JPH10199023A - 光ピックアップ装置、集光光学系、対物レンズ、再生方法及び光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップ装置、集光光学系、対物レンズ、再生方法及び光ディスク装置

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JPH10199023A
JPH10199023A JP8339544A JP33954496A JPH10199023A JP H10199023 A JPH10199023 A JP H10199023A JP 8339544 A JP8339544 A JP 8339544A JP 33954496 A JP33954496 A JP 33954496A JP H10199023 A JPH10199023 A JP H10199023A
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敬之 山崎
Masaya Kobayashi
雅也 小林
Katsuya Yagi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの光ピックアップ装置で異なる基板厚を
有する光ディスクを再生可能とし、構造が簡単でコンパ
クトな光ピックアップ装置、集光光学系、対物レンズ、
再生方法及び光ディスク装置を提供する。 【解決手段】 厚さt1の透明基板の第1の光情報記録
媒体と、厚さt2の透明基板の第2の光情報記録媒体を
再生可能な集光光学系を有する光ピックアップ装置であ
って、第1の光情報記録媒体の記録密度をi1、第2の
光情報記録媒体の記録密度をi2(<i1)としたと
き、波長λのレーザ光束を光情報記録媒体に集光する光
学系の光情報記録媒体側の開口数をNA0、レーザ光束
により第2の光情報記録媒体を再生可能な光情報記録媒
体側の開口数をNA2としたとき、レーザ光束を厚さt
1の基板を介して集光したときのNA0の範囲の最良波
面収差が0.05λrms以下で、かつ厚さt2の基板
を介して集光したときにNA2の範囲内の最良波面収差
を0.07λrms以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光などの光
ビームを光情報記録媒体に照射することにより、光情報
を再生する光情報記録媒体の光ピックアップ装置、集光
光学系、対物レンズ、再生方法、及び光ディスク装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係わる従来の技術を説明する。
【0003】なお、以下の説明は光情報記録媒体として
光ディスクを例にとり説明する。
【0004】近年、短波長赤色半導体レーザ(λ=63
5〜690nm)の実用化に伴い、従来のCD(コンパ
クトディスク)と同程度の光ディスクサイズで、より大
容量化させたDVD(デジタルビデオディスク)の開発
が進んできている。このDVD方式光ディスクでは、大
容量化の為光ピックアップの対物レンズのNAを0.
6、ディスク基板厚さを従来のCDの半分の0.6mm
としている。又、トラックピッチ0.74μm、最短ピ
ット長0.4μmとCDのトラックピッチ1.6μm、
最短ピット長0.86μmの半分以下に高密度化されて
いる。
【0005】このようなDVDを再生できる光ディスク
装置で、従来からあるCDも再生できるものが、ソフト
資産の活用の為のぞまれている。
【0006】図1は、従来考えられている光ディスク装
置に使用される光ピックアップ装置の図である。
【0007】図1において、レーザ光源1から出射した
光束はホログラムビームスプリッタ2を通過してコリメ
ータレンズ3に入射し、平行光束となり絞り5で所定の
光束に制限されて対物レンズ6へ入射する。この対物レ
ンズ6は平行光束が入射したときに或る所定の厚さの基
板7(ここではt=0.6mm)を通して無収差の光ス
ポットを情報記録面8上へ結像させる。
【0008】この情報記録面8で情報ピットにより変調
されて反射した光束は、対物レンズ6、コリメータレン
ズ3を介してホログラムビームスプリッタ2に戻り、こ
こでレーザ光源1からの光路から分離され、光検出器9
へ入射する。この光検出器9は多分割されたPINフォ
トダイオードであり、各素子より、入射した光束の強度
に比例した電流を出力し、この電流を図には示さない検
出回路系に送りここで情報信号、フォーカスエラー信
号、トラックエラー信号を生成する。このフォーカスエ
ラー信号、トラックエラー信号に基づき磁気回路とコイ
ル等で構成される2次元アクチュエータ(図示せず)で
対物レンズ6をフォーカシング方向、トラッキング方向
に制御し、常に情報トラック上に光スポット位置を合わ
せる。
【0009】このような光ピックアップ装置では対物レ
ンズ6で集光される光スポットを小さくする為大NA
(例えばNA0.6)であるので、このような集光光束
中に置かれる基板7の厚さが所定の厚さからずれると大
きな球面収差が発生する。
【0010】図2は、基板厚さと最良波面収差との関係
を示す図である。
【0011】図2でこれを説明するとNA0.6、レー
ザ光源から出射されるレーザ光の波長635nm、基板
厚さ0.6mm、基板屈折率1.58の条件で最適化さ
れた対物レンズで、基板の厚さを変えた場合、0.01
mmずれるごとに0.01λrms程収差が増大する。
基板厚さが±0.07mmずれると0.07λrmsの
収差となり、読み取りが正常に行える目安となるマレシ
ャルの限界値に達してしまう。
【0012】この為0.6mm厚の基板を有する光ディ
スクにかえて例えば1.2mm厚の基板を有する光ディ
スクを再生しようとする場合、アクチュエータ部で1.
2mm厚の基板を通して無収差の光スポットが得られる
ように設計された対物レンズ61と絞り51に切り替え
て再生するようにしている。
【0013】或いは0.6mm厚の基板用と1.2mm
厚の基板用の2個の光ピックアップ装置を1台の光ディ
スク装置内につける方法も考えられている。
【0014】また、光ピックアップ装置中にホログラム
を設け、これを透過する0次光と1次光の夫々を0.6
mm厚基板と1.2mm厚基板に対応する光スポットと
して情報記録面に集光させる方法も考えられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、1台の
光ディスク装置で異なる基板厚を有する光ディスクを再
生可能とする装置とするために、例えば一つの光ピック
アップ装置に光ディスクの基板厚が0.6mm用と1.
2mm用それぞれに対応する対物レンズを2個取り付け
たり、光ディスク装置に光ディスクの基板厚が0.6m
m用と1.2mm用の2個の光ピックアップ装置を用い
る方法では光ピックアップ装置及び光ディスク装置をコ
ンパクトで低コストとすることは出来ない。
【0016】光ピックアップ装置の集光光学系の光路中
にホログラムを設け、これを透過する0次光と1次光の
夫々を0.6mm厚基板と1.2mm厚基板に対応する
光スポットとして情報記録面に対物レンズで集光させる
方法では、常に光ディスクの情報記録面に向け2つの光
束が出射されるため、一方の光束による光スポットでの
情報読み出しを行うときは他方の光束は読み出しには寄
与しない不要光となり、ノイズ増大要因となる。又、レ
ーザー光強度を分割して用いる事になるため、光検出器
に戻る光量低下によるS/N比低下が発生したり、この
光量低下を抑える為レーザ発光量を増大させた場合には
レーザー寿命が低下してしまう。更に記録を行う方式と
するときは出射ロス分が増大することにより、より高い
出力のレーザーが必要となりコストが高くなる。
【0017】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものである。即ち、一つの光ピックアップ装置で
異なる基板厚を有する光ディスクを再生可能とし、構造
が簡単でコンパクトな光ピックアップ装置、集光光学
系、対物レンズ、再生方法及び光ディスク装置を提供す
ることを目的としたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成を採ることによって達成される。
【0019】(1) 厚さt1の透明基板を有する第1
の光情報記録媒体と、t1とは異なる厚さt2の透明基
板を有する第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の
光情報記録媒体を再生可能な集光光学系を有する光ピッ
クアップ装置であって、前記第1の光情報記録媒体の記
録密度をi1、前記第2の光情報記録媒体の記録密度を
i2(<i1)としたとき、波長λのレーザ光源、この
光源からの光束を光情報記録媒体に向けて集光する前記
集光光学系の光情報記録媒体側の開口数をNA0、前記
レーザ光源の光束により前記第2の光情報記録媒体の情
報を再生可能な光情報記録媒体側の開口数をNA2とし
たとき、前記集光光学系は、前記レーザ光源の光束を厚
さt1の透明基板を介して集光したときの前記NA0の
範囲の最良波面収差が0.05λrms以下で、かつ前
記厚さt2の透明基板を介して集光したときに前記NA
2の範囲内で発生する最良波面収差を0.07λrms
以下とするような球面収差を有することを特徴とする光
ピックアップ装置。
【0020】(2) 屈折率n1厚さt1の透明基板を
有する第1の光情報記録媒体と、屈折率n2厚さt2
(≠t1)の透明基板を有する第2の光情報記録媒体の
少なくとも2種類の光情報記録媒体を再生可能な集光光
学系を有する光ピックアップ装置であって、前記集光光
学系は、波長λのレーザ光源の光束を屈折率n1厚さt
1の透明基板を介して集光したときの最良波面収差が
0.05λrms以下であり、かつ、前記レーザ光源の
光束を前記屈折率n2厚さt2の透明基板を介して集光
して形成した光スポットの中心近傍の強度が最大となる
デフォーカス状態において、該光スポットの中心の光強
度P1と、一次リングの光強度P2の比が、P2/P1
<0.05であることを特徴とする光ピックアップ装
置。
【0021】(3) 厚さt1、波長λの光に対する屈
折率n1の透明基板を有する第1の光情報記録媒体と、
厚さt2、波長λの光に対する屈折率n2の透明基板を
有する第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情
報記録媒体を再生可能な集光光学系を有する光ピックア
ップ装置であって、波長λ(μm)の光源を用いて、厚
さt1、屈折率n1の透明基板を介して光スポットを形
成したときに球面収差が完全に補正されている完全補正
集光光学系で、厚さt2、屈折率n2の透明基板を介し
て波長λの光束を集光したときのNA2=λ(μm)/
1.75(μm)の範囲の最良波面収差をSP2とした
とき、前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数NA
0の範囲の光束を厚さt1、屈折率n1の透明基板を介
して集光したときの前記集光光学系の最良波面収差SR
1と、NA2=λ(μm)/1.75(μm)の範囲の
光束を厚さt2、屈折率n2の透明基板を介して集光し
たときの前記集光光学系の最良波面収差SR2が、0.
01λrms<SR1<0.05λrms、SR2<S
P2の条件を満足するように前記集光光学系は、NA2
の範囲において透明基板が厚さt1、屈折率n1から厚
さt2、屈折率n2に変わることにより発生する球面収
差を減じる方向の球面収差を有することを特徴とする光
ピックアップ装置。
【0022】(4) 前記SR2は0.07λrms以
下であることを特徴とする(3)の光ピックアップ装
置。
【0023】(5) 光情報記録媒体の透明基板を介し
てレーザ光源よりの波長λ(μm)の光束を情報記録面
上に光スポットとして集光する集光光学系において、前
記集光光学系が厚さt1の透明基板を介して光スポット
を形成したときの最良波面収差が0.05λrms以下
であり、かつ、NA2(=λ(μm)/1.75(μ
m))の範囲において厚さt2(≠t1)の透明基板を
介してスポットを形成したときの最良波面収差は、厚さ
t1の透明基板を介して光スポットを形成したときに球
面収差が完全に補正されている完全補正集光光学系で厚
さt2(≠t1)の透明基板を介してスポットを形成し
たときにNA2の範囲内で発生する最良波面収差よりも
小さくなるような球面収差を有することを特徴とする集
光光学系。
【0024】(6) 情報記録面上に厚さt1,光の波
長λに対する屈折率n1の透明基板を有する情報記録密
度i1の第1の光情報記録媒体と、情報記録面上にt1
とは異なる厚さt2,光の波長λに対する屈折率n2の
透明基板を有し、かつ情報記録密度がi1とは異なるi
2の第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報
記録媒体の情報記録面の情報を、透明基板を介してビー
ムスポットを前記情報記録面上に形成することで再生す
るようにした集光光学系であって、前記集光光学系に、
透明基板の厚さt1とt2の差により生じる球面収差を
制御する球面収差を持たせることにより、前記透明基板
の厚さの差により生じる球面収差を利用して、前記第1
の光情報記録媒体を再生する際は第1の大きさのビーム
スポットを、前記第2の光情報記録媒体を再生する際は
第2の大きさのビームスポットを得ることを特徴とする
集光光学系。
【0025】(7) 透明基板の厚さt1とt2の差に
より生じる球面収差を制御する球面収差を持たせた光学
素子は、その光学面が滑らかな光学面により構成されて
いることを特徴とする(6)に記載の集光光学系。
【0026】(8) 情報記録面上に厚さt1,光の波
長λに対する屈折率n1の透明基板を有する情報記録密
度i1の第1の光情報記録媒体と、情報記録面上にt1
とは異なる厚さt2,光の波長λに対する屈折率n2の
透明基板を有し、かつ情報記録密度がi1よりも低いi
2の第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報
記録媒体の情報記録面の情報を、透明基板を介してビー
ムスポットを前記情報記録面上に形成することで再生す
るようにした集光光学系であって、前記集光光学系に、
光の波長λに対する屈折率n1厚さt1の透明基板を介
してビームスポットを形成したときに最良波面収差が
0.05λrms以下でかつ所定の球面収差を持たせ、
前記第1の光情報記録媒体を再生する際は第1の大きさ
ビームスポットを、前記第2の光情報記録媒体を再生す
る際は前記透明基板の厚さt1とt2の差により生じる
球面収差を前記集光光学系に持たせた球面収差により制
御して、第2の大きさのビームスポットを得ることを特
徴とする集光光学系。
【0027】(9) 情報記録面上に厚さt1、波長λ
に対する屈折率n1の透明基板を有する記録密度i1の
第1の光情報記録媒体と、情報記録面上にt1とは異な
る厚さt2、波長λに対する屈折率n2の透明基板を有
し、記録密度がi1よりも低いi2の記録密度の第2の
光情報記録媒体の2つの光情報記録媒体の情報記録面の
情報を、透明基板を介してビームスポットを前記情報記
録面上に形成することで再生可能な集光光学系であっ
て、前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数NA0
としたとき、この開口数NA0の近傍においては厚さt
1、波長λに対する屈折率n1の透明基板を介したとき
に球面収差をほぼ完全に補正するとともに、厚さt2、
波長λに対する屈折率n2の透明基板を介したときの前
記第2の光情報記録媒体の再生に必要な出射側の開口数
NA2とNA2の1/2の開口数((1/2)NA2)
における球面収差を比較したとき、t1<t2の場合は
NA2よりも(1/2)NA2のほうがオーバーの球面
収差に、t2<t1の場合はNA2よりも(1/2)N
A2のほうがアンダーの球面収差にしたことを特徴とす
る集光光学系。
【0028】(10) 情報ピックアップ装置に用いる
対物レンズにおいて、波長λ(μm)のほぼ無収差のレ
ーザ光束を曲率の強いレンズ面側から入射させて、透明
基板厚t=0.6(mm)、波長λに対する屈折率n≒
1.58の透明基板を介して出射側のNAがNA=λ
(μm)/1.14(μm)の範囲で最良波面収差が最
小となる結像倍率で、その最良波面収差を測定したと
き、0.41NAから0.82NAの間において、最良
波面収差の球面収差成分が光軸から外に向かって位相が
遅れる方向から進む方向に変化する変曲点を有すること
を特徴とする対物レンズ。
【0029】(11) 厚さt1,波長λの光に対する
屈折率n1の透明基板を有する記録密度i1の第1の光
情報記録媒体と、厚さt2(≠t1),波長λの光に対
する屈折率n2の透明基板を有する記録密度i2(<i
1)の第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情
報記録媒体を1つの集光光学系を用いて再生する再生方
法であって、前記集光光学系を、前記第1の光情報記録
媒体を再生するとき、前記厚さt1,屈折率n1の透明
基板と前記集光光学系とにより構成される光学系が、使
用光源の波長λと前記集光光学系の光束出射側のNAに
より決まる回折限界スポットの径とほぼ同じ径のビーム
スポットを形成できる程度の所定の球面収差を発生する
ような集光光学系とし、前記第2の光情報記録媒体を再
生するときは、使用光源の波長λと前記集光光学系の光
束出射側のNAにより決まる回折限界スポットの径より
も大きく、かつ前記第2の光情報記録媒体を再生するの
に必要な大きさのビームスポットとなるように、第1の
光情報記録媒体との前記透明基板の厚さの差異により生
じる球面収差を前記集光光学系の前記所定の球面収差に
より制御して、再生を行うことを特徴とする再生方法。
【0030】(12) 情報記録面上に厚さ0.6mm
の透明基板を有する第1の光情報記録媒体と、情報記録
面上に厚さ1.2mmの透明基板を有する第2の光情報
記録媒体の2つの光情報記録媒体の情報記録面の情報を
一つの集光光学系により透明基板を介してビームスポッ
トを前記情報記録面上に形成することで再生するように
した再生方法であって、前記集光光学系の光情報記録媒
体側の開口数NA0の範囲を通過した光束が、厚さ0.
6mmの透明基板を介して最良波面収差が0.05λr
ms以下のビームスポットとして前記情報記録面上に集
光できる程度の所定の球面収差を前記集光光学系に持た
せるとともに、前記第1の光情報記録媒体を再生する際
は、前記NA0の範囲を通過した光束により前記情報記
録面上に集光させて情報の再生を行い、前記第2の光情
報記録媒体を再生する際は、前記集光光学系が有する球
面収差により、前記透明基板の厚さの差により生じる球
面収差を制御して、前記集光光学系の出射側のNAがN
A2=λ(μm)/1.75(μm)近傍から前記NA
0の範囲を通過した光束の大部分は前記情報記録面上に
フレア光として情報記録面上に達するようにするととも
に、前記集光光学系の光軸からNA2=λ(μm)/
1.75(μm)の範囲を通過した光束は情報記録面上
に集光させて情報の再生を行うことを特徴とする光情報
記録媒体の再生方法。
【0031】(13) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/
又は該情報記録面上の情報を再生するための光情報記録
媒体の記録及び/又は再生用の集光光学系において、透
明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記
録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポットを
波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要
開口数をNA1、透明基板の厚さt2、情報記録密度i
2の第2の光情報記録媒体の記録及び/又は再生を可能
とする光スポットを波長λで得る為の対物レンズの光情
報記録媒体側の必要開口数をNA2としたとき、該集光
光学系は、波長λのレーザ光源からの発散光を情報記録
面上に集光する有限共役型の対物レンズを含み、厚さt
1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光情報記
録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差が0.
05λrms以下であり、NA2の光束より(1/2)
NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面収差を
有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及び/又
は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1>i
2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表す。
【0032】(14) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/
又は該情報記録面上の情報を再生するための光情報記録
媒体の記録及び/又は再生用の集光光学系において、透
明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記
録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポットを
波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要
開口数をNA1、透明基板の厚さt2、情報記録密度i
2の第2の光情報記録媒体の記録及び/又は再生を可能
とする光スポットを波長λで得る為の対物レンズの光情
報記録媒体側の必要開口数をNA2としたとき、該集光
光学系は、レーザ光源からの発散光を情報記録面上に集
光する有限共役型の対物レンズ及び光路中に配置される
収差補正用光学素子を含み、厚さt1の透明基板を介し
たときの前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数N
A0の範囲内で最良波面収差が0.05λrms以下で
あり、NA2の光束より(1/2)NA2の光束の方が
補正過剰(オーバー)の球面収差を有することを特徴と
する光情報記録媒体の記録及び/又は再生用の集光光学
系。但し、t1<t2,i1>i2,NA0>NA2、
λはレーザ光源の波長を表す。
【0033】(15) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/
又は該情報記録面上の情報を再生するための光情報記録
媒体の記録及び/又は再生用の集光光学系において、透
明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記
録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポットを
波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要
開口数をNA1、透明基板の厚さt2、情報記録密度i
2の第2の光情報記録媒体の記録及び/又は再生を可能
とする光スポットを波長λで得る為の対物レンズの光情
報記録媒体側の必要開口数をNA2としたとき、該集光
光学系は、レーザ光源からの発散光をほぼ平行光に変換
するコリメータレンズと、該平行光を情報記録面上に集
光する無限共役型の対物レンズを含み、厚さt1の透明
基板を介したときの前記集光光学系の光情報記録媒体側
の開口数NA0の範囲内で最良波面収差が0.05λr
ms以下であり、NA2の光束より(1/2)NA2の
光束の方が補正過剰(オーバー)の球面収差を有するこ
とを特徴とする光情報記録媒体の記録及び/又は再生用
の集光光学系。但し、t1<t2,i1>i2,NA0
>NA2、λはレーザ光源の波長を表す。
【0034】(16) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/
又は該情報記録面上の情報を再生するための光情報記録
媒体の記録及び/又は再生用の集光光学系において、透
明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記
録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポットを
波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要
開口数をNA1、透明基板の厚さt2、情報記録密度i
2の第2の光情報記録媒体の記録及び/又は再生を可能
とする光スポットを波長λで得る為の対物レンズの光情
報記録媒体側の必要開口数をNA2としたとき、該集光
光学系は、レーザ光源からの発散光をほぼ平行光に変換
するコリメータレンズと、該平行光を情報記録面上に集
光する無限共役型の対物レンズ及び光路中に配置される
収差補正用光学素子を含み、厚さt1の透明基板を介し
たときの前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数N
A0の範囲内で最良波面収差が0.05λrms以下で
あり、NA2の光束より(1/2)NA2の光束の方が
補正過剰(オーバー)の球面収差を有することを特徴と
する光情報記録媒体の記録及び/又は再生用の集光光学
系。但し、t1<t2,i1>i2,NA0>NA2、
λはレーザ光源の波長を表す。
【0035】(17) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/
又は該情報記録面上の情報を再生するための光情報記録
媒体の記録及び/又は再生用の集光光学系において、透
明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記
録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポットを
波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要
開口数をNA1、透明基板の厚さt2、情報記録密度i
2の第2の光情報記録媒体の記録及び/又は再生を可能
とする光スポットを波長λで得る為の対物レンズの光情
報記録媒体側の必要開口数をNA2としたとき、該集光
光学系は、レーザ光源からの発散光を収束光に変換する
カップリングレンズと、該収束光を情報記録面上に集光
する収束光有限型の対物レンズを含み、厚さt1の透明
基板を介したときの前記集光光学系の光情報記録媒体側
の開口数NA0の範囲内で最良波面収差が0.05λr
ms以下であり、NA2の光束より(1/2)NA2の
光束の方が補正過剰(オーバー)の球面収差を有するこ
とを特徴とする光情報記録媒体の記録及び/又は再生用
の集光光学系。但し、t1<t2,i1>i2,NA0
>NA2、λはレーザ光源の波長を表す。
【0036】(18) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/
又は該情報記録面上の情報を再生するための光情報記録
媒体の記録及び/又は再生用の集光光学系において、透
明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記
録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポットを
波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要
開口数をNA1、透明基板の厚さt2、情報記録密度i
2の第2の光情報記録媒体の記録及び/又は再生を可能
とする光スポットを波長λで得る為の対物レンズの光情
報記録媒体側の必要開口数をNA2としたとき、該集光
光学系は、レーザ光源からの発散光を収束光に変換する
カップリングレンズと該収束光を情報記録面上に集光す
る収束光有限型の対物レンズ及び光路中に配置される収
差補正用光学素子を含み、厚さt1の透明基板を介した
ときの前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数NA
0の範囲内で最良波面収差が0.05λrms以下であ
り、NA2の光束より(1/2)NA2の光束の方が補
正過剰(オーバー)の球面収差を有することを特徴とす
る光情報記録媒体の記録及び/又は再生用の集光光学
系。但し、t1<t2,i1>i2,NA0>NA2、
λはレーザ光源の波長を表す。
【0037】(19) 厚さt1の透明基板を介したと
き、前記NA0付近において球面収差がほぼ完全に補正
されていることを特徴とする(9)、(13)〜(1
8)の何れか1に記載の光情報記録媒体の記録及び/又
は再生用の集光光学系。
【0038】(20) 厚さt1の透明基板を介したと
き、前記NA2付近において球面収差がほぼ完全に補正
されていることを特徴とする(9)、(13)〜(1
9)の何れか1に記載の光情報記録媒体の記録及び/又
は再生用の集光光学系。
【0039】(21) 厚さt1の透明基板を介したと
き、前記NA0付近と前記NA2付近における球面収差
量がほぼ同じであることを特徴とする(9)、(13)
〜(20)の何れか1項に記載の光情報記録媒体の記録
及び/又は再生用の集光光学系。
【0040】(22) 光情報記録媒体の情報記録面上
にレーザ光源からの光束を透明基板を介して光スポット
として集光させ、該情報記録面上に記録された情報を読
みだす為の光ピックアップの対物レンズにおいて、透明
基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報記録
媒体の情報を読み出せる光スポットを波長λで得る為の
対物レンズの光情報記録媒体側の必要開口数をNA1、
透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
記録媒体の情報を読み出せる光スポットを波長λで得る
為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要開口数をNA
2としたとき、厚さt1の透明基板を介したときの最良
波面収差が0.05λrms以下であり、NA2の光束
より(1/2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバ
ー)の球面収差を有することを特徴とする光ピックアッ
プの対物レンズ。但しt1<t2,i1>i2,NA1
>NA2,λはレーザ光源の波長とし、(1/2)NA
2はNA2の1/2を表すものとする。
【0041】(23) 厚さt1の透明基板を介したと
き、前記NA1付近において球面収差がほぼ完全に補正
されていることを特徴とする(22)に記載の光ピック
アップの対物レンズ。
【0042】(24) 厚さt1の透明基板を介したと
き、前記NA2付近において球面収差がほぼ完全に補正
されていることを特徴とする(22)または(23)に
記載の光ピックアップの対物レンズ。
【0043】(25) 厚さt1の透明基板を介したと
き、前記NA1付近と前記NA2付近における球面収差
量がほぼ同じであることを特徴とする(22)〜(2
4)の何れか1項に記載の光ピックアップの対物レン
ズ。
【0044】(26) レーザ光源から出射した光束を
集光光学系で光情報記録媒体の透明基板を介して情報記
録面上に光スポットとして集光させ、この情報記録面か
らの反射光を光検出器で受け、情報を再生する光ピック
アップ装置において、前記透明基板の厚さt1の光情報
記録媒体の情報を波長λの光で再生するのに必要な前記
集光光学系の光情報記録媒体側の開口数をNA1、前記
透明基板の厚さが前記t1よりも厚いt2の光情報記録
媒体の情報を前記波長λの光で再生するのに必要な前記
集光光学系の光情報記録媒体側の開口数をNA2(<N
A1)としたとき、前記集光光学系の光情報記録媒体側
の開口数NA0は、前記開口数NA1もしくはそれ以上
で、厚さt1の透明基板を介したときの光スポットの最
良波面収差が0.07λrms以下で、かつ、開口数N
A2に対応する範囲内で厚さt2の透明基板を介したと
きの最良波面収差が小さくなる方向の球面収差を有する
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【0045】(27) 光情報記録媒体の透明基板を介
して情報記録面上に光スポットを形成する光ピックアッ
プの対物レンズにおいて、前記透明基板の厚さt1の光
情報記録媒体の情報を波長λの光で再生するのに必要な
前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数をNA1、
前記透明基板の厚さが前記t1よりも厚いt2の光情報
記録媒体の情報を前記波長λの光で再生するのに必要な
前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数をNA2
(<NA1)としたとき、前記対物レンズは、前記開口
数NA1で厚さt1の透明基板を介したときの光スポッ
トの最良波面収差が0.07λrms以下で、かつ開口
数NA2に対応する範囲内で厚さt2の透明基板を介し
たときの最良波面収差が小さくなる方向の球面収差を有
することを特徴とする光ピックアップの対物レンズ。
【0046】(28) 前記対物レンズは、前記開口数
NA1で厚さt1の透明基板を介したときの光スポット
の最良波面収差が0.05λrms以下であることを特
徴とする(27)記載の光ピックアップの対物レンズ。
【0047】(29) 光情報記録媒体の情報記録面上
に透明基板を介して光スポットを形成する光ピックアッ
プの対物レンズにおいて、前記透明基板の厚さt1の光
情報記録媒体の情報を波長λの光で再生するのに必要な
前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数をNA1、
前記透明基板の厚さが前記t1よりも厚いt2の光情報
記録媒体の情報を波長λの光で再生するのに必要な前記
対物レンズの光情報記録媒体側の開口数をNA2とした
とき、前記対物レンズは、厚さt1の透明基板を介して
集光状態にある光スポットを、干渉計を用いて干渉縞を
ほぼ直線状となるようにたてて観察したとき、開口数N
A4付近においてV字状に屈曲する部分を有する干渉縞
が観察される最良波面収差を有することを特徴とする光
ピックアップの対物レンズ。ただし、(1/2)NA2
<NA4<NA1である。
【0048】(30) 前記NA4は、(1/2)NA
2<NA4<(1/2)(NA1+NA2)であること
を特徴とする(29)に記載の光ピックアップの対物レ
ンズ。
【0049】(31) 光情報記録媒体の情報記録面上
に透明基板を介して光スポットを形成して情報を記録ま
たは再生する光ピックアップの集光光学系において、前
記透明基板の厚さt1の光情報記録媒体の情報を波長λ
の光で再生するのに必要な前記集光光学系の光情報記録
媒体側の開口数をNA1、前記透明基板の厚さが前記t
1よりも厚いt2の光情報記録媒体の情報を波長λの光
で再生するのに必要な前記集光光学系の光情報記録媒体
側の開口数をNA2としたとき、前記集光光学系は、厚
さt1の透明基板を介して集光状態にある光スポット
を、干渉計を用いて干渉縞をほぼ直線状となるようにた
てて観察したとき、開口数NA4付近においてV字状に
屈曲する部分を有する干渉縞が観察される最良波面収差
を有することを特徴とする光ピックアップの集光光学
系。ただし、前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口
数をNA0とすると、(1/2)NA2<NA4<NA
0である。
【0050】(32) 前記NA4は、(1/2)NA
2<NA4<(1/2)(NA0+NA2)であること
を特徴とする(31)に記載の光ピックアップの集光光
学系。
【0051】(33) 前記NA0はλ(μm)/1.
14(μm)以上、前記NA2はλ(μm)/1.75
(μm)であることを特徴とする(1)または(26)
に記載の光ピックアップ装置。
【0052】(34) 前記NA0はλ(μm)/1.
14(μm)以上、前記NA2はλ(μm)/1.75
(μm)であることを特徴とする(9)、(13)〜
(21)、(31)、(32)の何れか1に記載の集光
光学系。
【0053】(35) 前記NA2はλ(μm)/1.
75(μm)であることを特徴とする(22)〜(2
5)、(27)〜(30)の何れか1に記載の対物レン
ズ。
【0054】(36) (1)〜(10)、(13)〜
(35)の何れか1に記載した、光ピックアップ装置又
は対物レンズ又は集光光学系と、前記透明基板の厚さが
t2の光情報記録媒体の情報を波長λの光で再生する
際、前記集光光学系の対物レンズを、近軸焦点よりも遠
方に焦点が合うようにフォーカシング制御するフォーカ
シンング制御手段を有することを特徴とする光ディスク
装置。
【0055】なお、本発明でいう「最良波面収差」と
は、デフォーカス成分、チルト成分を補正した波面収差
であり、その値は根2乗平均(rms)で表す。
【0056】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば高記録密度の光
ディスクであるDVD(記録密度i1)の再生用光ピッ
クアップ装置でDVDよりも低記録密度の光ディスクで
ある従来のCD(記録密度i2)等の1.2mm厚基板
の光ディスクを再生するとき、光源がCD用の780n
mに比べ短波長の635nm〜690nmであって、こ
の分読み取りに必要な対物レンズの有効なNAが小さく
(0.26〜0.40)、この範囲内の光束でDVD再
生用の集光光学系のままで読み出しを行うものである。
【0057】以下に、本発明の実施の形態例を説明す
る。
【0058】比較例及び各実施の形態例において、表中
のsは光学系の面番号(図に表示)、rは各光学面の曲
率半径、dは各光学面間の厚さ又は間隔、nは各光学系
媒質の屈折率を表す。
【0059】比較例及び各実施の形態例において、レン
ズ面及び光学面に非球面を用いている場合においては、
その非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH
軸、光の進行方向を正とし、rを近軸曲率半径、Kを円
錐係数、Ajを非球面係数、Pjを非球面のべき数(但
し、Pj≧3)としたとき、
【0060】
【数1】
【0061】で表す。
【0062】また、比較例、実施の形態例1、実施の形
態例2及び実施の形態例8においては、コリメータレン
ズのデータは記載していないがコリメータレンズの設計
を最適にすることにより対物レンズへは略無収差の平行
光を入射させることができる。
【0063】更に、比較例及び実施の形態例1、2、5
〜8を通して記載した数値データは、基板厚さt1=
0.6mmに対するものである。又、比較例及び実施の
形態例1、2、5〜8を通して第2の光情報記録媒体の
透明基板の厚さt2=1.20mmである。
【0064】比較例 次に表1、表2により比較例を示す。
【0065】焦点距離f=3.40(mm)、光情報記
録媒体側開口数NA0=0.60,NA2=0.37、
倍率m=0、光源波長λ=635(nm) 基板厚さt1のときのNA0内の最良波面収差 SP1
=0.002λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SP2
=0.070λrms(デフォーカス量 +8.4μ
m)
【0066】
【表1】
【0067】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0068】
【表2】
【0069】実施の形態例1 次に表3、表4により実施の形態例1を示す。なお、図
3は本発明に係わる実施の形態例1の対物レンズ及び基
板の光学系断面図で、(a)は基板厚さt1、(b)は
基板厚さt2の場合の光学系断面図である。
【0070】焦点距離f=3.40(mm)、光情報記
録媒体側開口数NA0=0.60,NA2=0.37、
倍率m=0、光源波長λ=635(nm) 基板厚さt1のときのNA0内の最良波面収差 SR1
=0.025λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SR2
=0.039λrms(デフォーカス量 +8.9μ
m)
【0071】
【表3】
【0072】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0073】
【表4】
【0074】図4、5の各図(a)に比較例及び実施の
形態例1において基板厚さt1=0.6mmのときの球
面収差図を示す。又、図4、5の各図(b)に比較例及
び実施の形態例1において基板厚さt2=1.2mmの
ときの球面収差図を示す。
【0075】透明基板厚さt1のときの球面収差図にお
いて、比較例では完全に補正しているのに対し、本実施
の形態例においては(1/2)NA2付近の高さでは補
正過剰(オーバー)、NA2付近の高さでは、ほぼ完全
に補正していることがわかる。球面収差カーブでは(1
/2)NA2よりNA2の高さにかけて補正不足(アン
ダー)の方向となっている。
【0076】また、図6に実施の形態例1の基板厚さt
1=0.6mmのときのNAと最良波面収差となる波面
収差の球面収差成分の関係を示す。図6からも分かるよ
うに実施の形態例1において、波面収差の球面収差成分
は、光軸から外に向かってNA=0.41付近で変曲点
を持ち、その変曲点を境にして光軸から外に向かって位
相が遅れる方向から進む方向に変化している。
【0077】ここで、このような球面収差を持たせた理
由について説明する。
【0078】透明基板厚さt2(=1.2mm)のとき
の球面収差図において、比較例では透明基板厚さt1
(=0.6mm)対し完全補正しているため、透明基板
厚さが厚くなることによって非常に大きなオーバーの球
面収差が発生している。本実施の形態例においては、透
明基板厚さt1に対し(1/2)NA2の高さの光束を
NA2の高さの光束より過剰に補正しておくことによ
り、NA2の高さの光束は(1/2)NA2の高さの光
束よりアンダーとなっており、従って、この球面収差に
より透明基板厚さt2(=1.2mm)のときの球面収
差図に示すように透明基板厚さがt1からt2に厚くな
ることによって発生するオーバーの球面収差を減少させ
ることができ、NA2の範囲までの球面収差を小さくす
ることができる。
【0079】即ち、球面収差を透明基板厚さt1に対し
(1/2)NA2の高さの光束をNA2の高さの光束よ
り過剰に補正しておくことにより、透明基板厚さt1と
透明基板厚さt2の差によって発生するオーバーの球面
収差を制御して、NAの小さい領域から大きい領域への
変化に対する球面収差の増加量が小さい領域を作ること
により、NA2の範囲までの球面収差を小さくすること
ができる。
【0080】従って、本実施の形態例の透明基板の厚さ
t1のときのNA0内の最良波面収差SR1は、比較例
の透明基板の厚さt1のときのNA0内の最良波面収差
SP1よりも大きくなっているが、透明基板の厚さt2
のときのNA2内の最良波面収差SR2は、比較例の基
板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差SP2より
も小さくなっている。
【0081】また、NA2からNA0の高さの光束につ
いては透明基板厚さt1と透明基板厚さt2の差によっ
て発生するオーバーの球面収差は制御されないため、N
A2よりもNAが大きくなるとNAの小さい領域から大
きい領域への変化に対して球面収差量は急激に増加する
ことになる。
【0082】従って、全開口NA0の光束を通しても、
対物レンズを光軸上で移動し最適なフォーカス位置(ベ
ストデフォーカス位置。具体的にはビームスポットの中
心近傍の光強度が最大となるフォーカス位置。)を選ぶ
ことにより、NA2以上の光束は大きな球面収差を持つ
ことによりフレア光となるため、厚さt2の透明基板を
介して情報記録面上に良好な結像スポットを得ることが
可能となる。
【0083】また、基板厚さt2時の記録及び/又は再
生時にはNA2(λ=0.635μmのときはNA=
0.37程度)の絞りを光路中に挿入することで、NA
0とNA2間に発生する大きな球面収差を除去でき、よ
り良好な性能が得られることになる。
【0084】また、後述する実施の形態例3で示すよう
なリング状の光束遮蔽部を設けることでも、NA2近傍
のフレア光の影響を除去でき、良好な性能が得られるこ
とになる。
【0085】なおNA2は、基板厚さt2=1.2mm
の光ディスクでCD方式でイコライザを使用しない場
合、λ(μm)/NA2=1.75(μm)(但し、λ
は光源波長、NA2は記録及び/又は再生するのに必要
な光情報記録媒体側の開口数)で充分な記録及び/又は
再生性能が得られる。λ=0.78μmの場合、NA2
=0.45であり、λ=0.635μmの場合、NA2
=0.37程度となる。
【0086】また、読み出しに必要な光情報記録媒体側
の開口数NA1は、基板厚さt1=0.6mmの光ディ
スクでDVD方式の場合、NA1=λ(μm)/1.1
4(μm)であるので、集光光学系の光情報記録媒体側
の開口数NA0は、λ(μm)/1.14(μm)以
上、好ましくはλ(μm)/1.08(μm)以上(但
し、λは光源波長)とすることで充分な記録及び/又は
再生性能が得られる。
【0087】なお、球面収差を透明基板厚さt1に対し
(1/2)NA2の高さの光束をNA2の高さの光束よ
り過剰に補正する程度は、透明基板の厚さt1のときの
NA0内の最良波面収差SR1が0.01λrms以下
となる程度の補正では、基板の厚さt2のときのNA2
内の球面収差をあまり小さくすることができない。なお
最良波面収差SR1は0.05λrms以下となるよう
にすることが望ましい。
【0088】基板厚さt2のときのNA2内の最良波面
収差SR2は0.07λrms以下とすることで、信号
再生に必要な大きさのビームスポットを得ることが可能
となる。より好ましくは、0.05λrms以下とする
のが望ましい。
【0089】また、最良波面収差の球面収差成分がアン
ダー方向からオーバー方向に変化する変曲点は、0.4
1NA0〜0.82NA0の間にあるようにすること
で、基板厚さt2=1.2mmのときのNA2の範囲内
の最良波面収差を小さくすることができる。
【0090】図7,8に比較例及び本発明に係る実施の
形態例1において、基板厚さt1を介した際のベストデ
フォーカス(それぞれ0μm)時のスポット形状を示
す。比較例においては、基板厚さt1を介して球面収差
を完全補正しているため良好な結像スポットが得られる
が、本発明において(1/2)NA2付近の高さの球面
収差を過剰補正した光学系であっても比較例と同等の良
好な結像スポットが得られる。
【0091】図9,10に比較例及び本発明に係る実施
の形態例1において、基板厚さt2を介して集光された
光スポット(結像スポット)の中心近傍の強度が最大と
なるフォーカス状態(デフォーカス量約9μm)のスポ
ット形状を示す。何れにおいても、デフォーカス量を近
軸焦点から約9μm程度に設定することにより、NAの
大きな領域の光束は情報記録面よりも更に後方に集光す
ることによりフレア光となり、結像スポットへの影響を
軽減できる。更に、本発明の通り、基板厚さt1を介し
た際の(1/2)NA2付近の高さの光束の球面収差を
過剰補正とし、(1/2)NA2よりNA2の高さにか
けて球面収差カーブを補正不足(アンダー)方向とする
ことにより、基板厚さt2を介した際はNA2以下の領
域における球面収差がオーバーになることを軽減できる
ため比較例と比べて更に良好な結像スポットを得ること
ができる。スポット形状において、光スポットの中心の
強度をP1、一次リングの強度をP2としたとき、比較
例の場合、P2/P1が約0.053ありサイドローブ
が大きいのに対して、本発明に係る実施の形態例の場合
はP2/P1が約0.030と発生するサイドローブは
極めて小さく、実用上全く問題のない良好な結像スポッ
トが得られている。
【0092】この光スポットの1次リングは、情報読み
取り時はジッタ成分の増大や隣接トラックからのクロス
トーク増大をまねくため、中心の強度P1と一次リング
の強度P2の比P2/P1は、0.050よりも大きく
なると、ジッターが大きくなって、情報の読取りが困難
となる。なお、P2/P1は0.040よりも小さくす
ることが情報読取り上好ましい。
【0093】実施の形態例2 図11は、実施の形態例2の光ピックアップ装置を示す
図である。
【0094】図11において、レーザ光源11(λ=6
80nm)から出射した光束は偏光ビームスプリッタ1
2、コリメータレンズ13、1/4波長板14を透過し
て円偏光の平行光束となる。この光束は図示せぬ2次元
アクチュエータによりフォーカシング方向とトラッキン
グ方向に駆動される対物レンズ6により光ディスクの基
板7を介して情報記録面8上に集光される。この情報記
録面8で情報ピットにより変調されて反射した光束は、
再び対物レンズ6、1/4波長板14、コリメータレン
ズ13を透過して偏光ビームスプリッタ12に入射し、
ここで反射して光検出器19へ向かう。光検出器19へ
の光路上に配置されたシリンドリカルレンズ10により
非点収差が与えられ、凹レンズ16により倍率を拡大さ
れる。
【0095】図12は、光検出器の素子構成を示す図で
ある。
【0096】図12において、光検出器19は図に示す
ようにA〜Dの4つに分割された素子で構成されてお
り、分割線Sは光ディスクの情報記録面の情報トラック
の写像と略方向が一致するように配置されており、シリ
ンドリカルレンズ10の母線に対しては略45°の方向
となっている。フォーカスエラー信号の検出には非点収
差法により、(A+C)−(B+D)の演算により、ト
ラックエラー信号の検出には例えばプッシュプル法で
は、(A+B)−(C+D)の演算により、位相差検出
法では(A+C)−(B+D)の演算により求められ、
情報信号は(A+B+C+D)で求められる。これらの
検出方法は、何れもよく知られており、詳しい説明は省
略する。
【0097】次に、図11の光ピックアップ装置に用い
られる集光光学系の数値例について説明する。
【0098】なお、この例においては、対物レンズの光
源側に配置される絞りを第1面としている。
【0099】焦点距離f=3.17(mm)、光情報記
録媒体側開口数NA0=0.63,NA2=0.39、
倍率m=0、光源波長λ=680(nm) 基板厚さt1のときのNA0内の最良波面収差 SR1
=0.02λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SR2
=0.05λrms
【0100】
【表5】
【0101】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0102】
【表6】
【0103】本実施の形態例の光源波長λ=680nm
においては、第1の光ディスク(DVD)の読み出しに
必要な開口数NA1=λ/1.14なので、NA1=
0.60、第2の光ディスク(CD)の読み出しに必要
なNAはイコライザを併用しない場合は、NA2=0.
39である。
【0104】図13(a)は、本実施の形態例の対物レ
ンズの基板厚さt1=0.6mm(第1の光ディスクの
基板厚に対応)のときの球面収差を示す図である。
【0105】図13(a)において、この対物レンズで
は、基板厚さt1=0.6mmのときに、球面収差を
(1/2)NA2付近のNA=0.2の高さで補正過剰
(オーバー)、NA2付近のNA=0.4の高さでは、
完全に補正している。球面収差カーブでは、(1/2)
NA2よりNA2の高さにかけて補正不足(アンダー)
の方向となっている。このときのNA0(=0.63)
での最良波面収差は約0.02λrmsである。
【0106】この対物レンズについて、基板厚さt1=
0.6mmの透明基板を介して集光状態にある光スポッ
トを、干渉計を用いて干渉縞をほぼ直線状となるように
たてて観察すると図13(b)のようになる。
【0107】球面収差が完全に補正されている対物レン
ズにおいては、等間隔で平行な直線状の干渉縞として観
察されるが、この例の対物レンズにおいては、球面収差
が(1/2)NA2付近のNA=0.2の高さで補正過
剰(オーバー)、NA2付近のNA=0.4の高さで完
全に補正された状態となるため、図13(b)のように
(1/2)NA2付近のNA=0.2よりも大きくNA
1(又はNA0)よりも小さい開口数NA4(この例に
おいてはNA4=NA2=0.39)付近でV字状に屈
曲する部分を有する干渉縞となる。即ち、この例の対物
レンズはこのような干渉縞が観察される最良波面収差を
有している。
【0108】なお、NA4は、 (1/2)NA2<NA4<(1/2)(NA1+NA
2) となるように構成するのが望ましい(上式において、実
用上NA1をNA0としてもよい)。
【0109】図14は、この対物レンズで基板厚さt2
=1.2mm(第2の光ディスクの基板厚に対応)のと
きの、NAと最良波面収差及びそのときのデフォーカス
量の関係を示す図である。
【0110】図14において、対物レンズの(1/2)
NA2の高さの光束をNA2の高さの光束より過剰に補
正しておくことにより、NA2の高さの光束は(1/
2)NA2の高さの光束よりアンダーとなっており、基
板厚さが厚くなることによって発生するオーバーの球面
収差を減少させることができる。NA=0.41のとき
に大凡0.07λrmsとなり、マレシャルの限界内と
なる。NA2(NA=0.39)での最良波面収差は
0.05λrmsとなり本対物レンズで充分CD方式の
光ディスクを読み取ることができる。又、t1=0.6
mmのDVD方式の光ディスクの読み取りもNA0.6
3で最良波面収差0.02λrmsと充分に小さく良好
に行える。
【0111】この例では、対物レンズにより球面収差を
t2=0.6mmの基板厚さのときに、(1/2)NA
2の高さの光束をNA2の高さの光束より補正過剰(オ
ーバー)となるようにしたが、これは例えばコリメータ
ーレンズによってでも良く、要はレーザ光源を発した光
束がt1=0.6mmの基板を介して光ディスクの情報
記録面上に集光されたときに、トータルとして(1/
2)NA2の高さの光束がNA2の高さの光束より補正
過剰(オーバー)なっていれば良い。
【0112】本構成によると、光学系によるロスが少な
く出射効率が高くでき、書き込み可能な光ディスクに対
して記録を行う光ピックアップ装置として適している。
【0113】なお信号処理系にイコライザを用いて符号
間干渉を減少させ、情報記録密度に対するスポットサイ
ズの比率をDVDの場合と同程度として更にNAを小さ
くしてCD方式の光ディスクを再生することも可能であ
る。このときのNA2=λ(μm)/2.46(μm)
≒0.28となり、最良波面収差は0.02λrms以
下となって充分に小さくなる。
【0114】このときNA0.39以上(イコライザを
用いた場合は0.28以上)0.63以下の領域を通過
する光束は情報読み取りには寄与せず、不要光となる。
この領域の光束は大きな球面収差を持つことにより情報
記録面より更に後ろ側に集光しており、情報記録面で反
射した光束は基板及び対物レンズ、コリメータレンズを
介して更に球面収差を与えられて光検出器に向かい、光
検出器上ではフレア光となる。この為、光検出器の受光
領域は、このフレア光がカットされるよう必要最小限の
面積とするのが良い。
【0115】実施の形態例3 図15は、実施の形態例3の光ピックアップ装置を示す
図である。図16は、リング状の光束遮蔽部を有するマ
スクの図である。
【0116】図15は、実施の形態例2の図11におい
て1/4波長板14と対物レンズ6の間の光路上に、図
16のようなリング状の光束遮蔽部を有するマスクを設
けたもので、第2の光ディスクの情報読み出し時有害と
なる領域の光束をカットしてやることにより、更に読み
出し性能を向上させるようにしたものである。
【0117】図15において、レーザ光源11(λ=6
80nm)から出射した光束は、偏光ビームスプリッタ
12、コリメータレンズ13、1/4波長板14を透過
して円偏光の平行光束となる。この光束はリング状マス
ク15を透過してマスク部の光束がカットされ、対物レ
ンズ6により光ディスクの基板7を介して情報記録面8
上に集光される。この情報記録面8で情報ピットにより
変調されて反射した光束は、再び対物レンズ6、リング
状マスク15、1/4波長板14、コリメータレンズ1
3を透過して偏光ビームスプリッタ12に入射し、ここ
で反射して光検出器19へ向かう。光検出器19への光
路上に配置されたシリンドリカルレンズ10により非点
収差が与えられ、凹レンズ16により倍率を拡大され
る。光検出器の構成やフォーカスエラー信号、トラック
エラー信号、情報信号の検出は実施の形態例2と同様で
ある。
【0118】図17は、本実施の形態例の集光光学系で
基板厚t2=1.2mmの基板を介したとき、第2の光
ディスク(CD)の情報読み取りに必要なNA2の範囲
で、最良波面収差となる位置でのデフォーカスを含んだ
球面収差図である。
【0119】図17において、軸上よりNA2までの領
域が情報読み取りに有効な光束であり、その外側のNA
2〜NA1(又はNA0)までの領域は読み取りに寄与
せずノイズ成分となる光束である。この光束中NA1
(又はNA0)に近い部分は極めて大きな球面収差を持
つことにより情報記録面上ではデフォーカスした状態と
なっており、大きなノイズ要因とはならない。NA2に
近い部分は、読み取りに有効な光束に隣接したフレア光
となりこの光束が情報記録面で情報ピットで変調され、
光検出器に入射すると大きなノイズとなりジッター劣化
をまねく。この為、NA2の領域より大きくNA1(又
はNA0)より小さい開口中に光束を遮蔽するリング状
のマスクを設けてやることにより、ノイズ増大要因とな
る光束の光検出器への入射を防ぐことができる。
【0120】このマスク部の外径は、大き過ぎると光量
ロスの増大、第1の光ディスク(例えばDVD)からの
情報読み出し性能の劣化をまねく。よって、ノイズ成分
となる光束の遮蔽は必要最低限となるのが良く、具体的
にはNA2の範囲で最良波面収差となる焦点位置より、
焦点深度の1〜2倍後方に焦点を結ぶ光束までをカット
してやる。焦点深度はλ/(2×NA2)で与えられ、
λ=680nm,NA=0.39のとき約2.2μmで
あり、本集光光学系ではNA=0.42の光束に相当す
る。又、NA=0.47で約4.7μm後方となり、焦
点深度の2倍となる。よって、光束遮蔽リングの内側は
NA=0.39、外側は0.42〜0.47としてやる
のが良い。
【0121】このマスクは必ずしも光束を吸収させるこ
とによる遮蔽でなく、反射、散乱、屈折、回折等の作用
に基づいたものでも良く、光検出器に戻る光束をカット
できれば良い。又、このマスクは独立した1部品として
ではなく、コリメータレンズ、対物レンズ、ビームスプ
リッタ等他の光学素子と一体化させても良い。
【0122】特に対物レンズの入射側光学面若しくは出
射側光学面に一体に設けるのが、トラッキングにより対
物レンズがシフトしても情報記録面に入射する光束中の
遮蔽部分がシフトせず好ましい。
【0123】又、このマスクはレーザ光源から対物レン
ズを経て情報記録面で反射され、光検出器に向かう光路
中のどの場所であっても良い。特に図18に示すように
ビームスプリッターより光検出器への光路中に配置した
場合、レーザ光源からの光束をより有効に情報記録面上
に導くことができ好ましい。
【0124】なお、以上の例においてはマスクの形状が
リング状となっているものを示したが、図16に示すリ
ング状の光束遮蔽部のうち図15に示した光検出器のシ
リンドリカルレンズの母線と同方向の対角位置にある受
光部AとC(又はBとD)の領域に対応する部分を残
し、他の部分については光を透過するようにした光束遮
光部を有するようなマスクとしても良い。このようにす
ることで、第1の光ディスクの読み取りや書き込み時に
おける光量ロスを少なくして、しかも第2の光ディスク
読み取り時に光検出器に入射するノイズ増大要因となる
光束を減じることができる。
【0125】実施の形態例4 図19は、8分割の光検出器の素子構成を示す図で、
(a)は素子構成を示す図、(b)は透明基板の厚さt
=0.6mmの第1の光ディスク(例えばDVD)から
の光束の集光状態を示す図、(c)は透明基板の厚さt
=1.2mmの第2の光ディスク(例えばCD)からの
光束の集光状態を示す図である。
【0126】実施の形態例2の図12において、4分割
光検出器に代えて図19(a)のような8分割光検出器
とし、光ディスクの種類に応じて情報信号を検出する素
子を切り替えることにより更に再生性能を向上させるこ
とができる。
【0127】図19(b)は、透明基板の厚さt=0.
6mmの第1の光ディスクからの光束が8分割光検出器
上へ集光している状態を表す。
【0128】分割線Sは光ディスクの情報記録面の情報
トラックの写像と略方向が一致するようにしており、分
割線Rにより内側の4分割された領域と、外側の4分割
された領域に分離される。
【0129】フォーカスエラー信号は非点収差法により (A1+A2+C1+C2)−(B1+B2+D1+D
2) トラックエラー信号はプッシュプル法により (A1+A2+B1+B2)−(C1+C2+D1+D
2) で検出される。
【0130】又、情報信号は全素子の総和(A1+A2
+B1+B2+C1+C2+D1+D2)、若しくは外
周部のみの(A2+B2+C2+D2)で検出される。
外周部のみからの信号検出とすると、高周波成分が強調
され、最短ピットの変調度を向上させることができる。
【0131】図19(c)は、透明基板の厚さt=1.
2mmの第2の光ディスクからの光束が8分割光検出器
上へ集光している状態を表す。
【0132】中心部に高い光強度を持ち、その外側はフ
レア状の集光となり、この中心部を主に受光する(A1
+B1+C1+D1)で情報信号を検出する。この受光
範囲は前記NA2となるのが望ましい。
【0133】フォーカスエラー信号は非点収差法により
(A1+A2+C1+C2)−(B1+B2+D1+D
2)若しくは (A1+C1)−(B1+D1) トラックエラー信号はプッシュプル法により(A1+A
2+B1+B2)−(C1+C2+D1+D2)若しく
は(A1+B1)−(C1+D1)で検出される。
【0134】このように光検出器を、情報信号を検出す
る領域で分割することにより、CD等t=1.2mmの
基板により発生する球面収差によるフレア光のない領域
での信号検出が可能となり、再生性能が向上する。又、
前記NA2以上NA1(又はNA0)以下、望ましくは
1.2NA2以下のリング状光束遮蔽部を光路中に設け
ることにより、更にノイズ成分となる光束をカットして
ジッターを減少させることができる。
【0135】実施の形態例5 次に表7、表8により実施の形態例5を示す。なお、図
20は本発明に係わる実施の形態例5のコリメータレン
ズ、対物レンズ及び基板の光学系断面図で、(a)は基
板厚さt1、(b)は基板厚さt2の場合の光学系断面
図である。
【0136】コリメータレンズの焦点距離fC=23.
8mm、光学系全体の倍率mT=−1/7、対物レンズ
の焦点距離fO=3.40mm、対物レンズの倍率mO
=0、光情報記録媒体側開口数NA0=0.60、NA
2=0.37、光源波長λ=635(nm) 基板厚さt1のときのNA0内の最良波面収差 SR1
=0.023λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SR2
=0.043λrms(デフォーカス量 +9.4μ
m)
【0137】
【表7】
【0138】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0139】
【表8】
【0140】実施の形態例6 次に表9、表10により実施の形態例6を示す。なお、
図21は本発明に係わる実施の形態例6のカップリング
レンズ、対物レンズ及び基板の光学系断面図で、(a)
は基板厚さt1、(b)は基板厚さt2の場合の光学系
断面図である。
【0141】カップリングレンズの焦点距離fC=1
6.0mm、光学系全体の倍率mT=−1/7、対物レ
ンズの焦点距離fO=3.40mm、対物レンズの倍率
mO=+1/12、光情報記録媒体側開口数NA0=
0.60,NA2=0.37、光源波長λ=635(n
m) 基板厚さt1のときのNA0内の最良波面収差 SR1
=0.024λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SR2
=0.043λrms(デフォーカス量 +9.3μ
m)
【0142】
【表9】
【0143】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0144】
【表10】
【0145】ここで、この例において対物レンズに収束
光を入射する理由、対物レンズとカップリングレンズで
構成される光学系の望ましい条件について説明する。
【0146】横倍率m、像側(記録面側)の開口数NA
の有限共役型対物レンズについての無限光入射に換算し
た開口数NA∞(以後換算NAとよぶ)は NA∞=(1−m)・NA ・・・・ で表すことができる。この換算NAが大きくなると、レ
ンズ設計、性能維持の困難さ、温度特性等の環境変化の
影響が大きくなる。従って、使用時の像側のNAが記録
及び/又は再生する情報記録媒体により決定されてしま
う場合においては、mを正に、即ち収束光入射にするこ
とにより、換算NAを小さくすることができ、これによ
り対物レンズが分担する屈折力を低減することができ
る。
【0147】また、対物レンズ自体をその横倍率mが 0<m<1 ・・・・(1) の範囲の収束光入射で最良波面収差が最小となり、かつ
マレシャル限界内とすることで、カップリングレンズの
光軸と対物レンズの光軸が偏心した場合の収差の劣化が
少なくなり、光情報媒体の記録再生用光学系として望ま
しい構成となる。
【0148】なお、好ましくは下限を 0.05≦m とする。
【0149】対物レンズを少なくとも光軸方向に可動と
することで、可動部分の軽量化が可能となり、また、少
ない移動量で光情報媒体の記録面にフォーカシングする
ことが出来る。
【0150】また、更にNAが大きくなると、ディスク
のぶれ等による物像間距離変化、温度変化等による球面
収差の発生は大きくなるが、これに対応するために、対
物レンズだけではなく、光源やカップリングレンズも対
物レンズと同様に各独立に又は対物レンズと一体とし
て、移動させることによりフォーカシングさせることも
可能である。
【0151】対物レンズの焦点距離でノーマライズした
カップリングレンズの像側(記録面側)の面と対物レン
ズの光源側の面の間隔をDco、対物レンズの焦点距離
をfとしたとき、 Dco/f≦5.0 ・・・・(2) の条件を満足することが望ましい。
【0152】上限を越えるとカップリングレンズの光軸
と垂直な方向の大きさが大きくなってしまう。
【0153】条件式(2)において、Dco/fの値は
小さければ小さいほどカップリングレンズの外径を小さ
くすることができるが、対物レンズを光軸方向に移動さ
せてフォーカシングを行う場合においては、条件式
(2)の下限を 0.1≦Dco/f ・・・・(2′) とすることが望ましい。
【0154】この、下限を越えると対物レンズとカップ
リングレンズとがフォーカシング時に干渉する可能性が
出て来る。
【0155】また、光学系のコンパクト化を図るため、
折り曲げミラーを対物レンズとカップリングレンズの間
に導入する場合は、折り曲げミラーのスペースを確保す
るために、下限を 2.0≦Dco/f ・・・・(2″) とすることが望ましい。
【0156】また上記条件を満たす光学系は、対物レン
ズの像側のNAが大きい、使用光の波長が短い場合で、
回折限界性能のスポットを光情報記録媒体の記録面上に
結像させるときに有利に使用でき、NA0.48以上の
場合に最適な光学系である。そのとき、対物レンズ単体
の横倍率mが更に 0.05≦m≦0.23 ・・・・(1′) (1−m)・NA≦0.65 ・・・・(3) の条件を満足することが望ましい。
【0157】条件式(1′)上限を越えると、カップリ
ング手段の光軸と垂直な方向の大きさが大きくなり、下
限を越えると高NAとした場合の誤差、特に対物レンズ
の屈折率誤差による球面収差が大きくなる。
【0158】条件式(3)の上限を越えると対物レンズ
の厚さが厚くなり、従って必要な作動距離を確保するた
めには、光学系全体を大きくする必要が出て来る。
【0159】また、対物レンズを樹脂製とした場合に
は、横倍率mは更に、 0.05≦m≦0.125 ・・・・(1″) を満足することが望ましい。
【0160】条件式(1″)の上限を越えると、光情報
媒体のぶれ等による物像間距離の変化等が生じたとき、
対物レンズを光軸方向に動かしてフォーカシングする場
合の球面収差の発生量が大きくなる。下限を越えると高
NAとした場合の誤差、特に対物レンズの屈折率誤差に
基づく球面収差の発生量が大きくなる。
【0161】特に樹脂素材は温度変化による屈折率の変
化が大きい。従って樹脂素材の場合、温度変化をΔT、
温度変化による屈折率変化をΔnとし、 Δn/ΔT=α ・・・・ と表すと、αは0℃から60℃近傍まで、同一素材であ
ればほぼ一定で負の値である。
【0162】また、屈折率変化Δnに対する最良波面収
差(球面収差)変化ΔWTは換算NAの4乗に比例し、
また焦点距離f、Δnに比例する。即ち、 ΔWT=β・(NA∞)4・f・Δn ・・・・ となる。ここでβは比例係数である。
【0163】式に式、式を代入すると、 ΔWT=β・{NA・(1−m)}4・f・α・ΔT ・・・・ 式から、mを正にすることにより、温度変化の影響は
mの4乗に対応して小さくなることがわかる。
【0164】従って、上記条件式(1″)を満足すると
共に条件式(3)を満足することによって、コンパクト
な光情報記録媒体の記録再生用光学系を、軽量でかつ低
コストな樹脂製の対物レンズによって実現できる。
【0165】カップリングレンズは1枚ないしそれ以上
の球面レンズ系とすることで、カップリングレンズを従
来のコリメータと同様の製作法で製作することができ
る。
【0166】しかし、カップリングレンズは、光源から
射出される発散光を収束光にする機能を持つものである
ので、従来のコリメータと比較して屈折力が大きくな
り、また、光源の光量を多く取り込もうとすると、光源
側のNAを大きく取ることとなる。従って、球面系だけ
では、使用するレンズ枚数が多くなってしまう。このた
め非球面を少なくとも1面導入して、球面収差を補正す
ることが望ましい。
【0167】対物レンズが樹脂製の場合、屈折率の温度
変化に対する屈折率変化による球面収差の変化は、対物
レンズに収束光を入射することで軽減できるが、カップ
リングレンズを構成する正の屈折力を有する少なくとも
1枚のレンズを樹脂製とすることにより、更に温度変化
に対する屈折率変化による光学系全体の球面収差変化を
補正することができる。
【0168】これは、温度がΔT上昇したとき(0<Δ
T)カップリングレンズの屈折率変化Δnc は負となる
(Δnc <0)。このためカップリングレンズの屈折力
は小さくなり、カップリングレンズから出射される光束
は温度上昇前に比べて収束度が小さくなる。このため対
物レンズ自体の横倍率mは減る方向に変化(Δm<0)
する。
【0169】対物レンズの最良波面収差が最小となる倍
率mに対してΔmが負の方向に変化すると球面収差はア
ンダーに動く。また、対物レンズ自身の屈折率変化Δn
は、温度が上昇すると屈折率は低下するためΔn<0と
なり、このとき球面収差はオーバーに動く。
【0170】このため、カップリングレンズの屈折率変
化に伴う対物レンズの横倍率変化による球面収差への影
響と、対物レンズ自身の屈折率変化による影響が相殺さ
れるので、カップリングレンズを正の屈折力を持つ樹脂
製のレンズとすることにより、温度変化による影響を更
に小さくすることができる。
【0171】また、その補正効果は、従来のコリメータ
と樹脂製の単玉対物レンズの構成において、コリメータ
レンズの少なくとも1枚を正の屈折力を持つ樹脂製とす
る場合と比較して補正効果は大きい。これは、光源側の
NAが上記コリメータと同じでも、カップリングレンズ
は負の倍率を持っているため、カップリングレンズの換
算NAが大きくなり、対物レンズ自身の倍率変化Δmの
絶対値が大きくなるためである。
【0172】またこの場合、カップリングレンズは光源
側のNAを大きくとっており、しかも負の倍率を持つの
で、非球面を用いることが望ましいことは上記のとおり
である。
【0173】また、カップリングレンズを樹脂製の単玉
非球面レンズとすることで、安価でかつ必要な性能を得
ることができる。カップリングレンズの結像倍率から、
少なくとも対物レンズ側の面が非球面であることが望ま
しい。
【0174】更に、カップリングレンズの横倍率mc が
更に小さくなると、球面収差を良好に補正するには両面
を非球面とする必要が生じる。これは公知の有限共役型
対物レンズの設計・生産技術を応用することができる。
【0175】対物単レンズに対して収束光を入射させ、
条件式(1)を満足することで、対物単レンズのレンズ
厚を厚くしないでNAを大きくすることができ、また屈
折率変化等の影響も小さくなる。これは上記式に示さ
れるように、0<m(収束光入射)とすることにより換
算NAが小さくなるためである。
【0176】対物単レンズは、少なくとも収束光入射側
を非球面化することで、正弦条件を保ちながら球面収差
を補正し、最良波面収差をマレシャル限界内とすること
ができる。
【0177】また、対物レンズ自体をその横倍率mの条
件式(1)の範囲の収束光入射で最良波面収差をマレシ
ャル限界内とすることで、対物レンズが独立に性能を維
持できるため、光源からの発散光を収束光とする手段と
の組合せが容易となり、また、偏心を含む配置の誤差感
度も小さくできる。
【0178】上記対物単レンズは、虚光源に対して収差
補正し、その最良波面収差をマレシャル限界内とするこ
とで、光源からの発散光を収束光とする手段との組合せ
が容易になり、応用範囲の広いレンズとなる。虚光源は
仮想的なものであるが、実用的には、その入射光束が、
回折限界スポットで一点に集光することと同等である。
【0179】対物単レンズの両面を非球面とすること
で、球面収差、正弦条件を制御することができる。従っ
て、例えば光情報記録媒体の記録再生用光学系の対物レ
ンズのように、対物レンズを光軸に垂直方向に動かして
トラッキングするような場合にも、収差の発生を少なく
することができる。
【0180】対物レンズは両面非球面単レンズであり、 −0.045≦X2・(n−1)/{f・(NA)2}≦0.1 ・・・・(4) の条件を満足することが望ましい。
【0181】但し、f:対物レンズの焦点距離 n:レンズを形成する素材の屈折率 NA:対物レンズの像側の開口数 X2:レンズの像側の面の軸上光線の有効径最周辺(上
記NAの周辺光線が入射する像側の面上の位置)と該面
の頂点との光軸方向の差で、光軸から遠ざかるほど像側
に変位している方向を正とする。
【0182】 −0.005≦Δ2・(n−1)3/{f・(NA)4}≦0.018 ・・・・(5) 但し、Δ2:レンズの像側の面の軸上光線の有効径最周
辺(上記NAの周辺光線が入射する像側面状の位置)に
おける非球面と該面の頂点の曲率半径r2を有する基準
球面との光軸方向の差で、光軸から遠ざかるほど像側に
変移している方向を正とする。
【0183】条件式(4)の上限を越えた場合、球面収
差と正弦条件を制御するためには、像側の面も非球面化
し、更に両面ともその非球面量が大きくなってしまうた
め、製造しにくいレンズとなってしまう。下限を越えた
場合も同じく、球面収差と正弦条件を制御するために
は、像側の面も非球面化し、更に両面ともその非球面量
が大きくなってしまうため、製造しにくいレンズとなっ
てしまう。
【0184】条件式(5)の上限を越えた場合、正弦条
件が補正過剰となり、下限を越えた場合、正弦条件が補
正不足となる。
【0185】実施の形態例7次に表11、表12により
実施の形態例7を示す。なお、図22は本発明に係わる
実施の形態例7の対物レンズ及び基板の光学系断面図
で、(a)は基板厚さt1、(b)は基板厚さt2の場
合の光学系断面図である。
【0186】焦点距離f=3.40(mm)、倍率m=
−1/7、光情報記録媒体側開口数NA0=0.60,
NA2=0.37、光源波長λ=635(nm) 基板厚さt1のときのNA0内の最良波面収差 SR1
=0.022λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SR2
=0.043λrms(デフォーカス量 +9.2μ
m)
【0187】
【表11】
【0188】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0189】
【表12】
【0190】実施の形態例8 次に表13、表14により実施の形態例8を示す。な
お、図23は本発明に係わる実施の形態例8の収差補正
用光学素子、対物レンズ及び基板の光学系断面図で、
(a)は基板厚さt1、(b)は基板厚さt2の場合の
光学系断面図である。
【0191】対物レンズの焦点距離f=3.40(m
m)、対物レンズの倍率m=0、光情報記録媒体側開口
数NA0=0.60,NA2=0.37、光源波長λ=
635(nm)基板厚さt1のときのNA0内の最良波
面収差 SR1=0.023λrms 基板厚さt2のときのNA2内の最良波面収差 SR2
=0.044λrms(デフォーカス量 +9.3μ
m)
【0192】
【表13】
【0193】第s面の円錐係数、非球面係数、非球面の
べき数
【0194】
【表14】
【0195】図24〜27の各図(a)に実施の形態例
5〜8において基板厚さt1=0.6mmのときの球面
収差図を示す。又、図24〜27の各図(b)に比較例
及び実施の形態例5〜8において基板厚さt2=1.2
mmのときの球面収差図を示す。
【0196】透明基板厚さt1のときの球面収差図にお
いて、比較例では完全に補正しているのに対し、本実施
の形態例5〜8においては(1/2)NA2付近の高さ
では補正過剰(オーバー)、NA2付近の高さでは、ほ
ぼ完全に補正していることがわかる。球面収差カーブで
は(1/2)NA2よりNA2の高さにかけて補正不足
(アンダー)の方向となっている。
【0197】透明基板厚さt2(=1.2mm)のとき
の球面収差図において、図4に示した比較例では透明基
板厚さt1(=0.6mm)対し完全補正しているた
め、透明基板厚さが厚くなることによって発生するオー
バーの球面収差の影響により、非常に大きな球面収差が
発生している。本実施の形態例5〜8においては、透明
基板厚さt1に対し(1/2)NA2の高さの光束をN
A2の高さの光束より過剰に補正しておくことにより、
NA2の高さの光束は(1/2)NA2の高さの光束よ
りアンダーとなっており、従って、この球面収差により
透明基板厚さt2(=1.2mm)のときの球面収差図
に示すように透明基板厚さがt1からt2に厚くなるこ
とによって発生するオーバーの球面収差を減少させるこ
とができ、NA2の範囲までの球面収差を小さくするこ
とができる。
【0198】また、NA2からNA0の高さの光束につ
いては透明基板厚さt1と透明基板厚さt2の差によっ
て発生するオーバーの球面収差は制御されないため、N
A2よりもNAが大きくなるとNAの小さい領域から大
きい領域への変化に対して球面収差量は急激に増加する
ことになる。
【0199】従って、全開口NA0の光束を通しても、
NA2以上の光束は大きな球面収差を持つことによりフ
レア光となるため、対物レンズを光軸上で移動し最適な
フォーカス位置(ベストデフォーカス位置)を選ぶこと
により厚さt2の透明基板を介して良好な結像スポット
を得ることが可能となる。
【0200】また、基板厚さt2時の記録及び/又は再
生時にはNA2(λ=0.635μmのときはNA=
0.37程度)の絞りを光路中に挿入することで、NA
0とNA2間に発生する大きな球面収差を除去でき、よ
り良好な性能が得られることになる。
【0201】また、本実施の形態例5〜8において、実
施の形態例3で示したようなリング状の光束遮蔽部を設
けることでも、NA2近傍のフレア光の影響を除去で
き、良好な性能が得られることになる。
【0202】以上の実施の形態例はNA0をλ(μm)
/1.08(μm)以上としたものであるが、先にも述
べたようにNA0はλ(μm)/1.14(μm)以上
あれば良く、NA0の範囲内で最良波面収差が0.05
λrms以下であれば、充分な記録又は再生が可能であ
る。また、本実施の形態例は回転対称のレンズとして効
果を説明したが、光ピックアップ装置に用いられる集光
光学系に用いられる光学素子は必ずしも回転対称ではな
く、半導体レーザは回転非対称の発光特性を持つ。また
光情報記録媒体がDVDやCDの光ディスクの場合、情
報はピットとして記録されており、ピットに平行な方向
と直交する方向とでは非対称である。特にピットに平行
な方向に関してサイドローブが大きくなると、ジッタが
悪化する。従って少なくともジッタ方向に本発明のよう
な収差の制御を行うことで目的は達成可能となる。ま
た、対物レンズにおいては、光源として非点収差のある
半導体レーザを使う場合、それを打ち消すためにレンズ
面を回転非対称にする公知の技術と組み合わせても良
い。
【0203】なお、以上の実施の形態例においては、透
明基板の厚さt1=0.6mmのDVD方式の光ディス
クと透明基板の厚さt2=1.6mmのCD方式の光デ
ィスクをの2種類の光ディスクについて記録や再生が行
える集光光学系を例として説明したが、本発明はこれに
限られるものではない。
【0204】また、以上の実施の形態例においては、記
録密度の低い光情報記録媒体の透明基板の厚さt2が記
録密度の高い光情報記録媒体の透明基板の厚さt1に対
して厚くなっている例で説明したが、記録密度の低い光
情報記録媒体の透明基板の厚さt2が記録密度の高い光
情報記録媒体の透明基板の厚さt1に対して薄くなる場
合には、透明基板の厚さの差により生じる球面収差の発
生方向が逆となりアンダーとなるので、透明基板厚さt
1に対し(1/2)NA2の高さの光束をNA2の高さ
の光束より補正不足にしておくことにより、NA2の高
さの光束を(1/2)NA2の高さの光束よりオーバー
とすることで、透明基板厚さがt1からt2に薄くなる
ことによって発生するアンダーの球面収差を減少させる
ことができ、NA2の範囲までの球面収差を小さくする
ことができる。
【0205】
【発明の効果】本発明により、基板厚さ及び情報記録密
度が大きく異なるCD方式光ディスクの読み取りを、構
造が簡単でコンパクトなDVD再生用光ピックアップ装
置で行うことができ、また記録を行う方式では出射効率
がよく、より低いレーザーパワーで書き込みが可能とな
る光ピックアップ装置、集光光学系、対物レンズ、再生
方法及び光ディスク装置が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来考えられている光ピックアップ装置の図で
ある。
【図2】基板厚さと最良波面収差との関係を示す図であ
る。
【図3】本発明に係わる実施の形態例1の光学系断面図
である。
【図4】比較例において基板厚さt1,t2のときの球
面収差図である。
【図5】実施の形態例1において基板厚さt1,t2の
ときの球面収差図である。
【図6】実施の形態例1における基板厚さt1のときの
NAと最良波面収差の関係を示す図である。
【図7】比較例における厚さt1を介した際のベストデ
フォーカス時のスポット形状である。
【図8】本発明における厚さt1を介した際のベストデ
フォーカス時のスポット形状である。
【図9】比較例における厚さt2を介した際のベストデ
フォーカス時のスポット形状である。
【図10】本発明における厚さt2を介した際のベスト
デフォーカス時のスポット形状である。
【図11】実施の形態例2の光ピックアップ装置を示す
図である。
【図12】実施の形態例2の光検出器の素子構成を示す
図である。
【図13】実施の形態例2の対物レンズの球面収差を示
す図及び光スポットの干渉縞である。
【図14】実施の形態例2の対物レンズでt2=1.2
mm基板のときの、NAと最良波面収差及び最適デフォ
ーカスの関係を示す図である。
【図15】実施の形態例3の光ピックアップ装置を示す
図である。
【図16】実施の形態例3のリング状の光束遮蔽部を有
するマスクの図である。
【図17】実施の形態例3の光ピックアップの対物レン
ズの球面収差を示す図である。
【図18】実施の形態例3の光ピックアップ装置の他の
例を示す図である。
【図19】実施の形態例4の8分割の光検出器の素子構
成を示す図である。
【図20】本発明に係わる実施の形態例5の光学系断面
図である。
【図21】本発明に係わる実施の形態例6の光学系断面
図である。
【図22】本発明に係わる実施の形態例7の光学系断面
図である。
【図23】本発明に係わる実施の形態例8の光学系断面
図である。
【図24】実施の形態例5において基板厚さt1,t2
のときの球面収差図である。
【図25】実施の形態例6において基板厚さt1,t2
のときの球面収差図である。
【図26】実施の形態例7において基板厚さt1,t2
のときの球面収差図である。
【図27】実施の形態例8において基板厚さt1,t2
のときの球面収差図である。
【符号の説明】
1,11 レーザ光源 2 ホログラムビームスプリッタ 3,13 コリメータレンズ 5,51 絞り 6,61 対物レンズ 7 基板 8 情報記録面 9,19 光検出器 10 シリンドリカルレンズ 12 偏光ビームスプリッタ 14 1/4波長板 15 リング状マスク 16 凹レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−300094 (32)優先日 平8(1996)11月12日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さt1の透明基板を有する第1の光情
    報記録媒体と、t1とは異なる厚さt2の透明基板を有
    する第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報
    記録媒体を再生可能な集光光学系を有する光ピックアッ
    プ装置であって、 前記第1の光情報記録媒体の記録密度をi1、前記第2
    の光情報記録媒体の記録密度をi2(<i1)としたと
    き、 波長λのレーザ光源、この光源からの光束を光情報記録
    媒体に向けて集光する前記集光光学系の光情報記録媒体
    側の開口数をNA0、前記レーザ光源の光束により前記
    第2の光情報記録媒体の情報を再生可能な光情報記録媒
    体側の開口数をNA2としたとき、 前記集光光学系は、前記レーザ光源の光束を厚さt1の
    透明基板を介して集光したときの前記NA0の範囲の最
    良波面収差が0.05λrms以下で、かつ前記厚さt
    2の透明基板を介して集光したときに前記NA2の範囲
    内で発生する最良波面収差を0.07λrms以下とす
    るような球面収差を有することを特徴とする光ピックア
    ップ装置。
  2. 【請求項2】 屈折率n1厚さt1の透明基板を有する
    第1の光情報記録媒体と、屈折率n2厚さt2(≠t
    1)の透明基板を有する第2の光情報記録媒体の少なく
    とも2種類の光情報記録媒体を再生可能な集光光学系を
    有する光ピックアップ装置であって、 前記集光光学系は、波長λのレーザ光源の光束を屈折率
    n1厚さt1の透明基板を介して集光したときの最良波
    面収差が0.05λrms以下であり、かつ、 前記レーザ光源の光束を前記屈折率n2厚さt2の透明
    基板を介して集光して形成した光スポットの中心近傍の
    強度が最大となるデフォーカス状態において、該光スポ
    ットの中心の光強度P1と、一次リングの光強度P2の
    比が、 P2/P1<0.05 であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 厚さt1、波長λの光に対する屈折率n
    1の透明基板を有する第1の光情報記録媒体と、厚さt
    2、波長λの光に対する屈折率n2の透明基板を有する
    第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報記録
    媒体を再生可能な集光光学系を有する光ピックアップ装
    置であって、 波長λ(μm)の光源を用いて、厚さt1、屈折率n1
    の透明基板を介して光スポットを形成したときに球面収
    差が完全に補正されている完全補正集光光学系で、厚さ
    t2、屈折率n2の透明基板を介して波長λの光束を集
    光したときのNA2=λ(μm)/1.75(μm)の
    範囲の最良波面収差をSP2としたとき、前記集光光学
    系の光情報記録媒体側の開口数NA0の範囲の光束を厚
    さt1、屈折率n1の透明基板を介して集光したときの
    前記集光光学系の最良波面収差SR1と、NA2=λ
    (μm)/1.75(μm)の範囲の光束を厚さt2、
    屈折率n2の透明基板を介して集光したときの前記集光
    光学系の最良波面収差SR2が、 0.01λrms<SR1<0.05λrms SR2<SP2 の条件を満足するように前記集光光学系は、NA2の範
    囲において透明基板が厚さt1、屈折率n1から厚さt
    2、屈折率n2に変わることにより発生する球面収差を
    減じる方向の球面収差を有することを特徴とする光ピッ
    クアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記SR2は0.07λrms以下であ
    ることを特徴とする請求項3の光ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】 光情報記録媒体の透明基板を介してレー
    ザ光源よりの波長λ(μm)の光束を情報記録面上に光
    スポットとして集光する集光光学系において、 前記集光光学系が厚さt1の透明基板を介して光スポッ
    トを形成したときの最良波面収差が0.05λrms以
    下であり、かつ、NA2(=λ(μm)/1.75(μ
    m))の範囲において厚さt2(≠t1)の透明基板を
    介してスポットを形成したときの最良波面収差は、厚さ
    t1の透明基板を介して光スポットを形成したときに球
    面収差が完全に補正されている完全補正集光光学系で厚
    さt2(≠t1)の透明基板を介してスポットを形成し
    たときにNA2の範囲内で発生する最良波面収差よりも
    小さくなるような球面収差を有することを特徴とする集
    光光学系。
  6. 【請求項6】 情報記録面上に厚さt1,光の波長λに
    対する屈折率n1の透明基板を有する情報記録密度i1
    の第1の光情報記録媒体と、情報記録面上にt1とは異
    なる厚さt2,光の波長λに対する屈折率n2の透明基
    板を有し、かつ情報記録密度がi1とは異なるi2の第
    2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報記録媒
    体の情報記録面の情報を、透明基板を介してビームスポ
    ットを前記情報記録面上に形成することで再生するよう
    にした集光光学系であって、 前記集光光学系に、透明基板の厚さt1とt2の差によ
    り生じる球面収差を制御する球面収差を持たせることに
    より、前記透明基板の厚さの差により生じる球面収差を
    利用して、前記第1の光情報記録媒体を再生する際は第
    1の大きさのビームスポットを、前記第2の光情報記録
    媒体を再生する際は第2の大きさのビームスポットを得
    ることを特徴とする集光光学系。
  7. 【請求項7】 透明基板の厚さt1とt2の差により生
    じる球面収差を制御する球面収差を持たせた光学素子
    は、その光学面が滑らかな光学面により構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の集光光学系。
  8. 【請求項8】 情報記録面上に厚さt1,光の波長λに
    対する屈折率n1の透明基板を有する情報記録密度i1
    の第1の光情報記録媒体と、情報記録面上にt1とは異
    なる厚さt2,光の波長λに対する屈折率n2の透明基
    板を有し、かつ情報記録密度がi1よりも低いi2の第
    2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報記録媒
    体の情報記録面の情報を、透明基板を介してビームスポ
    ットを前記情報記録面上に形成することで再生するよう
    にした集光光学系であって、 前記集光光学系に、光の波長λに対する屈折率n1厚さ
    t1の透明基板を介してビームスポットを形成したとき
    に最良波面収差が0.05λrms以下でかつ所定の球
    面収差を持たせ、前記第1の光情報記録媒体を再生する
    際は第1の大きさビームスポットを、前記第2の光情報
    記録媒体を再生する際は前記透明基板の厚さt1とt2
    の差により生じる球面収差を前記集光光学系に持たせた
    球面収差により制御して、第2の大きさのビームスポッ
    トを得ることを特徴とする集光光学系。
  9. 【請求項9】 情報記録面上に厚さt1、波長λに対す
    る屈折率n1の透明基板を有する記録密度i1の第1の
    光情報記録媒体と、情報記録面上にt1とは異なる厚さ
    t2、波長λに対する屈折率n2の透明基板を有し、記
    録密度がi1よりも低いi2の記録密度の第2の光情報
    記録媒体の2つの光情報記録媒体の情報記録面の情報
    を、透明基板を介してビームスポットを前記情報記録面
    上に形成することで再生可能な集光光学系であって、 前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数NA0とし
    たとき、この開口数NA0の近傍においては厚さt1、
    波長λに対する屈折率n1の透明基板を介したときに球
    面収差をほぼ完全に補正するとともに、厚さt2、波長
    λに対する屈折率n2の透明基板を介したときの前記第
    2の光情報記録媒体の再生に必要な出射側の開口数NA
    2とNA2の1/2の開口数((1/2)NA2)にお
    ける球面収差を比較したとき、t1<t2の場合はNA
    2よりも(1/2)NA2のほうがオーバーの球面収差
    に、t2<t1の場合はNA2よりも(1/2)NA2
    のほうがアンダーの球面収差にしたことを特徴とする集
    光光学系。
  10. 【請求項10】 情報ピックアップ装置に用いる対物レ
    ンズにおいて、 波長λ(μm)のほぼ無収差のレーザ光束を曲率の強い
    レンズ面側から入射させて、透明基板厚t=0.6(m
    m)、波長λに対する屈折率n≒1.58の透明基板を
    介して出射側のNAがNA=λ(μm)/1.14(μ
    m)の範囲で最良波面収差が最小となる結像倍率で、そ
    の最良波面収差を測定したとき、 0.41NAから0.82NAの間において、最良波面
    収差の球面収差成分が光軸から外に向かって位相が遅れ
    る方向から進む方向に変化する変曲点を有することを特
    徴とする対物レンズ。
  11. 【請求項11】 厚さt1,波長λの光に対する屈折率
    n1の透明基板を有する記録密度i1の第1の光情報記
    録媒体と、厚さt2(≠t1),波長λの光に対する屈
    折率n2の透明基板を有する記録密度i2(<i1)の
    第2の光情報記録媒体の少なくとも2種類の光情報記録
    媒体を1つの集光光学系を用いて再生する再生方法であ
    って、 前記集光光学系を、前記第1の光情報記録媒体を再生す
    るとき、前記厚さt1,屈折率n1の透明基板と前記集
    光光学系とにより構成される光学系が、使用光源の波長
    λと前記集光光学系の光束出射側のNAにより決まる回
    折限界スポットの径とほぼ同じ径のビームスポットを形
    成できる程度の所定の球面収差を発生するような集光光
    学系とし、 前記第2の光情報記録媒体を再生するときは、使用光源
    の波長λと前記集光光学系の光束出射側のNAにより決
    まる回折限界スポットの径よりも大きく、かつ前記第2
    の光情報記録媒体を再生するのに必要な大きさのビーム
    スポットとなるように、第1の光情報記録媒体との前記
    透明基板の厚さの差異により生じる球面収差を前記集光
    光学系の前記所定の球面収差により制御して、再生を行
    うことを特徴とする再生方法。
  12. 【請求項12】 情報記録面上に厚さ0.6mmの透明
    基板を有する第1の光情報記録媒体と、情報記録面上に
    厚さ1.2mmの透明基板を有する第2の光情報記録媒
    体の2つの光情報記録媒体の情報記録面の情報を一つの
    集光光学系により透明基板を介してビームスポットを前
    記情報記録面上に形成することで再生するようにした再
    生方法であって、 前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数NA0の範
    囲を通過した光束が、厚さ0.6mmの透明基板を介し
    て最良波面収差が0.05λrms以下のビームスポッ
    トとして前記情報記録面上に集光できる程度の所定の球
    面収差を前記集光光学系に持たせるとともに、 前記第1の光情報記録媒体を再生する際は、前記NA0
    の範囲を通過した光束により前記情報記録面上に集光さ
    せて情報の再生を行い、 前記第2の光情報記録媒体を再生する際は、前記集光光
    学系が有する球面収差により、前記透明基板の厚さの差
    により生じる球面収差を制御して、前記集光光学系の出
    射側のNAがNA2=λ(μm)/1.75(μm)近
    傍から前記NA0の範囲を通過した光束の大部分は前記
    情報記録面上にフレア光として情報記録面上に達するよ
    うにするとともに、前記集光光学系の光軸からNA2=
    λ(μm)/1.75(μm)の範囲を通過した光束は
    情報記録面上に集光させて情報の再生を行うことを特徴
    とする光情報記録媒体の再生方法。
  13. 【請求項13】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/又は該
    情報記録面上の情報を再生するための光情報記録媒体の
    記録及び/又は再生用の集光光学系において、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA2としたとき、 該集光光学系は、波長λのレーザ光源からの発散光を情
    報記録面上に集光する有限共役型の対物レンズを含み、 厚さt1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光
    情報記録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差
    が0.05λrms以下であり、NA2の光束より(1
    /2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面
    収差を有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及
    び/又は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1
    >i2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表
    す。
  14. 【請求項14】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/又は該
    情報記録面上の情報を再生するための光情報記録媒体の
    記録及び/又は再生用の集光光学系において、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA2としたとき、 該集光光学系は、レーザ光源からの発散光を情報記録面
    上に集光する有限共役型の対物レンズ及び光路中に配置
    される収差補正用光学素子を含み、 厚さt1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光
    情報記録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差
    が0.05λrms以下であり、NA2の光束より(1
    /2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面
    収差を有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及
    び/又は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1
    >i2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表
    す。
  15. 【請求項15】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/又は該
    情報記録面上の情報を再生するための光情報記録媒体の
    記録及び/又は再生用の集光光学系において、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA2としたとき、 該集光光学系は、レーザ光源からの発散光をほぼ平行光
    に変換するコリメータレンズと、該平行光を情報記録面
    上に集光する無限共役型の対物レンズを含み、 厚さt1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光
    情報記録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差
    が0.05λrms以下であり、NA2の光束より(1
    /2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面
    収差を有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及
    び/又は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1
    >i2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表
    す。
  16. 【請求項16】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/又は該
    情報記録面上の情報を再生するための光情報記録媒体の
    記録及び/又は再生用の集光光学系において、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA2としたとき、 該集光光学系は、レーザ光源からの発散光をほぼ平行光
    に変換するコリメータレンズと、該平行光を情報記録面
    上に集光する無限共役型の対物レンズ及び光路中に配置
    される収差補正用光学素子を含み、 厚さt1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光
    情報記録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差
    が0.05λrms以下であり、NA2の光束より(1
    /2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面
    収差を有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及
    び/又は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1
    >i2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表
    す。
  17. 【請求項17】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/又は該
    情報記録面上の情報を再生するための光情報記録媒体の
    記録及び/又は再生用の集光光学系において、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA2としたとき、 該集光光学系は、レーザ光源からの発散光を収束光に変
    換するカップリングレンズと、該収束光を情報記録面上
    に集光する収束光有限型の対物レンズを含み、 厚さt1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光
    情報記録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差
    が0.05λrms以下であり、NA2の光束より(1
    /2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面
    収差を有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及
    び/又は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1
    >i2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表
    す。
  18. 【請求項18】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、前記情報記録面上に情報を記録及び/又は該
    情報記録面上の情報を再生するための光情報記録媒体の
    記録及び/又は再生用の集光光学系において、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の記録及び/又は再生を可能とする光スポット
    を波長λで得る為の対物レンズの光情報記録媒体側の必
    要開口数をNA2としたとき、 該集光光学系は、レーザ光源からの発散光を収束光に変
    換するカップリングレンズと該収束光を情報記録面上に
    集光する収束光有限型の対物レンズ及び光路中に配置さ
    れる収差補正用光学素子を含み、 厚さt1の透明基板を介したときの前記集光光学系の光
    情報記録媒体側の開口数NA0の範囲内で最良波面収差
    が0.05λrms以下であり、NA2の光束より(1
    /2)NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面
    収差を有することを特徴とする光情報記録媒体の記録及
    び/又は再生用の集光光学系。但し、t1<t2,i1
    >i2,NA0>NA2、λはレーザ光源の波長を表
    す。
  19. 【請求項19】 厚さt1の透明基板を介したとき、前
    記NA0付近において球面収差がほぼ完全に補正されて
    いることを特徴とする請求項9、13〜18の何れか1
    項に記載の光情報記録媒体の記録及び/又は再生用の集
    光光学系。
  20. 【請求項20】 厚さt1の透明基板を介したとき、前
    記NA2付近において球面収差がほぼ完全に補正されて
    いることを特徴とする請求項9、13〜19の何れか1
    項に記載の光情報記録媒体の記録及び/又は再生用の集
    光光学系。
  21. 【請求項21】 厚さt1の透明基板を介したとき、前
    記NA0付近と前記NA2付近における球面収差量がほ
    ぼ同じであることを特徴とする請求項9、13〜20の
    何れか1項に記載の光情報記録媒体の記録及び/又は再
    生用の集光光学系。
  22. 【請求項22】 光情報記録媒体の情報記録面上にレー
    ザ光源からの光束を透明基板を介して光スポットとして
    集光させ、該情報記録面上に記録された情報を読みだす
    為の光ピックアップの対物レンズにおいて、 透明基板の厚さt1、情報記録密度i1の第1の光情報
    記録媒体の情報を読み出せる光スポットを波長λで得る
    為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要開口数をNA
    1、 透明基板の厚さt2、情報記録密度i2の第2の光情報
    記録媒体の情報を読み出せる光スポットを波長λで得る
    為の対物レンズの光情報記録媒体側の必要開口数をNA
    2としたとき、 厚さt1の透明基板を介したときの最良波面収差が0.
    05λrms以下であり、NA2の光束より(1/2)
    NA2の光束の方が補正過剰(オーバー)の球面収差を
    有することを特徴とする光ピックアップの対物レンズ。
    但しt1<t2,i1>i2,NA1>NA2,λはレ
    ーザ光源の波長とし、(1/2)NA2はNA2の1/
    2を表すものとする。
  23. 【請求項23】 厚さt1の透明基板を介したとき、前
    記NA1付近において球面収差がほぼ完全に補正されて
    いることを特徴とする請求項22に記載の光ピックアッ
    プの対物レンズ。
  24. 【請求項24】 厚さt1の透明基板を介したとき、前
    記NA2付近において球面収差がほぼ完全に補正されて
    いることを特徴とする請求項22または23に記載の光
    ピックアップの対物レンズ。
  25. 【請求項25】 厚さt1の透明基板を介したとき、前
    記NA1付近と前記NA2付近における球面収差量がほ
    ぼ同じであることを特徴とする請求項22〜24の何れ
    か1項に記載の光ピックアップの対物レンズ。
  26. 【請求項26】 レーザ光源から出射した光束を集光光
    学系で光情報記録媒体の透明基板を介して情報記録面上
    に光スポットとして集光させ、この情報記録面からの反
    射光を光検出器で受け、情報を再生する光ピックアップ
    装置において、 前記透明基板の厚さがt1の光情報記録媒体の情報を波
    長λの光で再生するのに必要な前記集光光学系の光情報
    記録媒体側の開口数をNA1、 前記透明基板の厚さが前記t1よりも厚いt2の光情報
    記録媒体の情報を前記波長λの光で再生するのに必要な
    前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数をNA2
    (<NA1)としたとき、 前記集光光学系の光情報記録媒体側の開口数NA0は、
    前記開口数NA1もしくはそれ以上で、厚さt1の透明
    基板を介したときの光スポットの最良波面収差が0.0
    7λrms以下で、かつ、開口数NA2に対応する範囲
    内で厚さt2の透明基板を介したときの最良波面収差が
    小さくなる方向の球面収差を有することを特徴とする光
    ピックアップ装置。
  27. 【請求項27】 光情報記録媒体の透明基板を介して情
    報記録面上に光スポットを形成する光ピックアップの対
    物レンズにおいて、 前記透明基板の厚さがt1の光情報記録媒体の情報を波
    長λの光で再生するのに必要な前記対物レンズの光情報
    記録媒体側の開口数をNA1、 前記透明基板の厚さが前記t1よりも厚いt2の光情報
    記録媒体の情報を前記波長λの光で再生するのに必要な
    前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数をNA2
    (<NA1)としたとき、 前記対物レンズは、前記開口数NA1で厚さt1の透明
    基板を介したときの光スポットの最良波面収差が0.0
    7λrms以下で、かつ開口数NA2に対応する範囲内
    で厚さt2の透明基板を介したときの最良波面収差が小
    さくなる方向の球面収差を有することを特徴とする光ピ
    ックアップの対物レンズ。
  28. 【請求項28】 前記対物レンズは、前記開口数NA1
    で厚さt1の透明基板を介したときの光スポットの最良
    波面収差が0.05λrms以下であることを特徴とす
    る請求項27記載の光ピックアップの対物レンズ。
  29. 【請求項29】 光情報記録媒体の情報記録面上に透明
    基板を介して光スポットを形成する光ピックアップの対
    物レンズにおいて、 前記透明基板の厚さがt1の光情報記録媒体の情報を波
    長λの光で再生するのに必要な前記対物レンズの光情報
    記録媒体側の開口数をNA1、前記透明基板の厚さが前
    記t1よりも厚いt2の光情報記録媒体の情報を波長λ
    の光で再生するのに必要な前記対物レンズの光情報記録
    媒体側の開口数をNA2としたとき、 前記対物レンズは、厚さt1の透明基板を介して集光状
    態にある光スポットを、干渉計を用いて干渉縞をほぼ直
    線状となるようにたてて観察したとき、開口数NA4付
    近においてV字状に屈曲する部分を有する干渉縞が観察
    される最良波面収差を有することを特徴とする光ピック
    アップの対物レンズ。ただし、(1/2)NA2<NA
    4<NA1である。
  30. 【請求項30】 前記NA4は、 (1/2)NA2<NA4<(1/2)(NA1+NA
    2) であることを特徴とする請求項29に記載の光ピックア
    ップの対物レンズ。
  31. 【請求項31】 光情報記録媒体の情報記録面上に透明
    基板を介して光スポットを形成して情報を記録または再
    生する光ピックアップの集光光学系において、 前記透明基板の厚さがt1の光情報記録媒体の情報を波
    長λの光で再生するのに必要な前記集光光学系の光情報
    記録媒体側の開口数をNA1、 前記透明基板の厚さが前記t1よりも厚いt2の光情報
    記録媒体の情報を波長λの光で再生するのに必要な前記
    集光光学系の光情報記録媒体側の開口数をNA2とした
    とき、 前記集光光学系は、厚さt1の透明基板を介して集光状
    態にある光スポットを、干渉計を用いて干渉縞をほぼ直
    線状となるようにたてて観察したとき、開口数NA4付
    近においてV字状に屈曲する部分を有する干渉縞が観察
    される最良波面収差を有することを特徴とする光ピック
    アップの集光光学系。ただし、前記集光光学系の光情報
    記録媒体側の開口数をNA0とすると、(1/2)NA
    2<NA4<NA0である。
  32. 【請求項32】 前記NA4は、 (1/2)NA2<NA4<(1/2)(NA0+NA
    2) であることを特徴とする請求項31に記載の光ピックア
    ップの集光光学系。
  33. 【請求項33】 前記NA0はλ(μm)/1.14
    (μm)以上、前記NA2はλ(μm)/1.75(μ
    m)であることを特徴とする請求項1または26に記載
    の光ピックアップ装置。
  34. 【請求項34】 前記NA0はλ(μm)/1.14
    (μm)以上、前記NA2はλ(μm)/1.75(μ
    m)であることを特徴とする請求項9、13〜21、3
    1、32の何れか1項に記載の集光光学系。
  35. 【請求項35】 前記NA2はλ(μm)/1.75
    (μm)であることを特徴とする請求項22〜25、2
    7〜30の何れか1項に記載の対物レンズ。
  36. 【請求項36】 請求項1〜10、13〜35の何れか
    1項に記載した、光ピックアップ装置又は対物レンズ又
    は集光光学系と、前記透明基板の厚さがt2の光情報記
    録媒体の情報を波長λの光で再生する際、前記集光光学
    系の対物レンズを、近軸焦点よりも遠方に焦点が合うよ
    うにフォーカシング制御するフォーカシンング制御手段
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
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