JPH09294754A - 眼内レンズの構造及び焦点距離調整方法 - Google Patents

眼内レンズの構造及び焦点距離調整方法

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JPH09294754A
JPH09294754A JP13414796A JP13414796A JPH09294754A JP H09294754 A JPH09294754 A JP H09294754A JP 13414796 A JP13414796 A JP 13414796A JP 13414796 A JP13414796 A JP 13414796A JP H09294754 A JPH09294754 A JP H09294754A
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lens
intraocular lens
polymer material
magnetic material
magnetic
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JP13414796A
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Tatsuo Arita
達生 有田
Ichiro Sakurai
一郎 櫻井
Noboru Komiya
昇 小宮
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SAKURAI SEIGI KK
Original Assignee
SAKURAI SEIGI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水晶体に置換される眼内レンズであって、透
明な液体又は粘弾性体の屈折率を持ったレンズを体外か
ら磁束を制御することにより眼内レンズの球面度を変化
させ、明視の距離から無限遠まで焦点距離を調整する。 【構成】 水晶体と置換される眼内レンズの一部に磁性
体を備え、体外からの磁束の強弱作用により、眼内レン
ズを構成する透明な液体又は粘弾性体をレンズ部と、そ
の周辺部とを移動させることによりレンズ部を構成する
R面の曲率を変えることができ、かつ、透明な液体又は
粘弾性体の屈折率のレンズを得ることにより焦点距離を
変化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白内障等で人の眼の水
晶体の摘出手術後に水晶体の代わりに挿入する人工レン
ズである眼内レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】人の眼で水晶体は、眼球の前半部にある
両凸レンズ状の器官である。しかし、この水晶体が混濁
することによって視力障害を起こす白内障患者にとって
現状では眼球の前半部の中央にある混濁した水晶体を手
術により摘出する以外に有効な視力回復の手段はない。
そして、水晶体を摘出・除去した場合には、所謂「人工
的無水晶体眼」となり、結果として網膜上に外界の像を
結像することができず、強度の遠視状態になる。このた
め現在では視覚的に、より一層自然な状態に近い視機能
の回復が得られる方法として、摘出した水晶体の代わり
に人工レンズを挿入する方法、即ち、「眼内レンズ」が
最も広く利用され普及してきている。
【0003】しかし、「眼内レンズ」は固定焦点である
ため見やすくすることには限界がある。このため本発明
者等は平成5年11月1日付け、特許出願の「眼内レン
ズの焦点位置調整方法とその装置」特許出願番号、平5
−297364において、眼内レンズを網膜に対し前後
動させることにより明視の距離250mmから無限遠ま
で磁束発生眼鏡により調整可能とする方法を発明した。
これに対し本発明は、眼内レンズを網膜に対し移動する
方法ではなく、眼内レンズの球面の曲率を変えることに
より、眼内レンズそのものの焦点距離を変えようという
もので、人の眼球の働きにより近い、自然な状態にしよ
うというものである。
【0004】以下、具体的に従来の技術につき図を用い
て説明する。図8は、健全な人の眼を示す断面図であ
り、図9は、現在白内障患者に対し、混濁した水晶体の
摘出手術を施し、その代用として眼内レンズを挿入した
状態の断面図を示している。
【0005】図8において、31は角膜で眼球の最も前
部に位置する透明な膜で、形状は回転楕円面の一部をな
し、その湾曲半径は約8mm位と言われている。32は
角膜31から水晶体34にいたる隙間にある房水であ
り、33は虹彩である。そして水晶体34は眼で最も重
要な働きをもつ器官、即ち水晶体(レンズ)であり、3
5は毛様体であって水晶体34を遠近調整するための毛
様筋を働かせる。また、このとき水晶体34は、前面
(角膜側)と後面(網膜側)の両湾曲を変化させるので
はなく、主として前面の湾曲が変化するようになってい
ることが知られている。また、36は眼球を保護するた
めの強膜である。さらに、37は、硝子体であって眼球
の内容の大部分を占める透明なゾル状の物質で構成され
ており、その屈折率は1.334である。そして38は
網膜であり、39は網膜38の上に結像された信号を大
脳へ伝達するための視神経である。
【0006】次に図9は、水晶体34が、混濁したため
摘出手術を施し、その代わりに人工のレンズ(眼内レン
ズ)を挿入した状態を示したもので40は、例えばポリ
メチルメタクリレ−トA(PMMA)を主体とする高分
子材料で作られた眼内レンズであり、41は眼内の所定
の位置に固定するル−プである。
【0007】これに対し、本発明者らは特許出願番号、
平5−297364において従来眼内レンズは固定焦点
であるため、所定の距離にしか焦点を合わすことができ
なかったのを体外から磁束の強弱を調整することによ
り、磁束による吸引力の強弱、または、コイルに流れる
電流極性の変換により吸引力と反発力を発生させること
により、磁性材を備えた眼内レンズの位置を光軸からず
れることなく、網膜に対し前後調整ができるようにした
もので眼前の明視の距離(250mm)から無限遠まで
自由に焦点の調整ができることを可能にしたものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法で
は眼内レンズは固定焦点であるため手術後、眼内レンズ
を補正する方法として無焦点レンズよりなる眼鏡を掛け
るとか、又、本発明者等の発明による眼内にて眼内レン
ズを体外より調整し眼内レンズを網膜に対し前後させる
方法でも明視の距離から無限遠まで連続的に焦点の位置
は調整できる。しかしこの方法だと網膜に対し眼内にて
前後動させねばならぬという問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、眼球内に挿入
する眼内レンズを所定の位置に挿入し固定した後眼内レ
ンズの球面の曲率を変化させ、網膜に対し焦点距離の調
整ができるようにしたもので、人間の眼の働き、即ち毛
様体の収縮・弛緩による水晶体の球面の曲率の変化によ
る焦点距離調整に、より近づけるようにしたものであ
る。
【0010】そして、本発明にかかる眼内レンズの焦点
距離調整装置は、上記目的を達成するために、眼内レン
ズの一方の面を硬質の高分子材料によりなり、他方の面
を可撓性のある軟質の高分子材料で構成し、最外周とそ
の内周部分を接着し、内周部分の接着層に複数の貫通孔
を設け、さらに水晶体の屈折率に近い液体を注入すると
ともに、軟質材料部分の外周部の凸部に環状の磁性体を
接着固定し、さらに体外からの磁束の強弱作用により、
環状の磁性体を吸引、反発することにより硬質の高分子
材料との間で外周部の凸部の隙間が調整され可撓性のあ
る軟質の高分子材料の球面の曲率を変化させるようにし
たものである。
【0011】本発明において、上記眼内レンズの近軸領
域を除く外周部を磁性材及び非磁性材よりなる環状磁性
材料部材により構成し、かつ磁束発生眼鏡はそのフレ−
ムにコイルを設け、これに制御された電流を流すように
構成する。また、上記眼内レンズの前面に対向する眼鏡
のフレ−ムを、眼内レンズ側に開口した断面が略コの字
状として一部を開口し、その磁性材料及び非磁性材料よ
りなる環状磁性材料部材により構成し、そのコの字状部
分及び外周部に巻線を備る。このとき、前記断面のコの
字状の開口する内枠の内周の内周部及び外枠の外周部の
先端部をテ−パ−にして先鋭化した磁極に構成すること
が好ましい。
【0012】
【作用】このように本発明においては、体外からの磁束
の強弱、即ち、吸引力と反発力とを調整することによ
り、眼内レンズの可撓性のある軟質の高分子材料の球面
の曲率を調整でき、人の眼の働きに近ずけることが可能
となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図7を用い
て具体的に説明する。図1は本発明になる眼内レンズを
人の眼に挿入した時の断面図。図2は本発明の眼内レン
ズの断面図、図3は図2の正面図、図4は図2の貫通孔
のある部分の一部拡大断面図、図5は図2の貫通孔のな
い部分の一部拡大断面図である。また、図6は眼内レン
ズの焦点距離調整を行なう磁束発生眼鏡の斜視図、そし
て図7はその一部断面図であり、眼内レンズの焦点距離
調整方法の原理図である。
【0014】図1は、白内障等で人の眼の水晶体を摘出
手術した後に水晶体の代わりに本発明になる焦点距離を
外部から調整可能な、かつ、液体又は粘弾性体の屈折率
をもった眼内レンズを挿入した状態の断面図を示してい
る。即ち、10は人の眼の水晶体を摘出した後挿入され
たレンズ部であり、4はレンズ部10を眼内に固定する
ためのル−プで、12は外部からの磁束の強弱により動
作する環状をなした磁性材料及び非磁性材料よりなる環
状の磁性材料部材(以下、環状磁性体と呼ぶ。)であ
る。なお、図面上符号は従来例と共用している。
【0015】図2において、1は眼内レンズの一方の壁
面を構成する透明な硬質の高分子材料よりなり、中央部
において球面を形成している。そして2はその周辺部分
であり平面になっている。3はその平面部のほぼ中央部
の一ヶ所に細い管よりなる液体の注入口が設けられてい
る。4は眼内レンズを固定するル−プであり、平面部2
に固定されている。5は可撓性のある透明で軟質の高分
子材料よりなり、その中心部、即ち、光軸6に対し、直
径5mmの範囲を球面状となし、その外周部の凹凸7は
球面状の直径5mmの延長上で、伸縮可能な状態になっ
ている。そして外周部の伸縮可能な凹凸7は光軸に対し
同心円である。また8は外周部の液体の溜り場9とレン
ズ部10とを結ぶ複数で、かつ、ほぼ等間隔に設けられ
た貫通孔であり、複数個の貫通孔に対し1〜数ケ所を除
き弁11が設けられている。さらに、12は環状をなし
た磁性体であり、非磁性材料と磁性材料が交互に接着さ
れ磁性材料は内周側と外周側に磁極をもつように構成さ
れる。(硬磁性材料の場合)このとき磁性材料として強
磁性材料でも、また高透磁率の軟磁性材料でもよい。そ
して、13は硬質の高分子材料1の平面部2の最外周と
可撓性のある軟質の高分子材料5との最外周の接着層部
であり、また複数の貫通孔を除き硬質の高分子材料1の
平面部2の最内周部で接着されている。このため、前記
最内周部はあたかも複数個の円弧状の接着層で等間隔に
円周が構成されることになる。
【0016】図3は眼内レンズの正面図であり、前記円
弧状の接着層とは逆に貫通孔8が略等間隔に配置されて
いる。そして全貫通孔のうち1〜数個の貫通孔には、弁
がついておらず、他の貫通孔のすべてには弁がついてい
る。そして、12は環状の磁性体よりなる磁性材料で非
磁性材料14及び磁性材15からなり、それぞれ交互に
配置され接着されている。このとき、非磁性材料料14
の総体積よりも磁性材料15の総体積が大となること
で、作動効率を向上することができる。
【0017】次に、図4は貫通孔8のある部分の一部拡
大断面図であり、図5は貫通孔のない内周接着部分16
の一部拡大断面図である。ここで17は液体のたまり場
9の頂部で可撓性のある軟質の高分子材料と環状磁性体
12が線接触に近い状態で接着されている。このため外
部からの磁束により環状の磁性体12は矢印の方向、例
えばAの方向に移動した場合(磁束の反発力)には液体
のたまり場9にあった液体はレンズ部10に流出し、球
面5の曲率は凸に変化し、球面部5(図2において点線
で図示)となり、レンズ部の焦点距離は短くなる。逆に
環状の磁性体12がBの方向に移動した場合(磁束の吸
引力)には、液体がたまり場9の部分に流出し、レンズ
部10の焦点距離は長くなる。
【0018】さらに図6において、18aは一部を開口
し、もしくは高透磁率磁性材料と非磁性材料とよりなる
外枠であり、18bは外枠18aと同じ材質よりなる内
枠であり、19は眼鏡のつる20を固定する蝶番であ
る。21はコイルに電流を流すためのON・OFFのス
イッチ、そして22は電池入れ兼ボリウムの摘みであ
る。また23は、コイルであり、高透磁率磁性材料と非
磁性材料よりなる外枠18a及び内枠18bの間を通
り、非磁性の例えば高分子材料よりなるコ字状のボビン
27との間で巻回しされている。そして24は中空の部
分で外界から眼球への光路である。
【0019】次に図7において、25は、外枠18aの
先端部の形状をしめしており、また26は、内枠18b
の先端部の形状である。即ち、磁束を可能な限り集中す
るために先端部を先鋭化し、かつ先端部をそれぞれ外に
開口する形状でテ−パ−にすることにより、外枠18a
から内枠18b(又は、その逆)への磁束の漏洩28を
極力少なくし、かつ眼内レンズの回りの光線の近軸領域
を除く周辺部に設けられた環状磁性体12に磁束が集中
できるようにしている。そして、環状磁性体12の大き
さは最外周の接着部分と同等か、それより大きな外径で
あり、内径は最内周の接着部分の内側の円弧状の接着部
分と同等か、それより大きな内径をもつ環状の磁性体で
平板状であり、かつ環状の磁性体の平板が放射状に断続
した硬磁性材料もしくは軟磁性材料と、非磁性材料によ
り構成されている。なお、漏洩磁束の関係から眼内レン
ズの直径に対し内枠18bの大きさは小さい方が良いが
視覚の関係もあり外枠18aに巻回しされたコイルが固
定されれば必ずしも先端のテ−パ−部までなくてもま
た、先端部がR状でも良いことは言うまでもない。ま
た、29は非磁性のカバ−である。
【0020】以下、具体的にその眼内レンズの構造及び
動作についてのべる。人の眼の水晶体は、いわゆる両凸
レンズであり、従来から使用されている眼内レンズも、
また、本発明による眼内レンズも同様に両凸レンズであ
る。しかし、従来の眼内レンズはポリメチルメタクリレ
−トA(PMMA)を主体とする高分子材料で作られて
いるため固定焦点であるのにたいし、本発明による眼内
レンズは、光の入射方向に対し+の凸面であり、これは
透明な軟質の可撓性のある高分子材料で作られている。
一方網膜に近い側の面は−の凸面(光の入射方向に対し
凹面)であり硬質の高分子材料により構成されている。
【0021】このように、本発明による眼内レンズは、
虹彩に近接する側の面は入射光に対し+の凸面であり、
透明な軟質の可撓性のある高分子材料で薄く、かつ光軸
部分の直径約5mm以内は、ほぼ均一な厚さで球面状を
なしており、その外周は同心円状の伸縮可能な凹凸を呈
している。一方、網膜に近接する側の球面は、透明な硬
質の高分子材料よりなり、所定の球面になるように薄
く、しかも、ほぼ等しい厚さで樹脂成形されたものであ
る。そして、これらの硬質及び軟質の高分子材料は最外
周部で接着・密封されるとともに、その内周部には光軸
上直径5mmよりも大きな場所に伸縮可能な凹凸部を配
し、その外側に環状の接着層部分があり、その一部にレ
ンズ部とたまり場とを貫通する複数の貫通孔部がほぼ等
間隔にもうけてある。このため、環状の接着層部は円弧
状となる。そして、その貫通孔のレンズ部側には1〜数
個の貫通孔を除き弁が設けられている。
【0022】なお、貫通孔は2n個(n=1,2,3,
・・・)の複数個として、貫通孔の両端部、即ち、レン
ズ部側及びたまり場側の交互に開閉弁を設けることで
も、また、レンズ部側だけに開閉弁を設けることでもよ
い。
【0023】そして、前記した伸縮可能な凹凸のある同
心円の最内周は光軸上の直径5mmより外周に向かっ
て、また最外周は環状の接着層部まで複数設けられてい
る。また、最外周の接着層部分と円弧状の接着層部分ま
でのたまり場のいずれか一方の面の1ケ所には液体また
は粘弾性体を注入する注入口が突出している。
【0024】この上記注入口からは透明な液体又は粘弾
性体を、例えば注射針等で所定量注入する。このとき透
明な液体又は粘弾性体は人の眼の水晶体の屈折率1.4
06とほぼ同等位の屈折率を持った液体又は粘弾性体で
あることが好ましいが、必ずしも屈折率1.406に限
定する必要はない。そして、その後注入口を閉じて、可
能な限り注入口を封じ短く切断し、注入した液体又は粘
弾性体が流失しないようにする。すなわち、両面の高分
子材料の曲面は薄く、かつ等しい厚さで成形されている
ことから、その中に含まれる液体又は粘弾性体の屈折率
を持った両凸のレンズであると考えることができる。
【0025】次に、環状の磁性体の内径は前記円弧状の
接着層部と同等か、もしくはそれよりも大きく、また外
径は外周接着層部と同等のもので、厚さは2mm以下の
平板状である。そして、虹彩側の可撓性ある高分子材料
のたまり場の環状の頂部に可能な限り線接触の状態で接
着固定する。このとき、環状の磁性体は放射状又は平行
に磁性材料と非磁性材料が交互に、かつ対称に配置・接
着されたものであり、磁性材料としては硬磁性材料もし
くは高透磁率の軟磁性材料でも良いことは言うまでもな
い。そして、構成する非磁性材料よりも磁性材料の面積
の方が大であることが好ましい。なお、硬磁性材料の場
合、環状の磁性体の内径側と外径側をそれぞれ磁極とし
ている。
【0026】また、レンズ部又はたまり場に設けられた
弁はレンズ部とたまり場との間を行き交う透明な液体ま
たは粘弾性体を規制するための開閉弁であり、一旦たま
り場からレンズ部に入った透明な液体又は粘弾性体は、
すぐにはたまり場の方には移行しにくいようにしてい
る。すなわち、たまり場に透明な液体又は粘弾性体が多
いときはレンズ部は薄い状態となり、遠方視の状態とな
るが、逆にレンズ部が厚い状態の場合には近方視の状態
となる。
【0027】本発明は、眼内レンズの光軸に対し+の凸
部の球面度を体外から制御することにより、眼内レンズ
の焦点距離を調節できるようにしたもので、図6に示す
ような磁束発生眼鏡のスイッチを入れることにより、電
池からの電圧をボリウムで調整しながらコイルに流すこ
とにより、軟磁性材料と内枠の両端部に磁極ができ、例
えば外枠をS極、内枠をN極になるように結線し、しか
も眼内レンズの磁性材料が軟磁性材料の場合には、外周
部がN極、内周部がS極となり、体外からの磁束の強さ
によって引き合うことになりレンズ部周囲のたまり場の
所にレンズ部内部の透明な液体もしくは粘弾性体が流れ
だし、レンズ部は薄いレンズとなり、遠方視の状態にな
る。
【0028】また、眼内レンズの磁性材料が硬磁性材料
の場合には、眼内レンズの磁極は例えば内周側をS極、
外周側をN極として固定されるため磁束発生眼鏡のコイ
ルに流れる電流方向の極性を切換えるようにしてやれ
ば、眼内レンズの硬磁性材料を吸引又は反発させること
となり、同様の効果がえられる。
【0029】さらに、眼内レンズに固定した磁性体の移
動により、眼内レンズの透明な硬質の高分子材料で成形
されている薄く、かつ、ほぼ等しい厚さで入射光にたい
し−の凸面のと軟質の可撓性のある高分子材料より形成
された眼内のレンズ部に、たまり場にある透明な液体又
は粘弾性体が可撓性のある高分子膜を押し出したり、す
なわち水晶体に相当する本発明のレンズ部が厚くなつた
り、(たまり場の部分に固定した眼内レンズの環状の磁
性体が反発し、環状の磁性体と硬質の高分子材料の外周
の平面部との間隔が小さくなる。)また、その逆でレン
ズ部が薄くなつたりすることが可能となる。このとき、
可撓性のある膜面の形状は伸縮自在の凹凸部が、厚いレ
ンズの場合は球面のRは小さくなり、また薄いレンズの
場合にはRは大きくなる。なお、計算上での薄いレンズ
と厚いレンズの場合の曲率半径の違いは3mm位であ
る。
【0030】なお、このような透明な液体又は粘弾性体
の屈折率を持ったレンズは、眼内レンズだけでなく、一
般的なレンズにも適用できる。特に、大口径のレンズに
は有効な方法である。また、レンズの一方の硬質の高分
子材料で形成される面を球面でなく非球面状態に金型で
成形することも可能である。さらに、眼内レンズの場合
は両凸のレンズであったが、一般のレンズでは両凸レン
ズのほか、平凸レンズや平凹レンズ、凹レンズ等への適
用も可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、眼内レンズに環状磁性
体を備え、体外から磁力を強弱作用させることで従来不
可能であった眼内レンズの球面度を変化させることによ
り、焦点距離を調節し、明視の距離から無限遠まで網膜
上に空間像を結像させるという顕著な効果を得ることが
できた。また、透明な液体又は粘弾性体の屈折率をもっ
たレンズを作ることが可能であるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による眼内レンズを人の眼に挿入したと
きの断面図 10:レンズ部
【図2】眼内レンズの断面図 7 :伸縮可能な凹凸 12:環状をなした磁性体
【図3】眼内レンズの正面図 14:非磁性材 15:磁性材
【図4】図2の貫通孔のある部分の一部拡大図 9 :液体又は粘弾性体のたまり場 11:弁
【図5】図2の内周接着部分の一部拡大図 16:内周接着部分
【図6】眼内レンズの焦点距離を調整する磁束発生眼鏡 18a:外枠 21:スイッチ
【図7】磁束発生眼鏡の一部断面図 23:コイル 25:外枠先端部 26:内枠先端部 28:磁束の漏洩
【図8】健康な眼の断面図
【図9】眼内レンズを挿入した状態の断面図 40:眼内レンズ
【符号の説明】
1:眼内レンズを構成する透明な硬質の高分子材料 2:1の高分子材料の周辺部分 3:液の注入口 4:ル−プ 5:可撓性のある透明な軟質の高分子材料 6:光軸 7:外周部の伸縮可能な凹凸 8:貫通孔 9:液体又は粘弾性体のたまり場 10:レンズ部 11:弁 12:環状をなした磁性体 13:外周の接着層部 14:非磁性材料 15:磁性材料 16:内周接着層部分 17:たまり場の頂部 18a:外枠 18b:内枠 19:蝶番 20:眼鏡のつる 21:スイッチ 22:つまみ 23:コイル 24:中空部分 25:外枠先端部 26:内枠先端部 27:ボビン 28:磁束の漏洩 29:非磁性カバ− 31:角膜 32:房水 33:虹彩 34:レンズ 35:毛様体 36:強膜 37:硝子体 38:網膜 39:視神経 40:高分子材料 41:ル−プ φ:光軸部分の有効径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】 水晶体と置換される眼内レンズであっ
    て、一方の面を硬質の高分子材料により形成され、他の
    一方を可撓性のある軟質の高分子材料により構成し、か
    つ、その最外周部を接着し、密封するとともに、その内
    周部はほぼ環状をなし、硬質の高分子材料と軟質の高分
    子材料とを接着する円弧状の接着層を設けその円弧状の
    接着層に、内周部と外周部を貫通する複数個の孔を等間
    隔に設けるとともに、硬質の高分子材料の面上で、貫通
    孔を設けた接着層の外側で、かつ、最外周の接着層の内
    側部分の一ヶ所に液体または粘弾性体液の注入口を設
    け、硬質及び軟質の高分子材料との間に液体または粘弾
    性体の液を注入してあることを特徴とする眼内レンズの
    構造。
  2. 【請求項 2】 請求項1記載の複数個の貫通孔の1〜
    数個を除き、他の貫通孔の内側に開閉弁を設けたことを
    特徴とする眼内レンズの構造。
  3. 【請求項 3】 請求項2記載の開閉弁を、2n(n=
    1,2,3,……)個の複数個とし、貫通孔の両端部を
    対象に開閉弁を設けたことを特徴とする眼内レンズの構
    造。
  4. 【請求項 4】 眼内レンズの光軸上の直径5mmより
    外周部で、かつ、複数個の貫通孔を設けた円弧状の接着
    層部分までの可撓性のある軟質の高分子材料に光軸にた
    いし同心円で、かつ、伸縮可能な凹凸を設けたことを特
    徴とする眼内レンズの構造。
  5. 【請求項 5】 硬質の高分子材料と可撓性のある軟質
    の高分子材料との最外周の接着層部分と同等か、もしく
    は、それより大きな外径で、かつ、最外周の接着層部分
    の内側の円弧状の接着層部分と同等か、もしくはそれよ
    り大きな内径をもつ環状磁性体が、放射状または平行な
    磁性材料と非磁性材料とを交互に組合せ接着されてお
    り、その磁性材料は硬磁性材料、もしくは軟磁性材料に
    より構成され、その環状の磁性体を可撓性のあるな軟質
    の高分子材料の凸面上に線状に固定し体外からの磁束の
    強弱により、硬質の高分子材料と環状の磁性体との間隔
    を可動可能にしたことを特徴とする眼内レンズの焦点距
    離調整方法。
  6. 【請求項 6】 請求項5記載の環状の磁性体を構成す
    る磁性材料と非磁性材料との体積比率は、非磁性材料よ
    りも磁性材料の方が大であることを特徴とする焦点距離
    調整方法。
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