の動きに応じて傾動させる傾動可動部とを備え、
上記黒目部を該傾動可動部を介して眼窩内奥部の残存眼
筋部に連接させて構成されている。
【0016】したがって、眼筋自体が切除されていて
も、その基部が残存されていさえすれば、当該残された
眼筋基部自体の動き又は該眼筋基部とともに動く周辺部
の動きにより、上記傾動可動部が傾動され、それによっ
て黒目部が自然眼球の場合と同様に眼球フレーム内で動
くようになる。
【0017】そして、該構成における上記傾動可動部
は、例えば請求項4の発明のように、黒目部を支持した
平行リンク機構により形成され、残された眼筋基部の動
きにより当該平行リンク機構を左右又は上下方向に平行
作動させて、黒目部を対応する方向に移動させる。
【0018】また、上記請求項3の発明の構成における
傾動可動部は、例えば請求項5の発明のように、黒目部
を支持した傾動支持軸により形成され、残された眼筋部
により該傾動支持軸を上下又は左右に傾動させて黒目部
を対応させる方向に移動させる。
【0019】また、上記請求項5の発明の構成における
上記傾動支持軸は、例えば請求項6の発明のようにその
傾動支点位置を変える支点位置調節部材を介して支持さ
れ、該支点位置調節部材による上記傾動支点位置の調節
により黒目部の移動量を可変設定できるようになってい
る。
【0020】したがって、装着前は素より、一旦人体に
装着した後であっても再び取り出して黒目部の移動量の
調整ができる。
【0021】次に本願の請求項7の発明では、眼窩内に
嵌装される眼球フレームと、該眼球フレームの前部に設
けられた黒目部と、該黒目部の位置を変える黒目位置可
変手段と、眼窩内の残存眼筋部の動きを検出する眼筋セ
ンサと、該眼筋センサの検出信号に基いて上記黒目位置
可変手段を作動させる黒目位置制御手段とから構成され
ている。
【0022】したがって、該構成によれば、眼筋自体が
切除されていても、その基部が残存されていさえすれ
ば、当該残された眼筋基部自体の動き又は該眼筋基部と
ともに動く周辺部の動きを眼筋センサが電気的に検出
し、それに対応して黒目位置可変手段が黒目位置制御手
段により正確に作動され、それによって黒目部が自然眼
球の場合と同様に眼球フレーム前部で所定の方向に動く
ようになる。
【0023】そして、該請求項7の発明の構成における
上記黒目位置可変手段は、例えば先ず請求項8の発明の
ように、黒目部を機械的に任意の方向に変位させる電磁
アクチュエータにより形成され、残された眼筋基部又は
その周辺部の動きに対応して電磁アクチュエータの電磁
力を左右又は上下任意の方向に生じさせて、黒目部を対
応する方向に機械的に移動させる。
【0024】また、上記請求項7の発明の構成における
上記黒目位置可変手段は、さらに、例えば請求項9の発
明のように、黒目部を画像的に偏位させる画像ドライバ
により形成され、残された眼筋基部又はその周辺部の動
きに対応して黒目部の画像位置を画像ドライバにより左
右又は上下任意の方向に変位させて、黒目部を画像ティ
スプレイ面上で移動させる。
【0025】さらに、本願請求項10の発明では、上記
請求項7,8,9の各発明における眼筋センサが、例え
ば残存眼筋と当接し、該当接面における残存眼筋の動き
に応じた面圧の変化を電気信号の変化として検出する圧
電素子により形成されていて、該圧電素子の残存眼筋と
の当接面に作用する当該残存眼筋の動きに応じた面圧の
変化(増大又は減少)により、電気的な検出出力信号を
変化させて上記電磁アクチュエータ又は画像ドライバを
適切に駆動する。
【0026】さらに、また該請求項10の発明における
圧電素子は、例えば請求項11の発明のように、複数の
残存眼筋の各々に対応して複数組設けられ、複数の残存
眼筋それぞれの動きを正確に電気信号の変化として検出
する。
【0027】
【発明の効果】以上の結果、本願発明の可動型義眼によ
ると、次のような効果が得られる。
【0028】(1) 大がかりな手術を必要としていた
従来の義眼台を不用にすることができる。
【0029】(2) 眼筋が切断されてしまっている人
に対しても装着が可能である。
【0030】(3) 義眼内の黒目と白目を有する眼球
前半部分に対して略正常な眼の動きと同様な動きを持た
せることができる。したがって、対面者に対して義眼で
あることをわかりにくくすることができる。
【0031】(4) 眼球前半部分の任意の可動量の調
整が可能となる。
【0032】(5) 眼球前半部分の位置の調整が可能
となる。
【0033】(6) 磁石を用いないため、安全性も高
い。
【0034】(7) 簡単な機構であるため、義眼製作
が容易にでき、低コストなものになる。
【0035】(8) 残存眼筋部の動きが電気的に検出
され、かつ黒目部が電気的に駆動変位されるので、残存
眼筋の小さな動きでも、正確な黒目部の移動を実現する
ことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1〜図5は、本願発明の実施の形態
1に係る可動型義眼の構成および作用を示している。
【0037】該義眼1は、例えば図1に示すように、眼
球状の外形を形成する内部が空胴の眼球フレーム2と、
該眼球フレーム2の内側に設けられた黒目部3と、上記
眼球フレーム2の後部側開口部2c間に位置して設けら
れた変形部材4とから構成されている。
【0038】眼球フレーム2は、その正面側凸部面2a
部分が透明に、それ以後の部分2bが実際の眼球の白目
部に可及的に近い色に形成されている一方、全体として
人体頭部の眼窩40内に収納するに適した大きさに構成
されている。
【0039】黒目部3は、上記眼球フレーム2の凸面部
中心軸O−O′上に位置して基端側傾動中心Pが設定さ
れた軸状の傾動支持部材3aの正面方向水平位置(図1
の状態)を基準として上下および左右4組の基本方向へ
の傾動に伴って、例えば図2および図3に示すように、
当該傾動支持部材3aの先端側に設けられた黒目3bの
位置を変更するようになっている(但し、左右方向は図
示省略)。
【0040】傾動支持部材3aの基端には、上記変形部
材4の前面部4aに当接して当該変形部材4の変形に対
応して傾動する所定寸法の方形状の傾動プレート7が設
けられている。
【0041】変形部材4は、例えば直方体形状の可撓性
のある容器内に所定の高さの粘度を有する粘性流体を封
入して外力により相互に対向する面が平行に変形するよ
うに構成されており、その後部面4bは、上記眼窩40
内に残された眼筋基部91a〜94aに当接されてい
る。
【0042】健眼時の眼筋は、例えば図4に示すよう
に、本来の眼球21を正面方向Aを基準として、上下お
よび左右、並びにそれらの中間の各傾斜方向に傾動させ
るための上直筋91、下直筋92、内側直筋93、外側
直筋94の4組の大きな直筋(しゃ筋は図示省略)から
なっており、その眼窩部内奥壁位置での基部91a〜9
4a部分は中央部に収束された格好になっている。
【0043】そして、失目時の手術により、義眼を入れ
る時には、該眼窩部内奥壁位置付近で上記4組の直筋9
1〜94が切断され、その後は当該4組の直筋の基部9
1a〜94aが、例えば図5に示すように若干突出した
状態で残されることになる。そして、該残された4組の
直筋の基部91a〜94aは、そのまま本来の動き(突
没動作)を継続する。
【0044】したがって、図1に示すように、人体頭部
の眼窩40内に上述のように構成された義眼1を入れ、
上記変形部材4の後面部4bを当該残存する眼筋基部9
1a〜94aに当接させた状態で保持すると、同基部9
1a〜94aの上下又は左右の何れかの押し引き作用に
より、上記変形部材4が平行4辺形状に変形作動して、
上記傾動支持部材3を介して上記黒目3bが図2又は図
3のように移動する(左右方向の場合も同様であるの
で、図示省略)。
【0045】この結果、自然眼と同様の眼の動きが実現
され、義眼であるか否かが判らないようになる。
【0046】(実施の形態2)図6〜図10は、本願発
明の実施の形態2に係る可動型義眼の構成および作用を
示している。
【0047】該義眼1は、例えば図6および図7に示す
ように、眼球前半部の外形を形成する略半球状の内部が
空胴の眼球フレーム2と、該眼球フレーム2の内側に設
けられた半球状の擬似眼球11と、上記眼球フレーム2
内の上記擬似眼球11の後部に位置して設けられた傾動
可動機構10とから構成されている。
【0048】眼球フレーム2は、透明な合成樹脂材によ
り形成され、人体頭部の眼窩40内に収納するに適した
大きさとなっている。
【0049】擬似眼球11は、全体として正面部に白目
部11aを形成しているとともに、その中央部に黒目部
11bと光彩部11cを有し、上記眼球フレーム2の凸
面部中心軸O−O′と同一の凸面中心が設定され、同中
心軸O−O′上に位置して基端側傾動中心Pが設定さ
れ、次に述べる傾動可動機構10の眼筋基部91a〜9
4aの動きに応じた平行リンク作動による上下および左
右4組の基本方向への傾動によって、例えば前述の場合
と同様に図8〜図10に示すように上記黒目部11b
(および光彩部11c)の位置を変更するようになって
いる。
【0050】傾動可動機構10は、前述のものと同様の
残存眼筋基部91a〜94aに当接する傾動プレート1
2と擬似眼球11との間に位置して平行リンク機構の前
後両支点を形成する中央支軸13と上下および左右2組
の平行リンク軸14a,14b、14c,14dが連接
されている。
【0051】中央支軸13は、上記擬似眼球11と傾動
プレート12と各々上記中心軸O−O′上で相互に球面
状に凹凸係合することによって相対回動可能に突き合わ
せ支持されているとともに、上記左右2組のリンク軸1
4a,14b、14c,14dは当該中央支軸13の周
囲で同じく擬似眼球11と傾動プレート12と同様の構
造で相対回動可能に突き合わせ支持されており、上下お
よび左右の各々対応する平行リンク軸14a・14b、
14c・14d同士が相互に平行に変形作動するように
構成されている。そして、上記傾動プレート12の後部
面中央に形成された凹溝面を有する眼筋との当接係合部
12aが、上記眼窩40内に残された眼筋基部91a〜
94aに上下左右両方向に係合力を伴って外れることな
く当接されている。
【0052】健眼時の眼筋は、前述の図4に示すよう
に、本来の眼球21を正面方向Aを基準として、上下方
向および左右方向、並びにそれらの中間の斜め方向等各
角度方向に傾動させるための上直筋91、下直筋92、
内側直筋93、外側直筋94の4組の大きな直筋からな
っており、その眼窩部内奥壁位置では中央部に収束され
た格好になっている。
【0053】そして、失目時の手術により、義眼を入れ
る時には、該眼窩部内奥壁位置付近で上記4組の直筋が
切断され、その後は当該4組の直筋の基部91a〜94
aが、例えば図5に示すように若干突出した状態で残さ
れることになる。そして、該残された4組の直筋の基部
91a〜94dは、そのまま本来の動き(突没動作)を
継続する。
【0054】したがって、図7に示す如く、人体頭部の
眼窩40内に上述のように構成された義眼1を入れ、上
記傾動プレート12の後面部に設けられた当接係合部1
2aを当該残存する眼筋基部91a〜94aに当接係合
させると、同眼筋基部91a〜91dの上下又は左右の
何れかの押し引き作用により、上記傾動可動機構10の
上下左右各平行リンク軸14a,14b、14c,14
dが平行リンク作動して上記黒目部11bおよび光彩部
11cを有する擬似眼球11が例えば図8の状態から図
9および図10のように移動する(但し、左右方向の移
動は図示省略)。
【0055】この結果、自然眼と同様の眼の動きが実現
され、義眼であるか否かが判らないようになる。
【0056】(実施の形態3)図11〜図14は、本願
発明の実施の形態3に係る可動型義眼の構成および作用
を示している。
【0057】該義眼20は、例えば図11に示すよう
に、眼球前半部の外形を形成する略半球状で内部が空胴
の眼球フレーム21と、該眼球フレーム21の内側に曲
率を小さくして設けられた略半球状の白目部22と、該
白目部22の正面側中央部に形成された所定径の開口部
22aと上記眼球フレーム21との間に設けられた黒目
部23と、上記白目部22の内側に設けられ、上記黒目
部3を傾動可能に支持する傾動支軸24と、該傾動支軸
24の前端側を支持する第1の支持部材25と、上記傾
動支軸24の後端側支点部Pを支持する第2の支持部材
26と、該第2の支持部材26の支持位置を可変する位
置可変機構27とから構成されている。
【0058】眼球フレーム21は、透明の合成樹脂材に
より形成されている一方、人体頭部の眼窩40内に収納
するに適した大きさのものとなっている。
【0059】黒目部23は、前述の実施の形態1のもの
と同様に黒目23aの周囲に光彩部23bを設けて構成
されていて、上記眼球フレーム21の凸面部中心軸O−
O′上に位置して基端側傾動中心Pが任意に設定される
傾動支持軸24の正面方向水平位置(図11の状態)を
基準として上下方向および左右方向4組およびそれらの
間の斜め方向への傾動に伴って、例えば図11の状態か
ら図12および図13の状態に、その位置を変更するよ
うになっている。
【0060】傾動支持軸24の基端には、後述する眼筋
基部91a〜94aに当接し、当該眼筋基部91a〜9
4aの動きに対応して傾動する所定半径の円板状の当接
プレート28が設けられている。
【0061】第1の支持部材25は、上記傾動支持軸2
4の前端側を回動ベアリング部25a,25a・・・を
介して上記白目部22の内側面に相対移動可能に支持し
ている一方、第2の支持部材26は上記傾動支持軸24
の傾動支点Pの支持部を形成している。
【0062】第1の支持部材25の支持アーム部25
b,25b・・は、所定弾性係数の棒バネにより形成さ
れていて、例えば図14のような弾性変形が可能となっ
ている。そして、後述するように眼窩40内に装着され
た時に該弾性により上記当接プレート28を適度な押圧
力で眼筋基部91a〜94aと当接させる役割も果た
す。
【0063】他方、第2の支持部材26は、内周面に螺
溝が形成されたスリーブ29の内側に螺合された位置調
節部材30に係合されており、同部材30の操作部30
aを摘んで右又は左方向に回動することにより上記O−
O′線上の軸方向位置が変えられるようになっており、
それによって上記傾動支持軸24の傾動支点Pの位置が
前後方向に任意に調節され、上記黒目部23の移動量が
可変設定される。上記位置調節部材30を螺合したスリ
ーブ29は、例えば眼球フレーム21の後部壁21aに
一体化されている。
【0064】健眼の眼筋は、前述の図4に示すように、
本来の眼球21を正面方向Aを基準として、上下および
左右、並びにそれらの中間の各角度方向に傾動させるた
めの上直筋91、下直筋92,内側直筋93,外側直筋
94の4組の大きな直筋からなっており、その眼窩部内
奥壁位置では中央部に収束された格好になっている。
【0065】そして、失目時の手術により、義眼を入れ
る時には、該眼窩部内奥壁位置付近で上記4組の直筋が
切断され、その後は当該4組の直筋の基部91a〜94
dが、例えば前述の図5に示すように若干突出した状態
で残されることになる。そして、該残された4組の直筋
の基部91a〜94dは、そのまま本来の動き(突没動
作)を継続する。
【0066】したがって、図11の如く、人体頭部の眼
窩40内に上述のように構成された義眼20を入れ、上
記傾動可動機構を構成する傾動支持軸24の傾動プレー
ト28を当接させると、当該残存する眼筋基部91a〜
94dの上下又は左右の何れかの押し引き作用により、
上記傾動プレート28を介して上記傾動支持軸24が上
下又は左右方向に傾動して、上記黒目部23が図11の
状態から図12および図13のように移動する。
【0067】この結果、自然眼と同様の眼の動きが実現
され、義眼であるか否かが判らないようになる。
【0068】特に、本実施の形態の場合、上記第2の支
持部材26が、位置調節部材30によって傾動支持軸2
4の軸方向前後に移動可能に支持されている。従って、
該位置調節部材30による第2の支持部材26の上記軸
方向位置の調節により、上記傾動支持軸24の支点Pの
位置を任意に可変することができ、結局黒目部23の移
動量(移動スパン)を調整することができる。
【0069】また、上記第1の支持部材25の支持アー
ム部25a,25a・・が、上述のように所定弾性係数
の棒バネにより形成されていて、上記傾動支持軸24お
よび傾動プレート28が眼筋基部91a〜94aに対し
適度な押圧力を伴って当接係合されるので、確実に眼筋
基部91a〜94aの動きをピックアップできるように
なる。
【0070】(変形例1)図15は、上記実施の形態3
に係る可動型義眼の変形例1の構成を示す。
【0071】この変形例の構成では、上記実施の形態3
の構成における傾動支持軸24の基端側に半球状の球体
部32を形成し、該球体部32を介して傾動プレート2
8を設ける一方、第2の支持部材26の支持孔部26a
内側にローラベアリング31を設けたことを特徴とする
ものである。
【0072】このような構成によれば、傾動支持軸24
の支点部Pにおける傾動摩擦係数が大きく低減されるの
で、眼筋基部91a〜94aの動きに応じた黒目部23
の動きが、よりスムーズなものとなる。
【0073】(変形例2)図16は、上記実施の形態3
に係る可動型義眼の変形例2の構成を示す。
【0074】この変形例の構成では、上記実施の形態3
の構成における傾動支持軸24の基端側に半球状の球体
磁石部33を形成し、該球体磁石部33を介して傾動プ
レート28を設ける一方、第2の支持部材26の支持孔
部26a内に上記球体磁石部33と対応する球体磁石3
4,34・・・をリング状に配設し、相互に同極性で対
向させたことを特徴とするものである。
【0075】このような構成によれば、磁石部33と3
4,34・・・間の反発力により傾動支持軸24の支点
部Pにおける傾動摩擦係数が大きく低減されるので、眼
筋基部91a〜94aの動きに応じた黒目部23の動き
が、よりスムーズなものとなる。
【0076】(変形例3)図17は、上記実施の形態3
に係る可動型義眼の変形例3の構成を示す。
【0077】この変形例の構成では、例えば傾動支持軸
24の前端側における前方へのストッパ機能および傾動
方向へのガイド機能を果たす第1の支持部材25の支持
アーム部25b,25b・・に図14のようなバネ機能
を持たせるのに代えて、傾動支持軸24にコイルバネ係
止片36を設け、該コイルバネ係止片36と眼球フレー
ム21の後部壁21aとの間に別途コイルスプリング3
5を介装することによって同様の作用を実現したもので
ある。
【0078】(変形例4)図18は、上記実施の形態3
に係る可動型義眼の変形例4の構成を示す。
【0079】この変形例の構成では、例えば傾動支持軸
24の前端側における前方へのストッパ機能および傾動
方向へのガイド機能を果たす第1の支持部材25の支持
アーム部25b,25b・・に図14のようなバネ機能
を持たせるのに代えて、上記傾動支持軸24を前後2本
の軸241,242に分割し、それらをチューブ構造に
スライド結合してコイルバネ36を介装させることによ
って同様の作用を実現したものである。
【0080】(実施の形態4)図19〜図25は、本願
発明の実施の形態4に係る可動型義眼の構成および作用
を示している。
【0081】先ず該義眼1は、例えば図19に示すよう
に、大きく分けると、眼球状の外形を形成する内部10
0が空胴の眼球フレーム101と、該眼球フレーム10
1の前面側凸部101cの内側に設けられた黒目部10
3と、上記眼球フレーム101の後面部101bの内側
に前方に向けて取付けられた黒目位置可変手段104と
から構成されている。
【0082】眼球フレーム101は、その前面側凸部1
01c部分が透明に、それ以後の部分が非透明部に形成
されており、全体として人体頭部の眼窩105内にスム
ーズに収納するに適した大きさと形状のものに構成され
ている。
【0083】黒目部103は、図20に示すように、大
径の白目103aの中心に黒目103bを配してなり、
上記眼球フレーム101の前面側凸部101cの凸面部
中心軸O−O′上に位置して基端側傾動中心が設定され
た黒目部支持部材106の正面方向水平位置(図19の
状態)を基準として、矢印で示すように上下、左右、左
右、斜目上下の少なくとも8方向に傾動し、黒目103
bの位置を同傾動方向に変更するようになっている。
【0084】黒目部支持部材106は、上記黒目部10
3の全体を支持する所定の長さの支軸106bと該支軸
106bを固定したコーン形状の可動マグネット部10
6aとからなり、上記黒目位置可変手段104の固定側
電磁石部110に対して次のように組合せることによっ
て支持されている。
【0085】すなわち、先ず上記黒目位置可変手段10
4は、上記黒目部支持部材106の可動マグネット部1
06aと固定側電磁石部110とのコンビネーションに
よる電磁アクチュエータとして構成されており、上記眼
窩105内奥部の眼筋基部91a,92a,93a,9
4a(図5参照)の動きを検出する眼筋センサ120か
らの検出信号(電圧信号)を受けて固定側電磁石部11
0の第1〜第8の複数の電磁石111a〜111hの何
れかに流す電流の方向を任意の方向に可変制御し、同第
1〜第8の電磁石111a〜111hから上記可動マグ
ネット部106aの第1〜第8の複数のマグネット10
8a〜108hの何れか又は全てに作用する電磁力(吸
引又は反発)をそれぞれ可変することにより、上記黒目
部103および黒目103bの位置を図19に矢印で示
すように上下、左右、左右斜目上下の何れかの方向に任
意に変位させるようになっている。
【0086】黒目部支持部材106の上記可動マグネッ
ト部106aは、図20に示すように全体としてコーン
形状をなし、その本体部先端側頂部に球体形状の支点部
107を有するとともに、基端側大径部に外周面に円周
方向に所定の間隔を保って所定の長さの第1〜第8のマ
グネット108a〜108hを埋設して構成されてい
る。
【0087】一方、固定側電磁石部110は、図21に
示すように、円筒状の本体フレーム内に一端側から他端
側に向けて、上記可動マグネット部106aに対応し、
上記可動マグネット部106aのコーン角よりも所定角
大きいコーン角を有するコーン形状の可動マグネット部
嵌装溝110aが同心構造に形成され、その他端側嵌装
溝頂部には上記可動マグネット部106aの球体形状の
支点部107を遊嵌状態で係合支持する若干大径の球体
形状の凹溝部110bが形成されているとともに、上記
可動マグネット部嵌装溝110aの開口端側内周部に
は、図22に詳細に示すように上記可動マグネット部1
06aの第1〜第8の各マグネット108a〜108h
に対応した長さの第1〜第8の複数の電磁石111a〜
111hが円筒方向に所定の間隔を保って埋設されてい
る。
【0088】これらの第1〜第8の複数の電磁石111
a〜111hは、それぞれ例えば図23に示すように、
鉄心113の外周にコイル114を巻成し、それを磁気
シールドケース112でカバーして構成されており、上
記コイル114の外部端子115a,115bは後述す
る黒目位置制御手段140に接続されている。そして、
同黒目位置制御手段140から供給される電流iの供給
方向に応じて上記鉄心113の両端が相互に逆の極性N
−S又はS−N何れかの状態に励磁されるようになって
いる。
【0089】したがって、今例えば上記可動マグネット
部106aの第1〜第8の各マグネット108a〜10
8hが図22に示すように内側をN、外側をSに着磁さ
れているとして、該状態において、上記固定側電磁石部
110の第1〜第8の各電磁石111a〜111hをそ
れぞれ共に反発方向に励磁すると、上記可動マグネット
部106aは、図22に示すように第1〜第8の電磁石
111a〜111hの何れの方向にも引き寄せられるこ
となく、上記本体フレーム内のコーン形状の可動マグネ
ット部嵌装溝110aの中間、すなわち上記眼球フレー
ム101の前面側凸部101cの中心軸O−O′上に保
持されることになり、上記黒目部103の黒目103b
が正面方向に向いたフローティング保持状態に位置制御
されることになる。
【0090】一方、該図22の状態から、例えば最上部
側第1の電磁石111aに供給される電流の方向が上記
とは逆の方向に制御されると、該第1の電磁石111a
の極性のみが図25(a)のように逆になって上記黒目
部支持部材106の可動マグネット部106aは第1の
マグネット108aを介して図に仮想線で示すように直
上方に引き寄せられることになる。
【0091】そして、その結果、支軸106bを介して
黒目部103も直上方に変位し、同黒目部103の黒目
103bが直上方を向いた状態となる。
【0092】また、上記図22の状態から、例えば最下
部側第5の電磁石111eに供給される電流の方向が上
記図22の状態とは逆の方向に制御されると、該第5の
電磁石111eの極性のみが図25(b)のように逆に
なって上記黒目部支持部材106の可動マグネット部1
06aは第5のマグネット108eを介して図に仮想線
で示すように直下方に引き寄せられることになる。
【0093】そして、その結果、支軸106bを介して
黒目部103も直下方に変位し、同黒目部103の黒目
103bが直下方を向いた状態となる。
【0094】また、上記図22の状態から、例えば図示
左側第7の電磁石111gに供給される電流の方向が上
記図22の状態とは逆の方向に制御されると、該第7の
電磁石111gの極性のみが図25(c)のように逆に
なって上記黒目部支持部材106の可動マグネット部1
06aは第7のマグネット108gを介して図に仮想線
で示すように左側方に引き寄せられることになる。
【0095】そして、その結果、支軸106bを介して
黒目部103も左側に変位し、同黒目部103の黒目1
03bが左側方を向いた状態となる。
【0096】さらに、また図22の状態から、例えば右
側第3の電磁石111cに供給される電流の方向が上記
図22の状態とは逆の方向に制御されると、該第3の電
磁石111cの極性のみが図25(d)のように逆にな
って上記黒目部支持部材106の可動マグネット部10
6aは第3のマグネット108cを介して図に仮想線で
示すように右側方に引き寄せられることになる。
【0097】そして、その結果、支軸106bを介して
黒目部103も右側に変位し、同黒目部103の黒目1
03bが右側方を向いた状態となる。
【0098】その他左右の斜目上下方向への変位も、こ
れらの各場合と同様に第4、第8および第2、第6の各
電磁石111d,111h,111b,111fの極性
をそれぞれ逆に可変制御することによって同様に実現す
ることができる。
【0099】ところで、上記黒目位置制御手段140
は、上記のように第1〜第8の各電磁石111a〜11
1hに供給する電流iの方向を可逆的に制御することに
より、上記可動マグネット部106a側の対応する第1
〜第8の所定のマグネット108a〜108eに対する
電磁吸引力を可変して黒目103bの位置を可変制御す
るようになっているが、上記第1〜第8の複数の電磁石
111a〜111hの何れの電磁石の電流方向を変える
かは、上記眼球フレーム101の後面部101bの外側
に眼筋基部91a,92a,93a,94aに対応して
取付けられた眼筋センサ120からの眼筋基部91a,
92a,93a,94aの動きに対応して生じる検出信
号のレベルの組合せに基いて決定される。
【0100】すなわち、健眼時の眼筋は、前述の如く、
本来の眼球を正面方向を基準として、上下および左右、
並びにそれらの中間の各傾斜方向に自由に傾動させるた
めの、上直筋、下直筋、内側直筋、外側直筋の4組の大
きな直筋からなっており、その眼窩105部内奥壁位置
では略中央部に収束された格好になっている。
【0101】そして、一般に失目時の手術により義眼を
入れる時には、該眼窩部内奥壁位置付近の基部部分で上
記4組の直筋が切断され、その後は当該4組の直筋の眼
筋基部91a,92a,93a,94aが、例えば図5
に示すように若干前方に突出した状態で残されることに
なる。そして、該残された4組の直筋の眼筋基部91
a,92a,93a,94aは、そのまま本来の動き
(突没動作)を継続する。
【0102】したがって、上記眼筋センサ120のセン
サ部をそれらの各眼筋基部91a,92a,93a,9
4aの各々に対応して当接し得るように設置しておけ
ば、当該各眼筋基部91a,92a,93a,94aの
動きを電気信号の変化として検出することができる。
【0103】そこで、本実施の形態では、該眼筋センサ
120を例えば図24に示すように、上記4組の眼筋基
部91a,92a,93a,94aの各々に対応し得る
ように第1〜第4の4組の圧電センサ121a〜121
dを同形状に組合せ、それらの外方を可撓性のシール部
材121によりシールして一体に構成されている。そし
て、それら第1〜第4の各圧電センサ121a〜121
dは、対応する上記眼筋基部91a,92a,93a,
94a各々の動き(押し、引き)に応じて各々に加えら
れる押圧力が変化すると、それぞれその変化に応じた電
位レベルの電圧信号を出力し、該4組の電圧信号が上記
黒目位置制御手段140に入力される。すると、該黒目
位置制御手段140は、該入力された第1〜第4の4組
の圧電センサ121a〜121dからの電圧信号レベル
の組合せに基いてそのマイコン部が上記眼筋基部91a
〜94aが何れの方向に黒目103bの位置を変えよう
としているのかを判定し、その判定方向に対応した第1
〜第8の電磁石111a〜111hの中の所定の電磁石
の電流供給方向をそれまでとは逆の方向に切換える。そ
して、それによって上述の図22〜図25(a)〜
(d)に示すように可動マグネット部106aを可動さ
せて黒目103bの位置を変える。
【0104】なお、図中符号141は各回路作動用の電
源である。該電源141には、例えばムーブメント式の
もの又はソーラータイプのものが任意に使用される。
【0105】以上の結果、上記本願発明の実施の形態1
の可動型義眼によると、次のような効果が得られる。
【0106】(1) 大がかりな手術を必要としていた
従来の義眼台を不用にすることができる。
【0107】(2) 眼筋が切断されてしまっている人
に対しても装着が可能である。
【0108】(3) 義眼内の黒目と白目を有する眼球
前半部分に対して略正常な眼の動きと同様な自然な動き
を持たせることができる。したがって、対面者に対して
義眼であることを分りにくくすることができる。
【0109】(4) 眼球前半部分の任意の可動量の調
整が可能となる。
【0110】(5) 簡単な構成となるため、義眼製作
が容易にでき、低コストなものになる。
【0111】(6) 残存眼筋部の動きが電気的に検出
され、かつ黒目部が電気的に駆動変位されるので、残存
眼筋の小さな動きでも、正確な黒目部の移動を実現する
ことができる。
【0112】(実施の形態5)次に、図26および図2
7は、本願発明の実施の形態5に係る可動型義眼の構成
を示している。
【0113】この実施の形態のものは、上記実施の形態
4のものと異なって、黒目部を例えばTFT型の薄い液
晶パネル145によって形成し、該液晶パネル145を
眼球フレーム101の透明な前面側凸部101cの内側
に一体化して構成されている。そして、該液晶パネル1
45を、液晶ドライバ146によって駆動することによ
って、例えば図27に示すように、そのディスプレイ面
上に白目103aと黒目103bを映像化し、その中の
黒目103bの位置のみを矢印に示すように所望の方向
に画像的に変位させるようになっいてる。
【0114】上記黒目位置を変位させる液晶ドライバ1
46は、上記実施の形態4の場合と同様に構成された眼
筋センサ120の第1〜第4のの4組の圧電センサ12
1a〜121dの各電圧信号を入力し、その信号レベル
の組合せ状態から判定される黒目位置移動方向に基いて
黒目位置制御信号を出力する黒目位置制御手段150に
よって、適切に駆動制御される。
【0115】このような構成によっても、上記実施の形
態4のものと同様の目的を達成することができる。
【0116】なお、図中符号151は各回路作動用の電
源である。該電源151には、例えばムーブメント式の
もの又はソーラータイプのものが任意に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る可動型義眼の構
成を示す正面方向指向時の断面図である。
【図2】同可動型義眼の上方向指向時の断面図である。
【図3】同可動型義眼の下方向指向時の断面図である。
【図4】健眼の眼球と眼筋との関係を示す斜視図であ
る。
【図5】同眼筋基部の切断後の残存状態を示す概略図で
ある。
【図6】本願発明の実施の形態2に係る可動型義眼の構
成を示す正面方向指向時の断面図である。
【図7】同可動型義眼の斜視図である。
【図8】同可動型義眼の正面方向指向時の断面図であ
る。
【図9】同可動型義眼の上方向指向時の断面図である。
【図10】同可動型義眼の下方向指向時の断面図であ
る。
【図11】本願発明の実施の形態3に係る可動型義眼の
構成を示す正面方向指向時の断面図である。
【図12】同可動型義眼の上方向指向時の断面図であ
る。
【図13】同可動型義眼の下方向指向時の断面図であ
る。
【図14】同可動型義眼の要部の構成と作用を示す拡大
側面図である。
【図15】本願発明の実施の形態3の変形例1に係る可
動型義眼の構成を示す正面方向指向時の断面図である。
【図16】同実施の形態3の変形例2に係る可動型義眼
の構成を示す正面方向指向時の断面図である。
【図17】同実施の形態3の変形例3に係る可動型義眼
の正面方向指向時の断面図である。
【図18】同実施の形態3の変形例4に係る可動型義眼
の正面方向指向時の断面図である。
【図19】本願発明の実施の形態1に係る可動型義眼の
構成を示す正面方向指向時の断面図である。
【図20】同可動型義眼の黒目部および可動マグネット
部の斜視図である。
【図21】同可動型義眼の固定側電磁石部の斜視図であ
る。
【図22】同可動型義眼の固定側電磁石部と可動マグネ
ット部との対応関係を示す係合状態の正面図である。
【図23】同可動型義眼の電磁石部の拡大断面図であ
る。
【図24】同可動型義眼の眼筋センサ部の拡大斜視図で
ある。
【図25】同可動型義眼の可動マグネット部の電磁駆動
状態の変位形態図である。
【図26】本願発明の実施の形態2に係る可動型義眼の
構成を示す断面図である。
【図27】同可動型義眼の正面図である。
【符号の説明】
1は義眼、2は眼球フレーム、3は黒目部、4は変形部
材、7は傾動プレート、11は擬似眼球、11aは白目
部、11bは黒目部、11cは光彩部、12は傾動プレ
ート、13は中央支軸、14a,14b,14c,14
dは平行リンク軸、21は眼球フレーム、22は白目
部、23は黒目部、24は傾動支持軸、25は第1の支
持部材、26は第2の支持部材、30は支点位置調節部
材、40は眼窩部、91a〜94aは上下左右の眼筋基
部、104は黒目位置可変手段、106は黒目部支持部
材、106aは可動マグネット部、108a〜108h
は第1〜第8のマグネット、110は固定側電磁石部、
111a〜111hは第1〜第8の電磁石、120は眼
筋センサ、140は黒目位置制御手段、145は液晶パ
ネル、146は液晶ドライバ、150は黒目位置制御手
段である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼球部の外形を形成する眼球フレーム
    と、該眼球フレームの内側に設けられた黒目部と、該黒
    目部を眼窩内奥部の残存眼筋部の動きに応じて傾動させ
    る変形可動部とを備え、上記黒目部を該変形可動部を介
    して眼窩内奥部の残存眼筋部に連接させたことを特徴と
    する可動型義眼。
  2. 【請求項2】 変形可動部は、粘性流体を封入した前後
    および左右に平行変形可能な可撓性部材よりなることを
    特徴とする請求項1記載の可動型義眼。
  3. 【請求項3】 眼球部の外形を形成する眼球フレーム
    と、該眼球フレームの内側に設けられた黒目部と、該黒
    目部を眼窩内奥部の残存眼筋部の動きに応じて傾動させ
    る傾動可動部とを備え、上記黒目部を該傾動可動部を介
    して眼窩内奥部の残存眼筋部に連接させたことを特徴と
    する可動型義眼。
  4. 【請求項4】 傾動可動部は、黒目部を支持した平行リ
    ンク機構よりなることを特徴とする請求項3記載の可動
    型義眼。
  5. 【請求項5】 傾動可動部は、黒目部を支持した傾動支
    持軸よりなることを特徴とする請求項3記載の可動型義
    眼。
  6. 【請求項6】 傾動支持軸は、傾動支点位置を変える支
    点位置調節部材を介して支持され、該支点位置調節部材
    による上記傾動支点位置の調節により黒目部の移動量を
    可変設定できるようになっていることを特徴とする請求
    項5記載の可動型義眼。
  7. 【請求項7】 眼窩内に嵌装される眼球フレームと、該
    眼球フレームの前部に設けられた黒目部と、該黒目部の
    位置を変える黒目位置可変手段と、眼窩内の残存眼筋部
    の動きを検出する眼筋センサと、該眼筋センサの検出信
    号に基いて上記黒目位置可変手段を作動させる黒目位置
    制御手段とからなる可動型義眼。
  8. 【請求項8】 黒目位置可変手段が、黒目部を機械的に
    変位させる電磁アクチュエータよりなることを特徴とす
    る請求項7記載の可動型義眼。
  9. 【請求項9】 黒目位置可変手段が、黒目部を画像的に
    変位させる画像ドライバよりなることを特徴とする請求
    項7記載の可動型義眼。
  10. 【請求項10】 眼筋センサが、残存眼筋と当接し、該
    当接面における残存眼筋の動きに応じた面圧の変化を電
    気信号の変化として検出する圧電素子よりなることを特
    徴とする請求項7,8又は9記載の可動型義眼。
  11. 【請求項11】 圧電素子は、複数の残存眼筋の各々に
    対応して複数組設けられていることを特徴とする請求項
    10記載の可動型義眼。
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