JPH10187778A - レイアウト図形検証方法及びレイアウト図形検証装置 - Google Patents

レイアウト図形検証方法及びレイアウト図形検証装置

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JPH10187778A
JPH10187778A JP8343778A JP34377896A JPH10187778A JP H10187778 A JPH10187778 A JP H10187778A JP 8343778 A JP8343778 A JP 8343778A JP 34377896 A JP34377896 A JP 34377896A JP H10187778 A JPH10187778 A JP H10187778A
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JP8343778A
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Inventor
Noriko Soma
紀子 相馬
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Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノッチ領域の検証時間を短縮することができる
レイアウト図形検証装置を提供する。 【解決手段】レイアウト図形検証装置1のCPU2は、
先ず、レイアウト図形を形成する線分を所定の方向に検
索可能なリンク構造のベクトルデータに変換する。次
に、CPU2は、変換したベクトルに基づいて、検証の
対象となる図形外側領域を検出し、その領域が予め設定
された設計基準を満たさない場合に、当該領域を設計基
準違反箇所として検出する。そして、CPU2は、検出
された違反箇所に応じた疑似線分を生成し、その違反箇
所を削除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レイアウト図形検
証方法及びレイアウト図形検証装置に関する。近年、半
導体集積回路は、大規模化・高集積化が進められ、その
レイアウト図形(パターン)もますます複雑になってい
る。そのため、半導体集積回路の設計において、素子幅
や素子間隔等が予め定められた設計基準を満たしている
か検証するレイアウト図形検証に多くの時間がかかる傾
向にあり、その検証時間の短縮が要求されている。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路を構成する素子や
配線等のレイアウト図形では、素子や配線などの線幅や
素子間隔等とともに、ノッチ領域の間隔幅が予め設計基
準に規定されている。ノッチ領域は、一般的にレイアウ
ト図形において、その図形のくぼんでいる領域であり、
同一レイヤに格納された複数の図形を論理合成すること
により形成される。そのノッチ領域を有するレイアウト
図形を図13(a)〜(c)に示す。
【0003】図13(a)に示されるレイアウト図形L
1は、ノッチ領域N1,N2を有する。また、図13
(b)に示されるレイアウト図形L2は、ノッチ領域N
11,N12が階層的に形成されたノッチ領域N13
と、ノッチ領域N14,N15を有する。更に、図13
(c)に示されるレイアウト図形L3は、水平方向(図
13において左右方向)から任意の角度だけ傾いて形成
されているとともに、ノッチ領域N21が階層的に形成
されたノッチ領域N22を有する。
【0004】レイアウト図形検証を行うレイアウト図形
検証装置(以下、単に検証装置という)は、図13
(a)〜(c)に示されるレイアウト図形L1〜L3の
ノッチ領域N1〜N22を検出し、各ノッチ領域N1〜
N22の間隔が、予め定めた設計基準値よりも小さい場
合に、そのノッチ領域を設計基準違反箇所として抽出す
る。また、検証装置は、抽出したノッチ領域に対して、
そのノッチ領域に対応した形状の補正図形をレイアウト
図形とは別のレイヤに生成する。
【0005】開発者は、抽出された設計基準違反箇所を
CRT等により目視で確認し、そのノッチ領域の間隔値
が狭い場合、レイアウト図形を修正してノッチ領域の間
隔値を設計基準値以上にする。また、開発者は、抽出さ
れたノッチ領域が不要な場合、生成された別のレイヤの
補正図形をノッチ領域のレイヤに移動させてレイアウト
図形と合成することにより、ノッチ領域を削除する。
【0006】例えば、図13(a)に示されるレイアウ
ト図形L1に対してレイアウト図形検証を行う場合、先
ずレイアウト図形L1を形成する全ての線分をベクトル
化したデータに変換する。この場合、ベクトルの方向
は、レイアウト図形L1の右回り又は左回りの方向に設
定される。右回りとは、例えば向きに沿って辺上を進む
ときにその右側にレイアウト図形L1の内部が見える向
きのことをいい、左回りはその逆の向きのことをいう。
そして、検証装置は、変換したレイアウト図形L1の各
ベクトルのうちの1つに着目する。
【0007】例えば、図14(a)に示すように、レイ
アウト図形L1を構成する全ての線分は、左回りのベク
トルV1〜V16に変換されている。検証装置は、レイ
アウト図形L1の1つ、例えばベクトルV15に注目す
る。そして、図14(b)に示すように、検証装置は、
注目したベクトルV15の外側領域に、予め設定された
設計基準の最小間隔値C1からなる矩形の検証範囲R1
を形成する。外側領域とは、レイアウト図形L1の内部
に対して外側であって、各ベクトルの右側の領域のこと
をいう。
【0008】次に、検証装置は、形成した検証範囲R1
内に存在する他のベクトルと、注目ベクトルV15とで
外側領域を形成するベクトルを検索する。図14(a)
において、検証領域R1には、ベクトルV15と同じ方
向ではないベクトルV13が存在し、そのベクトルV1
3とベクトルV15とからレイアウト図形L1の外側に
所定の間隔の間隔領域を形成する。従って、検証装置
は、ベクトル13を抽出する。一方、検証装置は、ベク
トルV11が検証領域R1内に存在しても、そのベクト
ルV11はベクトルV15と同じ方向であるので、その
ベクトルV11を抽出しない。
【0009】そして、検証装置は、着目したベクトルV
15と、抽出したベクトルV13とからなるノッチ領域
を、違反箇所H1として検出する。さらに、図14
(c)に示すように、検証装置は、検出した設計基準違
反箇所H1のノッチ領域を補正するため、ベクトルV1
3の端点(図14(c)に「○」で示す始点及び終点)
と、ベクトルV15の端点の合計4点を頂点とした矩形
を補正図形F1として生成する。
【0010】同様に、検証装置は、図14(a)に示さ
れるベクトルV9に注目し、そのベクトルV9に基づい
て形成した検証範囲内に存在するベクトルV11を抽出
する。そして、検証装置は、注目したベクトルV9と抽
出したベクトルV11とからなるノッチ領域を違反箇所
H2として検出する。さらに、検証装置は、図14
(c)に示すように、検出した違反箇所H2のノッチ領
域を補正する補正図形F2を生成する。
【0011】しかしながら、注目したベクトルに対して
ノッチ領域を形成する相手のベクトルを抽出する条件
は、両ベクトルの方向関係しかないことから、異なるベ
クトルを抽出する場合がある。例えば、図14(a)に
示すレイアウト図形L1において、注目したベクトルV
15により形成された検証範囲R1内にベクトルV3が
存在する場合、そのベクトルV3はベクトルV15と逆
方向であるため、検証装置は、そのベクトルV3をベク
トルV15の相手ベクトルとして抽出する。そして、ベ
クトルV3とベクトルV15との間を違反箇所E1とし
て誤検出する。同様に、検証装置は、注目したベクトル
V9に対してベクトルV5を抽出し、両ベクトルV5,
V9からなる違反箇所E2を検出する。
【0012】即ち、検証装置は、真の違反箇所H1,H
2と同様に、真ではない違反箇所E1,E2を誤検出す
る。この場合、検出する違反箇所に対する真の違反箇所
の比率である的中率は、50%となる。そして、開発者
は、検出された真の違反箇所H1,H2と、誤検出され
た違反箇所E1,E2をCRT等の表示装置上で確認
し、真の違反箇所H1,H2についてのみ補正処理等を
施す必要があるため、設計時間が長くなるという問題が
ある。
【0013】そのため、図14(d)に示すように、検
証装置には、図14(b)に示す検証領域R1に比べて
縮小した検証領域R2を形成するものがある。検証装置
は、注目したベクトルV15の両端に接続されるベクト
ルV14,V16を検索する。そして、検証装置は、検
索したベクトルV14の図形領域側(ベクトルV14の
左側)には、注目したベクトルV15と外側領域を形成
する相手ベクトルは存在しないとして、図14(b)に
示される検証領域R1をベクトルV15に接続されたベ
クトルV14により切断して縮退した検証領域R2を形
成する。この検証領域R2によって、検証装置は、真の
違反箇所H1,H2のみを検出し、違反箇所E1,E2
の誤検出を防止する。その結果、検証装置による的中率
が向上し、開発者による確認のための時間が短くなるの
で、設計時間を短縮することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、予め設
定された設計基準値内に複数のノッチ領域が存在する場
合、図形領域を乗り越えて真ではない違反箇所を検出す
る場合がある。例えば、図14(a)に示すように、設
計基準値C2内にベクトルV9〜V11よりなるノッチ
領域と、ベクトルV13〜V15よりなるノッチ領域が
存在する。この場合、検証装置は、注目したベクトルV
15に対して、相手ベクトルとして検索したベクトルV
13との間に違反領域H1を検出するとともに、相手ベ
クトルとして検索したベクトルV9との間に、ベクトル
V11〜V13よりなる図形領域を乗り越えた真ではな
い違反箇所E3を誤検出する。この違反箇所E3に対応
して注目ベクトルV15と、相手ベクトルV9とから生
成される補正図形は、レイアウト図形L1の図形領域に
重複してしまう。
【0015】また、図13(b)に示されるように、ノ
ッチ領域N13内に段差があってノッチ領域N11,N
12が階層的に形成されている場合、図15(a)に示
すように、ノッチ領域N13に対応して形成された補正
図形は、ノッチ領域N11,N12に対応して生成され
た補正図形と、レイアウト図形L2の図形領域とに重複
してしまう。
【0016】上記の真ではない違反箇所E3の誤検出を
防止する方法として、注目ベクトルに基づいて形成する
検証範囲を、その注目ベクトルに接続されるベクトルに
より切断するだけでなく、注目ベクトルと平行に切断す
るベクトルの走査が必要になる。しかしながら、注目し
たベクトルに最も近接するベクトルにより単純に検証範
囲を切断した場合、図13(b)に示されるように、ノ
ッチ領域N13の中に段差があってノッチ領域N11,
N12が階層的に形成されている場合や、図13(c)
に示されるように、ノッチ領域N21,N22が階層的
に形成されている場合では、上層のノッチ領域N13,
N22が違反箇所として検出できない場合がある。
【0017】また、図13(c)に示されるレイアウト
図形L3の場合、図15(b)に示すように、ノッチ領
域N22に対応して形成される補正図形(図15(b)
において斜線で示す部分)は、レイアウト図形L3に重
複するのみならず、元のレイアウト図形L3を変形させ
てしまう場合がある。すると、開発者は、生成された補
正図形を単純に使用することができず、補正図形を更に
人手で修正するか、補正図形を削除して新たな補正図形
を生成しなければならないので、やはり検証時間が長く
なるという問題がある。
【0018】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的はノッチ領域の検証時間を
短縮することができるレイアウト図形検証方法及びレイ
アウト図形検証装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、半導体集積回路のレイア
ウト図形に対して、レイアウト図形の外側領域に対して
予め設定された設計基準に基づいて図形検証を行うレイ
アウト図形検証方法であって、前記レイアウト図形を形
成する線分を所定の方向に検索可能なリンク構造のベク
トルデータに変換し、その変換したベクトルに基づい
て、検証の対象となる図形外側領域を検出し、検出され
た領域が予め設定された設計基準を満たさない場合に、
当該領域を設計基準違反箇所として検出し、その検出さ
れた違反箇所を削除するために、該違反箇所に対応した
疑似線分を生成することを要旨とする。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のレイアウト図形検証方法において、前記リンク構造の
ベクトルデータから、違反箇所を形成するベクトルを削
除するとともに前記疑似線分を追加してベクトルデータ
を更新し、新たなレイアウト図形を生成するようにした
ことを要旨とする。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のレイアウト図形検証方法において、前記検出さ
れた違反箇所を削除するために、該違反箇所を形成する
複数のベクトルと、前記生成された疑似線分とに基づい
て補正図形を生成するようにしたことを要旨とする。
【0022】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のレイアウト図形検証方法において、前記レイアウト図
形の図形外側領域を形成する線分に疑似線分が含まれる
場合、その領域に対応した補正図形を生成しないように
したことを要旨とする。
【0023】請求項5に記載の発明は、半導体集積回路
のレイアウト図形に対して、レイアウト図形の外側領域
に対して予め設定された設計基準に基づいて図形検証を
行うレイアウト図形検証装置であって、予め設定された
設計基準を満たさない設計基準違反箇所となる図形外側
領域を検出する違反箇所検出手段と、前記検出された違
反箇所となる領域に対応した疑似線分を生成する疑似線
分生成手段とを備えたことを要旨とする。
【0024】請求項6に記載の発明は、半導体集積回路
のレイアウト図形に対して、レイアウト図形の外側領域
に対して予め設定された設計基準に基づいて図形検証を
行うレイアウト図形検証装置であって、前記レイアウト
図形を形成する線分を所定の方向に検索可能なリンク構
造のベクトルデータに変換するベクトルデータ生成手段
と、前記変換されたベクトルに基づいて、検証の対象と
なる図形外側領域を検出する領域検出手段と、前記検出
された領域が予め設定された設計基準を満たさない場合
に、当該領域を設計基準違反箇所として検出する違反箇
所検出手段と、前記検出された違反箇所を削除するため
に、該違反箇所に対応した疑似線分を生成する疑似線分
生成手段とを備えたことを要旨とする。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のレイアウト図形検証装置において、前記領域検出手段
は、前記変換されたベクトルに基づいて、レイアウト図
形の各頂点をそれぞれ凹頂点か凸頂点かを判定する凹凸
判定手段と、前記判定結果に基づいて、連続して出現す
る凹頂点を形成する複数のベクトルにより形成される図
形外側領域をノッチ領域として検出するノッチ領域検出
手段とから構成され、前記違反箇所検出手段は、前記検
出されたノッチ領域が予め設定された設計基準を満たさ
ない場合に、そのノッチ領域を設計基準違反箇所として
検出するようにしたことを要旨とする。
【0026】請求項8に記載の発明は、請求項6又は7
に記載のレイアウト図形検証装置において、前記リンク
構造のベクトルデータから、違反箇所を形成するベクト
ルを削除するとともに前記疑似線分を追加してベクトル
データを更新し、新たなレイアウト図形を生成するベク
トルデータ更新手段を備えたことを要旨とする。
【0027】請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8
に記載のレイアウト図形検証装置において、前記検出さ
れた違反箇所を削除するために、該違反箇所を形成する
複数のベクトルと、前記生成された疑似線分とに基づい
て補正図形を生成する補正図形生成手段を備えたことを
要旨とする。
【0028】請求項10に記載の発明は、請求項6乃至
9に記載のレイアウト図形検証装置において、前記疑似
線分生成手段は、前記違反箇所を形成するベクトルの前
後のベクトルを検索し、それらのベクトルの一方を選択
し、その選択したベクトルを延長して前記疑似線分を生
成するようにしたことを要旨とする。
【0029】請求項11に記載の発明は、請求項6乃至
9に記載のレイアウト図形検証装置において、前記疑似
線分生成手段は、前記違反箇所を形成するベクトルの端
点を接続する疑似線分を生成するようにしたことを要旨
とする。
【0030】請求項12に記載の発明は、請求項6乃至
11に記載のレイアウト図形検証装置において、前記補
正図形生成手段は、前記レイアウト図形の図形外側領域
を形成する線分に疑似線分が含まれる場合、その領域に
対応した補正図形を生成しないようにしたことを要旨と
する。
【0031】(作用)従って、請求項1に記載の発明に
よれば、レイアウト図形を形成する線分は、所定の方向
に検索可能なリンク構造のベクトルデータに変換され
る。その変換されたベクトルに基づいて、検証の対象と
なる図形外側領域が検出され、その検出された領域が予
め設定された設計基準を満たさない場合に、当該領域が
設計基準違反箇所として検出される。そして、その検出
された違反箇所を削除するために、違反箇所に対応した
疑似線分が生成される。
【0032】請求項2に記載の発明によれば、リンク構
造のベクトルデータから、違反箇所を形成するベクトル
が削除されるとともに生成された疑似線分が追加してベ
クトルデータが更新され、新たなレイアウト図形が生成
される。
【0033】請求項3に記載の発明によれば、検出され
た違反箇所を削除するために、違反箇所を形成する複数
のベクトルと、生成された疑似線分とに基づいて補正図
形が生成される。
【0034】請求項4に記載の発明によれば、レイアウ
ト図形の図形外側領域を形成する線分に疑似線分が含ま
れる場合、その領域に対応した補正図形は生成されな
い。請求項5に記載の発明によれば、違反箇所検出手段
と疑似線分生成手段とが備えられる。違反箇所検出手段
は、予め設定された設計基準を満たさない設計基準違反
箇所となる図形外側領域を検出する。疑似線分生成手段
は、検出された違反箇所となる領域に対応した疑似線分
を生成する。
【0035】請求項6に記載の発明によれば、ベクトル
データ生成手段は、レイアウト図形を形成する線分を所
定の方向に検索可能なリンク構造のベクトルデータに変
換する。領域検出手段は、変換されたベクトルに基づい
て、検証の対象となる図形外側領域を検出する。違反箇
所検出手段は、検出された領域が予め設定された設計基
準を満たさない場合に、当該領域を設計基準違反箇所と
して検出する。そして、疑似線分生成手段は、検出され
た違反箇所を削除するために、違反箇所に対応した疑似
線分を生成する。
【0036】請求項7に記載の発明によれば、領域検出
手段は、変換されたベクトルに基づいて、レイアウト図
形の各頂点をそれぞれ凹頂点か凸頂点かを判定する凹凸
判定手段と、判定結果に基づいて、連続して出現する凹
頂点を形成する複数のベクトルにより形成される図形外
側領域をノッチ領域として検出するノッチ領域検出手段
とから構成される。そして、違反箇所検出手段は、検出
されたノッチ領域が予め設定された設計基準を満たさな
い場合に、そのノッチ領域を設計基準違反箇所として検
出する。
【0037】請求項8に記載の発明によれば、更に、リ
ンク構造のベクトルデータから、違反箇所を形成するベ
クトルを削除するとともに疑似線分を追加してベクトル
データを更新し、新たなレイアウト図形を生成するベク
トルデータ更新手段が備えられる。
【0038】請求項9に記載の発明によれば、更に、検
出された違反箇所を削除するために、違反箇所を形成す
る複数のベクトルと、生成された疑似線分とに基づいて
補正図形を生成する補正図形生成手段が備えられる。
【0039】請求項10に記載の発明によれば、疑似線
分生成手段は、違反箇所を形成するベクトルの前後のベ
クトルを検索し、それらのベクトルの一方を選択し、そ
の選択したベクトルを延長して疑似線分を生成する。
【0040】請求項11に記載の発明によれば、疑似線
分生成手段は、違反箇所を形成するベクトルの端点を接
続する疑似線分を生成する。請求項12に記載の発明に
よれば、補正図形生成手段は、レイアウト図形の図形外
側領域を形成する線分に疑似線分が含まれる場合、その
領域に対応した補正図形を生成しない。
【0041】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)以下、本発明を具体化した第一実施形
態を図1〜図8に従って説明する。
【0042】図2は本発明を適用したレイアウト図形検
証装置のシステム構成を示す模式図である。レイアウト
図形検証装置1はCAD(Computer Aided Design )装
置からなり、中央処理装置(以下、CPUという)2、
メモリ3、磁気ディスク4、CRT等の表示器5,及
び、キーボード(マウス等を含む)6等から構成され、
それらはシステムバス7により互いに接続されている。
CPU2はメモリ3に記憶された所定のプログラムデー
タに基づいて動作する。
【0043】メモリ3にはCPU2が実行する前記プロ
グラムとその実行に必要な各種データが予め記憶される
とともに、当該プログラムデータに基づくCPU2の処
理結果等が一時格納される。キーボード6はメモリ3に
格納され前記プログラムの実行に必要なデータを入力し
たり、プリンタ5や表示器6に処理結果等の出力命令を
入力するために用いられる。
【0044】磁気ディスク4には、レイアウトデータ8
が格納されている。レイアウトデータ8には、あらかじ
め論理回路データなどから作成された半導体装置のレイ
アウト図形が格納されている。CPU2は、レイアウト
データ8に格納されたレイアウト図形に対して、あらか
じめ設定された設計基準値に基づいて、図1に示される
処理のフローチャートに従って設計基準違反箇所を検出
する図形検証を行う。
【0045】そして、CPU2は、図形検証の結果、設
計基準違反箇所が存在する場合、その違反箇所のレイア
ウト図形に対して違反箇所となるノッチ領域を削除する
ための補正図形を生成する。そして、CPU2は、レイ
アウトデータ8に格納されたレイアウト図形と、生成し
た補正図形とからなる補正レイアウトデータ9を磁気デ
ィスク4に格納する。
【0046】レイアウト図形検証装置1のCPU2は、
キーボード6の操作によりメモリ3に記憶されたレイア
ウト図形検証処理のプログラムが起動されると、図1に
示す処理フローのステップS1〜S7における各処理を
実行する。
【0047】先ず、ステップS1はベクトルデータ生成
処理(ベクトルデータ生成手段)であって、図1に示さ
れるCPU2は、レイアウトデータ8に格納されたレイ
アウト図形を形成する全ての線分をベクトル化したデー
タに変換する。この場合、CPU2は、変換するベクト
ルの方向を、レイアウト図形の右回り又は左回りの何れ
か一方の方向に設定する。
【0048】右回りとは、レイアウト図形の辺上を進む
ときに、その方向に向かって右側にレイアウト図形の内
部(内側領域)が、左側にレイアウト図形の外部(外側
領域)が見える向きのことをいう。逆に、左回りは、レ
イアウト図形の辺上を進むときに、その方向に向かって
右側にレイアウト図形の外部(外側領域)が、左側にレ
イアウト図形の内部(内側領域)が見える向きのことを
いう。尚、本実施形態では、CPU2は、レイアウト図
形の全ての線分を左回りの方向のベクトルに変換するよ
うに設定されている。
【0049】また、変換されたベクトルは、各ベクトル
の方向に沿った順方向及び逆方向に検索が可能なリンク
構造となっている。即ち、検証処理においてその時々に
あるベクトルに注目した場合、その注目したベクトル
(以下、他のベクトルと区別するために注目ベクトルと
いう)の終点は、順方向に次のベクトルの始点と一致し
ている。従って、CPU2は、注目ベクトルの次のベク
トルを検索することができる。また、注目ベクトルの始
点は、逆方向に次のベクトル、即ち、順方向に1つ前の
ベクトルの終点と一致している。従って、CPU2は、
注目ベクトルの次のベクトルの1つ前のベクトルを検索
することができる。
【0050】そして、他のベクトルに注目した場合、C
PU2は、同様に注目ベクトルの前後のベクトルを検索
することができる。従って、CPU2は、レイアウト図
形を構成する全てのベクトルを順方向・逆方向に検索す
ることができる。
【0051】次に、ステップS2は頂点の凹凸判定処理
(凹凸判定手段)であって、図2中のCPU2は、先ず
変換したベクトルデータに基づいて、レイアウト図形の
各頂点の凹凸を判定する。各頂点の凹凸は、頂点を形成
する2つのベクトルの方向によって判定される。
【0052】即ち、注目ベクトルに対して次のベクトル
がレイアウト図形の外側領域に向いている、即ち、右方
向に向かっている場合、両ベクトルにより形成される頂
点は、凹頂点となる。一方、注目ベクトルに対して次の
ベクトルがレイアウト図形の内側領域に向いている、即
ち、左方向に向かっている場合、両ベクトルにより形成
される頂点は、凸頂点となる。
【0053】CPU2は、レイアウト図形を構成する全
てのベクトルを順方向又は逆方向に検索し、レイアウト
図形に存在する全ての頂点が凹頂点か凸頂点かを判定す
る。そして、全ての頂点に対する凹凸判定を終了する
と、図2中のCPU2は、図1に示されるステップS3
に移る。
【0054】次に、図1に示されるステップS3はノッ
チ領域検出処理(ノッチ領域検出手段)であって、図2
中のCPU2は、ステップS2において判定された頂点
の凹凸に基づいて、レイアウト図形に存在するノッチ領
域を検出する。
【0055】注目ベクトルに対して、そのベクトルの始
点及び終点に凹頂点が存在する場合、そのベクトルと、
1つ前のベクトル、及び、次のベクトルによりレイアウ
ト図形のくぼみとなるノッチ領域が形成される。従っ
て、CPU2は、始点及び終点が凹頂点となるベクトル
と、そのベクトルの前後のベクトルを検索することによ
り、レイアウト図形のノッチ領域を検出する。
【0056】即ち、図1に示されるステップS2とステ
ップS3とによりレイアウト図形のノッチ領域を検出す
る領域検出手段が構成される。そして、図2中のCPU
2は、レイアウト図形のノッチ領域を検出した場合には
図1に示されるステップS3からステップS4に移る。
一方、ノッチ領域がレイアウト図形に存在しない場合、
CPU2は、図1に示されるレイアウト図形検証処理を
終了する。
【0057】次に、図1に示されるステップS4は違反
箇所検出処理(違反箇所検出手段)であって、図2中の
CPU2は、レイアウト図形に存在するノッチ領域のう
ち、予め設定された設計基準値を満たさないノッチ領域
を設計基準違反箇所(以下、単に違反箇所という)を抽
出する。具体的には、CPU2は、先ず、レイアウト図
形に存在するノッチ領域を抽出する。次に、CPU2
は、抽出したノッチ領域を構成するベクトルのうち、注
目ベクトルの前後の2つのベクトルの線分間の距離を演
算し、その距離をノッチ領域の間隔値とする。そして、
CPU2は、ノッチ領域の間隔値と設計基準値とを比較
し、その比較結果に基づいて、ノッチ領域の間隔値が設
計基準値よりも小さい場合に、そのノッチ領域を違反箇
所として検出する。
【0058】図1に示されるステップS5は疑似線分生
成処理(疑似線分生成手段)であって、図2中のCPU
2は、ステップS4において違反箇所として検出された
ノッチ領域に対応した疑似線分としての疑似ベクトルを
生成する。疑似ベクトルは、違反箇所となるノッチ領域
をレイアウト図形から削除するために生成される。
【0059】具体的には、CPU2は、違反箇所として
検出したノッチ領域に対して、そのノッチ領域を形成す
るベクトルの前後、合計2個のベクトルを検索する。そ
して、CPU2は、検索した2個のベクトルの内の一方
のベクトルを選択し、その選択したベクトルを延長して
疑似ベクトルを生成する。
【0060】そして、CPU2は、そのノッチ領域の形
状に基づいて、2個のベクトルの内の一方を選択する。
具体的には、CPU2は、ノッチ領域に段差がない場
合、前後のベクトルの内の一方、例えば、後方のベクト
ル(ノッチ領域の1つ前のベクトル)を選択する。一
方、ノッチ領域に段差がある場合、段差の低い方のベク
トルを選択する。そして、CPU2は、選択した一方の
ベクトルを延長した疑似ベクトルを生成する。そのノッ
チ領域の段差は、ノッチ領域を形成する注目ベクトルの
前後のベクトルの長さの違いにより形成される。
【0061】例えば、図3(a)に示すように、レイア
ウト図形11には、注目ベクトルS3と、その前後のベ
クトルS2,S4とからノッチ領域12が形成されてい
る。そして、このノッチ領域12を形成するベクトルS
2,S4は、同じ長さのベクトルであるので、そのノッ
チ領域12には段差がない。従って、図2中のCPU2
は、ノッチ領域12を形成するベクトルS2,S4の前
後のベクトルS1,S5のうちの任意の一方、例えば、
後方のベクトルS1を選択する。
【0062】更に、両ベクトルS1,S5は、同じ方向
を向いている。従って、一方のベクトルS1を延長した
場合、その延長したベクトルは、他方のベクトルS5と
重なる。そのため、図2中のCPU2は、図3(b)に
示すように、選択したベクトルS1を、他方のベクトル
に重なるように延長した疑似ベクトルG1を生成する。
【0063】また、図4(a)に示すように、レイアウ
ト図形14には、注目ベクトルS13と、その前後のベ
クトルS12,S14とからノッチ領域15が形成され
ている。そして、このノッチ領域15を形成するベクト
ルS12,S14は、異なる長さのベクトルであって、
注目ベクトルS13の後方(リンク構造の検索方向にお
いて後方であって、ベクトルとは逆方向)のベクトルS
12の方が、注目ベクトルS13の前方のベクトルS1
4よりも短く、形成する段差が低い。従って、図2中の
CPU2は、低い段差を形成するベクトルS12に接続
される後方のベクトルS11を選択し、そのベクトルS
11を延長する。この時、CPU2は、選択したベクト
ルS11の終点を、ノッチ領域15を削除するように、
即ち、図4(b)に示すように、形成する段差が高い方
のベクトルS14との交点まで延長した疑似ベクトルG
2を生成する。更に、図2中のCPU2は、図4(b)
に示すように、疑似ベクトルG2と交わるベクトルS1
4の終点を、疑似ベクトルG2との交点まで縮小したベ
クトルS14aを生成する。
【0064】更に、図4(c)に示すように、レイアウ
ト図形17には、注目ベクトルS23と、その前後のベ
クトルS22,S24とからノッチ領域18が形成され
ている。そして、このノッチ領域18を形成するベクト
ルS22,S24は、異なる長さのベクトルであって、
注目ベクトルS23の前方のベクトルS24の方が、注
目ベクトルS23の後方のベクトルS22よりも短く、
形成する段差が低い。従って、図2中のCPU2は、低
い段差を形成するベクトルS24に接続される前方のベ
クトルS25を選択し、そのベクトルS25を延長す
る。この時、CPU2は、選択したベクトルS25の始
点を、ノッチ領域18を削除するように、即ち、図4
(d)に示すように、形成する段差が高い方のベクトル
S22との交点まで延長した疑似ベクトルG3を生成す
る。更に、図2中のCPU2は、図4(d)に示すよう
に、疑似ベクトルG3と交わるベクトルS22の終点
を、疑似ベクトルG3との交点まで縮小したベクトルS
22aを生成する。
【0065】次に、図1に示されるステップS6は補正
図形生成処理(補正図形生成手段)であって、図2中の
CPU2は、ステップS5において、ノッチ領域を削除
するための補正図形を形成する。CPU2は、ノッチ領
域の形状に対応して生成された疑似ベクトルと、ノッチ
領域を構成するベクトルとにより形成される補正図形を
生成する。
【0066】例えば、図3(a)に示されるレイアウト
図形11の場合、ノッチ領域12はベクトルS2〜S4
により構成される。そして、図2中のCPU2は、図1
に示されるステップS5において、そのノッチ領域12
に対して、図3(b)に示される疑似ベクトルG1を生
成している。従って、CPU2は、図3(a)中のベク
トルS2〜S4と、図3(b)中の疑似ベクトルG1と
から形成される補正図形13(図3(b)において斜線
で示される部分)を生成する。
【0067】同様に、図4(a)に示されるレイアウト
図形14の場合、ノッチ領域15はベクトルS12〜S
14により構成され、図2中のCPU2は、そのノッチ
領域15に対して図4(b)に示される疑似ベクトルG
2を生成している。従って、CPU2は、図4(a)中
のベクトルS12〜S14と、図4(b)中の疑似ベク
トルG2とから形成される補正図形16(図4(b)に
おいて斜線で示される部分)を生成する。
【0068】また、図4(c)に示されるレイアウト図
形17の場合、ノッチ領域18はベクトルS22〜S2
4により構成され、図2中のCPU2は、そのノッチ領
域18に対して図4(d)に示される疑似ベクトルG3
を生成している。従って、CPU2は、図4(c)中の
ベクトルS22〜S24と、図4(d)中の疑似ベクト
ルG3とから形成される補正図形19(図4(d)にお
いて斜線で示される部分)を生成する。
【0069】更に次に、図1に示されるステップS7は
ベクトルデータ更新処理(ベクトルデータ更新手段)で
あって、図2中のCPU2は、レイアウト図形のベクト
ルデータを更新し、そのレイアウト図形のノッチ領域を
削除する。具体的には、CPU2は、ノッチ領域を形成
するベクトルと、図1に示されるステップS5において
生成した疑似ベクトルとを置き換えて、レイアウト図形
のベクトルデータを更新する。すると、レイアウト図形
は、ノッチ領域が削除された新たなレイアウト図形とな
る。
【0070】そして、抽出したノッチ領域に対するベク
トルデータの更新を終了すると、図2に示されるCPU
2は、図1に示されるステップS3に移る。そして、そ
のステップS3において、CPU2は、ノッチ領域が存
在するか否かを判断する。
【0071】即ち、CPU2は、レイアウト図形にノッ
チ領域が残存する場合、ステップS3〜S7の各処理を
繰り返し実行し、違反箇所となる全てのノッチ領域のベ
クトルを生成した疑似ベクトルに置き換えてベクトルデ
ータを更新し、ノッチ領域を削除する。そして、ステッ
プS2において抽出された全てのノッチ領域に対して検
証が終了すると、図2中のCPU2は、ステップS7に
おいて更新した新たなレイアウト図形のベクトルデータ
(線分)と、ステップS6において生成した補正図形と
を、図2中の補正レイアウトデータ9に格納し、レイア
ウト処理を終了する。
【0072】次に、上記のレイアウト図形検証装置1の
作用を図13(a)〜(c)に示されるレイアウト図形
L1〜L3に基づいて説明する。先ず、図13(a)に
示されるレイアウト図形L1に対するレイアウト図形検
証処理を、図1に示されるフローチャート及び図5
(a)〜(d)に従って説明する。
【0073】先ず、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS1において、図13(a)に示されるレイ
アウト図形L1を構成する全ての線分を、図5(a)に
示すように、左回りのベクトルV1〜V16に変換す
る。各ベクトルV1〜V16は、レイアウト図形L1の
内側(図形領域)をベクトル方向に対して左側に持つと
する矢印の方向を持つ。更に、各ベクトルV1〜V16
は、全ベクトルを始点・終点でつなげて常に図形領域を
左側に見ながら図形を一周するV1,V2,・・・、V
16,V1の順方向に、又は、逆方向に検索可能とする
リンク構造になっている。
【0074】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS2において、図5(a)に示されるレイア
ウト図形L1の全ての頂点の凹凸判定を行う。凹凸判定
は、1つのベクトルに対して次のベクトルの方向が右方
向か左方向かによって、それら2つのベクトルにより形
成される頂点が、凹頂点か凸頂点かを判断する。尚、本
実施形態では、左回りによりレイアウト図形L1を形成
する全ての線分をベクトルV1〜V16に変換してい
る。従って、1つのベクトルに対して次のベクトルの方
向が右方向の場合には、両ベクトルにより形成される頂
点は凹頂点となる。逆に、1つのベクトルに対して次の
ベクトルが左方向の場合、両ベクトルにより形成される
頂点は凸頂点となる。従って、図5(a)に示されるレ
イアウト図形L1には、凹頂点P1〜P6を有すること
になる。尚、図5(a)においては、凹頂点P1〜P6
に対して「○」印を付してある。
【0075】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図5(a)に示されるレイア
ウト図形L1に対して、任意のベクトルから所定の方
向、例えば、ベクトルV1からリンク構造の順方向(各
ベクトルの方向)に各頂点を走査する。そして、図2中
のCPU2は、凹頂点が連続して出現するP3,P4か
らノッチ領域N1を検出する。そのノッチ領域N1は、
ベクトルV9〜V11により構成される。尚、単体で出
現する凹頂点P1,P2には、ノッチ領域は存在しな
い。そして、図2中のCPU2は、ノッチ領域N1を検
出したので、図1に示されるステップS3からステップ
S4に移る。
【0076】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS4において、検出したノッチ領域N1が設
計基準違反箇所か否かを判断する。図5(a)に示すよ
うに、CPU2は、ノッチ領域N1を構成するベクトル
V9〜V11に基づいて、ベクトルV9とベクトルV1
1の線分間の距離からノッチ領域N1の間隔値を求め
る。この間隔値は、設計基準値Cよりも小さいので、C
PU2は、このノッチ領域N1を設計基準違反箇所とし
て検出する。
【0077】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS5において、違反箇所として検出したノッ
チ領域N1に対して、そのノッチ領域N1を削除するた
めの疑似ベクトルを生成する。この場合、ノッチ領域N
1を構成するベクトルV9,V11は、同じ長さである
ので、図3(a)(b)に示される処理に従って、図5
(b)に示されるノッチ領域N1を削除する疑似ベクト
ルM1を生成する。
【0078】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS6において、違反箇所として検出したノッ
チ領域N1に、補正図形を生成する。この場合、ステッ
プS5における疑似ベクトルM1の生成と同様に、図3
(a)(b)に示される処理に従って、段差を含まない
ノッチ領域N1の補正図形F1(図5(d)参照)を生
成する。
【0079】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS7において、レイアウト図形L1のベクト
ルデータを更新する。CPU2は、ノッチ領域N1を構
成するベクトルV8〜V12をレイアウト図形L1のベ
クトルデータのリンク構造から除外し、疑似ベクトルM
1を追加してベクトルデータを更新する。その結果、図
5(b)に示すように、ベクトルV1〜V7、疑似ベク
トルM1、及び、ベクトルV13〜V16よりなる新た
なリンク構造のベクトルデータにより形成される新たな
レイアウト図形L1aが生成される。
【0080】そして、疑似ベクトルM1の始点はベクト
ルV7の終点と接続され、レイアウト図形L1aの図形
領域に対して凸頂点を形成する。また、疑似ベクトルM
1の終点はベクトルV13の始点と接続され、レイアウ
ト図形L1aの図形領域に対して凸頂点を形成する。従
って、図5(a)に示される元のレイアウト図形L1に
対して、図5(b)に示される新たなレイアウト図形L
1aは、ノッチ領域N1が1個減少している。そして、
図2中のCPU2は、図1に示されるステップS3に戻
る。
【0081】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図2中のCPU2は、上記と
同様にして、図5(b)に示すように、連続する凹頂点
P5,P6からノッチ領域N2を検出する。そして、そ
のCPU2は、検出したノッチ領域N2に対して、図5
(c)に示される疑似ベクトルM2と補正図形F2(図
5(d)参照)とを新たに生成する。そして、ベクトル
更新処理を施すことにより、図2中のCPU2は、ベク
トルV1〜V7と、生成した疑似ベクトルM2とからな
るリンク構造のベクトルデータにより、新たなレイアウ
ト図形L1bを生成する。
【0082】そして、疑似ベクトルM2の始点はベクト
ルV7の終点と接続され、レイアウト図形L1bの図形
領域に対して凸頂点を形成する。また、疑似ベクトルM
2の終点はベクトルV1の始点と接続され、レイアウト
図形L1bの図形領域に対して凸頂点を形成する。従っ
て、図5(b)に示されるレイアウト図形L1aに対し
て、図5(c)に示される新たなレイアウト図形L1b
は、ノッチ領域N2が1個減少している。そして、図2
中のCPU2は、図1に示されるステップS3に戻る。
【0083】そのステップS3において、図2中のCP
U2は、図5(c)に示される新たなレイアウト図形L
1bからノッチ領域を検出しない。レイアウト図形L1
bには凹頂点P1,P2が存在するものの、連続しない
のでノッチ領域を構成しない。従って、CPU2は、図
5(d)に示される違反箇所となるノッチ領域がないレ
イアウト図形L1bと、補正図形F1,F2とを図2中
の補正レイアウトデータ9に格納し、レイアウト図形L
1に対する検証処理を終了する。
【0084】以上の処理により、図2中のCPU2は、
ノッチ領域を有するレイアウト図形に対するレイアウト
図形検証処理を行って、図5(d)に示される違反箇所
のないレイアウト図形L1bを生成する。更に、CPU
2は、図5(a)に示されるレイアウト図形L1に対応
して、違反箇所として検出したノッチ領域N1,N2
(図5(a)(b)参照)に対応した形状の補正図形F
1,F2(図5(d)参照)を生成する。
【0085】次に、図13(b)に示される階層構造の
ノッチ領域を有するレイアウト図形L2に対するレイア
ウト図形検証処理を、図1に示されるフローチャート及
び図6(a)〜(e)に従って説明する。
【0086】先ず、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS1において、図13(b)に示されるレイ
アウト図形L2を構成する全ての線分を、図6(a)に
示すように、左回りのベクトルV21〜V40に変換す
る。
【0087】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS2において、図6(a)に示されるレイア
ウト図形L2の全ての頂点の凹凸判定を行う。すると、
図6(a)に示されるレイアウト図形L2には、凹頂点
P11〜P18を有することになる。尚、図6(a)に
おいては、凹頂点P11〜P18に対して「○」印を付
してある。
【0088】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図6(a)に示されるレイア
ウト図形L2に対して、凹頂点が連続して出現するP1
1,P12からノッチ領域N11を検出する。そのノッ
チ領域N11は、ベクトルV23〜V25により構成さ
れる。この場合、凹頂点P11,P12を始点・終点と
するベクトルV24が注目ベクトルとなる。
【0089】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS4において、検出したノッチ領域N11を
構成するベクトルV23〜V25に基づいて、ベクトル
V23とベクトルV25の線分間の距離からノッチ領域
N11の間隔値を求める。この間隔値は、設計基準値C
よりも小さいので、CPU2は、このノッチ領域N11
を設計基準違反箇所として検出する。
【0090】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS5において、違反箇所として検出したノッ
チ領域N11に対して、そのノッチ領域N11を削除す
るための疑似ベクトルを生成する。この場合、ノッチ領
域N11を構成するベクトルV23,V25は、長さが
異なる。また、注目ベクトルV24の前方のベクトルV
25は、後方のベクトルV23よりも短い。従って、図
1中のCPU2は、図4(c)(d)に示される処理に
従って、ベクトルV23とベクトルV26との交点K1
を求め、図6(b)に示されるノッチ領域N11を削除
する疑似ベクトルM11を生成する。更に、図1中のC
PU2は、ベクトルV23の終点を交点K1まで縮退さ
せる。
【0091】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS6において、図1中のCPU2は、違反箇
所として検出したノッチ領域N11に、補正図形を生成
する。この場合、ステップS5における疑似ベクトルM
11の生成と同様に、図4(c)(d)に示される処理
に従って、ノッチ領域N11の補正図形F11(図6
(e)参照)を生成する。
【0092】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS7において、レイアウト図形L2のベクト
ルデータを更新する。CPU2は、ノッチ領域N11を
構成するベクトルV23〜V26をレイアウト図形L2
のベクトルデータのリンク構造から除外し、縮退させた
ベクトルV23と疑似ベクトルM11を追加してベクト
ルデータを更新する。その結果、図6(b)に示すよう
に、ベクトルV21〜V23、疑似ベクトルM11、及
び、ベクトルV27〜V40よりなる新たなリンク構造
のベクトルデータにより形成される新たなレイアウト図
形L2aが生成される。
【0093】そして、疑似ベクトルM11とベクトルV
23との交点K1は、レイアウト図形L2aの図形領域
に対して凹頂点を形成する。しかし、疑似ベクトルM1
1と次のベクトルV27は、凸頂点を形成する。そし
て、疑似ベクトルM11の前方のベクトルV22,V2
3もまた凸頂点を形成する。従って、連続する2つの凹
頂点が無くなるため、図6(a)に示される元のレイア
ウト図形L2に対して、図6(b)に示される新たなレ
イアウト図形L2aは、最下層のノッチ領域N11が1
個減少している。そして、図2中のCPU2は、図1に
示されるステップS3に戻る。
【0094】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図2中のCPU2は、上記と
同様にして図6(b)に示されるノッチ領域N12を検
出する。そして、そのCPU2は、検出したノッチ領域
N12に対して、上記のノッチ領域N11に対する処理
と同様に、疑似ベクトルM11とベクトルV29との交
点K2を求め、図6(c)に示される疑似ベクトルM1
2と補正図形F12(図6(e)参照)とを新たに生成
する。そして、ベクトル更新処理を施すことにより、図
2中のCPU2は、ベクトルV21〜V23、疑似ベク
トルM12、ベクトルV29〜V40からなるリンク構
造のベクトルデータにより、新たなレイアウト図形L2
bを生成する。
【0095】そして、疑似ベクトルM12とベクトルV
23との交点K1は、レイアウト図形L2bの図形領域
に対して凹頂点を形成する。また、疑似ベクトルM12
とベクトルV29との交点K2は、レイアウト図形L2
bの図形領域に対して凹頂点を形成する。従って、生成
された疑似ベクトルM12と、その疑似ベクトルM12
の前後のベクトルV23,V29とによりノッチ領域N
13が形成される。しかしながら、ノッチ領域N12は
削除されているため、新たに形成されたノッチ領域N1
3は、階層構造を形成しない。
【0096】従って、図2中のCPU2は、図13
(a)に示される階層構造を有しないレイアウト図形L
1に対する処理と同様に、図6(c)に示される新たな
レイアウト図形L2bに対して図形検証処理を行うこと
ができる。即ち、図2中のCPU2は、図1に示される
ステップS3〜S7を繰り返し実行することにより、図
6(c)に示されるノッチ領域N13と、他の連続する
凹頂点P15,P16、凹頂点P17,P18によりそ
れぞれ形成されるノッチ領域N14,N15に対して図
形検証を行う。そして、図2中のCPU2は、図6
(d)に示される疑似ベクトルM13,M14,M15
を生成するとともに、図6(e)に示される補正図形F
13,F14,F15を生成する。
【0097】そして、ステップS3において、図2中の
CPU2は、図6(d)に示される新たなレイアウト図
形L2cからノッチ領域を検出しない。従って、CPU
2は、図6(e)に示される違反箇所となるノッチ領域
がないレイアウト図形L2cと、補正図形F11〜F1
5とを図2中の補正レイアウトデータ9に格納し、レイ
アウト図形L2に対する検証処理を終了する以上の処理
により、図2中のCPU2は、鋭角ノッチ領域を有する
レイアウト図形に対するレイアウト図形検証処理を行っ
て、図6(e)に示される違反箇所のないレイアウト図
形L2cを生成する。更に、CPU2は、図6(a)に
示されるレイアウト図形L2に対応して、違反箇所とし
て検出したノッチ領域N11〜N15(図6(a)〜
(c)参照)に対応した形状の補正図形F11〜F15
(図3(e)参照)を生成する。
【0098】次に、図13(c)に示される斜線を含む
ノッチ領域を有するレイアウト図形L3に対するレイア
ウト図形検証処理を、図1に示されるフローチャート及
び図7(a)〜(d)に従って説明する。尚、図7
(a)〜(d)において、その時々に必要となる部材に
ついてのみ符号を付し、図面が煩雑になるのを防いでい
る。
【0099】先ず、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS1において、図13(c)に示されるレイ
アウト図形L3を構成する全ての線分を、図7(a)に
示すように、左回りのベクトルに変換する。次に、図2
中のCPU2は、図1に示されるステップS2におい
て、図7(a)に示されるレイアウト図形L3の全ての
頂点の凹凸判定を行う。
【0100】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図7(a)に示されるレイア
ウト図形L3に対して、2個の連続する凹頂点からノッ
チ領域N21を検出する。そのノッチ領域N21は、ベ
クトルV51〜V53により構成される。この場合、凹
頂点を始点・終点とするベクトルV52が注目ベクトル
となる。
【0101】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS4において、検出したノッチ領域N21を
構成するベクトルV51〜V53に基づいて、ベクトル
V51とベクトルV53の線分間の距離からノッチ領域
N21の間隔値を求める。この間隔値は、設計基準値C
よりも小さいので、CPU2は、このノッチ領域N21
を設計基準違反箇所として検出する。
【0102】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS5において、違反箇所として検出したノッ
チ領域N21に対して、そのノッチ領域N21を削除す
るための疑似ベクトルを生成する。この場合、ノッチ領
域N21を構成するベクトルV51,V53は、長さが
異なり、注目ベクトルV52の前方のベクトルV53
は、後方のベクトルV51よりも短い。従って、図1中
のCPU2は、図4(c)(d)に示される処理に従っ
て、ベクトルV51とベクトルV54との交点を求め、
図7(b)に示されるノッチ領域N21を削除する疑似
ベクトルM21を生成する。更に、図1中のCPU2
は、ベクトルV51の終点を交点まで縮退させる。
【0103】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS6において、図1中のCPU2は、違反箇
所として検出したノッチ領域N21に、補正図形を生成
する。この場合、ステップS5における疑似ベクトルM
1の生成と同様に、図4(c)(d)に示される処理に
従って、ノッチ領域N21の補正図形F21(図7
(d)参照)を生成する。
【0104】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS7において、レイアウト図形L3のベクト
ルデータを更新する。CPU2は、ノッチ領域N21を
構成するベクトルV51〜V54をレイアウト図形L3
のベクトルデータのリンク構造から除外し、縮退させた
ベクトルV51と疑似ベクトルM21を追加してベクト
ルデータを更新する。その結果、図7(b)に示す新た
なリンク構造のベクトルデータにより形成される新たな
レイアウト図形L3bが生成される。
【0105】そして、図7(b)において、疑似ベクト
ルM21とベクトルV51との交点は、レイアウト図形
L3bの図形領域に対して凹頂点を形成する。また、疑
似ベクトルM21とベクトルV55との交点は、レイア
ウト図形L3bの図形領域に対して凹頂点を形成する。
従って、生成された疑似ベクトルM21と、その疑似ベ
クトルM21の前後のベクトルV51,V55とにより
ノッチ領域N22が形成される。しかしながら、ノッチ
領域N21は削除されているため、新たに形成されたノ
ッチ領域N22は、階層構造を形成しない。
【0106】従って、図2中のCPU2は、図13
(a)に示される階層構造を有しないレイアウト図形L
1に対する処理と同様に、図7(b)に示される新たな
レイアウト図形L3bに対して図形検証処理を行うこと
ができる。即ち、図2中のCPU2は、図1に示される
ステップS3〜S7を繰り返し実行することにより、図
7(b)に示されるノッチ領域N22に対して図形検証
を行う。そして、図2中のCPU2は、図7(c)に示
される疑似ベクトルM22を生成するとともに、図7
(d)に示される補正図形F22を生成する。
【0107】そして、ステップS3において、図2中の
CPU2は、図7(c)に示される新たなレイアウト図
形L3cからノッチ領域を検出しない。従って、CPU
2は、図7(d)に示される違反箇所となるノッチ領域
がないレイアウト図形L3cと、補正図形F21,F2
2とを図2中の補正レイアウトデータ9に格納し、レイ
アウト図形L3に対する検証処理を終了する 以上の処理により、図2中のCPU2は、ノッチ領域を
有するレイアウト図形に対するレイアウト図形検証処理
を行って、図7(d)に示される違反箇所のないレイア
ウト図形L3cを生成する。更に、CPU2は、図7
(a)に示されるレイアウト図形L3に対応して、違反
箇所として検出したノッチ領域N21,N22(図7
(a),(b)参照)に対応した形状の補正図形F2
1,F22(図7(d)参照)を生成する。
【0108】ところで、ノッチ領域には、鋭角の凹頂点
により形成されるものがある。その鋭角の凹頂点よりな
るノッチ領域を有するレイアウト図形を図8(a)に示
す。このレイアウト図形L4には、鋭角の凹頂点により
形成されるノッチ領域31と、そのノッチ領域31の上
層となるノッチ領域32とを備える。図2中のCPU2
は、鋭角の凹頂点よりなるノッチ領域31を設計基準値
に関わらず検証違反箇所とする。
【0109】CPU2は、上記したように、頂点を形成
する2つのベクトルの方向により凹頂点か凸頂点かを判
定する。また、CPU2は、両ベクトルの方向に基づい
て、両ベクトルの成す角度が直角(90°)よりも大き
い場合にその頂点を鈍角と判定し、角度が直角よりも小
さい場合には鋭角と判定する。
【0110】CPU2は、図8(b)に示される鋭角を
有するノッチ領域(以下、鋭角ノッチ領域という)N3
1を構成するベクトルV65,V66を抽出する。そし
て、図2中のCPU2は、抽出したベクトルV65,V
66に基づいて、疑似ベクトル及び補正図形を生成す
る。
【0111】この場合、後方のベクトルV65の方が前
方のベクトルV66よりも短い。従って、図2中のCP
U2は、図4(a)(b)に示される処理に従って、鋭
角ノッチ領域N31を削除する疑似ベクトルを生成す
る。尚、図4(a)においては、ノッチ領域15は3つ
のベクトルS12〜S14から構成されるが、図8
(b)に示される鋭角ノッチ領域N31は2つのベクト
ルV65,V66により構成される。従って、図2中の
CPU2は、図4(a)のベクトルS13の長さがゼロ
(0)、即ち、ベクトルS22の終点とベクトルS24
の始点とが同じ位置にあるとして扱うことにより、図4
(a)(b)に示される処理により図8(c)に示され
る疑似ベクトルM31を生成する。更に、図2中のCP
U2は、図8(b)に示される鋭角ノッチ領域N31に
対応した形状の補正図形F31(図8(e)参照)を生
成し、ベクトルデータを更新する。
【0112】その結果、図8(b)に示される鋭角ノッ
チ領域N31を有するレイアウト図形L4aは、図8
(c)に示すように、生成された疑似ベクトルM31
と、その両端のベクトルV63,V66よりなる段差が
ないノッチ領域N32を有するレイアウト図形L4bと
なる。
【0113】そして、図2中のCPU2は、図8(c)
に示されるレイアウト図形L4bに対して、図3(a)
(b)に示される処理に従って、図8(d)の疑似ベク
トルM32と、図8(e)の補正図形F32を生成し、
ベクトルデータを更新する。その結果、図8(c)のレ
イアウト図形L4bは、図8(d)のノッチ領域を有し
ないレイアウト図形L4cとなる。
【0114】以上の処理により、図2中のCPU2は、
鋭角ノッチ領域を有するレイアウト図形に対するレイア
ウト図形検証処理を行って、図8(e)に示される違反
箇所のないレイアウト図形L4cを生成する。更に、C
PU2は、図8(a)に示されるレイアウト図形L4に
対応して、違反箇所として検出したノッチ領域N31,
N32に対応した形状の補正図形F31,F32を生成
する。
【0115】以上記述したように、本実施形態によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)レイアウト図形検証装置1のCPU2は、先ず、
レイアウト図形を形成する線分を所定の方向に検索可能
なリンク構造のベクトルデータに変換する。次に、CP
U2は、変換したベクトルに基づいて、検証の対象とな
る図形外側領域を検出し、その領域が予め設定された設
計基準を満たさない場合に、当該領域を設計基準違反箇
所として検出する。そして、CPU2は、検出された違
反箇所に応じた疑似線分を生成し、その違反箇所を削除
するようにした。
【0116】その結果、従来の抽出方法に比べて、図形
領域を乗り越えた真ではない違反箇所を検出することを
防ぐことができるので、開発者は、真ではない違反箇所
に対する処理を行う必要がないため、設計時間を短縮す
ることが可能となる。
【0117】(2)CPU2は、変換されたベクトルに
基づいて、レイアウト図形の各頂点をそれぞれ凹頂点か
凸頂点かを判定する。そして、CPU2は、その判定結
果に基づいて、連続して出現する凹頂点を形成する複数
のベクトルにより形成される図形外側領域をノッチ領域
として検出するようにした。その結果、従来のように注
目するベクトルから検証範囲を設定する必要が無いの
で、図形領域をノッチ領域であると誤認して違反箇所を
検出することは回避でき、容易に検証対象となるノッチ
領域を検出することができる。
【0118】(3)CPU2は、生成した疑似ベクトル
によりノッチ領域を構成するベクトルをベクトルデータ
から削除し、疑似ベクトルを含む新たなレイアウト図形
を生成するようにした。その結果、ノッチ領域が階層的
に構成されるレイアウト図形に対して、最下層のノッチ
領域から削除することにより、全てのノッチ領域に対す
る検証を確実に行うことができる。
【0119】(第二実施形態)以下、本発明を具体化し
た第二実施形態を図9〜図12に従って説明する。尚、
説明の便宜上、第一実施形態と同様の構成については同
一の符号を付してその説明を一部省略する。また、本実
施形態では、図1に示されるレイアウト図形検証処理に
おけるステップS5〜S7における処理が異なるので、
それら異なるステップにおける各処理についてのみ詳細
に説明する。
【0120】図1に示されるステップS5は疑似線分生
成処理(疑似線分生成手段)であって、図2中のCPU
2は、ステップS4において違反箇所として検出された
ノッチ領域に対応した疑似線分としての疑似ベクトルを
生成する。疑似ベクトルは、違反箇所となるノッチ領域
をレイアウト図形から削除するために生成される。
【0121】具体的には、CPU2は、違反箇所として
検出したノッチ領域に対して、そのノッチ領域を形成す
るベクトルの始点及び終点を結ぶ疑似ベクトルを生成す
る。更に具体的には、CPU2は、注目ベクトルの後方
のベクトルの始点をその始点とし、注目ベクトルの前方
のベクトルの終点を終点とする疑似ベクトルを生成す
る。
【0122】例えば、図9(a)に示すように、レイア
ウト図形11には、注目ベクトルS3と、その前後のベ
クトルS2,S4とからノッチ領域12が形成されてい
る。従って、図2中のCPU2は、ノッチ領域12を削
除する、即ち、ベクトルS2〜S4を削除するべく、図
9(b)に示すように、ベクトルS1の終点からベクト
ルS5の始点までの疑似ベクトルG1aを生成する。
【0123】また、図10(a)に示すように、レイア
ウト図形14には、注目ベクトルS13と、その前後の
ベクトルS12,S14とからノッチ領域15が形成さ
れている。そして、このノッチ領域15を形成するベク
トルS12,S14は、異なる長さのベクトルであっ
て、注目ベクトルS13の後方のベクトルS12の方
が、注目ベクトルS13の前方のベクトルS14よりも
短く、段差が形成されている。この場合、図2中のCP
U2は、ノッチ領域15を削除する、即ち、ベクトルS
12〜S14を削除するべく、図10(b)に示すよう
に、ベクトルS11の始点からベクトルS15の終点ま
での斜めの疑似ベクトルG2aを生成する。
【0124】更に、図10(c)に示すように、レイア
ウト図形17には、注目ベクトルS23と、その前後の
ベクトルS22,S24とからノッチ領域18が形成さ
れている。そして、このノッチ領域18を形成するベク
トルS22,S24は、異なる長さのベクトルであっ
て、注目ベクトルS23の前方のベクトルS24の方
が、注目ベクトルS23の後方のベクトルS22よりも
短く、段差が形成されている。この場合も同様に、図2
中のCPU2は、ノッチ領域18を削除する、即ち、ベ
クトルS22〜S24を削除するべく、図10(d)に
示すように、ベクトルS21の終点からベクトルS25
の始点までの斜めの疑似ベクトルG3aを生成する。
【0125】次に、図1に示されるステップS6は補正
図形生成処理(補正図形生成手段)であって、図2中の
CPU2は、ステップS5において、ノッチ領域を削除
するための補正図形を形成する。CPU2は、ノッチ領
域の形状に対応して生成された疑似ベクトルと、ノッチ
領域を構成するベクトルとにより形成される補正図形を
生成する。
【0126】例えば、図9(a)に示されるレイアウト
図形11の場合、ノッチ領域12はベクトルS2〜S4
により構成される。そして、図2中のCPU2は、図1
に示されるステップS5において、そのノッチ領域12
に対して、図9(b)に示される疑似ベクトルG1aを
生成している。従って、CPU2は、図9(a)中のベ
クトルS2〜S4と、図9(b)中の疑似ベクトルG1
aとから形成される補正図形13a(図9(b)におい
て斜線で示される部分)を生成する。
【0127】同様に、図10(a)に示されるレイアウ
ト図形14の場合、ノッチ領域15はベクトルS12〜
S14により構成され、図2中のCPU2は、そのノッ
チ領域15に対して図10(b)に示される疑似ベクト
ルG2aを生成している。従って、CPU2は、図10
(a)中のベクトルS12〜S14と、図10(b)中
の疑似ベクトルG2aとから形成される補正図形16a
(図10(b)において斜線で示される部分)を生成す
る。
【0128】また、図10(c)に示されるレイアウト
図形17の場合、ノッチ領域18はベクトルS22〜S
24により構成され、図2中のCPU2は、そのノッチ
領域18に対して図10(d)に示される疑似ベクトル
G3aを生成している。従って、CPU2は、図10
(c)中のベクトルS22〜S24と、図10(d)中
の疑似ベクトルG3aとから形成される補正図形19a
(図10(d)において斜線で示される部分)を生成す
る。
【0129】また、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS6において補正図形を生成する際に、ノッ
チ領域を形成するベクトルに疑似ベクトルが含まれる場
合、そのノッチ領域に対する補正図形を生成しない。
【0130】例えば、図9(a)に示されるレイアウト
図形11のノッチ領域12を形成するベクトルS2〜S
4に疑似ベクトルが含まれる場合、図2中のCPU2
は、そのノッチ領域12に対して図9(b)に示される
補正図形13aを生成しない。同様に、図10(a),
(c)にそれぞれ示されるレイアウト図形14,17の
ノッチ領域15,18を形成するベクトルS12〜S1
4,S22〜S24に疑似ベクトルが含まれる場合、図
2中のCPU2は、ノッチ領域14,17に対して図1
0(b),(d)にそれぞれ示される補正図形16a,
19aを生成しない。すると、補正図形13a,16
a,19aを生成しない分だけ、レイアウト図形検証装
置1の処理時間が短くなる。
【0131】ところで、ノッチ領域を形成するベクトル
に疑似ベクトルが含まれる場合は、そのノッチ領域が階
層構造に構成されている場合である。従って、CPU2
は、階層構造に構成される複数のノッチ領域に対して、
最下層のノッチ領域に対してのみ補正図形を生成し、最
下層以外のノッチ領域に関しては、補正図形を生成する
処理を省略する。
【0132】また、階層構造のノッチ領域の場合、最下
層のノッチ領域を構成する注目ベクトルの前後のベクト
ルは長さが異なる。そのため、その最下層のノッチ領域
に対して生成される疑似ベクトルは、図10(b)
(d)に示されるように、他のレイアウト図形を形成す
るベクトルとは方向が異なる場合が多い。また、最下層
のノッチ領域に対応して生成される補正図形は、図10
(b)(d)に示されるように、他のノッチ領域に対応
して生成される補正図形とは形状が異なる。最下層のノ
ッチ領域を形成するベクトルは、長さが異なるため、生
成される疑似ベクトルは他のベクトルに対して斜めの方
向を持つためである。
【0133】図形検証処理システムを必要とするレイア
ウト設計開発者の要求として、全ての違反箇所を網羅し
て検出する要望とは別に、大規模化する設計データの検
証時間を短縮する要望がある。例えば、複数の違反箇所
を有するレイアウト図形の場合、それら複数の違反箇所
の内の一部を提示する。
【0134】すると、開発者は、提示された違反箇所に
対する確認・修正作業を行うときに、生成された疑似ベ
クトル又は補正図形により提示された違反箇所の周辺
に、更に上層のノッチ領域が存在することが容易に確認
できる。従って、開発者は、その上層のノッチ領域が違
反箇所か否かを容易に判断することができる。即ち、提
示した違反箇所から開発者がその違反箇所の周辺に存在
するノッチ領域に対する設計違反箇所か否か容易に判断
できることが期待できる場合に、そのノッチ領域に対す
る図形検証処理を省略する。すると、ノッチ領域が設計
値を満たしているか否かの判断、疑似ベクトルの生成、
及び、補正図形を生成する分だけ、図形検証のための時
間が短くなり、レイアウト図形検証処理は早く終了す
る。従って、開発者は早く違反箇所を確認することがで
きる。
【0135】次に、上記のように構成されたレイアウト
図形検証装置の作用を図11〜図13に従って説明す
る。先ず、図13(b)に示される階層構造のノッチ領
域を有するレイアウト図形L2に対するレイアウト図形
検証処理を、図1に示されるフローチャート及び図11
(a)〜(e)に従って説明する。
【0136】先ず、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS1において、図13(b)に示されるレイ
アウト図形L2を構成する全ての線分を、図11(a)
に示すように、左回りのベクトルV21〜V40に変換
する。
【0137】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS2において、図11(a)に示されるレイ
アウト図形L2の全ての頂点の凹凸判定を行う。する
と、図11(a)に示されるレイアウト図形L2には、
凹頂点P11〜P18を有することになる。尚、図11
(a)においては、凹頂点P11〜P18に対して
「○」印を付してある。
【0138】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図11(a)に示されるレイ
アウト図形L2に対して、凹頂点が連続して出現するP
11,P12からノッチ領域N11を検出する。そのノ
ッチ領域N11は、ベクトルV23〜V25により構成
される。この場合、凹頂点P11,P12を始点・終点
とするベクトルV24が注目ベクトルとなる。
【0139】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS4において、検出したノッチ領域N11を
構成するベクトルV23〜V25に基づいて、ベクトル
V23とベクトルV25の線分間の距離からノッチ領域
N11の間隔値を求める。この間隔値は、設計基準値C
よりも小さいので、CPU2は、このノッチ領域N11
を設計基準違反箇所として検出する。
【0140】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS5において、違反箇所として検出したノッ
チ領域N11に対して、そのノッチ領域N11を削除す
るための疑似ベクトルを生成する。この場合、ノッチ領
域N11を構成するベクトルV23,V25は、長さが
異なる。また、注目ベクトルV24の前方のベクトルV
25は、後方のベクトルV23よりも短い。従って、図
1中のCPU2は、図10(c)(d)に示される処理
に従って、図11(b)に示されるノッチ領域N11を
削除する斜め方向の疑似ベクトルM41(図11(b)
参照)を生成する。
【0141】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS6において、図1中のCPU2は、違反箇
所として検出したノッチ領域N11に、補正図形を生成
する。この場合、ステップS5における疑似ベクトルM
41の生成と同様に、図10(c)(d)に示される処
理に従って、ノッチ領域N11の補正図形F11a(図
11(e)参照)を生成する。
【0142】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS7において、レイアウト図形L2のベクト
ルデータを更新する。CPU2は、ノッチ領域N11を
構成するベクトルV23〜V26をレイアウト図形L2
のベクトルデータのリンク構造から除外し、縮退させた
ベクトルV23と疑似ベクトルM41を追加してベクト
ルデータを更新する。その結果、図11(b)に示すよ
うに、ベクトルV21,V22、疑似ベクトルM41、
及び、ベクトルV26〜V40よりなる新たなリンク構
造のベクトルデータにより形成される新たなレイアウト
図形L2dが生成される。
【0143】そして、図11(b)に示されるように、
疑似ベクトルM41とベクトルV26との頂点P31
は、レイアウト図形L2aの図形領域に対して凹頂点を
形成する。しかし、疑似ベクトルM41の前方のベクト
ルV26,V27は、凸頂点を形成する。そして、疑似
ベクトルM41の後方のベクトルV22もまた凸頂点を
形成する。従って、連続する2つの凹頂点が無くなるた
め、図11(a)に示される元のレイアウト図形L2に
対して、図11(b)に示される新たなレイアウト図形
L2dは、最下層のノッチ領域N11が1個減少してい
る。そして、図2中のCPU2は、図1に示されるステ
ップS3に戻る。
【0144】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3において、図2中のCPU2は、上記と
同様にして図11(b)に示されるノッチ領域N12を
検出する。そして、そのCPU2は、検出したノッチ領
域N12に対して、上記のノッチ領域N11に対する処
理と同様に、図11(c)に示される斜め方向の疑似ベ
クトルM42と、補正図形F12a(図11(e)参
照)とを新たに生成する。そして、ベクトル更新処理を
施すことにより、図2中のCPU2は、ベクトルV2
1,V22、疑似ベクトルM41、ベクトルV26、疑
似ベクトルM42、及び、ベクトルV30〜V40から
なるリンク構造のベクトルデータにより、新たなレイア
ウト図形L2eを生成する。
【0145】図11(c)に示すように、疑似ベクトル
M41とベクトルV26よりなる頂点P31は、レイア
ウト図形L2eの図形領域に対して凹頂点となる。ま
た、ベクトルV26と疑似ベクトルM42よりなる頂点
P32は、レイアウト図形L2eの図形領域に対して凹
頂点となる。従って、2つの凹頂点が連続するため、生
成された疑似ベクトルM41,M42と、その間のベク
トルV26とによりノッチ領域N41が形成される。し
かしながら、ノッチ領域N12は削除されているため、
新たに形成されたノッチ領域N41は、階層構造を形成
しない。
【0146】更に次に、図2中のCPU2は、図1に示
されるステップS3において、図2中のCPU2は、上
記と同様にして図11(c)に示されるノッチ領域N4
1を検出する。そして、そのCPU2は、検出したノッ
チ領域N41に対して、そのノッチ領域N41を削除す
るための疑似ベクトルを生成する。この場合、ノッチ領
域N41を構成する疑似ベクトルM41,M42は、長
さが等しいので、図2中のCPU2は、図9(a)
(b)に示される処理に従って、図11(c)に示され
るノッチ領域N41を削除するための疑似ベクトルM4
3(図11(d)参照)を生成する。
【0147】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS6において、図1中のCPU2は、違反箇
所として検出したノッチ領域N41に、補正図形を生成
する。この場合、ノッチ領域N41を構成するベクトル
には、先に生成した疑似ベクトルM41,M42が含ま
れる。従って、図1中のCPU2は、このノッチ領域N
41に対する補正図形を生成しない。
【0148】次に、図2中のCPU2は、図1に示され
るステップS3〜S7を繰り返し実行することにより、
図11(c)に示されるように、連続する凹頂点P1
5,P16、凹頂点P17,P18によりそれぞれ形成
されるノッチ領域N14,N15に対して図形検証を行
う。そして、図2中のCPU2は、図11(d)に示さ
れる疑似ベクトルM44,M45を生成するとともに、
図11(e)に示される補正図形F14,F15を生成
する。
【0149】そして、ステップS3において、図2中の
CPU2は、図11(d)に示される新たなレイアウト
図形L2fからノッチ領域を検出しない。従って、CP
U2は、図11(e)に示される違反箇所となるノッチ
領域がないレイアウト図形L2fと、補正図形F11
a,F12a,F14,F15とを図2中の補正レイア
ウトデータ9に格納し、レイアウト図形L2に対する検
証処理を終了する開発者は、表示器5上に表示された図
11(e)のレイアウト図形L2fに対して、提示され
た違反箇所に対応する補正図形F11a,F12a,F
14,F15に基づいて、それらの違反箇所に対する確
認・修正作業を行う。この時、図11(a)(b)に示
される階層構造の最下層のノッチ領域N11,N12に
対応して生成された補正図形F11a,F12aは、図
11(c)に示される階層構造ではないノッチ領域N1
4,N15に対応して生成された補正図形F14,F1
5とそれらの形状が異なる。従って、開発者は、補正図
形F11a,F12aの形状に基づいて、補正図形によ
り違反箇所が提示されていなくても、その補正図形F1
1a,F12aの近傍に図11(c)に示されるノッチ
領域N41が存在することを容易に確認でき、補正図形
F14,F15の近傍にはノッチ領域が存在しないこと
を容易に確認することができる。
【0150】従って、開発者は、違反箇所として提示さ
れた各補正図形F11a,F12a,F14,F15に
対する検証作業とともに、確認されるノッチ領域N41
に対する検証作業を行うことができる。
【0151】同様に、図13(c)に示される斜線を含
むレイアウト図形L3に対して、図2中のCPU2は、
図13(c)のノッチ領域N21を削除するために、図
12に示される疑似ベクトルM51と補正図形F51と
を生成する。更に、図2中のCPU2は、図13(c)
に示されるノッチ領域N22を削除するために、図12
に示される疑似ベクトルM52を生成する。しかし、図
2中のCPU2は、ノッチ領域N22を構成するベクト
ルには、疑似ベクトルM51が含まれるので、そのノッ
チ領域N22に対する補正図形を生成しない。そして、
CPU2は、図12に示されるレイアウト図形L3d
と、補正図形F51とを図2中の補正レイアウトデータ
9に格納し、レイアウト図形L3に対する検証処理を終
了する。この場合、図11(e)に示されるレイアウト
図形L2fの場合と同様に、階層構造の最下層のノッチ
領域N21に対応して生成された補正図形F51は、通
常のノッチ領域に対応して生成された補正図形、例え
ば、図11(e)に示される補正図形F14,F15に
比べて、その形状が異なる。従って、開発者は、補正図
形F51の形状により、補正図形により違反箇所が提示
されていなくても、その補正図形F51の近傍に図13
(c)に示されるノッチ領域N22が存在することを容
易に確認でき、そのノッチ領域N22に対する検証作業
を行うことができる。
【0152】以上記述したように、本実施形態によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)レイアウト図形検証装置1のCPU2は、複数の
ノッチ領域が階層的に構成されるレイアウト図形に対し
て、そのノッチ領域を構成するベクトルに疑似ベクトル
が含まれる場合には、そのノッチ領域に対する補正図形
を生成しないようにした。従って、ノッチ領域が階層的
に構成されるレイアウト図形では、最下層のノッチ領域
に対してのみ補正図形が生成される。その結果、上層の
ノッチ領域に対する補正図形を生成しない分だけ、レイ
アウト図形検証装置1における検証時間を短縮すること
ができる。
【0153】(2)レイアウト図形検証装置1のCPU
2は、ステップS5において疑似線分を生成する場合
に、ノッチ領域を構成するベクトルの端点をつなげるだ
けであるので、ノッチ領域の形状に依ることなく、第一
実施形態に比べて容易に疑似線分を生成することができ
る。そのため、違反箇所の検出効率(検出時間の短時間
化)を最優先とした検証が可能となる。
【0154】尚、本発明は前記実施の形態の他、以下の
態様で実施してもよい。 (1)上記各実施形態において、図1に示されるステッ
プS6を省略、即ち、ノッチ領域に対する補正図形の生
成を省略する。その補正図形を生成する処理の分の時間
だけレイアウト処理装置1の稼働時間(図形検証処理時
間)が短縮されるので、上記各実施形態に比べて検証結
果を早く確認することが可能となり、開発者が早期に確
認・修正処理に取りかかることができる。
【0155】(2)上記各実施形態では、図1に示され
るステップS1においてレイアウト図形を左回りのベク
トルに変換するようにしたが、右回りのベクトルに変換
するようにしてもよい。その場合、ステップS2におい
て頂点の凹凸判定を行う場合に、注目ベクトルに対して
次のベクトルがレイアウト図形の外側領域(右方向)に
向いている場合には、両ベクトルにより形成される頂点
を凸頂点と判断し、逆に次のベクトルがレイアウト図形
の外側領域(右方向)に向いている場合には、両ベクト
ルにより形成される頂点を凹頂点と判断する。
【0156】(3)上記第一実施形態おいて、図1に示
されるステップS6における補正図形を生成する際に、
第二実施形態と同様に、ノッチ領域を形成するベクトル
に疑似ベクトルが含まれる場合、そのノッチ領域に対し
て補正図形を生成しないようにする。
【0157】また、上記第二実施形態において、図1に
示されるステップS6における補正図形を生成する際
に、第一実施形態と同様に、全てのノッチ領域に対して
補正図形を生成するようにする。
【0158】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至4に
記載の発明によれば、ノッチ領域の検証時間を短縮する
ことが可能なレイアウト図形検証方法を提供することが
できる。
【0159】また、請求項5乃至12に記載の発明によ
れば、ノッチ領域の検証時間を短縮することが可能なレ
イアウト図形検証装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレイアウト図形検証処理を示すフロー
チャート。
【図2】本発明のレイアウト図形検証装置の概略構成
図。
【図3】(a) ,(b) は、第一実施形態の擬似線分作成の
説明図。
【図4】(a) 〜(d) は、第一実施形態の擬似線分作成の
説明図。
【図5】(a) 〜(d) は、第一実施形態のレイアウト図形
検証処理の説明図。
【図6】(a) 〜(e) は、第一実施形態のレイアウト図形
検証処理の説明図。
【図7】(a) 〜(d) は、第一実施形態のレイアウト図形
検証処理の説明図。
【図8】(a) 〜(e) は、第一実施形態のレイアウト図形
検証処理の説明図。
【図9】(a) ,(b) は、第二実施形態の擬似線分作成の
説明図。
【図10】(a) 〜(d) は、第二実施形態の擬似線分作成
の説明図。
【図11】(a) 〜(e) は、第二実施形態のレイアウト図
形検証処理の説明図。
【図12】第二実施形態のレイアウト図形検証処理の説
明図。
【図13】(a) 〜(c) は、ノッチ領域を有するレイアウ
ト図形の説明図。
【図14】(a) 〜(d) は、従来のレイアウト図形検証処
理の説明図。
【図15】(a),(b) は、従来のレイアウト図形検証処理
の説明図。
【符号の説明】
S1 ベクトルデータ生成手段 S2 領域検出手段及び凹凸判定手段 S3 領域検出手段及びノッチ領域検出手段 S4 違反箇所検出手段 S5 疑似線分生成手段 S6 補正図形生成手段 S7 ベクトルデータ更新手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路のレイアウト図形に対し
    て、レイアウト図形の外側領域に対して予め設定された
    設計基準に基づいて図形検証を行うレイアウト図形検証
    方法であって、 前記レイアウト図形を形成する線分を所定の方向に検索
    可能なリンク構造のベクトルデータに変換し、その変換
    したベクトルに基づいて、検証の対象となる図形外側領
    域を検出し、検出された領域が予め設定された設計基準
    を満たさない場合に、当該領域を設計基準違反箇所とし
    て検出し、その検出された違反箇所を削除するために、
    該違反箇所に対応した疑似線分を生成するレイアウト図
    形検証方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレイアウト図形検証方
    法において、 前記リンク構造のベクトルデータから、違反箇所を形成
    するベクトルを削除するとともに前記疑似線分を追加し
    てベクトルデータを更新し、新たなレイアウト図形を生
    成するようにしたレイアウト図形検証方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のレイアウト図形
    検証方法において、 前記検出された違反箇所を削除するために、該違反箇所
    を形成する複数のベクトルと、前記生成された疑似線分
    とに基づいて補正図形を生成するようにしたレイアウト
    図形検証方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のレイアウト図形検証方
    法において、 前記レイアウト図形の図形外側領域を形成する線分に疑
    似線分が含まれる場合、その領域に対応した補正図形を
    生成しないようにしたレイアウト図形検証方法。
  5. 【請求項5】 半導体集積回路のレイアウト図形に対し
    て、レイアウト図形の外側領域に対して予め設定された
    設計基準に基づいて図形検証を行うレイアウト図形検証
    装置であって、 予め設定された設計基準を満たさない設計基準違反箇所
    となる図形外側領域を検出する違反箇所検出手段と、 前記検出された違反箇所となる領域に対応した疑似線分
    を生成する疑似線分生成手段とを備えたレイアウト図形
    検証装置。
  6. 【請求項6】 半導体集積回路のレイアウト図形に対し
    て、レイアウト図形の外側領域に対して予め設定された
    設計基準に基づいて図形検証を行うレイアウト図形検証
    装置であって、 前記レイアウト図形を形成する線分を所定の方向に検索
    可能なリンク構造のベクトルデータに変換するベクトル
    データ生成手段と、 前記変換されたベクトルに基づいて、検証の対象となる
    図形外側領域を検出する領域検出手段と、 前記検出された領域が予め設定された設計基準を満たさ
    ない場合に、当該領域を設計基準違反箇所として検出す
    る違反箇所検出手段と、 前記検出された違反箇所を削除するために、該違反箇所
    に対応した疑似線分を生成する疑似線分生成手段とを備
    えたレイアウト図形検証装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のレイアウト図形検証装
    置において、 前記領域検出手段は、 前記変換されたベクトルに基づいて、レイアウト図形の
    各頂点をそれぞれ凹頂点か凸頂点かを判定する凹凸判定
    手段と、 前記判定結果に基づいて、連続して出現する凹頂点を形
    成する複数のベクトルにより形成される図形外側領域を
    ノッチ領域として検出するノッチ領域検出手段とから構
    成され、 前記違反箇所検出手段は、前記検出されたノッチ領域が
    予め設定された設計基準を満たさない場合に、そのノッ
    チ領域を設計基準違反箇所として検出するようにしたレ
    イアウト図形検証装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載のレイアウト図形
    検証装置において、 前記リンク構造のベクトルデータから、違反箇所を形成
    するベクトルを削除するとともに前記疑似線分を追加し
    てベクトルデータを更新し、新たなレイアウト図形を生
    成するベクトルデータ更新手段を備えたレイアウト図形
    検証装置。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8に記載のレイアウト図形
    検証装置において、 前記検出された違反箇所を削除するために、該違反箇所
    を形成する複数のベクトルと、前記生成された疑似線分
    とに基づいて補正図形を生成する補正図形生成手段を備
    えたレイアウト図形検証装置。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至9に記載のレイアウト図
    形検証装置において、 前記疑似線分生成手段は、 前記違反箇所を形成するベクトルの前後のベクトルを検
    索し、それらのベクトルの一方を選択し、その選択した
    ベクトルを延長して前記疑似線分を生成するようにした
    レイアウト図形検証装置。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至9に記載のレイアウト図
    形検証装置において、 前記疑似線分生成手段は、 前記違反箇所を形成するベクトルの端点を接続する疑似
    線分を生成するようにしたレイアウト図形検証装置。
  12. 【請求項12】 請求項6乃至11に記載のレイアウト
    図形検証装置において、 前記補正図形生成手段は、 前記レイアウト図形の図形外側領域を形成する線分に疑
    似線分が含まれる場合、その領域に対応した補正図形を
    生成しないようにしたレイアウト図形検証装置。
JP8343778A 1996-12-24 1996-12-24 レイアウト図形検証方法及びレイアウト図形検証装置 Withdrawn JPH10187778A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258463A (ja) * 2001-03-05 2002-09-11 Dainippon Printing Co Ltd フォトマスクパタン欠陥検査方法および微細図形パタンの検出方法
US6536015B2 (en) 2000-07-05 2003-03-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Apparatus and method of correcting layout pattern data, method of manufacturing semiconductor devices and recording medium

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