JPH10201345A - コンバインの操作装置 - Google Patents

コンバインの操作装置

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JPH10201345A
JPH10201345A JP23776797A JP23776797A JPH10201345A JP H10201345 A JPH10201345 A JP H10201345A JP 23776797 A JP23776797 A JP 23776797A JP 23776797 A JP23776797 A JP 23776797A JP H10201345 A JPH10201345 A JP H10201345A
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shaft
hydraulic
speed
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Shigemi Hidaka
高 茂 實 日
Daigo Yokoyama
山 大 悟 横
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操向ハンドルに敏感或いは鈍感に反応
させた機体の旋回作業を可能とさせる。 【解決手段】 エンジン(21)からの駆動力を油圧
変速機構(25)及びギヤ差動機構(33)を介し走行
部に伝達して機体を変速自在に走行すると共に、操向ハ
ンドル(19)の操向操作力を油圧操向機構(28)を
介してギヤ差動機構(33)に伝達して、左右走行部の
回転を異ならせて機体の旋回を行うようにしたコンバイ
ンの操作装置において、前記操向ハンドル(19)の操
向操作力を不等速ギヤ(114)(116)を介し、油
圧操向機構に伝達するように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変速レバーで油圧変
速機構を変速操作して走行速度の変速を、また操向ハン
ドルで油圧操向機構を操向操作して機体の旋回をそれぞ
れ行うようにしたコンバインの操作装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば丸形の操向ハン
ドルの回転操向出力は、通常等速のステアリングギヤを
介し操向部に伝達されて、操向ハンドルの操作量に比例
した機体の旋回が行われている。このような従来構造に
あって、旋回の初期動作を速くあるいは遅くしようとす
る場合には、その都度操向ハンドルの操作量であるハン
ドル角度を大或いは小に操作してこれに対応させる作業
の煩わしさがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、エ
ンジンからの駆動力を油圧変速機構及びギヤ差動機構を
介し走行部に伝達して機体を変速自在に走行すると共
に、操向ハンドルの操向操作力を油圧操向機構を介して
ギヤ差動機構に伝達して、左右走行部の回転を異ならせ
て機体の旋回を行うようにしたコンバインの操作装置に
おいて、前記操向ハンドルの操向操作力を不等速ギヤを
介し、油圧操向機構に伝達するように設けて、ハンドル
操作に敏感或いは鈍感に反応させた機体の旋回を可能と
させるものである。
【0004】また、不等速ギヤは操作初期の立上り出力
を大とさせるように設けて、ハンドルの操作初期の一定
操作量に対し、機体の旋回量を従来より大とさせた敏感
な旋回を行って、旋回遅れなど起こすことのない迅速且
つ良好な操向作業を可能とさせるものである。
【0005】さらに、不等速ギヤは操作初期の立上り出
力を小とさせるように設けて、ハンドルの操作初期の一
定操作量に対し機体の旋回量を従来よりも小とさせた鈍
感な旋回を行って、ハンドルの直進操作性を向上させた
良好な旋回作業を可能とさせるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図1は操向ハンドル部の平面説明図、
図2はコンバインの全体側面図、図3は同平面図であ
り、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラッ
クフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架
設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張
架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀機
である脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構
(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム
(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリン
ダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁
処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒
(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記
タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、
(18)は丸形操向ハンドル(19)及び運転席(2
0)などを備える運転キャビン、(21)は運転キャビ
ン(18)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈
を刈取って脱穀するように構成している。
【0007】図4に示す如く、前記走行クローラ(2)
を駆動するミッションケース(22)は、1対の第1油
圧ポンプ(23)及び第1油圧モータ(24)からなる
主変速機構である走行用の油圧式無段変速機構(25)
と、1対の第2油圧ポンプ(26)及び第2油圧モータ
(27)からなる操向機構である旋回用の油圧式無段変
速機構(28)とを備え、前記エンジン(21)の出力
軸(21a)に第1及び第2油圧ポンプ(23)(2
6)の入力軸(29)を伝達ベルト(30)を介し連動
連結させて、これら油圧ポンプ(23)(26)の駆動
を行うように構成している。
【0008】そして前記第1油圧モータ(24)の出力
軸(31)に、副変速機構(32)及び差動機構(3
3)を介し走行クローラ(2)の駆動輪(34)を連動
連結させるもので、前記差動機構(33)は左右対称の
1対の遊星ギヤ機構(35)(35)を有し、各遊星ギ
ヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該サンギ
ヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ(3
7)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリング
ギヤ(38)などで形成している。
【0009】前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸
(39)と同軸線上とのキャリヤ軸(40)のキャリヤ
(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギ
ヤ(36)(36)を挾んで左右のキャリヤ(41)を
対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プ
ラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯(38a)を有し
てサンギヤ軸(39)とは同一軸芯上に配置させ、キャ
リヤ軸(40)に回転自在に軸支させている。
【0010】また、走行用の油圧式無段変速機構(2
5)は第1油圧ポンプ(23)の回転斜板の角度変更調
節により第1油圧モータ(24)の正逆回転と回転数の
制御を行うもので、第1油圧モータ(24)の回転出力
を出力軸(31)の伝達ギヤ(42)より各ギヤ(4
3)(44)(45)及び副変速機構(32)を介し
て、サンギヤ軸(39)に固定したセンタギヤ(46)
に伝達してサンギヤ(36)を回転するように構成して
いる。前記副変速機構(32)は、前記ギヤ(45)を
有する副変速軸(47)と、前記センタギヤ(46)に
噛合うギヤ(48)を有する駐車ブレーキ軸(49)と
を備え、副変速軸(47)とブレーキ軸(49)間に各
1対の低速用ギヤ(50)(48)・中速用ギヤ(5
1)(52)・高速用ギヤ(53)(54)を設けて、
中央位置のギヤ(51)のスライド操作によってこれら
低速・中速・高速の切換えを可能とさせるように構成し
ている(なお低速・中速間及び中速・高速間には中立を
有するものである)。また前記ブレーキ軸(49)には
車速検出ギヤ(55)を設けると共に、該ギヤ(55)
の回転数より車速を検出する車速センサ(56)を設け
ている。なお、刈取部(8)に回転力を伝達する刈取P
TO軸(57)のPTO入力ギヤ(58)に、前記出力
軸(31)の伝達ギヤ(42)を噛合連結させている。
【0011】そして、前記センタギヤ(46)を介しサ
ンギヤ軸(39)に伝達された第1油圧モータ(24)
からの駆動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)を介しキ
ャリヤ軸(40)に伝達させると共に、該キャリヤ軸
(40)に伝達された回転を左右各一対の減速ギヤ(6
0)(61)を介し左右の駆動輪(34)の左右輪軸
(34a)にそれぞれ伝えるように構成している。
【0012】さらに、旋回用の油圧式無段変速機構(2
8)は第2油圧ポンプ(26)の回転斜板の角度変更調
節により第2油圧モータ(27)の正逆回転と回転数の
制御を行うもので、第2油圧モータ(27)の出力軸
(62)の出力ギヤからギヤ伝達機構(63)を介し旋
回入力軸(64)の入力ギヤ(65a)(65b)に回
転出力を伝達し、右側のリングギヤ(38)の外歯(3
8b)を対しては直接的に、また左側のリングギヤ(3
8)の外歯(38b)に対しては逆転軸(66)の逆転
ギヤ(67)を介し伝えて、第2油圧モータ(27)の
正転時に左右のリングギヤ(38)を左右同一回転数で
左ギヤ(38)を正転、右ギヤ(38)を逆転とさせる
ように構成している。
【0013】而して旋回用の第2油圧モータ(27)の
駆動を停止させ左右リングギヤ(38)を静止固定させ
た状態で、走行用の第1油圧モータ(24)の駆動を行
うと、第1油圧モータ(24)からの回転出力はセンタ
ギヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数
で伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギ
ヤ(37)・キャリヤ(41)及び減速ギヤ(60)
(61)を介し左右の輪軸(34a)に左右同回転方向
の同一回転数で伝達されて、機体の前後直進走行が行わ
れる。一方、走行用の第1油圧モータ(24)の駆動を
停止させ左右のサンギヤ(36)を静止固定させた状態
で、旋回用の第2油圧モータ(27)を正逆回転駆動す
ると、左側の遊星ギヤ機構(35)が正或いは逆回転、
また右側の遊星ギヤ機構(35)が逆或いは正回転し
て、左右走行クローラ(2)の駆動方向を前後逆方向と
させて機体を左或いは右にその場でスピンターンさせる
ものである。
【0014】また走行用の第1油圧モータ(24)を駆
動させながら、旋回用の第2油圧モータ(27)を駆動
して機体を左右に旋回させる場合には旋回半径の大きい
旋回を可能にできるもので、その旋回半径は左右走行ク
ローラ(2)の速度に応じ決定される。
【0015】図5乃至図13に示す如く、前記走行用の
油圧式無段変速機構(25)に連結する主変速レバー
(68)と、旋回用の油圧式無段変速機構(28)に連
結する操向ハンドル(19)とを、変速及び旋回連動機
構(69)に連動連結させると共に、該連動機構(6
9)を走行変速及び操向リンク系であるリンク機構(7
0)(71)介し走行及び操向用の無段変速機構(2
5)(28)のコントロールレバーであるアーム(7
2)(73)に連動連結させている。
【0016】前記連動機構(69)は、主変速レバー
(68)の基端折曲部(68a)を筒軸(74)に左右
揺動自在に支持する回動板(75)と、機体側の本機フ
レーム(76)に固設して前記回動板(75)を左右方
向の第1枢軸(77)を介し前後回動自在に支持する固
定取付板(78)と、前記枢軸(77)とは直交する前
後方向の第2枢軸(79)を介して回動板(75)に連
結させて該軸(79)回りに回動自在に設ける変速操作
部材(80)と、前記第2枢軸(79)の軸回りに回動
自在に連結させる操向操作部材(81)とを備え、変速
及び操向操作部材(80)(81)の第2枢軸(79)
とは偏心位置の各操作出力部(80a)(81a)を変
速及び操向リンク機構(70)(71)に連動連結させ
ている。
【0017】前記変速及び操向リンク機構(70)(7
1)は、連動機構(69)後方位置で本機フレーム(7
6)側に揺動軸(82)外側の揺動筒軸(83)を介し
支持する変速アーム(84)と、前記揺動軸(82)に
基端を固設する旋回出力逆転手段である操向アーム(8
5)と、前記出力部(80a)(81a)の各操作出力
軸(86)(87)と各アーム(84)(85)間を連
結する自在継手軸(88)(89)と、前記揺動軸(8
2)の右端に固設する操向出力アーム(91)と、前記
運転キャビン(18)の回動支点軸(92)の支点軸受
(93)に取付ける中間軸(94)に回転自在に設ける
変速及び操向用第1揺動アーム(95)(96)と、前
記アーム(84)(91)と第1揺動アーム(95)
(96)の各先端間をそれぞれ連結する変速及び操向用
自在継手形第1ロッド(97)(98)と、前記中間軸
(94)に設けて第1揺動アーム(95)(96)に一
体連結する変速及び操向用第2揺動アーム(99)(1
00)と、前記ミッションケース(22)上部の軸受板
(101)に取付ける支軸(102)に回動自在に支持
させる変速及び操向用筒軸(103)(104)と、該
筒軸(103)(104)に基端を固設する第1揺動ア
ーム(105)(106)と前記第2揺動アーム(9
9)(100)の各先端間を連結する変速及び操向用自
在継手形第2ロッド(107)(108)と、前記筒軸
(103)(104)に基端を固設する第2揺動アーム
(109)(110)と前記コントロールアーム(7
2)(73)の各先端間を連結させる変速及び操向用自
在継手形第3ロッド(111)(112)とを備え、前
記第1枢軸(77)を中心とした変速操作部材(80)
の回動によって走行用のコントロールアーム(72)
を、また走行中の第2枢軸(79)を中心とした操向操
作部材(81)の回動によって操向用のコントロールア
ーム(73)を操作して変速及び操向制御を行うように
構成している。
【0018】一方前記操向ハンドル(19)下端のハン
ドル操作軸(113)にギヤ(114)を設けて、この
後方の回転軸(115)に取付けるセクタギヤ(11
6)に前記ギヤ(114)を噛合せると共に、前記主変
速レバー(68)位置下方に配設する操向軸(117)
の第1揺動アーム(118)と、前記回転軸(115)
に基端を固設する出力アーム(119)との各先端間を
操向リンク機構である自在継手形操向第1ロッド(12
0)を介して連結させ、操向軸(117)の第1揺動ア
ーム(118)と一体の第2揺動アーム(121)を、
前記自在継手軸(89)の前端に自在継手形操向第2ロ
ッド(122)を介して連結させ、前記ハンドル(1
9)の回動操作によって前記第2枢軸(79)を中心と
して操向操作部材(81)を回動するように構成してい
る。
【0019】また、前記ハンドル操作軸(113)のギ
ヤ(114)下方に中立位置決め板(123)を設けて
いて、該位置決め板(123)下面の突出軸(124)
に操向検出リンク(125)の一端を連結させ、前記回
転軸(115)の右側に配設する減速アーム軸(12
6)の第1揺動アーム(127)と前記検出リンク(1
25)の他端長孔(125a)とを軸(128)を介し
連結させると共に、前記操向軸(117)の減速アーム
(129)と減速アーム軸(126)の第2揺動アーム
(130)との各先端間を減速リンク機構である自在継
手形第1減速ロッド(131)で連結させ、前記変速操
作部材(80)の最右端の減速伝達軸(132)と第2
揺動アーム(130)の他端間を自在継手形第2減速ロ
ッド(133)で連結させて、走行状態で前記ハンドル
(19)の操向量を大とする程第2減速ロッド(13
3)を下方に引張って走行速度を減速させるように構成
している。
【0020】而して、前記変速及び操向操作部材(8
0)(81)を軸回りに回動可能とさせる第2枢軸(7
9)と、操向アーム(85)と継手軸(89)との自在
継手部(89a)とを前後方向の水平ライン(L1)上
に位置させ、また前記操作出力軸(86)(87)と自
在継手軸(88)(89)との自在継手部(88b)
(89b)と、第1枢軸(77)とを前記ライン(L
1)に直交させる左右水平ライン(L2)上に位置さ
せ、さらに前記変速アーム(84)と継手軸(88)と
の自在継手部(88a)と前記継手部(89a)とを前
記ライン(L2)と平行な左右水平ライン(L3)上に
位置させ、且つ継手部(89a)に継手部(88a)を
可及的に接近(最大限近い位置)させて、主変速レバー
(68)及び操向ハンドル(19)の中立保持時に、こ
れら何れか一方が操作されても、各操作部材(80)
(81)を第1及び第2枢軸(77)(79)の軸回り
に回動させるのみとさせて、継手軸(88)(89)に
は操作力を作用させないものである。
【0021】そして図10にも示す如く、主変速レバー
(68)の前後進操作で、第1枢軸(77)を中心とし
て操作部材(80)を前後に角度(α1)(α2)傾け
るとき前記継手軸(88)を引張って或いは押して変速
アーム(84)を動作させて走行速度の前後進の切換え
を行うと共に、図11に示す如くこの状態中(主変速レ
バー(68)が中立以外のとき)に操向ハンドル(1
9)の回動操作で第2枢軸(79)を中心として操作部
材(81)を上下に角度(β1)(β2)傾けるとき継
手軸(89)を引張って或いは押して操向アーム(8
5)を動作させて機体の左及び右旋回を行うものであ
る。即ち主変速の中立時に旋回操作を行っても継手軸
(89)はライン(L1)を中心とした円錐面上で移動
する状態となって継手部(89a)(89b)間の距離
は変化せず、したがって操向アーム(85)は動作しな
い。そして主変速の中立以外で旋回操作が行われるとき
操向アーム(85)は動作するもので、前後進に切換わ
るとき操向アーム(85)は前後逆方向に動作して、第
2油圧モータ(27)の回転を前進時と後進時では逆方
向とさせるように構成したものである。
【0022】つまり、走行用の第1油圧モータ(24)
の正回転時を前進時とすると、逆回転時の後進時には旋
回用の第2油圧モータ(27)による遊星ギヤ機構(3
5)の作用は前進時と後進時では逆となるもので、前進
時と後進時のハンドル(19)操作による機体の旋回方
向を一致させるため、第1油圧モータ(24)の逆回転
(後進)時には第2油圧ポンプ(26)の斜板角度を逆
方向に切換えて(第1及び第2油圧ポンプ(23)(2
6)の入力軸の回転方向は一定)、第2油圧モータ(2
7)の回転を前進時と後進時では逆方向とさせるもので
ある。
【0023】つまりこの場合、前進操作時の操作部材
(80)が中立より前方の角度(α1)側に傾いて、ハ
ンドル(19)の右回動操作によって第2ロッド(12
2)を引張り操作部材(81)を下方向の角度(β2)
側に傾けるとき、操作部材(81)の出力部(81a)
を操向アーム(85)側に近づけて、揺動軸(82)を
中心として操向アーム(85)を操作部材(81)より
遠ざける方向(図6中反時計方向)に回転させ、前記第
1及び第2ロッド(98)(108)などを介しコント
ロールアーム(73)を下方向に回転させて、旋回用の
第2油圧モータ(27)を正回転させる。即ち、機体を
前進で右旋回(走行クローラ(2)の速度を左側が大、
右側が小)させる。
【0024】また、上述の前進操作時で、ハンドル(1
9)の左回動操作によって第2ロッド(122)を押し
上げ操作部材(81)を上方向の角度(β1)側に傾け
るとき、操作部材(81)の出力部(81a)を操作ア
ーム(85)側より遠ざけて、揺動軸(82)を中心と
して操向アーム(85)を操作部材(81)側に近づけ
る方向(図6中時計方向)に回転させ、前記コントロー
ルアーム(73)を上方向に回転させて、前記第2油圧
モータ(27)を逆回転させる。即ち、機体を前進で左
旋回(走行クローラ(2)の速度を右側が大、左側が
小)させる。
【0025】さらに、後進操作時の操作部材(80)が
中立より後方の角度(α2)側に傾いて、ハンドル(1
9)の右回動操作によって第2ロッド(122)を引張
り操作部材(81)を下方向の角度(β2)側に傾ける
とき、操作部材(81)の出力部(81a)を操向アー
ム(85)側より遠ざけて、揺動軸(82)を中心とし
て操向アーム(85)を操作部材(81)側に近づける
方向(図6中時計方向)に回転させ、前記コントロール
アーム(73)を上方向に回転させて、前記第2油圧モ
ータ(27)を逆回転させる。即ち、機体を後進で右旋
回(走行クローラ(2)の速度を左側が大、右側が小)
させる。
【0026】またさらに、上述とは逆に後進操作時で、
ハンドル(19)の左回動操作によって、操作部材(8
1)を上方向の角度(β1)側に傾けるとき、操作部材
(81)の出力部(81a)を操作部材(81)側に近
づけて、揺動軸(82)を中心として操向アーム(8
5)を操作部材(81)より遠ざける方向(図6中反時
計方向)に回転させ、前記コントロールアーム(73)
を下方向に回転させて、前記第2油圧モータ(27)を
正回転させる。即ち、機体を後進で左旋回(走行クロー
ラ(2)の速度を右側が大、左側が小)とさせる。
【0027】このように前進及び後進時における旋回操
作にあっては、操向アーム(85)の動きを逆方向とさ
せて、前後進の何れにおいても操向ハンドル(19)の
回動操作方向と機体の旋回方向とを一致させるものであ
る。
【0028】また図1にも示す如く、前記操向ハンドル
(19)に設ける検出リンク(125)は中立位置より
右或いは左旋回操作の何れにおいても第1揺動アーム
(127)を同一方向に角度(θ)の範囲で回動させて
第2減速ロッド(133)を常に引張る状態とさせて、
前進操作時の操作部材(80)が角度(α1)側に傾い
てるときには、継手部(88a)(88b)間の距離を
縮め、また後進操作時の操作部材(80)が角度(α
2)側に傾いているときには、継手部(88a)(88
b)間の距離を大きくして、変速アーム(84)をそれ
ぞれ中立方向の低速側に変位させて、その旋回量に応じ
た減速を行うものである。
【0029】さらに、変速及び操向の操作力を伝達する
前記第1ロッド(97)(98)と揺動アーム(95)
(96)の自在継手部(97a)(98a)の中心を、
運転キャビン(18)の回動支点軸(92)位置に一致
させて、変速及び操向の中立保持においてはこれらの操
作系を取外すことなく運転キャビン(18)の前方向へ
の回動を可能とさせるように構成している。
【0030】図4及び図14に示す如く、前記第1及び
第2油圧ポンプ(23)(26)と第1及び第2油圧モ
ータ(24)(27)とをそれぞれループ油圧回路(1
34)(135)を介し正逆自在に接続させ、前記第1
及び第2油圧モータ(24)(27)の出力軸(31)
(62)には、電磁弁(136)(137)の作動によ
って出力軸(31)(62)を静止保持する走行停止及
び直進固定用の走行及び旋回用ブレーキ装置(138)
(139)を設けると共に、前記駐車ブレーキ軸(4
9)にはブレーキ軸(49)を静止保持する駐車ブレー
キ装置(140)を設けている。
【0031】ところで、図15乃至図18に示す如く、
操向ハンドル(19)の操向出力を変速機構(28)に
伝達する前記1対のギヤ(114)(116)は、非円
形状の不等速ギヤに形成して、ハンドル(19)の操向
出力を不等速に伝達するもので、操作軸(113)のギ
ヤ(114)の円周一部に軸(113)から歯部までの
距離が他より長い長径部(114a)を突出形成すると
共に、セクタギヤ(116)の円周中央部に軸(11
5)から歯部までの距離の短い短径部(116a)を陥
設形成して、ハンドル(19)の中立位置時に前記長径
部(114a)と短径部(116a)とを結合状態とさ
せて、図18のライン(A)に示す如く、ハンドル(1
9)の操作初期のハンドル角度が小のとき、従来の等速
ギヤより操向出力を大にコントロールアーム(73)に
伝達させ、ハンドル(19)の操作初期の立上りを大と
させて、ハンドル(19)の初期操作に敏感に反応させ
た旋回を行うように構成している。
【0032】また図19に示すものは、前述とは逆に前
記ギヤ(114)の円周一部に軸(113)から歯部ま
での距離が他より短い短径部(114b)を形成すると
共に、セクタギヤ(116)の円周中央部に軸(11
5)から歯部までの距離の長い長径部(116b)を形
成して、ハンドル(19)の中立位置時に前記短径部
(114b)と長径部(116b)とを結合状態とさせ
て、図18のライン(B)に示す如く、ハンドル(1
9)の操作初期の立上りを小とさせ、ハンドル(19)
の初期操作に鈍感に反応させた旋回を行うように構成し
ている。
【0033】このような結果、例えばハンドル角度が3
0°のときに機体が実際の旋回を開始するような条件の
ものにおいては、操作初期の立上り出力を大とさせるも
のにおいてハンドル角度が略18°となるとき、また小
とさせるものにおいて略40°となるとき、実際の旋回
を開始させることができて、作業者の熱練度や性格など
に最適に適応させた旋回作業を可能とさせることができ
るものである。
【0034】なお、図18はハンドル(19)の左或い
は右旋回時のハンドル角度に対応させたものであり、ア
ーム角度はコントロールアーム(73)の揺動角を表わ
したものである。
【0035】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、エンジン(21)からの駆動力を油圧変速機構(2
5)及びギヤ差動機構(33)を介し走行部に伝達して
機体を変速自在に走行すると共に、操向ハンドル(1
9)の操向操作力を油圧操向機構(28)を介してギヤ
差動機構(33)に伝達して、左右走行部の回転を異な
らせて機体の旋回を行うようにしたコンバインの操作装
置において、前記操向ハンドル(19)の操向操作力を
不等速ギヤ(114)(116)を介し、油圧操向機構
に伝達するように設けたものであるから、ハンドル操作
に敏感或いは鈍感に反応させた機体の旋回を可能とさせ
ることができるものである。
【0036】また、不等速ギヤ(114)(116)は
操作初期の立上り出力を大とさせるものであるから、ハ
ンドル(19)の操作初期の一定操作量に対し、機体の
旋回量を従来より大とさせた敏感な旋回を行って、旋回
遅れなど起こすことのない迅速且つ良好な操向作業を可
能とさせることができるものである。
【0037】さらに、不等速ギヤ(114)(116)
は操作初期の立上り出力を小とさせるものであるから、
ハンドル(19)の操作初期の一定操作量に対し機体の
旋回量を従来よりも小とさせた鈍感な旋回を行って、ハ
ンドル(19)の直進操作性を向上させた良好な旋回作
業を可能とさせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】操向ハンドル部の平面説明図である。
【図2】コンバインの全体側面図である。
【図3】コンバインの全体平面図である。
【図4】ミッション駆動系の説明図である。
【図5】主変速レバー及び操向ハンドルの操作系の斜視
説明図である。
【図6】走行変速及び操向操作部の側面説明図である。
【図7】操作部の正面説明図である。
【図8】操作部の平面説明図である。
【図9】操作部の側面説明図である。
【図10】操作部材の側面説明図である。
【図11】操作部材の正面説明図である。
【図12】操作部材の平面説明図である。
【図13】リンク機構部の平面説明図である。
【図14】油圧回路図である。
【図15】不等速ギヤの平面説明図である。
【図16】不等速ギヤの中立結合状態を示す斜視説明図
である。
【図17】不等速ギヤの旋回結合状態を示す斜視説明図
である。
【図18】ハンドル角度とコントロールアーム角度の関
係を表わす線図である。
【図19】不等速ギヤの他の説明図である。
【符号の説明】
(19) 操向ハンドル (21) エンジン (25) 変速機構 (28) 変速機構(操向機構) (33) 差動機構 (114)(116) 不等速ギヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力を油圧変速機構及
    びギヤ差動機構を介し走行部に伝達して機体を変速自在
    に走行すると共に、操向ハンドルの操向操作力を油圧操
    向機構を介してギヤ差動機構に伝達して、左右走行部の
    回転を異ならせて機体の旋回を行うようにしたコンバイ
    ンの操作装置において、前記操向ハンドルの操向操作力
    を不等速ギヤを介し、油圧操向機構に伝達するように設
    けたことを特徴とするコンバインの操作装置。
  2. 【請求項2】 不等速ギヤは操作初期の立上り出力を大
    とさせるように設けたことを特徴とする請求項1記載の
    コンバインの操作装置。
  3. 【請求項3】 不等速ギヤは操作初期の立上り出力を小
    とさせるように設けたことを特徴とする請求項1記載の
    コンバインの操作装置。
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