JPH10193617A - 記録装置及びその制御方法 - Google Patents

記録装置及びその制御方法

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JPH10193617A
JPH10193617A JP9314098A JP31409897A JPH10193617A JP H10193617 A JPH10193617 A JP H10193617A JP 9314098 A JP9314098 A JP 9314098A JP 31409897 A JP31409897 A JP 31409897A JP H10193617 A JPH10193617 A JP H10193617A
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JP
Japan
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pulse
recording
block
pulses
driving
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Application number
JP9314098A
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English (en)
Inventor
Hidemi Kubota
秀美 久保田
Hiroyuki Maeda
浩行 前田
Isao Kimura
勲 木村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブロック駆動を行う記録制御において、異なる
パルス幅のパルスを含むパルス列の駆動タイミングを適
切に調整し、ブロック間における駆動タイミングの重な
りを防止し、駆動時の電源負荷を軽減する。 【解決手段】駆動パルス発生部221〜228は駆動タイミン
グを規定するパルス列を供給する。生成されるパルス列
は、パルス幅1μSを有する4個の先行パルスと、パル
ス幅3μSbを有する1個の駆動パルスを含み、各パル
ス間の間隔は7μSとする。1μSのクロックをカウン
トするカウンタ211〜218は、先行するブロックのカウン
タのカウントアップ信号でクロックパルスの計数が開始
される。各カウンタには7がセットされ、先行するブロ
ックのカウンタのカウントアップ信号で起動され、先行
するブロックのパルス列の2番目のパルスが発生する直
前にカウントアップ信号を出力し次のブロックのパルス
列の供給を開始させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出口
(オリフィス)から小液滴として吐出、飛翔させ、この
小液滴を被記録材表面へ付着させて記録を行う記録装置
及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録用インク
としては、安全性、臭気などの面から水性インクが主流
であり、各種の水溶性染料または顔料を水または水と水
溶性有機溶媒に溶解または分散させ、必要に応じて保湿
剤、染料溶解助剤、防かび剤などを添加したインクが知
られている。これらのインクを用いたインクジェット記
録は、インクを毎秒数千滴以上吐出可能で高速記録が容
易であること、騒音が少ないこと、カラー化が容易であ
ること、高解像度化が可能であること、普通紙記録が可
能であることなどの多くの長所を有しており、数年来普
及が目覚ましい。
【0003】さらに近年パソコンの低価格化、高性能
化、GUI環境の標準化により、プリンタなどの画像記
録も、高発色、高品位、高堅牢性、高解像度記録、高速
記録の要求が高まり、色成分をできるだけ紙の表面へ残
し、記録ドットのエッジを鮮明にし、にじみ(フェザリ
ング)、混色にじみ(ブリーディング)等を少なくする
という技術思想が提案されつつある。
【0004】その第1の例として、特開昭58−136
75号公報には、ポリビニルピロリドンをインク中に添
加し、記録ドットの紙への吸収と広がりを制御する方法
が開示されている。また、第2の例として、特開平3−
172362号公報には、特定のマイクロエマルション
をインク中に添加してインクの吸収とドットの広がりを
制御する方法が開示されている。
【0005】さらに、ゾルーゲル転移現象をインクに適
用した第3の例として、特開昭62−181372号公
報、特開平1−272623号公報等では、室温でゲ
ル、加熱によりゾル状態となるインクを用いることによ
り、そのゾル状態で被記録材に記録し、インクの冷却に
よりインクがゲル状態へ戻るため、インクの紙への浸透
を抑制できるとしている。
【0006】また、最近第4の例として、特開平6−4
9399号公報には、可逆的熱ゲル化特性を有する化合
物をインクに添加し、良好な発色性及び定着性を実現す
るとともに、にじみが少なくかつ、印字物の保存性が優
れ、信頼性も優れたインクおよびかかるインクを用いた
インクジェット記録方法、機器が開示されている。この
技術的背景は、特定の水溶性高分子の水溶液を加熱して
ゆくと水溶性が低下し溶液が白濁する(この温度を曇点
という)現象に基づくものである。代表的にはN−イソ
プロピルアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、
ポリエチレンオキシド及びヒドロキシプロピルセルロー
スなどである。これらの高分子は、その溶解度が負の温
度係数を持っているため、曇点以上では溶液からの分離
析出状態となる。その析出状態では、疎水的なミクロゲ
ルが生成し溶液の粘度が低下する。析出状態で被記録材
上へ記録を行うと、被記録材表面での温度効果により元
の粘度に戻る、即ち、増粘しインクの浸透を抑制できる
ものである。
【0007】一方、第5の例として、M.Croucherらは、
従来の均一系インクの問題点を指摘すると共に、将来の
インクジェット用インクとして、ラテックスを利用した
不均一系のインクを提案している(M.D.Croucher and M.
L.Hair;Ind.Eng.Chem.Res.1989,28,1712-1718,"Design
Criteria and Future Directions in Inkjet Ink Tech
nology")。さらに、米国特許4,246,154号に
は、染料で着色したビニルポリマーの微粒子をアニオン
的に安定化したインクが開示されている。米国特許4,
680,332号には、油溶性染料を含み、非イオン性
安定剤が結合した水不溶性ポリマーを、液媒体に分散し
た不均一インクが開示されている。また、米国特許5,
100,471号には溶剤と、ポリマーコアと染料が共
有結合したシリカシェルからなる着色粒子とからなる水
性インクが提案され、紙上でより鮮明な色が形成される
こと、温度に安定なこと、耐水性が高いなどの特徴を有
している。
【0008】更に、第6の例として、特開平3−240
586号公報には、非水性インクとして、分散媒に膨潤
する樹脂により被覆された着色粒子をケロシンなどに分
散させたものが提案されている。この提案では特に画像
のにじみ防止及び液滴吐出用ノズルの目詰まり防止に効
果があるとしている。
【0009】以上に述べた第1、第2の例は、紙への浸
透を抑制するため、インクが紙上で浸透せずに残る時間
が長く、定着性に問題がある。また、異なる色間の混色
(ブリード)が発生してしまう問題がある。
【0010】第3の例で示したゾル−ゲル転移インク
は、印字物の保存温度変化で流動性が出ることがあり、
画像の流れ出しによる混色汚損、転写汚損の問題があ
る。
【0011】第4の例で示した可逆的熱ゲル化化合物含
有インクでは、水溶性セルロースエーテル類を使用する
ため、温度降下による粘度上昇が緩慢で、インクジェッ
ト記録のように1画素を数10msec以下で高速に記
録する方法には不向きである。また、インクジェット記
録に使用するとインク吐出時の粘度の上限が20mPa
・s以下と低いため、低濃度で用いなければならず、十
分な増粘効果を得ることが困難である。
【0012】一方、第5の例群のうち、アニオン的に安
定化したものでは、安定分散するpH領域が狭く、染料
の選択範囲が小さいという問題がある。また記録ドット
の紙上での広がりが小さく、必要な光学濃度(O.
D.)が得にくい欠点がある。また、高速記録に必要な
定着時間の短縮という点では、従来の画像形成手段と同
様に定着が蒸発、浸透にのみ依存しているため効果が少
ない。
【0013】また、第5の例群の別の例で示した、油溶
性染料を含み、非イオン性安定剤が結合したポリマーの
分散インクでは、染料の選択範囲は拡大するものの、上
記と同様に蒸発と浸透に依存した定着機構であるから定
着時間の短縮に効果が少ない。また、異なるカラー間の
混色(部リード)についても隣接ドット間で定着に時間
がかかるため不利である。
【0014】さらに、ポリマーコア/シリカシェル構造
の分散インクでは、顔料の分散安定性という点では優れ
ているが、色材の紙表面での凝集に特別の手段を持たな
いため、O.D.は十分ではない。また、蒸発と浸透に
依存しているので定着時間の短縮に効果が少なく、プリ
ードの問題がある。
【0015】第5の例における上記の3例に共通してい
る問題としては、紙表面への色材粒子の付着について考
慮されていないので記録画像の擦過性が悪いということ
が挙げられる。
【0016】また、第6の例においては、分散媒にケロ
シンを用いるので臭気、安全性などに問題がある。
【0017】次に、水性インク、特にインクジェット用
インクとして小液滴吐出に必要な物性について説明す
る。インクジェット用インクとして小液的吐出に必要な
物性とは、 ・表面張力;>20dyne/cm(リフィル速度に関
係する)、 ・粘度;1〜20mPa・s、 ・pH;3〜10、また、 ・定着時間<20sec(できるだけ短い方が良い)な
どである。
【0018】ここで、インクの紙への転移について考え
る。一般に、液体の紙への転移現象については、Lucas-
Washburnの式が知られており、液体の転移量をV、紙の
粗さ指数をVr、吸収係数をKa、転移時間をT、ぬれ
開始時間をTwとすると、液体が水の場合、以下の式
(1)で表される。
【0019】
【数1】
【0020】式(1)で、Kaは紙とインクの両方の物
性に関するもので次式(2)で表わされる。
【0021】
【数2】
【0022】式(2)において、rは毛管半径、γは液
体の表面張力、θは接触角、ηは液体の粘度である。
【0023】式(1)から、色材を紙の表面へ残すに
は、できるだけ液体の浸透を遅くする、即ち吸収係数K
aを小さくすることが必要である(Kaを小さくするこ
とで蒸発の時間が稼げる)。そのためのインク物性とし
ては、表面張力を小さく、粘度を大きく、接触角を大き
くすれば良いことがわかる。しかしながら、先に述べた
インクジェット記録用のインク物性には制約があるので
Kaの調節は容易ではない。
【0024】一方、液体が非水系の溶媒、例えばエタノ
ールなどでは、式(1)中ぬれ時間Twを無視できるの
で定着を早くできるが、吸収係数Kaも大きくなって浸
透の効果が大きいため、画像としては“フェザリング”
が多くなってしまう。さらに、式(2)中、cosθの
項は、インクと紙との組み合わせで決まるものであるか
ら用紙の種類によってはよかったり、悪かったりする。
即ち、用紙選択性を満足できない。
【0025】以上述べた問題は、従来の色材分散インク
であっても、画像形成が浸透と蒸発に依存している限り
起こり得ることと考えられる。
【0026】本発明者は、以上説明した様な問題を解決
するために熱可逆型増粘性を示す高分子を含むことを特
徴とするインクを用いて印字を行うことを先に提案した
(特開平8−333535)。
【0027】上記出願において、本発明者は前述のよう
な制約はインクが温度によらず色材と溶媒とが均一な状
態の液体であることに起因するとして、温度をトリガー
にして状態変化を起こし、被記録材の上では色材と溶媒
が分離して挙動するインクを提案した。
【0028】上述の状態変化とは、室温におけるインク
状態では、溶解解離している高分子が、一定の温度以上
で会合を起こし濃厚な高粘度液体となり、かつ、色材が
該高分子に結合している状態を形成し、その状態で被記
録材上へ記録することにより、濃厚な色材相は被記録材
表面に残り、希薄な溶媒相は被記録材中へ浸透するとい
うものである。また、上記変化は記録する時の広範囲な
環境温度に対応させるため、可逆的であることが条件と
なる。
【0029】実際には、記録ヘッドからの小液滴吐出時
は低粘度の方が高速記録に有利であるため、動作時は粘
度が低い状態で吐出させ、転移温度以上に加熱しておい
た被記録材上に記録することで上述の現象が実現でき
る。上記の条件ではインク滴の温度<被記録材の温度で
あるため、インク滴が被記録材表面に付着した瞬間は、
被記録材の表面が冷却されインク滴が転移温度に上昇す
るのに僅かな時間遅れが出る。その粘度上昇するまでの
時間は低粘度を保つため、Lucas-Washburnの式に従って
被記録材へインクが浸透する。これは、色材全てを被記
録材表面に残すと記録画像としては擦過性に問題が出る
ことの解消手段でもある。
【0030】転移温度は記録装置が通常使用される環境
温度(室温)より高く、かつ、温度による増粘を効果的
にするため(状態変化の前後の温度差を大きくする)、
35℃以上100℃以下が望ましい。100℃以上であ
るとインク中の水分の蒸発による著しい増粘を引き起こ
すので好ましくない。たとえば、図1の粘度特性図に示
されるように、46℃〜48℃に転移温度を有するイン
クが好ましい。
【0031】ところで、インクを吐出し記録する手法と
して、インクに熱エネルギを印加して液滴を飛翔させる
インクジェット方式を用いるのが知られている。この方
式では、熱エネルギによってインクに気泡を発生させ
て、インク滴に運動エネルギーを加えて吐出させる。こ
のようなインクジェット方式で上述のようなインクを吐
出させた場合、吐出インク滴の平均温度を上述した転移
温度に到達せしめることが別途紙を加熱するなどの方法
に比較して、効率的な加熱方法である。しかしながら、
上述のようにインクを吐出させる際に多くの熱を与えな
ければならないようなインクを吐出させる場合、従来行
われてきた加熱方法では十分に熱エネルギーをインクに
加えることが出来ない場合があった。例えば、熱エネル
ギーが十分にインクに伝達される前に急激に泡が発生
し、ヒータとインクが断熱状態となってしまう。
【0032】そこで本出願人は、この問題を解決するた
めにヒータ面からインクへの熱流速を巧みに平均化する
駆動方法を提案した。そのような例として、5つのパル
ス列によってインクを加熱し吐出させる方法を示した。
この例では駆動電圧を7.5Vと設定した(この電圧値
だけでは直接的な意味がなくヒータの抵抗値との兼ね合
いで実際の発熱量は変化するのでこれは一つの例にすぎ
ず、実際に意味があるのは以下に述べる熱流速値であ
る)。そして、図27に示されるように、波高値が7.
5Vの5つのパルス列によってインクの加熱を行った。
【0033】この場合、熱流速は、図28に示したよう
に駆動電圧に呼応してパルス列状になる。駆動電圧を印
加した時のピーク熱流速は100[MW/m^2]を越
えており、特に発泡時には140[MW/m^2]まで
上昇している。このためより安定した強力な発泡を前述
のようなインクの場合であっても生じさせることができ
る。また発泡時点までにヒータ表面上10μm厚のイン
クは図29に見られるように69.6℃となり、吐出す
るインクを十分加熱する効果が得られた。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
に複数の駆動信号を用いて1回の発泡を生じさせる駆動
方法では、多くのノズルからインクを吐出する場合には
不便が生ずる。通常、高速な印字を実現するために印字
ヘッドには多くのノズルが備えられているが、これらの
ノズルのヒーターを同時に駆動すると電源に対する負荷
が非常に大きくなってしまう。このため、これらのノズ
ルを複数のブロックに分割して各ブロックの駆動に微小
な時間のずれをもたせると共に、ノズルの配置をずらし
て印字結果に影響が出ないように順序よくインクを吐出
させることで、電源に対する負荷を減らすと同時に高速
印字を行うブロック駆動方法がインクジェット記録技
術、熱転写記録技術などで広く用いられている。
【0035】一つのノズルを駆動するためのパルスが単
一パルスである場合、または複数個のパルスで構成され
ていてもそれらのパルスの間の時間間隔が極めて短く実
質上単一のパルスと見なせるような場合には、このよう
なブロック駆動を用いるのにさしたる困難を伴わない。
例えば64本のノズルを8本のノズルを一つのブロック
として8個のブロックに分割し、各ノズルを3μSのパ
ルスで駆動する場合、各ブロックの第一ノズルを同時に
駆動し、数μS後に各ブロックの第二ノズルを駆動す
る。以下このようにして全ブロックのノズルを駆動す
る。このようにすれば全ノズルを短い時間のうちに駆動
し、印字ずれを軽減し、しかも同時駆動による電源への
負荷を減らすことが出来る。
【0036】しかしながら例えば上述の例のように一つ
のノズルへの駆動パルスが5つのパルス列で構成され、
さらに5つのパルスの間の間隔があらかじめ決められて
いる場合には、上述のブロック駆動法を自由に適用する
ことが困難となる。例えば、本発明を成すに当たって検
討を行った公知技術ではない駆動信号印加例を示す図3
0は、幅が1μsの3つの前置パルス(予備加熱)と、
幅が3μsの駆動パルス(発泡を直接生じさせるための
パルス)本体からなり、各パルスの間隔が7μsである
パルス列を示している。ここでは8ブロックからなるノ
ズル列を駆動する場合を示した。ブロック駆動の場合
は、全ブロックの駆動終了が早い方が、記録画像のずれ
を生じない等の観点から好ましいため、第1ブロックの
第1信号と第2信号の間に第2ブロックの第1信号が入
るように駆動することが必要であるが、本例では、第1
ブロックの駆動信号に対して1μsずれて第2ブロック
を駆動し、さらにそこから1μS遅れて第3ブロックを
駆動し、以下第8ブロックまで駆動する例を示してい
る。
【0037】この例では各ブロックへの駆動信号が1μ
Sずれているので前置パルス幅1μSは重ならないが、
駆動パルスの幅が3μSあるため、第1ブロックの駆動
パルスと第2ブロックの駆動パルスが2μS程重なって
しまう。このとき電流値は2倍となるため電源の電流容
積が2倍必要となってしまう。さらにこの例では、第3
ブロック以降のブロックの駆動信号が重なり実際には3
倍の電流容量が必要となる。そこで駆動パルスどうしが
重ならないように各ブロックを3μSずつずらせて駆動
すると駆動パルス同志は重ならなくなるが第一ブロック
の駆動パルス信号と第4ブロックの第4前置パルスと第
7ブロックの第3前置パルスとが重なり2μSの間、2
倍の電流容量が必要となってしまう。
【0038】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であり、2つ以上の前置パルスを用いてブロック駆動を
行う記録制御において、異なるパルス幅のパルスを含む
パルス列の駆動タイミングを適切に調整し、ブロック間
における駆動タイミングの重なりを防止し、駆動時の電
源負荷を軽減する記録装置及びその制御方法を提供する
ことを目的とする。
【0039】また、本発明の目的は、上記の様な電源負
荷の軽減を実現するとともに、転移温度を有するインク
を十分に加熱した状態で吐出させることを可能とし、被
記録材上でのインクの挙動を適切にコントロールし、高
画質な画像記録を可能とする記録装置及びその制御方法
を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するための本発明の記録装置の主たる構成は、熱を用い
て記録を行うための記録素子を複数有する記録ヘッド
と、パルス幅aでm−1(m−1>2)個の予熱パルス
と、該予熱パルスより長いパルス幅bであって直接記録
に関わる1つの駆動パルスと、各パルス間の間隔が等間
隔でa×(m−1)+b以上であるm個のパルスで構成
される駆動パルス列を生成するパルス生成手段と、前記
複数の記録素子を複数のブロックに分割し、先行して駆
動されたブロックの駆動パルス列の第2番目のパルスの
直前に次のブロックの駆動パルス列の供給を行うこと
で、該ブロック単位で前記記録素子を駆動して記録を行
わせる駆動手段である。もしくは、熱を用いて記録を行
うための記録素子を複数有する記録ヘッドと、複数の予
熱パルスと直接記録に関わる1つの駆動パルスとの計m
個のパルスと、該m個のパルスのパルス幅の合計時間以
上の間隔を各パルス間に有する駆動パルス列を発生する
パルス発生手段と、前記複数の記録素子を複数のブロッ
クに分割し、あるブロックの前記駆動パルス列の第2の
予熱パルスの直前に、次に続くブロックの前記駆動パル
ス列の第1の予熱パルスを印加することで、ブロック単
位で前記記録素子を駆動して記録を行わせる駆動手段と
を有する装置である。
【0041】また、本発明の記録装置の制御方法は、熱
を用いて記録を行うための複数の記録素子を複数のブロ
ックに分割し、各ブロックに対して入力された駆動パル
ス列に基づいてブロック単位で記録素子を駆動する手段
を備えた記録装置の制御方法であって、パルス幅aでm
−1(m−1>2)個の予熱パルスと、該予熱パルスよ
り長いパルス幅bであって直接記録に関わる1つの駆動
パルスと、各パルス間の間隔が等間隔でa×(m−1)
+b以上であるm個のパルスで構成される駆動パルス列
を生成し、前記複数の記録素子を複数のブロックに分割
し、先行して駆動されたブロックの駆動パルス列の第2
番目のパルスの直前に次のブロックの駆動パルス列の供
給を行うことで、該ブロック単位で前記記録素子を駆動
して記録を行わせる。
【0042】もしくは、熱を用いて記録を行うための複
数の記録素子を複数のブロックに分割し、各ブロックに
対して入力された駆動パルス列に基づいてブロック単位
で記録素子を駆動する記録手段を備えた記録装置の制御
方法であって、複数の予熱パルスと直接記録に関わる1
つの駆動パルスとの計m個のパルスと、該m個のパルス
のパルス幅の合計時間以上の間隔を各パルス間に有する
駆動パルス列を発生し、前記複数の記録素子を複数のブ
ロックに分割し、あるブロックの前記駆動パルス列の第
2の予熱パルスの直前に、次に続くブロックの前記駆動
パルス列の第1の予熱パルスを印加することで、ブロッ
ク単位で前記記録素子を駆動して記録を行わせる記録装
置の制御方法である。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好適な実施形態を説明する。
【0044】<第1の実施形態> [インクジェット記録装置について]まず、本実施形態
によるインクジェット記録装置を説明する。
【0045】インクジェット記録装置として、第一に、
熱エネルギーを利用した装置の主要部であるヘッド構成
例を図2、図3、および図4に示す。図2は複数の吐出
口を有するマルチヘッドの概観を示す図である。図3は
図2のマルチヘッドの一つのインク流路に沿った断面図
である。また、図4は図3のX−Y線での断面図であ
る。
【0046】図2において、1は複数のインク流路2を
有するヘッドである。インク流路2に沿った断面図(図
3)、図3のX−Y断面図(図4)を用いてヘッド1の
構成を更に説明する。ヘッド1はインクを通す流路(ノ
ズル)2を有するガラス、セラミック、シリコンまたは
プラスチック板等と発熱素子基板3とを接着して得られ
る。発熱素子基板3は酸化シリコン、窒化シリコン、炭
化シリコン等で形成される保護層4、アルミニウム、
金、アルミニウムー銅合金等で形成される電極5、HfB
2,TaN,TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層
6、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される
蓄熱層7、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム
等の放熱性の良い材料で形成される基板8より成り立っ
ている。
【0047】上記ヘッドの電極5にパルス状の電気信号
(駆動信号)が印加されると、発熱素子基板3のhで示
される領域が急速に発熱し、この表面に接しているイン
クに気泡が発生し、その発生する圧力でメニスカス10
が突出し、インクがヘッドのノズル2を通して吐出し、
オリフィス11より記録小液滴12となり、被記録材1
3に向かって飛翔する。
【0048】図5は、上述のヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す図である。図5におい
て、61はワイピング部材としてのブレードであり、そ
の一端はブレード保持部材によって保持固定されてお
り、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘ
ッドによる記録領域に隣接した位置に配置され、記録ヘ
ッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接
し、キャッピングを行なうキャップ62を備える。さら
に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収
体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路
中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キ
ャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成
され、ブレード61および吸収体63によって吐出口面
における水分、塵埃等の除去が行なわれる。
【0049】65は、駆動信号を受けることで熱エネル
ギーを発生する吐出エネルギー発生手段(電気熱変換
体)を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録
材にインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド、66は
記録ヘッド65を登載して記録ヘッド65の移動を行な
うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸
67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモー
タ68によって駆動されるベルト69と接続している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域およびそ
の隣接した領域の移動が可能となる。51は被記録材を
挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆
動される紙送りローラである。これらの構成により記録
ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙さ
れ、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排
紙部へ排紙される。
【0050】以上の構成において記録ヘッド65が記録
終了してホームポジションへ戻る際、ヘッド回復部64
のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避し
ているが、ブレード61は移動経路中に突出している。
その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされ
る。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当
接してキャッピングを行なう場合、キャップ62は記録
ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘ
ッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動す
る場合、キャップ62およびブレード61は上記したワ
イピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、こ
の移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピン
グされる。
【0051】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行なわれる。図6は、記
録ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して供
給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を
示す図である。ここで40は供給溶インクを収納したイ
ンク収容部、例えばインク袋であり、その先端にはゴム
製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図
示)を挿入することにより、インク袋40中のインクを
ヘッドに供給可能にならしめる。44は廃インクを受容
するインク吸収体である。インク収容部としてはインク
との接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成
されているものが好ましい。
【0052】本実施形態で使用されるインクジェット記
録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリ
ッジとが別体となったものに限らず、図7に示すような
それらが一体になったものにも好適に用いられる。図7
において、70は記録ユニットであり、この中にはイン
クを収容したインク収容部、例えばインク吸収体が収納
されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリ
フィスを有するヘッド部71からインク滴としてと出力
される構成になっている。インク吸収体の材料としては
ポリウレタンを用いることが本実施形態にとって好まし
い。また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部
にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でも良
い。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための
大気連通口である。この記録ユニット70は図2に示す
記録ヘッドに換えて用いられるものであって、キャリッ
ジ66に対し着脱自在になっている。
【0053】[駆動方法について]図8は本実施形態に
よるインクジェット記録装置の概略の制御構成を示すブ
ロック図である。同図において、101はCPUであ
り、当該インクジェット記録装置における各種制御を実
現する。102はROMであり、CPU101が実行す
る各種の制御プログラムやデータを格納する。103は
RAMであり、CPU101が各種制御を実行する際の
作業領域を提供する。また、RAM103は、入力した
印刷データを展開して得られた画像データを格納する領
域を含む。
【0054】104はインターフェースであり、ホスト
コンピュータ等の外部機器より印刷データを受信する。
105はタイミング制御部であり、印刷駆動時における
電力消費量が1ブロック当たりの電力消費量を越えない
ように各ブロックの駆動タイミングを制御する。106
はヘッド駆動部であり、RAM103に格納された画像
データに基づいて、記録ヘッドの各ノズルをブロック単
位で駆動し、可視画像を形成する。なお、本実施形態で
は、第1ブロック〜第8ブロックの8個のブロックに分
割して駆動するものとする。なお、ヘッド駆動部106
におけるブロック分割駆動は周知の回路構成を用いるも
のとする。
【0055】図9は、タイミング制御部105の構成を
示すブロック図である。同図において、201はクロッ
ク発生器であり、本実施形態のインクジェット記録装置
において使用される各種クロックの元となるクロックを
発生する。202は分周器であり、クロック発生器20
1より発生したクロックより1μS周期のクロックパル
スを発生する。この1μSのクロックパルスは、インク
ジェットヘッドの駆動パルスの生成に用いられる。21
1〜218はカウンタであり、そのカウントアップ信号
が後述の駆動パルス発生部によるパルス列の発生開始信
号に用いられる。221〜228は各ブロックに対して
駆動パルスを発生する駆動パルス発生部であり、同図に
示されるように、1μS幅の4個の前置パルスと、3μ
S幅の1個の駆動パルスが7μS間隔で並んだパルス列
を生成する。なお、これら駆動パルス発生部221〜2
28によるパルス列生成は、それぞれに接続されたカウ
ンタ211〜218のカウントアップ信号によって開始
される。また、駆動パルス発生部におけるパルス列の発
生は、分周器202よりの1μSのクロックパルスに同
期してなされる。
【0056】カウンタ211〜218には初期値「7」
がセットされる。まず、カウンタ211がクロック発生
器201からのクロックパルス入力をカウントし、カウ
ントアップするとカウントアップ信号が駆動パルス発生
部221に入力され、同図に示す様なパルス列の発生を
開始する。また、カウンタ211のカウントアップ信号
は、カウンタ212のイネーブル信号としてカウンタ2
12に入力される。カウンタ212はイネーブル信号の
立ち上がりカウントアップ値7をセットし、クロックパ
ルスの計数を開始する。そして、カウンタ212が7個
のクロックパルスを計数すると、カウントアップ信号が
駆動パルス発生回路222へ入力されるルとともに、イ
ネーブル信号としてカウンタ213へ供給される。以上
の様な動作をカウンタ218まで行うと、カウンタ21
8のカウントアップ信号をカウンタ211のイネーブル
信号として用いる。
【0057】図31は、ヘッド駆動部106の回路構成
を示すブロック図である。同図において,シフトレジス
タ311は、印字データを画素クロックに同期してシリ
アルに入力し、8ブロック分のビットデータをパラレル
に出力する。なお、RAM103からシフトレジスタへ
の印字データのシリアル転送は、図9のクロック発生器
201より発生したクロックを分周器300で分周して
得られた転送クロックに同期して行われる。
【0058】ラッチ312はCPU101よりのイネー
ブル信号に同期してラッチ動作を行うことにより、シフ
トレジスタ311より8ブロック分のビットデータがそ
ろって出力された時点でその出力を保持する。ラッチ3
12に保持されたビットデータは、第1〜第8ブロック
コントローラに分配されて入力される。
【0059】第1〜第8ブロックコントローラは、図示
のごとく複数のアンド回路で構成され、それぞれ駆動パ
ルス発生部221〜228(図9)よりの第1〜第8ブ
ロックパルス列とビットデータとのアンドを出力する。
例えば、第1ブロックコントローラ313は、駆動パル
ス発生部221よりの第1ブロックパルス列と、ラッチ
312よりの当該ブロックの各画素に対応するビットデ
ータとのアンドをとり、この結果が第1ブロックのヒー
タ駆動部321へ出力される。この結果、ビットデータ
が1となっている画素に対応する記録素子のヒータは、
第1ブロックパルス列のオンオフタイミングに従って駆
動されることになる。
【0060】図10、図11A,Bは上述の回路構成に
よるインクジェット記録装置のブロック駆動タイミング
を示す図であり、図30に示したようなパルスの重なり
による不具合を解決した駆動タイミングを説明するため
の図である。本実施形態では各パルス幅が1μsであり
その数が2個以上である(ここでは4個とする)予熱パ
ルス(予熱信号)と3μsの幅からなる駆動パルス(駆
動信号)がそれぞれ7μsの等間隔をあけて並んでいる
場合について説明する。本実施形態においては、前提と
して全ブロックのパルスの印加を終わるまでの時間を短
くするために、まず、第1ブロックの第1の予熱パルス
と第2の予熱パルスとの間に第2のブロックの第1の予
熱パルスが位置するように駆動し、続いて第2ブロック
の第1予熱パルスと第2予熱パルスとの間に第3ブロッ
クの第1の予熱パルスが入るように順次各ブロックの第
1予熱パルスを先行するブロックの第1予熱パルスと第
2予熱パルスとの間に入るように信号を与えている。そ
して、本実施形態では、各パルス間の間隔が各ブロック
の1回の駆動(吐出)を行わせるためのパルス群の合計
パルス長さ(本実施形態では1μsの予熱パルス4つと
3μsの駆動パルスとの合計で7μs)以上の長さで設
定している(本実施形態では等しい長さとしている)。
また、第2ブロックの第1の予熱パルスが第1ブロック
の第2の予熱パルスの直前に位置するようになされ、以
下同様に第3ブロックの第1予熱パルスが第2ブロック
の第2予熱パルスの直前に位置するように成されている
(なお、ここで述べる直前とは両者のパルスの間に時間
的に他の予熱パルスが入る余地が無い程度に先行してい
る、という意味である)。以下同様に第4ブロックから
第8ブロックまでのパルスを配置している。この結果ど
のパルスも他のブロックのパルスと干渉し合うことがな
いため電源が供給しなければならない電流は単独パルス
の場合と変らず、図30の場合のように2倍、3倍の電
流容量を持った電源を用意する必要がなくなった。
【0061】図11A,Bはこのような駆動方法におい
て各ブロックに第2、第3のパルス列を印加した例であ
る。この例では第1ブロックの第2のパルス列を最も早
く印加した例である。この場合には、第1ブロックの第
2のパルス列における最初の予熱パルスが、第4ブロッ
クの駆動パルスの直後におかれている。これより時間的
に早く置くことはできない。すべてのブロックの第1の
パルス列の予熱パルスまたは駆動パルスが印加されてい
るからである。この例では第1の駆動信号パルス列に対
して第2の駆動信号パルス列は56μS遅れて印加され
ている。すなわち一つのブロックに注目すると約17.
9kHzで駆動できることが理解される。
【0062】なお、上記実施形態では、5個のパルスか
らなるパルス列(1μS幅の4個の予熱パルスと、3μ
S幅の1個の駆動パルス)の場合を説明したが、パルス
の個数、ブロック数等はこれに限らない。いま、ブロッ
ク数をn個、パルス列(発泡を生じさせ1回の吐出を行
うパルス群)のパルス数をm個(m−1個の予熱パルス
と1個の駆動パルス)、予熱パルスのパルス幅をaμ
S、駆動パルスのパルス幅をbμSとした場合、パルス
列内の各パルス間隔は以下のように表される。
【0063】n≦mのとき、
【0064】
【数3】
【0065】また、n>mのとき、
【0066】
【数4】
【0067】上述の(3)式、(4)式に従えば、パル
ス列のパルス数とブロック数との関係に応じて適切なパ
ルス間隔が得られることになる。例えば、図10、図1
1A、Bに示した例では、n=8、m=5、a=1、b
=3であり、n>mであるから(4)式が適用されて、
パルス間隔=7μSとなる。そして、このパルス間隔7
μSを、タイミング制御部105のカウンタ211〜2
18に格納することで図11A,Bに示す様なタイミン
グでパルス列を発生することができる。
【0068】以上のように第1の実施形態によれば、複
数の予熱パルスを有し、複数のブロックで駆動を行う場
合であっても、また、パルス列を構成する予熱パルスと
駆動パルスのパルス幅が異なっていても、ブロック間の
パルスが干渉しあうことがなくなることで、1ブロック
分の電源容量を備えれば足り、低電源容量化を図ること
ができる。
【0069】<第2の実施形態>第1の実施形態に対
し、第1ブロックの第2の駆動信号の印加方法を変えた
第2の実施形態を図12A,Bに示す。この例では第5
ブロックの駆動パルスの直後に第1ブロックの第2のパ
ルス列を印加開始した。この場合、第2のパルス列の印
加開始に関する規則は少し緩やかである。図12A,B
のtotalとして示した前パルスによる合計を見ると
64μSのところに隙間が出来ている。すなわち第5ブ
ロックの駆動信号の印加終了の後、最初に印加される他
ブロックのパルスは第8ブロックの第3前置パルスであ
り、これが2μS遅れるためである。従って、1μSの
パルス幅を持つ第1ブロックの前置信号はこの2μSの
幅に納まれば他のパルスと重なり合うことはない。この
例での駆動周波数は15.9KHz程度となる。
【0070】以下同様に第6、第7のブロックの駆動信
号パルスの後に第1ブロックの第1の前置パルスを印加
する事が出来る。このとき印加開始するタイミングは順
に3μS、4μSの幅の中に1μSのパルスが納まれば
よいこととなる。いずれの場合も、第1、第2の実施形
態に対して、第2の駆動信号の印加開始が若干遅れる
分、駆動周波数も若干低くなることは当然の帰結であ
る。なお、第8ブロックの駆動信号よりも後に第1ブロ
ックの第2の駆動信号を印加する場合は、かち合う他ブ
ロックのパルスは全く存在していないので自由な時刻に
駆動信号を印加出来ることは言うまでもない。
【0071】なお、以上の様なパルス列の印加タイミン
グを制御する構成としては、図9において、カウンタ2
18のイネーブル信号を更に遅延させてカウンタ211
へ供給すようにすればよい。例えば、図12A,Bの例
では、カウンタ218のカウントアップ信号を6μS遅
延してカウンタ211へ供給する。
【0072】<第3の実施形態>第3の実施形態を図1
3A,Bに示した。この例ではこれまでの例と同じパル
ス列の構成であるがブロック数が6である場合を示し
た。この例では最も早く第1ブロックの第2の駆動信号
を印加した場合を示した。第2の信号の印加開始が第1
の信号の印加開始の後42μs後なので駆動周波数はお
よそ23.8KHzである。
【0073】なお、第3の実施形態では、n=6、m=
5、a=1、b=3であり、n>mであるから、(4)
式が適用されて、パルス間隔は7μSとなる。
【0074】<第4の実施形態>上記第3の実施形態と
同様の構成(ブロック数=6個、パルス列のパルス数=
5個)で、第2のパルス列の印加開始を少し遅らせた例
を、第4の実施形態として図14A,Bに示す。第2の
パルス列の印加開始は第1の駆動信号のそれに対して4
9μ遅れている。駆動周波数は約20.4KHzであ
る。
【0075】<第5の実施形態>第5の実施形態として
駆動ブロック数が9の場合を図15A,Bに示した。こ
の例では第1ブロックの第2の駆動信号の第1の前置パ
ルスが第5ブロックの駆動パルスの直後に印加されてい
る。ブロック数が9であるこのような駆動方法ではこれ
が可能な最も早い第2の駆動信号パルス列の印加方法で
ある。この時の駆動周波数は図12A,Bで示した第2
の実施形態と等しい。これを図11A,Bの第1の実施
形態と比較してみると第9ブロックの第1の信号の印加
が第1の実施形態の第2の駆動信号の印加と全く同じタ
イミングで起こっていると言える。つまり第1の実施形
態の第1ブロックの第2のパルス列を第9ブロックに割
り振ったとみなせる。そして第1の実施形態での第2ブ
ロックの第2のパルス列をこの実施形態での第1ブロッ
クの第2のパルス列に割り当てたと見れば以後のパルス
配列が電源の方から見ればなんら第1の実施形態と変わ
ることがない。
【0076】これはそれぞれの図中totalと示され
た波形が全く同じであることからも直ちに理解できる。
第1の実施形態とこの実施形態の違いはブロック数の違
いが駆動周波数の違いに現れるのみである。もちろん第
1の実施形態に対する第2の実施形態と同様に、第2の
駆動信号がこれよりも遅く、例えばブロックの整数倍だ
け遅れる分にはなんら問題はない。ただしこの場合には
駆動周波数の低下を招くのであまり遅れると近年の印字
の高速化に反することとなる。
【0077】なお、第5の実施形態では、n=9、m=
5、a=1、b=3であり、n>mであるから(4)式
が適用され、パルス間隔は7μSとなる。
【0078】<第6の実施形態>図16A,B〜図23
A,Bはさらに別の実施形態を示している。第6の実施
形態では、パルス列が8個の前置パルスと1個の駆動パ
ルスを有する(m=8)構成において、ブロック数が2
から9の場合の駆動タイミングを示す。
【0079】図16A,Bの例では、前置パルスが7個
ありかつ全ブロック数が2である場合を示している。こ
の場合、n=2、m=8、a=1、b=3であり、n<
mであるから(3)式が適用され、パルス間隔は3μS
となる。
【0080】図17A,Bは全ブロック数が3の場合を
示す。この場合は、n=3、m=8、a=1、b=3で
あり、n<mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は4μSとなる。
【0081】図18A,Bは全ブロック数が4の場合を
示す。この場合は、n=4、m=8、a=1、b=3で
あり、n<mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は5μSとなる。
【0082】図19A,Bは全ブロック数が5の場合を
示す。この場合は、n=5、m=8、a=1、b=3で
あり、n<mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は6μSとなる。
【0083】図20A,Bは全ブロック数が6の場合を
示す。この場合は、n=6、m=8、a=1、b=3で
あり、n<mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は7μSとなる。
【0084】図21A,Bは全ブロック数が7の場合を
示す。この場合は、n=7、m=8、a=1、b=3で
あり、n<mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は8μSとなる。
【0085】図22A,Bは全ブロック数が8の場合を
示す。この場合は、n=8、m=8、a=1、b=3で
あり、n=mであるから、やはり(3)式が適用され、
パルス間隔は9μSとなる。
【0086】図23A,Bは全ブロック数が9の場合を
示す。この場合は、n=9、m=8、a=1、b=3で
あり、n>mであるから(4)式が適用され、パルス間
隔は10μSとなる。
【0087】なお、第6の実施形態の各図で示したタイ
ミングは、タイミング制御部105に設けるカウンタの
数を変更することで達成できることは明らかである。な
お、図18A,Bに示した前置パルス数が4個の場合の
最大駆動周波数がおおよそ15.9kHzであるのに対
して、前置パルスが7個であると11.1kHzとな
る。
【0088】図16から図22までを用いたn≦mの場
合の説明で(3)式を適用したがこれはもっとも効率的
な駆動方法を追及した場合について述べたものであっ
て、この場合に(4)式を適用した駆動方法を採用する
ことに何等問題があるわけではない。このときどちらの
式を採用しても本発明の範囲に含まれることは言うまで
もない。
【0089】<第7の実施形態>第7の実施形態では、
パルス幅1μSの前置パルスが3個、パルス幅4μSの
駆動パルスが1個のパルス列を用いる場合のタイミング
を説明する。図24A,B〜図26A,Bはそれぞれブ
ロック数が3、4、5の場合のタイミングを示す。
【0090】図24A,Bは全ブロック数が3の場合を
示す。この場合は、n=3、m=4、a=1、b=4で
あり、n<mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は5μSとなる。
【0091】図25A,Bは全ブロック数が4の場合を
示す。この場合は、n=4、m=4、a=1、b=4で
あり、n=mであるから(3)式が適用され、パルス間
隔は6μSとなる。
【0092】図26A,Bは全ブロック数が5の場合を
示す。この場合は、n=5、m=4、a=1、b=4で
あり、n>mであるから(4)式が適用され、パルス間
隔は7μSとなる。
【0093】以上説明したように上記各実施形態に示し
た駆動方法によれば、複数の前置パルスとこれら前置パ
ルスとはパルス幅の異なる駆動パルスを含んだパルス列
によって駆動する方式を用いて、いわゆるブロック駆動
を行うような場合においても、ブロック間で信号が重な
り合うことを防止できる。このため、1ブロックに必要
な電力量以上の負荷を電源にかけることなく、安価な装
置でインクの吐出を行うことができるようになる。ま
た、この結果、ブロック駆動を行うとともに、転移温度
のあるインクに好適な駆動形態を適用することができ
る。従って、被記録材を加熱することなく加熱でき、良
好にインクを吐出させることができる。
【0094】この結果、被記録材表面で転移を起こすこ
とが出来、所望の物質変化をインクに起こすことがなく
記録品位を向上させることが出来た。また、この記録方
法及びインクの組み合わせでは、画像形成が蒸発と浸透
のみに依存するものではないため、高いODを得ながら
高品位記録に欠かすことのできないフェザリング、混色
にじみ(ブリーディング)の問題も同時に解決すること
が出来る。
【0095】以上述べてきた実施形態では、転移温度の
あるインクを前置マルチパルスで加熱しながら吐出を行
って画像記録を行う方法について説明してきたが、この
ような特殊なインクでなく、従来から用いられてきたイ
ンクの吐出に用いてもさしつかえない。このときにはイ
ンクの吐出速度、吐出量などの向上に非常に有効であ
る。
【0096】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0097】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0098】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0099】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0100】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0101】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0102】(その他の実施形態)上述した各実施形態
に適用可能なインクジェット記録用のインクに関する説
明を以下に行う。
【0103】まず、本実施形態の駆動方法に係わるイン
クに用いる、転移温度で解離溶解・会合増粘する熱可逆
型増粘性を示す高分子について述べる。熱可逆型増粘性
を示す高分子とは、その水溶液、水懸濁液などが一定の
温度(転移温度)以上で増粘し、かつ、温度−粘度の関
係が可逆的である高分子である。
【0104】本実施形態の駆動方法に係わる高分子は、
窒素含有環を有する活性水素化合物のアルキレンオキシ
ド付加物のビニル系カルボン酸エステル(a)を構成単
位として50wt%以上含有する水溶性ビニル系重合体
(A)で、さらに、前記化合物(a)が、(置換)モリ
ホリンのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオ
キシド1〜20モル付加物の(メタ)アクリル酸エステ
ルである化合物である。
【0105】上記窒素含有環を有する活性水素化合物と
しては、窒素含有環とアルキレンオキシドが付加するた
めの活性水素を有する化合物であり、例として、窒素含
有脂環式化合物[アジリジン環を有するもの;アジリジ
ン、2−メチルアジリジン、ピロリジン環を有するも
の;ピロリジン、2−メチルピロリジン、2−ピロリド
ン、スクシンイミド、ピペリジン環を有するもの;ピペ
リジン、2−メチルピペリジン、3,5−ジメチルピペ
リジン、2−エチルピペリジン、4−ピペリジノピペリ
ジン、4−ピロリジノピペリジン、エチルピペコリネー
ト、ピペラジン環を有するもの;1−メチルピペラジ
ン、1−メチル−3−エチルピペラジン、モルホリン環
を有するもの;モルホリン、2−メチルモルホリン、
3,5−ジメチルモルホリン]および、ε−カプロラク
タム、窒素含有不飽和環状化合物;3−ピロリン、2,
5−ジメチル−3−ピロリン、2−ヒドロキシピリジ
ン、4−ピリジカルビノール、2−ヒドロキシピリミジ
ン等が挙げられる。
【0106】これらのうち、好ましいものは、窒素含有
脂環式化合物であり、さらに好ましくはピペリジン環を
有するものおよびモルホリン環を有するもの、最も好ま
しいものはモルホリン環を有するものである。また、本
実施形態の駆動方法におけるアルキレンオキシドはエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
が好適である。
【0107】本実施形態における前記高分子の転移温度
の調整は、アルキレンオキシドの種類や付加モル数を調
節することで容易に実現できる。例えば、エチレンオキ
シドの場合は、付加モル数を尾臆すると転移温度は上昇
し、プロピレンオキシドやブチレンオキシドの場合は付
加モル数の増加で転移温度は低くなる。アルキレンオキ
シドの付加モル数としては1〜20モルが好ましく、よ
り好ましくは1〜5モルである。
【0108】上記エステル(a)は、上述のアルキレン
オキシド付加物とビニル系カルボン酸とのエステルであ
り、ビニル系カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、
アクリル酸、マレイン酸、ビニル安息香酸、及びこれら
の誘導体が好ましく、特に好ましくは、(メタ)アクリ
ル酸、及び(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。さ
らに、ビニル系重合体(A)は、エステル(a)1種類
以上の重合体、エステル(a)1種類以上と他のビニル
系モノマー(b)との共重合体で、(a)1種類以上を
その構成単位として50wt%以上含有すれば良い。
【0109】他のビニル系ポリマー(b)としては、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリル酸、
(無水)マレイン酸、スチレンスルホン酸、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、メチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)
アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン等が好適で
ある。
【0110】なお、ビニル系重合体(A)を構成するモ
ノマーのうち、(a)の構成比により、増粘の温度幅が
変化し、温度幅をできる限り小さくするために、(a)
の構成比は、好ましくは50wt%以上であり、より好
ましくは、70wt%以上である。
【0111】上記高分子を水溶液とした場合、一定の転
移温度までは温度上昇にともなって粘度は低下するが、
転移温度を越えると高い勾配で粘度は上昇する。さら
に、温度・粘度関係がヒステリシスをほとんど持たない
特徴がある。その5%水溶液を1℃/minの昇温速度
で加熱した時、その粘度の温度勾配が転移温度以上で4
0mPa・s/℃以上であるため被記録材上での十分な
増粘効果が得られる。
【0112】また、転移温度は前述のように、高分子を
構成するエステル中のアルキレンオキシドの種類や付加
モル数を変化させることで容易に所望の温度に調整でき
るため、温度上昇特性が形態、記録方法などによって変
化する種々の記録ヘッドに適用可能である。ただし、転
移温度はインク中の塩、界面活性剤、溶剤などの添加成
分の種類、量によって変化するので、適用するインク組
成での転移温度を用いる必要がある。
【0113】前記高分子5%水溶液の温度・粘度関係の
一例を図1に示す。用いた高分子化合物は、2−(2−
モルホリノエトキシ)エチルメタクッレート(モルホリ
ンのエチレンオキシド2モル付加物とメタクリル酸との
エステル)100部を2,2−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)0.1部とをアンプルに加え、凍
結脱気後密閉し、60℃、8時間重合させて得たもので
ある。図中実線は水溶液を1℃/minで昇温させた場
合、点線は、1℃/minで降温させた場合であり、転
移温度は46℃である。
【0114】本実施形態の駆動法に関るインクにおいて
は、添加する高分子の分子量及び添加量はインクジェッ
ト記録用インク粘度の許容範囲内(20mPa・s以
下)に納める必要があり、重量平均分子量は1万以上1
00万以下の範囲がよい。ここで、分子量が100万を
越えると分子鎖が長くなりすぎ、再溶解速度が低下した
り、曳糸性が出るので好ましくない。分子量1万以下の
場合は、増粘降下が弱いので添加量を多くする必要があ
り、好ましくは2〜10wt%である。また、分子量1
00万の場合は、少量の添加で十分な増粘効果を示し、
好ましい添加量は0.005〜3%である。また、分子
量が異なる高分子を混合使用しても本実施形態の効果は
十分に得られる。
【0115】また、本実施形態の駆動方法にかかわるイ
ンクは前記可逆型増粘性を示す高分子を含有すれば十分
な記録特性を得られるが、さらに転移温度以上で増粘効
果を上げるためには、該インクに疎水性微粒子分散体を
含有させると一層の増粘効果が得られることを見出し
た。即ち、転移温度以上では熱可逆型増粘性を示す高分
子の水和性が低下し、疎水滴状態になる。この状態のと
きにアクリルエマルションのような疎水性(ポリマー)
微粒子分散体が共存すると、高分子と疎水性微粒子との
親和力が該高分子の水との親和力にまさるため、高分子
が溶液中に分散している微粒子を巻き込んで会合するこ
とにより系全体を高分子単独の場合より増粘させると考
えられる。微粒子の共存による増粘効果の上昇率は使用
する微粒子の種類、添加量、分散剤の種類、その量によ
って変動するが、本発明者らの実験では、10〜50%
の上昇がみられた。使用可能な微粒子としては、アクリ
ル系エマルション、スチレン−アクリル系エマルショ
ン、スチレン−ジビニルベンゼン系エマルション、ウレ
タン系エマルション、シリコーン−アクリル系エマルシ
ョンなどであり、固形分が8〜40%で、粒子径が10
〜80nm、pH6.0〜8.5のものを、インク中に
0.1〜10wt%添加すると良い。なお、ポリマーは
耐熱性、硬度が高いものを選択すべきであり、架橋度が
高いものほどインクジェット用途には適している。特に
インクに熱エネルギーを作用させて記録を行う方法で
は、主たるインク溶媒である水の臨界温度以上であるこ
とが望ましく、具体的には。10%減量温度Tbが30
0℃以上のポリマーが好ましい。上記エマルションのな
かでは特に高架橋度のスチレン−ジビニルベンゼン系
(Tb:380℃)が好適である。
【0116】次に、本実施形態のインクに用いる色材に
ついて説明する。
【0117】使用可能な染料は、本実施形態で使用する
熱可逆型増粘性を示す高分子と相互作用を起こし、転移
温度以上で高分子鎖の会合を促進するものであれば良
く、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応
性染料などが挙げられる。これらは大部分の疎水性色素
骨格と数個のスルホン酸塩(−SO3M)、カルボン酸
塩(−COOM)、アンモニウム塩(NH4X)などの
可溶化基および水素結合性の水素酸(−OH)、アミノ
基(−NH2)、イミノ基(−NH−)等をもち、上述
の高分子と複合体を形成することができる。分散染料は
それ自体は水不溶性であるが、分散剤としてナフタレン
スホン酸塩などの多環系アニオン活性剤と併用するた
め、染料のみかけのイオン性は直接染料と同じくアニオ
ン性であり、上記染料と同様に使用可能である。
【0118】染料の具体例として、C.I.Direct Black1
7、C.I.Direct Black19、C.I.DirectBlack62、C.I.Dire
ct Black154、IJA260、IJA286、C.I.Food Black2、C.I.
Reactive Black5、C.I.Acid Black52、I.C.I Project F
ast Black2、などのブラック染料、C.I.Direct Yellow1
1、C.I.Direct Yellow44、C.I.DirectYellow86、C.I.Di
rect Yellow142、C.I.Direct Yellow330、C.I.Acid Yel
low3、C.I.Acid Yellow38、C.I.Basic Yellow11、C.I.B
asic Yellow51、C.I.Disperse Yellow3、C.I.Disperse
Yellow5、C.I.Reactive Yellow2、などのイエロー染
料、C.I.Direct Red227、C.I.Direct Red23、C.I.Acid
Red18、C.I.Acid Red52、C.I.Basic Red14、C.I.Basic
Red39、C.I.Disperse Red60、IJR-016などのマゼンタ染
料、C.I.Direct Blue15、C.I.Direct Blue199、C.I.Dir
ect Blue168、C.I.Acid Blue9、C.I.Acid Bluer40、C.
I.Basic Blue41、C.I.Acid Blue74、C.I.Reactive Blue
15、などのシアン染料、を挙げることができる。これら
の染料以外でも、可溶化基を減らして耐水性を高めたも
の、溶解度をpH敏感にした特殊なグードのものなどい
ずれも使用可能である。染料のインク中における濃度と
しては溶解度の範囲以内で自由に選択可能で、通常1〜
8wt%が好ましく、布、金属(アルマイト)等への記
録には3〜10wt%が好ましく、さらに記録画像に濃
淡が必要な場合は0.1〜10wt%が好ましい。
【0119】第二の色材としては、カーボンブラックお
よび有機顔料が使用可能である。これらの色材は前記分
散染料と同様に分散剤を使用するために、本実施形態の
高分子化合物と分散剤を介して相互作用をなしえるもの
である。このような顔料はインクジェット記録用に適合
したものであれば使用でき、なかでも黒色インクに用い
るカーボンブラックは、ファーネス法、チャネル法で製
造されたものであって1次粒子径が10〜40mμ、B
ET法による比表面積が50〜300m^2/g、DB
P吸油量が40〜150ml/100gのものが望まし
い。例としては、カーボンブラック(三菱化成製のNo.2
300,No.900,MCF88,No.33,No.40,No45,No.52,MA7,MA8,#2
200B、コロンビヤカーボン社製Raven1255,Raven1060、
キャボット社製Regal330R,Regal660R,Mogul L、DEGUSSA
社製のColor Black FW18,Printex 35,Prentex Uな
ど)、カーボンブラックの表面を酸化処理、プラズマ処
理したもの、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシ
アニン系顔料、イソインドリノン系高級顔料、キナクリ
ドン系高級顔料、ジオキサンバイオレット、ペリノン・
ペリレン系高級顔料などの有機顔料を使用できる。さら
に、上記顔料に分類される色材材料として、染料を体質
顔料に染めつけた、いわゆる染色レーキも本実施形態の
色材として使用可能である。
【0120】さらに、第三の色材として、微粒子の表面
に染料を結合させて染料を水不溶性とした色材微粒子を
挙げることができる。ここで説明する色材微粒子は、シ
ェルの表面に反応性基を有するコア/シェル構造の有機
微粒子に染料が化学結合したものであり、その反応性基
が、[カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシド
基、アミド基、ヒドロキシメチル基、イソシアナート
基]の中から選択されるものである。
【0121】コア/シェル型の微粒子のコアの部分は、
高架橋度のスチレン−ジビニルベンゼン系のポリマーで
あり、その表面に前述の反応性基を導入したものを使用
する。シェルの厚さは染料で充分染着されるように微粒
子径の30%程度が好ましい。具体的には、日本合成ゴ
ム(株)製微粒子分散体S2467が好適である。色材
として用いるにはS2467の性状は粒子径10nm〜
80nm、固形分10%を選択する。この微粒子シェル
をアミノ基で表面変性したものは、例えば、直接染料な
どのようにアニオン製色素イオンとイオン性結合を形成
し、染料で染着することが容易にできる。また、微粒子
シェルをカルボキシル基で変性すれば、塩基性染料のよ
うなカチオン性色素をイオンをもつ染料とイオン性の結
合を形成しシェルを染着できる。
【0122】染着後の色材微粒子は先に述べた顔料と同
様な取扱いをすることにより本実施形態の色材として使
用可能となり、また、微粒子分散体を添加したときと同
様に増粘効果が向上する。さらに、染料のみを使用する
場合より耐水性が向上し、記録画像の堅牢性を高めるこ
とが可能である。
【0123】なお、これまで述べた3種類の色材はそれ
ぞれ単独で用いてよいが、色材微粒子と染料を混合して
使用するか、あるいは色材微粒子とカーボンブラックま
たは有機顔料とを混合して使用すると、増粘効果の上昇
による高発色、粒子を含有することによる記録ドットの
エッジがよりシャープになるなど、記録画像の一層の品
位向上に有利になることは言うまでもない。
【0124】さて、以上のような構成の本実施形態のイ
ンクに、信頼性、保存安定性、あるいは、インクの浸透
性の調節など、よりインクジェット適性を付与するため
に、次に挙げるような保湿剤、溶解助剤を含有しても良
い。
【0125】そのような材料として、1,2−エタンジ
オール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−
エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール200、シ
プロピレングリコール,2,2’−チオジエタノール、
1,2,6−ヘキサントリオール、等のアルキレングリ
コール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセドアミド、ジメチル
スルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン
等の非プロトン性極性溶媒、1,2−ジメトキシエタ
ン,1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエ
タン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノー
ル、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエチルエーテル、1−
メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロ
パノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類、ホルムアミド、2−プロリドン、N−メチル−2−
ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ソル
ビトール、ソルビット、ウレア、1,3−ビス(β−ヒ
ドロキシエチル)ウレアなどが挙げられる。これらのイ
ンク中の含有量は、インク全重量の1〜30%の範囲が
好ましい。
【0126】また、インクジェット記録に本実施形態の
インクを使用する際に、メタノール、エタノール、プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノールなどのアルキルアルコールを含有させると吐出
性が向上し、さらに効果的である。これらのアルコール
類はインク全重量の1〜10%の範囲で含有することが
好ましい。
【0127】さらに必要に応じて、界面活性剤、防錆
剤、防かび剤、酸化防止剤、pH調整剤などの添加剤を
含有することも可能である。
【0128】以上のように本実施形態に係わるインク
は、インクジェット記録で用いられる際、効果的であ
る。インクジェット記録方法としては、インクに熱エネ
ルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録
方法があり、本実施形態のインクは、この種の記録方法
に対して特に好適である。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ブロック駆動を行う記録制御において、異なるパルス幅
のパルスを含むパルス列の駆動タイミングが適切に調整
され、ブロック間における駆動タイミングの重なりが防
止される。このため、駆動時の電源負荷が軽減される。
【0130】また、本発明によれば、上記の様な電源負
荷の低減を実現するとともに、転移温度を有するインク
を十分に加熱した状態で吐出させることが可能となり、
被記録材上でのインクの挙動を適切にコントロールし、
高画質な画像記録が可能となる。
【0131】
【図面の簡単な説明】
【図1】前記高分子5%水溶液の温度・粘度関係の一例
を示す図である。
【図2】複数の吐出口を有するマルチヘッドの概観を示
す図である。
【図3】図2のマルチヘッドの一つのインク流路に沿っ
た断面図である。
【図4】図3のX−Y線での断面図である。
【図5】インクジェット記録装置の一例を示す図であ
る。
【図6】記録ヘッドにインク供給部材、例えばチューブ
を介して供給されるインクを収容したインクカートリッ
ジの一例を示す図である。
【図7】インクジェット記録ヘッドとインクカートリッ
ジが一体である仕様の斜視図である。
【図8】本実施形態によるインクジェット記録装置の概
略の制御構成を示すブロック図である。
【図9】タイミング制御部105の構成を示すブロック
図である。
【図10】第1の実施形態におけるブロック駆動方法の
タイミングを示す図である。
【図11A】第1の実施形態のブロック駆動方法におけ
る連続駆動のタイミングを説明する図である。
【図11B】第1の実施形態のブロック駆動方法におけ
る連続駆動のタイミングを説明する図である。
【図12A】第2の記録周期におけるパルス列の印加開
始タイミングを変えた第2の実施形態の動作タイミング
を示す図である。
【図12B】第2の記録周期におけるパルス列の印加開
始タイミングを変えた第2の実施形態の動作タイミング
を示す図である。
【図13A】第3の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図13B】第3の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図14A】第4の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図14B】第4の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図15A】第5の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図15B】第5の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図16A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図16B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図17A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図17B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図18A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図18B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図19A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図19B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図20A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図20B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図21A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図21B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図22A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図22B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図23A】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図23B】第6の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図24A】第7の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図24B】第7の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図25A】第7の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図25B】第7の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図26A】第7の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図26B】第7の実施形態におけるブロック駆動のタ
イミングを示す図である。
【図27】複数の先行パルスと駆動パルスの印加タイミ
ング例を説明する図である。
【図28】図27で示した印加タイミングでヘッドを駆
動した場合の熱流速を示す図である。
【図29】図27で示したインクタイミングによる10
μm厚インク平均温度の変化を示す図である。
【図30】マルチパルスで構成されるパルス列を用いて
ブロック駆動を行った場合の不具合を説明する図であ
る。
【図31】ヘッド駆動部106の回路構成を示すブロッ
ク図である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体に対して記録を行う記録装置
    において、 熱を用いて記録を行うための記録素子を複数有する記録
    ヘッドと、パルス幅aでm−1(m−1>2)個の予熱
    パルスと、該予熱パルスより長いパルス幅bであって直
    接記録に関わる1つの駆動パルスと、各パルス間の間隔
    が等間隔でa×(m−1)+b以上であるm個のパルス
    で構成される駆動パルス列を生成するパルス生成手段
    と、 前記複数の記録素子を複数のブロックに分割し、先行し
    て駆動されたブロックの駆動パルス列の第2番目のパル
    スの直前に次のブロックの駆動パルス列の供給を行うこ
    とで、該ブロック単位で前記記録素子を駆動して記録を
    行わせる駆動手段とを有することを特徴とする記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記パルス生成手段はブロック数nが前
    記パルス列のパルス数m以下である場合、各パルス間の
    間隔をa×(n−2)+b以上として前記駆動パルス列
    を生成し、ブロック数nがパルス数mよりも大きい場
    合、各パルス間の間隔をa×(m−1)+b以上として
    前記駆動パルス列を生成する請求項1の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス生成手段は、全ブロック数n
    がパルス数mよりも大きい場合、次の記録周期の最初の
    ブロックの駆動パルス列の供給を、その前の記録周期の
    第n−m+1ブロックのメインパルスの直後から開始す
    る請求項1の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス生成手段は全ブロック数nが
    パルス数mよりも大きい場合、次の記録周期の最初のブ
    ロックの駆動パルス列の発生を、その前の記録周期の第
    n−m+1ブロックのメインパルスの直後から開始する
    請求項1の記録装置。
  5. 【請求項5】 被記録媒体に対して記録を行う記録装置
    において、 熱を用いて記録を行うための記録素子を複数有する記録
    ヘッドと、複数の予熱パルスと直接記録に関わる1つの
    駆動パルスとの計m個のパルスと、該m個のパルスのパ
    ルス幅の合計時間以上の間隔を各パルス間に有する駆動
    パルス列を生成するパルス生成手段と、 前記複数の記録素子を複数のブロックに分割し、あるブ
    ロックの前記駆動パルス列の第2の予熱パルスの直前
    に、次に続くブロックの前記駆動パルス列の第1の予熱
    パルスを印加することで、ブロック単位で前記記録素子
    を駆動して記録を行わせる駆動手段とを有する記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは前記記録素子に対応し
    て設けられた吐出口と、該吐出口に連通した流路とを有
    し、前記予熱パルスは発泡を生じない程度の加熱を行う
    パルスであり、前記駆動パルスは発泡を生じる結果とし
    て発生した圧力で前記吐出口からインクの吐出を行うパ
    ルスである請求項1もしくは5の何れかの記録装置。
  7. 【請求項7】 前記パルス生成手段は、次の記録周期の
    最初のブロックの駆動パルス列の供給を、その前の記録
    周期の最終ブロックの駆動パルス列の第2番目のパルス
    以降の何れかのパルスの直前より開始する請求項1もし
    くは5の何れかの記録装置。
  8. 【請求項8】 熱を用いて記録を行うための複数の記録
    素子を複数のブロックに分割し、各ブロックに対して入
    力された駆動パルス列に基づいてブロック単位で記録素
    子を駆動する記録手段を備えた記録装置の制御方法であ
    って、 パルス幅aでm−1(m−1>2)個の予熱パルスと、
    該予熱パルスより長いパルス幅bであって直接記録に関
    わる1つの駆動パルスと、各パルス間の間隔が等間隔で
    a×(m−1)+b以上であるm個のパルスで構成され
    る駆動パルス列を生成し、 前記複数の記録素子を複数のブロックに分割し、先行し
    て駆動されたブロックの駆動パルス列の第2番目のパル
    スの直前に次のブロックの駆動パルス列の供給を行うこ
    とで、該ブロック単位で前記記録素子を駆動して記録を
    行わせる記録装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記駆動パルス列の生成において、ブロ
    ック数nが前記パルス列のパルス数m以下である場合、
    各パルス間の間隔をa×(n−2)+b以上として前記
    駆動パルス列を生成し、ブロック数nがパルス数mより
    も大きい場合、各パルス間の間隔をa×(m−1)+b
    以上として前記駆動パルス列を生成する請求項8の記録
    装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記駆動パルス列の生成において、全
    ブロック数nがパルス数mよりも大きい場合、次の記録
    周期の最初のブロックの駆動パルス列の供給を、その前
    の記録周期の第n−m+1ブロックのメインパルスの直
    後から開始する請求項8の記録装置の制御方法。
  11. 【請求項11】 前記駆動パルス列の生成において、全
    ブロック数nがパルス数mより大きい場合、次の記録周
    期の最初のブロックの駆動パルス列の発生を、その前の
    記録周期の第n−m+1ブロックのメインパルスの直後
    から開始する請求項8の記録装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 熱を用いて記録を行うための複数の記
    録素子を複数のブロックに分割し、各ブロックに対して
    入力された駆動パルス列に基づいてブロック単位で記録
    素子を駆動する記録手段を備えた記録装置の制御方法で
    あって、 複数の予熱パルスと直接記録に関わる1つの駆動パルス
    との計m個のパルスと、該m個のパルスのパルス幅の合
    計時間以上の間隔を各パルス間に有する駆動パルス列を
    発生し、 前記複数の記録素子を複数のブロックに分割し、あるブ
    ロックの前記駆動パルス列の第2の予熱パルスの直前
    に、次に続くブロックの前記駆動パルス列の第1の予熱
    パルスを印加することで、ブロック単位で前記記録素子
    を駆動して記録を行わせる記録装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは前記記録素子に対応
    して設けられた吐出口と該吐出口に連通した流路とを有
    しており、前記予熱パルスは発泡を生じない程度の加熱
    を行うパルスであり、前記駆動パルスは発泡を生じる結
    果として発生した圧力で前記吐出口からインクの吐出を
    行うパルスである請求項8もしくは12の何れかの記録
    装置の制御方法。
  14. 【請求項14】 前記駆動パルス列の生成において、次
    の記録周期の最初のブロックの駆動パルス列の供給を、
    その前の記録周期の最終ブロックの駆動パルス列の第2
    番目のパルス以降の何れかのパルスの直前より開始する
    請求項8もしくは12の何れかに記載の記録装置の制御
    方法。
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