JPH1018803A - ガスタービン翼 - Google Patents

ガスタービン翼

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JPH1018803A
JPH1018803A JP8176787A JP17678796A JPH1018803A JP H1018803 A JPH1018803 A JP H1018803A JP 8176787 A JP8176787 A JP 8176787A JP 17678796 A JP17678796 A JP 17678796A JP H1018803 A JPH1018803 A JP H1018803A
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Japan
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ceramic
stress
blade
gas turbine
turbine blade
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JP8176787A
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English (en)
Inventor
Hiroshige Itou
洋茂 伊藤
Nagatoshi Okabe
永年 岡部
Hideyuki Hirata
英之 平田
Masa Tanaka
雅 田中
Masato Taki
真人 滝
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Toshiba Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Chubu Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変形量または応力が大きな部分や一定方向に強
度を必要とする部分に局部的にセラミック複合材料を適
用して、熱伸び差荷重や遠心荷重により破損することな
く、また翼全体の剛性を十分に高めて翼としての機能を
向上できる熱効率的にも優れたガスタービン翼を提供す
る。 【解決手段】セラミックスリーブ20と芯金とを組み合
せたガスタービン翼において、セラミックスリーブ20
の後縁部、芯金との接合部その他の熱応力または熱伸び
差応力が集中する応力集中部を繊維強化セラミック複合
材料14によって構成する。応力集中部以外の部分をモ
ノリシックセラミック材料13によって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービンの動翼
または静翼として適用される翼に係り、特にガス通路部
への表出部分にセラミックスを適用したガスタービン翼
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガスタービンは図8に示すよう
に、タービン1と同軸に設けられた圧縮機2によって圧
縮された吐出空気をガスタービン燃焼器3に案内し、燃
焼器3のライナ4の部分で燃料を燃焼させ、その燃焼ガ
スをライナ4からトランジションピース5および静翼6
を経て動翼7に導き、ガスタービン2を駆動して仕事を
するようになっている。
【0003】この種のガスタービンにおいては、タービ
ン入口ガス温度を上昇させるとタービン熱効率が上昇す
ることが知られている。タービン入口温度の上昇に対応
させるために、ガスタービン部品の材料として従来、耐
熱性超合金が多用されているが、このような超合金より
さらに耐熱性の優れたセラミック材料をガスタービン部
品に適用しようとする試みがなされている(特開昭59
−160001号)。
【0004】但し、セラミック材料は圧縮荷重には強い
が、引張荷重には弱いという特性があり、この欠点を克
服するために、近年では金属製芯金とセラミックスリー
ブを組み合せた方式のセラミック動翼も提案されている
(特開昭59−119001号)。
【0005】図9および図10は、その一例を示したも
のであり、高温ガスに晒される羽根通路部外表面に、セ
ラミックスリーブ8が設けられ、その内側に金属製の芯
金9が設けられている。なお。芯金9には空気孔10が
形成され、この芯金9は基部9aと先端部9bとが拡散
接合部11により接合された構造となっている。このよ
うな組み合せ方式のセラミック動翼では、芯金9がロー
タに植え込まれる構造となっており、運転中にセラミッ
クスリーブに発生する遠心力は芯金9で受けとめられ、
セラミックスリーブ8には圧縮荷重のみが発生する。引
張荷重は芯金の有効部および植込部で発生するが、この
部分はガス温度に比べて温度は低く、金属材料で十分に
使用に耐え得る構造となっている。
【0006】このように、高温となる羽根通路部にセラ
ミックスを使用し、比較的温度が低く高引張応力の発生
する羽根植込部に金属材料を使用して、両材料の長所を
生かす構造となっている。
【0007】一方、セラミック材料は固有の性質とし
て、耐熱性は優れているものの、脆いという欠点を有し
ており、小さな傷に対しても極めて脆弱であり、また熱
的、機械的衝撃に対しても弱い。このため植込部と翼有
効部とをセラミック材料で一体形成する羽根も提案され
ている。しかし、応力集中部での応力軽減法や金属との
接触部における過大応力の克服といった点で、まだ実用
化に至っていないのが現状である。
【0008】なお、このようなセラミックスの脆性を克
服する手段として繊維強化による複合化技術が開発さ
れ、特に長繊維強化セラミック複合材料は超高温耐熱高
靭性材料として注目されていおり、今後主流となるもの
と考えられている。この中でも炭化珪素繊維を用いたセ
ラミック複合材料は最も実用化が進んでいる。この炭化
珪素繊維は軽量で、高弾性率を有し、高温雰囲気中でも
高強度を保持できるなどの優れた特徴があり、この繊維
を炭化珪素セラミックスと複合化した材料は高温下に3
0時間保持した後の曲げ強度も、1000℃まで強度低
下がなく、良好な耐熱性を示す。
【0009】また高温加熱後、直ちに水中に投下する熱
衝撃繰り返し試験においても、1000℃でも変化がな
い。一般に、セラミックスは熱衝撃に弱く、水中投下に
よっても破壊するが、上述した繊維強化複合材は耐熱衝
撃性でも優れることが認められている(市川宏“ニカロ
ン繊維強化セラミックスの成形加工とその特性”工業材
料、第38巻、第5号、69頁)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】組み合せ方式のセラミ
ック動翼においては、ガスタービンの出力が大となり、
また翼長が増大するに連れてセラミックス部分に発生す
る応力は過大となる。図11は、セラミック動翼7の起
動時に金属芯金と頭部カバー部分との熱伸び差によりセ
ラミックスリーブ8に発生する応力分布を示したもので
あり、翼長が短かい場合は十分に許容される応力Aも、
翼長の増大に伴う接触荷重の増大によって熱伸び差応力
も許容応力を超えることになる。また、熱伸び差を軽減
する構造も、実際のガスタービンでは長時間に対する信
頼性を維持する必要がある。
【0011】さらに、急激に燃焼ガスを遮断するトリッ
プ時においては、図12に示すように、セラミックスリ
ーブ8の後縁部が急冷されるため、周辺の部分との冷却
速度の差によって過大な引張応力Bが発生し、組み合せ
方式のセラミック翼の実現に大きな障害になっている。
【0012】また、一体型のセラミック動翼7において
は、図13および図14に示すように、植込部12のコ
ーナ部分である応力集中部Cや、金属製ディスク13と
の接触部Dにおいて翼全体の遠心荷重による接触応力と
金属との熱伸び差による応力を受ける。
【0013】以上のように、セラミックスをガスタービ
ンの翼に適用する場合には、局部的に過大な応力が発生
する。これらの過大応力の発生部位やその応力の大きさ
は、応力解析等により事前に把握することはできるが、
実際の適用にあたっては、その応力を軽減し、許容応力
に対して十分小さくして、損傷許容製を確保する方法を
確立することが不可欠である。
【0014】そこで、セラミックスリーブまたは一体型
翼に前述のセラミック複合材料を適用することが考えら
れるが、長繊維強化複合材料では繊維で強化する方向の
強度は向上するが、強化方向と異なる方向の強度は繊維
と基材が剥離するなど基材の強度よりも低下する場合が
ある。また、動翼に適用した場合には翼の捩り変形に対
する剛性が低いため、本来の流体的な機能を十分に発揮
せず、あるいは共振して破損に至ることも考えられる。
スリーブに適用する場合にも、圧縮強度が基材強度より
も低く、長繊維が座屈し易いなどの問題がある。
【0015】以上で述べたように、ガスタービン翼の機
能性を損うことなく、強度的に優れたセラミック材料を
翼に如何に適用するかが技術的重要課題となっている。
【0016】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、セラミックスをスリーブに適用した
組み合せ構造の翼、または通路部と植込部とを一体とし
た一体型翼に対して、変形量または応力が大きな部分や
一定方向に強度を必要とする部分に局部的にセラミック
複合材料を適用して、熱伸び差荷重や遠心荷重により破
損することなく、また翼全体の剛性を十分に高めて翼と
しての機能を向上できる熱効率的にも優れたガスタービ
ン翼を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、セラミックスリーブと芯金とを
組み合せたガスタービン翼において、前記セラミックス
リーブの後縁部、芯金との接合部その他の熱応力または
熱伸び差応力が集中する応力集中部を繊維強化セラミッ
ク複合材料によって構成するとともに、応力集中部以外
の部分をモノリシックセラミック材料によって構成した
ことを特徴とする。
【0018】請求項2記載の発明は、翼有効部と植込部
とをセラミック材料で一体に形成した一体型のガスター
ビン翼において、遠心荷重による応力が集中する植込
部、飛翔異物が衝突する翼有効部その他の応力集中部
を、繊維強化セラミック複合材料によって構成するとと
もに、応力集中部以外の部分をモノリシック材料によっ
て構成したことを特徴とする。
【0019】なお、セラミック複合材料の適用法として
は、素材の製造段階において複合化を必要とする部分へ
局部的にセラミック長繊維を配して基材の焼成とともに
成形する方法と、基材と複合材料とを個別に成形して、
固相接合する方法とがある。
【0020】本発明によれば、セラミックスリーブと芯
金とを組合せたいわゆるハイブリッド型のガスタービン
翼または一体型のガスタービンにおいて、翼後縁部、芯
金接触部、翼植込部等の応力集中部に損傷許容性が大き
な繊維強化セラミック複合材料を配したことにより、応
力が作用する方向の強度が高くなるとともに、複合材料
内での基材と繊維との間での滑りにより、見掛け上の塑
性変形が生じ、過度な応力集中が避けられる。
【0021】また、セラミック複合材料に亀裂が発生し
た場合でも、複合材料部分を貫通して翼の基材部に伝播
することなく、局部的な表面損傷に止めることができ
る。
【0022】また、複合材料部分の繊維と基材との滑り
性を増すことにより、非弾性変形の性質が大きくなり、
塑性や損傷許容性が増すが、同時に材料の剛性は低下す
る。このため、複合材料部分は高剛性を必要としない応
力の厳しい部分へ適用する。翼中心部などの部分は翼に
作用する曲げや捩りに対する発生応力が低いため、既存
のモノリシックセラミック材料の有する強度で十分にこ
れらの応力に耐えることができる。また同時にモリノリ
シック材料の有する高剛性により翼全体の剛性も維持す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態の構成)以下、本発明の実施形態を図面を参
照して説明する。
【0024】図1〜図6は本発明の一実施形態を示して
いる。本実施形態はガスタービン動翼に適用したもの
で、特に芯金部と翼有効部であるセラミックスリーブと
を組合せたハイブリッド型動翼についてのものである。
【0025】この動翼7のセラミックスリーブ20が、
モノリシックセラミック材料部分13と、セラミック基
材およびセラミック長繊維による繊維強化セラミック複
合材料部分14とからなっている。セラミック基材とし
ては、高温強度が高く耐食性も良好な炭化珪素または窒
化珪素を用い、またセラミック長繊維としては炭化珪素
繊維を用いた。
【0026】このような複合材料部分14において、セ
ラミック基材と強化繊維であるセラミック長繊維との滑
り性を複合材料製造時に実施する繊維表面へのコーティ
ングによって変化させ、適用部位において最も良好とな
る滑り性を得るようにした。コーティング材としては炭
素やボロン等の材料を用いた。
【0027】翼後縁部や芯金接合部に適用する材料に対
しては、外表面部分ほど繊維に処理するコーティングの
厚さを大きくして最も滑り性の良い状態となるように
し、モノリシック基材に近い部分ほどコーティング厚さ
が低下するようにして、繊維のコーティング処理を行
う。モノリシックセラミック材料部分13では非弾性変
形性がないため、このモノリシックセラミック材料部分
13と接合するセラミック複合材料部分14は、モノリ
シック材料に近い変形抵抗性を有することが必要だから
である。
【0028】これらのコーティングはCVD(Chemical
Vapor Deposit:化学蒸着)法等により行ない、炭素を
コーティング材とした場合、翼外表面部側のコーティン
グ厚さを最も高強度となる0.2μm程度とし、モノリ
シックセラミック材料部分13に近い部分では、セラミ
ック長繊維とセラミック基材との間で殆ど滑りを生じな
い0.08μm以下のコーティング厚さとした。
【0029】複合材料となるセラミック長繊維は、遠心
応力や熱応力の作用する方向の強度を高めるように適用
部分に沿う配置とした。翼後縁部に適用する複合材料部
分14では、トリップ時の熱応力によって生じる高応力
に対処するように、翼後縁に沿って遠心応力方向にセラ
ミック長繊維を配置した。また、芯金との接合部に対し
ては、芯金との熱伸び差によって応力がセラミックスリ
ーブを開口するように作用するため、セラミック長繊維
を接合面に沿って配置した。
【0030】このような複合材料の作成方法としては、
焼成前のモノリシック材料部分13の製作時に複合材料
部分14にセラミック長繊維を配して作成する方法と、
モノリシックセラミック材料部分13と複合材料部分1
4とを別々に作成して、固相接合する方法とが選択でき
る。
【0031】モノリシックセラミック材料部分13と同
時に複合材料部分14を作成する前者の方法は図3およ
び図4(a)〜(d)に示すように、従来のモノリシッ
ク材料の鋳込み成形法における原料と添加物とを混合し
てスラリーを作成し、それを型aに流し(図3ステップ
S1,図4(a))、必要な部分に着肉させて(図3ス
テップS2)、排泥(図3ステップS3,図4(b))
および乾燥・離型(図3ステップS4,図4(c),
(d))ならびに脱脂(図3ステップS5)の後焼成
(図3ステップS6)する一連の過程において、着肉工
程と排泥工程との中間部でセラミック長繊維を適用部分
に配置することにより(図3ステップS7)、上記のセ
ラミックスリーブ20を作成することができる。
【0032】一方、後者の固相接合法は図5に示すよう
に、本体であるモノリシックセラミック材料部分13と
複合材料部分14とを別々に作成し、レーザ光照射等に
よる加熱によってこれらを接合する方法である。なお、
その他、焼成前のモノリシックセラミック材料と複合材
料とを予め接合しておき、これらを同時に焼成すること
によっても一体化することが可能である。
【0033】次に、以上のように構成された一実施形態
によるガスタービン翼の作用を説明する。
【0034】図6は、モノリシックセラミック材料およ
び複合材料の歪みと応力との関係を示したものである。
モノリシックセラミック材料では材料が破断に至るま
で、歪みと応力とは直線的な対応関係にある。これに対
して、繊維強化セラミック複合材料では、繊維表面のコ
ーティング厚さが十分である場合には繊維と基材とが密
着せず、界面で滑り変形して見掛け上の非弾性変形を生
じ、一定の負荷歪みに対して発生する応力はモノリシッ
クセラミック材料の場合よりも低下することとなる。ま
た滑り性を調整することにより、モノリシックセラミッ
ク材料の破壊強度に比べて高い強度を得ることもでき
る。
【0035】動翼はガスタービンでの運用中に遠心力の
他に、ガスによる励振力が働き、曲げ変形や捩り変形等
の複雑な荷重を受けるため、これらの荷重に対して一定
の形状を維持し、流体力学的に最も効率的な形状となっ
ていることが要求される。
【0036】すなわち、動翼の外表面部には前述のよう
に局部的に集中するため、これらの応力に対して材料と
して高強度が望まれるが、動翼全体としては一定の剛性
が必要とされる。このため、翼外表面近くの応力集中部
には繊維強化セラミック複合材料を配し、それ以外の部
位にはモノリシックセラミック材料を配することによっ
て、応力集中部の強度が高く、剛性にも優れた翼を実現
できる。一体型翼においても中央部ほど翼に作用する曲
げや捩りに対する発生応力が低くなることから、十分に
これらの荷重に耐えることができる。
【0037】繊維強化セラミック複合材料部分14とモ
ノリシック材料部分13との境界部では、応力を応力集
中部よりも十分に小さな部位にし、また境界部近傍にお
ける複合材料の繊維のコーティング厚さを薄くすること
により、モノリシックセラミック材料の応力歪み挙動に
近い状態にすることができるため、境界部で発生する応
力は十分に小さくすることができる。
【0038】以上の一実施形態によれば、モノリシック
セラミック材料で成形した翼の一部に繊維強化セラミッ
ク複合材料を適用することにより、適用部位での一定負
荷歪みで発生する応力を低減するとともに、破断歪みま
での安全裕度を十分に大きくすることができるので、翼
の運用上での信頼性を高めることができる。
【0039】また、翼全体を繊維強化セラミック複合材
料で構成する場合に比べて、長繊維を適合する部分を限
定しているため安価に製造できる一方、モノリシックセ
ラミック材料のみで形成した翼と同程度の剛性維持が可
能となり、翼が必要とする流体性能を引き出すことがで
きる。
【0040】なお、以上の実施形態ではセラミックスリ
ーブと芯金とからなる動翼への適用例について述べた
が、本発明はそのようなものに限られない。
【0041】例えば図7に示すように、一体型動翼7a
の植込部12aの応力集中部を複合材料部分14によっ
て構成して、遠心荷重による応力集中を低減したもので
ある。従来のモノリシック材のみで成形した一体型翼で
は植込部の強度が十分でなく、ディスクとの接触面や植
込部で大きな応力が発生していた。そこで当該部分に複
合材料を適用することにより、容易に有効部と植込部と
を一体とした翼を形成できる。
【0042】このような構成によると、従来、芯金部と
セラミックスリーブの部分と分割して作成していた動翼
が一体型の動翼として製造されることになり、芯金の接
合作業等の複雑な作業をすることなく、動翼全体を単一
の工程で製造でき、セラミックガスタービン動翼の製造
が大幅に簡素化される。また従来の芯金接合作業で生じ
た接合欠陥等の製造欠陥も生ずることなく、靭性が高い
材料で構成することから製造時におけるハンドリングや
製造性も向上する。
【0043】さらに、従来のスリーブ構造の動翼ではス
リーブと芯金の接触部において材料の熱伸び差が違うこ
とから、過大な応力が高温度でセラミック材料に発生し
たが、この例ではセラミックと金属との接触部を温度変
化率の小さい翼植込部に移動させることができるため、
従来の熱伸び差により発生する応力も小さくなる。
【0044】また従来のスリーブ構造の動翼に比べて、
動翼のガス通路部に適用する材料の厚さを2倍以上の厚
さにすることができるため、材料自体の有する耐飛翔体
強度の向上と相俟って、異物衝突特性が大幅に高くな
り、動翼の強度信頼性が増すことになる。
【0045】この他、動翼に金属を使用しないことか
ら、動翼自体の使用温度を高めることができ、冷却空気
使用量が低下するか、全く無冷却とする動翼も実現でき
る。このため、ガスタービン全体の熱効率が非常に向上
することになる。
【0046】さらに、他の実施形態として、翼の外表面
部に複合材を適用し、ガスタービン内に流入した異物が
翼有効部に衝突することによって生ずる損傷に対して有
効に作用させることができる。即ち、異物衝突による衝
撃的な荷重は複合材料の滑り変形により緩和することが
できるため、発生した亀裂が動翼内部に伝播することな
く、局部的な表面損傷に止めることができる。
【0047】さらにまた、動翼と同様にトリップ時に急
激な温度変化を受け、熱応力が動翼と同様に後縁部で過
大となる静翼への適用も可能である。静翼では動翼と同
様に後縁部はガス温度の変化を受け易いため、トリップ
時には他の部分より急激に温度降下する。これに対し、
周りの部分はガスと接触する部分の面積が小さいため、
結果として後縁部の温度降下による収縮を防ぐように働
き、後縁部に過大な引張応力を発生させることになる。
このため、静翼後縁部に後縁に沿って長繊維を配して複
合化することにより、この過大な熱応力に抗して、健全
性を維持できる。
【0048】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、遠心応力や熱応力、熱伸び差応力が集中するセラミ
ックス翼の一部に繊維強化セラミック複合材料を適用し
て、変形や応力の集中する部分の材料損傷や応力を複合
材の有する塑性や許容変形性によって軽減し、信頼性の
高い翼を実現することができる。適用部位としては、ハ
イブリッド型ガスタービン翼ではセラミックスリーブの
後縁部や芯金との接合部であり、また一体型ガスタービ
ン翼では、植込部の応力集中部等である。
【0049】即ち、セラミックスをスリーブに適用した
組み合せ構造の翼、または通路部と植込部とを一体とし
た一体型翼に対して、変形量または応力が大きな部分ま
た一定方向に強度を必要とする部分に局部的にセラミッ
ク複合材料を適用して、熱伸び差荷重や遠心荷重により
破損することなく、また翼全体の剛性を十分に高めて翼
としての機能を向上できる熱効率的にも優れたガスター
ビン翼を提供する。
【0050】そして、本発明によれば、翼の製造性、機
能性および強度の面から優れたものを提供することがで
き、さらに冷却空気量を減らしてガスタービン効率も向
上させることができるなど、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン翼の一実施形態を示
す斜視図。
【図2】図1の平面図。
【図3】前記ガスタービン翼を一体成形する場合の工程
を示すフローチャート。
【図4】図3に示す工程を模式的に示す図。
【図5】前記ガスタービン翼の他の製法を示す図。
【図6】前記実施形態によるガスタービン翼の特性を示
す図。
【図7】本発明に係るガスタービン翼の他の実施形態を
示す斜視図。
【図8】ガスタービンの主要構成を示す概略断面図。
【図9】従来のガスタービン翼構成を示す縦断面図。
【図10】図9のA−A線断面図。
【図11】従来例を説明するもので、セラミックスリー
ブに発生する応力を示す図。
【図12】従来例を説明するもので、セラミックスリー
ブに発生する応力を示す図。
【図13】一体型動翼についての従来例を説明する概略
図。
【図14】図13の一部を拡大して応力分布状態を示す
説明図。
【符号の説明】 1 圧縮機 2 ガスタービン 3 燃焼器 4 ライナ 5 トランジションピース 6 静翼 7 動翼 8 セラミックスリーブ 9 芯金 10 冷却空気孔 11 拡散接合部 12 植込部コーナ部 13 モノリシックセラミック材料部分 14 繊維強化セラミック複合材料部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 英之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 田中 雅 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 滝 真人 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスリーブと芯金とを組み合せ
    たガスタービン翼において、前記セラミックスリーブの
    後縁部、芯金との接合部その他の熱応力または熱伸び差
    応力が集中する応力集中部を繊維強化セラミック複合材
    料によって構成するとともに、応力集中部以外の部分を
    モノリシックセラミック材料によって構成したことを特
    徴とするガスタービン翼。
  2. 【請求項2】 翼有効部と植込部とをセラミック材料で
    一体に形成した一体型のガスタービン翼において、遠心
    荷重による応力が集中する植込部、飛翔異物が衝突する
    翼有効部その他の応力集中部を、繊維強化セラミック複
    合材料によって構成するとともに、応力集中部以外の部
    分をモノリシック材料によって構成したことを特徴とす
    るガスタービン翼。
JP8176787A 1996-07-05 1996-07-05 ガスタービン翼 Pending JPH1018803A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006189031A (ja) * 2004-12-29 2006-07-20 General Electric Co <Ge> 一体化コンプライアンス/摩耗層を備えるセラミック複合体
JP2012140935A (ja) * 2010-12-27 2012-07-26 General Electric Co <Ge> セラミック基材料を含む部品とその被膜

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JP2006189031A (ja) * 2004-12-29 2006-07-20 General Electric Co <Ge> 一体化コンプライアンス/摩耗層を備えるセラミック複合体
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