JPH10198779A - 情報カード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報カードにおいて、磁気カード・ＩＣカー
ド両方の利点である低価格性・薄型フレキシブル性・高
い偽造防止性を同時に有するカードの実現を目的とす
る。 【解決手段】 導体を使用したコイルおよびマイクロ波
アンテナと、強誘電体および導体を使用したシフトレジ
スタである強誘電体メモリと、強磁性体を使用した磁気
ストライプである強磁性体メモリと、強誘電体および導
体を使用したキャパシタであるマイクロ波位相変調器と
を有し、前記強磁性体メモリに記録されたデータを読み
出すとき、前記強誘電体メモリに記録されたデータを読
み出して前記強磁性体メモリに記録されたデータの真偽
を判定することにより、低価格性・薄型フレキシブル性
・偽造防止性を同時に有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外部の制御器との
間でデータの読み書きを行い得る情報カードに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、磁気カードと呼ばれる強磁性体を
使用するカードや、ＩＣカードと呼ばれる半導体を使用
するカードが情報カードとして知られている。従来の磁
気カードは、強磁性体をカード上に直接塗布、もしくは
強磁性体をテープ状の中間媒体上に塗布したものをカー
ド上に張り付けた磁気ストライプ構造を有しており、制
御器に設けた磁気ヘッドを使用して情報の読み書きを行
うものであり、カードが低価格性と薄型フレキシブル性
を有することが利点となっている。

【０００３】また従来のＩＣカードは、カードに作製し
た電極上に半導体チップをマウントした構造を有してお
り、制御器に設けた電極接点とカード上電極接点を接
触、もしくは電極と同時にカード上に作製したコイルと
制御器に設けたコイルとを磁気結合して情報の読み書き
を行うものであり、高い偽造防止性を有することが利点
となっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の磁気カードにお
いては、簡単に材料入手・製作が可能であることと記録
データが簡単に読み出しおよび書き換えが可能であるこ
とから偽造防止性が極めて低いことが欠点であり、ＩＣ
カードにおいては、ＩＣをマウントすることによりカー
ドが高価になること、およびＩＣチップ保護の為にカー
ドが厚くフレキシブル性が無いことが欠点となってお
り、磁気カード・ＩＣカード両方の利点である、低価格
性・薄型フレキシブル性・高い偽造防止性を同時に有す
るカードの実現が要求されている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、導体を使用したコイルおよびマイクロ波ア
ンテナと、強誘電体および導体を使用したシフトレジス
タである強誘電体メモリと、強磁性体を使用した磁気ス
トライプである強磁性体メモリと、強誘電体および導体
を使用したキャパシタであるマイクロ波位相変調器とを
有し、前記強磁性体メモリに記録されたデータを読み出
すとき、前記強誘電体メモリに記録されたデータを読み
出して前記強磁性体メモリに記録されたデータの真偽を
判定するように構成したものである。これにより、従来
の磁気カードとＩＣカードの低価格性・薄型フレキシブ
ル性・高い偽造防止性を同時に有する情報カードが得ら
れる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、導体を使用したコイルおよびマイクロ波アンテナ
と、強誘電体および導体を使用したシフトレジスタであ
る強誘電体メモリと、強磁性体を使用した磁気ストライ
プである強磁性体メモリと、強誘電体および導体を使用
したキャパシタであるマイクロ波位相変調器とを有し、
前記強磁性体メモリに記録されたデータを読み出すと
き、前記強誘電体メモリに記録されたデータを読み出し
て前記強磁性体メモリに記録されたデータの真偽を判定
するように構成したものであり、カードは従来の磁気カ
ードのようにすべて電気材料の印刷等の製造方法で実現
できるとともに、従来のＩＣカードのように外部から容
易にデータの書き換えができない構造になっており、低
価格性・薄型フレキシブル性・偽造防止性を同時に有す
る。

【０００７】（実施の形態１）以下に、本発明の実施の
形態について説明する。図１で１０１，１０２は導体を
印刷して作製するコイルとマイクロ波アンテナである。
１０３は強誘電体および導体を多層に印刷して作製する
シフトレジスタである強誘電体メモリである。１０４は
強誘電体および導体を多層に印刷して作製するマイクロ
波位相変調器である。１０５は強磁性体をカードに直接
印刷、もしくは強磁性体をテープ等の中間媒体に印刷し
た後、カードに張り付けて作製した磁気ストライプであ
る強磁性体メモリである。

【０００８】図２，図３を用いて強誘電体メモリとデー
タ読み出し動作について詳しく説明する。図２は強誘電
体メモリ，コイル，マイクロ波アンテナ，マイクロ波位
相変調器の等価回路である。２０１はシフトレジスタ、
２０２はヒステリシス特性を持つ強誘電体を使用して保
持するデータ保持キャパシタ、２０３は常誘電体を使用
した負荷キャパシタ、２０４は常誘電体を使用した転送
キャパシタである。図中に示すようにシフトレジスタは
３本の駆動線にパルスを加えて動作させる循環型に構成
する。２０５ａ，２０５ｂ，２０５ｃは駆動パルス発生
コイル、２０６はマイクロ波アンテナ、２０７はデータ
保持キャパシタ兼マイクロ波位相変調器である。

【０００９】図３はシフトレジスタのデータ転送動作を
示す図であり、図３（Ａ）はコイルで発生した駆動信号
である。図３（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）はデータ転送時の各デ
ータ保持キャパシタの分極状態と反転電流を示してお
り、丸印付の符号がデータ”１”を表わしている。

【００１０】図３（Ｂ）は、τ１期間にデータ（１，
１，０）の転送を終えた瞬間を表わしている。データ転
送動作は図３（Ｃ），（Ｄ）に示すτ２，τ３期間の２
つステップで行う。第１ステップは転送方向を制限する
ステップであり、駆動線ｂを”ＨＩＧＨ”レベルに、駆
動線ａを”ＧＮＤ”レベルにする。第２ステップはデー
タを次段データ保持キャパシタに送出するステップであ
り、駆動線ｃを”ＨＩＧＨ”レベルにする。

【００１１】今データ保持キャパシタにデータ”１”が
あると、キャパシタ分極方向と駆動信号極性が逆向きで
あるから、駆動線を”ＨＩＧＨ”レベルにすると分極は
反転し、反転電流が次段データ保持キャパシタに流れて
データ”１”が送出される。またデータ保持キャパシタ
にデータ”０”があると、キャパシタ分極方向と駆動信
号極性が同じ向きであるから、駆動線を”ＨＩＧＨ”レ
ベルにしても分極は反転しなく、反転電流も流れずデー
タ”０”が送出される。以上２つのステップを繰り返す
ように連続的な駆動信号信号ａ・ｂ・ｃを加えてデータ
を一方向へ転送する。

【００１２】データの読み出しはマイクロ波を使用す
る。今制御器からマイクロ波を放射すると、マイクロ波
アンテナで受信したマイクロ波はデータ保持キャパシタ
兼マイクロ波位相変調器に入る。このときデータ転送に
伴いデータ保持キャパシタが分極反転するので、分極反
転時の誘電率変化を利用してマイクロ波を位相変調す
る。位相変調したマイクロ波はマイクロ波アンテナを介
して制御器へ再放射し、制御器の検波回路によりデータ
の読み出しを行う。

【００１３】以上のように各構成要素から成る本発明の
情報カードは、強磁性体メモリについては磁気ヘッドに
より読み書きが、強誘電体メモリについてはパルス発生
回路とマイクロ波検波回路により読み出しが可能となる
よう構成している。

【００１４】図４は情報カードを読み書き機に挿入した
時の、読み書き機内部の様子を示している。図において
４０１はカード、４０２は磁気ヘッド、４０３はマイク
ロ波アンテナ、４０４はコイル鉄心、４０５は磁気デー
タ回路、４０６はマイクロ波検波回路、４０７はパルス
発生回路であり、カード以外は読み書き機に内蔵されて
いる。

【００１５】ここでカードはまずＰＥＴ等のカード基材
上に導体・強誘電体を多層に印刷してシフトレジスタで
ある強誘電体メモリを製作し、強誘電体メモリには電気
的接点を介してデータを書き込む。そして偽造防止と強
誘電体メモリ保護の為に保護層を印刷もしくは張り付け
た後、磁気ストライプである強磁性体メモリを印刷して
製作する。またカード上のシフトレジスタは最後のビッ
ト出力を最初のビット入力に接続した循環型に構成して
いる。

【００１６】以下、読み書き機でカード内のデータを読
み書きする動作について説明する。カードを読み書き機
に挿入すると、まず読み書き機に内蔵した磁気ヘッド４
０２がカード上の強磁性体メモリである磁気ストライプ
上を走査し、磁気データ回路４０５がデータを再生して
カードの強磁性体メモリのデータ読み出しを行う。

【００１７】次にパルス発生回路４０７からコイル鉄心
４０４を介してカード上のコイルに磁界パルスを印加
し、カード上の強誘電体メモリであるシフトレジスタを
駆動してカード上のマイクロ波位相変調器へデータを供
給するとともに、マイクロ波検波回路４０６からマイク
ロ波アンテナ４０３を介してカード上のマイクロ波アン
テナに向かってマイクロ波を放射する。

【００１８】カードが反射返送したマイクロ波は再びマ
イクロ波アンテナ４０３を介してマイクロ波検波回路４
０６が位相検波を行い、カードのシフトレジスタである
強誘電体メモリのデータを読み出す。ここでカードのシ
フトレジスタを循環型に構成しているので、強誘電体メ
モリのデータは消滅せず、繰り返し読み出しが可能とな
る。

【００１９】以上の強磁性体メモリと強誘電体メモリの
データの両データの読み出しの後、両データの対応関係
から、読み出し機内で強磁性体メモリに記録されていた
データの真偽を判定し、データが正しいと判定すれば利
用形態に応じて、磁気データ回路４０５および磁気ヘッ
ド４０２を介して強磁性体メモリのデータを書き換えて
更新する。また真偽判定の結果、データが誤っていると
判定すれば、カードを読み出し機から排出する等の処理
を行う。

【００２０】本情報カードは、ＰＥＴ等の基材上に導体
・強誘電体・強磁性体を多層に印刷して製作することが
可能であることから、低価格性・薄型フレキシブル性を
有し、さらに製作後に強誘電体メモリ内のデータを書き
換えることは非常に困難であることから、高い偽造防止
性を有する情報カードが実現できる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の磁
気カードとＩＣカードの低価格性・薄型フレキシブル性
・高い偽造防止性を同時に有するという有利な効果が得
られる。

【００２２】ここで上記実施の形態では、強誘電体メモ
リは繰り返し読み出しが可能な循環型シフトレジスタで
あり、顧客ＩＤコード管理等の用途に適する例を示した
が、強誘電体メモリを一度切りの読み出しが可能な非循
環型シフトレジスタとすることにより、利用可能残り度
数の管理等の、再使用防止機能が必要な使い切り用途に
適するものも構成できる。

【００２３】この場合、読み出し機に設けた穴明け装置
を用いて、シフトレジスタのデータを送出し終わったキ
ャパシタの位置でカードに穴を明けることにより、強誘
電体メモリの一部を機械的に破壊し、カードの再使用を
完全に不可能にして、さらに高い偽造防止性を持たすこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態による情報カードを示す斜
視図

【図２】本発明の情報カードの等価回路図

【図３】本発明の情報カード内のシフトレジスタのデー
タ転送動作を示す図

【図４】本発明の情報カードの使用時の様子を示す図

【符号の説明】

１０１ コイル １０２ マイクロ波アンテナ １０３ 強誘電体メモリ １０４ マイクロ波位相変調器 １０５ 強磁性体メモリ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導体を使用したコイルおよびマイクロ波ア
   ンテナと、強誘電体および導体を使用したシフトレジス
   タである強誘電体メモリと、強磁性体を使用した磁気ス
   トライプである強磁性体メモリと、強誘電体および導体
   を使用したキャパシタであるマイクロ波位相変調器とを
   有し、前記強磁性体メモリに記録されたデータを読み出
   すとき、前記強誘電体メモリに記録されたデータを読み
   出して前記強磁性体メモリに記録されたデータの真偽を
   判定するように構成した情報カード。