JPH1018840A - 二重管排気マニホールド - Google Patents

二重管排気マニホールド

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JPH1018840A
JPH1018840A JP17475496A JP17475496A JPH1018840A JP H1018840 A JPH1018840 A JP H1018840A JP 17475496 A JP17475496 A JP 17475496A JP 17475496 A JP17475496 A JP 17475496A JP H1018840 A JPH1018840 A JP H1018840A
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JP
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pipe
exhaust gas
exhaust
inner cylinder
cylinder
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JP17475496A
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Yasuo Fukae
康夫 深江
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Calsonic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶着部の亀裂の発生を防止すること、高温の
排ガスに起因する触媒コンバータの劣化を防止するこ
と、内筒の溶接箇所を少なくすること。 【解決手段】 枝管2、排ガス集合部3及び排出管4
を、内筒5と外筒6とを相互に間隔をおいて配置した二
重管で構成し、集合した排気を下流側に設けた触媒コン
バータに排出する二重管排気マニホールドにおいて、内
筒5と外筒6は、一対の半割管8、9、11、12からな
り、内筒5用の一対の半割管8、9は、一方の半割管8
の端部8aが他方の半割管9の端部9aを覆って継目Aを形
成し、継目Aに、部分溶接した複数の溶着部Bと、溶接
がなされない非溶着部Cとを設け、非溶着部Cは、少な
くとも内筒5の内壁に角度をもって排ガスが当たる排ガ
ス流路の屈曲点と、シリンダヘッド側の入口端部と排気
管側の出口端部とに設けられ、外筒6用の一対の半割管
11、12は、継目Dが全長にわたって溶接されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のシリン
ダヘッドの複数の排気ポートから排出された排ガスを集
めて排気管に導くための二重管排気マニホールドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関の排気マニホールドに
接続された排気管には、排ガスを浄化するための触媒コ
ンバータが設けられているが、この触媒コンバータは排
ガスの熱によってある温度以上にまで暖められないと浄
化機能を十分に発揮しえないため、運転開始時にはでき
るだけ温度が高い排ガスを触媒コンバータに送って触媒
コンバータを短時間のうちに暖める必要がある。しか
し、運転開始時には、排ガスの温度は低いため、シリン
ダヘッドの排気ポートから触媒コンバータに至るまでの
間にできるだけ排ガスの熱が奪われないようにすること
が望まれるが、排気マニホールドは、その管壁が厚いこ
とから熱容量が大きく温度が上昇しにくいため、運転開
始時には排気マニホールドと排ガスとの間の温度差が大
きく排ガスの熱が奪われやすかった。
【0003】そこで、これに対処すべく、例えば、特開
平6−200755号公報に記載されているように、シ
リンダヘッドの排気ポートに連通する排気マニホールド
の枝管と、枝管からの排ガスを集めて排気管に導く集合
管とを、それぞれ内筒と外筒とからなる二重管にして、
内筒を薄肉にすることにより、その熱容量を小さくして
排ガスの熱ができるだけ奪われないようにすることが行
われている。
【0004】図4は、この種の二重管排気マニホールド
Mを示すもので、図示しないシリンダヘッドの排気ポー
トに連通するように上流側へ突出する複数の枝管aと、
各枝管aを介して流入した排気を集合する排ガス集合部
bと、排ガス集合部bに集合した排気を後流に設けた触
媒コンバータに排出する排出管cとを有する。枝管aと
排出管cの端部には、フランジdが設けてある。この二
重管排気マニホールドMは、内筒eと外筒fとを相互に
間隔をおいて配置した二重管からなる。
【0005】ところで、二重管排気マニホールドMで
は、上記のように、内筒e、gと外筒f、hとの二重管
によって形成されているが、通常、この内筒e、gと外
筒f、hとは、図5に示すように、上流側から下流側に
向かって二つ割りにした一対の半割管iを、最中合わせ
してその継目を溶接で溶着することにより作られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、二重管
排気マニホールドMでは、通常、内筒e、gは、一対の
半割管iを溶接で結合することにより作られているが、
従来では一対の半割管iの軸方向にのびる継目の全長に
わたって溶接を行っていたため、次のような問題があっ
た。
【0007】すなわち、二重管排気マニホールドMは運
転時にかなりの高温になるため、熱膨張によって内筒
e、gが熱変形し、溶着部に熱応力が生ずるが、これが
原因で溶着部に亀裂が発生していた。この溶着部の亀裂
は、特に、排気ポートから枝管aに流入した排ガスが、
排ガス集合部bの内壁に衝突するようにあたる部位j、
すなわち排ガスの流路が屈曲する部位jで顕著である。
【0008】そこで、本発明の目的は、内筒に非溶着部
を設けることにより、溶着部の亀裂の発生を未然に防止
しうる二重管排気マニホールドを提供することにある。
本発明の他の目的は、定常運転時、特に高速運転時にお
いて高温の排ガスに起因する触媒コンバータの劣化を未
然に防止しうる二重管排気マニホールドを提供すること
にある。
【0009】本発明のさらなる他の目的は、内筒の溶接
箇所を少なくして組立を容易にすることができる二重管
排気マニホールドを提供することにある。本発明のさら
なる他の目的は、一方の半割管の線膨張係数を他方の半
割管の線膨張係数よりも大にして、排ガスの高温時に、
一方の半割管と他方の半割管との間に間隙を生じさせる
ことにより、触媒コンバータの劣化をより一層完全に防
止しうる二重管排気マニホールドを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内燃機関のシリンダヘッドの複数の排気ポートにそれぞ
れ連通するように上流側に突出形成された枝管と、各枝
管を介して流入した排気を集合する排ガス集合部と、集
合した排気を下流側に排出する排出管とを備え、これら
を、内筒と外筒とを相互に間隔をおいて配置した二重管
で構成し、集合した排気を下流側に設けた触媒コンバー
タに排出する二重管排気マニホールドにおいて、内筒と
外筒は、上流側から下流側に向かって二つ割りにされた
一対の半割管からなり、内筒を構成する一対の半割管
は、一方の半割管の端部が他方の半割管の端部を覆って
なる継目を形成し、この継目には、部分溶接した複数の
溶着部と、溶接がなされない非溶着部とを設け、かつこ
の非溶着部は、少なくとも内筒の内壁に角度をもって排
ガスが当たる排ガス流路の屈曲点と、シリンダヘッド側
の入口端部と排気管側の出口端部とに設けられ、外筒を
構成する一対の半割管は、その継目がその全長にわたっ
て溶接されていることを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の二
重管排気マニホールドにおいて、内筒を構成する一対の
半割管は、一方の半割管の線膨張係数が他方の半割管の
線膨張係数よりも大であることを特徴とするものであ
る。
【0012】(作用)請求項1記載の発明では、シリン
ダヘッドの排気ポートから流出した排ガスは各枝管を介
して排ガス集合部に流入し、さらに排出管を通って排気
管に流出する。運転開始時には、排ガスの温度は低い
が、内筒は薄肉であるから熱容量が小さく、したがって
排ガスの温度低下はわずかである。このため、排気管に
設けられた触媒コンバータは排ガスの熱によって短時間
のうちに暖められる。
【0013】しかも、内筒を構成する一方の半割管の端
部は、他方の半割管の端部を覆っているから、排ガスが
内筒から外筒側へ漏出することはほとんどない。このた
め、排気管に設けられた触媒コンバータは排ガスの熱に
よって短時間のうちに暖められる。排ガスの温度は、運
転開始から時間が経過するにつれて上昇し、この排ガス
の熱により内筒は熱膨張する。
【0014】しかし、この熱膨張は、内筒の非溶着部の
可撓性と非溶着部での半割管の形状変形によって吸収さ
れるため、内筒の溶着部に亀裂が発生するおそれはほと
んどない。このような熱膨張は、特に高温の雰囲気にさ
らされる部位、すなわち枝管の流入口と対向する部位、
これは排ガスの流路が屈曲する箇所でもあるが、この部
位において顕著である。
【0015】しかし、この部位には、溶接がされていな
い非溶着部が位置しているため、高温の排ガスによる熱
膨張は吸収される。シリンダヘッドの排気ポートから枝
管に流入した排ガスのほとんどは、排ガス集合部から排
出管を経て排気管に流出するが、内筒の非溶着部はシー
ルされていないので、一部排ガスが外筒側へ漏出する場
合もある。しかし、外筒は、その継目が全長にわたって
溶接されているため、気密性が十分であり、したがって
排ガスが二重管排気マニホールドの外部に漏出すること
がない。
【0016】排ガスの外筒側への漏出は、排ガスの温度
低下をもたらすことから、好ましくはないが、触媒温度
を逸速く上昇させたいコールドスタートにおけるアイド
リング時はエンジン回転も低く背圧も低いので、外筒側
への漏出はほとんど問題にならない。それよりも非溶着
部を設けることによる亀裂を防止する効果を得ることの
方が利益が大きく、しかも背圧が高く外筒側への漏出の
ある程度の発生が予想される長時間にわたる定常運転時
又は高速運転時には既に保温の必要はなく、外筒側への
漏出による熱の消費は逆に触媒コンバータの劣化を防止
するという利益をもたらす。
【0017】請求項2記載の発明では、内筒を構成する
一対の半割管は、一方の半割管の線膨張係数が、他方の
半割管の線膨張係数よりも大であるから、定常運転時又
は高速運転時に排ガスが高温になり、高温の排ガスによ
って内筒が加熱されると、線膨張係数の相違により、一
方の半割管の端部と他方の半割管の端部との間に間隙が
生じて内筒の排ガスの一部が外筒側へ漏出するため排ガ
スの温度が低下する。
【0018】したがって、排出管の下流側の排気管に設
けられた触媒コンバータに高温の排ガスが流入すること
がない。運転開始時には、排ガスの温度は低いため、一
方の半割管と他方の半割管との線膨張係数が相違して
も、これに起因して一方の半割管と他方の半割管との間
に間隙が生ずることがない。したがって、内筒の排ガス
が外筒側へ漏出することがほとんどないため、漏出に起
因する排ガスの温度の低下はない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。図1ないし図3は、請求項1お
よび請求項2記載の発明に係る二重管排気マニホールド
1の一実施形態を示す。図において、二重管排気マニホ
ールド1は、複数の枝管2と排ガス集合部3と排出管4
とを備えており、それぞれの枝管2と排出管4の端部に
は、フランジ10が設けられている。
【0020】枝管2は、排ガス集合部3から分岐して上
流側に突出しており、それぞれフランジ10を介して図
示しないシリンダブロックの排気ポートに接続されてい
る。排出管4は、下流側に連設される図示しない排気管
に接続されていて、排ガス集合部3に流下した排気を排
気管に排出する。二重管排気マニホールド1は、内筒5
と外筒6とを互いに間隔をおいて配置した二重管で構成
されている。
【0021】そして、この内筒5と外筒6との間の間隔
は、断熱層7となっている。この断熱層7は、単なる空
間でもよく、あるいは内筒5と外筒6との隙間に充填し
た断熱材でもよい。前者の場合には、空気が断熱層を構
成することになる。図2は、二重管排気マニホールド1
の枝管2の部分のI−I線に沿う断面図であり、この二
重管排気マニホールド1の場合は、断熱層7は空間とな
っている。
【0022】なお、排出管4の部分のII-II線に沿う断
面図も図2と同一である。このように、内筒5と外筒6
との間に断熱層7を形成するのは、運転開始時に、でき
るだけ温度の高い排ガスが図示しない触媒コンバータに
流れるようにするために排ガスの温度低下を防止する必
要があるからである。内筒5は、上流側から下流側に向
かって二つ割りにした一対の半割管8、9を、一方の半
割管8の端部8aが他方の半割管9の端部9aを覆うよ
うにして最中合わせすることにより形成されている。
【0023】本実施形態では、排気ガスが高温になった
際、内筒5を構成する一対の半割管8、9の非溶着部C
における端部8a、9aに積極的に間隙Sが生ずるよう
にして触媒コンバータの劣化を防止するとの観点から、
一方の半割管8の線膨張係数が、他方の半割管9の線膨
張係数よりも大きくされている。両者の線膨張係数とし
ては特に限定はないが、材質としては、例えば、一方の
半割管8にはオーステナイト系のSUS(JIS規格)
を使用し、他方の半割管9にはフェライト系のSUS
(JIS規格)を使用する。この一対の半割管8、9の
軸方向にのびる継目Aは、複数の部位においてのみ溶接
されている。すなわち、軸方向にのびる継目Aの数カ所
のみがスポット的に溶接されているだけである。なお、
一対の半割管8、9は、図5に示す従来の半割管iと同
様の形状構造をしているが、一方の半割管8の端部8a
が拡大されている点で相違する。この端部8aはプレス
などにより他方の半割管9の端部9aを覆えるように加
工される。
【0024】そして、スポット的に溶接をした溶着部B
は、内筒5の内壁に排ガスが角度をもってあたらないと
ころ、すなわち排ガスが内筒5の内壁に対して平行に流
れる部位Yに位置し、他方、溶接をしない非溶着部Cは
排ガスが内筒5の内壁に対して角度をもってあたる部位
Xと内筒5のシリンダヘッド側の入口端部に位置してい
る。
【0025】このように、内筒5に非溶着部Cを設ける
のは、内筒5が熱膨張すると溶着部Bに熱応力が生じて
この部分に亀裂が発生するが、非溶着部Cがあるとこの
熱膨張が非溶着部Cの形状変形によって吸収されるた
め、溶着部Bに生ずる熱応力はごく小さく溶着部Bに亀
裂が発生するまでには至らないからであり、要するに内
筒5の熱膨張を吸収させるためである。
【0026】また、溶着部Bを、排ガスが内筒5の内壁
に対して平行に流れる部位Yに選定したのは、排ガスが
内筒5の内壁に角度をもってあたる部位Xは、特に、内
筒5の熱膨張が大きく溶着部Bに亀裂が発生しやすいこ
とから、このような部位Xを避けるためである。また、
二重管排気マニホールド1は、枝管2と排ガス集合部3
と排出管4とを一体成形によって形成したものである
が、必ずしも一体成形である必要はなく、別個に成形さ
れた枝管2と排ガス集合部3と排出管4とを溶接によっ
て結合したものであってもよい。
【0027】一方、外筒6も、内筒5と同様に、上流側
から下流側に向かって二つ割りにした一対の半割管1
1、12からなるが、この一対の半割管11、12は、
内筒5と異なって軸方向にのびる継目Dの全長にわたっ
て溶接することにより互いに結合されている。すなわ
ち、外筒6は、その継目Dが全長にわたって溶着されて
いるため、気密性が十分に保たれている。したがって、
内筒5の溶接箇所を数カ所のみにすることにより、内筒
5を構成する一対の半割管8、9間に非溶着部Cが存在
しても問題は生じない。
【0028】排ガスが内筒5の非溶着部Cから外筒6側
へ漏出しても、外筒6は完全に気密保持されているた
め、排ガスが二重管排気マニホールド1の外部に漏出す
ることがないからである。なお、外筒6の材質として
は、例えば、13Crを組成とするSUS409、41
0(JIS規格)が代表的である。
【0029】次に、本実施形態の作用について説明す
る。図示しないシリンダヘッドの排気ポートから流出し
た排ガスは、各枝管2から排ガス集合部3に流入し、さ
らに排出管4から図示しない排気管に流出する。運転開
始時には、排ガスの温度は低いが、内筒5は薄肉である
から熱容量が小さく、したがって内筒5による熱吸収は
少なく排ガスの温度低下はわずかである。このため、排
気管に設けられた図示しない触媒コンバータは排ガスの
熱によって短時間のうちに暖められる。
【0030】排ガスの温度は、運転開始から時間が経過
するにつれて上昇し、この排ガスの熱により内筒5は熱
膨張して熱変形しようとする。従来例のように、内筒の
継目がその全長にわたって溶接されていると、溶着部は
自由に熱変形することができず、内部に熱応力が生ず
る。そして、この熱応力が溶着部の溶接強度を上回る
と、溶着部に亀裂が発生することになる。
【0031】しかし、本発明の実施の形態では、この熱
膨張は、内筒5の非溶着部Cにおける形状変形として吸
収されるので、溶着部Bに集中することが避けられ、内
筒5の溶着部Bに亀裂が発生するおそれはほとんどな
い。このような熱膨張は、図示しないシリンダヘッドの
排気ポートから枝管2に流入した排ガスによって直撃さ
れる排ガス集合部3の部位Xのような、特に高温の雰囲
気にさらされる部位、すなわち排ガスの流路が屈曲する
部位Xにおいて顕著である。
【0032】しかし、この部位Xには溶接がされていな
い非溶着部Cが位置しているため、排ガスが直撃する部
位Xにおける熱膨張は、非溶着部Cの熱変形として吸収
される。ところで、シリンダヘッドの排気ポートから内
筒5に流入した排ガスのほとんどは、図示しない排気管
に流出するが、内筒5には非溶着部Cが設けられている
ので、排ガスの一部は、この非溶着部Cから外筒6側へ
に流出する。しかし、外筒6はその継目が全長にわたっ
て溶接されているため気密性が十分であり、したがって
排ガスが二重管排気マニホールド1の外部に漏出するこ
とがない。
【0033】しかも、一方の半割管8の線膨張係数は、
他方の半割管9の線膨張係数よりも大であるから、定常
運転時又は高速運転時に排ガスが高温になり、高温の排
ガスによって内筒5が加熱されると、線膨張係数の相違
により、図3に示すように、一方の半割管8の端部8a
を他方の半割管9の端部9aで覆ってなる継目Aにおけ
る非溶着部Cにおいて、他方の半割管9がのびることに
より、両半割管8、9間に間隙Sが生じて内筒5内の排
ガスの一部が外筒6側へ漏出するため、排ガスの温度が
低下する。
【0034】したがって、図示しない排気管に設けられ
た触媒コンバータに高温の排ガスが流入することがな
い。運転開始時には、排ガスの温度は低いため、一方の
半割管8と他方の半割管9との線膨張係数が相違して
も、これに起因して一方の半割管8と他方の半割管9と
の間に間隙が生ずることがない。
【0035】したがって、内筒5内の排ガスが外筒6側
へ漏出することがほとんどないため、漏出に起因する排
ガスの温度の低下はない。このため、運転開始時には、
触媒コンバータは短時間のうちに暖められることにな
る。なお、非溶着部Cから一部排気が外筒6側へ漏出す
ることは排気温度を低下させることになるが、排気温度
を可及的に保持して触媒コンバータに導入したい運転回
転時においては、エンジン回転は、アイドリング状態で
あるので、排気量が少なく、板厚部と板厚部とが突き合
わせ状態の非溶着部Cであっても、ここから外筒6側へ
漏出する排気はほとんどない。
【0036】一方、エンジン定常運転時点では、触媒コ
ンバータは、既に活性化温度まで上昇しているので、エ
ンジンの定常運転に伴い排気量が増大して、そのため外
筒6側へ漏出する排気が増大してその分排気温度が低下
しても、何ら問題にはならない。
【0037】触媒コンバータは、一定以上の温度になる
とかえって触媒の劣化を早め耐久性を低下させるので、
むしろ排気温度は低下させる方が好ましい。さらに、内
筒5の溶接箇所が数カ所であるため、二重管排気マニホ
ールド1の組立が容易であり、しかも溶着部Bは排ガス
が内筒5の内壁に角度をもってあたらない部位Yに設け
られているから、溶着部Bに亀裂が生じにくく、したが
って耐久性が損なわれることがない。
【0038】以上説明したように、本実施形態では、内
筒5に非溶着部Cを設けたので、排気による内筒5の熱
膨張が非溶着部Cの形状変形により吸収されることにな
り、したがって溶着部Bにおける熱応力が緩和され、そ
の結果溶着部Bの亀裂の発生が未然に防止されることに
なる。また、非溶着部Cを設けたことにより、運転開始
時のようなアイドリング運転では影響ないが、エンジン
定常運転時のように排気量が増大するとともに排気温度
も高い状態では、非溶着部Cの可撓性と非溶着部Cでの
半割管8、9の形状変形によって吸収されて、非溶着部
Cから排ガスが外筒6側へ漏出することにより排ガスの
温度が低下するため、定常運転時、特に高速運転時にお
いて高温の排ガスに起因する触媒コンバータの劣化が防
止される。
【0039】特に、本実施形態では、一方の半割管8の
線膨張係数は、他方の半割管9の線膨張係数よりも大で
あるから、排ガスが高温になると、一方の半割管8と他
方の半割管9との間に間隙Sが生じ、この間隙Sから排
ガスが外筒6側へ漏出するため、排ガスの温度が低下す
る。したがって、触媒コンバータの劣化が防止されるこ
とになる。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、内筒を構成す
る一対の半割管の端部が他方の半割管の端部を覆ってな
る継目に、非溶着部を設けたので、排気熱による内筒の
熱膨張が非溶着部の可撓性と非溶着部での半割管の形状
変形により吸収されることになり、したがって溶着部に
おける熱応力が緩和され、その結果溶着部の亀裂の発生
が未然に防止されることになる。
【0041】特に、内筒の継目は複数カ所において溶接
されているだけであるから、半割管が熱膨張を容易に吸
収し、しかも溶着部は排ガスが平行に流れる部位、すな
わち排ガスが角度をもってあたらない部位に設けられて
いるので、亀裂の発生といった問題はほとんど生じな
い。また、定常運転時、特に高速運転時においては、熱
膨張に起因して非溶接部での他方の半割管が一方の半割
管から離反して間隙を形成し、非溶着部から排ガスが外
筒側へ漏出することにより排ガスの温度が低下するた
め、高温の排ガスに起因する触媒コンバータの劣化が防
止される。
【0042】さらに、内筒の溶接箇所が数カ所であるた
め、二重管排気マニホールドの組立が容易であり、しか
も溶着部は排ガスが内筒の内壁に角度をもってあたらな
い部位に設けられているから溶着部に亀裂が生じにく
く、したがって溶接箇所が数カ所であっても耐久性が損
なわれることがない。請求項2記載の発明では、内筒を
構成する一方の半割管の線膨張係数は、他方の半割管の
線膨張係数よりも大であるから、排ガスが高温になる
と、一方の半割管と他方の半割管との間に間隙が生じ、
この間隙から排ガスが外筒側へ漏出することにより、排
ガスの温度が低下する。したがって、高温の排ガスに起
因する触媒コンバータの劣化が防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および請求項2記載の発明に係る二重
管排気マニホールド1の一実施形態を示す正面図であ
る。
【図2】図1の〓−〓線(〓−〓線)に沿う断面図であ
る。
【図3】図1〓−〓線(〓−〓線)に沿う継目Aの高温
時の状態を示すの断面図である。
【図4】従来の二重管排気マニホールドの正面図であ
る。
【図5】図4に示す排気マニホールドを構成する半割管
の斜視図である。
【符号の説明】
1 二重管排気マニホールド 2 枝管 3 排ガス集合部 4 排出管 5 内筒 6 外筒 8、9 内筒の半割管 8a、9a 内筒の半割管の端部 11、12 外筒の半割管 A 内筒の継目 B 内筒の溶着部 C 内筒の非溶着部 D 外筒の継目

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダヘッドの複数の排気
    ポートにそれぞれ連通するように上流側に突出形成され
    た枝管(2)と、各枝管(2)を介して流入した排気を
    集合する排ガス集合部(3)と、集合した排気を下流側
    に排出する排出管(4)とを備え、これらを、内筒
    (5)と外筒(6)とを相互に間隔をおいて配置した二
    重管で構成し、集合した排気を下流側に設けた触媒コン
    バータに排出する二重管排気マニホールドにおいて、 内筒(5)と外筒(6)は、上流側から下流側に向かっ
    て二つ割りにされた一対の半割管(8、9、11、1
    2)からなり、 内筒(5)を構成する一対の半割管(8、9)は、一方
    の半割管(8)の端部(8a)が他方の半割管(9)の
    端部(9a)を覆ってなる継目(A)を形成し、この継
    目(A)には、部分溶接した複数の溶着部(B)と、溶
    接がなされない非溶着部(C)とを設け、かつこの非溶
    着部(C)は、少なくとも内筒(5)の内壁に角度をも
    って排ガスが当たる排ガス流路の屈曲点と、シリンダヘ
    ッド側の入口端部と排気管側の出口端部とに設けられ、 外筒(6)を構成する一対の半割管(11、12)は、
    その継目(D)がその全長にわたって溶接されているこ
    とを特徴とする二重管排気マニホールド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の二重管排気マニホールド
    において、 内筒(5)を構成する一対の半割管(8、9)は、一方
    の半割管(8)の線膨張係数が他方の半割管(9)の線
    膨張係数よりも大であることを特徴とする二重管排気マ
    ニホールド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1241330A2 (de) * 2001-03-16 2002-09-18 Zeuna-Stärker Gmbh & Co Kg Verfahren zur Herstellung eines Abgaskrümmers sowie nach diesem Verfahren hergestellter Abgaskrümmer
WO2021230147A1 (ja) * 2020-05-13 2021-11-18 株式会社ユタカ技研 内燃エンジンの排気触媒装置

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