JPH10201402A - 釣竿用グリップ及びその構造 - Google Patents

釣竿用グリップ及びその構造

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JPH10201402A
JPH10201402A JP1045997A JP1045997A JPH10201402A JP H10201402 A JPH10201402 A JP H10201402A JP 1045997 A JP1045997 A JP 1045997A JP 1045997 A JP1045997 A JP 1045997A JP H10201402 A JPH10201402 A JP H10201402A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザが自己の好みに応じて弾力性を調整
し、変形して使用できる釣竿用グリップを提供する。 【解決手段】 本釣竿用グリップは、竿本体11に装着
され、竿本体11の外周に沿って配置されるベース部2
0と、ベース部20の外周部に配置され、内部に流体を
充填するための空洞21を有するグリップ本体22とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿本体に装着さ
れる釣竿用グリップ及びその構造に関する。
【0002】
【従来の技術】釣竿の手元側には、釣竿を保持するため
のグリップが設けられている。このグリップは、別途成
形したものを竿本体にはめ込むタイプのものと、竿本体
と一体成形されるタイプのものがある。グリップはユー
ザが握ったときの感覚が非常に重要であり、このため、
様々な材料が用いられ、また様々な形状が施され、弾力
性・フィット感をユーザに提供できるように成形されて
いる。具体的には、ウレタンゴム、天然コルク、及び塩
化ビニル等の合成樹脂製弾性体などを滑りにくい形状に
成形したグリップが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、所望の
釣竿用グリップの弾力性・フィット感を(以下、弾性力
等と略す。)合成樹脂のみでユーザに提供するには限界
がある。すなわち、画一的に合成樹脂でグリップを作成
すれば、弾力性等はその合成樹脂の性質にのみ依存する
ことになる。釣竿のグリップの弾力性等の善し悪しは、
その釣竿を使用するユーザの好みに左右されるものであ
るが、従来の釣竿では、弾性力等の調整が非常に困難で
あり、個々のユーザの求める弾力性等を備えた釣竿を提
供することができない。
【0004】例えば、ユーザによっては、弾力性のある
グリップを好む者もいれば、弾力性のないグリップを求
める者もいる。また女性のユーザは、手の大きさが小さ
いため、男性が使用する場合に比べて細身の把持部を好
む場合がある。本発明の課題は、合成樹脂等の材料に依
存せずに十分な弾性力等を有する釣竿用グリップ及びそ
の構造を提供することにある。
【0005】本発明の別の課題は、個々のユーザが自己
の好みに応じて弾力性を調整できる釣竿用グリップ及び
その構造を提供することにある。本発明のさらに別の課
題は、個々のユーザが自己の好みに応じて変形し使用で
きる釣竿用グリップ及びその構造を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係る釣竿用グリ
ップは、内部に流体を充填するための空洞を有してい
る。この場合には、空洞内部に充填する流体の量や種類
を変えることにより、グリップ自体を形成する部分の材
質にかかわらず十分な弾力性が得られ、しかも弾力性及
び形状を容易に調整できる。
【0007】発明2に係る釣竿用グリップは、釣竿本体
に装着されるものであって、釣竿本体の外周に沿って配
置されるグリップベースと、グリップベース外周部に配
置され内部に流体を充填するための空洞を有するグリッ
プ本体とを備えている。この場合には、釣竿本体にグリ
ップベースが装着されるとともにグリップベースにグリ
ップ本体が装着される。そして、グリップ本体の空洞内
部に充填される流体の量や種類、あるいはその圧力等を
調整することにより、グリップ本体の材質のみに左右さ
れることなく、グリップの弾力性等を所望の特性に調整
できる。
【0008】発明3に係る釣竿用グリップは、発明1又
は2に係るグリップのおいて、空洞には流体が加圧され
た状態で充填されている。この場合には、空洞内部の流
体の圧力を調整することで、グリップの弾力性を自在に
調整できる。発明4に係る釣竿用グリップは、発明1か
ら3のいずれかに係るグリップにおいて、空洞に流体を
注入する流体注入手段をさらに備えている。
【0009】この場合には、流体注入手段によって空洞
内に流体を任意に注入してグリップの弾性力等を変化さ
せることができ、ユーザの好みに応じてグリップの弾力
性等を自在に調整できる。発明5に係る釣竿用グリップ
は、発明1から4のいずれかに係るグリップにおいて、
空洞に充填された流体の量を調整する流体調整手段をさ
らに備えている。
【0010】この場合には、流体調整手段によって空洞
内部の流体の量を調整できるので、個々のユーザが自己
の好みに応じてグリップの弾力性を変化させることがで
きる。また、空洞内の流体の量を調整しその体積を変化
させることができ、結果として、形状を変化させること
ができる。発明6に係る釣竿用グリップは、発明2に係
るグリップにおいて、グリップ本体は、その内部の流体
を外部より視認可能な程度の透光性を有している。
【0011】この場合には、ユーザは回部よりグリップ
内部の流体を視認し、その流体量を容易に調整できる。
発明7に係る釣竿用グリップは、発明1から6のいずれ
かに係るグリップにおいて、空洞内部に流体発生手段を
さらに備えている。ここで、流体発生手段としては、例
えば二種類以上の化合物を混入することが考えられる。
これらの化合物を空洞内に収納しておき、必要に応じて
外部から押しつぶし、混ぜ合わせることによって、空洞
内にガスを充填させることができる。この場合には、粉
末の量を調整することによって、空洞内の圧力を調節で
き、結果的に弾性力等を調整できる。
【0012】発明8に係る釣竿用グリップ構造は、釣竿
本体との間に流体充填用の空洞を有している。発明9に
係る釣竿用グリップ構造は、釣竿本体に他の部分に比較
して大径に形成されるとともに外周部に流体充填用の環
状の空洞を有するグリップ部と、空洞内をシールしなが
らグリップ部を覆う筒状のグリップカバーとを備えてい
る。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]以下、本発明の第1実施形態について
図を参照しながら説明する。図1において、手元竿10
は、竿本体11と、竿本体11の外周に配置された前グ
リップ12と、手元側の端部に配置された竿元グリップ
13とを有している。また前グリップ12と竿元グリッ
プ13との間には、リールを装着するためのリールシー
ト14が設けられている。竿本体11は、例えば炭素繊
維の強化繊維に樹脂を含浸させたシート状プリプレグを
マンドレルに巻回して成形された筒状のものであり、先
端が細いテーパ形状である。
【0014】図2において、前グリップ12は、竿本体
11の外周面に嵌め込まれた硬質のベース部20と、ベ
ース部20の外周面に配置され内部に流体を蓄えるため
の空洞21を有する環状のチューブ(グリップ本体)2
2とを有している。ベース部20は、PET(Poly eth
ylene terephtalate)、ABS(Acrylonitrile-Butadi
ene-Styrene resin)等の樹脂を成形加工して得られた円
筒状の部材であり、その軸方向の両端に鍔部20a,2
0bとを有している。
【0015】チューブ22は、加硫ゴムや、ウレタンゴ
ム等のゴム弾性体を押し出しシート状に伸ばしたものを
複数枚組み合わせて成形されている。その上にナイロン
等の合成繊維を均等に巻いて補強し、さらにその上にゴ
ムシートを被せて耐久性等を向上させ、内部や外部から
加圧された状況においても耐えうるものとなっている。
内部の空洞21に充填する流体としては、空気、窒素、
ヘリウム等の気体、ゲル状の半流動体、または水等の液
体を用いることができる。
【0016】チューブ22の竿元側の端部には、チュー
ブ22内に流体を出し入れするための注入部材23が設
けられている。この注入部材23は、軟質ゴム等の弾性
体を成形加工した円筒状の部材であり、その中心線に沿
って通路24を有している。そしてこの注入部材23は
ベース部20の鍔部20b上に設けられた切欠き部に支
持されている。
【0017】竿元グリップ13は、図3に示すように、
竿本体11の竿尻にはめ込まれた蓋付き円筒部材であ
る。前グリップ12と同様に、竿本体11の周面にはめ
込まれた硬質のベース部30と、ベース部30の外周面
に配置され内部に流体を蓄えるための空洞31を備えた
チューブ32とを有している。またチューブ32の竿元
側の端部には、空洞31内の流体を出し入れするための
注入部材33が設けらている。そしてこの注入部材33
の中心部には通路34が形成されている。
【0018】注入部材23,33は、軟質ゴム等の弾性
体であり通常は通路24,34をふさいでいる。このた
め空洞21,31内の流体が外部に排気されることはな
い。ユーザは、前グリップ12,13を握った場合の弾
性力が適当でないと感じた場合、図4に示すような流体
注入出器40を利用して、空洞21,31内の流体量を
調整することができる。
【0019】流体注入出器40は、図4に示すように、
注射器状のものであり、流体を収納するシリンダ41
と、シリンダ41内に挿入されシリンダ41内の流体に
圧力をかけるピストン42と、シリンダ41の前方に配
置された針状の注出入針43とを有している。この流体
注入器40を用いて例えば前グリップ12の弾力性等を
調整する場合を以下に説明する。
【0020】前グリップ12が柔らかい、または細いと
感じる場合には、流体注入器40のシリンダ41内に必
要な流体を入れ、注出入針43を注入部材23の通路2
4に差し込む。前述のように注入部材23は軟質弾性体
製であり、注出入針43は通路24を広げて空洞21へ
至る。この状態でピストン42に圧をかけてシリンダ4
1内の流体を注出入針43を介して空洞21内に注入す
る。これにより、前グリップ12内部の圧力を高くな
り、弾性力が堅くなるとともに、前グリップ12を握っ
たときの径が太くなる。
【0021】一方、前グリップ12が硬い、または太い
と感じる場合には、前記シリンダ41内に流体を入れる
ことなく注出入針43を注入部材23の通路24に差し
込む。そして、ピストン42を引くことによって注出入
針43を介して空洞21内の流体をシリンダ41内に取
り込む。これにより前グリップ21内の圧力が低くな
り、前グリップ12を握ったときの感覚が柔らかく、か
つ細目のグリップとなる。
【0022】なお、竿元グリップ13についても、前グ
リップ12と同様にして内部の流体の量を調整できる。
この第1実施形態に係る釣竿グリップでは、前グリップ
12および竿元グリップ13の内部に流体を密封し加圧
した状態で蓄え、流体注入出器40により流体の量を調
整して内部圧力を変化できるようにしたので、ユーザが
自己の好みに応じて前グリップ12等の形状や弾力性を
調整できる。
【0023】[第2実施形態]以下、本発明の第2実施
形態について図面を参照しつつ説明する。第2実施形態
に係る釣竿用グリップは、注入部材23の代わりにポン
プ部50および排気栓55が設けられたことを除いて第
1実施形態と同様である。なお、本第2実施形態では前
グリップ12内の流体として空気を用いている。
【0024】図5に示すように、ポンプ50は、前グリ
ップ12の竿先部分(図5の左側)に配置され、チュー
ブ22と一体成形される。ポンプ部50は内部に空間5
1を有しており、第1空気弁52と第2空気弁53とを
有している。空間51は、第1空気弁52及び第1通路
50aを介して外部と、第2通路50b及び第2空気弁
53を介して前グリップ12内の空洞21と連通してい
る。第1空気弁52は空間51方向に向かってのみ開
き、空気は外部から空間51に向かってのみ流入する。
また第2空気弁53は空洞21方向に向かってのみ開
き、空気は空間51から空洞21に向かってのみ流出す
る。
【0025】また、チューブ22の竿元側の外周部に
は、空洞21内の空気を排気するための排気栓55が設
けられている。この実施形態において、前グリップ12
内の気圧を調節する手順を説明する。まず、気圧を高め
る場合には、ポンプ部50を指で押し、空間51を圧縮
する。この圧縮により、空間51に蓄えられていた空気
は第2空気弁53を押して空洞21内に流出する。この
際、第1空気弁52は開かず、空間51内の空気は空洞
21内にのみ流出する。次にユーザがポンプ部50より
指をはなすと、ポンプ50部はその弾性力により元の形
状に戻る。その際に第1空気弁52が開いて外部より空
間51内に空気が流入する。これらの動作を繰り返し、
ユーザは前グリップ12内の圧を高める。
【0026】一方、気圧を低くする場合は、排気栓55
を開けて、空洞21内の空気を外部に排出する。このよ
うにして、簡単な操作で短時間内にグリップの形状、弾
性力を調整することができる。なお、手元グリップ13
についても同様のポンプを設けて、グリップ内の圧力を
調節することができる。
【0027】[第3実施形態]以下、本発明の第3実施
形態について図面を参照しつつ説明する。図6におい
て、前グリップ12は、竿本体11のグリップ相当部に
形成された他の部分より太径のグリップ部60と、グリ
ップ部60の外周面に配置されるグリップカバー61と
から形成されている。
【0028】グリップ部60は流体を充填するための環
状の空洞62を有している。そして、この空洞62を覆
うようにグリップカバー61が配置されている。グリッ
プカバー61は熱収縮性樹脂であって、例えば、ポリエ
チレン製樹脂等を用いることができる。グリップ部60
を形成した後にグリップカバー61をその外周面に配置
し、加熱処理して収縮させグリップ部60に密着させた
後、1対の固定リング63,64をかしめ、さらに接着
剤を用いてグリップカバー61の両端をグリップ部60
に確実に固定する。これにより、空洞62内に充填され
た流体は密封される。
【0029】なお、注入部材65、通路66、及び空洞
62内の流体量の調整については、第1実施形態と同様
である。この第3の実施形態に係る釣竿グリップ構造に
おいても、前記各実施形態と同様の効果が得られる。 [第4実施形態]以下、本発明の第4実施形態について
図面を参照しつつ説明する。
【0030】図7に示すように、前グリップ12は、竿
本体11のグリップ部分に相当する部分(グリップ部)
70と、グリップ部70の外周面に沿って配置されたグ
リップカバー71とから形成される。グリップカバー7
1は、硬質ゴム製の筒状部材であり、内周面には、グリ
ップ部70との間に流体を蓄えるための空洞72が形成
されている。そして、このグリップカバー71の竿先側
の端部及び竿元側の端部は、グリップ部70の外周面に
接着剤により強固に接着されている。このようにして、
空洞72は密封されている。
【0031】なお、注入部材75、通路76、及び空洞
72内の流体量の調整については、第1実施形態と同様
である。この第4の実施形態に係る釣竿グリップにおい
ても、前記各実施形態と同様の効果を得られる。 [他の実施形態] (a)チューブを透過性のある弾性体により成形し、内
部の流体を目視できるようにすれば、流体量の調整を容
易にすることができる。加えて、内部の流体に色素等に
より着色した液体等を用いれば、商品イメージに合わせ
て様々な色彩・模様等を表現でき、質感の向上も図るこ
とができる。
【0032】(b)流体の種類に合わせて、流体注入出
器30として電動式のポンプやエアコンプレッサー等を
用いることも可能である。 (c)前グリップ12や手元グリップ13を一旦成形し
た後に、これらグリップの表面に別の合成樹脂等を被覆
し積層構造として、表面の手触り・滑りにくさ等を向上
させることも可能である (d)空洞内に、例えば炭酸カルシウムの粉末と、希塩
酸とをそれぞれカプセルに納めて配置し、グリップを握
りカプセルを押しつぶして物質を反応させることによっ
て、空洞内に流体を発生させ、流体の量や圧力を調整す
ることもできる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、グリップの内部に流体
を充填するための空洞を設けたので、空洞内の流体の量
等を調整してグリップの弾性力等をユーザの好みに応じ
て調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が採用された手元竿の側
面部分図。
【図2】前グリップの断面側面図。
【図3】竿尻部の側面図。
【図4】前グリップの一部および流体注入出器の断面側
面図
【図5】本発明の第2実施形態が採用された前グリップ
の断面側面図。
【図6】本発明の第3実施形態が採用された前グリップ
の断面側面図。
【図7】本発明の第4実施形態が採用された前グリップ
の断面側面図。
【符号の説明】
11 竿本体 12 前グリップ 13 手元グリップ 20 ベース部 21,31,62,72 空洞 22,32 チューブ 40 流体注入出器 50 ポンプ部 60,70 グリップ部 61、71 グリップカバー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に流体を充填するための空洞を有する
    釣竿用グリップ。
  2. 【請求項2】釣竿本体に装着される釣竿用グリップであ
    って、 前記釣竿本体の外周に沿って配置されるグリップベース
    と、 このグリップベース外周部に配置され、内部に流体を充
    填するための空洞を有するグリップ本体と、を備えた釣
    竿用グリップ。
  3. 【請求項3】前記空洞には流体が加圧された状態で充填
    されている、請求項1又は2に記載の釣竿用グリップ。
  4. 【請求項4】前記空洞に流体を注入する流体注入手段を
    さらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載の釣竿
    用グリップ。
  5. 【請求項5】前記空洞に充填された流体の量を調整する
    流体調整手段をさらに備えた、請求項1から4のいずれ
    かに記載の釣竿用グリップ。
  6. 【請求項6】前記グリップ本体は、その内部の流体を外
    部より視認可能な程度の透光性を有している、請求項2
    に記載の釣竿用グリップ。
  7. 【請求項7】前記空洞内部に流体発生手段をさらに備え
    た、請求項1から6のいずれかに記載の釣竿用グリッ
    プ。
  8. 【請求項8】釣竿本体との間に流体充填用の空洞を有す
    る釣竿用グリップ構造。
  9. 【請求項9】釣竿本体に他の部分に比較して大径に形成
    されるとともに、外周部に流体充填用の環状の空洞を有
    するグリップ部と、 前記空洞内をシールしながら前記グリップ部を覆う筒状
    のグリップカバーと、を備えた釣竿用グリップ構造。
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