JPH10201266A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JPH10201266A
JPH10201266A JP9014821A JP1482197A JPH10201266A JP H10201266 A JPH10201266 A JP H10201266A JP 9014821 A JP9014821 A JP 9014821A JP 1482197 A JP1482197 A JP 1482197A JP H10201266 A JPH10201266 A JP H10201266A
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JP
Japan
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driving
moving member
axis
extension
drive
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Application number
JP9014821A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kanbara
哲郎 神原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10201266A publication Critical patent/JPH10201266A/ja
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を利用した駆動装置において、摩擦
結合部分の摩擦力が設計上の許容範囲に容易におさまる
ような構造を提供する。 【解決手段】 駆動部材13は圧電素子11に固定され
ており、圧電素子の伸縮に伴い軸方向に往復動する。移
動部材14は駆動部材13に摩擦結合し、加速度の小さ
い往動時には駆動部材とともに移動部材が移動し、加速
度の大きい復動時には移動部材がその場に取り残され
る。この動作を繰り返して結果的に往動方向の送りが行
われる。移動部材の摩擦結合部分をバネ機能を果たす部
分と摩擦力を発生する部分とに機能的に分離する。摩擦
結合部分は第1の延長部、曲げ部及び第2の延長部から
なり、2つの延長部の一方は凹曲しており、この凹曲部
に駆動部材13を受け入れる。曲げ部と2つの延長部の
ほとんどの部分がバネ機能を果たし、凹曲部の2カ所と
延長部の1カ所が駆動部材に接触し摩擦力を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電気機械変換素子
を使用した駆動装置に関し、特に部品点数の少ない、小
型軽量な、製造の容易な電気機械変換素子を使用した駆
動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1の先行技術 写真撮影の際に生ずるカメラの手ぶれによる結像面の像
ぶれを補正する手段として、撮影レンズの絞りの直後に
配置される2枚の補正レンズを光軸方向に対して直交す
る平面内で偏心駆動させる防振光学系が知られている。
この防振光学系を備えたレンズ装置では、補正レンズを
所定の方向に駆動する専用の駆動機構がレンズ装置に組
み込まれている。
【0003】前記した防振光学系の補正レンズを駆動す
る機構としては、従来直流モータと歯車減速機構からな
る駆動機構などが採用されてきたが、このような構成で
は、モータが大きいばかりでなく、歯車減速機構もバッ
クラッシュを排除する機構を組み込むなどのために大き
なスペースが占有され、どうしてもレンズ鏡筒が大型の
ものにならざるを得ず、また、歯車減速機構を使用する
ために作動時にノイズが発生して商品の品位を落とすと
いう不都合もあったため、出願人は先に圧電素子を使用
したアクチュエータを駆動源とする補正レンズ駆動機構
を提案した(特願平6−200269号参照)。
【0004】図14は上記した圧電素子を使用したアク
チュエータを駆動源とする補正レンズ駆動機構の構成を
示す斜視図である。第1レンズ群L1を偏心移動させる
アクチュエータ122はX軸方向に平行に、また、第2
レンズ群L2を偏心移動させるアクチュエータ123は
Y軸方向に平行に配置されている。アクチュエータ12
2及びアクチュエータ123は同一構成のもので、圧電
素子132(142)、駆動軸131(141)、レン
ズ保持枠112(113)と一体に構成され駆動軸13
1(141)と摩擦結合する結合部分112a(113
a)、パツド112c(113c)、摩擦結合力を調整
する板ばね112d(113d)などから構成される。
【0005】第1のレンズ群L1のX軸方向の位置はレ
ンズ保持枠112に取り付けられたX軸方向位置センサ
135で検出され、また、第2のレンズ群L2のY軸方
向の位置はレンズ保持枠113に取り付けられたY軸方
向位置センサ145で検出される。X軸方向位置センサ
135、Y軸方向位置センサ145は、公知の位置セン
サ、例えば図示しないレンズ鏡筒の延長部に、所定間隔
で着磁した着磁ロツド136(146)を駆動軸131
(141)に平行して配置し、着磁ロツド136(14
6)の磁気をレンズ保持枠112(113)に取り付け
られた磁気抵抗素子からなるセンサ135(145)で
検出する磁気抵抗式センサなどが利用できる。そのほか
各種の位置センサを利用することができる。
【0006】次に、図14を参照してアクチュエータ1
22による第1のレンズ群L1、及びアクチュエータ1
23による第2のレンズ群L2の駆動について説明す
る。
【0007】図示しない手ぶれセンサ、例えばカメラの
X軸及びY軸方向の加速度を検出する手ぶれセンサの出
力から演算した手ぶれ量と、前記位置センサで検出した
レンズ位置に基づいて補正レンズの駆動量を演算し、演
算された駆動量に基づいてアクチュエータの圧電素子に
駆動パルスを印加し、補正レンズを駆動する。
【0008】例えば、図10に示すような緩やかな立ち
上がり部とこれに続く急速な立ち下がり部からなる波形
の駆動パルスをアクチュエータ122の圧電素子132
に印加すると、駆動パルスの緩やかな立ち上がり部では
圧電素子132が緩やかに厚み方向の伸び変位を生じ、
駆動軸131は矢印a(図14)で示す方向に変位す
る。このため駆動軸131に結合部分112aで摩擦結
合しているレンズ保持枠112も矢印a方向へ移動し、
第1のレンズ群L1は矢印aで示すX軸正方向に変位す
る。
【0009】駆動パルスの急速な立ち下がり部では、圧
電素子132が急速に厚み方向の縮み変位を生じ、駆動
軸131も矢印aと反対方向へ変位する。このとき、駆
動軸131に結合部分112aで摩擦結合しているレン
ズ保持枠112は、その慣性力により駆動軸131との
間の摩擦結合力に打ち勝つて実質的にその位置に留まる
ので、第1のレンズ群L1は移動しない。
【0010】なお、ここでいう実質的とは、矢印a方向
と、これと反対方向のいずれにおいてもレンズ保持枠1
12の結合部分112aと駆動軸131との間に滑りを
生じつつ追動し、駆動時間の差によつて全体として矢印
a方向に移動するものも含むことを意味している。どの
ような移動形態になるかは、与えられた摩擦条件に応じ
て決定される。
【0011】上記波形の駆動パルスを連続して圧電素子
132に印加することにより、第1のレンズ群L1をX
軸正方向へ連続して移動させることができる。
【0012】第1のレンズ群L1をX軸の負方向、即ち
矢印aと反対方向へ移動させるときは、急速な立ち上が
り部とこれに続く緩やかな立ち下がり部からなる波形の
駆動パルスを圧電素子132に印加することで達成され
る。
【0013】アクチュエータ123による第2のレンズ
群L2の駆動も全く同様で、駆動パルスをアクチュエー
タ123の圧電素子142に印加することで、第2のレ
ンズ群L2を矢印bで示すY軸方向(正負方向)に変位
させることができる。 第2の先行技術 前記した圧電素子を使用したアクチュエータは、直流モ
ータと歯車減速機構からなる駆動機構などのように大き
なスペースを占有されることがなく、装置全体を小型で
軽量なものに纏めることができ、作動時にノイズが発生
することもないなど優れた性能を備えているが、なお、
より一層部品点数が少なく、さらに小型化するために、
発明者らは上記結合部分112a(113a)、パッド
112c(113c)及び摩擦結合力を発生させる板ば
ね112d(113d)から構成される移動部材を単一
部材によって実現したアクチュエータを提案している
(特願平8ー212182号参照)。
【0014】上記提案のアクチュエータを図15、図1
6、図17、図18および図19を参照して説明する。
【0015】X軸アクチュエータ10及びY軸アクチュ
エータ20は台枠1の上に配置される。
【0016】アクチュエータ10及び20は基本的に同
様であるので、以下X軸アクチュエータ10について説
明するが、Y軸アクチュエータ20に係る番号は20番
台で示されているのでX軸アクチュエータ10の10番
台の番号と対応して参照されたい。
【0017】アクチュエータ10の圧電素子11の一端
はそれぞれ台枠1上の支持ブロツク3に接着固定され、
圧電素子11の他の端にはそれぞれ駆動軸13が接着固
定され、それぞれブロツク12によりX軸に平行な方向
及びY軸に平行な方向に移動可能に支持されている。
【0018】駆動軸13には移動部材14の摩擦結合部
分14aがX軸に平行な方向に移動可能に適当な摩擦力
で摩擦結合している。つまり、摩擦結合部分14aは、
図16及び図19において最もよく示されているが、移
動部材14の本体部分から直ちに巻き込まれた構造をし
ている。この巻き込まれた部分が駆動部材13に嵌合さ
れて、駆動部材13と移動部材14とは摩擦結合の関係
をなしている。
【0019】移動部材14から延長された延長足部14
bは補正レンズLの鏡筒2に形成された作用部材15の
Y軸に平行な方向に延びた溝に係合し、作用部材15に
対し付勢バネ16により圧接されている。付勢バネ16
による延長足部14bの圧接力は移動部材14の軸方向
へ移動する力よりも十分に大きく設定されている。
【0020】圧電素子10には第1の先行技術で説明の
とおりの駆動パルスが印加される。
【0021】第2の先行技術のものにおいて、手ぶれ補
正レンズLは、1郡しか設けられていないので、X軸及
びY軸の両方向に駆動される。Y軸アクチュエータ20
が駆動されるとき、X軸アクチュエータ10によってそ
の動きが妨げられないようにするため、延長足部14b
は作用部材15の溝内でY軸方向に摺動可能となってお
り、2つの軸の運動が相互に干渉しないようにされてい
る。
【0022】移動部材14(24)は、その摩擦結合部
分14a(24a)及び延長足部14b(24b)を含
めて単一部材から構成されているから、部品点数を減ら
して構成を簡素にし組立工数を減らすことができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述のアクチュエータ
は駆動部材の加速度と、駆動部材と被駆動部材との間の
摩擦力と、被駆動部材の質量との3者の関係から駆動送
りが行われるものであるから、上記摩擦力は設計上定め
られた許容範囲内におさまるものでなければならない。
【0024】ところが、上記第2の先行技術において、
アクチュエータの移動部材14は摩擦結合部分14aが
本体部分から直ちに巻き込まれた構造であり、摩擦面と
摩擦力を発生するためこの面の法線方向の力を与えるば
ねの機能を果たす部分が機能的に分離することなく構成
されている。このため、摩擦結合部分をこの形状に加工
するに際し僅かな加工誤差が生じたとしても、駆動部材
と移動部材とが組み立てられたときの移動部材のバネ力
が大きく変動する結果、摩擦力が大きく変動することと
なり、設計上定められた摩擦力の許容範囲を簡単に逸脱
するという問題があった。
【0025】更に、摩擦力は駆動部材と摩擦結合部分と
の相対的寸法関係によって定まるものであるから、同様
に駆動部材に関してもその加工誤差がバネ力ひいては摩
擦力に大きく影響を与えるという問題があった。
【0026】また、逆に、摩擦力を設計上の許容範囲内
におさめるような加工は難度がきわめて高く、結果的に
は製造コストの高騰をまねくとともに量産化に支障を来
すという問題があった。
【0027】請求項1の発明は、移動部材の摩擦結合部
分及び駆動部材の加工を容易にして製造コストを引き下
げるために、加工誤差に関して摩擦力の変動が鈍感な摩
擦結合部分の構造、換言すれば、加工誤差に対して寛容
な摩擦結合部分の構造を提供することを目的とするもの
である。
【0028】また、請求項2から請求項3の発明は、上
記目的に加え更に、摩擦力を発生する摺接部面に過剰な
幾何学的拘束要件を課すことなく、かつ、摩擦結合部分
の摩擦部の形状に誤差があってもこれに対して寛容な構
造を提供することを目的とするものである。
【0029】また、請求項4の発明は、上記目的に加え
更に、繰り返し荷重による疲労が少なく、耐久性に優れ
る曲げ部分の構造を提供することを目的とするものであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記課題は次の解決手段
によって解決される。 (第1)電気機械変換素子を使用した駆動装置であっ
て、前記駆動装置は、電気機械変換素子と、前記電気機
械変換素子に固定結合され、この電気機械変換素子と共
に変位する棒状の駆動部材と、前記駆動部材と摩擦結合
され、それ自体は単一の部材でもって構成された移動部
材と、から構成され、前記移動部材は、移動部材本体部
分と、前記移動部材の本体部分から延長され、前記棒状
の駆動部材と摩擦結合する摩擦結合部分と、前記本体部
分から延長され、被駆動体に結合されて、被駆動体に駆
動力を伝達する駆動作用部分と、から構成され、前記摩
擦結合部分は、前記棒状の駆動部材と摺接する摺接部を
有し、前記移動部材本体に隣接する第1の延長部と、前
記第1の延長部の端部において曲げ返される曲げ部分
と、前記曲げ部分から更に延長され、前記棒状の駆動部
材と摺接する摺接部を有する第2の延長部と、から構成
され、前記第1の延長部の摺接部および第2の延長部の
摺接部のうちの一方は、その内側に前記棒状の駆動部材
を受け入れる凹曲部により形成されているようにするこ
と。 (第2)上記凹曲部は前記駆動部材の軸直角断面でみた
とき異なる2カ所においてのみこの駆動部材と接触する
ようにすること (第3)上記凹曲部がV字形をなすようにすること (第4)上記曲げ部分がU字形をなすようにすること
【0031】
【発明の実施の形態】図1乃至図7を参照して説明す
る。図1はこの発明の駆動装置を適用したカメラの手ぶ
れ補正装置の構成を示す斜視図、図2はその正面図、図
3は手ぶれ補正装置の補正レンズ鏡筒とその支持状態を
示す正面図、図4は図2におけるA−A線に沿った断面
図、図5は図2におけるB−B線に沿った断面図、図6
は図2におけるX軸アクチュエータ10の要部を拡大
し、一部を切り欠いた断面図、図7は移動部材、駆動部
材及び作用部材の関係を示す概要図である。
【0032】本発明の駆動装置をなすX軸アクチュエー
タ10及びY軸アクチュエータ20は台枠1の上に配置
される。アクチュエータ10及び20の圧電素子11及
び21の一端はそれぞれ台枠1上の支持ブロック3に接
着固定され、圧電素子11及び21の他の端にはそれぞ
れ駆動部材13および23が接着固定され、それぞれブ
ロック12及び22によりX軸に平行な方向及びY軸に
平行な方向に移動可能に支持されている。
【0033】X軸アクチュエータ10の駆動部材13に
は移動部材14の摩擦結合部分14aがX軸に平行な方
向に移動可能に適当な摩擦力で摩擦結合し、移動部材1
4から延長された延長足部14bは補正レンズLの鏡筒
2に形成された作用部材15のY軸に平行な方向に延び
た溝に係合し、作用部材15に対し付勢バネ16により
圧接されている。付勢バネ16による延長足部14bの
圧接力は移動部材14の軸方向へ移動する力よりも十分
に大きく設定されている。
【0034】移動部材14の移動部材本体部分14cと
隣接する摩擦結合部分14aは、本体部分14cから延
長し駆動部材13に摺接する摺接部を有する第1の延長
部14dと、この延長部14dの端部において曲げ返さ
れる曲げ部分14eと、この曲げ部分14eから更に延
長され、駆動部材13と摺接する摺接部を有する第2の
延長部14fとから構成されている。第1の延長部14
d、曲げ部分14e及び第2の延長部14fを合わせる
と比較的長い部材となるので、この部分は従来と比べ
て、はるかに小さなバネ常数のバネを構成することにな
る。
【0035】図9はバネの変位量とこの変位量だけバネ
を変位させるのに要する力の関係を示す一般的なグラフ
である。一般に、バネにより一定の力を得ようとすると
き、予めバネをもとの状態から一定量変位(圧縮乃至伸
長)させて必要な力が発生するようにして用いる。同図
から明らかなように、バネによって発生する力を一定の
許容範囲内に収めようとしたとき、バネ常数が小さいも
のの方がバネ常数が大きいものと比べて変位量のばらつ
きの許容範囲が大きいことがわかる。なお、当然のこと
ながら、同じバネ力を得るのにはバネ常数が小さいバネ
の方はより大きく変位させた状態で使用しなければなら
ない。
【0036】本発明における摩擦結合部分14aは駆動
部材13と組み合わされるに際して大きく弾性変形させ
られた結果、図7等に示されるような状態になってい
る。
【0037】従来のものは駆動部材13に組み合わされ
る以前の状態は組み付けられた後の状態とそれほど差が
なく、組み付けられるときに僅かの変位によって急激に
バネ力が増加して所定の摩擦力を得られるものである
が、摩擦結合部分14aの最初の状態が製造誤差等によ
り予定した形状から僅かに外れたときでも、それが組み
付けられると大きなバネ力の変動となって現れるため、
許容されるバネ力の範囲を容易に逸脱してしまう。
【0038】これに対し、本発明では摩擦結合部分14
aがバネ常数の小さいバネを構成しているので、摩擦結
合部分14aの最初の状態が製造誤差等により予定した
形状から多少外れたとしても、ないしは、駆動部材13
の寸法が設計上の寸法からある程度外れたとしても、摩
擦結合部分14aと駆動部材13が組み付けられたとき
これらの製造誤差がバネ力の変動となって現れにくいの
で、許容されるバネ力の範囲を逸脱するおそれがきわめ
て少ない。
【0039】摩擦結合部分14aのガイド部は図8のよ
うに根元側に設けてもよい。また、ガイド部の形状は図
7、図8に示すようにV字形であるほうが、駆動部材1
3と移動部材14との接触が断面でみて3カ所で接触す
ることとなり最も合理的である。
【0040】Y軸アクチュエータ20は、上記X軸アク
チュエータ10と同様の構成を有している。
【0041】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1はこの発明の駆動装置を適用したカメラの手ぶれ補
正装置の構成を示す斜視図、図2はその正面図、図3は
手ぶれ補正装置の補正レンズ鏡筒を示す正面図、図4は
図2のA−A線に沿つた断面図、図5は図2のB−B線
に沿つた断面図、図6は図2におけるX軸アクチュエー
タ10の要部を拡大し、一部を切欠いた断面図、図7は
摩擦結合部分の斜視図である。
【0042】図1乃至図7において、1は補正レンズの
駆動機構を支える台枠で、その中央部分には開口1aが
設けられている。2は補正レンズLの鏡筒で、台枠1の
中央部分の開口1a部分に位置し、後述するX軸アクチ
ュエータ10及びY軸アクチュエータ20により、光軸
(Z軸)に対して垂直な平面上をX軸方向及びY軸方向
に移動可能に支持されている。台枠1の上にはX軸アク
チュエータ10及びY軸アクチュエータ20の圧電素子
11、21が接着固定される支持ブロツク3が設けられ
ている。圧電素子11、21は本発明における電気機械
変換素子の一例をなしている。
【0043】台枠1は、図示しない鏡筒内に配置され
る。台枠1を光軸方向に移動させるとき、光軸に対する
台枠1の位置を規制しつつ光軸方向に移動させるため、
鏡筒内には光軸に対して平行に配置されたフォーカスガ
イド軸4が配置され、支持ブロツク3にはこのフオーカ
スガイド軸4が貫通する穴3aが設けられている。
【0044】図3を参照すると明かなように、補正レン
ズLの鏡筒2には台枠1に対する鏡筒2のZ軸方向位置
を保持するため、放射状に延びた3本のアーム2a、2
b、2cが形成されている。図4を参照すると明かなよ
うに、アーム2a、2b、2cには、それぞれ、その表
面及び裏面に突起2p及び2qが設けられていて、円盤
状の押圧板5により鏡筒2のアーム2a、2b、2cを
台枠1に向けて押圧すると、突起2p及び2qがそれぞ
れ台枠1と押圧板5に接触し、台枠1に対する鏡筒2の
Z軸方向位置を保持することができる。台枠1に対する
鏡筒2の僅かな傾きなどは、突起2p、2qの高さを調
整することで補正することができる。
【0045】次に、X軸アクチュエータ10について説
明するが、Y軸アクチュエータ20については符号を2
0番台に、またX、Yを置き換えて読めば同様であるか
ら、改めて説明することはしない。
【0046】台枠1上の支持ブロツク3にはX軸アクチ
ュエータ10の圧電素子11の伸縮方向の一端が接着固
定され、圧電素子11の他の端には駆動部材13が接着
固定されており、駆動部材13の一端は支持ブロツク1
2によりX軸に平行な方向に移動可能に支持されてい
る。駆動部材13には移動部材14の摩擦結合部分14
aがX軸に平行な方向に移動可能に、後に述べるような
適当な摩擦力で摩擦結合している。
【0047】この移動部材14の摩擦結合部分14a
は、図7に示されているように、移動部材14の本体部
分14cから延長し駆動部材13に摺接する摺接部を有
する第1の延長部14dとこの延長部14dの端部にお
いて曲げ返される曲げ部分14eとこの曲げ部分14e
から更に延長され、駆動部材13と摺接する摺接部を有
する第2の延長部14fとから構成されている。第1の
延長部14d、曲げ部分14e及び第2の延長部14f
を合わせると比較的長い部材となるので、この部分は本
体部分から直ちに巻き込まれた従来の形式のものと比べ
て、はるかに小さなバネ常数のバネを構成することにな
る。
【0048】移動部材14から延長された延長足部14
bは補正レンズLの鏡筒2に形成された作用部材15の
Y軸に平行な方向に延びた溝15aに係合し、作用部材
15に対し付勢バネ16により圧接されている。付勢バ
ネ16による延長足部14bの圧接力は移動部材14が
X軸方向へ移動する力よりも十分に大きく設定されてい
る。
【0049】延長足部14bは作用部材15の溝15a
に係合してY軸方向に移動可能であるから、補正レンズ
Lの鏡筒2がY軸方向に移動するとき、延長部14bは
作用部材15の溝15a内をY軸方向に移動し、鏡筒2
のY軸方向の移動を妨げることはない。
【0050】図4及び図5を参照すると、上記したX軸
アクチュエータ10における移動部材14の延長足部1
4bが作用部材15の溝15aに係合している部分の構
成が良く分かる。また、図2におけるX軸アクチュエー
タ10の要部を拡大し、一部を切欠いた断面を示す図6
を参照すると、移動部材14から延長された延長足部1
4bが補正レンズLの鏡筒2に形成された作用部材15
の溝15aに係合し、延長足部14bが作用部材15に
対して付勢バネ16により圧接されている状態が良く分
かる。延長足部14bは本発明における駆動作用部分の
一態様をなしている。
【0051】次に、図2を参照して動作を説明する。X
軸アクチュエータ10及びY軸アクチュエータ20は同
一の動作を行うから、ここではX軸アクチュエータ10
の動作について説明し、Y軸アクチュエータ20の動作
の説明は省略する。
【0052】圧電素子11に図10に示すような緩やか
な立ち上がり部とこれに続く急速な立ち下がり部からな
る波形の駆動パルスを印加すると、駆動パルスの緩やか
な立ち上がり部では、圧電素子11が緩やかに厚み方向
の伸び変位を生じ、駆動部材13は矢印aで示す方向に
変位する。このときの加速度は、この加速度で移動部材
14(及びこれと機械的に結合された他の部材)が加速
されるとき生じる慣性力よりも摩擦結合部14aの摩擦
力(静摩擦)が大きくなるように設定されているので、
移動部材14は駆動部材13と一体になって矢印aの方
向に運動する。延長足部14bと作用部材15とは付勢
バネ16により圧接されており、その圧接力は、移動部
材14の軸方向へ移動する力よりも十分に大きく設定さ
れているから、延長足部14bと作用部材15とは一体
となり矢印a方向へ移動するので、作用部材15に結合
されている補正レンズLの鏡筒2は矢印a方向(ここで
はX軸正方向)に移動する。
【0053】駆動パルスの急速な立ち下がり部では、圧
電素子11が急速に厚み方向の縮み変位を生じ、駆動部
材13も矢印aと反対方向へ変位する。このときの加速
度は、この加速度で移動部材14(及びこれと機械的に
結合された他の部材)が加速されるとき生じる慣性力よ
りも摩擦結合部分14aの摩擦力(静摩擦)が小さくな
るように設定されているので、慣性力の方が打ち勝って
移動部材14はその場所に実質的に取り残される。
【0054】上述のように、パルスの穏やかな立ち上が
り部ではa方向に移動部材が移動し、これと反対に、パ
ルスの急激な立ち下がり部では移動部材は移動しない
か、ないしは移動するとしても上記a方向移動の移動量
よりもはるかに少ないので、上記波形の駆動パルスを繰
り返して連続して圧電素子11に印加すると、補正レン
ズLはX軸正方向(a方向)へ小刻みに連続して移動す
ることになる。
【0055】補正レンズLをX軸負方向へ移動させると
きは、急速な立ち上がり部とこれに続く緩やかな立ち下
がり部からなる波形の駆動パルスを圧電素子11に印加
することで達成できる。
【0056】したがって、移動部材の移動方向と移動速
度と移動量は、上記パルスの波形と単位時間当たりの個
数と全パルス数とによって決定される。
【0057】Y軸アクチュエータ20もX軸アクチュエ
ータ10と同様に動作し、補正レンズLをY軸方向へ小
刻みに連続して移動させることができる。
【0058】次に、X軸アクチュエータ10の移動部材
14の構成を説明する。Y軸アクチュエータ20の移動
部材24の構成はX軸アクチュエータ10の移動部材1
4と同一の構成であるので、移動部材14について説明
し、移動部材24の説明は省略する。
【0059】移動部材14は、図7に示すように、一枚
の金属などの弾性材料の板から形成された本体をなす本
体部分14cとこれにつながる摩擦結合部分14a及び
延長足部分14bから形成されている。この摩擦結合部
分14aは駆動部材13と摺接する摺接面14gを有す
る第1の延長部分14dとこの先に設けられU字形に折
り返すように曲げられた曲げ部分14eと更にその先に
延長され駆動部材13と摺接する摺接面14hを有する
第2の延長部分14fを有している。この図7の実施例
においては、第2の延長部分14fにV字形の凹曲部つ
まりガイド部分が形成されており、V字の2つの辺の内
側の面が摺接面14hをなしている。
【0060】図9はバネの変位量とこの変位量だけバネ
を変位させるのに要する力の関係を示す一般的なグラフ
である。一般に、バネにより一定の力を得ようとすると
き、予めバネをもとの状態から一定量変位(圧縮乃至伸
長)させて必要な力が発生するようにして用いる。同図
から明らかなように、バネによって発生する力を一定の
許容範囲内に収めようとしたとき、バネ常数が小さいも
のの方がバネ常数が大きいものと比べて変位量のばらつ
きの許容範囲が大きいことがわかる。なお、当然のこと
ながら、同じバネ力を得るのにはバネ常数が小さいバネ
の方は元の状態からより大きく変位させた状態で使用し
なければならない。
【0061】本発明における摩擦結合部分14aは駆動
部材13と組み合わされるに際し大きく弾性変形させら
れた結果、図7等に示されるような状態になっている。
【0062】従来のものは駆動部材13に組み合わされ
る以前の状態は組み付けられた後の状態とそれほど差が
なく、組み付けられるときに僅かの変位によって急激に
バネ力が増加して所定の摩擦力を得られるものである
が、摩擦結合部分14aの最初の状態が製造誤差等によ
り予定した形状から僅かに外れたときでも、それが組み
付けられると大きなバネ力の変動となって現れるため、
許容されるバネ力の範囲を容易に逸脱してしまう。
【0063】これに対し、本発明では摩擦結合部分14
aがバネ常数の小さいバネを構成しているので、摩擦結
合部分14aの最初の状態が製造誤差等により予定した
形状から多少外れたとしても、ないしは、駆動部材13
の寸法が設計上の寸法からある程度外れたとしても、摩
擦結合部分14aと駆動部材13が組み付けられたとき
これら製造誤差がバネ力の変動となって現れにくいの
で、許容されるバネ力の範囲を逸脱するおそれがきわめ
て少ない。
【0064】図8は移動部材の他の例である。この例に
おいては、第1の延長部分、曲がり部分及び第2の延長
部分を備えている点では最初の例と変わりがないが、V
字形のガイド部分は第1の延長部分14dに形成されて
おり、図7のものと同様にV字の内側の面が摺接面をな
している。一方、第2の延長部分14fは特別な構造を
とることなくその平面が摺接面となっている。
【0065】図7及び図8に示される摩擦結合部分は、
駆動部材13の軸に直交する断面でみたとき、駆動部材
13とV字形のガイド部分のV字の各辺でそれぞれ一カ
所づつ第1、第2の接触をし、更にV字形のガイドを形
成していない延長部分の一カ所で第3の接触をする。こ
のため、移動部材14の3つの摺接面は異なる3方向か
ら駆動部材13に接触することになり、ガイド部分や駆
動部材に多少の形状誤差等があっても駆動部材13が最
も安定的に抱持される。
【0066】ここでガイド部分の形状がV字形と表現さ
れているが、このV字形という意味は、上記説明から明
らかなように、文字どおりのV字である必要はなく、上
記接触面の3つの法線がおおよそ駆動部材の中心付近で
ほどよい角度で交差すればよく、その底等で第4番目の
接触をしなければU字形やその他の形状であってもかま
わないという意味である。
【0067】なお、図7及び図8の例では、駆動部材1
3が円柱形であるから、移動部材14がX軸まわりのモ
ーメントを受けると移動部材14が回転しようとする
が、例えば、2本のガイドバーを駆動軸13と平行に台
枠1に設け、このガイドバーが移動部材14の一部を挟
みつけるようにしてガイドし回転を防止するようにでき
る。また、この回転の防止は延長足部14bを作用部材
15のY軸に平行に伸びた溝の側壁により回転不能にガ
イドすることによっても達成することができる。なお、
移動部材14のZ軸及びY軸まわりの回転は、上記溝の
底面に延長足部14bが付勢バネ16によって押しつけ
らることにより、防止されている。
【0068】このようなモーメントの影響を受けない態
様で本発明の駆動装置を使用するときは、特に、回転防
止機構を設ける必要がない。
【0069】次に、この発明によるアクチュエータをカ
メラの手ぶれ補正装置に使用した場合の補正レンズの制
御動作について説明する。
【0070】手ぶれ補正のためにX軸方向及びY軸方向
に移動させる補正レンズLの位置は公知の磁気抵抗式セ
ンサなどを利用して検出することも可能であるが、この
実施例では補正レンズLの鏡筒2にLED(発光ダイー
ド)を取り付け、LEDから投射される光を台枠1に取
り付けた2次元PSD(ホトダイード)で検出し、補正
レンズLのX軸方向及びY軸方向の位置を検出するよう
に構成したレンズ位置検出センサが使用されている。こ
れにより部品点数を減らし、構成を簡素なものにするこ
とができる。
【0071】また、カメラには手ぶれ検出センサが設置
されており、カメラに発生する手ぶれ量を検出するよう
に構成されている。手ぶれ検出センサは、カメラのX軸
方向及びY軸方向の加速度Ax、Ayを検出する加速度
センサから構成され、検出された加速度Ax、Ayを後
述する手ぶれ補正の制御を行うCPU52で2回積分す
ることにより、手ぶれ量Mx、Myを検出することがで
きる。
【0072】次に、制御回路について説明する。図11
は、カメラのシャッタの駆動、及び補正レンズによる手
ぶれ補正を行う制御回路50のブロツク図である。制御
回路50はシャッタの駆動制御を行うCPU51と、C
PU51の入力ポートに接続されたシャッタボタンS
H、及び出力ポートに接続されたシャッタユニット60
を備える。
【0073】また制御回路50は、補正レンズによる手
ぶれ補正の制御を行うCPU52と、CPU52の入力
ポートに接続されたレンズのX軸方向及びY軸方向の位
置を検出するレンズ位置検出センサ57、及びカメラの
手ぶれ量を検出する手ぶれ検出センサ58、CPU52
の出力ポートに接続された駆動パルス発生部53、スイ
ッチング部56を備える。なお、駆動パルス発生部53
は波形生成部54と昇圧部55から構成され、スイッチ
ング部56にはX軸アクチュエータ10とY軸アクチュ
エータ20が接続される。CPU51とCPU52とは
相互に信号の交換が可能なように接続されている。ま
た、制御回路50は1つの電源59が備えられ、シャッ
タユニット60、X軸アクチュエータ10、Y軸アクチ
ュエータ20はこの1つの電源から電力が供給され、駆
動されるように構成されている。
【0074】次に、制御回路50の制御動作を、図11
の制御回路ブロツク図、図12及び図13のフローチヤ
ートを参照して説明する。CPU51は図示しないカメ
ラのシャッタボタンSHの操作を示すシャッタ信号を受
けると、シャッタユニット60のステッピングモータ
(図示せず)を駆動制御してシャッタを初期状態から所
定の設定開口位置まで開く(ステップP1、図12参
照)。シャッタの開口状態はステッピングモータの停止
トルクにより維持できるので、シャッタを開いた後はス
テッピングモータへの電力の供給を停止し(ステップP
2)、補正レンズの駆動のため、駆動パルス発生部53
及びスイッチング部56を経てX軸アクチュエータ及び
Y軸アクチュエータへ電力を供給する(ステップP
3)。
【0075】露出量に応じた時間だけシャッタを開口状
態に維持した後は、X軸アクチュエータ、Y軸アクチュ
エータへの電力の供給を停止し(ステップP4)、シャ
ッタユニット60への電力の供給を再開し、ステッピン
グモータを駆動してシャッタを閉じる(ステップP
5)。
【0076】次に、CPU52による手ぶれ補正の制御
について説明する。CPU52は図示しないカメラに設
置されている手ぶれ検出センサ58から出力されたX軸
方向及びY軸方向の加速度Ax、Ayを示す信号が入力
されると、入力された加速度Ax、Ayを2回積分して
手ぶれ量Mx、My及びその方向を決定する(ステップ
P14、図13参照)。
【0077】次に、決定された手ぶれ量Mx、My及び
その方向、レンズ位置検出センサ57から出力されたレ
ンズ位置などのレンズ位置補正情報に基づいて、補正レ
ンズのX軸方向及びY軸方向の駆動量を演算し(ステッ
プP12)、X軸アクチュエータ及びY軸アクチュエー
タの駆動時間の比率を決定する(ステップP13)。
【0078】駆動パルス発生部53の波形生成部54を
作動させ、X軸方向の駆動量と駆動方向に基づいて適切
な駆動パルス波形を決定し、昇圧部55に出力するよう
指示する(ステップP14)。さらに、スイッチング部
56を作動させ、昇圧部55から出力される駆動パルス
をX軸アクチュエータ10に出力するように切換え、先
に決定した駆動時間の比率に基づいてX軸アクチュエー
タ10を駆動し(ステップP15)、駆動時間経過後は
スイッチング部56を作動させ、昇圧部55からX軸及
びY軸アクチュエータを切り離す(ステップP16)。
【0079】波形生成部54を作動させ、Y軸方向の駆
動量と駆動方向に基づいて適切な駆動パルス波形を決定
し、昇圧部55に出力するよう指示する(ステップP1
7)。さらに、スイッチング部56を作動させ、昇圧部
55から出力される駆動パルスをY軸アクチュエータ2
0に出力するように切換え、先に決定した駆動時間の比
率に基づいてY軸アクチュエータ20を駆動し(ステッ
プP18)、駆動時間経過後はスイッチング部56を作
動させ、昇圧部55からX軸及びY軸アクチュエータを
切り離す(ステップP19)。
【0080】カメラのシャッタが開いている間、前記し
た手ぶれ量の検出からアクチュエータの駆動までの処理
を、手ぶれ量Mx、Myが零になるまで高速で繰り返し
(ステップP20)、補正レンズを手ぶれ量を補正する
方向に高速で変位させることでフィルム面上の像のぶれ
を防ぐ。
【0081】上記した制御回路によれば、単一の電源を
補正レンズの駆動とシャッタの駆動に共用することがで
き、また、X軸アクチュエータとY軸アクチュエータの
駆動のための回路を共用することができるから回路部品
の点数を減らすことができるほか、電池の電流容量を小
さくすることができるからカメラ内部の配置スペースを
節約することができる。
【0082】なお、上記実施例は、この発明の電気機械
変換素子を使用した駆動装置をカメラの手ぶれ補正装置
に適用した例であるが、この手ぶれ補正装置はカメラの
手ぶれ補正装置ばかりでなくその他の光学装置における
レンズのぶれの補正装置に適用できることは言うまでも
ない。また、この発明の駆動装置は、カメラの手ぶれ補
正装置や光学装置におけるレンズの駆動装置に適用でき
るばかりでなく、その他の機器の駆動装置としても適用
できることは言うまでもない。
【0083】
【発明の効果】請求項1の発明の移動部材は、その摩擦
結合部分が第1の延長部、曲げ部分及び第2の延長部を
有することにより、摩擦面と摩擦力を発生させるためこ
の面の法線方向の力を与えるバネの機能を果たす部分を
機能的に分離し、バネ常数の小さいバネが構成されるよ
うにしたので、摩擦結合部分の最初の状態が製造誤差等
により予定した形状から多少外れたとしても、ないし
は、駆動部材の寸法が設計上の寸法からある程度外れた
としても、移動部材と駆動部材が組み付けられたとき、
許容されるバネ力の範囲を逸脱するおそれがきわめて少
なくなる。
【0084】このため、摩擦力を設計上の許容範囲に収
めることが容易になり、移動部材及び駆動部材の製造コ
ストを大幅に削減することが可能となり、量産化が容易
となる。
【0085】請求項2及び請求項3の発明では、請求項
1の発明の有する効果のほかに、摩擦力を発生する摺接
部面に過剰な幾何学的拘束要件を課しておらず、駆動部
材と移動部材とは駆動部材と軸直角の面でみて3カ所で
接触しているので、摩擦結合部分の摩擦部の形状に誤差
があっても適切な摩擦状態が得られるとともに移動部材
が駆動部材を安定的に抱持できるという更なる効果が生
じる。
【0086】請求項4の発明では、請求項1乃至3の発
明のそれぞれが有する効果に加えて、曲げ部分が緩やか
に湾曲しているため、鋭角に折り曲げられた場合よりも
この部分にかかる応力が分散され、繰り返し荷重による
疲労が少なく、耐久性に優れるという更なる効果が生じ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置を適用したカメラの手ぶれ補
正装置の構成を示す斜視図。
【図2】図1に示す手ぶれ補正装置の正面図。
【図3】図1に示す手ぶれ補正装置の補正レンズ鏡筒を
示す正面図。
【図4】図2のA−A線に沿つた断面図。
【図5】図2のB−B線に沿つた断面図。
【図6】図2におけるX軸アクチュエータ10の要部を
拡大し、一部を切欠いた断面図。
【図7】移動部材の斜視図。
【図8】移動部材の異なる他の例を示す斜視図。
【図9】ばねの変位とバネ力の関係を示す図。
【図10】圧電素子に印加される電圧波形の一例を示す
図。
【図11】制御回路のブロック図。
【図12】制御の流れを示すフローチャート。
【図13】制御の流れを示すフローチャート。
【図14】第1の先行技術を示す斜視図。
【図15】第2の先行技術を示す斜視図。
【図16】図15の先行技術の手ぶれ補正装置を光軸を
含むY−Z平面で切断した断面図。
【図17】図15の先行技術の手ぶれ補正装置をZ−X
平面で切断した要部拡大図。
【図18】図15の先行技術の手ぶれ補正装置をX−Y
平面で切断した要部拡大図。
【図19】図15の先行技術の手ぶれ補正装置の摩擦結
合部分の斜視図。
【符号の説明】 1 台枠 1a 開口 2 補正レンズの鏡筒 2a アーム 2b アーム 2c アーム 2p 突起 2q 突起 3 支持ブロック 3a 穴 4 フォーカスガイド軸 5 押圧板 10 X軸アクチュエータ 11 圧電素子 12 支持ブロック 13 駆動部材 14 移動部材 14a 摩擦結合部分 14b 延長足部 14c 本体部分 14d 第1の延長部 14e 曲げ部分 14f 第2の延長部 15 作用部材 15a 溝 16 付勢バネ 20 Y軸アクチュエータ 21 圧電素子 22 支持ブロック 23 駆動部材 24 移動部材 24b 延長足部 25 作用部材 26 付勢バネ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機械変換素子を使用した駆動装置で
    あって、前記駆動装置は、 電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子に固定結合
    され、この電気機械変換素子と共に変位する棒状の駆動
    部材と、 前記駆動部材と摩擦結合され、それ自体は単一の部材で
    もって構成された移動部材と、から構成され、 前記移動部材は、 移動部材本体部分と、 前記移動部材の本体部分から延長され、前記棒状の駆動
    部材と摩擦結合する摩擦結合部分と、 前記本体部分から延長され、被駆動体に結合されて、被
    駆動体に駆動力を伝達する駆動作用部分と、から構成さ
    れ、 前記摩擦結合部分は、 前記棒状の駆動部材と摺接する摺接部を有し、前記移動
    部材本体に隣接する第1の延長部と、 前記第1の延長部の端部において曲げ返される曲げ部分
    と、 前記曲げ部分から更に延長され、前記棒状の駆動部材と
    摺接する摺接部を有する第2の延長部と、から構成さ
    れ、 前記第1の延長部の摺接部および第2の延長部の摺接部
    のうちの一方は、その内側に前記棒状の駆動部材を受け
    入れる凹曲部により形成されていることを特徴とする駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の駆動装置において、 前記凹曲部は前記駆動部材の軸直角断面でみたとき異な
    る2カ所においてのみこの駆動部材と接触することを特
    徴とする駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の駆動装置におい
    て、 前記凹曲部がV字形をなしていることを特徴とする駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3の駆動
    装置において、 前記曲げ部分がU字形をなしていることを特徴とする駆
    動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007274816A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Fujinon Corp 駆動装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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