JPH10197508A - 液体クロマトグラフィー用カラム及びその製造方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用カラム及びその製造方法

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JPH10197508A
JPH10197508A JP9002391A JP239197A JPH10197508A JP H10197508 A JPH10197508 A JP H10197508A JP 9002391 A JP9002391 A JP 9002391A JP 239197 A JP239197 A JP 239197A JP H10197508 A JPH10197508 A JP H10197508A
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column
resin
group
heat
porous body
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Application number
JP9002391A
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English (en)
Inventor
Tadashi Akamatsu
正 赤松
Yasushi Urata
康 浦田
Keiichi Hirata
啓一 平田
Norio Futaesaku
則夫 二重作
Zenji Ito
善治 伊藤
Masao Kaneko
正雄 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chukoh Chemical Industries Ltd
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Chukoh Chemical Industries Ltd
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/50Conditioning of the sorbent material or stationary liquid
    • G01N30/52Physical parameters
    • G01N2030/524Physical parameters structural properties
    • G01N2030/528Monolithic sorbent material

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】充填物に外筒部材を浸透させることなく密着さ
せて耐薬品性、耐熱性および耐圧性に優れたHPLC用
カラム及びその製造方法を得る。 【解決手段】棒状多孔質ガラス物質(1) と、該棒状多孔
質ガラス物質(1) の外側に形成され、PFA製の熱収縮
チューブ(2) ,PTFE製の熱収縮チューブ(3)及び熱
硬化性樹脂層(9) からなる有機系外筒部材(10)とを具備
することを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラ
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体クロマトグラフ
ィー用カラム及びその製造方法に関し、特に一体型多孔
質体を充填物としその外周を有機系樹脂外筒部材で被覆
する高速液体クロマトグラフィー用カラム及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体クロマトグラフィー(以下H
PLCと略記する。)用カラムとしては、ステンレス又
は有機系樹脂等を外筒材とし、その内部に充填剤を充填
したものが一般的に用いられている。充填剤としては、
スチレンとジビニルベンゼンの共重合体粒子に代表され
る有機系のものと、粒子状の多孔質シリカや多孔質ガラ
ス等の無機系のものが知られている。
【0003】このうち、有機系充填剤は、強度が弱いた
めに耐圧性がなく分析に長時間を必要とし、また、溶剤
や熱に対して膨張・収縮等が起こりやすく、分析値が安
定しがたいという問題点があった。
【0004】一方、無機系充填剤は強度はあるものの流
体の流れに対する抵抗が大きいために、圧力損失が大き
く単位時間当たりに流れる流量が小さくなり、分析に長
時間を要する。また、粉末粒子の充填密度に差が生じる
ために製造ロット間の分析値にバラツキが生じる等の難
点があり、さらに細孔サイズの制御も困難であった。
【0005】そのため、近年、予め空孔の大きさや空孔
容積を調整した無機多孔質の一体型カラムが提案された
(特開平6−265534号公報、特開平7−4137
4号公報)。この一体型カラムをHPLCで使用するた
めには外筒材で該無機系多孔質体を被覆する必要がある
が、多孔質体の強度が低くいため、多孔質体の外層に予
め成型された外筒材を外筒材の収縮作用等によって密着
させる場合に、多孔質体を破損させることなく密着させ
ることは極めて難しい。また、液状または溶融粘度の低
い樹脂を用いて外筒材を形成させる場合には、樹脂が多
孔質体に浸透して目詰まりを起こしやすい。更に、外筒
材は耐薬品性、耐熱性と共に内方からかなりの圧力がか
かっても多孔質体との間に空隙を生じない耐圧性が要求
される等の原因で、外筒材の選択、形成が困難であり、
この一体型カラム方式による実用化には至っていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を考
慮してなされたもので、一体型多孔質体を充填物とし、
該充填物に外筒部材を浸透させることなく密着させて耐
薬品性、耐熱性および耐圧性に優れたHPLC用カラム
及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、一体
型多孔質体からなる充填物と、その外周を被覆する密着
性、耐熱性、耐薬品性及び耐圧性を有する有機系樹脂外
筒部材とを具備することを特徴とする液体クロマトグラ
フィー用カラムである。
【0008】本願第2の発明は、フッ素樹脂製の熱収縮
チューブにより被覆された一体型多孔質体を円筒状の金
型にセットする工程と、熱硬化性樹脂を金型に注入する
工程と、前記熱硬化性樹脂を20℃から300℃で硬化
させる工程とを具備することを特徴とする液体クロマト
グラフィー用カラムの製造方法である。
【0009】本願第3の発明は、フッ素樹脂製の熱収縮
チューブにより被覆された一体型多孔質体を円筒状の金
型にセットする工程と、ビスアルケニル置換ナジイミド
を金型に注入する工程と、前記ビスアルケニル置換ナジ
イミドを80℃から280℃で硬化させる工程とを具備
することを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラム
の製造方法である。
【0010】本発明において、一体型多孔質体からなる
充填物としては棒状の多孔質ガラス物質が挙げられる。
この棒状の多孔質ガラス物質は、例えば孔径500nm
以上の貫通孔とこの貫通孔の内壁面に形成された孔径5
〜100nmの細孔を有し、細孔の全容積が10m3
t以下で、空孔径および空孔容積が予め調整されてい
る。この棒状多孔質ガラス物質を溶融型のフッ素樹脂の
収縮チューブに挿入し、さらに非溶融型のフッ素樹脂の
収縮チューブに挿入し、挿入後熱収縮チューブをヒータ
ー、オーブン等にて300℃〜400℃、好ましくは3
50〜380℃にて加熱することにより熱収縮チューブ
の収縮作用によって該チューブを該一体型多孔質体に密
着被覆する。
【0011】本発明において、有機系樹脂外筒部材は、
例えば熱収縮チューブ(内層)と、この熱収縮チューブ
の外側に設けられた熱硬化性樹脂層(外層)の二層構造
より形成されている。前記熱収縮チューブとしては、例
えば溶融型のフッ素樹脂層とこの溶融型のフッ素樹脂層
の外側に設けられた非溶融型のフッ素樹脂層の二層構造
より形成される。
【0012】前記溶融型のフッ素樹脂層の材料として
は、例えば四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシ
エチレン樹脂(以下、PFAと記す)、四フッ化エチレ
ン・六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン
・エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フ
ッ化ビニリデン樹脂が挙げられ、好ましくは溶融型のフ
ッ素樹脂としてPFAが用いられる。
【0013】前記非溶融型のフッ素樹脂層の材料として
は、例えば、四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEと
記す)が挙げられる。収縮チューブの内層に溶融型のフ
ッ素樹脂を用いることによって棒状多孔質ガラス物質に
収縮チューブを空隙なく密着させることができる。ま
た、熱硬化性樹脂の硬化時に生じる蒸気等の多孔質体へ
の浸入を防止するためには上下端をPFA等の溶融樹脂
により密封することが望ましい。
【0014】本発明において、非溶融型のフッ素樹脂層
と熱硬化性樹脂層とは両者の密着性を増大させるため
に、表面改質処理を行うことが好ましい。処理方法とし
ては、例えば、アルカリ金属溶液処理、アルカリ金属ア
マルガムによる処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処
理、金属蒸着が挙げられ、好ましくはアルカリ金属溶液
処理である。これらの処理方法は、予め前記フッ素樹脂
層をサンドブラストした後に施すとより効果的である。
【0015】本願第2,第3の発明において、第二段階
で樹脂を注入し易くするために、加熱を行ってもよい。
その時の温度は一般に70℃〜260℃、好ましくは1
60〜210℃の温度であり、第三段階の硬化条件は一
般に80℃〜280℃にて0.01〜30時間、好まし
くは0.05〜24時間加熱する。なお、本願発明にお
いて、溶融時には樹脂中に気泡が生じて樹脂は脱気され
るが、必要な場合には、脱気を完全にするために金型へ
の注入前又は注入後に真空下で樹脂を処理してもよい。
【0016】本発明において、熱硬化性樹脂としては、
例えば、ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹
脂,ポリウレタン樹脂,フラン樹脂,不飽和ポリエステ
ル樹脂が挙げられる。その中でも好ましくはポリイミド
樹脂であり、さらに好ましくは下記式(3) で表わされる
ビスアルケニル置換ナジイミド(以下「BANI」と略
記する)である。前記熱硬化性樹脂は下記化3に示す式
(3) で表わされるビスアルケニル置換ナジイミドを必須
硬化成分とする熱硬化性ポリイミドである。
【0017】
【化3】
【0018】式(3) 中、R1 及びR2 は、同一でも異な
っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。Aは、
炭素数2〜20のアルキレン基;炭素数5〜8のシクロ
アルキレン基;−{(Cq2qO)t ( Cr2rO)u
s2s} −(但し、q、r、sはそれぞれ独立に選ば
れた2〜6の整数、tは0又は1の整数、uは1〜30
の整数)で示されるポリオキシアルキレン基;炭素数6
〜18の二価の芳香族基;−R−C64 −(R´)m
- (但し、mは0又は1の整数、R、R´は同一でも異
なってもよく、炭素数1〜10のアルキレン基または炭
素数5〜12のシクロアルキレン基)で示される基;−
64 −B−C64 −(但し、Bは−CH2 −、−
C(CH3 ) 2 −、−CO−、−O−、−OC64
264 O−、−OC64 C(CH3 ) 26
4 O−、−S−、SO2 - )で示される基;又はこれら
の基の1〜3個の水素原子を水酸基で置換した基;又
は、下記化2に示す式(2) で表される基;
【0019】
【化4】
【0020】((4) 中、x及びzは0〜3の整数からそ
れぞれ独立に選ばれ、yは0又は1、R3 は水素原子、
ハロゲン原子又はメチル基からそれぞれ独立に選ばれ、
4及びR5 はそれぞれ独立に選ばれた炭素数1〜4の
アルキレン基)を示す。BANIは、特開昭59−80
662号公報、特開昭60−178862号公報、特開
昭61−18761号公報、特開昭63−170358
号公報等に開示されているBANI、あるいは丸善石油
化学株式会社の特許出願に係わる特開平5−22225
8号、特開平8−277265号に提示されているBA
NI等、種々のBANIを包含し、これらのBANI
は、一般に、対応する無水アルケニル置換ナジック酸と
ジアミンとの反応によって合成される。
【0021】BANIの具体例としては、例えばN,N
´−エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,
N´−トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)、N,N´−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボ
キシイミド)、N,N´−デカメチレン−ビス(アリル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボキシイミド)、N,N´−シクロヘキシレン−ビ
ス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミド)、N,N´−p−フェニ
レン−ビス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N
´−m−フェニレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニ
ル}メタン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)
フェニル}エ−テル、ビス{4−(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)フェニル}スルホン、N,N´−p−キシリ
レン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N´−m
−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、1,
6−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2,3−ジカルボキシイミド)−3−ヒドロキシ
−ヘキサン、N,N´−2,5−ジメチレン−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−ビス(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)、N,N´−3,8−ジメチレン−トリシクロ
[5.2.1.0]デカン−ビス(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)が挙げられる。
【0022】これらの中でも、ビス{4−(アリルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボキシイミド)フェニル}メタン、N,N´−ヘキサメ
チレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N´−
m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、
N,N´−2,5−ジメチレン−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)が好ま
しい。このような構造のアルケニル置換ナジイミドは単
独で用いてもよいし、これらの混合物またはそのオリゴ
マ−として用いてもよい。
【0023】また、本発明で用いるビスアルケニル置換
ナジイミドは触媒を用いることなく加熱のみでも硬化す
るが、硬化触媒を用いることにより一層低温または一層
短時間で硬化させることができる。硬化触媒としては、
前記特開平5−222258号,特開平8−27726
5号に提示されている硬化触媒を包含するが、好ましく
は有機過酸化物が挙げられる。
【0024】前記有機過酸化物としては、例えばジ−t
−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾ
イルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチ
ルヘキサン、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペ
ルオキシベンゾア−ト、ジ−t−ブチルペルオキシイソ
フタラ−トが挙げられる。
【0025】有機過酸化物を使用する場合の量は特に規
定されず広い範囲内で適宜選択すれば良い。有機過酸化
物は、ビスアルケニル置換ナジイミドに対し通常0.0
05〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%共存
させるのがよい。
【0026】また、ビスアルケニル置換ナジイミドを必
須成分とする熱硬化性樹脂には、必要に応じて、熱硬化
性ポリイミド樹脂の密着性、耐熱性、耐薬品性および耐
圧性を損なわない程度にその他の樹脂を併用することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施例ととも
に比較例を図1を参照して具体的に説明するが、本発明
の内容はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下「部」とあるのはすべて「重量部」を意味す
る。
【0028】(実施例1)まず、孔径500nm以上の
貫通孔と貫通孔の内壁面に形成された孔径5〜100n
mの細孔を有し、細孔の全容積が10m3 /t以下であ
り、外径が4.6mmφの棒状多孔質ガラス物質1をP
FA製の熱収縮チューブ2に挿入し、さらにPTFE製
の熱収縮チューブ3に挿入し、挿入後370℃、5分間
加熱することによって棒状多孔質ガラス物質1に熱収縮
チューブ2を密着させた。その断面図は図1(A)に示
すとおりである。この後、熱収縮チューブ3と後述する
熱硬化性樹脂層としてのビスアルケニル置換ナジイミド
との密着性を増大させるために、熱収縮チューブ3をサ
ンドブラストした後にアルカリ金属溶液処理を施した。
このフッ素樹脂により被覆した棒状物質を、図1(B)
に示す円筒状の金型4にセットし、ビスアルケニル置換
ナジイミドとして、真空下、200℃にて溶融脱気した
{ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メ
タン(商品名:BANI−M、丸善石油化学(株)製)
を金型4に注入し、下記条件で硬化を行った。なお、図
1(B)において、付番5は胴体、付番6は胴体5の上
部に取り付けられる蓋、付番7は胴体5の下部に取り付
けられる栓を示し、これらにより前記金型4が構成され
る。
【0029】 第1段階:220℃で5時間 第2段階:250℃で10時間 硬化後、金型4より成型品を取り出し、上下端をカット
して図1(C)に示すカラム形状のもの8を得た。ここ
で、カラム8は、棒状多孔質ガラス物質1と、この棒状
多孔質ガラス物質1の外側に形成されPFA製の熱収縮
チューブ2,PTFE製の熱収縮チューブ3及び熱硬化
性樹脂層9からなる有機系外筒部材10とから構成され
る。前記カラム8の長さは、使用する棒状多孔質ガラス
物質1及び金型4の長さによって調整することができ
る。このカラム8に市販のコネクターを取り付け、図示
しないHPLCカラムを製造した。
【0030】このように、実施例1に係るHPLCカラ
ムは、棒状多孔質ガラス物質1と、この棒状多孔質ガラ
ス物質1の外側に形成され、PFA製の熱収縮チューブ
2,PTFE製の熱収縮チューブ3及び熱硬化性樹脂層
9からなる有機系外筒部材10と、図示しないコネクター
とから構成されている。こうした実施例1のHPLCカ
ラムをSCL−10A(島津製作所製)に取り付け、ア
セトニトリルを流すことによる洗浄後、以下の条件で分
析を行った。
【0031】 移動層 :ヘキサン/イソプロパノ−ル=98/2(w
/w) 測定温度:25℃ 分析試料:トルエン、ジニトロトルエン、ジニトロベン
ゼンの混合物 圧力 :162kg/cm2 分析結果を図2(A)に記載する。なお、図2(A)に
おいて、aはトルエン、bはジニトロトルエン、cはm
−ジニトロベンゼン、dはp−ジニトロベンゼンを示
す。図2(B),(C),(D)も同様である。
【0032】(実施例2)実施例1において、前記BA
NI−Mの代わりに、N,N’−ヘキサメチレン−{ビ
ス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン
(商品名:BANI−H、丸善石油化学(株)製)を用
いたこと以外は、実施例1と同様な方法でHPLCカラ
ムを製造した。
【0033】実施例2で製造したHPLCカラムを実施
例1と同様な条件で分析を行った。分析結果は図2
(B)に示す通りである。 (実施例3)実施例1において、前記BANI−Mの代
わりに、N,N’−m−キシレン−{ビス{4−(アリ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボキシイミド)フェニル}メタン(商品名:BA
NI−X、丸善石油化学(株)製)を用いたこと以外
は、実施例1と同様な方法でHPLCカラムを製造し
た。
【0034】実施例3で製造したHPLCカラムを実施
例1と同様な条件で分析を行った。分析結果は図2
(C)に示す通りである。 (実施例4)フッ素樹脂製の収縮チューブにより被覆し
た棒状多孔質物質を図1(B)に示す金型にセットし、
実施例1と同様の方法により製造した。ビスアルケニル
置換ナジイミドとして、真空下、160℃にて溶融脱気
したBANI−Mにジ−t−ブチルペルオキシド(BA
NI−Mに対して1phr)を加えた樹脂組成物を金型
に注入し、下記条件で硬化を行った。
【0035】 第1段階:210℃で5時間 第2段階:220℃で8時間 硬化後、金型より成型品を取り出し、上下端をカットし
てカラム形状のものを得た。カラムの長さは、使用する
棒状多孔質ガラス物質及び金型の長さによって調整する
ことができる。このカラムに市販のコネクターを取り付
け、HPLCカラムを製造した。
【0036】実施例4で製造したHPLCカラムを実施
例1と同様な条件で分析を行った。分析結果はを図2
(D)に示す通りである。 (比較例1)まず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂
(商品名:ビクトレックス PEEK450 G、三井東圧
化学(株)製)の丸棒状成型体を用いて切削加工により
内径4.7mmφに成型されたパイプを作成し、これに
実施例1と同様の棒状多孔質ガラス物質を挿入した。つ
づいて、ヒーター、オーブン等にて230℃で加熱する
ことにより、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の収縮作
用により密着させた。その後、上下端を所要の長さにカ
ットすることによりカラム形状のものを得た。更に、こ
のカラムに市販のコネクターを取り付け、HPLCカラ
ムを製造した。
【0037】比較例1で製造したHPLCカラムを実施
例1と同様な条件で分析を行った。分析結果は図3
(A)に示す通りである。図3(A)ではブロ−ドな単
一ピ−クしか得られず、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂を収縮させる際、棒状多孔質ガラス物質に割れが生じ
ているか、もしくはポリエーテルエーテルケトン樹脂と
棒状多孔質ガラス物質の間に空隙があり、そこを液がリ
ークしていると考えられる。
【0038】(比較例2)まず、PTFE樹脂(商品
名:テフロン、三井・デュポンフロロケミカル(株)
製)の丸棒状成型体を用いて切削加工により内径4.7
mmφに成型されたパイプを作成し、これに実施例1と
同様の棒状多孔質ガラス物質を挿入した。つづいて、ヒ
ーター、オーブン等にて250〜300℃で加熱するこ
とにより、PTFEの収縮作用により収縮させた。その
後、上下端を所要の長さにカットすることによってカラ
ム形状のものを得た。更に、このカラムに市販のコネク
ターを取り付け、HPLCカラムを製造した。
【0039】比較例2で製造したHPLCカラムを圧力
を2Kg/cm2 にしたこと以外、実施例1と同様な条
件で分析を行った。分析結果はを図3(B)に示す通り
である。図3(B)のようにブロードなピークしか得ら
れないのは、成型時には棒状多孔質ガラス物質とPTF
Eとの間には存在しなかった空隙が、測定時にかかる圧
力によって生じ、空隙を液がリークしていると考えられ
る。また、これ以下の圧力では空隙は生じないが、分析
に長時間を必要とする。
【0040】(比較例3)まず、実施例1と同様の棒状
多孔質ガラス物質を図1(B)に示す円筒状の金型にセ
ットし、熱硬化性のエポキシ樹脂(商品名:エピコ−ト
828、油化シェルエポキシ(株)製)100部に、硬
化剤としてジアミノジフェニルメタン26部を混合注入
し脱気後、180℃にて3時間硬化反応を行った。硬化
後金型より成型品を取り出し、上下端を所要の長さにカ
ットしカラム形状のものを得た。このカラムに市販のコ
ネクターを取り付け、HPLCカラムを製造した。
【0041】比較例3で製造したHPLCカラムを圧力
を2Kg/cm2 にしたこと以外、実施例1と同様な条
件で分析を行った。洗浄にアセトニトリルを流すことに
よって、エポキシ樹脂が膨潤し脱落して使用に耐えなく
なった。
【0042】
【発明の効果】本発明の、一体型多孔質体からなる充填
物と、その外周を被覆する有機系外筒部材とからなるH
PLC用カラムは、材料間の密着性、耐薬品性、耐熱性
および耐圧性に優れ、かつ充填物が一体型であるため充
填物がこぼれる等の心配がなく、製造ロット間で分析値
がばらつく等の問題はない。また、外筒部材に有機系樹
脂を用い、金属を使用していないので、バイオ関係の分
析に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるHPLCカラムの製
造方法を工程順に示すもので、図1(A)は棒状多孔質
ガラス物質に熱収縮チューブを被覆したときの状態を示
す断面図、図1(B)は熱硬化性有機系樹脂層から外筒
材を注型成形するための金型の概略斜視図、図1(C)
はHPLCカラムを縦方向に切断した斜視図。
【図2】本発明の実施例1〜4に係わる分析結果を示
し、図2(A)は実施例1、図2(B)は実施例2、図
2(C)は実施例3、図2(D)は実施例4を夫々示す
時間−強度(無次元)特性図。
【図3】比較例1〜2に係わる分析結果を示し、図3
(A)は比較例1、図3(B)は比較例2を夫々示す時
間−強度(無次元)特性図。
【符号の説明】
1…棒状多孔質ガラス物質、 2…溶融型フッ素樹脂層、 3…非溶融型フッ素樹脂層、 4…金型、 5…胴体、 6…蓋、 7…栓、 8…カラム形状のもの、 9…熱硬化性樹脂層、 10…有機系外筒部材。
フロントページの続き (72)発明者 平田 啓一 神奈川県横浜市泉区上飯田町1010番地 中 興化成工業株式会社内 (72)発明者 二重作 則夫 千葉県市原市姉崎3221−1−S306 (72)発明者 伊藤 善治 千葉県袖ヶ浦市のぞみ野122−4 (72)発明者 金子 正雄 千葉県三郷市さつき平1−3−2−401

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体型多孔質体からなる充填物と、その
    外周を被覆する密着性、耐熱性、耐薬品性及び耐圧性を
    有する有機系樹脂外筒部材とを具備することを特徴とす
    る液体クロマトグラフィー用カラム。
  2. 【請求項2】 一体型多孔質体が多孔質ガラスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液体クロマトグラフィー
    用カラム。
  3. 【請求項3】 有機系樹脂外筒部材は、熱収縮チューブ
    と、この熱収縮チューブの外側に設けられた熱硬化性樹
    脂層の二層構造より形成されていることを特徴とする請
    求項1又は2記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
  4. 【請求項4】 熱収縮チューブは溶融型のフッ素樹脂層
    とこの溶融型のフッ素樹脂層の外側に設けられた非溶融
    型のフッ素樹脂層の二層構造より形成され、熱硬化性樹
    脂が下記化1に示す式(1) で表わされるビスアルケニル
    置換ナジイミドを必須硬化成分とする熱硬化性ポリイミ
    ドであることを特徴とする請求項3記載の液体クロマト
    グラフィー用カラム。 【化1】 式(1) 中、R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子又はメチル基を示す。Aは、炭素数2〜2
    0のアルキレン基;炭素数5〜8のシクロアルキレン
    基;−{(Cq2qO)t ( Cr2rO)us2s}
    −(但し、q、r、sはそれぞれ独立に選ばれた2〜6
    の整数、tは0又は1の整数、uは1〜30の整数)で
    示されるポリオキシアルキレン基;炭素数6〜18の二
    価の芳香族基;−R−C64 −(R´)m - (但し、
    mは0又は1の整数、R、R´は同一でも異なってもよ
    く、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数5〜1
    2のシクロアルキレン基)で示される基;−C64
    B−C64 −(但し、Bは−CH2 −、−C(CH
    3 ) 2 −、−CO−、−O−、−OC64 SO26
    4 O−、−OC64 C(CH3 ) 264 O−、
    −S−、SO2 - )で示される基;又はこれらの基の1
    〜3個の水素原子を水酸基で置換した基;又は、下記化
    2に示す式(2) で表される基; 【化2】 (式(2) 中、x及びzは0〜3の整数からそれぞれ独立
    に選ばれ、yは0又は1、R3 は水素原子、ハロゲン原
    子又はメチル基からそれぞれ独立に選ばれ、R4 及びR
    5 はそれぞれ独立に選ばれた炭素数1〜4のアルキレン
    基)を示す。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂製の熱収縮チューブにより被
    覆された一体型多孔質体を円筒状の金型にセットする工
    程と、熱硬化性樹脂を金型に注入する工程と、前記熱硬
    化性樹脂を20℃から300℃で硬化させる工程とを具
    備することを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラ
    ムの製造方法。
  6. 【請求項6】 フッ素樹脂製の熱収縮チューブにより被
    覆された一体型多孔質体を円筒状の金型にセットする工
    程と、ビスアルケニル置換ナジイミドを金型に注入する
    工程と、前記ビスアルケニル置換ナジイミドを80℃か
    ら280℃で硬化させる工程とを具備することを特徴と
    する液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法。
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