JPH10192291A - 鉗子装置 - Google Patents

鉗子装置

Info

Publication number
JPH10192291A
JPH10192291A JP9011966A JP1196697A JPH10192291A JP H10192291 A JPH10192291 A JP H10192291A JP 9011966 A JP9011966 A JP 9011966A JP 1196697 A JP1196697 A JP 1196697A JP H10192291 A JPH10192291 A JP H10192291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forceps
insertion shaft
slider
slide
slide cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9011966A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Morizumi
雅明 森住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Optical Co Ltd
Priority to JP9011966A priority Critical patent/JPH10192291A/ja
Publication of JPH10192291A publication Critical patent/JPH10192291A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 第2の鉗子で体内組織や臓器等を把持して、
この第2の鉗子を挿入軸側に引き込んで、第1の鉗子で
患部等必要な組織を必要な量だけ摘出する等の処置を正
確に行うことができ、かつ第1の鉗子の開閉及び第2の
鉗子の移動と開閉との操作を行う伝達部材を挿通する挿
入軸を細径化することにある。 【構成】 第1の鉗子1の大型把持爪4,4を開閉する
ために、挿入軸2の先端リング3にスライダ9を連結
し、第2の鉗子20を軸線方向に移動させるために、ス
ライダ9の内側にスライド筒22を設け、さらに第2の
鉗子20の小型把持爪21,21を開閉するために、ス
ライド筒22内に操作ロッド26を設ける。スライダ
9,スライド筒22及び操作ロッド26を同軸に設け
て、それぞれを軸線方向に動かすために、第1〜第3の
操作ワイヤ10,28,29は挿入軸2の軸線と直交す
る断面において、それぞれ位置を違えるように配置して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体腔内等に挿入さ
れて、体内組織等を把持したり、摘出したりするために
用いられる鉗子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体腔内に挿入される鉗子は、中空の挿入
軸の先端に作動部材として、一対または3個乃至それ以
上の数の把持爪を装着したものである。把持爪は遠隔操
作により開閉操作されるものであり、このために挿入軸
内に操作ワイヤや操作ロッド等からなる伝達部材が挿通
されており、この伝達部材の基端部は、挿入軸の基端部
に設けた開閉操作部が連結される。開閉操作部は、伝達
部材を軸線方向に往復移動させるものであり、この伝達
部材の軸線方向の動きを把持爪の開閉動作に変換するた
めに、伝達部材の先端と把持爪との間にはリンク部材が
介装される。
【0003】以上の構成を有する鉗子は、直接または内
視鏡の処置具挿通チャンネル等を介して体腔内に導かれ
て、開閉操作部を適宜操作して、把持爪をリンク機構等
で開閉することによって、臓器等を把持して持ち上げた
り、また患部組織の切除や摘出を行ったりする。ここ
で、口腔等から内視鏡の挿入部を体腔内の所定の位置ま
で導いた状態で、この内視鏡の本体操作部に設けた処置
具導入部に、鉗子を把持爪側から挿入して、挿入部にお
ける処置具挿通チャンネルに挿入される。従って、鉗子
の挿入軸は、密着コイル等で形成することにより可撓性
を備えるものとなし、またこの挿入軸内に設けられ、把
持爪に連結したリンク機構に対して開閉駆動力を伝達す
る伝達部材は操作ワイヤ等の可撓性を有する部材を用い
る。
【0004】一方、例えば体表皮から腹腔内に挿入経路
を形成しておき、この挿入経路を介して内視鏡や鉗子等
の処置具を挿入して、治療等を行うことも可能である。
この腹腔内に挿入経路を確保するためのガイド部材とし
ては、複数本のトラカールを体表皮から直接腹腔内にま
で刺入し、気腹ガスで腹腔内を膨らませた状態にする。
そして、1本のトラカールに内視鏡を挿入して、腹腔内
部の観察を行い、他のトラカールを介して種々の処置具
を腹腔内に挿入して、内視鏡による監視下で、所要の治
療や検査等が行われる。この場合には、鉗子の挿入軸は
可撓性を有する必要はなく、硬質パイプで挿入軸を形成
して、この挿入軸内に挿通される伝達部材としては、ワ
イヤを用いても良いが、また杆状の操作ロッド等を用い
ることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】患部を摘出するために
用いられる鉗子において、体内組織に病変部分がある
と、この病変部分を把持爪で把持させて、その切除・摘
出が行われる。ここで、鉗子による病変組織の切除は、
病変部分を取り残しなく完全に行わなければならない。
病変部分の取り残しがあると、この取り残しの部分から
転移するおそれがある等のことから、絶対に避けなけれ
ばならないのは当然として、摘出するのは病変部分のみ
とし、健康な組織細胞まで摘出しないようにする必要も
ある。
【0006】体内組織における病変部分が腫瘍等のよう
に体腔内壁から膨出しておれば、鉗子を用いてほぼ正確
に摘出処理を行うことができる。しかしながら、病変部
分が体腔内壁から突出していない場合や、奥まった部位
にある時には、鉗子の把持爪により把持できる範囲は把
持爪の拡開時における角度に依存するから、かなり小さ
いものとなり、従って病変部分を取り残しなく摘出でき
ない場合もあり、また操作態様によっては、病変部分だ
けでなく周辺の健康な組織も損傷しまうおそれがある
等、高度で熟練のある操作が要求され、その操作性が悪
いという問題点がある。
【0007】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、鉗子により体内組織
や臓器等に対して必要な組織を必要な量だけ確実に摘出
できるようになし、かつ体腔内に挿入される挿入軸の構
成を簡略化して、その細径化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、中空の挿入軸の先端に連結した先端
リングに、開閉可能な第1の把持手段と、この第1の把
持手段内から所定長さ突出する位置に変位可能で、開閉
動作可能な第2の把持手段とを装着し、前記第1の把持
手段を前記先端リングに装着して、この先端リング内に
軸線方向に移動可動に設けたスライダに連結した第1の
リンク部材により開閉駆動するようになし、また前記第
2の把持手段はこのスライダ内に軸線方向に設けたスラ
イド筒に装着されて、このスライド筒内に軸線方向に移
動可能に設けた操作ロッドに連結した第2のリンク部材
により第2の把持手段を開閉駆動するようになし、さら
にこれらスライダ,スライド筒及び操作ロッドには、前
記挿入軸の軸線と直交する方向において位置を違えてそ
れぞれ第1,第2及び第3の伝達部材を押し引き操作可
能に連結し、これら第1,第2及び第3の伝達部材を前
記挿入軸内に挿通させて設ける構成としたことをその特
徴とするものである。
【0009】ここで、第1の把持手段を開閉させるため
の第1のリンク部材は、先端リングに取り付けた支点ピ
ンに枢動可能に連結されるが、内部に第2の把持手段が
設けられている関係から、支点ピンは片持ち状態となっ
てしまう。このような構成を避けるには、スライダとス
ライド筒との間に固定リングを介装させ、第1の把持手
段の支点ピンの両端を先端リング及びこの固定リングの
取り付ける構成とすれば良い。そして、この場合には、
スライド筒は固定リングの内面に沿って摺動ガイドされ
ることになる。また、挿入軸としては例えば密着コイル
等のように可撓性のあるものや、硬質パイプ等の硬質部
材で形成される。可撓性のある挿入軸を用いる場合に
は、第1,第2及び第3の伝達部材としては、操作ワイ
ヤ等のように可撓性のある部材で形成するが、硬質部材
で形成する場合には、各伝達部材は可撓性のある操作ワ
イヤを用いても良いが、伝達効率等の観点からは、硬質
ロッド状の部材で構成するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の一形態について説明する。なお、以下の説明にお
いては、挿入軸を可撓性のある部材で形成して、内視鏡
の処置具挿通チャンネルを介して体腔内に挿入する構成
としたものとするが、挿入軸は硬質パイプ等で形成する
こともでき、また操作力を伝達する伝達部材としては、
操作ワイヤに限定されるものでもない。さらに、内視鏡
以外の部材をガイドとして、あるいは単独で体腔内に挿
入できるように構成しても良い。
【0011】まず、図1において、Fは鉗子装置であっ
て、この鉗子装置Fは第1の把持手段としての第1の鉗
子1と、第2の把持手段としての第2の鉗子20とから
構成される。図2に示したように、密着コイルからな
り、挿入経路に沿って任意の方向に曲がる可撓性のある
挿入軸2の先端に先端リング3を設けて、この先端リン
グ3に第1の鉗子1が装着されている。第1の鉗子1
は、その作動部材として一対の大型把持爪4,4からな
り、この大型把持爪4は凹湾曲形状となって、先端部分
は相互に接合可能な把持部4aとなっている。そして、
両大型把持爪4の把持部4aは、相互に当接した閉鎖状
態と、相互に離間して開いた拡開状態とに変位可能であ
り、閉鎖状態にした時には、体内組織を切除できるよう
に、相互の接合部は鋭利な状態になっている。
【0012】大型把持爪4,4は遠隔操作で開閉駆動さ
れるためのものであり、このために、図3から明らかな
ように、先端リング3の先端側には一対のすり割りが所
定の長さにわたって形成されている。そして、先端リン
グ3のすり割りにより分割されて、一対からなる先端側
の部片3a,3aは扁平化されており、この部位に一対
の支点ピン5,5が設けられており、各大型把持爪4の
基端側に延在させた延在部4bの中間位置がこれら支点
ピン5に枢着されている。また、各延在部4bの端部
は、枢支ピン6を介してリンク板7の一端側が枢着され
ている。そして、リンク板7の他端側は枢支ピン8を介
してスライダ9が連結されており、このスライダ9は中
空の硬質部材からなり、先端リング3の内面に沿って摺
動可能となっている。このスライダ9には第1の伝達部
材としての第1の操作ワイヤ10の先端が連結されてお
り、この第1の操作ワイヤ10を押し引き操作して、ス
ライダ9を前進させると大型把持爪4が開き、後退させ
ると大型把持爪4が閉じることになる。さらに、大型把
持爪4,4を枢着している支点ピン5,5は先端リング
3に取り付けられているが、これら各支点ピン5の強度
を向上させるために、先端リング3における大型把持爪
4の内側の部位に固定リング11を設けて、支点ピン5
の端部を先端リング3だけではなく、固定リング11も
嵌合させることによって、支点ピン5の両端が支持され
た状態に取り付けられる。これによって、大型把持爪
4,4を開閉駆動する際に支点ピン5に大きな力が加わ
っても、変形しないように、強度保持が図られている。
【0013】第2の鉗子20は固定リング11内に配置
されており、第2の鉗子20は構造的には第1の鉗子1
とほぼ同様のものである。即ち、先端に一対からなる小
型把持爪21,21を有し、この小型把持爪21の先端
部は把持部21aとなっている。ただし、小型把持爪2
1は第1の鉗子1における大型把持爪4よりかなり小さ
いもので、大型把持爪4を閉じた状態では、その把持部
4a,4aより内側に位置する程度の大きさのものであ
る。しかも、この小型把持爪21は体内組織を切除する
ためのものではなく、把持して持ち上げるためのもので
ある。小型把持爪21の基端側には延在部21bが連設
されており、この延在部21bはスライド筒22内に配
置されており、このスライド筒22は大型把持爪4の内
側において、固定リング11内に摺動可能に配置されて
いる。スライド筒22は、先端リング3と同様、すり割
りを有するものであり、延在部21bの中間位置はこの
スライド筒22のすり割りを形成した部位に支点ピン2
3により枢動可能に支持されている。また、延在部21
bの端部には、リンク板24が枢支ピン25で枢着され
ている。さらに、リンク板24の他端には、操作ロッド
26が枢支ピン27により連結され、操作ロッド26は
スライド筒22の内部を貫通しており、このスライド筒
22に対して軸線方向に相対移動可能となっている。
【0014】スライド筒22には第2の伝達部材として
の第2の操作ワイヤ28が連結されており、また操作ロ
ッド26には第3の伝達部材としての第3の操作ワイヤ
29が連結されている。第2の操作ワイヤ28を押し引
きすることによって、第2の鉗子20全体が軸線方向に
移動する。この第2の鉗子20における小型把持爪21
は、常時には、第1の鉗子1における大型把持爪4の内
部に配置されており、大型把持爪4,4を開いた状態に
して、第2の操作ワイヤ28を押し込むと、第2の鉗子
20が大型把持爪4,4の間から突出することになる。
操作ロッド26は支点ピン23を介してスライド筒22
に連結されているから、第2の操作ワイヤ28を押し込
むと、操作ロッド26及びそれに連結した第3の操作ワ
イヤ29は連動して押し出されるようになる。また、第
2の鉗子20を所定の位置に配置して、第3の操作ワイ
ヤ29を押し引き操作すると、スライド筒22内で操作
ロッド26が前進,後退することになって、第2の鉗子
20の小型把持爪21が開閉することになる。
【0015】第1,第2及び第3の操作ワイヤ10,2
8,29は挿入軸2内に沿ってその基端側に設けた押し
引き操作機構部30にまで延在されている。押し引き操
作機構部30は、図4に示したように、挿入軸2を構成
する密着コイルの基端部に連結した固定パイプ31と、
この固定パイプ31に挿嵌させた第1のスライド作動部
32と、第1のスライド作動部32に挿嵌させた第2の
スライド作動部33と、第2のスライド作動部33に挿
嵌させた第3のスライド作動部34とから構成されてお
り、これら第1〜第3のスライド作動部32〜34には
それぞれ指掛け部32a〜34aが連設されている。図
5からも明らかなように、第3のスライド作動部34は
ロッド状の部材で、第2のスライド作動部33はパイプ
状の部材で、内部に第3のスライド作動部34が挿通さ
れている。また、第1のスライド作動部32もパイプ状
の部材で、第2のスライド作動部33に嵌合されてい
る。そして、これら第1〜第3のスライド作動部32〜
34の挿入軸2内の端部には、それぞれ取付部32b〜
34bにはそれぞれ第1,第2及び第3の操作ワイヤ1
0,28,29が連結されている。
【0016】従って、第1の操作ワイヤ10の基端部を
連結した第1のスライド作動部32の指掛け部32aを
操作して、この第1のスライド作動部32を固定パイプ
31に沿って前後動させることによって、その動きが第
1の操作ワイヤ10に伝達されて、リンク板7を介して
第1の鉗子1を構成する大型把持爪4を開閉動作させ
る。また、第2の操作ワイヤ28に連結した第2のスラ
イド作動部33の指掛け部33aを操作して、この第2
のスライド作動部33を第1のスライド作動部32に沿
って前後動させることによって、第2の操作ワイヤ28
を介して第2の鉗子20を軸線方向に移動させることが
できる。そして、この第2のスライド作動部33が移動
する際には、第3のスライド作動部34も連動して同じ
方向に動くことになる。そして、第2の鉗子20が所定
長さ突出した状態で、第3の操作ワイヤ29に連結した
第3のスライド作動部34の指掛け部34aを操作し
て、こ第3のスライド作動部34を第2のスライド作動
部33に沿って軸線方向に変位させると、第2の鉗子2
0を開閉操作できるようになる。
【0017】以上のように、挿入軸2内には第1〜第3
の操作ワイヤ10,28,29が通っているが、これら
各操作ワイヤ10,28,29は、図5にも示されてい
るように、挿入軸2内では、その軸線と直交する断面に
おいて、それぞれ位置を違えて略平行に延在されてい
る。そして、これら各操作ワイヤ10,28,29は挿
入軸2内においては、それぞれ120°の位置関係とな
るようにして延在されており、これによって挿入軸2の
内部に形成されるスペースを最小限に抑制できて、その
細径化が図られる。ところで、操作ワイヤ10,28,
29は、それぞれスライダ9,スライド筒22及び操作
ロッド26を軸線方向に動かすものであり、これらは全
て同軸に配置されている。そこで、挿入軸2を太径化し
たり、硬質部分が長くならないようにして、操作ワイヤ
10,28,29とスライダ9,スライド筒22及び操
作ロッド26との連結位置を異ならせるために、それら
の連結部の構成は図6に示したようになっている。即
ち、第1の操作ワイヤ10は、スライダ9に対して、図
中の上方の位置に延在部9aを設けて、この延在部9a
に第1の操作ワイヤ10が連結されている。また、スラ
イド筒22及び操作ロッド26には図中右方及び左方へ
の張り出し部22a,26aを形成して、それぞれ第2
の操作ワイヤ28,第3の操作ワイヤ29を連結してい
る。
【0018】スライダ9,スライド筒22及び操作ロッ
ド26への操作ワイヤ10,28,29の連結は以上の
ようにしてなされるが、これらの連結部はそれぞれ少な
くともスライダ9,スライド筒22及び操作ロッド26
の移動距離だけ離れた位置に設ける必要があるが、これ
らが配置されている部位は硬質部分となるから、この硬
質部分の長さを短縮するために、スライダ9とスライド
筒22との移動ストロークを部分的にオーバーラップさ
せるために、スライダ9には、スライド筒22の張り出
し部22aと干渉することなく移動できるようにするた
めに、スライダ9には切り欠き9bが形成されており、
またスライド筒22はスライダ9の張り出し部9aとの
干渉をなくすために、その周胴部には軸線方向に向けて
の凹部22bが形成されている。また、操作ロッド26
による小型把持爪21の開閉時に必要な移動ストローク
を確保するように、操作ロッド26がスライド筒22か
ら少なくとも小型把持爪21の開閉のためのストローク
に相当する長さ分だけ突出している。
【0019】以上のように構成される鉗子装置Fは、図
1に示したように、第2の鉗子20を第1の鉗子1にお
ける中空のスライダ9内に挿通させておく。そして、第
1,第2の鉗子1,20における把持爪4,21を閉じ
た状態となし、かつ大型把持爪4,4の把持部4a,4
aより内側に形成される空所から大型把持爪4,4によ
り囲繞された部位に第2の鉗子20における小型把持爪
21を配置しておく。この鉗子装置Fは内視鏡の処置具
挿通チャンネルをガイドして体腔内に挿入されるもので
あり、図7に示したように、内視鏡Sの挿入部Iの先端
部から、体腔内における患部等、処置すべき体内組織の
近傍位置にまで導出させる。
【0020】この状態で、まず第1のスライド作動部3
2に設けた指掛け部32aを手動で操作して、第1の操
作ワイヤ10を押し込んでスライダ9を押し出す方向に
変位させることによって、リンク板7が枢支ピン6を中
心として回動して、第1の鉗子1における大型把持爪4
が拡開する。そこで、第2のスライド作動部33に設け
た指掛け部33aを操作して、第2の操作ワイヤ28を
押し込む。これによって、スライド筒22がスライダ9
内を摺動して、第2の鉗子20が突出し、この第2の鉗
子20における小型把持爪21が処置対象部に向けて進
行する。小型把持爪21が処置対象部に当接する位置に
まで変位すると、第3のスライド作動部34の指掛け部
34aを操作して、第3の操作ワイヤ29を押し込む。
これによって、リンク板24が作動して、このリンク部
材24を介して連結されている小型把持爪21,21が
開くことになる。そこで、この小型把持爪21で処置対
象部を囲繞させるようになし、次いで第3のスライド作
動部34を戻して、小型把持爪21を閉じることによっ
て、処置すべき体内組織の一部を小型把持爪21,21
間に把持させる。
【0021】小型把持爪21を閉じて、体内組織を把持
させた状態に保持して、第2の鉗子20全体を第1の鉗
子1内に引き込む。これによって、図8に示したよう
に、体内組織が第2の鉗子20により引っ張り上げられ
ることになる。この結果、体内組織の広い領域を第1の
鉗子1における大型把持爪4により把持可能な状態にな
る。第2の鉗子20による体内組織の引っ張り上げの度
合いを調整することによって、所定の広がりのある患部
が、しかも患部のみが第1の鉗子1における大型把持爪
4により切除できる高さ位置まで確実に持ち上げること
ができる。この状態で、図8に仮想線で示したように、
第1のスライド作動部32によりスライダ9を前進させ
ると、大型把持爪4,4が閉じて、それらの先端が接合
することになるから、その鋭利な把持部4a,4aが接
合することにより患部の切除・摘出を行うことができ
る。
【0022】以上のように、第2の鉗子20により体内
組織を把持して引き上げて、第1の鉗子1により所定の
高さまで引き上げた体内組織の所定の位置を切除するよ
うに操作することによって、たとえ非膨出状態で、広い
範囲にわたって切除・摘出を行わなければならない患部
等の処置対象部に対して、必要な箇所のみを正確に切除
・摘出できる。従って、患部の一部を取り残したり、ま
た健康な組織が必要以上切除されてしまう等といった事
態が生じることはない。
【0023】ここで、鉗子装置Fとしては、スライダ
9,スライド筒22及び操作ロッド26が同軸に設けら
れて、これらは個別的に軸線方向に動くようになってい
るが、挿入軸2内にはそれぞれ異なる位置に設けた3本
の操作ワイヤ10,28,29で操作力の伝達が行われ
る。従って、3本の操作ワイヤ10,28,29は押し
引き操作による操作力を伝達するのに必要な腰を持った
太さに形成しておき、これらを挿入軸2内で相互に12
0°の位置関係に配置することによって、挿入軸2内の
スペースを最小限のものとすることができ、押し引き操
作機構部30から操作力を第1,第2の鉗子1,20に
伝達する手段を同軸に設ける場合と比較して、コンパク
トに収納できるようになり、挿入軸2の細径化が図られ
る。また、特に挿入軸2に可撓性を持たせる場合には、
3本の操作ワイヤで構成する方が、同軸に設ける場合よ
り可撓性に富ませることができる。しかも、挿入軸2が
任意の方向に曲がった状態でも、円滑かつ確実に操作力
を先端にまで伝達することができる。
【0024】さらに、一対の大型把持爪4,4の内部に
小型把持爪21,21が位置しているが、大型把持爪
4,4の内側に固定リング11を設けて、一端が先端リ
ング3に取り付けた支点ピン5,5の他端をこの固定リ
ング11に固定していることから、各支点ピン5は実質
的に両端が固定されることになる。大型把持爪4,4は
実質的にこの支点ピン5により支持されており、その開
閉動作時には支点ピン5にかなりの力が作用するが、両
支点ピン5は極めて安定した状態に保持され、無理に曲
げられるようなことがなく、この大型把持爪4,4の開
閉動作を軽い負荷で円滑に行えるようになる。また、第
2の鉗子20の小型把持爪21の支点ピン23も、内部
に格別の部材が挿通されていないから、その両端が支持
されており、従ってこの支点ピン23も無理な曲げ力が
作用することはない。
【0025】以上の説明においては、鉗子装置Fを内視
鏡Sをガイドとして体腔内に挿入するために、その挿入
軸2を密着コイルから構成して可撓性を持たせるように
したが、トラカールをガイド手段として体腔内に挿入す
る場合等においては、可撓性を持たせる必要はない。従
って、前述した構成において、挿入軸2を硬質パイプで
構成することもできる。また、硬質パイプで挿入軸を形
成した場合には、スライダ9,スライド筒22及び操作
ロッド26に押し引き操作力を伝達するための伝達部材
としては、操作ワイヤ10,28,29を用いる必要は
なく、操作ロッドで形成することも可能である。このよ
うに操作ロッドで伝達部材を構成すれば、操作力の伝達
効率はさらに向上する。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、挿入軸
の先端に第1の把持手段と、第2の把持手段とを設け、
第1の把持手段は開閉可能となし、かつ第2の把持手段
は前後動及び開閉可能としたものであって、挿入軸内に
第1,第2及び第3の伝達部材を挿通させて、第1の伝
達手段は第1の把持手段を開閉するスライダに、第2の
伝達手段は第2の把持手段を軸線方向に動かすスライド
筒に、さらに第3の伝達手段は第2の把持手段を開閉す
る操作ロッドに、それぞれ押し引き操作可能に連結する
構成としたので、鉗子により体内組織や臓器等を把持し
たり、摘出したりする操作を容易に行うことができ、か
つ患部等必要な組織を必要な量だけ摘出する等の処置を
正確に行えるようになり、しかもこれら第1,第2及び
第3の伝達部材を挿入軸の軸線と直交する方向において
位置を違えて配置するように構成しているので、挿入軸
の細径化が図られ、かつ第1の把持手段の開閉、第2の
把持手段の前後動及び第2の把持手段の開閉という3つ
の操作を円滑に行えるようになる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す鉗子装置の外観図
である。
【図2】図1の鉗子装置の先端部分の断面図である。
【図3】図1の先端部分を分解して示す要部外観図であ
る。
【図4】図1の鉗子装置の基端部分の断面図である。
【図5】挿入軸の断面図である。
【図6】操作ワイヤの先端部分の連結機構の構成説明図
である。
【図7】鉗子装置を内視鏡に組み込んだ状態を示す要部
外観図である。
【図8】鉗子装置の作用説明図である。
【符号の説明】
1 第1の鉗子 2 挿入軸 3 先端リング 4 大型把
持爪 5,22 支点ピン 7,24
リンク板 9 スライダ 10 第1
の操作ワイヤ 11 固定リング 20 第2
の鉗子 21 小型把持爪 22 スラ
イド筒 28 第2の操作ワイヤ 29 第3
の操作ワイヤ 30 押し引き操作機構部 32 第1
のスライド作動部 33 第2のスライド作動部 34 第3
のスライド作動部 F 鉗子装置 S 内視鏡

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の挿入軸の先端に連結した先端リン
    グに、開閉可能な第1の把持手段と、この第1の把持手
    段内から所定長さ突出する位置に変位可能で、開閉動作
    可能な第2の把持手段とを装着し、前記第1の把持手段
    を前記先端リングに装着して、この先端リング内に軸線
    方向に移動可動に設けたスライダに連結した第1のリン
    ク部材により開閉駆動するようになし、また前記第2の
    把持手段はこのスライダ内に軸線方向に設けたスライド
    筒に装着されて、このスライド筒内に軸線方向に移動可
    能に設けた操作ロッドに連結した第2のリンク部材によ
    り第2の把持手段を開閉駆動するようになし、さらにこ
    れらスライダ,スライド筒及び操作ロッドには、前記挿
    入軸の軸線と直交する方向において位置を違えてそれぞ
    れ第1,第2及び第3の伝達部材を押し引き操作可能に
    連結し、これら第1,第2及び第3の伝達部材を前記挿
    入軸内に挿通させて設ける構成としたことを特徴とする
    鉗子装置。
  2. 【請求項2】 前記スライダと前記スライド筒との間に
    固定リングを介装させ、前記第1の把持手段の支点ピン
    の両端を前記先端リング及びこの固定リングの取り付
    け、スライド筒はこの固定リングの内面に沿って摺動可
    能とする構成としたことを特徴とする請求項1記載の鉗
    子装置。
  3. 【請求項3】 前記挿入軸を可撓性部材で形成すると共
    に、前記第1,第2及び第3の伝達部材を可撓性のある
    操作ワイヤで形成したことを特徴とする請求項1記載の
    鉗子装置。
  4. 【請求項4】 前記挿入軸を硬質パイプで形成すると共
    に、前記第1,第2及び第3の伝達部材を操作ロッドで
    形成したことを特徴とする請求項1記載の鉗子装置。
JP9011966A 1997-01-07 1997-01-07 鉗子装置 Pending JPH10192291A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9011966A JPH10192291A (ja) 1997-01-07 1997-01-07 鉗子装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9011966A JPH10192291A (ja) 1997-01-07 1997-01-07 鉗子装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10192291A true JPH10192291A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11792366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9011966A Pending JPH10192291A (ja) 1997-01-07 1997-01-07 鉗子装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10192291A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100198248A1 (en) Surgical dissector
US9872727B2 (en) Energy treatment device
WO2008136024A1 (en) Uterine manipulator
US20070270643A1 (en) Lumen stabilizer for endoscopic mucosal resection
WO2019202699A1 (ja) 医療機器
JP3743096B2 (ja) スネア付き鉗子装置
US8562632B2 (en) Shafted surgical instrument for remote access surgical procedures
JPH09262239A (ja) 内視鏡用処置具
US20050015113A1 (en) Guide system for controlled manipulation of surgical instruments
JPH03139340A (ja) 内視鏡用処置具
JPH10192291A (ja) 鉗子装置
KR20130029664A (ko) 점막하 절제용 내시경 처치구
JP3791088B2 (ja) 鉗子装置
JP2000201939A (ja) 医療用処置具
JPH1014929A (ja) 鉗子装置
US11896229B2 (en) Grappling systems and methods for lumen apposition or wound defects
US20220061848A1 (en) Grasping devices, systems, and methods for tissue approximation and apposition
JP4838946B2 (ja) 縫合具
JP4832773B2 (ja) 外科用処置具
CN118512219A (zh) 一种活检取样器
CN114903409A (zh) 内镜适配器及内镜手术辅助器械
JP2024500704A (ja) 筋肉レベルにおける組織を把持するためのデバイスおよびシステム
CN111839627A (zh) 端口部位切口闭合装置
JPH1085230A (ja) 高周波処置具
Chin et al. Mechanism designs for natural orifice surgery: A review