JPH10193405A - 射出成形金型 - Google Patents

射出成形金型

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JPH10193405A
JPH10193405A JP36001796A JP36001796A JPH10193405A JP H10193405 A JPH10193405 A JP H10193405A JP 36001796 A JP36001796 A JP 36001796A JP 36001796 A JP36001796 A JP 36001796A JP H10193405 A JPH10193405 A JP H10193405A
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JP
Japan
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mold
groove
frame
molten resin
wall
Prior art date
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Pending
Application number
JP36001796A
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English (en)
Inventor
Daizo Kotaki
大蔵 小瀧
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Daisan Kanagata Seisakusho Ltd
Original Assignee
Daisan Kanagata Seisakusho Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 射出成形による狭いピッチの網目構造のフ
ィルターや薄板状のプラスチック成形品の一体成形には
金型内のガスまたはエアを完全に排出し、溶融樹脂を金
型全体に均一に行き渡らせる金型の構造と機能が必要で
あり、また、大掛かりで金型製作が困難な構造でないこ
とが要求される。 【解決手段】 上型1および/または下型2には、横
溝5、縦溝6と枠体溝4が形成され、さらに枠体溝4の
中に溶融樹脂9の流入を阻止する壁部3が形成される。
壁部3と縦溝6との境界部分には熔融樹脂9を迂回して
横方向へ流すための迂回路7が形成され、壁部3の上部
と上型1の枠体溝4との間で空間部8を形成する。ま
た、交換入子23を横溝5と縦溝6の形成された金型上
に交換可能な形で設け、交換入子23の中にガス抜き用
の多孔質材料からなる嵌合入子や積層入子27を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、電子機器用の
オイル又はエアフィルター、厨房用品や水まわり品を含
む日用雑貨品のフィルター、例えばすくい網、裏ごし
器、並びに排水用水受け皿などの各種フィルターや、薄
型のケース類のカバーや仕切り板などに利用できるプラ
スチック成形品を成形するための金型に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種枠体部を有する網目状プラ
スチックフィルターや薄板状プラスチック成形品は、成
形の難しさから一体成形ではなくインサート成形をする
のが常識であった。しかし、インサート成形では工数が
多くなることからコストアップになり、さらに枠体部分
と網目や薄板の本体部分との合わせが重要でありそのた
めには熟練工や高価な位置決め装置や溶着装置が必要で
あった。そこで、一体成形を試みたものもあるが以下の
欠点があった。 (1)注入圧力を低圧にして熔融プラスチック材料を注
入すれば材料が末端まで到達せずにゲートから遠い部分
では網目リブや薄板の一部が抜けたり欠けたりする。 (2)注入圧力を高圧にすれば、網目リブ抜けや薄板の
一部の欠けは改善されるものの、そのためには装置を大
型化しなければなならず、また、網目リブの場合はリブ
間が閉塞されるバリが生じてフィルターまたはネットと
しての機能を果たさず、製造工程での圧力調整等も大変
である。 (3)そして致命的なのは、金型内に生じるガスまたは
エアが溜まることで、どんなに注入圧力を高くしても熔
融樹脂がまわりきれないということである。 これらの欠点を解決するために、本出願人は誘導帯を有
するプラスチックフィルターまたは誘導帯溝を有する金
型等の改良手段を、特願平第4−184464号、特願
平4−215614号、特願平第4−308205号、
特願平4−324596号、特願平4−351885
号、特願平5−171075号の出願において提案済み
であるが、さらに歩留まりが良く完全な成形品を得るた
めには、もう一段の工夫が必要である。そのために、本
発明は熔融樹脂の流動を一部で阻害する金型構造とし、
さらにその構造に改良を加えて微細な網目フィルターお
よび薄肉成形品を提供しようとするものである。先行資
料としては、以下の出願があるがいずれも本発明の作用
効果は奏し得ないものである。 (1)特開平6−246796号 プラスチックフィルターの網目部を確実に形成するため
に、熔融樹脂の流入しやすい太径の枠体部に熔融樹脂の
堰止部を設けるものである。網目部の形成には多少の効
果はあるが、堰を乗り越えて熔融樹脂は流れるので流動
力は堰の後部方向へも働いてしまい、枠体部から網目部
へ逆流して完全な網目部を形成する流動力はない。ま
た、金型内で生じるガスまたはエアは堰に突き当たった
時点でも大幅に減少させることはできず、堰から横方向
へ拡散して流動する熔融樹脂とともに網目部方向に流入
して、網目部の形成を阻害してしまう。 (2)特開平2−206517号 平成1年2月の出願であるが、そのときの従来例として
第4図に熔融樹脂の流入を妨害するための小流路が示さ
れている。これは上記特開平6−246796号に開示
されている技術思想とまったく同一のもので、壁を乗り
越えて熔融樹脂が後部の枠体部状の部分に流入する構造
となっている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】射出成形による狭い
ピッチの網目構造のフィルターや薄板状のプラスチック
成形品の一体成形には、以下の課題がある。 (1)金型内に生じるガスまたはエアを完全に排出する
金型構造が必要である。 (2)金型全体に熔融樹脂を均一に行き渡らせる金型構
造が必要である。 (3)熔融樹脂の流動力を高める壁や堰に加えて、金型
内で発生するガスまたはエアを排出する機能が必要であ
る。 (4)上記のガスまたはエアを排出する機能は、大掛か
りで金型製作の困難な構造でないことが要求される。 そこで本発明は、以下に述べる手段により従来の射出成
形の欠点を解決しようとするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明の金型は、以下の
ことを特徴とするものである。請求項1においては、上
型と下型を押し合わせるとともにゲートを介して熔融樹
脂を注入することで枠付きのプラスチック製品を成形す
る金型装置において、以下の構成であることを特徴とす
る射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
体を作るための本体溝 (b)前記本体溝上に、熔融樹脂の流入を容易にするた
めに形成された太径または幅広の誘導路 (c)上型および/または下型に形成される、前記本体
溝を囲うように枠体を作るための枠体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、熔融樹脂の
壁部上方からの通過は阻止するが成形中に金型内に生じ
るガスやエア等は通過させるためのわずかな空間を有
し、かつ、前記誘導路に対抗する位置に設けられ、枠体
の一辺の長手方向の長さに対してほぼ90%以内で10
%以上の長さの壁部 請求項2においては、前記請求項1記載の射出成形金型
に加えて、前記壁部を枠体溝の若干内側に形成して前記
本体溝との間に空間を作り、前記壁部で壁部上方からの
枠体溝への流入を阻止された熔融樹脂を、壁部の横方向
から枠体溝および本体溝へと流入させるための迂回路と
したことを特徴とする。請求項3においては、前記請求
項1および2記載の射出成形金型に加えて、前記壁部の
天面にガスまたはエア溜まりとなる凹部を設けたことを
特徴とする。請求項4においては、前記請求項3記載の
射出成形金型に加えて、前記壁部の天面にガスまたはエ
ア溜まりとなる凹部に直結してガスまたはエアの通路を
形成したことを特徴とする。請求項5においては、上型
と下型を押し合わせるとともにゲートを介して熔融樹脂
を注入することで枠付きのプラスチック製品を成形する
金型装置において、以下の構成であることを特徴とする
射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
体を作るための本体溝 (b)前記本体溝上に、熔融樹脂の流入を容易にするた
めに形成された太径または幅広の誘導路 (c)上型および/または下型に形成される、前記本体
溝を囲うように枠体を作るための枠体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、上型と下型
で完全に押し切り、かつ、前記誘導路に対抗する位置に
設けられ、枠体の一辺の長手方向の長さに対してほぼ9
0%以内で10%以上の長さの壁部 (e)前記壁部で壁部上方からの枠体溝への流入を阻止
された熔融樹脂を、壁部の横方向から枠体溝および本体
溝へと流入させるための迂回路 請求項6においては、前記請求項1ないし5記載の射出
成形金型に加えて、前記壁部を分割して形成し、その間
を熔融樹脂が通過して枠体溝内を流動することでウェル
ドマークの発生を防止することを特徴とする。請求項7
においては、前記請求項1ないし6記載の射出成形金型
に加えて、前記壁部の少なくとも一面にテーパーをつけ
たことを特徴とする。請求項8においては、上型と下型
を押し合わせるとともにゲートを介して熔融樹脂を注入
することで枠付きのプラスチックフィルターを成形する
金型装置において、以下の構成であることを特徴とする
射出成形金型。 (a)縦溝および/または横溝を、上型および/または
下型に設けた網目状フィルターを形成するための網目状
溝 (b)前記網目状溝上に、熔融樹脂の流入を容易にする
ために形成された太径または幅広の誘導路 (c)前記本体溝を囲うように枠体を形成するための枠
体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、熔融樹脂の
壁部上方からの通過は阻止するが成形中に金型内に生じ
るガスやエア等は通過させるためのわずかな空間を有
し、かつ、前記誘導路に対抗する位置に設けられ、枠体
の一辺の長手方向の長さに対してほぼ90%以内で10
%以上の長さの壁部 請求項9においては、上型と下型を押し合わせるととも
にゲートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプ
ラスチック製品を成形する金型装置において、以下の構
成であることを特徴とする射出成形金型。 (a)縦溝および/または横溝を、上型および/または
下型に設けた網目状フィルターを形成するための網目状
溝 (b)前記網目状溝上に、熔融樹脂の流入を容易にする
ために形成された太径または幅広の誘導路 (c)前記網目状溝を囲うように、枠体を形成するため
の枠体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、上型と下型
で完全に押し切り、かつ、前記誘導路に対抗する位置に
設けられ、枠体の一辺の長手方向の長さに対してほぼ9
0%以内で10%以上の長さの壁部 (e)前記壁部で壁部上方からの枠体溝への流入を阻止
された熔融樹脂を、壁部の横方向から枠体溝および本体
溝へと流入させるための迂回路 請求項10においては、前記請求項1ないし9記載の射
出成形金型に加えて、前記本体溝または網目状溝を形成
した金型と、前記枠体溝を形成した金型とを別金型とす
ることを特徴とする。請求項11においては、前記請求
項10記載の射出成形金型に加えて、前記別金型の少な
くとも一方に、下方に向かって末広がりとなるテーパー
を設け、前記別金型を組み合わせたときに金型内に生じ
るガスまたはエアを排出するためのガスまたはエア抜き
通路となることを特徴とする。請求項12においては、
前記請求項8ないし11記載の射出成形金型に加えて、
前記壁部の側部の少なくとも一面にテーパーをつけたこ
とを特徴とする。請求項13においては、前記請求項1
ないし12記載の射出成形金型に加えて、前記壁部の上
部にアールをつけたことを特徴とする。請求項14にお
いては、前記請求項1ないし13記載の射出成形金型に
加えて、前記壁部の長手方向に位置する少なくとも一方
のサイドに段差をつけるための段部を設けたことを特徴
とする。請求項15においては、前記請求項1ないし1
4記載の射出成形金型に加えて、前記壁部を長手方向に
並列に複数設けたことを特徴とする。請求項16におい
ては、前記請求項1ないし15記載の射出成形金型に加
えて、前記壁部を長手方向に直列に複数に分割して設け
たことを特徴とする。請求項17においては、上型と下
型を押し合わせるとともにゲートを介して熔融樹脂を注
入することで枠付きのプラスチック製品を成形する金型
装置において、以下の構成であることを特徴とする射出
成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
体を形成するための溝または凹部 (b)前記溝または凹部のウェルドの生じやすい部分の
一部を切り欠き、その切欠部に嵌合される交換入子 (c)前記交換入子の一部を切り欠き、その切欠部に嵌
合される焼結金属などの多孔質材料からなる嵌合入子 請求項18においては、上型と下型を押し合わせるとと
もにゲートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きの
プラスチック製品を成形する金型装置において、以下の
構成であることを特徴とする射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
体を形成するための溝または凹部 (b)前記溝または凹部のウェルドの生じやすい部分の
一部を切り欠き、その切欠部に嵌合される交換入子 (c)前記交換入子の中心部を切り抜き、その切抜部に
嵌合される複数の積層入子 請求項19においては、前記請求項17および18記載
の射出成形金型に加えて、前記交換入子を長方形の形状
とし、複数の流動路の間に設けるとともに、前記交換入
子と上型および/または下型との長手方向の嵌合面がウ
ェルドラインに沿って位置するように前記交換入子を配
置したことを特徴とする。
【0005】(作用1)本発明のプラスチックは、ゲー
トから流入した熔融プラスチックを太径の流動路を介し
て網目部または薄板状部に供給されるが、その際枠体部
に設けられた熔融樹脂の流入を妨げる壁を設けているの
で、そこで一定圧力を蓄えてから枠体部全体に流入しよ
うとするので、熔融樹脂は枠体部、網目部または薄板状
部の末端まで流入するように働き、低圧成形であっても
微細な網目プラスチックフィルターや薄板状のプラスチ
ック板の成形が可能となる。また、壁の上部は百分の1
ないし5mm程度のわずかな空間しかもたないか、ある
いはまったく空間がない状態にするため、熔融樹脂は壁
を乗り越えては後部の枠体部には流入できず金型内で発
生するガスまたはエアのみが後部の枠体部に追い込まれ
る。そして壁に突き当たった熔融樹脂は、ガスまたはエ
アが減少した状態で、壁の長手方向に形成される迂回路
を経由して枠体部や網目部または薄板状部に流入するの
で、網目部または薄板状部が容易かつ確実に成形される
という作用がある。
【0006】(作用2)ウェルドやガスまたはエア溜ま
りが生じやすい部分に、交換入子を嵌合し、そこにでき
るわずかな空間をガスまたはエア抜きの通路とするの
で、簡単な金型構造にできる。さらに、焼結金属などの
多孔質材料を用いる場合は、多孔質材料が目詰まりを起
こして清掃や交換をする必要があるが、交換用の入子の
中に組み込める構造なので非常に利便性にすぐれた作用
効果がある。また、放射状に配置される太径の流動路を
用いる場合は、流動路間にウェルドラインが生じやす
い。そこで、そのウェルドラインに沿うような形で交換
入子を配置し、その嵌合面にできるわずかな空間をガス
またはエア抜きの通路にできて、ウェルドの発生を減少
させるという作用がある。
【0007】
【実施例】図1及び図2は、本発明の網目構造を有する
プラスチックフィルターを一例にあげて示すものであ
る。以後の説明もすべて網目フィルターを例示するが、
薄板状のカバーやシート状の成形品にも適用できる。図
1は、本発明のプラスチックフィルター用金型の部分的
な破砕斜視図を示すもので、図2はその部分断面図を示
すものである。上型1には横溝5と枠体溝4が形成され
ている。下型2には縦溝6と枠体溝4が形成され、さら
に枠体溝4の中に熔融樹脂9の流入を阻止する壁部3が
形成される。壁部3と縦溝6との境界部分には熔融樹脂
9を迂回して横方向へ流すための迂回路7が形成されて
いる。この迂回路7は、図では便宜上非常に幅広に図示
しているが実際には横溝5や縦溝6の線径と同等の0.
2mmから0.5mm程度の幅で良い。あまり幅広にな
ると、壁部3による熔融樹脂9への蓄圧力に効果がなく
なり、熔融樹脂9の横方向への流動力が弱まってしま
う。また、壁部3の上部と上型1の枠体溝4との間で形
成する空間部8は、百分の1ないし5程度のわずかな空
間であり、金型内で生じるガスまたはエアは通過させる
が熔融樹脂9は阻止するためのものである。阻止された
熔融樹脂9から発生されたあるいは追い込まれたガスま
たはエアは、熔融樹脂9の壁部3に対する圧力により空
間部8から枠体溝4の後部に排出されやすくなり、迂回
路7を経由して横方向へ流動しようとする熔融樹脂9と
ともに流動するガスまたはエアは減少することになる。
このような構造の上型1と下型2を押し合わせて成形
すると、図5に図示するように開口部3’、枠体部
4’、横リブ5’、縦リブ6’、太径リブ10’、ゲー
ト跡11’を有する網目フィルターができる。網目部の
外周に枠体部4’を縁取りし、その内側に縦リブ6’お
よび横リブ5’からなる網部を有するので各種フィルタ
ーに利用できる成形品となる。この種の熔融樹脂9を阻
止するための堰止め部や小流路を用いる原理的な技術思
想は既に公知となっているが、本実施例は壁部3の上部
は百分の1ないし5mm程度のわずかな空間しか設けな
いので、熔融樹脂9は壁部3を乗り越えては後部の枠体
溝4には流入できないところに特徴がある。金型内で発
生するガスまたはエアのみが後部の枠体溝4に追い込ま
れる。そして壁に突き当たった熔融樹脂は、ガスまたは
エアが減少した状態で、壁の長手方向に形成される迂回
路を経由して枠体部や網目部または薄板状部に流入する
ので、網目部または薄板状部が容易かつ確実に成形され
る。図6に示す従来例のように、熔融樹脂9が壁部3や
堰を乗り越えて流れると流動力は壁部3や堰の後部方向
へも働いてしまい、流動力が減少してしまい枠体部から
網目部へ逆流して完全な網目部を形成する力がそがれて
しまう。また、金型内で生じるガスまたはエアは壁部3
や堰に突き当たった時点でも大幅に減少させることはで
きず、壁部3や堰から横方向へ拡散して流動する熔融樹
脂とともに網目部方向に流入し、網目部上でガスまたは
エアの貯留を引き起こし、いくら高圧成形をしてもせい
ぜい網目部にバリを発生する程度で、完全な網目部の形
成を阻害してしまう。本出願人は、一体成形の網目プラ
スチックフィルターを試行錯誤しながら実験を重ねた結
果、金型内で発生するガスまたはエアがこの種プラスチ
ックフィルターの成形を阻害する最大の要因であること
を知ったもので、これの解消が微細な網目フィルターを
つくるポイントであると確信するに至ったものである。
従来例のように壁部3や堰による構造も実験したが、や
はり網目部に溜まるガスまたはエアの影響で完全な網目
フィルターは得られなかった。縦リブや横リブの網目の
線径が0.5mm以上であればそこそこのフィルターは
できるものの、網目の線径が0.3mm以下になるとリ
ブ抜けやウェルドによる割れが生じた。図3と図4は、
両面彫りの金型構造の上面図を示すもので、図3には枠
体溝4、縦方向の壁部3、縦溝6、横方向の流動路10
とゲート11が上型1に設けられている。図4には枠体
溝4、横方向の壁部3、横溝5と縦方向の流動路10が
下型2に設けられている。これら上型1と下型2とを押
し合わせて、上型1のゲート11から熔融樹脂9を射出
することにより、図5に示すような網目フィルターが得
られる。流動路10は、ゲート11から圧入された熔融
樹脂9をダムのように貯留し、熔融樹脂9を縦溝6と横
溝5の溝全体に行きわたらせるために充分なる高圧を累
積するか、熔融樹脂9の流動を極めて容易にする働きを
する。図10の部分破砕斜視図に示すように、太径の流
動路10は、枠体溝4に直接連通せずに縦溝6と横溝5
上で止め、間に迂回路7を介在する構造として熔融樹脂
9を放出するための圧力を増すものとしても良いし、図
9に示すように、ゲート11からの熔融樹脂9の流動を
よりスムースにするために枠体溝4に直接連通させる構
造であっても良い。図9の全体上面図は、図11に示す
ように複数の太径の流動路10に対向する位置にそれぞ
れ壁部3が設けられている。この場合、流動路10は枠
体溝4の迂回路7に直接つながっている。いずれにして
も熔融樹脂9の流入を一旦阻止するための壁部3が枠体
溝4に設けられているので、枠体部4’の形成に先駆け
て縦リブ6’および横リブ5’が形成される傾向にな
る。熔融樹脂9が流れやすい枠体溝4へ流れ込むのを壁
部3で一旦阻止することで、格子状の網目部へより早く
流れ込んで網部の形成を優先し、その後に枠体溝4、特
に枠体溝4の後方部を後で形成するようにしたものであ
る。 また、壁部3の長手方向の長さは、熔融樹脂9の
横方向から枠体溝4、横溝5と縦溝6の末端部へ流動さ
せる必要があることから、枠体溝4の全周にわたって設
けることは好ましくない。従来例の堰や小流路は、枠体
溝4の全周にわたって設けられているものの堰や小流路
の上部は、堰や小流路に阻止された熔融樹脂9が乗り越
えるだけの空間があるので枠体溝への流入には問題がな
い。しかし、本発明の場合は、壁部3の上部からは熔融
樹脂9が乗り越えて行けないので、壁部3のサイドまた
は迂回路7から流入させる必要がある。したがって、枠
体溝4の一辺の長さに対して適当な割合で短くした長さ
にするものである。本出願人の実験によると、110角
の網目フィルターにおいては、枠体部の一辺の長さ11
0mmに対して、10mm〜100mmの壁の長さでも
効果があることが確認された。ただし、枠体部の強度を
保つためにはできるだけ短くする必要があり、かつ、壁
部3の流動阻止効果および横方向への流動力をたかめる
ためには有る程度の長さが必要であり、枠体部の一辺の
長さ110mmのときのその壁部3の長さは約35mm
が望ましい。ただし、上記数値は、フィルターの大き
さ、形状により変わることは当然である。
【0008】図13と図14は、壁部3の網目部に対向
する側の一側面にテーパーをつけた状態を示すもので、
熔融樹脂9の壁部3への競り上がりを助長し、ひいては
金型内で発生するガスまたはエアをより抜けやすくする
とともに、迂回路7の幅を広くすることにより熔融樹脂
9の横方向への拡散を補助する働きをする。ゲートから
注入された熔融樹脂9は、流れやすい場所を察知して流
動する傾向にあるため、少しでも流動を阻止する要素が
少ない部分に対しては敏感に反応するものである。した
がって、枠体溝4、および横溝5や縦溝6の末端に熔融
樹脂9を十分に充填しようとするなら、より広い迂回路
7を用意するのが最も適切である。図15と図16は、
壁部3の上部に半円状のガス溜まり13を設けたもの
で、ガスまたはエアを可能な限り壁部3で排出または吸
収しようとするものである。壁部3の上部を乗り越えよ
うとするガスまたはエアをガス溜まり13で吸収すれ
ば、網目の形成に良い影響を与える。しかし、これだと
ガスまたはエアを金型の外に排出したことにならないの
で、微細な網目フィルターには完全な解決策とならな
い。しかし、0.3mm以上の網目フィルターにおいて
は十分な効果がある。0.3mm以下の網目フィルター
に対する改良としては、図17と図18に示される金型
構造がある。これは、金型内に生じるガスまたはエアを
金型の外に排出しようとするもので、壁部3のガス溜ま
り13に連結してガス抜き通路14を設けるものであ
る。この場合は、ガス溜まり13に貯留されるガスまた
はエアを金型外に排出するので網目部の成形には悪影響
を与えることは無い。他の改良としては、図19と図2
0に示すように迂回路7に一段高い段部15を設けて、
実質的に迂回路7の流動面積を狭めて熔融樹脂9の流動
力を強めるとともに、ガスまたはエアの排出を強要する
ものである。さらには、図21および図22のように、
壁部3を小さな単位に分割して、その分割部分にできる
側溝16から熔融樹脂9の一部を枠体溝4の後部に流入
することで、枠体溝4の後部中央に生じやすいウェルド
の発生を防止するものである。この側溝16の間隔は数
ミリ程度で良い。あまり広いと熔融樹脂9の流動力を弱
めてしまうからである。図23および図24は、金型の
製作精度が狂っても確実にガスまたはエアが通過するだ
けの空間部8を確保するためのもので、百分の2から5
mm程度の突起である押し切り防止リブ17を壁部3の
上部に設けるものである。これだと、壁部3の高さを間
違って製作して、物理的に上型1と下型2とを完全に押
し切った際にも確実に空間部8を形成することができ
る。図25ないし図28に図示するように、その改善の
ために枠体溝4を形成するための金型と横溝5と縦溝6
を形成するための金型とをそれぞれ枠体上型19、枠体
下型20および/または本体上型21、本体下型22と
いうように別金型とし、それを組み合わせその合わせ目
である分割面18を形成してそこをガスまたはエア抜き
通路とする。そうすると簡単な金型構造で容易に網目プ
ラスチックフィルターを成形できることになる。この方
法は、多品種少量生産の場合にも有効な構造で、枠体溝
4を有する金型を変えることなく本体の型を変えること
で簡単に本発明の効果を生かしながら種々の成形品を製
作することができる。図27は、横溝5と縦溝6とを本
体下型22に形成したもので、さらに枠体上型19、枠
体下型20および本体下型22を有するものである。こ
の場合も多品種少量生産の場合に有効な構造で、本体下
型22のみを変えれば異なる形の網目フィルターを簡単
に製作することができる。図28は、本体下型22に壁
部3、枠体溝4、横溝5、縦溝6、流動路10、および
ゲート11を形成した片面彫りの金型の上面図を示すも
ので、その特徴はサイズの大きなフィルターを作る際に
4面の会わせ型または4面を持つ一体型で行う成形用の
金型である。枠体溝4を形成するための金型と横溝5と
縦溝6を形成するための金型とをそれぞれ別型としてそ
の分割面18をガスまたはエア抜き通路とする。原理的
には、本発明の技術思想を複数組み合わせることで利用
したものであるが、エアコンなどの大きなサイズのフィ
ルターを製作するのに有用である。4面に流動路10を
それぞれ持つとともに4面を仕切るような形でさらに流
動路10を有する。このような金型構造で得られる成形
品は図8に示すように、太径の流動路10で4面に分割
されたような形状になり、さらにその各面に流動路10
を有する。そして、各流動路10の先端に対向する位置
に金型の壁部3で作られた開口部3’が形成される。図
12は、流動路10を角フィルターの各コーナーに向け
て十字形に配置したもので、横溝5や縦溝6に対して4
5度の角度で配置される。その先端に対向する各コーナ
ーにはL字形の壁部3が形成される。この場合、L字形
の壁部3により熔融樹脂の横方向への流れが妨害される
構造になっているので、熔融樹脂の流動力がたかまる傾
向になり特に低圧成形に有利である。
【0009】図29および図30は、上型1と下型2の
枠体溝4の中にそれぞれ壁部3を形成したもので、枠体
溝4の中間部分を空間部8としたものである。その効果
は、既述の本発明の効果と変わらないが、壁部3の設け
方の変形例を示すものである。図31および図32は、
壁部3の上部の形状をアールに仕上げたもので、ガスま
たはエアの抜けに良く効く構造としたものである。図で
は、一方の壁部3に設けたのみであるが、両方の壁部3
にそれぞれアールをつけても良い。図33は、上下の金
型で押し切ったときに壁部3の空間部8のサイドに熔融
樹脂9が若干残るように壁部3のサイドに壁段部25を
設けたものである。例えば110mm角のフィルターに
80mmの長さの壁部3を設ける場合に、ウェルドの防
止も兼ねて壁部3の中心より15mmから20mm程度
離れた位置から、一段低い壁段部25を設けて壁部3の
形状を中央部を高く両サイドに行くにしたがって一段低
くする構造としたものである。図34は、壁部3を長手
方向に並列に複数設けたことを特徴とするもので、壁部
3の後方の枠体溝4に生じやすいウェルドによる割れを
防止するためのものである。ウエルドが生じやすいの
は、熔融樹脂9の流動の方向が均一になったときであり
この均一な流動方向を少し乱すために設けられるもので
ある。
【0010】図7は、下型2の壁部3と上型1の枠体溝
4とで形成、される空間部を、まったく無くしたもので
完全に押し切ってしまう構造にしたものである。枠体溝
4の一部でもある迂回路7と壁部3の外側にある後部の
枠体溝4とは、壁部3で完全に分断される。したがっ
て、迂回路7を横方向に流動する熔融樹脂9には十分な
流動力が生じるが、ガスまたはエアは逃げ場が無いので
熔融樹脂9とともに横方向から枠体溝4や横溝5と縦溝
6の末端に流入してしまう。そうすると網目部でのリブ
抜けが生じてしまう。そこで、図25ないし図28に図
示するように、その改善のために枠体溝4を形成するた
めの金型と横溝5と縦溝6を形成するための金型とをそ
れぞれ枠体上型19、枠体下型20および/または本体
上型21、本体下型22というように別金型とし、それ
を組み合わせその合わせ目である分割面18を形成して
そこをガスまたはエア抜き通路とする。そうすると簡単
な金型構造で容易に網目プラスチックフィルターを成形
できることになる。この原理は壁部3と上型1または枠
体上型19とにより完全に押し切られずに空間部8が存
在する金型にも適用できる。また、図示はしないが壁部
3を10mm以上の小片として、長手方向に直列に複数
の分割された壁として形成しても良い。
【0011】図35ないし図37は、簡単な金型構造
で、金型内に生じるガスまたエアを排出しようとするも
のである。その特徴は、図35と図36に示すように交
換入子23を横溝5と縦溝6の形成された金型上に交換
可能な形で設け、さらに図37に示すようにその交換入
子23の中にガス抜き用としてポーラスや焼結金属など
の多孔質材料からなる嵌合入子24を設けたものであ
る。多孔質材料の入子の場合は、目詰まりを起こしやす
く頻繁に清掃をする必要がある。また、素材としてはも
ろく金型本体よりも先に損耗するので、多孔質材料の入
子のみを交換する必要がある。この嵌合入子24の取り
出しや交換の際に、嵌合入子24のみで行うとすれば、
清掃後または交換時に金型本体に装着する場合、金型本
体の横溝5と縦溝6と嵌合入子24の横溝5と縦溝6と
の位置合わせが難しいこと、および嵌合入子24を金型
本体にはめ込むときにたたき込む作業がありその際にも
ろい材質の嵌合入子24を損傷してしまう恐れがあっ
た。そこで、その嵌合入子24をさらに交換用の交換入
子23内に装着してから金型本体に組み込むと上述の欠
点は解消される。特に、嵌合入子24を無垢の多孔質材
料に取り替えて、その上に横溝5と縦溝6を新たに彫る
ときには交換入子23にいったん固定して実施すること
ができるので非常に作業がやりやすいという利点があ
る。金型本体の横溝5と縦溝6に位置合わせが容易であ
るためには、四角形の交換入子が有利であるが、位置合
わせ精度が簡単に出る装置があれば円形であっても良
い。ガスまたはエアの排出には、本体金型と交換入子2
3との分割面18と交換入子23と嵌合入子24との分
割面18も寄与する構造になっている。図38ないし図
40も、上記の図35ないし図37と同様に、簡単な金
型構造で金型内に生じるガスまたエアを排出しようとす
るものである。その特徴は、図38と図39に示すよう
に交換入子23を横溝5と縦溝6の形成された金型上に
交換可能な形で設け、さらに図40に示すようにその交
換入子23の中にガス抜き用としてさらに薄型または小
型の複数の積層入子27を設けたものである。多孔質材
料の入子の場合は、目詰まりを起こしやすく頻繁に清掃
をする必要がある。また、素材としてはもろく金型本体
よりも先に損耗するので、交換する機会が多くなる。そ
こで、積層入子27を本体金型と同一の材料で作ること
により損耗時期を本体金型と同じにすると同時に、比較
的高価な多孔質材料を使うことなくガスまたはエアを排
出しようとするものである。ガスまたはエアの排出に
は、本体金型と交換入子23との分割面18と交換入子
23と積層入子27との分割面18も寄与する構造にな
っている。積層入子27の個数は多ければ多いほどガス
抜きに効果がある。交換入子23を用いる理由は上記と
同様に横溝5と縦溝6を新たに彫るときには交換入子2
3にいったん固定して実施することができるので非常に
作業がやりやすいという利点がある。金型本体の横溝5
と縦溝6に位置合わせが容易であるためには、四角形の
交換入子が有利であるが、位置合わせ精度が簡単に出る
装置があれば円形であっても良い。
【0012】
【発明の効果】本発明は以上のように、横溝や縦溝、ま
たは薄板状の凹部の上に太径の流動路を設け、熔融樹脂
が流れ込みやすい枠体溝へ流れ込むのを一旦阻止するた
めの壁を設けることで網部のリブ抜けを防止することが
可能となるという優れた効果を奏する。以下請求項に対
応して効果を述べる。 (請求項1)枠体溝中の壁部の作用によって、成形中に
金型内に生じるガスやエア等は通過させるためのわずか
な空間を有し、流動路からの熔融樹脂の流動力をたかめ
たので、簡単な金型構造で熔融樹脂の流動性を良くし同
時にガス抜きも可能となり、安価な製造コストで歩留ま
りの良い成形品が得られるという効果を有する。 (請求項2)枠体溝本体溝との間に迂回路を設けたの
で、壁部で阻止された熔融樹脂を横方向へより楽に流す
ことができるので、射出圧力を低減できるという効果を
有する。 (請求項3および4)壁部の天面にガスまたはエア溜ま
りとなる凹部を設けたことや凹部に直結してガスまたは
エアの通路を形成したので、より確実にガス抜きができ
安価な製造コストで歩留まりの良い成形品が得られると
いう効果を有する。 (請求項5)壁部で上型と下型の枠体溝部分を完全に押
し切る構造としたので、迂回路を流れる熔融樹脂の流動
力をたかめるという効果がある。 (請求項6)壁部を分割して形成し、その間を熔融樹脂
が通過して枠体溝内を流動するので、枠体溝の後部に生
じやすいウェルドの発生を防止するという効果がある。 (請求項7)壁部の少なくとも一面にテーパーをつけた
ので、熔融樹脂の横方向への流動が容易になると同時
に、壁部の上部からのガス抜きが容易になるという効果
がある。 (請求項8および9)網目状フィルターにも上述の金型
構造を適用したので、微細な網目状フィルターも安価な
製造コストで歩留まりのものが得られるという効果を有
する。 (請求項10)本体溝または網目状溝を形成した金型
と、前記枠体溝を形成した金型とを別金型としたので、
金型の交換作業等が容易になり多品種少量生産に効果が
ある。 (請求項11)別金型の合わせ面となる少なくとも一方
の側面に、下方に向かって末広がりとなるテーパーを設
けて別金型を組み合わせたときに金型内に生じるガスま
たはエアを排出するためのガスまたはエア抜き通路とす
るので、ガス抜きに非常な効果を有する。 (請求項12)壁部の側部の少なくとも一面にテーパー
をつけたので、壁部の上部からのガス抜きがより容易に
なるという効果がある。 (請求項13)壁部の上部にアールをつけたので、壁部
の上部からのガス抜きがより容易になるという効果があ
る。 (請求項14)前記壁部の長手方向に位置する少なくと
も一方のサイドに段差をつけるための段部を設けたの
で、一部の熔融樹脂が壁部のサイドを乗り越えるため、
枠体溝の後部が丈夫になることとウェルドが生じにくい
という効果がある。 (請求項15)壁部を長手方向に並列に複数設けたり、
長手方向に直列に複数に分割して設けたりするので、枠
体溝への熔融樹脂の流入があり枠体溝の後部が丈夫にな
ることとウェルドが生じにくいという効果がある。 さらに、本発明は、本体金型のガスまたはエア溜まりの
生じやすい部分へ交換入子を形成してガス抜きをするの
で、極めて簡単な金型構造だけで、フィルターとしての
性能、機能に対して格段優れた効果を奏するものであ
る。以下請求項に対応して効果を述べる。 (請求項17)製品本体を形成するための溝または凹部
のウェルドの生じやすい部分の一部を切り欠き、その切
欠部に交換入子と多孔質材料からなる嵌合入子を装着し
たので、極めて簡単な金型構造で確実なガス抜きができ
るという効果がある。 (請求項18)製品本体を形成するための溝または凹部
のウェルドの生じやすい部分の一部を切り欠き、その切
欠部に交換入子と複数の積層された積層入子を装着した
ので、極めて簡単な金型構造で確実なガス抜きができる
という効果がある。 (請求項19)交換入子を長方形の形状とし、複数の流
動路の間に設けるとともに、前記交換入子と上型および
/または下型との長手方向の嵌合面がウェルドラインに
沿って位置するようにしたので、極めて簡単な金型構造
で確実なガス抜きができるという効果がある。 以上種々の実施例を挙げて説明したが、本発明の原理を
利用した他の実施例についても本発明の保護の対象にな
ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明射出成形金型の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明射出成形金型の上型の平面図である。
【図4】本発明射出成形金型の下型の平面図である。
【図5】本発明射出成形金型で成形された成形品の平面
図である。
【図6】従来例を示す断面図である。
【図7】本発明射出成形金型の他の実施例を示す断面図
である。
【図8】本発明射出成形金型で成形された成形品の平面
図である。
【図9】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視図
である。
【図10】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図11】本発明射出成形金型の他の実施例を示す下型
の平面図である。
【図12】本発明射出成形金型の他の実施例を示す下型
の平面図である。
【図13】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図14】図13の断面図である。
【図15】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図16】図15の断面図である。
【図17】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図18】図17の断面図である。
【図19】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図20】図19の断面図である。
【図21】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図22】図21の断面図である。
【図23】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図24】図23の断面図である。
【図25】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図26】図25の断面図である。
【図27】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図28】本発明射出成形金型の他の実施例を示す下型
の平面図である。
【図29】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図30】図29の断面図である。
【図31】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図32】図31の断面図である。
【図33】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図34】本発明射出成形金型の他の実施例を示す斜視
図である。
【図35】本発明射出成形金型の他の実施例を示す下型
の平面図である。
【図36】図35の断面図である。
【図37】図36の部分断面図である。
【図38】本発明射出成形金型の他の実施例を示す下型
の平面図である。
【図39】図38の断面図である。
【図40】図39の部分断面図である。
【図41】本発明射出成形金型の他の実施例を示す下型
の平面図である。
【符号の説明】
1 上型 3’ 開口部 2 下型 4’ 枠体部 3 壁部 5’ 横リブ 4 枠体溝 6’ 縦リブ 5 横溝 10’ 太径リ
ブ 6 縦溝 11’ ゲート
跡 7 迂回路 8 空間部 9 熔融樹脂 10 流動路 11 ゲート 12 テーパー部 13 ガス溜まり 14 ガス抜き通路 15 迂回路段部 16 側溝 17 押し切り防止リブ 18 分割面 19 枠体部上型 20 枠体部下型 21 本体部上型 22 本体部下型 23 交換入子 24 嵌合入子 25 壁段部 26 アール部 27 積層入子

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型と下型を押し合わせるとともにゲ
    ートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプラス
    チック製品を成形する金型装置において、以下の構成で
    あることを特徴とする射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
    び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
    体を作るための本体溝 (b)前記本体溝上に、熔融樹脂の流入を容易にするた
    めに形成された太径または幅広の誘導路 (c)上型および/または下型に形成される、前記本体
    溝を囲うように枠体を作るための枠体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、熔融樹脂の
    壁部上方からの通過は阻止するが成形中に金型内に生じ
    るガスやエア等は通過させるためのわずかな空間を有
    し、かつ、前記誘導路に対抗する位置に設けられ、枠体
    の一辺の長手方向の長さに対してほぼ90%以内で10
    %以上の長さの壁部
  2. 【請求項2】 前記壁部を枠体溝の若干内側に形成し
    て前記本体溝との間に空間を作り、前記壁部で壁部上方
    からの枠体溝への流入を阻止された熔融樹脂を、壁部の
    横方向から枠体溝および本体溝へと流入させるための迂
    回路としたことを特徴とする前記請求項1記載の射出成
    形金型。
  3. 【請求項3】 前記壁部の天面にガスまたはエア溜ま
    りとなる凹部を設けたことを特徴とする前記請求項1お
    よび2記載の射出成形金型。
  4. 【請求項4】 前記壁部の天面にガスまたはエア溜ま
    りとなる凹部に直結してガスまたはエアの通路を形成し
    たことを特徴とする前記請求項3記載の射出成形金型。
  5. 【請求項5】 上型と下型を押し合わせるとともにゲ
    ートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプラス
    チック製品を成形する金型装置において、以下の構成で
    あることを特徴とする射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
    び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
    体を作るための本体溝 (b)前記本体溝上に、熔融樹脂の流入を容易にするた
    めに形成された太径または幅広の誘導路 (c)上型および/または下型に形成される、前記本体
    溝を囲うように枠体を作るための枠体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、上型と下型
    で完全に押し切り、かつ、前記誘導路に対抗する位置に
    設けられ、枠体の一辺の長手方向の長さに対してほぼ9
    0%以内で10%以上の長さの壁部 (e)前記壁部で壁部上方からの枠体溝への流入を阻止
    された熔融樹脂を、壁部の横方向から枠体溝および本体
    溝へと流入させるための迂回路
  6. 【請求項6】 前記壁部を分割して形成し、その間を
    熔融樹脂が通過して枠体溝内を流動することでウェルド
    マークの発生を防止することを特徴とする前記請求項1
    ないし5記載の射出成形金型。
  7. 【請求項7】 前記壁部の少なくとも一面にテーパー
    をつけたことを特徴とする前記請求項1ないし6記載の
    射出成形金型。
  8. 【請求項8】 上型と下型を押し合わせるとともにゲ
    ートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプラス
    チックフィルターを成形する金型装置において、以下の
    構成であることを特徴とする射出成形金型。 (a)縦溝および/または横溝を、上型および/または
    下型に設けた網目状フィルターを形成するための網目状
    溝 (b)前記網目状溝上に、熔融樹脂の流入を容易にする
    ために形成された太径または幅広の誘導路 (c)前記本体溝を囲うように枠体を形成するための枠
    体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、熔融樹脂の
    壁部上方からの通過は阻止するが成形中に金型内に生じ
    るガスやエア等は通過させるためのわずかな空間を有
    し、かつ、前記誘導路に対抗する位置に設けられ、枠体
    の一辺の長手方向の長さに対してほぼ90%以内で10
    %以上の長さの壁部
  9. 【請求項9】 上型と下型を押し合わせるとともにゲ
    ートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプラス
    チック製品を成形する金型装置において、以下の構成で
    あることを特徴とする射出成形金型。 (a)縦溝および/または横溝を、上型および/または
    下型に設けた網目状フィルターを形成するための網目状
    溝 (b)前記網目状溝上に、熔融樹脂の流入を容易にする
    ために形成された太径または幅広の誘導路 (c)前記網目状溝を囲うように、枠体を形成するため
    の枠体溝 (d)前記枠体溝内に形成されるとともに、上型と下型
    で完全に押し切り、かつ、前記誘導路に対抗する位置に
    設けられ、枠体の一辺の長手方向の長さに対してほぼ9
    0%以内で10%以上の長さの壁部 (e)前記壁部で壁部上方からの枠体溝への流入を阻止
    された熔融樹脂を、壁部の横方向から枠体溝および本体
    溝へと流入させるための迂回路
  10. 【請求項10】 前記本体溝または網目状溝を形成し
    た金型と、前記枠体溝を形成した金型とを別金型とする
    ことを特徴とする前記請求項1ないし9記載の射出成形
    金型。
  11. 【請求項11】 前記別金型の合わせ面となる少なく
    とも一方の側面に、下方に向かって末広がりとなるテー
    パーを設け、前記別金型を組み合わせたときに金型内に
    生じるガスまたはエアを排出するためのガスまたはエア
    抜き通路となることを特徴とする前記請求項10記載の
    射出成形金型。
  12. 【請求項12】 前記壁部の側部の少なくとも一面に
    テーパーをつけたことを特徴とする前記請求項8ないし
    11記載の射出成形金型。
  13. 【請求項13】 前記壁部の上部にアールをつけたこ
    とを特徴とする前記請求項1ないし12記載の射出成形
    金型。
  14. 【請求項14】 前記壁部の長手方向に位置する少な
    くとも一方のサイドに段差をつけるための段部を設けた
    ことを特徴とする前記請求項1ないし13記載の射出成
    形金型。
  15. 【請求項15】 前記壁部を長手方向に並列に複数設
    けたことを特徴とする前記請求項1ないし14記載の射
    出成形金型。
  16. 【請求項16】 前記壁部を長手方向に直列に複数に
    分割して設けたことを特徴とする前記請求項1ないし1
    5記載の射出成形金型。
  17. 【請求項17】 上型と下型を押し合わせるとともに
    ゲートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプラ
    スチック製品を成形する金型装置において、以下の構成
    であることを特徴とする射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
    び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
    体を形成するための溝または凹部 (b)前記溝または凹部のウェルドの生じやすい部分の
    一部を切り欠き、その切欠部に嵌合される交換入子 (c)前記交換入子の一部を切り欠き、その切欠部に嵌
    合される焼結金属などの多孔質材料からなる嵌合入子
  18. 【請求項18】 上型と下型を押し合わせるとともに
    ゲートを介して熔融樹脂を注入することで枠付きのプラ
    スチック製品を成形する金型装置において、以下の構成
    であることを特徴とする射出成形金型。 (a)上型および/または下型に形成される、縦溝およ
    び/または横溝、または、薄板状の凹部からなる製品本
    体を形成するための溝または凹部 (b)前記溝または凹部のウエルドの生じやすい部分の
    一部を切り欠き、その切欠部に嵌合される交換入子 (c)前記交換入子の中心部を切り抜き、その切抜部に
    嵌合される複数の積層入子
  19. 【請求項19】 前記交換入子を長方形の形状とし、
    複数の流動路の間に設けるとともに、前記交換入子と上
    型および/または下型との長手方向の嵌合面がウェルド
    ラインに沿って位置するように前記交換入子を配置した
    ことを特徴とする前記請求項17および18記載の射出
    成形金型。
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