JPH10195824A - Frp製補強部材付き橋梁構造 - Google Patents

Frp製補強部材付き橋梁構造

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JPH10195824A
JPH10195824A JP9004104A JP410497A JPH10195824A JP H10195824 A JPH10195824 A JP H10195824A JP 9004104 A JP9004104 A JP 9004104A JP 410497 A JP410497 A JP 410497A JP H10195824 A JPH10195824 A JP H10195824A
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JP
Japan
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frp
main girder
reinforcing member
bridge
floor slab
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JP9004104A
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Yoshimichi Kawakami
善道 川上
Seiji Tsuruoka
誠司 鶴岡
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FRP製補強部材付き橋梁構造に関し、橋梁
の重量増を抑制しながら床版や主桁上フランジ等を中心
とした橋梁の負担を軽減して橋梁の疲労寿命を延長でき
るようにする。 【解決手段】 鋼製主桁1と、鋼製主桁1の上端部に形
成された鋼製主桁上フランジ2と、鋼製主桁上フランジ
2を介して鋼製主桁1上に設置された床版3とをそな
え、床版3の下に、床版3,鋼製主桁1及び鋼製主桁上
フランジ2にそれぞれ接合したFRP製補強部材7を装
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP(繊維強化
材)製補強部材による補強を施されれた、FRP製補強
部材付き橋梁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の橋梁構造は、例えば図6(a),
(b)に示すように、橋梁方向に延在する鋼製の主桁1
と、コンクリート製の床版3とをそなえて構成され、鋼
製主桁1の上端部には橋梁方向に延在するように鋼製主
桁上フランジ2が形成され、コンクリート製床版3は、
この鋼製主桁上フランジ2の上に設置されている。
【0003】したがって、コンクリート製床版3に加わ
る荷重は、全て鋼製主桁上フランジ(単に、主桁上フラ
ンジともいう)2を経て鋼製主桁1に伝達されるように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の交通
事情等の変化によって、橋梁に関して以下のような課題
が生じている。 (1)交通量の増加に伴い床版上に加わる荷重及び載荷
の繰り返し数が増加したことにより、床版3や主桁上フ
ランジ2等の疲労の加速が生じ、橋梁の劣化をはやめて
いる。
【0005】(2)橋梁通行可能重量の規制緩和等によ
り橋梁の負荷重量が増大したことにより、床版3や主桁
上フランジ2等の疲労の加速が生じ、橋梁の劣化をはや
めている。特に、車両重量は、車両の床版3上の位置に
よって橋軸と平行方向及び直角方向への応力を増大させ
るため、車両重量の増加は、このような応力の増加を招
き、橋梁への繰り返し荷重の大きさを増大させることに
なり、この点でも床版3や主桁上フランジ2等の疲労加
速が促進されている。
【0006】そして、このような床版や主桁上フランジ
等の疲労加速による橋梁の劣化に、鋼製の橋梁の材料特
性によって従来より生じていた劣化、即ち、橋梁の腐食
や減肉等による経年劣化も加わるため、特に、床版や主
桁上フランジ等を中心とした橋梁の劣化は著しく促進さ
れ易い状況下にあり、かかる劣化を低減させる技術の開
発が強く望まれている。
【0007】もちろん、床版や主桁上フランジ及び主桁
といった橋梁の主用構造自体の強度を増加させればかか
る劣化を低減しうるが、このような橋梁構造自体の強度
を増加させようとする場合、一般的な手法では重量増を
招いてしまい、効率よい強度増加には限度がある。そこ
で、橋梁の重量増を抑制しながら、床版や主桁上フラン
ジ等を中心とした橋梁の劣化を低減できるようにさせた
い。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、橋梁の重量増を抑制しながら、床版や主桁上フラ
ンジ等を中心とした橋梁の負担を軽減できるようにし
て、橋梁の疲労寿命を延長することができるようにし
た、FRP製補強部材付き橋梁構造を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のFRP製補強部材付き橋梁構造は、鋼製主桁
と、該鋼製主桁の上端部に形成された鋼製主桁上フラン
ジと、該鋼製主桁上フランジを介して該鋼製主桁上に設
置された床版とをそなえた橋梁構造において、該床版の
下に、該床版,該鋼製主桁及び該鋼製主桁上フランジに
それぞれ接合したFRP製補強部材が装備されたことを
特徴としている。
【0010】このような構成により、床版に加わった荷
重は、一部は鋼製主桁上フランジを介して鋼製主桁に支
承されるが、残りはFRP製補強部材を介して鋼製主桁
に支承されるようになり、床版に加わった荷重が、鋼製
主桁上フランジに集中して負担されることはなくなる。
もちろん、床版においても、FRP製補強部材を介して
荷重が支承されるため、床版にかかる応力の一部がFR
P製補強部材に負担されるようになり、床版の負担応力
が軽減される。これにより、特に床版における鋼製主桁
上フランジの近傍や鋼製主桁上フランジに生じやすい応
力集中が緩和されるようになる。
【0011】請求項2記載の本発明のFRP製補強部材
付き橋梁構造は、請求項1記載の構造において、該FR
P製補強部材が、橋梁の幅方向に設置された複数の横桁
と、橋梁の長手方向に設置された複数の縦桁と、該横桁
及び該縦桁の上方で該床版との間に設置された天板とか
ら構成されていることを特徴としている。このような構
成により、該FRP製補強部材をより軽量なものに構成
しながら、床版や鋼製主桁上フランジに生じる応力を効
率的に緩和することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1(a),(b)は本発
明の第1実施形態としてのFRP製補強部材付き橋梁構
造を示すものであり、図2(a),(b)は本発明の第
2実施形態としてのFRP製補強部材付き橋梁構造を示
すものである。
【0013】まず、第1実施形態について説明する。図
1(a),(b)に示すように、本橋梁構造も、橋梁方
向に延在する鋼製の主桁(ウェブ)1と、鋼製主桁1の
上端部に橋梁方向に延在するように形成された鋼製主桁
上フランジ2と、鋼製主桁1の下端部に橋梁方向に延在
するように形成された鋼製主桁下フランジ2Aと、鋼製
主桁上フランジ2の上に設置されたコンクリート製の床
版3とをそなえて構成される。
【0014】なお、図1(b)に示すように、コンクリ
ート製床版3は、鋼製主桁上フランジ2と結合する両端
部31において、下面34を下方に突出させて中央部3
2よりも床版3の厚みを増大させており、中央部32か
ら両端部31にかけての接続部33では、次第に厚みを
増大させるように下面34を傾斜させている。そして、
本橋梁構造では、このようなコンクリート製床版(単
に、床版ともいう)3の下方において、床版3,鋼製主
桁(単に、主桁ともいう)1及び鋼製主桁上フランジ
(単に、主桁上フランジともいう)2にそれぞれ接合す
るように、FRP(繊維強化材)製の補強部材〔図1
(b)中の網掛け部参照〕7が装備されている。
【0015】本実施形態では、FRP製補強部材7は、
FRP製横桁4,FRP製縦桁5及びFRP製天板6と
からなっている。FRP製横桁4は、橋軸直角方向(鉛
直方向)に延びたプレート状の桁本体部41と、この桁
本体部41の下部に水平方向に延びたプレート状のフラ
ンジ部42とを結合した、略T字型断面を有するように
構成されている。このようなFRP製横桁4は、橋梁の
橋軸方向(長手方向)に所定間隔(ピッチ)をあけて、
複数設置されており、各FRP製横桁4は、その両端部
を、左右の主桁1,1に設けられたブラケット81,8
1及び支持プレート82,82を通じてそれぞれ支持さ
れている。
【0016】つまり、左右の主桁1,1の内方には取付
ブラケット81,81及び支持フランジ82,82が突
設されており、FRP製横桁4は、その両端部におい
て、桁本体部41をボルト8を通じてブラケット81,
81に結合され、また、フランジ部42を支持プレート
82,82に上載させており、支持プレート82,82
により下方から支持されている。
【0017】ブラケット81は、各FRP製横桁4に応
じて主桁1の内方に断続的に設けられ、支持プレート8
2は、橋梁の長手方向に延在するように主桁1の内方に
設けられる。この支持プレート82については、支持プ
レート82及び主桁1に共に直交するような向きに設置
された補強プレート83でFRP製横桁4を確実に支持
しうるように補強されている。なお、このようなブラケ
ット81,支持プレート82,補強プレート83は、例
えば主桁1と同様に鋼製のものを用いて、溶接等によっ
て主桁1に接合させることができる。
【0018】FRP製縦桁5は、FRP製横桁4と同様
にプレート状に形成され、FRP製横桁4の上部に形成
された溝43内に嵌合するようにして、FRP製横桁4
上に橋軸方向(長手方向)に延設される。このようなF
RP製縦桁5は、床版3の中央部32の下方において、
橋梁の橋軸直角方向(幅方向)に所定間隔(ピッチ)を
あけて、複数設置されている。なお、FRP製横桁4の
上端面44及びFRP製縦桁5の上端面51はほぼ同一
面上に位置するように構成されている。
【0019】FRP製天板6は、このようなFRP製横
桁4の上端面44及びFRP製縦桁5の上端面51と、
床版3の下面34との間に介装された、シート状(又
は、プレート状)のものである。このFRP製天板6
は、床版3の中央部32及び接続部33の下面34に沿
った形状に形成されており、床版3の下面34に接合す
るようにそなえられている。
【0020】本実施形態では、両主桁上フランジ2の内
側下部に接合板9が設けられており、FRP製天板6の
両縁部(床版3の接続部33に対応する斜面)61下面
が、この接合板9の上面に接着等により接合されてい
る。なお、接合板9のFRP製天板6との接合面は、F
RP製天板6の縁部61に対応して傾斜しており、この
ような接合板9は、例えば主桁1と同様に鋼製のものを
用いて、溶接等によって主桁1に接合させることができ
る。
【0021】なお、FRPの材料構成は、特に限定され
るものではないが、一般的には、強化繊維としてグラフ
ファイバ,カーボンファイバ等を単独又はハイブリッド
化して用いることができ、マトリクス材としてエポキシ
樹脂やポリエステル樹脂等を用いることができる。ま
た、強化繊維の形態も、クロス状やシート状のもの等を
所要方向(一般には複数方向)に配向させたもののほ
か、特に配向を考慮しない不織布状の繊維構成のものも
考えられ、これらクロス状やシート状や不織布状のもの
を適宜組み合わせて用いることも考えられる。
【0022】また、FRP製横桁4,FRP製縦桁5及
びFRP製天板6の厚み(板厚)や各強化繊維の含有状
態、また、FRP製横桁4,FRP製縦桁5の設置間隔
は、これらの部材に求められる剛性や強度等の条件に応
じて適宜設定しうる。本発明の第1実施形態としてのF
RP製補強部材付き橋梁構造は、上述のように構成され
ているので、橋梁上を走行する車両の荷重によってコン
クリート製床版3に生じる応力の一部が、FRP製補強
部材7に負担されるようになるため、床版3の負担する
応力が軽減されるようになり、コンクリート製床版3の
疲労寿命を延長することができるようになる。
【0023】つまり、床版3の中央部32及び接続部3
3の下面34にはFRP製天板6がそなえられるため、
床版3の中央部32及び接続部33に生じる応力は、こ
のFRP製天板6へ流れる。また、このFRP製天板6
は、FRP製横桁4,FRP製縦桁5のFRP材の組み
合わせ構造及び左右のブラケット81,81や支持プレ
ート82,82を介して鋼製主桁1に支持されているた
め、床版3の応力の一部(中央部32及び接続部33に
かかる応力)は、これらのFRP製天板6,FRP製横
桁4,FRP製縦桁5へ分散しながら鋼製主桁1に伝わ
る。
【0024】したがって、床版3の負担する応力が軽減
され、床版3の疲労寿命を延長することができるのであ
る。このように、床版3に加わる応力の一部が、鋼製主
桁上フランジ2を介することなくFRP製補強部材7に
流れるため、この分だけ、床版3から鋼製主桁上フラン
ジ2を通じて鋼製主桁1へと伝達される応力が減少し
て、鋼製主桁上フランジ2の負担を軽減することがで
き、鋼製主桁上フランジ2の疲労耐久性についても向上
させることができる。
【0025】さらに、FRP製補強部材7のFRP製天
板6は、接合板9を通じて両主桁上フランジ2に結合し
ているので、FRP製補強部材7が主桁上フランジ2を
通じても一体化することになり、橋梁全体としての剛性
が向上し、この点でも、主桁上フランジ2の負担応力を
低減させることができ、鋼製主桁上フランジ2の疲労耐
久性の向上に寄与する。
【0026】このように、FRP製補強部材7を装備す
ることよって、コンクリート製の床版3及び鋼製の主桁
上フランジ2を負担軽減と、橋梁全体としての剛性向上
とが実現するため、近年の交通量の大幅増加の環境下
で、劣化が促進されやすい橋梁において、その疲労寿命
を延長することができるようになる。また、FRP製補
強部材7は、FRP材料自体が軽量でありながら比較的
高い剛性や強度をそなえているのに加えて、プレート状
又はシート状のFRP製横桁4,FRP製縦桁5,FR
P製天板6を三次元的に結合した構造を採用しているの
で、重量的にも一層効率のよい構造となり、極めて軽量
でありながら、剛性や強度の高い補強部材を構成するこ
とができる。
【0027】したがって、このようなFRP製補強部材
7によって、橋梁の重量増加を最低限に抑えながら補強
を行なうことができ、橋梁の自重増加による橋脚の補強
等の付随工事を少なくすることができる。また、このよ
うにFRP製補強部材7が軽量であることから、補強工
事を容易となり、補強工事の工程を短縮することも可能
となる。もちろん、既存の橋梁にかかるFRP製補強部
材7を追加工事することも容易であり、極めて実用性の
高い強化構造である。
【0028】また、FRP材料は、鋼材に比べて切断や
接合の点でも容易な面が多く、この点でも補強工事を行
なう上で有利となる。さらに、FRP材料は耐候性が高
いという特性があるため、このようなFRP製補強部材
7により補強を行なった場合には、例えば海岸近辺など
の海水の付着しやすい腐食性(鋼材にとっての腐食性)
の高い環境においても経年劣化を生じ難く、美観を良好
に保つことができる利点もある。
【0029】次に、第2実施形態について説明する。図
2(a),(b)に示すように、本橋梁構造は、第1実
施形態とほぼ同様に構成されるが、FRP製補強部材7
のFRP製天板6と両主桁上フランジ2との結合状態が
異なっている。つまり、本実施形態でも、FRP製天板
6は、床版3の中央部32及び接続部33の下面34に
沿った形状に形成されており、床版3の下面34に接合
してそなえられているが、第1実施形態には両主桁上フ
ランジ2の内側下部に接合板9が設けられているのに対
して、本実施形態では接合板9は設けられていない。そ
して、本実施形態では、FRP製天板6の両縁部(床版
3の接続部33に対応する斜面)61がさらに主桁上フ
ランジ2の内側下面まで延長されており、これらの延長
部62,62が両主桁上フランジ2の内側下面に接着等
により直接接合されているのである。
【0030】なお、このように、FRP製天板6を鋼製
の主桁上フランジ2に直接接合することができるのは、
一般に、FRP材の線膨張係数が0.9〜1.0×10
-5であり、鋼材の線膨張係数が1.2×10-5であり、
FRP材及び鋼材の線膨張係数が近似していて、これら
のFRP材と鋼材との伸縮差はほとんど生じないためで
ある。
【0031】本発明の第2実施形態としてのFRP製補
強部材付き橋梁構造は、上述のように構成されているの
で、第1実施形態と同様に、橋梁上を走行する車両の荷
重によってコンクリート製床版3に生じる応力の一部
が、FRP製補強部材7に流れるため、床版3や主桁上
フランジ2の負担する応力が軽減されるようになり、コ
ンクリート製床版3や鋼製主桁上フランジ2の疲労寿命
を延長することができ、橋梁の疲労寿命を延長すること
ができるようになる。
【0032】特に、FRP製補強部材7のFRP製天板
6は、接合板9を介することなく、直接両主桁上フラン
ジ2に結合しているので、FRP製補強部材7の主桁上
フランジ2との一体化をより容易に行なうことができ、
より重量増を抑制しながら(少なくとも接合板9の重量
程度の重量増を抑制しうる)、より低コストで橋梁全体
の剛性を向上させることができ、構成主桁上フランジ2
の負担応力の低減による、鋼製主桁上フランジ2の疲労
耐久性の向上を行なうことができる。
【0033】このようなFRP製補強部材付き橋梁構造
について、その効果を確かめるべく図3,図4に示すよ
うな解析モデルにより有限要素法による応力解析を行な
ったので、この結果を説明する。この解析モデルでは、
図3,図4に示すように、鋼製主桁1の板厚tを10m
m,高さを1600mm、鋼製主桁上フランジ2の板厚
tを28mm,幅を580mm、鋼製主桁下フランジ2
Aの板厚tを32mm,幅を600mmとし、これらの
鋼材のヤング率Eを21000kgf/mm2 としてい
る。また、コンクリート製床版3は、厚さtを200m
m,ヤング率Eを2400kgf/mm2とし、中心線
から縁部まで1500mm幅に設定している。そして、
FRP製補強部材7は、板厚tを16mm,ヤング率E
を3000kgf/mm2 とし、FRP製横桁4は高さ
600mm,橋軸方向に1000mmピッチで配設し、
FRP製縦桁5は高さ300mm,橋軸直角方向に30
0mmピッチで端部から750mmの箇所から配設して
いる。また、この解析モデルでは、第2実施形態として
説明したように、FRP製天板6の両縁の延長部62,
62が各主桁上フランジ2の内側下面に直接接合した構
造としている。
【0034】そして、このような解析モデルに関し、床
版3等を内部拘束として、車両荷重に模して図3中に矢
印で示すような分布荷重を与える条件下で、有限要素法
による応力解析を行なった結果、図5に示すように、床
版3の応力に関しては約(−60)%、主桁上フランジ
2の応力に関しては約(−13)%〜(−16)%の応
力低減効果が得られることを確認することができた。
【0035】なお、第1実施形態のように、FRP製天
板6の両縁部と各主桁上フランジ2との結合を接合板9
を介して行なうものでも、上記と同様の効果が得られる
ものと考えられる。このようなFRP製補強部材7の付
加による床版3や主桁1等の荷重の負担増は僅かであ
り、床版3や主桁1等をほとんど自重増加させずに、十
分な補強を施すことが可能になることがわかる。
【0036】なお、FRP製補強部材7は、横桁4,縦
桁5及び天板6から構成されるが、これらの板厚や配設
箇所や設置スパンは適宜設定しうるものである。また、
上述の第1及び第2実施形態では、横桁4,縦桁5及び
天板6によりFRP製補強部材7を構成しているが、F
RP製補強部材7の構成はこれらに限定されるものでは
ない。
【0037】つまり、FRP製補強部材としては、軽量
化しつつ高い剛性や強度を得ることが必要であり、上述
の第1及び第2実施形態のようなものをはじとした三次
元的に面を結合した構造が、最も容易に効率的な補強部
材構造を実現する上で有利手でをると考えられるが、か
かる三次元構造は、上記各実施形態のようなものに限る
ものではない。
【0038】また、FRP製補強部材7と、主桁1や主
桁上フランジ2や床版3との結合も、上記各実施形態に
限るものではなく、ボルト締めや接着や挟着等を適宜選
択したり、組み合わせたりして、かかる結合を行なうこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のFRP製補強部材付き橋梁構造によれば、床版に
加わった荷重の一部はFRP製補強部材を介して鋼製主
桁に支承されるようになるため、これにより、床版や主
桁上フランジの負荷応力を低減することができるように
なり、床版や主桁上フランジの疲労耐久性を向上させる
ことができ、道路状況の変化で近年荷重負担が大幅に増
加しつつある橋梁において、耐久性を向上させることが
できるようになる利点がある。
【0040】また、FRP製補強部材では、軽量であり
ながら剛性や強度の高い補強材を構成することができる
ので、橋梁の重量増加を最低限に抑えながら補強を行な
うことができ、橋梁の自重増加による橋脚の補強等の付
随工事を少なくすることができる利点もある。さらに、
FRP製補強部材が軽量であることから、補強工事が容
易となり、補強工事の工程を短縮することも可能とな
る。また、FRP材料の耐候性が高い特性から、かかる
FRP製補強部材による補強では、例えば海岸近辺など
の腐食性環境においても経年劣化を生じ難く、美観を良
好に保つことができる利点もある。
【0041】請求項2記載の本発明のFRP製補強部材
付き橋梁構造によれば、該FRP製補強部材をより効率
よく構成することができ、FRP製補強部材の軽量化を
促進することができ、橋梁の重量増加を最低限に抑えな
がら十分な補強を行なうことができ、橋梁の自重増加に
よる橋脚の補強等の付随工事を少なくすることや、かか
る補強工事を容易に行なうことができるなど、上述の効
果や利点を一層増強させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのFRP製補強部
材付き橋梁構造を示す模式図であり、(a)は平面図、
(b)は横断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態としてのFRP製補強部
材付き橋梁構造を示す模式図であり、(a)は平面図、
(b)は横断面図である。
【図3】本発明の第1,第2実施形態としてのFRP製
補強部材付き橋梁構造の効果を説明するための有限要素
法による応力解析モデルを示す斜視図である。
【図4】本発明の第1,第2実施形態としてのFRP製
補強部材付き橋梁構造の効果を説明するための有限要素
法による応力解析モデルを示す断面図である。
【図5】本発明の第1,第2実施形態としてのFRP製
補強部材付き橋梁構造の効果を説明するための有限要素
法による応力解析の結果(応力低減率)を示す斜視図で
ある。
【図6】従来の橋梁構造を示す模式図であり、(a)は
平面図、(b)は横断面図である。
【符号の説明】
1 鋼製主桁 2 鋼製主桁上フランジ2 2A 鋼製主桁下フランジ 3 コンクリート製床版 4 FRP製横桁 5 FRP製縦桁 6 FRP製天板 7 FRP製補強部材 8 ボルト 9 接合板 31 床版3の端部 32 床版3の中央部 33 床版3の接続部 34 床版3の下面 41 FRP製横桁4の桁本体部 42 FRP製横桁4ののフランジ部 43 FRP製横桁4の溝 44 FRP製横桁4の上端面 51 FRP製縦桁5の上端面 61 FRP製天板6の縁部 62 FRP製天板6の縁部の延長部 81 ブラケット 82 支持プレート 83 補強プレート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製主桁と、該鋼製主桁の上端部に形成
    された鋼製主桁上フランジと、該鋼製主桁上フランジを
    介して該鋼製主桁上に設置された床版とをそなえた橋梁
    構造において、 該床版の下に、該床版,該鋼製主桁及び該鋼製主桁上フ
    ランジにそれぞれ接合したFRP製補強部材が装備され
    たことを特徴とする、FRP製補強部材付き橋梁構造。
  2. 【請求項2】 該FRP製補強部材が、橋梁の幅方向に
    設置された複数の横桁と、橋梁の長手方向に設置された
    複数の縦桁と、該横桁及び該縦桁の上方で該床版との間
    に設置された天板とから構成されていることを特徴とす
    る、請求項1記載のFRP製補強部材付き橋梁構造。
JP9004104A 1997-01-13 1997-01-13 Frp製補強部材付き橋梁構造 Withdrawn JPH10195824A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010163789A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Miyaji Iron Works Co Ltd 検査路
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