JPH10196853A - ガスバリア性積層ホース - Google Patents

ガスバリア性積層ホース

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JPH10196853A
JPH10196853A JP277297A JP277297A JPH10196853A JP H10196853 A JPH10196853 A JP H10196853A JP 277297 A JP277297 A JP 277297A JP 277297 A JP277297 A JP 277297A JP H10196853 A JPH10196853 A JP H10196853A
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JP
Japan
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layer
hose
acid
vinyl ester
gas barrier
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Application number
JP277297A
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English (en)
Inventor
Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
Taiichi Sakatani
泰一 阪谷
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性およびガスバリア性を有する積層ホース
を提供すること。 【解決手段】エチレン含有量20〜60モル%、かつビ
ニルエステル成分のケン化度90モル%以上のエチレン
ビニルエステル共重合体ケン化物とポリアミノアミドか
らなる樹脂組成物層に、少なくとも一つの繊維補強層及
び少なくとも一つのゴム層が積層されてなることを特徴
とするガスバリア性積層ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス遮断性、柔軟
性に優れたガスバリア性積層ホース、例えば、自動車の
カークーラやエアコン等、あるいはガソリンタンクとエ
ンジンを接続するエバポホース、ブリーザーホース、フ
ューエルホース等の配管用として好適に用いられるホー
スに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フロンガス等の冷媒や、燃料
を輸送するホースとしては、内側のゴム層(内管層)
と、その外側のゴム層(外管層)と、それら両層間に介
在した繊維補強層とから一体的に構成されてなる三層構
造のものが知られている。そして、一般に、内側ゴム層
は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR
)またはクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM )
によって形成され、繊維補強層は、ポリエステル繊維、
レーヨン繊維、ナイロン繊維等の有機繊維からなる糸を
用いて編成された網状体にて形成され、また、外側ゴム
層は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム
(EPDM)またはクロロプレンゴム(CR)によって形成さ
れている。すなわち、このような多層構造のホースは、
繊維補強層を除いて、全体がゴム材料にて形成されてい
るものであることから、ゴム材料の特性を、そのままホ
ース自体の特性として有しているのであり、配管作業に
適した柔軟性を備えると共に、ホース使用中において、
冷凍系路乃至は冷却系路の配管系内で発生する、金属配
管に由来する金属イオン乃至は金属塩化物等による劣化
も認められない等の利点を有しているのである。
【0003】しかしながら、一般に、ゴム材料はガス透
過性を有しているため、かかるゴム材料を主構成材料と
する従来のホースにあっては、ホース内を循環流通する
フロンガス等の冷媒ガスがホース壁を透過して外部に漏
れることにより、しだいに循環冷媒量が減少する。つま
り、かかるホースは、長期にわたる冷却能力保持性に劣
り、冷却能力を維持するためには、ガスチャージ(冷媒
の充填)を頻繁に行なわなければならないというメンテ
ナンス上の問題を内在している。特に、近年におけるフ
ロンガスによる大気圏オゾン層の破壊という社会問題に
対して、かかるガスバリア性ゴム積層ホースにおけるガ
ス透過性の改善は、大きな課題となっているのである。
また、同様に気化したガソリンがホースを透過して外部
に漏洩するという現象も生じており、環境悪化が大きな
問題となっている。そのためこのような自動車から漏洩
する気化ガソリンの量を規制することが法案化されてお
り、とくに1994年からは、アメリカ合衆国カリフォ
ルニア州においては、エバポホースからの未燃焼蒸散ガ
ソリンの透過量が厳しく規制されることになり、従来の
ガソリン透過量の約1/10いかに規制されている。ま
た、1996年から燃費の基準ラインが一層厳しく規制
されている。これらの理由から、ホースの内管層の一つ
の層をガスバリア性の樹脂材料にて構成することが検討
されており、例えば特開昭63-152787 号公報には、その
ような樹脂材料としてポリアミド系樹脂を用いることが
記載されている。
【0004】しかしながら、このようなポリアミド系樹
脂は、ゴム材料と比較すると、剛性(弾性率)が高く、
そのためにホース全体の柔軟性を低下させる問題があ
り、またホースの柔軟性を考慮して、ポリアミド系樹脂
からなる層を可及的に薄肉に構成すると、ガスバリア性
に劣るようになり、それら両特性のバランスを取ること
は極めて困難であったのである。例えば、ナイロン6、
ナイロン66やそれらの共重合体の如きポリアミド樹脂か
らなる層を内管層の一つとした場合にあっては、ガスバ
リア性は改善される反面、柔軟性においてはゴム材料に
劣っており、該ポリアミド樹脂から構成される層を、か
かる樹脂材料がガスバリア性に優れている点を考慮して
可及的に薄肉に構成して、多層の内管層の一つに使用し
たとしても、なお、ゴムホースの柔軟性に比べると充分
ではなかったのである。また、上記以外のポリアミド樹
脂、例えばナイロン11やナイロン12等の材料を用いて、
ホース内管層を構成したものにあっては、その耐金属劣
化性は良好であるものの、かかる樹脂材料が、前記ポリ
アミド樹脂(ナイロン6,ナイロン66等)よりもガスバリ
ア性において劣るため、前記ポリアミド樹脂にて構成さ
れる内管層を有するホースと同等の冷媒バリア性を得る
ためには、内管層の肉厚をその分だけ増す必要があり、
それ故、ホースの柔軟性が著しく悪化し、実使用に耐え
ない問題を内在しているのである。このように、従来の
ホースは、近年におけるガスバリア性のより一層の向上
が要求されている状況下において、品質的に必ずしも十
分なものとは言い難いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を背景にして為されたものであって、その目的とすると
ころは、積層ホースにおいて、その柔軟性を確保しつ
つ、ガスバリア性のより一層の向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
解決のために、鋭意検討してきた。その結果、EVOH
樹脂にある特定のポリアミドを配合すれば、高いガスバ
リア性と柔軟性を兼ね備えた樹脂組成物が得られること
を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち本発
明は、エチレン含有量20〜60モル%、かつビニルエ
ステル成分のケン化度90モル%以上のエチレンビニル
エステル共重合体ケン化物とポリアミノアミドからなる
樹脂組成物層に、少なくとも一つの繊維補強層及び少な
くとも一つのゴム層が積層されてなるガスバリア性積層
ホースを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のガスバリア性積層ホース
に用いられる樹脂の1つであるポリアミノアミドは、通
常、ジカルボン酸とポリアミンを重合させることにより
得ることができる。ジカルボン酸としては、例えば、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸、テトラデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン
酸、オクタデカンジオン酸、オクタデセンジオン酸、エ
イコサジオン酸、エイコセンジオン酸、ドコサンジオン
酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸等が、工業的に
は大豆油等の天然油脂脂肪酸の重合物等の脂肪族ジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、キシレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等
を例示することができ、好ましくは脂肪族ジカルボン酸
が挙げられ、特に好ましくはアジピン酸、アゼライン
酸、天然油脂脂肪酸の重合物が挙げられる。 ポリアミ
ンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビ
スプロピルアミン、スペルミン、スペルミジン、ビス
(ヘキサメチレン)トリアミン等のポリアルキレンポリ
アミンが挙げられる。好ましくはジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンが挙げられる。
【0008】またこれらのジカルボン酸とポリアミンの
重合に際しては粘度調整やその他の目的に応じて、モノ
アミンやモノカルボン酸を共存させることができる。
かかるモノアミンとしては例えば、メチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルア
ミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシル
アミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシ
ルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、
ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシル
アミン、ドコシルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロ
ヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン等の脂環
式モノアミン;ベンジルアミン、β−フェニルエチルア
ミン等の芳香族基で置換された脂肪族モノアミン等が挙
げられる。 また、モノカルボン酸としては、例えば、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナ
ント酸、カプリル酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、ウン
デカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、
ミリトレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、あるいは工
業的には大豆油等の天然油脂脂肪酸等の脂肪族モノカル
ボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキ
サンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、あるいは安
息香酸、トルイン酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸等
の芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。
【0009】本発明に用いられるエチレンビニルエステ
ル共重合体ケン化物(EVOH)としては、溶融成形性
や高湿度下におけるガスバリア性の点でエチレン含有量
20〜60モル%、好ましくは20〜45モル%、より
好ましくは25〜40モル%のものが、また、ガスバリ
ア性の点で、ビニルエステル成分のケン化度90モル%
以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98
モル%以上のものが挙げられる。
【0010】本発明に用いられるEVOHは、エチレン
含量やケン化度の異なる1種あるいはそれ以上のEVO
Hをブレンドして用いることがより好適な場合がある。
ビニルエステル成分としては酢酸ビニルが代表的なもの
としてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル、
例えば、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなども
使用できる。 本発明に用いるガスバリア層の樹脂組成
物におけるポリアミノアミド(以下PAAと略記するこ
とがある)とエチレンビニルエステル共重合体ケン化物
(EVOH)の重量比率は、ガス遮断性や耐ピンホール
性の点で、PAA/EVOHが、通常、2/98〜60
/40である。
【0011】本発明のガスバリア層の製造方法、すなわ
ちPAAとEVOHのブレンド方法は特に制限はない
が、混練に用いられる一般の単軸あるいは二軸押出機を
用いて、溶融混練押出してペレットを得る方法が例示で
きる。PAAは液体のまま、あるいは、水または有機溶
媒などに溶解して用いられる場合が多いが、この場合に
はEVOHの熱溶融押出状態下にある上記押出機のシリ
ンダー中にPAA液を液送ポンプにて注入し、EVOH
と熱混練する方法や、EVOHペレットとPAA液とを
ヘンシェルミキサー等のミキサーにてブレンドした後、
上記押出機に供給し、熱混練する方法を採用することが
できる。 また、別途、PAAの高濃度マスターバッチ
を作製しておいて、このマスターバッチをEVOHとペ
レットブレンドし、フィルムあるいは他の成形機に直接
供給し、成形体を得ることもできる。
【0012】本発明のガスバリア層に用いられる樹脂組
成物にはこれらの成分の他に、添加剤、例えば、可塑
剤、熱安定剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤、フ
ィラー、他の樹脂などを本発明の目的が阻害されない範
囲で使用することができる。特にゲル発生防止対策とし
て、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノー
ル系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪酸カルボ
ン酸の金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸マグネシウムなどの1種または2種以上を樹脂
組成物に、例えば、0.01〜1重量%添加することは
好適である。
【0013】本発明によるガスバリア性積層ホースは、
例えば、第1図に示される如き構成を採ることができ
る。第1図を参照して本発明を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。層1は、ホース最内層と
なる内側内管層であって、エチレンビニルエステル共重
合体ケン化物とポリアミノアミドからなる樹脂組成物に
て構成されている。なお、該層の厚さは、一般に、10〜
500 μm程度が適当である。なお、10μmよりも厚さが
薄くなると、ガスバリア性が低下し、また薄膜強度に劣
るようになることから、耐久性が低下するようになる。
一方、500 μmを越えるような厚さになると、ガスバリ
ア性においては優れるものの、ホースの剛性が高くな
る。そして、該樹脂組成物からなる内側内管層1の径方
向外側に位置して、繊維補強層4に接する、ゴム中間層
としての外側内管層2が設けられており、更に該繊維補
強層4の外側には、外側ゴム層たる外管層3が所定厚さ
において形成されている。この外側内管層2は、ゴム弾
性を有していて、前記内側内管層1等の内側層を弾力的
に支持するようになっており、そしてこの柔軟性に優れ
たゴム層によって、ホースの柔軟性のより一層の向上が
図られ、また簡単な構造によるコスト安のメリットが達
成されている。
【0014】なお、かかる繊維補強層4に接して設けら
れる外側内管層2は、単層若しくは複数層にて構成さ
れ、通常、ゴムホースの内管材に用いられるNBR,CSM の
如きゴム材料にて形成される他、EPDM, 塩素化ブチルゴ
ム(Cl−IIR ),塩素化ポリエチレン(CPE ),エピク
ロルヒドリンゴム(CHC 、CHR )等のゴム材料にて形成
されるものである。また、繊維補強層4は、通常のゴム
ホースに用いられているものがそのまま採用され、例え
ばポリエステル繊維、アラミド繊維等の合成繊維を主体
とする糸のブレード編みやスパイラル編み等によって形
成されるものである。さらに、外管層3は、ホースの最
外層となるものであって、ホースの耐候性、耐熱性、耐
透水性等の諸特性を保持する外側ゴム層であり、そのよ
うな観点から、EPDMやCl−IIR 等のゴム材料が好適に用
いられることとなる。尤も、このようなゴム材料以外の
ゴム材料を用いても、何等差支えないことは言うまでも
ないところである。なお、この外管層3は、ここでは単
層にて表わされているが、また必要に応じて、複数層に
て構成される場合がある。
【0015】本発明は、このように、エチレンビニルエ
ステル共重合体ケン化物とポリアミノアミドからなる樹
脂組成物層、少なくとも一つの繊維補強層、少なくとも
一つのゴム層が、積層されてなる構造のホースである。
なお、第1図に示されるホース構成において、外側内管
層2や外管層3等の層構成やその厚さは、それらを形成
する材料の種類やホースの太さ、その壁厚等によって適
宜に決定されることとなるが、実用的なホースのサイズ
においては、例えば外側内管層2の厚みとしては1〜5m
m 程度が採用される。その厚みが薄過ぎると、ホースを
曲げた時に柔らかくなるものの、折れ易くなり(キンク
の発生)、逆に厚くすると、折れ難くなるものの、ホー
スが硬くなる。また、外管層3の厚みとしては、一般
に、ホースの透水性を考慮して1〜3.5mm 程度が採用さ
れる。
【0016】本発明のガスバリア性積層ホースは、上記
各ホース構成層を、例えば以下のようにして順次積層形
成することにより、製造することが出来る。 (a) ゴム製或いは樹脂製のマンドレル上に、内側内
管層(1)形成用のエチレンビニルエステル共重合体ケ
ン化物とポリアミノアミドからなる請求項1記載の樹脂
組成物を押出成形機より押し出し、該マンドレル上に管
状体を形成する。その後、外側内管層(2)形成用のゴ
ム組成物を、前記と同様にして、押出機より押出成形す
ることによって、図示される如き複数層からなる内管層
を形成することが出来る。 (b) 次いで、この複数層にて構成される内管層の外
周面に、必要に応じて、接着剤を塗布した後、繊維補強
糸をブレード編み若しくはスパイラル編みする等の手法
によって、繊維補強層(4)を形成する。 (c) かかる形成された繊維補強層(4)の外周面に
所定の接着剤(ゴム糊等)を塗布した後、その上に外管
層形成用のゴム組成物を押し出して、目的とする外管層
(3)を所定厚さに形成する。 (d) そして、このようにして得られた積層管を、加
硫(架橋)し、接着一体化した後、マンドレルを抜き取
ることにより、目的とするホースを得ることが出来る。
なお、この際の加硫条件としては、通常、140 〜170 ℃
程度の温度及び30〜90分程度の加硫時間が採用されるこ
ととなる。このようにして得られたガスバリア性積層ホ
ースは、内層として位置せしめられるエチレンビニルエ
ステル共重合体ケン化物とポリアミノアミドからなる樹
脂組成物層の存在によって、極めて優れたガスバリア性
を発揮すると共に、ホースとしての有効な柔軟性を具備
するものである。
【0017】
【発明の効果】本発明のガスバリア性積層ホースは、優
れたガスバリア性と柔軟性を有するため、近年における
厳格な要求を満たす例えば、カークーラやエアコン用ホ
ース、燃料輸送用ホース等に有効に供される。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
以下の実施例中の部、比及び百分率は、特に断りのない
限り、何れも重量基準によって示されるものである。
【0019】(実施例1) エチレン含有量44モル
%、ケン化度98%以上のEVOH((株)クラレ製E
P−E105B:以下EVOH−Eと略記)を二軸押出
機(プラスチック工学(株)製、L/D60,40mm
φ押出機BT-40-S2-60-L )で溶融混練しながら、植物油
脂肪酸の重合物とトリエチレンテトラミンを重合したポ
リアミノアミド(富士化成製トーマイド#235−A:
以下PAAと略記)を液送ポンプにて押出機バレル中に
注入し、押出温度200℃、押出量40Kg/hrでE
VOHと押出混練し、ペレット化した。PAA/EVO
H−E重量比=10/90であった。この樹脂組成物を
ガスバリア層を形成する樹脂組成物とした。次に、この
樹脂組成物を用いて、第1図に示される如き多層構造の
ホースの各種のものを、下記第3表に示される材料構成
において製造した。また、それらホースの製造は、前記
したように、ホースの最内側層より順次押出成形し、多
層の積層管と為した後、加熱加硫操作を施すことによっ
て、一体的な多層構造のホース(内径:11.5mm 、外径:2
1.5mm )を得た。また、第3表に用いられているNB
R、EPDM各ゴム材料の配合組成は、以下の通りであ
る。
【表1】
【表2】 このようにして得られた各ホースについて、柔軟性とガ
スバリア性をそれぞれ評価した。そして、その結果を、
下記第4表に示す。なお、各評価は、各ホースから第一
層のみを剥離して取り出し、その層のヤング率(ホース
の長手方向)を測定することにより、柔軟性を評価し、
100℃におけるフロン134aのガス透過度をJIS
K7126に準拠して測定し、ガスバリア性を評価し
た。 ヤング率は小さい方が柔軟性が高いことを、ガス
透過度は小さい方がガスバリア性が高いことを示してい
る。比較例1のように、EVOHを第1層に用いたもの
は、フロンガスバリア性は高いものの、柔軟性に劣り、
比較例2のように、ナイロン6を第1層に用いたもの
は、柔軟性は高いものの、ガスバリア性に劣る。実施例
1のように、エチレンビニルエステル共重合体ケン化物
とポリアミノアミドからなる樹脂組成物層を有するもの
は、ホースの柔軟性並びにガスバリア性の何れの性能に
おいても、優れたものである。
【表3】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明のガスバリア性積層ホースの1
態様を示す概念図である。
【符号の説明】 1 層1 2 層2 3 層3 4 層4

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%、かつビ
    ニルエステル成分のケン化度90モル%以上のエチレン
    ビニルエステル共重合体ケン化物とポリアミノアミドか
    らなる樹脂組成物層に、少なくとも一つの繊維補強層及
    び少なくとも一つのゴム層が積層されてなることを特徴
    とするガスバリア性積層ホース。
  2. 【請求項2】エチレンビニルエステル共重合体ケン化物
    の配合量が98〜40重量部であり、ポリアミノアミド
    の配合量が2〜60重量部である請求項1記載のガスバ
    リア性積層ホース。
  3. 【請求項3】ポリアミノアミドが、ジカルボン酸とポリ
    アミンを重合させて得られるものである請求項1または
    2記載のガスバリア性積層ホース。
  4. 【請求項4】ポリアミンが、ポリアルキレンポリアミン
    である請求項3記載のガスバリア性積層ホース。
  5. 【請求項5】ポリアミンが、ジエチレントリアミン、ト
    リエチレンテトラミンまたはテトラエチレンペンタミン
    である請求項3記載のガスバリア性積層ホース。
  6. 【請求項6】ジカルボン酸が、脂肪族ジカルボン酸であ
    る請求項3記載のガスバリア性積層ホース。
  7. 【請求項7】ジカルボン酸が、アゼライン酸または天然
    油脂脂肪酸の重合物である請求項3記載のガスバリア性
    積層ホース。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528997A (ja) * 2009-06-01 2012-11-15 ザ ゲイツ コーポレイション 低透過性の可撓性燃料ホース
US9592648B2 (en) 2009-06-01 2017-03-14 Gates Corporation Low-permeation flexible fuel hose

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