JPH10194866A - 無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

無機質硬化体の製造方法

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JPH10194866A
JPH10194866A JP461597A JP461597A JPH10194866A JP H10194866 A JPH10194866 A JP H10194866A JP 461597 A JP461597 A JP 461597A JP 461597 A JP461597 A JP 461597A JP H10194866 A JPH10194866 A JP H10194866A
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mold
curing
slurry
frame
inorganic
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JP461597A
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English (en)
Inventor
Akisato Oohira
晃聡 大平
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/02Selection of the hardening environment
    • C04B40/0263Hardening promoted by a rise in temperature

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  • Structural Engineering (AREA)
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】SiO2 ─Al2 3 系粉体とアルカリ金属珪
酸塩水溶液とを主成分とするスラリーを用いて、寸法精
度に優れた無機質硬化体を製造する方法を提供する。 【解決手段】型枠4内に、SiO2 ─Al2 3 系粉体
とアルカリ金属珪酸塩水溶液とを主成分とするスラリー
を注入し、そのスラリーを硬化させた後脱型する無機質
硬化体の製造方法である。上記型枠4を、スラリーの注
入前から硬化終了までの型温度を硬化温度に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅やビルディン
グ等の内外壁や間仕切り、瓦、床などの建築材料として
好適に使用される、強度、耐久性、外観等に優れた無機
質硬化体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、SiO2 ─Al2 3 系粉体とア
ルカリ金属珪酸塩水溶液とを主成分とする無機成形材料
としては、例えば、特公平3─9060号公報に記載さ
れているように、電気集塵機灰や仮焼ボーキサイトとア
ルカリ金属珪酸塩水溶液を混合したもの等が知られてい
る。
【0003】この無機成形材料を製品形状に成形する型
枠としては、成形体への優れた転写性を活かし、複雑で
微妙な凹凸を有する表面加飾を成形体表面に付与するた
めに、ゴム製の型枠を使用している。ゴム製とすること
で型製作費を安くし、無機質硬化体の脱型を容易に行う
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱硬
化を行う加熱工程において、加熱炉投入時の温度と加熱
硬化終了時の型温度が大きく異なるため、硬化中に型枠
の寸法が膨張により変化したり、あるいは型枠縁部が配
合物の収縮により無機質硬化体の寸法精度が悪くなると
いう問題点があるため、寸法精度の向上が課題となって
いる。又、型枠を予め硬化温度まで予熱して使用した場
合でも、注入するスラリーの温度が硬化温度よりも40
℃以上低いため、型温度が低下してしまうという問題点
がある。
【0005】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、SiO2 ─Al2 3 系粉体とアルカリ金属珪酸塩
水溶液とを主成分とするスラリーを用いて寸法精度に優
れた無機質硬化体を製造する方法を提供することを目的
としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
本発明(以下、この発明のみを指す場合には本発明1と
いう)は、型枠内に、SiO2 ─Al2 3 系粉体とア
ルカリ金属珪酸塩水溶液とを主成分とするスラリーを注
入し、そのスラリーを硬化させた後脱型する無機質硬化
体の製造方法であって、上記型枠を、スラリーの注入前
から硬化終了までの型温度を硬化温度に保つ無機質硬化
体の製造方法である。
【0007】本願の請求項2に記載の本発明(以下、こ
の発明のみを指す場合には本発明2という)は、上記型
枠が、中空構造とされており、その中空部に入れられた
液体により型温度を硬化温度に保つ本発明1記載の無機
質硬化体の製造方法である。
【0008】本願の請求項3に記載の本発明(以下、こ
の発明のみを指す場合には本発明3という)は、上記型
枠を保温手段にて型温度を硬化温度に保つ本発明1記載
の無機質硬化体の製造方法である。
【0009】本願の請求項4に記載の本発明(以下、こ
の発明のみを指す場合には本発明4という)は、上記型
枠を電熱により型温度を硬化温度に保つ本発明1記載の
無機質硬化体の製造方法である。
【0010】本発明においてSiO2 −Al2 3 系粉
体としては、SiO2 /Al2 3が1/9〜9/1の
重量比のものが好適に用いられ、全体としては、SiO
2 とAl2 3 が合わせて50重量%以上含まれている
ものが望ましい。50重量%未満の含有量であるとアル
カリ金属珪酸塩水溶液との反応が低下し、得られる無機
質硬化体の強度が低下する。
【0011】このようなSiO2 −Al2 3 系粉体と
しては、(1)10μm以下の粒径を80重量%以上含
有するフライアッシュ、(2)400〜1,000℃で
焼成された粒径が10μm以下の粒径のものを80重量
%以上含有するフライアッシュ、(3)フライアッシ
ュ、粘土を溶融し、気体中に噴霧することにより得られ
る無機質粉体、(4)粘土に0.1〜30kwh/kg
の機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体、
(5)(4)の粉体を更に100〜750℃で加熱する
ことによって得られる無機質粉体、(6)メタカオリン
に0.1〜30kwh/kgの機械的エネルギーを作用
させて得られる無機質粉体、(7)コランダム、或いは
ムライト製造時の電気集塵機の灰、(8)粉砕仮焼ボー
キサイト、(9)メタカオリンから選ばれる1種以上の
粉体が使用できる。
【0012】ここで、フライアッシュとは、JIS A
6201に規定される微粉燃焼ボイラーから集塵機器
で採取する微小な灰の粒子の、SiO2 40%以上、湿
分1%以下、比重1.95以上、比表面積2,700c
2 /g以上、44μm標準ふるいを75%以上通過す
るものである。
【0013】上記フライアッシュから、(1)の粒径が
10μm以下の粒径のものを80重量%以上含有するフ
ライアッシュを得る方法としては、従来公知の任意の方
法が採用され、例えば、湿式沈降分級、風力分級、比重
による分離等通常行われている分級機、もしくはジェッ
トミル、ロールミル、ボールミル等の微粉砕機、及び分
級機と粉砕機の連続システムを使用することにより得ら
れる。
【0014】粒径10μm以下のフライアッシュの量が
80重量%を下回るとアルカリ金属珪酸塩水溶液との反
応が低下し、得られる硬化体の強度が低下したり、硬化
不良を生じるおそれがある。
【0015】本発明において用いられるSiO2 −Al
2 3 系粉体の内、(2)のフライアッシュとしては、
(1)のフライアッシュを400〜1,000℃で焼成
したもの、或いは400〜1,000℃で焼成したフラ
イアッシュを(1)と同様の方法で10μm以下の粒径
を80重量パーセント以上含有するフライアッシュとし
たものが使用される。
【0016】フライアッシュは一般に黒色であるが、着
色を必要とする場合には焼成により脱色する。400℃
以上で脱色可能であるが、1,000℃を超える温度で
焼成するとアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応が低下す
るので、上記温度範囲で焼成するのが望ましい。
【0017】本発明において用いられるSiO2 −Al
2 3 系粉体の内、(3)においては、フライアッシ
ュ、粘土を溶融し、気体中に噴霧することによりSiO
2 −Al2 3 系粉体を得ているが、気体中に溶融・噴
霧する方法として、セラミックコーティングに適用され
る溶射技術が応用される。
【0018】この溶射技術は、好ましくは上記フライア
ッシュ、及び粘土が2,000〜16,000℃の温度
で溶融され、30〜80m/sの速度で噴霧されるもの
であり、具体的には、プラズマ溶射法、高エネルギーガ
ス溶射法、アーク溶射法などが採用可能である。上記溶
射技術により得られる反応性無機質粉体は、一般にその
比表面積が0.1〜60m2 /gにコントロールされ
る。
【0019】本発明において用いられるSiO2 −Al
2 3 系粉体の内、(3)、(4)の粘土は、化学組成
としてSiO2 が5〜85重量%、Al2 3 が90〜
10重量%、を含有する粘土が使用され、例えば、カオ
リナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等
のカオリン鉱物、白雲母、イライト、フェンジャイト、
海緑石、セラドナイト、パラゴナイト、ブランマライト
等の雲母粘土鉱物、モンモリロナイト、バイデライト、
ノントロライト、サボナイト、ソーコナイト等のスメク
タイト、緑泥岩、バイロフィライト、タルク、ばん土頁
岩を使用することができる。
【0020】本発明において用いられるSiO2 −Al
2 3 系粉体の内、(4)〜(6)の粘土、及びメタカ
オリンに0.1〜30kwh/kgの機械的エネルギー
を作用させて反応性無機質粉体を得ているが、本発明に
おいて、機械的エネルギーとは、圧縮力、剪断力、衝撃
力を指し、これらは単独で作用させてもよいし、2種以
上を複合させてもよい。これらを具体的に作用させる機
器としては、例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミ
ル、媒体攪拌型ミル、ローラミル、乳鉢、ジェット粉砕
装置等が使用される。
【0021】(4)〜(6)の粘土、及びメタカオリン
の粒径は特に限定されないが、機械的エネルギーを有効
に作用させるには、平均粒径が0.01〜500μmが
好ましく、更に好ましくは0.1〜100μmである。
【0022】(4)及び(5)の粘土に作用させる機械
的エネルギーが0.1kwh/kg未満であると、アル
カリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下し、30kwh
/kgを超えると、上記粉砕装置への負担が大きくな
り、装置の磨耗、損傷が増大し、粘土への不純物等の混
入の問題が発生するので、0.1〜30kwh/kgに
限定され、好ましくは1.0〜26kwh/kgであ
る。(6)のメタカオリンに作用させる機械的エネルギ
ーを0.1〜30kwh/kgに限定しているのも同様
の理由である。
【0023】本発明において機械的エネルギーを作用さ
せる際には、必要に応じて粉砕助剤が添加されてもよい
が、この粉砕助剤とは、機械的エネルギーを作用させる
際に粘土、或いはメタカオリンの粉体の装置内部への付
着、或いは著しい凝集を防ぐもので、例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール等のアルコール類、トリエ
タノールアミン等のアルコールアミン類、ステアリン酸
ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、
アセトン蒸気等が挙げられる。これらは単独で使用して
もよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0024】本発明に使用されるSiO2 −Al2 3
系粉体の内、(5)の無機質粉体は、粘土に上記機械的
エネルギーを作用させた後、更に100〜750℃に加
熱して得られるが、これは加熱により機械的強度の向上
が認められるからである。加熱温度が100℃未満であ
ると、強度の向上が認められなくなり、750℃を超え
ると無機質粉体の結晶化が生じ、アルカリ金属珪酸塩水
溶液との反応性が低下するので、100〜750℃に限
定され、好ましくは200〜600℃に限定される。
又、加熱時間が短くなると、得られる硬化体の機械的強
度の向上が少なく、加熱時間が長くなると、エネルギー
コストが増大するので1分から5時間が望ましい。
【0025】本発明に使用されるSiO2 −Al2 3
系粉体の内、(7)及び(8)の無機質粉体は、特公平
3−9060号公報や特公平4−45471号公報に記
載されているような粉体である。本発明に使用されるS
iO2 −Al2 3 系粉体の内、(9)の無機質粉体
は、市販のメタカオリンが使用できる。
【0026】本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩水
溶液としては、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属)
が0.05〜8の比率であるアルカリ金属珪酸塩水溶液
が望ましく、更に好ましくは0.5〜2.5である。ア
ルカリ金属の種類は、ナトリウム、カリウム、リチウム
等が挙げられ、これらの単独及び混合のアルカリ金属珪
酸塩が使用できる。上記においてモル比が0.05より
小さいと、硬化中の結合材成分となるSiO2 分に対す
るアルカリ金属の含有量が多くなり硬化体の耐水性が低
下する。
【0027】モル比が8よりも大きくなると、ゲル化時
間が早くなり作業性が低下するとともに、保存安定性も
低下する。濃度はアルカリ金属珪酸塩が10〜60重量
%が適当である。濃度が10重量%より低いと硬化体の
耐水性が低下し、60重量%より高いとアルカリ金属珪
酸塩水溶液の粘度が高くなり、混合・成形時の作業性が
低下する。
【0028】アルカリ金属珪酸塩水溶液を得るには、ア
ルカリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解し
てもよいが、アルカリ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪石
粉等のSiO2 成分をnが所定の量となるように加圧、
加熱下に溶解してもよい。
【0029】アルカリ金属珪酸塩の配合量は、SiO2
−Al2 3 系粉体100重量部に対して1〜300重
量部が好ましく、より好ましくは10〜250重量部で
ある。1重量部未満であると硬化が十分になされず、3
00重量部を超えると得られる無機質硬化体の耐水性が
低下し易い。
【0030】水は、全量をアルカリ金属珪酸塩の水溶液
として添加されてもよいし、アルカリ金属珪酸塩の水溶
液と独立した水の両方の形態で添加されてもよい。水の
配合量は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に
対して10〜1,000重量部が好ましく、より好まし
くは10〜750重量部であり、更に好ましくは50〜
500重量部である。
【0031】その他の原料としては、必要に応じて無機
質充填剤、補強繊維、軽量骨材、顔料、発泡剤、発泡助
剤、起泡剤等を使用することができる。
【0032】無機質充填剤としては、アルカリ金属珪酸
塩水溶液に対する活性が低いものが使用でき、例えば、
岩石粉体、火山灰(シラス、坑火石等)、珪灰石、炭酸
カルシウム、珪石粉、けいそう土、雲母、マイカ、シリ
カフューム等が挙げられるが、アルカリ金属珪酸塩水溶
液に対する活性が低ければ、これらに限定されるもので
はない。
【0033】無機質充填剤がアルカリ金属珪酸塩水溶液
に対する活性が低いことが望まれる理由は、活性度が高
いとアルカリ金属珪酸塩水溶液のゲル化が急速に進み、
混合.成形が困難となるためである。配合量としては、
SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対して90
0重量部以下が望ましい。900重量部を超えると硬化
体の機械的強度の低下が生じる。
【0034】補強繊維としては、通常のセメント製品に
使用されるものが使用でき、ポリプロピレン、ビニロ
ン、レーヨン、耐アルカリガラス、炭素、アクリル、ア
ラミド、アクリルニトリル等の繊維を単体、又は混合し
て使用できる。繊維形状としては、繊維径が1〜500
μm、繊維長が1〜15mmが望ましい。
【0035】繊維径が1μm未満だと混合時にファイバ
ーボールを形成し、強度低下を生じやすくなり、500
μmを越えたり、繊維長が1mm未満だと硬化体の引張
強度等の補強硬化が期待できない。又繊維長が15mm
を超えると分散性が低下し、均一な強度を有する硬化体
が得られなくなる。補強繊維の配合量としては、SiO
2 −Al2 3 系粉体100重量部に対して10重量部
以下が望ましい。配合量が10重量部を超えると繊維の
分散性が低下する。
【0036】軽量骨材としては、パーライト、ガラスバ
ルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、シ
ラス発泡体等の無機質発泡体や、フェノール樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン等の有機質発
泡体が使用できる。軽量骨材の配合量としては、SiO
2 −Al2 3 系粉体100重量部に対して150重量
部以下が望ましい。配合量が150重量部を超えると硬
化体の強度低下や、表面の平滑性の低下、更には成形作
業性の低下が生じる。
【0037】顔料としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化
コバルト等の金属酸化物系顔料やカーボンブラックが望
ましい。顔料の配合量としては、SiO2 −Al2 3
系粉体100重量部に対して50重量部以下が望まし
い。5重量部を越えても、隠蔽力が向上せず不経済であ
る。
【0038】
【作用】本発明の無機質硬化体の製造方法は、上記型枠
を、スラリーの注入前から硬化終了までの型温度を硬化
温度に保つことにより、スラリーの硬化中に型枠の寸法
が膨張により変化したり、スラリー中の配合物が収縮し
たりすることがないので、寸法精度の優れた無機質硬化
体を得ることができる。
【0039】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の無機質硬化体の製造方法
に用いられる型枠の一例を示す説明図である。図1にお
いて、型枠1は、底壁部11と、底壁部11の周囲に立
設された外枠部12とからなり、底壁部11と外枠部1
2により囲まれた成形用の空間13が形成されている。
【0040】型枠1内は、底壁部11及び外枠部12内
に連通する中空部14が形成されており、中空部14内
には、図示しない温水循環装置により温水を循環させ
て、枠温度を硬化温度に保つことができるようになって
いる。2は、型枠1の空間13内に載置されるゴム加飾
型であって、その表面は無機質成形体の表面に賦形する
凹凸面とされている。
【0041】次に、図1に示す型枠を用いた本発明の無
機質硬化体の製造方法の一例を図2を参照して説明す
る。図2に示すように、予め、型枠1の中空部14内に
温水を循環させて枠温度を硬化温度に保ちつつ、型枠1
の空間13内のゴム成形型2が載置された状態の上に、
SiO2 ─Al2 3 系粉体とアルカリ金属珪酸塩と水
を主成分とするスラリースラリーを注入し、この状態に
て加熱炉内にてスラリーを加熱硬化させる。最後に、脱
型させて、無機質硬化体3を得る。
【0042】図3は、本発明の無機質硬化体の製造方法
に用いられる型枠の別の例を示す説明図である。図3に
おいて、型枠4は、底壁部41と、底壁部41の周囲に
立設された外枠部42とからなり、底壁部41と外枠部
42により囲まれた成形用の空間43が形成されてい
る。型枠4の空間43内には、ゴム加飾型2が載置され
ている。ゴム加飾型2の表面は賦形する凹凸面とされて
いる。
【0043】型枠4の底壁部41の下部及び外枠部42
の外周囲は、温水ジャケット(恒温手段)5にて一体的
に覆われており、温水ジャケット5内に恒温温水槽6か
ら温水を循環させて、型枠4の枠温度を硬化温度に保つ
ことができるようになっている。
【0044】次に、図3に示す型枠を用いた本発明の無
機質硬化体の製造方法の一例を図4を参照して説明す
る。図4に示すように、予め、温水ジャケット5内に恒
温温水槽6から温水を循環させて、枠温度を硬化温度と
同じ温度に保ちつつ、型枠4の空間43内のゴム成形型
2が載置された状態の上に、SiO2 ─Al2 3 系粉
体とアルカリ金属珪酸塩と水を主成分とするスラリーを
注入し、この状態にて硬化炉内にてスラリーを加熱硬化
させた後、脱型させて、無機質硬化体7を得る。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 (1)SiO2 ─Al2 3 系粉体の準備 メタカオリン(エンゲルハード社製、商品名「SATI
NTONE SP 33」、平均粒径3.3μm、BE
T比表面積5.8m2 /g)100重量部と、トリエタ
ノールアミン25重量%とエタノール75重量%の混合
溶液0.5重量部とを、ウルトラファインミル(三菱重
工社製、ジルコニアボール10mm使用、ボール充填率
85体積%)に供給し、10kwh/kgの機械エネル
ギーを作用させ、SiO2 ─Al2 3 系粉体を得た。
尚、作用させた機械的エネルギーはウルトラファインミ
ルに供給した電力を処理粉体単位重量で除したものであ
る。
【0046】(2)混合粉体の準備 SiO2 ─Al2 3 系粉体100重量部と、マイカ
(レプコ社製、商品名「M−100」)20重量部と、
タルク(日本タルク社製、商品名「タルクS」)30重
量部と、ワラストナイト(土屋カオリン社製、商品名
「ケモリットA−60」)57.5重量部と、ビニロン
(クラレ社製、商品名「RM182─3」)0.5重量
部とを、アイリッヒミキサーで5分間乾式混合し、混合
粉体を得た。
【0047】(3)アルカリ金属珪酸塩水溶液の調製 1K珪酸カリウム水溶液(日本化学工業社製)と水酸化
カリウム(和光純薬社製)と水を用いて、SiO2 /K
2 O=1.5、濃度42重量%の組成のアルカリ金属珪
酸塩水溶液を調製した。
【0048】(4)スラリーの調製 混合粉体100重量部とアルカリ金属珪酸塩水溶液75
重量部とを、オムニミキサー(千代田技研社製)で3分
間混合して、SiO2 ─Al2 3 系粉体とアルカリ金
属珪酸塩と水を主成分とするスラリーを得た。
【0049】実施例 図3に示す型枠を用いて、図4を参照して説明した工程
を経て無機質硬化体の製造を行った。型枠4として、空
間13の内寸縦640mm×横640mm×高さ20m
mであって、肉厚6mmのステンレス製からなるものを
用いた。
【0050】予め温水ジャケット5内に恒温温水槽6か
ら温水を循環させて、枠温度を硬化温度と同じ85℃に
保ちつつ、型枠4の空間43内のゴム成形型2が載置さ
れた状態の上に、SiO2 ─Al2 3 系粉体とアルカ
リ金属珪酸塩と水を主成分とするスラリー(スラリー温
度32℃)を注入し、この状態にて85℃の硬化炉内に
て5時間スラリーを加熱硬化させた後、脱型させて、無
機質硬化体7を得た。
【0051】比較例 図6に示すような、型枠として、底板aが厚さ6mmの
アルミミウムからなる底板a上に、ポリウレタン製の角
筒状の外枠体b(内寸縦640mm×横640mm×高
さ20mm)を載置し、その内部にゴム加飾型cを入れ
たものを使用した。
【0052】型温度28℃の型枠内に、SiO2 ─Al
2 3 系粉体とアルカリ金属珪酸塩と水を主成分とする
スラリー(スラリー温度32℃)を注入後、85℃の硬
化炉内にて5時間スラリーを加熱硬化させた後、脱型さ
せて、無機質硬化体を得た。
【0053】実施例及び比較例にて得られた無機質硬化
体について、それぞれ、3枚ずつ、図5に示す4箇所の
同一部位における寸法を測定し、その3枚のばらつきを
評価した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示すように、実施例の場合には、比
較例の場合と比べて、ばらつきが小さく寸法精度に優れ
ている。
【効果】本発明の無機質硬化体の製造方法は、上記のよ
うな構成とされているので、SiO2 ─Al2 3 系粉
体とアルカリ金属珪酸塩水溶液とを主成分とするスラリ
ーを用いて、寸法精度に優れた無機質硬化体を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機質硬化体の製造方法に用いる型枠
の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す型枠を用いた本発明の無機質硬化体
の製造方法の一例を説明する断面図、(c)は脱型工程
を示す断面図である。
【図3】本発明の無機質硬化体の製造方法に用いる型枠
の別の例を示す断面図である。
【図4】図3に示す型枠を用いた本発明の無機質硬化体
の製造方法の一例を説明する断面図、(c)は脱型工程
を示す断面図である。
【図5】得られる無機硬化体の寸法測定箇所を説明する
平面図である。
【図6】比較例の無機質硬化体の製造方法に用いた型枠
の一例の断面図である。
【符号の説明】
1,4 型枠 3,7 無機質硬化体 11,41 底壁部 12,42 外枠部 13,43 空間 5 温水ジャケット(恒温手段) 6 恒温温水槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠内に、SiO2 ─Al2 3 系粉体
    とアルカリ金属珪酸塩水溶液とを主成分とするスラリー
    を注入し、そのスラリーを硬化させた後脱型する無機質
    硬化体の製造方法であって、上記型枠を、スラリーの注
    入前から硬化終了までの型温度を硬化温度に保つことを
    特徴とする無機質硬化体の成形方法。
  2. 【請求項2】 上記型枠が、中空構造とされており、そ
    の中空部に入れられた液体により型温度を硬化温度に保
    つことを特徴とする請求項1記載の無機質硬化体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記型枠を保温手段にて型温度を硬化温
    度に保つことを特徴とする請求項1記載の無機質硬化体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記型枠を電熱により型温度を硬化温度
    に保つことを特徴とする請求項1記載の無機質硬化体の
    製造方法。
JP461597A 1997-01-14 1997-01-14 無機質硬化体の製造方法 Pending JPH10194866A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240852A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Railway Technical Research Institute 凝結開始時間の制御されたジオポリマー硬化体の製造方法

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