JPH10188850A - 偏向ヨーク装置及びそれを装着した受像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投射型ディスプレイ用の受像装置及びそれに
装着される偏向ヨーク装置に関して、フォーカス特性を
改善すると共に部品点数や製造工数を低減する。 【解決手段】 本発明の第１の局面に従った偏向ヨーク
装置は、主偏向ヨークとラスター歪み補正用の副偏向ヨ
ークとを備え、投射型受像管の円筒状ネック部の外側に
装着される偏向ヨーク装置において、前記主偏向ヨーク
と前記副偏向ヨークとの間に電子ビーム集束用のリング
状マグネットを配したことを特徴とするものである。ま
た、本発明の第２の局面に従った受像装置は、投射型受
像管の円筒状ネック部の内側に静電方式のフォーカス調
整機構を配し、前記受像管のネック部の外側に前記本発
明の第１の局面に従った偏向ヨーク装置を装着したこと
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、投射型ディスプレ
イ用の受像装置及びそれに装着される偏向ヨーク装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】投射型ディスプレイシステムにおいて
は、光の３原色に対応する３本の投射型受像管が並置さ
れ、光学系を介してスクリーン上に大画面が投影される
ので、各受像管におけるラスターのずれを的確に補正
し、スクリーン上で３原色の投影点を一致させる必要が
ある。

【０００３】このため、各受像管に装着される偏向ヨー
ク装置は、主偏向ヨークの他に、実開昭６３−１９８１
５８号公報に開示の如きダイナミックコンバーゼンス補
正用の副偏向ヨークを備える。

【０００４】図３は、従来の斯種受像装置の構成を示す
ものであり、コイルセパレータ１にコア２を介して垂直
偏向コイル３及び水平偏向コイル４が巻回された主偏向
ヨ−ク１０と、ラスター歪み補正用の副偏向ヨ−ク５０
とが、投射型受像管９０のネック部９の外側に取り付け
られたものである。副偏向ヨーク５０は、図４に示すよ
うに、リングコア５に水平コイル６と垂直コイル７とが
トロイダル状に巻回されたものである。

【０００５】さらに鮮明な画質を得るためには、静電方
式あるいは電磁方式のフォ−カス調整機構が装備され
る。静電方式のフォーカス調整機構は、投射型受像管の
ネック部の主偏向ヨーク及び副偏向ヨークが取り付けら
れる部分の内側に配備される。電磁方式のフォーカス調
整機構８０は、図５に示すように、投写型受像管９０の
ネック部９の外側で主偏向ヨーク１０及び副偏向ヨ−ク
５０のさらに後方側の位置に取り付けられ、フォ−カス
マグネットとダイナミックコイルとスタティックコイル
とを備える。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、静電方式の
フォーカス調整機構は、受像管のネック部の内側に配さ
れるため、該ネック部の内径による制約を受けて集束レ
ンズの口径を大きくすることができず、大電流領域で電
子ビ−ムを集束させることが難しい。

【０００７】一方、電磁方式のフォ−カス調整機構は、
受像管のネック部の外側に配されるため、集束レンズの
口径を大きくすることができて静電フォ−カス方式より
優れたフォ−カス特性を得ることができるが、フォ−カ
スマグネットの取り付け方によってビ−ム形状が微妙に
変化するため、取り付け調整に多大な工数を要する。ま
た、ダイナミックコイル及びスタティックコイルを併備
するので、コストが高くなる。さらに、フォ−カスマグ
ネットの前方側に主偏向ヨ−ク及び副偏向ヨークが配さ
れるため、フォ−カスマグネットを画面に近づけること
によるフォ−カス特性の改善が制約される。

【０００８】本発明は、従来技術における上述の如き問
題点を解決するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の局面に従
った偏向ヨーク装置は、主偏向ヨークとラスター歪み補
正用の副偏向ヨークとを備え、投射型受像管の円筒状ネ
ック部の外側に装着される偏向ヨーク装置において、前
記主偏向ヨークと前記副偏向ヨークとの間に電子ビーム
集束用のリング状マグネットを配したことを特徴とする
ものである。

【００１０】また、本発明の第２の局面に従った受像装
置は、投射型受像管の円筒状ネック部の内側に静電方式
のフォーカス調整機構を配し、前記受像管のネック部の
外側に前記本発明の第１の局面に従った偏向ヨーク装置
を装着したことを特徴とするものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に従った偏向
ヨーク装置の分解構成を図１に示す。この偏向ヨーク装
置は、主偏向ヨ−ク１０とラスター歪み補正用の副偏向
ヨーク５０との間に電子ビーム集束用のリング状マグネ
ット８を配して一体化したものである。１５はカバーで
ある。

【００１２】図１に示した偏向ヨーク装置は、投射型受
像管の円筒状ネック部の外側に装着され、前記受像管の
ネック部の内側には、静電方式のフォーカス調整機構が
配される。

【００１３】斯かる構成の受像装置においては、リング
状のフォーカスマグネット８により電子ビームが大略集
束され、静電フォーカス機構によりフォーカスが微調整
されるので、従来の静電方式単独によるフォーカス調整
に比べて、大電流領域での電子ビ−ムの集束が容易にな
るという利点があり、従来の電磁方式によるフォーカス
調整に比べて、ダイナミックコイルやスタティックコイ
ルが不要になるという利点がある。

【００１４】さらにこの構成によれば、従来の電磁方式
によるフォ−カス調整に比べて、フォ−カスマグネット
の位置が受像管の画面に近づくことによるフォ−カス特
性の改善という利点もある。

【００１５】すなわち、図２に示す如く、従来の電磁フ
ォ−カス方式におけるフォ−カスマグネット８０の位置
による集束レンズの倍率はｂ’／ａ’であるのに対し
て、本発明によるフォ−カスマグネット８の位置による
集束レンズの倍率はｂ／ａとなる。ここで、ａ、ａ’は
受像管ネック部の後方端からフォーカスマグネットまで
の距離、ｂ、ｂ’は、フォーカスマグネットから受像管
画面部の前方端までの距離を示している。そして、ａ＞
ａ’、ｂ＜ｂ’であるから、集束レンズの低倍率化によ
るフォ−カス特性の改善が実現される。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、投射型
受像装置における従来の静電方式単独によるフォーカス
調整に比べて、大電流領域での電子ビ−ムの集束が容易
になり、従来の電磁方式によるフォーカス調整に比べ
て、フォーカス特性が改善されると共に部品点数や製造
工数が低減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例による偏向ヨーク装置の分解構成
図である。

【図２】本発明実施例及び従来例における集束レンズの
倍率を説明するための概念図である。

【図３】第１従来例による投射型受像装置の構成図であ
る。

【図４】副偏向ヨークの構成図である。

【図５】第２従来例による投射型受像装置の構成図であ
る。

【符号の説明】

１０ 主偏向ヨーク ５０ 副偏向ヨーク ８ リング状マグネット ９０ 投射型受像管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主偏向ヨークとラスター歪み補正用の副
   偏向ヨークとを備え、投射型受像管の円筒状ネック部の
   外側に装着される偏向ヨーク装置において、 前記主偏向ヨークと前記副偏向ヨークとの間に、電子ビ
   ーム集束用のリング状マグネットを配したことを特徴と
   する偏向ヨーク装置。
2. 【請求項２】 投射型受像管の円筒状ネック部の内側
   に、静電方式のフォーカス調整機構を配し、 前記受像管のネック部の外側に、請求項１記載の偏向ヨ
   ーク装置を装着したことを特徴とする受像装置。