JPH10194751A - 硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置 - Google Patents

硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置

Info

Publication number
JPH10194751A
JPH10194751A JP35870196A JP35870196A JPH10194751A JP H10194751 A JPH10194751 A JP H10194751A JP 35870196 A JP35870196 A JP 35870196A JP 35870196 A JP35870196 A JP 35870196A JP H10194751 A JPH10194751 A JP H10194751A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
melting furnace
glass
outflow nozzle
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35870196A
Other languages
English (en)
Inventor
Isamu Shigyo
勇 執行
Masayuki Tomita
昌之 冨田
Hiroyuki Kubo
裕之 久保
Tamakazu Yogo
瑞和 余語
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP35870196A priority Critical patent/JPH10194751A/ja
Publication of JPH10194751A publication Critical patent/JPH10194751A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/02Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in electric furnaces, e.g. by dielectric heating
    • C03B5/033Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in electric furnaces, e.g. by dielectric heating by using resistance heaters above or in the glass bath, i.e. by indirect resistance heating

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝子溶融炉や流出ノズルの加熱冷却による変
位変動に基づく炉や流出ノズルの変形を防止するととも
に精度の良い成形品を安定して生産できるようにした硝
子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および装置を
提供する。 【解決手段】 溶融炉1の流出ノズル2に通電加熱用電
極2bを設け、この電極2bに対するリード線11aを
接続した電極端子部11に上下左右に微動可能なアクチ
ュエータ12を連結するとともに、溶融炉1や流出ノズ
ル2の温度変動の検出結果に基づいて通電加熱用電極2
bの位置変動を演算して、その演算結果によってアクチ
ュエータ12を制御する制御器16を備え、アクチュエ
ータ12によって電極端子部11を通電加熱用電極2b
の温度変動に伴なう変位に追従させる。このようにし
て、リード線11aと通電加熱用電極2b間に生じる温
度変動による位置誤差を吸収して、溶融炉や流出ノズル
の変形を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子等の硝子
製品の製造工程において、硝子溶融炉で硝子を溶融し、
さらに溶融された硝子を炉外に流出させるためのパイプ
状の硝子流出ノズルを備えた白金または白金合金製の硝
子溶融炉等における通電加熱用電極の取り付け方法およ
び取り付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気を用いて硝子を溶融する方式として
は、大きく分けて二つの方式が従来から知られており、
その一つは、硝子に直接に電流を流して硝子自体をその
ジュール熱で直接加熱溶融する電気溶融方式であり、他
の一つは、硝子への直接通電ではなく、硝子を溶融する
ための容器を白金などの材料で作成し、それに電流を流
して容器を加熱し、硝子を溶融させる方式である。そし
て、加熱用電極の取り付け方法としては、前者における
溶融硝子中へ挿入される電極の取り付け方法は種々の方
法が採用されており、例えば、特開昭56−5336号
公報に記載された方法などが知られている。また、後者
の方式においては、通常、白金などの材料で作成された
硝子溶融用の容器に直接電極を取り付けて通電する方法
が採用されており、また、特公昭59−19885号公
報に記載されているように液体金属を用いて炉や電極の
熱変位を吸収するようにした装置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】白金製の溶融容器に直
接電極を取り付けて通電する方式では、容器本体や流出
ノズルは熱の上げ下げによる熱膨張および収縮等の影響
を受け変位変動するけれども、電極は容器本体や流出ノ
ズルに直接固定的に取り付けられており、その電極に接
続されて電流を流すリード線は、硝子溶融特有の低電
圧、大容量の電流を流すことが必要であることから、太
くて剛性の高いリード線を用いることを要し、簡単には
撓むことができないものであって、電極やリード線が容
器本体や流出ノズルの変位変動に追従することができ
ず、電極の取り付け部分に大きな応力が発生し、その部
分に短期間で変形破損等が生じていた。しかしながら、
従来の電極の取り付け方法では、電極の固定と溶融容器
の変形との関係について考慮されておらず、それらの関
係を解消するような手段も格別採用されず、溶融容器の
電極端子にリード線を取り付ける際に単に多少の余裕を
もたせて取り付けるという程度のことしかなされていな
かった。このような型式の溶融容器を用いて、硝子の流
出ノズルの下に成形用部材を配設し、精密な形状や重量
を有する硝子製品を成形する際に、容器本体も流出ノズ
ル部分も特に熱膨脹に対する対策を施すことなく、容器
全体を単に耐火物で覆って架台に固定し、さらに、電極
に接続されるリード線として、前述のように、太くて剛
性が高く、簡単には撓むことができないリード線を用い
ているために、次のような問題点があった。
【0004】(1)流出ノズルの先端の位置が、熱の上
げ下げに伴なって変動し、特に炉本体や流出ノズルが一
旦熱で変形すると、その変形が残り、繰り返し熱膨張変
形によって、最終的に変形の予測がつかなくなってしま
い、流出硝子を受け成形する成形用部材と流出ノズルの
位置関係が定まらずに所望の製品を得ることができなく
なってしまう。すなわち、硝子溶融炉の炉本体および流
出ノズルの熱膨張に起因する流出ノズル部先端と成形用
部材との位置ズレにより、成形用部材の所望の位置へ硝
子を正確に供給することができなくなり、成形品に偏肉
や成形品の品質の劣化が生じ、歩留まりを低下させ、さ
らに、流出ノズル部先端と成形用部材との硝子の垂直落
下距離が変化し、そのために硝子の流出量が変動し、成
形品の重量が不安定となることに基づき、はみ出しや充
填不良の欠陥による成形品の品質の劣化が生じ、歩留ま
りを低下させる。
【0005】(2)炉稼働立ち上げ時の炉本体や流出槽
パイプ部が、温度変形平衡状態となり各部の位置関係が
安定するまでの待ち時間を要することにより、量産性が
低下する。
【0006】(3)流出槽の硝子溶融坩堝の直下流出口
に接続された流出槽パイプとこのパイプを直接通電加熱
するための電極端子との固定支持部における繰り返し熱
膨脹変形に伴ない、流出槽パイプの変形破損による寿命
の短期化、および流出量の変動により、成形品の歩留ま
りを低下させてしまう。
【0007】(4)炉自体に変形が生じ、炉の寿命を縮
めてしまう。
【0008】(5)流出ノズルの先端部が変形すると、
その開口部の形状や断面積が変化し、流出する硝子の流
量が大きく変動してしまうために、成形品の歩留まりが
低下する。
【0009】また、前記特公昭59−19885号公報
に記載されているように、液体金属を用いて炉や電極の
熱変位を吸収する装置も知られているが、この種の取り
付け装置では、液体金属を使用するためにその取扱いが
難しく、取り付け位置や取り付け方法にも自ずから制限
が生じ、さらに硝子引上げ量が一日で数キロないし数十
キロしかないような小型の溶融炉には大きさの点なども
含めて十分に機能を発揮できるものではなかった。
【0010】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、硝子溶融
炉や流出ノズルの加熱冷却による流出ノズル先端等の位
置変動に対して電極端子部を追従しうるように構成し
て、溶融炉や流出ノズルの変形を防止するとともに精度
の良い成形品を安定して生産できるようにした硝子溶融
炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置
を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方
法は、硝子を溶融する通電加熱用電極を備えた硝子溶融
炉において、前記電極に電流を流すリード線を接続した
電極端子部に上下左右に微動可能なアクチュエータを取
り付け、前記アクチュエータによって前記電極端子部を
前記溶融炉の温度変動により変位する前記電極の位置変
動に追従させ、前記溶融炉の変形を防止することを特徴
とする。
【0012】さらに、本発明の硝子溶融炉の通電加熱用
電極の取り付け方法において、溶融炉および流出ノズル
に取り付けられた温度センサーの検出結果、あるいは溶
融炉および流出ノズルの温度を制御する温度制御器から
の温度情報に基づき前記電極の熱による位置変動を演算
し、前記電極の位置変動に関する演算結果に基づいてア
クチュエータを制御して電極端子部を前記電極の位置変
動に追従させ、熱による変形を防止することが好まし
く、また、通電加熱用電極と電極端子部との間に応力セ
ンサーを取り付け、該応力センサーの検出情報をもとに
前記電極端子部に連結されたアクチュエータを制御し、
変形を防止することが好ましい。
【0013】さらに、本発明の硝子溶融炉の通電加熱用
電極の取り付け方法において、通電加熱用電極を溶融硝
子を流出させる流出ノズルに設けることが好ましく、ま
た、流出ノズルの先端に設けられた電極端子部のアクチ
ュエータを制御するデータに基づいて、前記流出ノズル
の下に配設されて前記流出ノズルから流出する硝子を成
形するための成形用部材の位置を制御し、前記流出ノズ
ルおよび前記成形用部材の位置を一定に維持することが
好ましい。
【0014】また、本発明の硝子溶融炉の通電加熱用電
極の取り付け装置は、硝子を溶融する通電加熱用電極を
備えた硝子溶融炉において、前記電極に電流を流すため
のリード線を接続した電極端子部と、該電極端子部を上
下左右に微動させるアクチュエータと、前記電極の温度
変動により変位する位置変動を演算する制御器とを備
え、前記制御器が、前記電極の位置変動に関する演算結
果に基づいて前記アクチュエータを制御し、前記電極端
子部を前記電極の位置変動に追従させ、前記溶融炉の変
形を防止するようにしたことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の硝子溶融炉の通電加熱用
電極の取り付け装置において、電極の温度変動により変
位する位置変動を演算する制御器が、溶融炉および流出
ノズルに取り付けられた温度センサーの検出結果、ある
いは溶融炉および流出ノズルの温度を制御する温度制御
器からの温度情報に基づき前記電極の位置変動を演算
し、その演算結果に基づいてアクチュエータを制御し、
電極端子部を前記電極の位置変動に追従させることが好
ましく、または通電加熱用電極と電極端子部との間に取
り付けた応力センサーの検出情報に基づいて、前記電極
端子部を電極の温度変動により変位する位置変動に追従
させるように前記アクチュエータを制御することが好ま
しい。
【0016】さらに、本発明の硝子溶融炉の通電加熱用
電極の取り付け装置において、通電加熱用電極を溶融硝
子を流出させる流出ノズルに設けることが好ましく、ま
た、溶融炉の流出ノズルから流出される硝子を成形する
ための成形用部材を流出ノズルの下に配置し、そして前
記成形用部材を微動させる第2アクチュエータを設けて
あり、前記第2アクチュエータが、流出ノズルの先端に
設けられた電極端子部のアクチュエータを制御するデー
タに基づいて、前記成形用部材の位置を微動させ、前記
流出ノズルおよび前記成形用部材の位置を一定に維持す
ることが好ましい。
【0017】
【作用】硝子を溶融する通電加熱用電極を備えた硝子溶
融炉において、通電加熱用電極に電流を流すリード線を
接続した電極端子部に上下左右に微動可能なアクチュエ
ータを取り付け、アクチュエータによって電極端子部を
溶融炉の温度変動により変位する通電加熱用電極の位置
変動に追従させるようにしたことにより、炉や流出ノズ
ルに無理な力がかからないために、結果的に炉や流出ノ
ズルの変形が発生することがなく、また、流出ノズルに
通電加熱用電極を設け、この電極の位置変動に電極端子
部を追従させるように構成して、炉や流出ノズルが熱に
より位置変動を起こした際に一番大きく変動する流出ノ
ズル部に過大な力がかからないようにしたことによっ
て、変動全体を管理制御下に置き、無秩序な変形や変動
を抑えることができる。
【0018】通電加熱用電極の温度変動により変位する
位置変動は、溶融炉および流出ノズルに取り付けられた
温度センサーの検出結果に基づき、または通電加熱用電
極と電極端子部との間に取り付けた応力センサーの検出
情報に基づいて、演算することができ、この演算結果に
したがってアクチュエータを制御し、電極端子部を通電
加熱用電極の温度変動により変位する位置変動に追従さ
せることができ、さらに、炉の流出ノズルから流出され
る硝子を成形するための成形用部材を第2アクチュエー
タによって、電極端子部のアクチュエータを制御するデ
ータに基づいて成形用部材の位置を微動させるようにし
たことにより流出ノズルおよび成形用部材の位置を一定
に維持することができ、溶融炉や流出ノズルの変形を防
止するとともに成形品の偏肉や成形品重量の不安定化等
の成形品の品質劣化を防止することができ、精度の良い
成形品を安定して生産することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0020】先ず、本発明の第1実施例を図1に基づい
て説明する。図1において、1は硝子を溶解、清澄する
溶融槽であり、その下端に硝子との接触による反応を抑
制するために白金等で作成された流出ノズル2が設けら
れ、流出ノズル2の先端には開口された流出口2aが形
成されている。この流出口2aには一対の通電加熱用電
極2b、2bが設けられ、流出口2aを直接通電加熱す
るように構成されており、そして、溶融槽1および流出
ノズル2の周囲にも同様に図示しない加熱部材が配置さ
れ、それぞれの部位を任意の温度に加熱するように構成
されている。また、溶融槽1および流出ノズル2には、
図示しない温度制御用の熱電対とは別にさらに複数の白
金熱電対13、13……が取り付けられ、これらの白金
熱電対13、13……は後に詳述する測温演算・位置制
御器16に結線され、図示しない温度制御用の熱電対も
同様に測温演算・位置制御器16に結線されている。
【0021】3は、溶融槽1内で溶融された溶融硝子を
示し、流出ノズル2の流出口2aから流出する流出硝子
3aは、流出ノズル2の直下に配設された成形用受け型
21に受けられる。
【0022】流出口2aの一対の通電加熱用電極2b、
2bには、電極端子部(リード線取り付け部)11、1
1が装着され、電極端子部11、11に接続されたリー
ド線11a、11aは、図示しない温度制御ラインに接
続され、流出ノズル2の流出口2aの温度を適宜任意の
温度に制御しうるように構成されている。また、電極端
子部11、11にはアクチュエータ12、12の可動ア
ーム12a、12aが取り付けられ、アクチュエータ1
2、12は、制御線15を介して測温演算・位置制御器
16に接続されており、測温演算・位置制御器16から
の演算位置指令に基づいて、可動アーム12a、12a
さらに電極端子部11、11を上下左右に微動させるよ
うに構成されている。そして、測温演算・位置制御器1
6は、白金熱電対13、13……からの温度情報、ある
いは溶融槽1および流出ノズル2の温度を制御する温度
制御器からの情報に基づいて溶融槽1および流出ノズル
2の位置変動を演算し予測する演算機能を有するもので
あって、温度情報に基づいて溶融槽1や流出ノズル2の
位置変動を演算した演算結果にしたがってアクチュエー
タ12、12を制御して、電極端子部11、11を溶融
槽1や流出ノズル2の位置変動に追従させて移動させる
ように構成されている。したがって、流出ノズル2の流
出口2aが温度変化に伴なう熱膨張等により位置変動し
ても、測温演算・位置制御器16がアクチュエータ1
2、12を作動させて、電極端子部11、11を移動さ
せることができ、流出口2aの位置変動に相応して電極
端子部11、11を追従させることができる。かくし
て、流出ノズルや溶融槽に過大な力がかからなくなり、
結果的に流出ノズルや溶融槽の変形を防止することがで
き、さらに、熱による位置変動が最も大きくなる流出ノ
ズルに上記のような構成を設けることにより、溶融槽の
変動全体を管理制御することができて、無秩序な変形や
変動を抑えることが可能となる。
【0023】また、流出ノズル2の直下に配設されて流
出硝子3aを受ける成形用受け型21に連結された第2
のアクチュエータ22は、アクチュエータ12と同様に
制御線23を介して測温演算・位置制御器16に接続さ
れ、測温演算・位置制御器16からの演算位置指令に基
づいて、成形用受け型21を流出ノズル2の流出口2a
の変動に応じて微動させるよう構成されている。
【0024】以上のように構成された装置を用いて、実
際に硝子を溶融流出させた実験ならびにその実験結果を
より具体的に説明する。図1において、溶融槽1に硝子
原料を投入し、1300℃に加熱して硝子を溶融し、さ
らに図示しない攪拌装置を用いて溶融硝子3を攪拌し、
均質な硝子とし、その後、溶融槽1を1100℃まで降
温させて、泡抜きを行ない、さらに、流出ノズル2を9
00℃、流出口2aを1200℃として、流出口2aか
ら硝子を流出させた。
【0025】溶融開始から流出段階までの温度変動にし
たがって、流出ノズル2の流出口2aの位置変動は、電
極端子部11をアクチュエータ12の可動アーム12a
に固定していない状態では、垂直方向に1.8mm程あ
った。また、測温演算・位置制御器16において、白金
熱電対13、13……の測定温度を基にしての流出口2
aの位置変動に関する演算結果も同様の数値が得られ
た。
【0026】その後、一旦溶融槽1から硝子を全て流出
させ、電極端子部11に可動アーム12aを取り付け固
定した後に、測温演算・位置制御器16の演算結果をア
クチュエータ12にフィードバックしうるようにして、
上述と同様に、硝子の溶融流出を再三繰り返して行なっ
たところ、可動アーム12aは、測温演算・位置制御器
16の位置指令により、流出口2aの熱による位置変動
によく追従し、そして、溶融槽1や流出ノズル2および
流出口2aに余分なストレスが働かなくなったために、
変形が全く生じず、硝子の流出量も常に当初のものと変
わらず、溶融槽1にも何の損傷も発生しないという良好
な結果が得られた。
【0027】因みに、電極端子部11とアクチュエータ
12を固定させたまま、測温演算・位置制御器16を作
動させずに、溶融流出を繰り返し行なったところ、溶融
槽1および流出ノズル2は一回でたわみが生じ、数回繰
り返すと、流出口2aの断面形状も変化しはじめ、流出
量が当初のものに比較して大きく変動してしまった。さ
らに、この溶融流出を繰り返して行くと、溶融槽1と流
出ノズル2の間に亀裂が発生し、使用できなくなってし
まった。
【0028】さらに、上述のように構成された溶融槽を
用いて次のように硝子素子の成形を行なった。
【0029】先ず、冷間の状態で受け型21の上部表面
と流出ノズル2の流出口2aとの間を15mmに設定
し、上述と同様の操作を行ない硝子を流出させ、流出口
2aから流出する流出硝子3aを受け型21で受ける。
受け型21で流出硝子3aを受けて5秒経過した時点
で、受け型21を引き下げ、流出硝子3aを流出口2a
から切り離し、次の受け型21を流出口2aの直下にも
たらして同様に流出硝子3aを受ける動作を繰り返し
て、順次硝子塊を取り、これらの硝子塊の温度が降下し
ない内に、図示しない通常の方法で硝子塊をプレス成形
し、硝子素子を成形した。このときの流出硝子3aの切
断タクトを6秒とし、流出量を120gf/分となるよ
うに流出ノズル2の温度を調整し、一個当たり12gf
の成形品を得た。この際に、図1に示すように受け型2
1を第2アクチュエータ22に接続しておき、測温演算
・位置制御器16から流出口2aの位置変動に相応する
データを第2アクチュエータ22にフィードバックし、
流出口2aと受け型21の間隔が一定の15mmとなる
ように制御した。このとき、連続して成形を続けると、
溶融硝子3の液面高さが変化して、当然に流出硝子3a
の流出量も変化するけれども、流出ノズル2の温度を、
液面高さの変化に合わせて徐々に上げて行くことによっ
て、常に一定の流量を確保することができる。
【0030】なお、流出ノズル2の温度を上下させる
と、流出ノズル2は熱膨張によりその長さが変化し、流
出口2aの位置が変わる。このように流出口2aの位置
が変わると、流出口2aと受け型21の間隔が変化し
て、流出硝子3aの落下距離が変わることになり、実際
には流出硝子3aの流出量も変わってしまうという状態
が生じ、流出硝子3aの流量を一定にするのははなはだ
困難であるが、本発明のように、測温演算・位置制御器
16によって、流出ノズル2の流出口2a等の温度情報
に基づいて流出口2aの位置変動を演算して、その演算
結果を第2アクチュエータ22にフィードバックするこ
とにより、流出口2aと受け型21の位置を一定に保つ
ことができるとともに流出硝子3aの重量変動をなくす
ことが可能であり、常に安定した重量の硝子素子が製造
することができ、非常に良好な結果が得られた。
【0031】次に、本発明の第2実施例を図2に基づい
て説明する。図2において、51は、硝子を流出する流
出槽であり、図示しない硝子溶融清澄槽に接続されて、
常に良質な溶融硝子が供給されるように構成されてお
り、白金で作成された流出ノズル52は、脈理の防止と
流出ノズル下での操作性の向上を図るために、前記第1
実施例のものと相違して、流出槽51の側面に取り付け
られている。流出ノズル52の先端の流出口52aに
は、この流出口52aを直接通電加熱する一対の通電加
熱用電極52b、52bが設けられており、この部分を
含め前記第1実施例と同様の構成を備えている(なお、
図2においては一部を省略して図示する)。
【0032】この装置を用いることにより、第1実施例
と同様に硝子の溶融流出と硝子素子の成形を行なうこと
ができる。しかしながら、この実施例においては、流出
ノズル52の流出口52aは、上下方向だけでなく、図
2において左右方向にも変動するけれども、アクチュエ
ータ12の作動により、電極端子部11を流出口52a
の変動に追従させることができ、熱による変形変動をこ
の部分で吸収させることができ、第1実施例において述
べたと同様の良好な結果を得ることができる。
【0033】さらに、本発明の第3実施例を図3に基づ
いて説明する。流出槽51および流出ノズル52につい
ては、前記第2実施例のものと同様のものを用い、通電
加熱用電極52bと電極端子部11との間に、スペーサ
53を配設し、このスペーサ53に歪みゲージ54等の
応力センサーを取り付けてある。この歪みゲージ54等
の応力センサーにより検出される歪み量を信号線55を
介して測温演算・位置制御器16に送り、常に歪み量が
ゼロとなるように、アクチュエータ12を制御する。こ
のように構成することにより、通電加熱用電極52bに
発生した変位と電極端子部11のずれを歪みゲージ54
によって検出して、このずれをなくすようにアクチュエ
ータ12を作動させ、電極端子部11を移動させる。か
くして、熱による変形変動を吸収させることができ、第
2実施例と全く同様の良好な結果が得られる。
【0034】次に、本発明の第4実施例を図4に基づい
て説明する。図4は、硝子に直接通電して硝子を溶融す
る電気炉の概略的な模式図であり、101は耐火レンガ
で構成された電気炉であり、硝子に直接通電する電極棒
130は、耐火レンガを貫通して電気炉101内の収容
されている溶融硝子103内に挿入されており、この電
極棒130には図示しない電力供給装置に連通されたリ
ード線111aが接続された電極端子部111が取り付
けられている。また、電極端子部111は、アクチュエ
ータ112の可動アーム112aが固定されており、ア
クチュエータ112の作動に応じて自由に微動できるよ
うに構成されている。さらに、電気炉101および電極
棒130には図示しない複数の温度計測用熱電対が取り
付けられ、これらの温度計測用熱電対は、第1実施例と
同様の構成の測温演算・位置制御器16に接続する。か
くして、電気炉101における電極棒130の取り付け
穴の熱による位置変動を測温演算・位置制御器16によ
り各熱電対の温度データを用いて演算し、さらにその演
算結果に基づいてアクチュエータ112を制御すること
で、常に取り付け穴と電極棒130の位置を一致させる
ことができる。
【0035】このような構成において、電気炉101で
硝子を溶融流出させても、電極棒130の取り付け部や
その取り付け穴等に無理な力が加わることがない。従来
のものにおいては、リード線111aが通常の電線に比
べ低電圧、大容量の電流を流す必要から剛性が高くたわ
みにくいために、電極棒取り付け部所に無理な力が加わ
り前記部所を破損しやすかったが、本実施例においては
電極棒取り付け部所の破損を阻止することができ、良好
な結果が得られた。
【0036】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されている
ので、硝子を通電加熱するための通電加熱用電極を備え
た硝子溶融炉において、電極端子部に上下左右に微動可
能なアクチュエータを取り付け、このアクチュエータに
よって、溶融炉や流出ノズルの温度変動により変位する
通電加熱用電極の位置変動に電極端子部を追従させるこ
とにより、炉や流出ノズルに無理な力がかかることな
く、溶融炉の変形を防止することができ、そして、溶融
炉本体および流出ノズルの加熱冷却の際に生じるノズル
先端の位置変動に対して、ノズル先端部に取り付けられ
た電極に接続される剛性の高いリード線をその部分で確
実に変位させ、撓ますことが可能となり、ノズルの位置
変動とリード線の剛性の高さに起因する炉の寿命や成形
品に発生する品質の劣化等の種々の問題を解消すること
ができ、安定した高品質の光学素子を歩留まりよく製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる通電加熱用電極の
取り付け態様を概略的に図示する模式図である。
【図2】本発明の第2実施例にかかる通電加熱用電極の
取り付け態様の要部を概略的に図示する模式図である。
【図3】本発明の第3実施例にかかる通電加熱用電極の
取り付け態様の要部を概略的に図示する模式図である。
【図4】本発明の第4実施例にかかる電気炉に対する通
電加熱用電極の取り付け態様を概略的に図示する模式図
である。
【符号の説明】
1 硝子溶融槽 2 流出ノズル 2a 流出口 2b 通電加熱用電極 3 溶融硝子 11 電極端子部 11a リード線 12 アクチュエータ 13 熱電対 16 測温演算・位置制御器 21 (成形用)受け型 22 第2アクチュエータ 51 流出槽 52 流出ノズル 52b 通電加熱用電極 54 応力センサー(歪みゲージ) 111 電極端子部 112 アクチュエータ 130 電極棒
フロントページの続き (72)発明者 余語 瑞和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝子を溶融する通電加熱用電極を備えた
    硝子溶融炉において、前記電極に電流を流すリード線を
    接続した電極端子部に上下左右に微動可能なアクチュエ
    ータを取り付け、前記アクチュエータによって前記電極
    端子部を前記溶融炉の温度変動により変位する前記電極
    の位置変動に追従させ、前記溶融炉の変形を防止するこ
    とを特徴とする硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け
    方法。
  2. 【請求項2】 通電加熱用電極が、溶融硝子を流出させ
    る流出ノズルを直接通電加熱するために、前記流出ノズ
    ルに設けられていることを特徴とする請求項1記載の硝
    子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法。
  3. 【請求項3】 溶融炉および流出ノズルに取り付けられ
    た温度センサーの検出結果、あるいは溶融炉および流出
    ノズルの温度を制御する温度制御器からの温度情報に基
    づき前記電極の熱による位置変動を演算し、前記電極の
    位置変動に関する演算結果に基づいてアクチュエータを
    制御して電極端子部を前記電極の位置変動に追従させ、
    熱による変形を防止することを特徴とする請求項1また
    は2記載の硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方
    法。
  4. 【請求項4】 通電加熱用電極と電極端子部との間に応
    力センサーを取り付け、該応力センサーの検出情報を基
    に前記電極端子部に連結されたアクチュエータを制御
    し、変形を防止することを特徴とする請求項1または2
    記載の硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法。
  5. 【請求項5】 流出ノズルの先端に設けられた電極端子
    部のアクチュエータを制御するデータに基づいて、前記
    流出ノズルの下に配設されて前記流出ノズルから流出す
    る硝子を成形するための成形用部材の位置を制御し、前
    記流出ノズルおよび前記成形用部材の位置を一定に維持
    することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    記載の硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法。
  6. 【請求項6】 硝子を溶融する通電加熱用電極を備えた
    硝子溶融炉において、前記電極に電流を流すためのリー
    ド線を接続した電極端子部と、該電極端子部を上下左右
    に微動させるアクチュエータと、前記電極の温度変動に
    より変位する位置変動を演算する制御器とを備え、前記
    制御器が、前記電極の位置変動に関する演算結果に基づ
    いて前記アクチュエータを制御し、前記電極端子部を前
    記電極の位置変動に追従させ、前記溶融炉の変形を防止
    するようにしたことを特徴とする硝子溶融炉の通電加熱
    用電極の取り付け装置。
  7. 【請求項7】 通電加熱用電極が、溶融硝子を流出させ
    る流出ノズルを直接通電加熱するために流出ノズルに設
    けられ、前記電極に電流を流すためのリード線を接続し
    た電極端子部がアクチュエータによって前記電極の位置
    変動に追従するように微動されることを特徴とする請求
    項6記載の硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け装
    置。
  8. 【請求項8】 通電加熱用電極の温度変動により変位す
    る位置変動を演算する制御器が、溶融炉および流出ノズ
    ルに取り付けられた温度センサーの検出結果、あるいは
    溶融炉および流出ノズルの温度を制御する温度制御器か
    らの温度情報に基づき前記電極の位置変動を演算し、そ
    の演算結果に基づいてアクチュエータを制御し、電極端
    子部を前記電極の位置変動に追従させるようにしたこと
    を特徴とする請求項6または7記載の硝子溶融炉の通電
    加熱用電極の取り付け装置。
  9. 【請求項9】 通電加熱用電極の温度変動により変位す
    る位置変動を演算する制御器が、前記電極と電極端子部
    との間に取り付けた応力センサーの検出情報に基づい
    て、前記電極端子部を前記電極の温度変動により変位す
    る位置変動に追従させるように前記アクチュエータを制
    御することを特徴とする請求項6または7記載の硝子溶
    融炉の通電加熱用電極の取り付け装置。
  10. 【請求項10】 溶融炉の流出ノズルから流出される硝
    子を成形するための成形用部材を流出ノズルの下に配置
    し、そして前記成形用部材を微動させる第2アクチュエ
    ータを設けてあり、前記第2アクチュエータが、前記流
    出ノズルの先端に設けられた電極端子部のアクチュエー
    タを制御するデータに基づいて、前記成形用部材の位置
    を微動させ、前記流出ノズルおよび前記成形用部材の位
    置を一定に維持するようにしたことを特徴とする請求項
    6ないし9のいずれか1項記載の硝子溶融炉の通電加熱
    用電極の取り付け装置。
JP35870196A 1996-12-27 1996-12-27 硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置 Pending JPH10194751A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35870196A JPH10194751A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35870196A JPH10194751A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10194751A true JPH10194751A (ja) 1998-07-28

Family

ID=18460671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35870196A Pending JPH10194751A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10194751A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101921051A (zh) * 2010-08-19 2010-12-22 湖北戈碧迦光电科技股份有限公司 玻璃电熔窑炉
JP2021513957A (ja) * 2018-02-26 2021-06-03 コーニング インコーポレイテッド 電線の支持装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101921051A (zh) * 2010-08-19 2010-12-22 湖北戈碧迦光电科技股份有限公司 玻璃电熔窑炉
JP2021513957A (ja) * 2018-02-26 2021-06-03 コーニング インコーポレイテッド 電線の支持装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170369353A1 (en) Apparatus and methods for producing a glass ribbon
CA2855799C (en) Die cast nozzle and method for operating a die cast nozzle
CN110088051B (zh) 用于控制玻璃流到玻璃成形机器中的方法和设备
US10399883B2 (en) Thermally stable glass tubing forming apparatuses
JPH10194751A (ja) 硝子溶融炉の通電加熱用電極の取り付け方法および取り付け装置
CN114178504A (zh) 一种低压铸造铝合金熔体的智能控温方法
CN114160775A (zh) 一种低压铸造铝合金熔体的智能控温系统和智能控温方法
JPH06345443A (ja) ガラスの流量制御方法および装置
JPH06102251B2 (ja) 薄板鋳造における溶湯流量の制御方法
JP2597015B2 (ja) ガラス溶融装置の溶融ガラス流出量調節方法および装置
JP3041568B2 (ja) 移行型アークプラズマの出力制御方法
JP4438084B2 (ja) 板ガラスの成形方法及び板ガラスの成形装置
JP6050173B2 (ja) プラズマ加熱制御装置とプラズマ加熱制御方法
JPH10182168A (ja) ガラスゴブの製造方法
JP3023202B2 (ja) 光学素子の成形方法
JPH06239619A (ja) 溶融ガラス流の切断方法及び切断装置
CN109803933A (zh) 用于玻璃带热管理的方法和设备
JPH0639504A (ja) タンディッシュ内溶鋼プラズマ加熱制御装置
JP2000264643A (ja) 溶融ガラスの受け型位置高さ制御方法及び制御装置
JPH0427174B2 (ja)
JP2002121034A (ja) ガラス溶融炉におけるガラス流出装置
JPH09263410A (ja) 溶融ガラスの供給方法及び装置
JPH057101B2 (ja)
CN115888502A (zh) 玻璃液搅拌装置和玻璃液搅拌系统
JP2002234736A (ja) 溶融ガラスの流量調節装置