JPH10199694A - Ｘ線管装置およびｘ線管装置のハウジングの製造方法 - Google Patents
Ｘ線管装置およびｘ線管装置のハウジングの製造方法Info
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- JPH10199694A JPH10199694A JP422297A JP422297A JPH10199694A JP H10199694 A JPH10199694 A JP H10199694A JP 422297 A JP422297 A JP 422297A JP 422297 A JP422297 A JP 422297A JP H10199694 A JPH10199694 A JP H10199694A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、Ｘ線管装置のハウジングの構造上
の強度を増加させることができ、かつ、ハウジングの変
形を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を無くすこと
ができるＸ線管装置およびＸ線管装置のハウジングの製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 Ｘ線を曝射するＸ線管１５と、このＸ線
管１５を内蔵するハウジング１１とを有するＸ線管装置
１０において、前記ハウジング１１は、セラミックスの
粉末を含有する合金から成る。
の強度を増加させることができ、かつ、ハウジングの変
形を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を無くすこと
ができるＸ線管装置およびＸ線管装置のハウジングの製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 Ｘ線を曝射するＸ線管１５と、このＸ線
管１５を内蔵するハウジング１１とを有するＸ線管装置
１０において、前記ハウジング１１は、セラミックスの
粉末を含有する合金から成る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ｘ線を曝射するＸ
線管装置およびＸ線管装置のハウジングの製造方法に関
するものである。
線管装置およびＸ線管装置のハウジングの製造方法に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、Ｘ線ＣＴ装置、Ｘ線診断装置等で
は、Ｘ線を曝射する装置として、Ｘ線管装置を用いてい
る。このようなＸ線管装置の断面図を図１に示す。図１
に示すように、Ｘ線管装置１０は、ハウジング１１内に
注入された絶縁油１３内に回転陽極Ｘ線管１５が設置さ
れている。
は、Ｘ線を曝射する装置として、Ｘ線管装置を用いてい
る。このようなＸ線管装置の断面図を図１に示す。図１
に示すように、Ｘ線管装置１０は、ハウジング１１内に
注入された絶縁油１３内に回転陽極Ｘ線管１５が設置さ
れている。
【０００３】ハウジング１１は、略円筒状のアルミニウ
ム鋳物である左側構成部材１１Ｌおよび右側構成部材１
１Ｒと、左側構成部材１１Ｌと右側構成部材１１Ｒの間
に設けられ、Ｘ線の漏洩を防止する鉛から成る略円筒状
の防護鉛１１Ｐｂとから成る。
ム鋳物である左側構成部材１１Ｌおよび右側構成部材１
１Ｒと、左側構成部材１１Ｌと右側構成部材１１Ｒの間
に設けられ、Ｘ線の漏洩を防止する鉛から成る略円筒状
の防護鉛１１Ｐｂとから成る。
【０００４】回転陽極Ｘ線管１５の陰極１７は、タング
ステンフィラメント、収束電極等からなり、前記フィラ
メントに電流を流すことにより加熱され、熱電子を放出
する。
ステンフィラメント、収束電極等からなり、前記フィラ
メントに電流を流すことにより加熱され、熱電子を放出
する。
【０００５】回転陽極Ｘ線管１５の回転陽極１９は、円
板状のタングステンから成り、陰極から放出された熱電
子が衝突してＸ線を発生させる。また回転陽極１９に
は、回転陽極１９自体を回転させるためのロータ２１が
接続されている。このロータ２１とロータ２１の外周部
に設けられているステータ２３により誘導モータを形成
し、回転陽極１９を回転させる。
板状のタングステンから成り、陰極から放出された熱電
子が衝突してＸ線を発生させる。また回転陽極１９に
は、回転陽極１９自体を回転させるためのロータ２１が
接続されている。このロータ２１とロータ２１の外周部
に設けられているステータ２３により誘導モータを形成
し、回転陽極１９を回転させる。
【０００６】また、陰極１７と回転陽極１９には高電圧
ケーブル２５が接続されている。この高電圧ケーブル２
５を介して図示しない高電圧発生装置から高電圧が印加
される。尚、ハウジング１１には、絶縁油１３の熱膨張
を吸収するためのゴムベロー２７が設けられている。
ケーブル２５が接続されている。この高電圧ケーブル２
５を介して図示しない高電圧発生装置から高電圧が印加
される。尚、ハウジング１１には、絶縁油１３の熱膨張
を吸収するためのゴムベロー２７が設けられている。
【０００７】Ｘ線管装置１０では、陰極１７から電子を
放出させ、高電圧で加速し、回転陽極１９のＸ線焦点
（Ｘ線発生点）Ｆに衝突させてＸ線を発生させ、ハウジ
ング１１に設けられた窓ＷからＸ線を曝射させる。
放出させ、高電圧で加速し、回転陽極１９のＸ線焦点
（Ｘ線発生点）Ｆに衝突させてＸ線を発生させ、ハウジ
ング１１に設けられた窓ＷからＸ線を曝射させる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ｘ線管
装置において、回転陽極へ衝突する熱電子の運動エネル
ギーがＸ線に変換される割合は１％で以下であり、ほと
んどが熱となる。このため、陽極は極めて高温となり、
この陽極を含めてＸ線管装置の各部は高温となる。
装置において、回転陽極へ衝突する熱電子の運動エネル
ギーがＸ線に変換される割合は１％で以下であり、ほと
んどが熱となる。このため、陽極は極めて高温となり、
この陽極を含めてＸ線管装置の各部は高温となる。
【０００９】従来、Ｘ線管装置のハウジングとしてアル
ミニウム鋳物が採用されてきたが、熱膨脹率が高いた
め、前記Ｘ線装置各部の温度上昇により、Ｘ線管装置の
構造に変形が起こり、結果としてＸ線焦点Ｆの移動が生
じ、このためＸ線の空間強度部分布の変化が生じてい
た。また、前記Ｘ線装置各部の温度上昇により、ハウジ
ングも変形し、Ｘ線を通過させる窓Ｗの位置が移動する
ため、これによってもＸ線の空間強度部分布を変化させ
る場合があった。
ミニウム鋳物が採用されてきたが、熱膨脹率が高いた
め、前記Ｘ線装置各部の温度上昇により、Ｘ線管装置の
構造に変形が起こり、結果としてＸ線焦点Ｆの移動が生
じ、このためＸ線の空間強度部分布の変化が生じてい
た。また、前記Ｘ線装置各部の温度上昇により、ハウジ
ングも変形し、Ｘ線を通過させる窓Ｗの位置が移動する
ため、これによってもＸ線の空間強度部分布を変化させ
る場合があった。
【００１０】このＸ線の空間分布の変化は前記Ｘ線管装
置を有するＸ線ＣＴ装置では、画像むらの原因ともなっ
ていた。これを防止するため、Ｘ線管装置の使用能力を
制限すること、即ち、使用電流量や曝射時間を短く設定
していた。
置を有するＸ線ＣＴ装置では、画像むらの原因ともなっ
ていた。これを防止するため、Ｘ線管装置の使用能力を
制限すること、即ち、使用電流量や曝射時間を短く設定
していた。
【００１１】また、アルミニウム鋳物は素材として剛性
が低いため、構造上の強度を高めるために所定の厚みが
必要であり、軽量かができないという問題もあった。さ
らに、アルミニウム鋳物は振動抑制力が無く、共振周波
数を中心とする振動やその高周波がＸ線管装置支持構造
に伝達され、Ｘ線画像のぶれやアーチファクトを生じさ
せる恐れがある。
が低いため、構造上の強度を高めるために所定の厚みが
必要であり、軽量かができないという問題もあった。さ
らに、アルミニウム鋳物は振動抑制力が無く、共振周波
数を中心とする振動やその高周波がＸ線管装置支持構造
に伝達され、Ｘ線画像のぶれやアーチファクトを生じさ
せる恐れがある。
【００１２】また、これらを防止するため、熱膨脹率の
低いセラミックスによりハウジングを所定の形状に焼成
することも考えられるが、熱膨張率が低いために焼き割
れが発生し、また、剛性が高いために加工性が悪く、生
産性が低い。
低いセラミックスによりハウジングを所定の形状に焼成
することも考えられるが、熱膨張率が低いために焼き割
れが発生し、また、剛性が高いために加工性が悪く、生
産性が低い。
【００１３】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、Ｘ線管装置のハウジングの構造上の強度を増加させ
ることができ、かつ、ハウジングの変形を防止してＸ線
の空間強度部分布の変化を無くすことができるＸ線管装
置およびＸ線管装置のハウジングの製造方法を提供する
ことを目的とする。
で、Ｘ線管装置のハウジングの構造上の強度を増加させ
ることができ、かつ、ハウジングの変形を防止してＸ線
の空間強度部分布の変化を無くすことができるＸ線管装
置およびＸ線管装置のハウジングの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載の発明は、Ｘ線を曝射するＸ線管と、この
Ｘ線管を内蔵するハウジングとを有するＸ線管装置にお
いて、前記ハウジングは、セラミックスの粉末を含有す
る合金から成ることを要旨とする。
請求項１記載の発明は、Ｘ線を曝射するＸ線管と、この
Ｘ線管を内蔵するハウジングとを有するＸ線管装置にお
いて、前記ハウジングは、セラミックスの粉末を含有す
る合金から成ることを要旨とする。
【００１５】請求項１記載のＸ線管装置にあっては、セ
ラミックスの粉末を含有する合金から成るハウジングを
有することにより、Ｘ線管装置のハウジングの構造上の
強度を増加させることができ、かつ、ハウジングの変形
を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を無くすことが
できる。
ラミックスの粉末を含有する合金から成るハウジングを
有することにより、Ｘ線管装置のハウジングの構造上の
強度を増加させることができ、かつ、ハウジングの変形
を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を無くすことが
できる。
【００１６】また、請求項４記載の発明は、鋳造用合金
を溶融させる溶融工程と、この溶解工程により溶融され
た鋳造用合金とセラミックスの粉末を混合して撹拌する
混合撹拌工程と、この混合撹拌工程により混合して撹拌
された混合材をハウジングの鋳型に注入して冷却固化す
る鋳造工程とを有することを要旨とする。
を溶融させる溶融工程と、この溶解工程により溶融され
た鋳造用合金とセラミックスの粉末を混合して撹拌する
混合撹拌工程と、この混合撹拌工程により混合して撹拌
された混合材をハウジングの鋳型に注入して冷却固化す
る鋳造工程とを有することを要旨とする。
【００１７】請求項４記載のＸ線管装置のハウジングの
製造方法にあっては、溶融された鋳造用合金とセラミッ
クスの粉末を混合して撹拌し、これにより得られた混合
材をハウジングの鋳型に注入して冷却固化することによ
り、Ｘ線管装置のハウジングの構造上の強度を増加させ
ることができ、かつ、ハウジングの変形を防止してＸ線
の空間強度部分布の変化を無くすことができる。
製造方法にあっては、溶融された鋳造用合金とセラミッ
クスの粉末を混合して撹拌し、これにより得られた混合
材をハウジングの鋳型に注入して冷却固化することによ
り、Ｘ線管装置のハウジングの構造上の強度を増加させ
ることができ、かつ、ハウジングの変形を防止してＸ線
の空間強度部分布の変化を無くすことができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面を参照して説明する。図１は本発明に係るＸ線管装
置の一実施形態を示した断面図であり、図２は、図１に
示すＸ線管装置のハウジングを示す断面図である。尚、
本実施形態のＸ線管装置の断面形状は図１に示したもの
と同一であるので詳細な説明を省略した。
図面を参照して説明する。図１は本発明に係るＸ線管装
置の一実施形態を示した断面図であり、図２は、図１に
示すＸ線管装置のハウジングを示す断面図である。尚、
本実施形態のＸ線管装置の断面形状は図１に示したもの
と同一であるので詳細な説明を省略した。
【００１９】図１に示すように、本実施形態のＸ線管装
置１０は、炭化珪素（ＳｉＣ）を含有するアルミニウム
鋳造合金により鋳造されたハウジング１１を有し、ハウ
ジング１１の構造上の強度を増加させるようにしたもの
である。
置１０は、炭化珪素（ＳｉＣ）を含有するアルミニウム
鋳造合金により鋳造されたハウジング１１を有し、ハウ
ジング１１の構造上の強度を増加させるようにしたもの
である。
【００２０】ここで、炭化珪素を含有するアルミニウム
鋳造合金（炭化珪素５０％含有と炭化珪素３０％含有）
と、アルミニウム鋳造合金（前記炭化珪素を含まず）
と、アルミニウム合金押出材と、ねずみ鋳鉄の熱膨脹係
数を図３に示し、これらの熱伝導度を図４に示す。
鋳造合金（炭化珪素５０％含有と炭化珪素３０％含有）
と、アルミニウム鋳造合金（前記炭化珪素を含まず）
と、アルミニウム合金押出材と、ねずみ鋳鉄の熱膨脹係
数を図３に示し、これらの熱伝導度を図４に示す。
【００２１】図３と図４に示すように、炭化珪素を３０
％含有するアルミニウム鋳造合金は、熱膨張率について
はアルミニウム鋳造合金のみの約６６％であり、熱伝導
度については同等か若干優れていることが分かる。
％含有するアルミニウム鋳造合金は、熱膨張率について
はアルミニウム鋳造合金のみの約６６％であり、熱伝導
度については同等か若干優れていることが分かる。
【００２２】このため、本実施形態のハウジング１１
は、セラミックスとして炭化珪素を３０％〜４０％含有
する合金としてのアルミニウム鋳造合金を用いて略円筒
状に鋳造した左側構成部材１１Ｌおよび右側構成部材１
１Ｒと、左側構成部材１１Ｌと右側構成部材１１Ｒの間
に設けられ、Ｘ線の漏洩を防止する鉛から成る略円筒状
の防護鉛１１Ｐｂとから構成するようにしている。
は、セラミックスとして炭化珪素を３０％〜４０％含有
する合金としてのアルミニウム鋳造合金を用いて略円筒
状に鋳造した左側構成部材１１Ｌおよび右側構成部材１
１Ｒと、左側構成部材１１Ｌと右側構成部材１１Ｒの間
に設けられ、Ｘ線の漏洩を防止する鉛から成る略円筒状
の防護鉛１１Ｐｂとから構成するようにしている。
【００２３】また、本実施形態のハウジング１１は、例
えば素材表面がシラン（シリコンハイドライド）剤、あ
るいは４２％Ｎｉ残部Ｆｅ等のアンバー（不変鋼）系の
コーティング剤にて表面処理（被膜処理）された炭化珪
素粉末を、アルミニウム鋳造合金の溶融時に混合分散さ
せた後、所定の形状に鋳造することが望ましい。炭化珪
素とアルミニウム鋳造合金は比重が近接しており、前記
表面処理（被膜処理）による化学結合で偏析や解難が無
いアルミニウムをマトリックスとしたセラミックス複合
強化組織を得ることができる。尚、この表面処理は薄膜
であるため、拡散や部分溶融等の濡れ溶接の原理に基づ
きアルミニウム合金組織と炭化珪素の接合に寄与する。
えば素材表面がシラン（シリコンハイドライド）剤、あ
るいは４２％Ｎｉ残部Ｆｅ等のアンバー（不変鋼）系の
コーティング剤にて表面処理（被膜処理）された炭化珪
素粉末を、アルミニウム鋳造合金の溶融時に混合分散さ
せた後、所定の形状に鋳造することが望ましい。炭化珪
素とアルミニウム鋳造合金は比重が近接しており、前記
表面処理（被膜処理）による化学結合で偏析や解難が無
いアルミニウムをマトリックスとしたセラミックス複合
強化組織を得ることができる。尚、この表面処理は薄膜
であるため、拡散や部分溶融等の濡れ溶接の原理に基づ
きアルミニウム合金組織と炭化珪素の接合に寄与する。
【００２４】このように、本実施形態のＸ線管装置１０
では、炭化珪素を含有するアルミニウム鋳造合金により
鋳造されたハウジング１１を有するので、ハウジング１
１の熱膨張率が単なるアルミニウム鋳物の５０％近くと
なり、ハウジング１１の変形を防止することができる。
また、ハウジング１１に含有する炭化珪素の吸振効果に
より、回転陽極１９の振動の伝達を防止することができ
る。さらに、引張り強度も単なるアルミニウム鋳物より
６０％以上向上させることができる。これらのため、Ｘ
線の空間強度部分布の変化を無くすことができ、従来の
Ｘ線管装置に比べ、強電流負荷で長時間の使用が可能と
なる。従ってこのＸ線管装置１０を使用することによ
り、画質のより良好なＸ線画像を得ることができる。
では、炭化珪素を含有するアルミニウム鋳造合金により
鋳造されたハウジング１１を有するので、ハウジング１
１の熱膨張率が単なるアルミニウム鋳物の５０％近くと
なり、ハウジング１１の変形を防止することができる。
また、ハウジング１１に含有する炭化珪素の吸振効果に
より、回転陽極１９の振動の伝達を防止することができ
る。さらに、引張り強度も単なるアルミニウム鋳物より
６０％以上向上させることができる。これらのため、Ｘ
線の空間強度部分布の変化を無くすことができ、従来の
Ｘ線管装置に比べ、強電流負荷で長時間の使用が可能と
なる。従ってこのＸ線管装置１０を使用することによ
り、画質のより良好なＸ線画像を得ることができる。
【００２５】次に、本発明に係るＸ線管装置のハウジン
グの製造方法の一実施形態を図５を用いて説明する。
尚、ここでは前述した図１に示すＸ線管装置１０のハウ
ジング１１を製造する場合を例にして説明する。
グの製造方法の一実施形態を図５を用いて説明する。
尚、ここでは前述した図１に示すＸ線管装置１０のハウ
ジング１１を製造する場合を例にして説明する。
【００２６】まず、鋳造用合金としてのアルミニウム鋳
造合金、例えばＡＣ４Ａ（ＪＩＳ）を溶解炉にて溶融し
て要融合金４１を得る（溶融工程）。次いで、この溶解
工程により得られた要融合金４１と前記表面処理された
セラミックスとしての炭化珪素４３とを混合し、溶融し
たまま撹拌して均一分散させてアルミニウム鋳造合金と
炭化珪素の混合材４５を得る（混合撹拌工程）。
造合金、例えばＡＣ４Ａ（ＪＩＳ）を溶解炉にて溶融し
て要融合金４１を得る（溶融工程）。次いで、この溶解
工程により得られた要融合金４１と前記表面処理された
セラミックスとしての炭化珪素４３とを混合し、溶融し
たまま撹拌して均一分散させてアルミニウム鋳造合金と
炭化珪素の混合材４５を得る（混合撹拌工程）。
【００２７】次いで、ハウジング１１の砂型もしくは金
型に混合材４５を注入し、冷却固化することによりハウ
ジング１１を鋳造する（鋳造工程）。この後、冷却固化
されたハウジング１１を前記砂型もしくは金型から離型
する。こうして、Ｘ線管装置１０のハウジング１１が製
造される。
型に混合材４５を注入し、冷却固化することによりハウ
ジング１１を鋳造する（鋳造工程）。この後、冷却固化
されたハウジング１１を前記砂型もしくは金型から離型
する。こうして、Ｘ線管装置１０のハウジング１１が製
造される。
【００２８】尚、前記要融合金４１と炭化珪素４３とを
混合し撹拌して均一分散させた混合材４５のインゴット
を作成しておき、このインゴットを再溶解し、これを砂
型もしくは金型に混合材４５を注入し、冷却固化するこ
とによりハウジング１１を製造するようにしても良い。
混合し撹拌して均一分散させた混合材４５のインゴット
を作成しておき、このインゴットを再溶解し、これを砂
型もしくは金型に混合材４５を注入し、冷却固化するこ
とによりハウジング１１を製造するようにしても良い。
【００２９】このように、本実施形態のＸ線管装置のハ
ウジングの製造方法では、溶融されたアルミニウム鋳造
合金と炭化珪素粉末４１を混合して撹拌して混合材４５
を得、この混合材４５をハウジングの砂型もしくは金型
に注入して冷却固化するようにしているので、ハウジン
グ１１の熱膨張率が単なるアルミニウム鋳物の５０％近
くとなり、ハウジング１１の変形を防止することができ
る。また、ハウジング１１に含有する炭化珪素の吸振効
果により、回転陽極１９の振動の伝達を防止することが
できる。さらに、引張り強度も単なるアルミニウム鋳物
より６０％以上向上させることができる。これらのた
め、Ｘ線の空間強度部分布の変化を無くすことができ、
従来のＸ線管装置に比べ、強電流負荷で長時間の使用が
可能となる。従ってこのＸ線管装置１０を使用すること
により、画質のより良好なＸ線画像を得ることができ
る。
ウジングの製造方法では、溶融されたアルミニウム鋳造
合金と炭化珪素粉末４１を混合して撹拌して混合材４５
を得、この混合材４５をハウジングの砂型もしくは金型
に注入して冷却固化するようにしているので、ハウジン
グ１１の熱膨張率が単なるアルミニウム鋳物の５０％近
くとなり、ハウジング１１の変形を防止することができ
る。また、ハウジング１１に含有する炭化珪素の吸振効
果により、回転陽極１９の振動の伝達を防止することが
できる。さらに、引張り強度も単なるアルミニウム鋳物
より６０％以上向上させることができる。これらのた
め、Ｘ線の空間強度部分布の変化を無くすことができ、
従来のＸ線管装置に比べ、強電流負荷で長時間の使用が
可能となる。従ってこのＸ線管装置１０を使用すること
により、画質のより良好なＸ線画像を得ることができ
る。
【００３０】尚、上記の実施の形態では、アルミニウム
鋳造合金を用いているが、本発明はこれに限定されるこ
と無く、例えばマグネシウム鋳造合金を用いても良い。
さらに、上記の実施の形態では、炭化珪素を用いている
が、本発明はこれに限定されること無く、例えばセラミ
ックスとして熱伝導率の良好な窒化珪素、窒化アルミニ
ウムを用いても良い。
鋳造合金を用いているが、本発明はこれに限定されるこ
と無く、例えばマグネシウム鋳造合金を用いても良い。
さらに、上記の実施の形態では、炭化珪素を用いている
が、本発明はこれに限定されること無く、例えばセラミ
ックスとして熱伝導率の良好な窒化珪素、窒化アルミニ
ウムを用いても良い。
【００３１】
【発明の効果】以上説明したように請求項１記載の発明
によれば、セラミックスの粉末を含有する合金から成る
ハウジングを有するので、Ｘ線管装置のハウジングの構
造上の強度を増加させることができ、かつ、ハウジング
の変形を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を無くす
ことができる。
によれば、セラミックスの粉末を含有する合金から成る
ハウジングを有するので、Ｘ線管装置のハウジングの構
造上の強度を増加させることができ、かつ、ハウジング
の変形を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を無くす
ことができる。
【００３２】また、請求項４記載の発明によれば、溶融
された鋳造用合金とセラミックスの粉末を混合して撹拌
し、これにより得られた混合材をハウジングの鋳型に注
入して冷却固化することによりＸ線管装置のハウジング
を製造するようにしているので、Ｘ線管装置のハウジン
グの構造上の強度を増加させることができ、かつ、ハウ
ジングの変形を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を
無くすことができる。
された鋳造用合金とセラミックスの粉末を混合して撹拌
し、これにより得られた混合材をハウジングの鋳型に注
入して冷却固化することによりＸ線管装置のハウジング
を製造するようにしているので、Ｘ線管装置のハウジン
グの構造上の強度を増加させることができ、かつ、ハウ
ジングの変形を防止してＸ線の空間強度部分布の変化を
無くすことができる。
【図１】本発明に係るＸ線管装置の一実施形態を示す断
面図である。
面図である。
【図２】図１に示す実施形態のＸ線管装置のハウジング
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図３】炭化珪素を含有するアルミニウム鋳造合金（炭
化珪素５０％含有と炭化珪素３０％含有）と従来のアル
ミニウム鋳造合金とアルミニウム合金押出材とねずみ鋳
鉄の熱膨脹係数を示した図である。
化珪素５０％含有と炭化珪素３０％含有）と従来のアル
ミニウム鋳造合金とアルミニウム合金押出材とねずみ鋳
鉄の熱膨脹係数を示した図である。
【図４】炭化珪素を含有するアルミニウム鋳造合金（炭
化珪素５０％含有と炭化珪素３０％含有）と従来のアル
ミニウム鋳造合金とアルミニウム合金押出材とねずみ鋳
鉄の熱伝導度を示した図である。
化珪素５０％含有と炭化珪素３０％含有）と従来のアル
ミニウム鋳造合金とアルミニウム合金押出材とねずみ鋳
鉄の熱伝導度を示した図である。
【図５】本発明に係るＸ線管装置のハウジングの製造方
法を示す図である。
法を示す図である。
１０ Ｘ線管装置 １１ ハウジング １３ 絶縁油 １５ 回転陽極Ｘ線管 １７ 陰極 １９ 回転陽極 ２１ ロータ ２３ ステータ ２５ 高電圧ケーブル ２７ ゴムベロー ４１ 要融合金 ４３ 炭化珪素（ＳｉＣ） ４５ 混合材
Claims (6)
- 【請求項１】 Ｘ線を曝射するＸ線管と、このＸ線管を
内蔵するハウジングとを有するＸ線管装置において、 前記ハウジングは、セラミックスの粉末を含有する合金
から成ることを特徴とするＸ線管装置。 - 【請求項２】 前記セラミックスの粉末は、炭化珪素の
粉末であることを特徴とする請求項１記載のＸ線管装
置。 - 【請求項３】 前記合金はアルミニウムもしくはマグネ
シウムにセラミックスの粉末が含有していることを特徴
とする請求項１記載のＸ線管装置。 - 【請求項４】 鋳造用合金を溶融させる溶融工程と、 この溶解工程により溶融された鋳造用合金とセラミック
スの粉末を混合して撹拌する混合撹拌工程と、 この混合撹拌工程により混合して撹拌された混合材をハ
ウジングの鋳型に注入して冷却固化する鋳造工程と、 を有することを特徴とするＸ線管装置のハウジングの製
造方法。 - 【請求項５】 前記セラミックスの粉末は、炭化珪素の
粉末であることを特徴とする請求項４記載のＸ線管装置
のハウジングの製造方法。 - 【請求項６】 前記鋳造用合金はアルミニウムもしくは
マグネシウムにセラミックスの粉末が含有していること
を特徴とする請求項４記載のＸ線管装置のハウジングの
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP422297A JPH10199694A (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | Ｘ線管装置およびｘ線管装置のハウジングの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP422297A JPH10199694A (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | Ｘ線管装置およびｘ線管装置のハウジングの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10199694A true JPH10199694A (ja) | 1998-07-31 |
Family
ID=11578580
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP422297A Pending JPH10199694A (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | Ｘ線管装置およびｘ線管装置のハウジングの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10199694A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008536290A (ja) * | 2005-04-11 | 2008-09-04 | ジェンデックス・コーポレーション | 分割部の角度が傾斜したｘ線チューブへッドハウジング |
| JP2014116158A (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-26 | Toshiba Corp | Ｘ線管装置及びｘ線管装置の製造方法 |
-
1997
- 1997-01-14 JP JP422297A patent/JPH10199694A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008536290A (ja) * | 2005-04-11 | 2008-09-04 | ジェンデックス・コーポレーション | 分割部の角度が傾斜したｘ線チューブへッドハウジング |
| JP2014116158A (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-26 | Toshiba Corp | Ｘ線管装置及びｘ線管装置の製造方法 |
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