JPH10200149A - フォトダイオードの製造方法 - Google Patents
フォトダイオードの製造方法Info
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- JPH10200149A JPH10200149A JP9003631A JP363197A JPH10200149A JP H10200149 A JPH10200149 A JP H10200149A JP 9003631 A JP9003631 A JP 9003631A JP 363197 A JP363197 A JP 363197A JP H10200149 A JPH10200149 A JP H10200149A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 暗電流の低い、高性能のHgCdTeフォト
ダイオードを高い歩留まりで製造する方法を提供する。 【解決手段】 p型のHgCdTe層2を有する基板1
上に選択的にB+イオン注入しn型の領域5を形成し、
基板の表面に第一の保護膜ZnSを形成する。第一の保
護膜を除去した基板の表面部分を除去する。表面部分が
除去された前記基板上に選択的に第二の保護膜7例えば
ZnSを形成し、前記基板上に電極金属8を選択的に形
成する。
ダイオードを高い歩留まりで製造する方法を提供する。 【解決手段】 p型のHgCdTe層2を有する基板1
上に選択的にB+イオン注入しn型の領域5を形成し、
基板の表面に第一の保護膜ZnSを形成する。第一の保
護膜を除去した基板の表面部分を除去する。表面部分が
除去された前記基板上に選択的に第二の保護膜7例えば
ZnSを形成し、前記基板上に電極金属8を選択的に形
成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線検知に用い
られるHgCdTeを使用したフォトダイオードの製造
方法に関する。
られるHgCdTeを使用したフォトダイオードの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Hg1-x Cdx Te(HgCdTe)は
組成xの値によりバンドギャップ(Eg )が0から1.
6eVまで変化し、組成xが0.2付近でEg が約0.
1eVとなるため、光波長帯8〜12μmの赤外線検知
用のフォトダイオードとして用いられる。従来のHgC
dTeを用いたフォトダイオードの製造方法について、
図4に示す概略の工程順断面図で説明する。
組成xの値によりバンドギャップ(Eg )が0から1.
6eVまで変化し、組成xが0.2付近でEg が約0.
1eVとなるため、光波長帯8〜12μmの赤外線検知
用のフォトダイオードとして用いられる。従来のHgC
dTeを用いたフォトダイオードの製造方法について、
図4に示す概略の工程順断面図で説明する。
【0003】例えば、CdZnTe基板11上に成長し
たHgCdTe結晶12(以下、HgCdTe基板と表
記する)で、p型でキャリア濃度が1×1016cm-3の
ものを用い、その表面層12aを例えば臭素−メタノー
ル溶液でエッチングする(図4(a))。
たHgCdTe結晶12(以下、HgCdTe基板と表
記する)で、p型でキャリア濃度が1×1016cm-3の
ものを用い、その表面層12aを例えば臭素−メタノー
ル溶液でエッチングする(図4(a))。
【0004】その後、例えば、フォトレジスト14を介
してB+ イオンを150keV、1×1014cm-2の条
件でイオン注入して選択的にn型領域15を形成し(図
4(b))、フォトレジスト14は除去する。
してB+ イオンを150keV、1×1014cm-2の条
件でイオン注入して選択的にn型領域15を形成し(図
4(b))、フォトレジスト14は除去する。
【0005】次に、保護膜として例えばZnS16を真
空蒸着法により選択的に形成する(図4(c))。この
場合、イオン注入により生じたHgCdTe基板表面付
近のダメージ層を除去するため、HgCdTe基板表面
を薄くエッチングした後に保護膜を形成することもあ
る。
空蒸着法により選択的に形成する(図4(c))。この
場合、イオン注入により生じたHgCdTe基板表面付
近のダメージ層を除去するため、HgCdTe基板表面
を薄くエッチングした後に保護膜を形成することもあ
る。
【0006】次に、電極17を選択的に形成することに
より、赤外線に感度を有するフォトダイオードが完成す
る(図4(d))。
より、赤外線に感度を有するフォトダイオードが完成す
る(図4(d))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高感度のフォトダイオ
ードを製造するには、表面再結合電流あるいは表面トン
ネル電流の少ない表面保護膜を用い、暗電流を低下させ
ることが重要な点の一つである。
ードを製造するには、表面再結合電流あるいは表面トン
ネル電流の少ない表面保護膜を用い、暗電流を低下させ
ることが重要な点の一つである。
【0008】上記のフォトダイオードの場合、図4の構
造においてフォトダイオードの表面保護膜にはZnSを
用いている。この保護膜は低温での形成が可能であり、
膜中のトラップが少なく、また界面での固定電荷密度が
比較的低いという特徴を持っている。しかし、狭バンド
ギャップ半導体であるHgCdTeで高感度のフォトダ
イオードを製造しようとした場合、保護膜にこのZnS
を用いても、ことにこのフォトダイオードの使用環境で
ある液体窒素温度のような低温では、表面再結合電流あ
るいは表面トンネル電流が無視できなくなり、暗電流が
大きくなり、所望する感度を有するフォトダイオードが
得られないことがある。
造においてフォトダイオードの表面保護膜にはZnSを
用いている。この保護膜は低温での形成が可能であり、
膜中のトラップが少なく、また界面での固定電荷密度が
比較的低いという特徴を持っている。しかし、狭バンド
ギャップ半導体であるHgCdTeで高感度のフォトダ
イオードを製造しようとした場合、保護膜にこのZnS
を用いても、ことにこのフォトダイオードの使用環境で
ある液体窒素温度のような低温では、表面再結合電流あ
るいは表面トンネル電流が無視できなくなり、暗電流が
大きくなり、所望する感度を有するフォトダイオードが
得られないことがある。
【0009】ZnSとHgCdTe基板の界面特性の評
価には、通常HgCdTe表面にZnS膜を介したMI
S素子を形成し、このMIS素子のC−V特性を測定し
て、フラットバンド電圧(VFB)から界面固定電荷を測
定することが行われている。例えば、従来の技術によっ
てZnSを形成し、これを用いてMIS構造を作成し、
このMIS構造のC−V特性を測定した結果の一例を図
5に示す。
価には、通常HgCdTe表面にZnS膜を介したMI
S素子を形成し、このMIS素子のC−V特性を測定し
て、フラットバンド電圧(VFB)から界面固定電荷を測
定することが行われている。例えば、従来の技術によっ
てZnSを形成し、これを用いてMIS構造を作成し、
このMIS構造のC−V特性を測定した結果の一例を図
5に示す。
【0010】図5の縦軸はMIS構造のキャパシタンス
のC/Cmax 、横軸はバイアス電圧(V)である。図5
は約5mm角のウエハ内の10点の測定値である。
のC/Cmax 、横軸はバイアス電圧(V)である。図5
は約5mm角のウエハ内の10点の測定値である。
【0011】このMIS素子の場合、VFBは面内で−3
V〜1Vと、正および負両方向に大きくばらついてい
る。また、図5に示したHgCdTe基板とは別のロッ
トのHgCdTe基板を用いて同様の測定を行った結果
では、VFBのばらつきの度合いはHgCdTe基板に依
存していることもわかった。
V〜1Vと、正および負両方向に大きくばらついてい
る。また、図5に示したHgCdTe基板とは別のロッ
トのHgCdTe基板を用いて同様の測定を行った結果
では、VFBのばらつきの度合いはHgCdTe基板に依
存していることもわかった。
【0012】また、通常の半導体では、保護膜を形成す
る前に半導体基板表面が空気中に暴露されることなどに
より、その表面が酸化されるなどして汚染が進み、界面
特性が劣化することがあることが知られている。このた
め、これを考慮して、HgCdTe基板最表面の汚染を
取り除く目的で、ZnSを形成する直前にHgCdTe
基板表面をエッチングして除去することも試みたが、こ
の方法によっても界面特性が改善されることはなかっ
た。
る前に半導体基板表面が空気中に暴露されることなどに
より、その表面が酸化されるなどして汚染が進み、界面
特性が劣化することがあることが知られている。このた
め、これを考慮して、HgCdTe基板最表面の汚染を
取り除く目的で、ZnSを形成する直前にHgCdTe
基板表面をエッチングして除去することも試みたが、こ
の方法によっても界面特性が改善されることはなかっ
た。
【0013】従って、HgCdTeの場合、保護膜の膜
質の劣化あるいは界面固定電荷の存在はHgCdTe基
板表面の結晶欠陥あるいは表面の汚染に基づくものだけ
ではなく、HgCdTe基板表面近傍に存在している不
純物が関与していることが示唆される。このため、Hg
CdTeでは従来の半導体とは異なり、表面のみの安定
化だけではなく表面近傍の安定化も必要であると考えら
れる。
質の劣化あるいは界面固定電荷の存在はHgCdTe基
板表面の結晶欠陥あるいは表面の汚染に基づくものだけ
ではなく、HgCdTe基板表面近傍に存在している不
純物が関与していることが示唆される。このため、Hg
CdTeでは従来の半導体とは異なり、表面のみの安定
化だけではなく表面近傍の安定化も必要であると考えら
れる。
【0014】このような理由から、従来の方法でHgC
dTeフォトダイオードを作成した場合には、HgCd
Te基板表面が十分に安定していないため、高感度なフ
ォトダイオードが得られないばかりか、安定した歩留ま
りを得ることも困難であった。
dTeフォトダイオードを作成した場合には、HgCd
Te基板表面が十分に安定していないため、高感度なフ
ォトダイオードが得られないばかりか、安定した歩留ま
りを得ることも困難であった。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、第一の導電型のHgCdTe層を有する基板
上に選択的に第二の導電型の領域を形成する工程と、前
記基板の表面に第一の保護膜を形成する工程と、前記第
一の保護膜を除去する工程と、前記第一の保護膜を除去
した前記基板の表面部分を除去する工程と、表面部分が
除去された前記基板上に選択的に第二の保護膜を形成す
る工程と、前記基板上に電極金属を選択的に形成する工
程とを含むことを特徴とする。
本発明は、第一の導電型のHgCdTe層を有する基板
上に選択的に第二の導電型の領域を形成する工程と、前
記基板の表面に第一の保護膜を形成する工程と、前記第
一の保護膜を除去する工程と、前記第一の保護膜を除去
した前記基板の表面部分を除去する工程と、表面部分が
除去された前記基板上に選択的に第二の保護膜を形成す
る工程と、前記基板上に電極金属を選択的に形成する工
程とを含むことを特徴とする。
【0016】また、第一の導電型のHgCdTe層を有
する基板上に選択的に第二の導電型の領域を形成する工
程と、前記基板の表面に第一の保護膜を形成する工程
と、前記第一の保護膜を除去する工程と、前記第一の保
護膜を除去した基板上に選択的に第二の保護膜を形成す
る工程と、前記基板上に電極金属を選択的に形成する工
程とを含むことを特徴とする。
する基板上に選択的に第二の導電型の領域を形成する工
程と、前記基板の表面に第一の保護膜を形成する工程
と、前記第一の保護膜を除去する工程と、前記第一の保
護膜を除去した基板上に選択的に第二の保護膜を形成す
る工程と、前記基板上に電極金属を選択的に形成する工
程とを含むことを特徴とする。
【0017】また、第一および第二の保護膜がZnSで
あることを特徴とする。
あることを特徴とする。
【0018】また、第一および第二の保護膜を60℃か
ら130℃で形成することを特徴とする。
ら130℃で形成することを特徴とする。
【0019】また、第一の保護膜がZnSであることを
特徴とする。
特徴とする。
【0020】また、第一の保護膜を60℃から130℃
で形成し、また前記第二の保護膜を130℃以下で形成
することを特徴とする。
で形成し、また前記第二の保護膜を130℃以下で形成
することを特徴とする。
【0021】また、第一の保護膜を50nmから500
nmの厚さに形成することを特徴とする。
nmの厚さに形成することを特徴とする。
【0022】また、第二の保護膜を200nmから50
0nmの厚さに形成することを特徴とする。
0nmの厚さに形成することを特徴とする。
【0023】また、基板の表面除去層深さが5nmから
100nmであることを特徴とする。
100nmであることを特徴とする。
【0024】本発明はHgCdTe基板表面近傍に含ま
れている不純物が保護膜内に拡散蓄積されやすい性質を
利用して、保護膜内に不純物を拡散蓄積した後、この保
護膜を除去することによりHgCdTe基板表面および
表面近傍の清浄化と安定化を図ろうとするものである。
れている不純物が保護膜内に拡散蓄積されやすい性質を
利用して、保護膜内に不純物を拡散蓄積した後、この保
護膜を除去することによりHgCdTe基板表面および
表面近傍の清浄化と安定化を図ろうとするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態であるH
gCdTeフォトダイオードの製造方法について図面を
用いて説明する。図1、図2は本発明のフォトダイオー
ドの製造方法について、プレーナ型のフォトダイオード
を例にして工程順に説明する概略の断面図である。
gCdTeフォトダイオードの製造方法について図面を
用いて説明する。図1、図2は本発明のフォトダイオー
ドの製造方法について、プレーナ型のフォトダイオード
を例にして工程順に説明する概略の断面図である。
【0026】図1(a)のように例えばCdZnTe基
板1上のキャリア濃度1×1016cm-3のp型HgCd
Te結晶2の表面2aを臭素−メタノール溶液で約2μ
mエッチングする。以後、CdZnTe基板1とHgC
dTe結晶2を総称してHgCdTe基板2という。
板1上のキャリア濃度1×1016cm-3のp型HgCd
Te結晶2の表面2aを臭素−メタノール溶液で約2μ
mエッチングする。以後、CdZnTe基板1とHgC
dTe結晶2を総称してHgCdTe基板2という。
【0027】次に、図1(b)に示すように例えばフォ
トレジスト4を介してB+ イオン3を例えば150ke
Vのエネルギーで1×1014cm-2のドーズ量でイオン
注入し、選択的にn型領域5を形成する。その後、フォ
トレジスト4は除去する。
トレジスト4を介してB+ イオン3を例えば150ke
Vのエネルギーで1×1014cm-2のドーズ量でイオン
注入し、選択的にn型領域5を形成する。その後、フォ
トレジスト4は除去する。
【0028】次に、図1(c)に示すようにHgCdT
e基板2の表面全体を臭素−メタノール溶液で約100
nmエッチングし、イオン注入によって生じたHgCd
Te基板2表面のダメージ層を除去する。
e基板2の表面全体を臭素−メタノール溶液で約100
nmエッチングし、イオン注入によって生じたHgCd
Te基板2表面のダメージ層を除去する。
【0029】次に、図1(d)に示すようにHgCdT
e基板2の表面全面に第一の保護膜6として例えばZn
Sを85℃で300nm形成する。
e基板2の表面全面に第一の保護膜6として例えばZn
Sを85℃で300nm形成する。
【0030】次に、図2(a)に示すように第一の保護
膜6を塩酸で除去し、さらにHgCdTe表面全面を臭
素−メタノール溶液で例えば約10nmエッチングす
る。
膜6を塩酸で除去し、さらにHgCdTe表面全面を臭
素−メタノール溶液で例えば約10nmエッチングす
る。
【0031】そして、図2(b)に示すように第二の保
護膜7、例えばZnSを85℃で300nmの厚さに選
択的に形成し、次に電極金属8を選択的に形成して、フ
ォトダイオードが製造される(図2(c))。
護膜7、例えばZnSを85℃で300nmの厚さに選
択的に形成し、次に電極金属8を選択的に形成して、フ
ォトダイオードが製造される(図2(c))。
【0032】以上説明したように本発明のフォトダイオ
ードの製造方法によれば、高品質の表面保護膜を形成で
き、高感度なHgCdTeフォトダイオードを製造する
ことができる。
ードの製造方法によれば、高品質の表面保護膜を形成で
き、高感度なHgCdTeフォトダイオードを製造する
ことができる。
【0033】ここで、HgCdTeフォトダイオードの
品質は、例えば液体窒素温度において−50mVの負バ
イアス電圧印加時の暗電流の値を用いて表すことができ
る。従来の製造方法によるフォトダイオードでは、暗電
流は平均2.0μA、標準偏差1.8μAである(総数
100個)。これに対し、本発明のフォトダイオードで
は、暗電流は平均0.2μA、標準偏差0.05μAで
ある。すなわち暗電流は1/10と小さくなるため、赤
外線検出感度は1桁向上し、また均一性も向上した。
品質は、例えば液体窒素温度において−50mVの負バ
イアス電圧印加時の暗電流の値を用いて表すことができ
る。従来の製造方法によるフォトダイオードでは、暗電
流は平均2.0μA、標準偏差1.8μAである(総数
100個)。これに対し、本発明のフォトダイオードで
は、暗電流は平均0.2μA、標準偏差0.05μAで
ある。すなわち暗電流は1/10と小さくなるため、赤
外線検出感度は1桁向上し、また均一性も向上した。
【0034】上記実施の形態ではZnSの形成温度を8
5℃としたが、60℃から130℃の間では同様な結果
が得られた。また、第一、第二の保護膜共にZnSと
し、その厚さを300nmとして形成したが、第一の保
護膜では50から500nm、第二の保護膜では200
から500nmの間の厚さで形成すれば同様な結果が得
られた。
5℃としたが、60℃から130℃の間では同様な結果
が得られた。また、第一、第二の保護膜共にZnSと
し、その厚さを300nmとして形成したが、第一の保
護膜では50から500nm、第二の保護膜では200
から500nmの間の厚さで形成すれば同様な結果が得
られた。
【0035】なお、第二の保護膜としてZnS以外の
膜、例えば陽極硫化膜とZnSを積層した保護膜、ある
いはSiO2 等を用いた場合でも、この第二の保護膜を
200から500nmの厚さで形成すれば、同様な結果
が得られた。
膜、例えば陽極硫化膜とZnSを積層した保護膜、ある
いはSiO2 等を用いた場合でも、この第二の保護膜を
200から500nmの厚さで形成すれば、同様な結果
が得られた。
【0036】さらに、第一の保護膜を除去した後のHg
CdTe基板表面のエッチング量は10nmとしたが、
このエッチング量が5から20nmの間では同様な結果
が、また、0から5nm、あるいは20から100nm
の間ではフォトダイオードの特性はやや低下するもの
の、本発明の方法を用いない場合と比較して、高性能な
フォトダイオードを作成することができた。
CdTe基板表面のエッチング量は10nmとしたが、
このエッチング量が5から20nmの間では同様な結果
が、また、0から5nm、あるいは20から100nm
の間ではフォトダイオードの特性はやや低下するもの
の、本発明の方法を用いない場合と比較して、高性能な
フォトダイオードを作成することができた。
【0037】上記実施の形態ではCdZnTe基板上に
成長したHgCdTe結晶を例にとって行ったが、この
HgCdTe結晶に限られるものではなく、CdTe、
GaAs、Si等の基板上に成長したHgCdTe結晶
あるいはバルクのHgCdTe結晶への適用も可能であ
る。また、プレーナ型フォトダイオードを例として説明
を行ったが、プレーナ型フォトダイオードに限定される
ものではなく、メサ型フォトダイオードへの適用も可能
である。
成長したHgCdTe結晶を例にとって行ったが、この
HgCdTe結晶に限られるものではなく、CdTe、
GaAs、Si等の基板上に成長したHgCdTe結晶
あるいはバルクのHgCdTe結晶への適用も可能であ
る。また、プレーナ型フォトダイオードを例として説明
を行ったが、プレーナ型フォトダイオードに限定される
ものではなく、メサ型フォトダイオードへの適用も可能
である。
【0038】図3にHgCdTe表面に第一の保護膜と
してZnSを形成し、この第一の保護膜を除去した後に
HgCdTe表面を臭素−メタノール溶液で軽くエッチ
ングし、次いで第二の保護膜として再びZnSを形成
し、前記第二の保護膜の表面にMIS素子を形成した場
合のC−V特性の測定結果を示す。図3の縦軸はMIS
構造のキャパシタンスのC/Cmax 、横軸はバイアス電
圧(V)である。
してZnSを形成し、この第一の保護膜を除去した後に
HgCdTe表面を臭素−メタノール溶液で軽くエッチ
ングし、次いで第二の保護膜として再びZnSを形成
し、前記第二の保護膜の表面にMIS素子を形成した場
合のC−V特性の測定結果を示す。図3の縦軸はMIS
構造のキャパシタンスのC/Cmax 、横軸はバイアス電
圧(V)である。
【0039】図3に示すように、VFBの面内でのばらつ
きは従来の方法でZnSを形成した場合は、−3V<V
FB<1Vであったものが0<VFB<1Vの範囲に安定し
た。さらにVFBのHgCdTe基板のロット間でのばら
つきも小さくなった。
きは従来の方法でZnSを形成した場合は、−3V<V
FB<1Vであったものが0<VFB<1Vの範囲に安定し
た。さらにVFBのHgCdTe基板のロット間でのばら
つきも小さくなった。
【0040】このとき、HgCdTe基板表面および表
面近傍の清浄化と安定化は第一の保護膜であるZnS中
に不純物を拡散蓄積させることで達成されている。従っ
て、第一の保護膜を除去した後に行うHgCdTe基板
表面のエッチングの量は多すぎると効果が低減する。さ
らに、実際のフォトダイオードを作成する場合にはHg
CdTe基板表面付近にpn接合が形成されているた
め、この接合の深さも考慮してエッチング量を決める必
要がある。
面近傍の清浄化と安定化は第一の保護膜であるZnS中
に不純物を拡散蓄積させることで達成されている。従っ
て、第一の保護膜を除去した後に行うHgCdTe基板
表面のエッチングの量は多すぎると効果が低減する。さ
らに、実際のフォトダイオードを作成する場合にはHg
CdTe基板表面付近にpn接合が形成されているた
め、この接合の深さも考慮してエッチング量を決める必
要がある。
【0041】また、第一の保護膜を除去した後にHgC
dTe基板表面を全くエッチングしない場合も、効果は
あるがエッチングした場合と比較するとこの効果は小さ
い。これは第一の保護膜であるZnSを除去するときに
用いる塩酸によりHgCdTe表面がダメージを受ける
ためであると考えられる。最も効果の大きいHgCdT
e基板表面のエッチングの量は5nmから20nmであ
り、20nmよりも多くエッチングすると逆に基板内の
不純物の影響によって再び効果は低減したが100nm
までは効果はあった。
dTe基板表面を全くエッチングしない場合も、効果は
あるがエッチングした場合と比較するとこの効果は小さ
い。これは第一の保護膜であるZnSを除去するときに
用いる塩酸によりHgCdTe表面がダメージを受ける
ためであると考えられる。最も効果の大きいHgCdT
e基板表面のエッチングの量は5nmから20nmであ
り、20nmよりも多くエッチングすると逆に基板内の
不純物の影響によって再び効果は低減したが100nm
までは効果はあった。
【0042】また、第一の保護膜は60℃から130℃
の範囲で形成することが望ましい。これは、60℃未満
では不純物の第一の保護膜への拡散の効果が低下するた
めである。また、第二の保護膜としてZnSを用いた場
合には60℃から130℃の範囲で形成することが望ま
しい。これは、ZnSを60℃未満で形成したのではそ
の密着性が不足し、その後のプロセスで保護膜の剥離を
生じてしまうためである。ただし、第二の保護膜として
ZnS以外の保護膜を形成した場合には、その形成温度
は60℃以上に限定されるものではない。また、130
℃を超える温度で第一又は第二の保護膜を形成したので
は、保護膜の形成中にHgCdTe基板そのものに変質
が生じ、意味がない。
の範囲で形成することが望ましい。これは、60℃未満
では不純物の第一の保護膜への拡散の効果が低下するた
めである。また、第二の保護膜としてZnSを用いた場
合には60℃から130℃の範囲で形成することが望ま
しい。これは、ZnSを60℃未満で形成したのではそ
の密着性が不足し、その後のプロセスで保護膜の剥離を
生じてしまうためである。ただし、第二の保護膜として
ZnS以外の保護膜を形成した場合には、その形成温度
は60℃以上に限定されるものではない。また、130
℃を超える温度で第一又は第二の保護膜を形成したので
は、保護膜の形成中にHgCdTe基板そのものに変質
が生じ、意味がない。
【0043】また、第一の保護膜の厚さは50nmから
500nmに形成することが望ましい。これは50nm
未満では不純物の蓄積効果が小さく、また膜厚の制御が
困難であり、500nmを超えると不純物の蓄積効果が
飽和傾向を示し、膜の形成に時間がかかり、膜のストレ
スが過大になるためである。
500nmに形成することが望ましい。これは50nm
未満では不純物の蓄積効果が小さく、また膜厚の制御が
困難であり、500nmを超えると不純物の蓄積効果が
飽和傾向を示し、膜の形成に時間がかかり、膜のストレ
スが過大になるためである。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、高感度なHgCdTe
フォトダイオードの製造方法を高い歩留まりで実現でき
る。
フォトダイオードの製造方法を高い歩留まりで実現でき
る。
【図1】本発明を工程順に説明する断面図である。
【図2】本発明を引き続き工程順に説明する断面図であ
る。
る。
【図3】本発明を説明するグラフである。
【図4】従来例を工程順に説明する断面図である。
【図5】従来例を説明するグラフである。
1、11…CdZnTe基板 2、12…HgCdTe結晶 2a、12a…HgCdTe結晶表面 3、13…注入イオン 4、14…フォトレジスト 5、15…イオン注入によるn型領域 6…第一の保護膜 7…第二の保護膜 8…金属電極 16…保護膜 17…金属電極
Claims (9)
- 【請求項1】 第一の導電型のHgCdTe層を有する
基板上に選択的に第二の導電型の領域を形成する工程
と、前記基板の表面に第一の保護膜を形成する工程と、
前記第一の保護膜を除去する工程と、前記第一の保護膜
を除去した前記基板の表面部分を除去する工程と、表面
部分が除去された前記基板上に選択的に第二の保護膜を
形成する工程と、前記基板上に電極金属を選択的に形成
する工程とを含むことを特徴とするフォトダイオードの
製造方法。 - 【請求項2】 第一の導電型のHgCdTe層を有する
基板上に選択的に第二の導電型の領域を形成する工程
と、前記基板の表面に第一の保護膜を形成する工程と、
前記第一の保護膜を除去する工程と、前記第一の保護膜
を除去した基板上に選択的に第二の保護膜を形成する工
程と、前記基板上に電極金属を選択的に形成する工程と
を含むことを特徴とするフォトダイオードの製造方法。 - 【請求項3】 第一および第二の保護膜がZnSである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフォトダ
イオードの製造方法。 - 【請求項4】 第一および第二の保護膜を60℃から1
30℃で形成することを特徴とする請求項3記載のフォ
トダイオードの製造方法。 - 【請求項5】 第一の保護膜がZnSであることを特徴
とする請求項1又は請求項2記載のフォトダイオードの
製造方法。 - 【請求項6】 第一の保護膜を60℃から130℃で形
成し、また前記第二の保護膜を130℃以下で形成する
ことを特徴とする請求項3記載のフォトダイオードの製
造方法。 - 【請求項7】 第一の保護膜を50nmから500nm
の厚さに形成することを特徴とする請求項4又は請求項
6記載のフォトダイオードの製造方法。 - 【請求項8】 第二の保護膜を200nmから500n
mの厚さに形成することを特徴とする請求項4又は請求
項6記載のフォトダイオードの製造方法。 - 【請求項9】 基板の表面除去層深さが5nmから10
0nmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記
載のフォトダイオードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9003631A JPH10200149A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | フォトダイオードの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9003631A JPH10200149A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | フォトダイオードの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10200149A true JPH10200149A (ja) | 1998-07-31 |
Family
ID=11562849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9003631A Pending JPH10200149A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | フォトダイオードの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10200149A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101958330A (zh) * | 2010-07-23 | 2011-01-26 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 一种金属化共用离子注入窗口的碲镉汞光伏探测芯片 |
-
1997
- 1997-01-13 JP JP9003631A patent/JPH10200149A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101958330A (zh) * | 2010-07-23 | 2011-01-26 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 一种金属化共用离子注入窗口的碲镉汞光伏探测芯片 |
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