JPH10191911A - 焼き餅風焼成食品 - Google Patents

焼き餅風焼成食品

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JPH10191911A
JPH10191911A JP9019774A JP1977497A JPH10191911A JP H10191911 A JPH10191911 A JP H10191911A JP 9019774 A JP9019774 A JP 9019774A JP 1977497 A JP1977497 A JP 1977497A JP H10191911 A JPH10191911 A JP H10191911A
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Kimihito Wada
公仁 和田
Kazuyuki Inada
和之 稲田
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Matsutani Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼き餅風の食感を有し、且つ、洋風味を含めた
種々の味つけが可能であり、その品質保持が数日間に恒
る新規な焼成食品を簡便に提供すること。 【解決手段】未糊化粉と冷水糊化粉が50/50〜90
/10の重量比からなる原料粉100重量部に、必要に
応じ呈味成分10〜250重量部および水0〜100重
量部を加えて混捏して生地を調製し、これを成形し、焼
成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な焼き餅風の食
感を有する焼成食品に関する。
【0002】
【従来技術】近年、食品の多様化が進み、従来の固定観
念にとらわれない新規な食品が求められ、それに応えた
食品が開発されている。例えば、コンニャクゼリー、パ
イ生地に餡を入れたパイ饅頭、中華饅にピザのフィリン
グを入れたピザ饅やキムチをいれた中華饅頭など、それ
ぞれの食品の本来の形からは考え難い形で楽しまれてい
る。
【0003】焼き餅は古来より親しまれている食品の一
つであり、もち米の風味、焼いた食品の風味とその独特
の食感、即ち表面がパリッとして内部がもちもちした食
感が好まれる基本になっていて、もち米の風味を生かす
上から味つけも醤油、或はきな粉を用いたシンプルな味
つけで食されている。しかし、焼き餅は焼き立てでない
と美味しくなくて工場生産にそぐわない食品であり、そ
のシンプルな味は洋風味に馴れた若い人々にはなお充分
なる嗜好性を有しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】焼き餅の食感は日本人
に潜在的に好ましい食感として引き継がれてきたもので
あるし、焼いた食品の風味は共通に好まれる風味であ
る。これらを有し、且つ、ココア、卵、カレーなどでの
洋風の味つけも容易で、それも好みによって種々に変え
られる食品が餅をつくなどの煩雑な作業を要さずに得ら
れ、しかもその食感が焼き餅のように製造直後だけでな
く数日間保持されて工場生産も可能なら、若い人々を含
め広く受け入れられ易い食品となる。
【0005】即ち、本発明が解決しようとする課題は、
焼き餅風の食感を有し、且つ、洋風味を含めた種々の味
つけが可能であり、その品質保持が数日間に恒る新規な
焼成食品を簡便に提供することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】斯かる現状に鑑み種々検討
を重ねた結果、特定割合の未糊化粉と冷水糊化粉に必要
に応じ好みに応じた呈味成分と必要量の水を加えて常温
で混捏して生地を調製し、成形、焼成することにより本
発明の課題が解決されることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は未糊化粉と冷水糊
化粉が50/50〜90/10の重量比からなる原料粉
100重量部に、必要に応じ呈味成分10〜250重量
部及び水0〜100重量部を加えて混捏して生地を調製
し、これを成形し、焼成してなる焼き餅風焼成食品であ
り、好ましくは未糊化粉と冷水糊化粉が60/40〜8
0/20の重量比からなり、未糊化粉が澱粉類60〜9
0重量部と穀粉40〜10重量部からなる。更に好まし
くは澱粉類がアセチル澱粉及び/又はヒドロキシプロピ
ル澱粉であり、冷水糊化粉が15〜70ml/gの冷水
膨潤度を有することを特徴とする焼き餅風焼成食品であ
る。
【0008】本発明で焼き餅風とは、焼き餅の様に表面
は乾燥してやや硬く、内部はもちもちした食感(以後も
ちもち感と表現するも同意語)を有することを意味し、
もちもちした食感の中にも個人差によって好みの幅があ
るので、やや硬さがあって比較的切れの良いものからソ
フトで伸びのあるものまで包含される。また、焼き餅風
焼成食品はこのような食感を有する焼成食品を意味す
る。
【0009】本発明で使用する未糊化粉とは、冷水で糊
状にならない澱粉類及び穀粉全般を指称する。澱粉類と
しては未処理澱粉及び加工澱粉を包含し、具体的には例
えば馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスター
チ、もち米澱粉が未処理澱粉の中ではもちもちした食感
が得られて好ましい澱粉の種類として挙げられる。また
これら以外の澱粉、例えば小麦澱粉、粳米澱粉、コーン
スターチなどでは、それらだけではもちもち感が得られ
ず好ましくないが、上述の好ましい澱粉の種類と併用し
てもちもち感を調節する上からは使用することができ
る。
【0010】澱粉類に包含される加工澱粉としては、漂
白澱粉、可溶性澱粉、架橋澱粉、エーテル化澱粉、エス
テル化澱粉など何れの加工澱粉も用いることができる。
これら各種加工澱粉は、従来から知られているものが使
用でき、常法に従って製造されたものが広く使用でき
る。
【0011】これら加工澱粉の中のエーテル化澱粉、エ
ステル化澱粉は、澱粉にエーテル結合又はエステル結合
で官能基を付加した澱粉で、具体的にはヒドロキシプロ
ピル澱粉、カルボキシメチル澱粉、アセチル澱粉、リン
酸澱粉、コハク酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉などが
挙げられる。官能基を付加した程度は、一般に置換度
(澱粉の無水グルコース残基当たりの官能基のモル数で
表す)で表され、本発明では置換度0.01〜0.2の
エーテル化澱粉、エステル化澱粉が好適に使用される。
【0012】これら加工澱粉の中でも、特にエステル化
澱粉の一種であるアセチル澱粉とエーテル化澱粉の一種
であるヒドロキシプロピル澱粉を用いると、焼成食品の
焼成後の好ましい食感保持期間を永くすることができて
より好ましい。
【0013】アセチル澱粉及びヒドロキシプロピル澱粉
は、無水酢酸、酢酸ビニールモノマー、プロピレンオキ
サイドの常用のアセチル化剤、ヒドロキシプロピル化剤
を用いて常法に従って製造されたものが使用できる。そ
の置換度は0.01〜0.2であることが好ましく、置
換度が0.01未満では未処理澱粉と効果的に変わら
ず、0.2を越えて高くなっても効果は変わらず経済的
でない。
【0014】また、アセチル化或はヒドロキシプロピル
化と架橋処理を組み合わせた架橋アセチル化澱粉、架橋
ヒドロキシプロピル化澱粉も、組み合わせた架橋の程度
により食感的にもちもち感に個人差による好みの範囲の
硬さが加わるだけなので、アセチル澱粉、ヒドロキシプ
ロピル澱粉に包含される。尚、未処理澱粉ではもちもち
感が不足する澱粉、例えば小麦澱粉、コーンスターチで
もアセチル化、ヒドロキシプロピル化することによりも
ちもち感が得られるようになるので、この場合はあらゆ
る種類の澱粉を原料に用いることができる。
【0015】本発明の未糊化粉としては、上述の澱粉類
の他に穀粉が用いられ、好ましくは澱粉類60〜90重
量部と穀粉40〜10重量部の割合で用いる。この様に
澱粉類と穀粉を併用することにより、得られた焼成食品
の風味が向上してより好ましいが、穀粉の割合が多くな
ると、もちもち感と経時安定性がやや劣る傾向にあるの
で、穀粉は未糊化粉の40重量%までにするのが好まし
い。この場合の穀粉としては、小麦粉、米粉、ソバ粉、
コーンフラワーなどが挙げられ、望まれる風味により選
択して用いる。
【0016】本発明で使用する冷水糊化粉は、常温水で
糊状を呈する澱粉及び穀粉を意味する。本来、澱粉や穀
粉中の澱粉は常温水では変化しないが、これらを水の存
在下で加熱して糊状とし、これをドラムドライヤー、ス
プレードライヤーで乾燥するか、又はエクストルーダー
を用いて加圧加熱することにより、常温水で糊状を呈す
る澱粉及び穀粉が得られる。これら何れかの方法で処理
して常温水で糊状を呈する澱粉及び穀粉を冷水糊化粉と
称する。例えば、未処理澱粉、或は架橋澱粉、エーテル
化澱粉、エステル化澱粉などの加工澱粉、小麦粉、米粉
などの穀粉をドラムドライヤーで処理して常温水で糊状
を呈するようにしたものなどが挙げられ、これらの中で
も冷水膨潤度が15〜70ml/gにある冷水糊化粉を
用いると、生地の状態がより良くなって成形が容易にな
るだけでなく、膨化がより均一になって外観がより良く
なり、より好ましい。尚、この冷水膨潤度の範囲は必ず
しも一種の冷水糊化粉で満たす必要はなく、二種以上を
合わせてこの条件を満たすものであっても良い。
【0017】冷水膨潤度は冷水糊化粉の冷水による膨潤
の程度を表す指標で、膨潤し易い澱粉、例えば馬鈴薯澱
粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、エーテル
化澱粉、エステル化澱粉を冷水糊化粉とした場合、冷水
膨潤度は大きくなって100ml/g或はその近くにな
るし、膨潤し難い澱粉、例えば小麦澱粉、粳米澱粉、或
はこれらの澱粉を含む小麦粉、米粉では小さくなる。ま
た、冷水膨潤度が大きくなる澱粉であっても、それらを
架橋澱粉にすることにより、それらの冷水膨潤度を架橋
の程度によって適度に変えることができる。従って、好
ましくはこれらの中で一種又は二種以上を組み合わせて
所定の膨潤度になるように選択して用いる。二種以上を
組み合わせて用いる場合、必ずしも個々の冷水膨潤度の
相加平均とはならないので、予め冷水膨潤度をチェック
してから使用することが好ましい。
【0018】本発明に於てはこの様な冷水糊化粉を用い
るが、用いる冷水糊化粉により得られる焼き餅風焼成食
品の膨化度が異なり、一般に単品で見た時の冷水膨潤度
の大きい冷水糊化粉を用いると、膨化し易く、容積も大
きくなってシュー皮のように内部にある程度空洞ができ
る程度に膨化したものが得られるし、冷水膨潤度が小さ
いものを用いると膨化は小さく、容積も大きくならなく
て内部が密になったものが得られるので、適宜冷水糊化
粉を選択することによって所望の形状の製品を得ること
ができる。
【0019】尚、本発明で述べる冷水膨潤度は次の方法
で測定される。即ち、絶乾物換算で試料1.00gを1
00mlビーカーに採り、これにエチルアルコール2m
lを加えて湿潤させた後、25℃の純水70mlを加え
てよく撹拌して均一に分散させ、時々撹拌しながら25
℃に1時間放置する。次いでこの分散液を100mlの
メスシリンダーに移し、ビーカーの洗液を含めて純水で
100mlにし、よく振盪して均一にする。これを25
℃に12時間放置し、生じた沈殿層のmlを読み取る。
【0020】本発明に於ては上述の未糊化粉と冷水糊化
粉が50/50〜90/10、好ましくは60/40〜
80/20の重量比からなる原料粉を用いる。この比率
より未糊化粉が少なくなると、特に経時変化が早くなる
欠点が見られるし、逆に多くなると生地のまとまりが悪
くなって成形し難くなったり、焼成時所望の形状を保持
し難くなって外観が悪くなるなどの欠点が現れる。尚、
本発明では未糊化粉と冷水糊化粉を合わせたものを原料
粉と呼称する。
【0021】本発明の焼成食品はこの原料粉100重量
部に対し、必要に応じ呈味成分を10〜250重量部及
び水を0〜100重量部加えて混捏し、成形し、焼成し
て得られる。その際、水の添加量は適度な生地が得られ
る量を選択する。例えば、生卵や牛乳などの水分の多い
成分を呈味成分に多く使用する場合は、水を添加しなく
ても生地を調製することができるし、呈味成分に水を殆
ど含まない成分を使用する場合や、呈味成分を使用しな
い場合は大目の水を必要とするが、それらの場合でも概
ね100重量部までの水の添加で好ましい生地が得られ
る。
【0022】呈味成分は本発明の焼成食品に味つけする
上から添加される成分で、好みに応じて好みの呈味する
成分を単品で、又は組み合わせて用いる。呈味成分とし
ては、例えば砂糖、異性化糖、グルコース、マルトー
ス、トレハロース、アスパラテームなどの甘味料、バタ
ー、マーガリン、ラード、ショートニング、コーン油、
オリーブオイル、サラダオイル、粉末油脂などの動植物
油、牛乳、生クリーム、濃縮乳、加糖練乳、粉末牛乳、
脱脂粉乳、ヨーグルト、チーズ、液状チーズなどの乳製
品、ハム、ソーセージ、ベーコン、ミンチ肉などの畜肉
製品、生卵、乾燥卵、乾燥卵白、乾燥卵黄などの卵製
品、イチゴ、トマト、リンゴ、ミカン、レーズンなどの
野菜や果物のピューレや乾燥品、キャロット、オニオ
ン、ほうれんそうなどの野菜類、ピーチ、パイナップル
などの果物、くるみ、カシューナッツ、マツの実、アー
モンドなどのナッツ類、ブランデー、リキュール、ラム
酒などの洋酒類、シュリンプ、タラ子、オキアミ、ワカ
メなどの海産物、ゴマ、ヒマワリの種などの種子類、ペ
パー、シナモン、ガーリック、カレー粉などの香辛料の
他、食塩、チョコレート、ココア、コンソメ、粉末醤
油、カスタードクリーム、各種香料などが挙げられる
が、これらに限らず味つけする上で有用な成分は好みに
応じていずれも用いることができる。
【0023】呈味成分の添加量は原料粉100重量部に
対して概ね10〜250重量部である。10重量部未満
では好ましい味つけが難しくなってくるし、250部を
越えて多くなるともちもち感が欠けてくる。従って、こ
の範囲で味の濃い成分は少量の添加でも味つけが可能で
あるし、牛乳などのように味の淡い成分は多量の添加を
必要とする。
【0024】本発明の焼き餅風焼成食品は上述の原料粉
に所望の呈味成分を必要に応じ加え、更に水を加えるか
加えずに、これらを混捏して生地を調製し、これを成形
し、焼成して得られる。生地の調製は原材料を室温で1
〜10分程度混捏するだけで得られ、温度調節、寝か
し、蒸して搗くなどの煩雑な操作は何ら要しない。生地
を調製する際の混捏は竪型ミキサー、横型ミキサー、ニ
ーダーなど通常菓子やパンの生地の調製に用いられる混
合撹拌機が利用できるし、家庭ではボールの中でしゃも
じで捏ね混ぜても可能である。その際の各原料成分の添
加順序は特別限定されることはないが、呈味成分に混捏
によって壊れ易い固体状の成分、例えばピーチなどを使
用する場合は最後に添加するなどの配慮が望ましい。
【0025】このようにして得られた生地を所望の形
状、例えば球状、円盤状、円錐状、板状などの適度の形
状及び大きさに成形し、焼成する。焼成条件は成形物の
大きさ、形状に合わせて適宜に決定されるが、概ね17
0〜220℃で10〜30分程度の範囲で表面がきつね
色になるように焼成する。焼成に用いる機器としては、
このような焼成条件が得られる機器であればよく、例え
ば固定釜、多段式オーブン、リールオーブン、トンネル
オーブン、ラックオーブン、家庭用オーブン、オーブン
レンジ、オーブントースターなどいずれも用いることが
できる。
【0026】かくして得られた本発明の焼き餅風焼成食
品は、表面がきつね色でパリッとしていて内部はもちも
ちした食感を有し、謂わば焼き餅風であって、しかも好
みに応じて洋風、中華風など種々の味つけが楽しめる新
規な食品が得られる。この焼成食品は、焼き餅が焼き立
てでないと美味しくないのに対し、常温で2〜4日後も
殆ど変わらない食感を有しているし、オーブントースタ
ーなどで再加熱して暖めれば、焼成直後と変わらない食
感、風味を楽しむことができる。
【0027】本発明の焼き餅風焼成食品は、原材料を室
温で混捏し、成形、焼成することにより得られる。この
ように簡便な操作で製造することができるので、生地は
製造のつど調製してもさした煩雑さはないが、要すれば
成形した状態で冷凍して必要に応じて焼成することもで
きる。
【0028】また、生理機能の付与や栄養素強化が望ま
れる場合、それぞれの機能を有する成分、例えば各種食
物繊維、各種オリゴ糖、多価不飽和脂肪酸、ペプチド
類、配糖体類、ビタミン類、ポリフェノール類、ミネラ
ルなどを所望により添加することもできる。
【0029】次に参考例、実施例を挙げて、更に本発明
を詳細に説明する。尚、参考例、実施例で部及び%とあ
るは重量部及び重量%を表す。
【0030】
【参考例1】水120部にタピオカ澱粉100部を分散
したスラリーを3点調製し、それぞれに3%苛性ソーダ
水溶液を添加してpH8〜9.5に維持しながら、無水
酢酸0.5部、1.7部、6部をそれぞれに添加してア
セチル化した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して
試料No.1〜3のアセチル澱粉を得た。それぞれの置
換度は0.005、0.016、0.055であった。
【0031】
【参考例2】水120部に硫酸ソーダ20部を溶解し、
この溶液に馬鈴薯澱粉100部を分散させ、3%苛性ソ
ーダ水溶液を30部とプロピレンオキサイド11部を添
加して39℃で20時間反応した後、塩酸で中和し水
洗、脱水、乾燥して試料No.4の置換度0.177の
ヒドロキシプロピル澱粉を得た。
【0032】
【参考例3】水120部に硫酸ソーダ20部を溶解し、
この溶液にタピオカ澱粉100部を分散させ、3%苛性
ソーダ水溶液でpH11.2〜11.4に維持しなが
ら、モノクロール酢酸ソーダ6部を添加して41℃で2
2時間反応した後、塩酸で中和し、脱水、乾燥して試料
No.5の置換度0.045のエーテル化澱粉の一種で
あるカルボキシメチル澱粉を得た。
【0033】
【参考例4】水120部に硫酸ソーダ10部を溶解し、
この溶液にワキシーコーンスターチ100部を分散さ
せ、3%苛性ソーダ水溶液35部、トリメタリン酸ソー
ダ0.01部を添加し、43℃で10時間反応した後、
塩酸で中和し、水洗したスラリーを表面温度150℃の
ドラムドライヤーで糊化すると共に乾燥し、粉砕して試
料No.6の架橋澱粉を原料とする冷水膨潤度83ml
/gの冷水糊化粉を得た。
【0034】
【実施例1】未糊化粉として試料No.3のアセチル澱
粉75部と小麦粉25部の混合物、冷水糊化粉として試
料No.6を55%とワキシーコンスターチを原料とす
る冷水糊化粉である「マツノリンA」(松谷化学工業社
製)45%の混合物(冷水膨潤度58ml/g)を用
い、これらを表1に示す割合で原料粉として使用した。
この原料粉100部を竪型ミキサーに採り、生卵40
部、ココア15部、砂糖30部、生クリーム10部を加
え、更に用いる冷水糊化粉の割合により添加する水の量
を10〜60部の範囲で耳たぶ程度の生地が得られるよ
うに調節しながら加えて室温で2分混捏し、得られた生
地を30gに分割して球形に成形し、190℃で23分
焼成してココア味の焼成食品を得た。得られた焼成食品
を下記の評価基準に従って評価し、その結果を表1に示
す。
【0035】 <評価基準> 生地の状態;◎:ベタツキがなくてまとまり易く、成形は容易 ○:ベタツキが殆どなくてまとまり易く、成形は比較的容易 △:ベタツキがある或はまとまりがやや悪く、成形がやや難しい ×:ベタツキが強い或はまとまりが悪く、成形が困難 外観; ◎:膨化が均一で、表面の色調も一様にきつね色をしている ○:膨化が比較的均一で、表面の色調も比較的一様である △:膨化がやや不均一で、表面の色調もやや一様でない ×:膨化が不均一で、表面の色調も一様でない 食感; ◎:もちもち感が強い ○:もちもち感がある △:もちもち感が弱く、ややボソツク ×:もちもち感がなく、ボソツク 食感の経時変化;製造した焼成食品を冷後密封して室温に放置し、経時的にオー ブントースターで再加熱して、製造直後のものと比較した。 ◎:4日後も食感的に殆ど変わらない ○:2日後も食感的に殆ど変わらない △:2日後には食感的に変化が見られる ×:1日後には食感的に変化が見られる 風味; ◎:味に深みがある ○:味にやや深みがある △:味がやや平板でややものたりない ×:味が平板でものたりない
【0036】
【表1】
【0037】
【実施例2】実施例1に於て、澱粉類として試料No.
4を、穀粉として小麦粉を用い、この両者を表2に示す
割合(部)で未糊化粉として75部と実施例1で用いた
冷水糊化粉25部を原料粉とし、水の添加量を20〜3
5部の範囲で調節した他は、実施例1と同様にして焼成
食品を製造し、同様に評価してその結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【実施例3】実施例1に於て、試料No.3の替りに表
3に示す各種澱粉類を用いた未糊化粉75部と実施例1
で用いた冷水糊化粉25部を原料粉として用い、水の添
加量を25部とした他は実施例1と同様にして焼成食品
を製造し、同様に評価してその結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【実施例4】実施例1に於て、実施例1で用いた未糊化
粉75部と、冷水糊化粉として試料No.6の架橋澱粉
を原料とするものとワキシーコーンスターチを原料とす
る冷水糊化粉「マツノリンA」(松谷化学工業社製、表
4ではAと表記する)を表4に示す割合(%)の混合物
25部を原料粉とし、水の添加量を25部とした他は実
施例1と同様に製造し、同様に評価してその結果、及び
用いた冷水糊化粉の冷水膨潤度(ml/g)を表4に示
す。
【0042】
【表4】
【0043】
【実施例5】未糊化粉として試料No.3のアセチル澱
粉65部とコーンフラワー35部の混合物65部、冷水
糊化粉として試料No.6を50%と「マツノリンM」
(馬鈴薯澱粉を原料にした冷水糊化粉、松谷化学工業社
製)を50%の混合物(冷水膨潤度58ml/g)35
部を用い、水85部、及び呈味成分として生卵20部、
バター22部、脱脂粉乳2部、ガーリックパウダー2
部、食塩1.5部、コンソメ3部を実施例1と同様に混
捏、成形、焼成して焼き餅風焼成食品を得た。この焼成
食品は内部に一部空洞ができるほどに均一に良く膨化
し、表面はパリッとしていると共に内部はもちもちした
食感を有し、コンソメ味と良くマッチしていた。この焼
成食品を4日後にオーブントースターで再加熱したもの
は焼成直後と殆ど変わらない食感を有していた。
【0044】
【実施例6】未糊化粉として試料No.2のアセチル澱
粉80部と米粉20部の混合物80部、冷水糊化粉とし
て小麦粉を原料とする冷水糊化粉である「マツノリンM
WH」(松谷化学工業社製、冷水膨潤度33ml/g)
20部を原料粉とし、水20部及び呈味成分として生卵
75部、サラダオイル2部、粉末チーズ40部、食塩
1.5部、10mm角程度に裁断したベーコン25部を
用いて、実施例1に従って焼成食品を製造した。得られ
た焼き餅風焼成食品は、膨化度はさほど大きくないが均
一であり、表面は適度にパリッとし、内部は空洞がない
程度に比較的密になっていてもちもちした食感を有し、
チーズ風味が良くマッチしていた。この焼成食品を4日
後にオーブントースターで再加熱したところ、焼成直後
と殆ど変わらない食感を有していた。
【0045】
【実施例7】未糊化粉として試料No.3のアセチル澱
粉80部と小麦粉20部の混合物70部、冷水糊化粉と
して「マツノリンA」30%と「マツノリンMWH」7
0%の混合物(冷水膨潤度25ml/g)30部を原料
粉として用い、呈味成分として生卵35部、ラード15
部、牛乳75部、食塩1.5部、カレー粉3部、軽く炒
めたミンチ牛肉及びみじん切りのオニオン各25部を竪
型ミキサーで2分混捏して生地を調製し、この生地を厚
さ約15mmの板状として生地重量約25gの正方形に
裁断し、180℃で20分焼成した。得られた焼成食品
は、膨化度はさほど大きくないが均一であり、表面は適
度にパリッとし、内部は空洞がない程度に比較的密にな
っていてもちもちした食感を有し、この食感と小麦粉で
強調されたカレー風味が良くマッチしていた。この焼成
食品を4日後にオーブントースターで再加熱したとこ
ろ、焼成直後と殆ど変わらない食感を有していた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未糊化粉と冷水糊化粉が50/50〜90
    /10の重量比からなる原料粉100重量部に、必要に
    応じ呈味成分10〜250重量部および水0〜100重
    量部を加えて混捏して生地を調製し、これを成形し、焼
    成してなることを特徴とする焼き餅風焼成食品。
  2. 【請求項2】未糊化粉と冷水糊化粉が60/40〜80
    /20の重量比からなる請求項1に記載の焼き餅風焼成
    食品。
  3. 【請求項3】未糊化粉が澱粉類60〜90重量部と穀粉
    40〜10重量部からなる請求項1又は2に記載の焼き
    餅風焼成食品。
  4. 【請求項4】澱粉類がアセチル澱粉及び/又はヒドロキ
    シプロピル澱粉である請求項3に記載の焼き餅風焼成食
    品。
  5. 【請求項5】冷水糊化粉が15〜70ml/gの冷水膨
    潤度を有する冷水糊化粉である請求項1〜2のいずれか
    に記載の焼き餅風焼成食品。
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