JPH10186137A - 線状光源装置、これに用いる導光部材、およびこの導光部材を用いた線状光源を備える画像読み取り装置 - Google Patents

線状光源装置、これに用いる導光部材、およびこの導光部材を用いた線状光源を備える画像読み取り装置

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JPH10186137A
JPH10186137A JP8343392A JP34339296A JPH10186137A JP H10186137 A JPH10186137 A JP H10186137A JP 8343392 A JP8343392 A JP 8343392A JP 34339296 A JP34339296 A JP 34339296A JP H10186137 A JPH10186137 A JP H10186137A
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久義 藤本
Hiroaki Onishi
弘朗 大西
Toshihiko Takakura
敏彦 高倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導光部材の長手方向のサイズが嵩張ることを適
切に回避しつつ、線的な領域に対して各所均等な光量で
光を効率良く照射できるようにする。 【解決手段】一定長さを有する透明部材10の長手方向
に延びる第1側面10Aが光出射面とされ、この光出射
面と厚み方向に対向する上記透明部材10の第2側面1
0Bの長手方向中間部に光入射部15が形成されてお
り、かつ上記第1側面10Aにおける上記光入射部15
と対向する部位には、上記第1側面10Aの長手方向に
延びて傾斜した2つの傾斜面21,21をもつ断面略V
字状の凹入部20が形成されているとともに、この凹入
部20の幅方向の両側方または一側方には、光の反射を
行う光反射面6が上記凹入部20に対向して設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本願発明は、いわゆる密着型
イメージセンサなどの原稿読み取り用の原稿照明として
好適に利用することができる線状光源装置、この線状光
源装置に用いられる導光部材、およびこの導光部材を用
いた線状光源を備える画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、線状光源装置の一例としては、た
とえば特開平6−217084号公報に所載のものがあ
る。同公報に所載の線状光源装置は、本願の図22
(a)に示すように、一定長さを有する透明部材からな
る導光部材1eの長手方向一端部の端面を光入射部15
eとして、この光入射部15eに対向させて光源9eを
配したものである。上記導光部材1eは、長手方向に延
びる一側面を光出射面12eとし、この光出射面12e
と厚み方向に対向する他の側面の全長域を光乱反射面1
4eとしている。
【0003】上記構成の線状光源装置では、光入射部1
5eから導光部材1eの内部に照射された光を、光乱反
射面14eにおいて乱反射させることにより、この乱反
射された光を光出射面12eから導光部材1eの外部に
出射させることができる。このため、上記光出射面12
eの長さを原稿Dの幅寸法と略同等な寸法にしておけ
ば、原稿Dの幅方向の全長域に光を照射することができ
る。このような手段によれば、たとえば図23に示すよ
うに、原稿Dの幅方向に沿って光源9を所定ピッチ間隔
で多数設けていた手段と比較すると、その光源の数を非
常に少なくし、生産コストを安価にすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の線状光源装置では、次のような不具合があった。
【0005】すなわち、上記従来の線状光源装置は、導
光部材1eの長手方向一端部の端面を光入射部15eと
しており、光源9eは、この光入射部15eに対面させ
て設ける必要がある。このため、上記線状光源装置の全
長寸法は、光源9eを配置するためのスペースを確保せ
ねばならない分だけ大きくなってしまう。これに対し、
たとえば線状光源装置を用いた画像読み取り装置の小型
化を図るためには、導光部材1eの厚み方向、または幅
方向のサイズよりも、導光部材1eの長手方向のサイズ
を小さくすることが強く求められる。たとえばA4幅原
稿対応の画像読み取り装置を製作する場合には、少なく
とも上記導光部材1eの全長をA4幅と略同等の大きな
サイズとする必要があり、画像読み取り装置は導光部材
1eの長手方向に嵩張る傾向が強いからである。したが
って、上記従来の線状光源装置では、導光部材1eの長
手方向のサイズが大きいことに原因し、その線状光源装
置を組み込む装置についてもその大型化を招き易いとい
う不具合を生じていた。
【0006】また、上記従来の線状光源装置は、導光部
材1eの長手方向一端の光入射部15eから導光部材1
e内に入射した光を、導光部材1eの長手方向の全長域
にわたって順次導く構成である。このような構成では、
導光部材1e内に入射した光の多くは、光入射部15e
から遠く離れた部分に到達することなく、光入射部15
eに近い領域から外部へ出射する傾向が強い。このた
め、従来においては、図22(b)に示すように、原稿
Dの被照射面の照度は、光源9eに近い部分は高いもの
の、光源9eから遠ざかるにしたがって低くなる。これ
では、原稿Dの被照射面の全長域の照度に大きなバラツ
キが生じてしまい、原稿画像を読み取って得られる画像
の質が低下してしまう。
【0007】従来において、このような不具合を抑制す
る手段としては、導光部材1eの長手方向両端部の2箇
所を光入射部とし、導光部材1eの左右両側方に光源を
設ける手段が採用される。ところが、このような手段で
は、線状光源装置の全長寸法が一層大きくなってしま
う。さらには、導光部材1eの全長寸法が比較的短い場
合には、原稿の被照射面の全長域の照度のばらつきを少
なくすることはできるものの、導光部材1eが充分に長
い場合には、長手方向両端部のそれぞれから導光部材1
eに入射した光が導光部材1eの長手方向中央部分へ充
分に導かれない場合もあり、このような場合には、やは
り原稿Dの被照射面の全長域の照度に大きなバラツキが
生じてしまう。従来では、このような不具合を適切に解
消することはできなかった。
【0008】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、導光部材の長手方向のサイズが
嵩張ることを適切に回避しつつ、線的な領域に対して各
所均等な光量で光を効率良く照射できるようにすること
をその課題としている。
【0009】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明
は、次の技術的手段を採用している。
【0010】本願発明の第1の側面によれば、線状光源
装置に用いられる導光部材が提供される。この導光部材
は、一定長さを有する透明部材の長手方向に延びる第1
側面が光出射面とされ、この光出射面と厚み方向に対向
する上記透明部材の第2側面の長手方向中間部に光入射
部が形成されており、かつ上記第1側面における上記光
入射部と対向する部位には、上記第1側面の長手方向に
延びて傾斜した2つの傾斜面をもつ断面略V字状の凹入
部が形成されているとともに、この凹入部の幅方向の両
側方または一側方には、光の反射を行う光反射面が上記
凹入部に対向して設けられていることに特徴づけられ
る。
【0011】上記第1側面は鏡面状の平面である構成と
することができる。上記第2側面は、所定の間隔で複数
箇所形成された凹状部と、これら複数の凹状部の相互間
に設けられた鏡面状の平面部とを有し、かつ上記複数の
凹状部は、上記光出射面に対して斜め状に対面する曲面
状または平面状の傾斜面を有している構成とすることが
できる。また、このような構成に代えて、上記第2側面
は、所定の間隔で複数箇所形成された光の乱反射領域
と、これら複数の乱反射領域の相互間に設けられた鏡面
状の平面部とを有している構成とすることもできる。
【0012】さらに、上記光反射面は、上記凹入部の幅
方向側方に、上記透明部材とは別体に形成された光反射
部材を配置することにより設けられている構成とするこ
とができる。光反射部材としては、表面に光沢を有する
部材が好ましい。
【0013】さらに、上記導光部材においては、上記凹
入部は、上記透明部材のうち上記凹入部の幅方向の両側
方または一側方の領域を壁部として形成するように設け
られており、かつこの壁部の内側面が、上記光反射面と
されている構成とすることもできる。このような構成に
よれば、所定の光反射面を設ける手段として、透明部材
とは別体に形成された光反射部材を用いる必要がなく、
部品点数の削減が図れる。
【0014】本願発明によって提供される導光部材で
は、次のような効果が得られる。
【0015】第1に、透明部材のの第2側面の長手方向
中間部に形成された光入射部から透明部材の内部に光を
入射させることによって、この光を第1側面および第2
側面において反射させながら透明部材の長手方向両端部
側へ順次導くことができ、このようにして導いた光を光
出射面とされる第1側面の全長域の各所から出射させる
ことができる。したがって、本願発明によって提供され
る導光部材を、線状光源用の導光部材として適切に機能
させることができる。上記光入射部は、透明部材の長手
方向中間部に設けられており、透明部材の内部に光を入
射させるための光源は、導光部材の厚み方向の一側方に
配置させればよい。このため、従来の導光部材の長手方
向端部の一側方に光源を配置させる手段とは異なり、導
光部材の長手方向の全長寸法が大きくなることを適切に
回避することができ、この導光部材を用いて構成される
線状光源装置やその線状光源装置を用いる各種装置の小
型化を図ることができるという効果が得られる。
【0016】第2に、光入射部は透明部材の長手方向中
間部に設ければよいために、従来の透明部材の長手方向
一端部または両端部のみが光入射部とされていたものと
は異なり、光入射部の数を必要に応じて容易に増加させ
ることができる。したがって、透明部材の全長寸法が非
常に大きい場合であっても、それに対応して光入射部を
適当な間隔を隔てて複数箇所設けることによって、透明
部材の全長域に対して充分な光量の光を供給し、光出射
面の全長域から必要な光量の光を出射させることができ
る。その結果、導光部材の全長寸法を大きくした場合
に、その出射光量に不足が生じることも適切に解消する
ことができる。
【0017】第3に、透明部材の第1側面における光入
射部と対向する部分には、2つの傾斜面をもつ略V字状
の凹入部が形成されているために、光入射部から透明部
材内に入射して上記凹入部の傾斜面に到達した光の全量
がそのまま透明部材の外部へ透過することを阻止し、こ
れらの光の多くを上記傾斜面によって効率良く透明部材
の内部側へ反射させることができる。すなわち、透明部
材の外面である光出射面は、この光出射面に対する光の
入射角が、透明部材の屈折率によって規定される臨界入
射角よりも大きな入射角の場合は光線の全てを反射する
のに対し、臨界入射角よりも小さい入射角の場合は光線
を透過させる。上記凹入部の2つの傾斜面は、光入射部
から透明部材内に入射した光が光出射面に直接入射する
場合に、その入射角を大きくし、この光がそのまま外部
に通過することを阻止する役割を発揮する。したがっ
て、透明部材の内部に入射した光が第1側面の一部の領
域から外部へ集中的に出射することを抑制し、光出射の
ロスの減少、ならびに光出射面の全長域の各所から出射
する光の量の均一化を図ることができる。その結果、た
とえばこの導光部材を画像読み取り装置の光源として用
いた場合には、原稿面の読み取りラインの全長域の照度
を均一化でき、照度のバラツキに原因する読み取り画像
の質の低下を防止することができる。
【0018】第4に、上記凹入部の幅方向の両側方また
は一側方には、この凹入部に対向する光反射面が設けら
れているために、凹入部の2つの傾斜面を透過して透明
部材の幅方向外方へ出射する光の多くを、上記光反射面
によって透明部材の幅方向内方へ反射させることがで
き、これらの光が透明部材の幅方向外方へ無駄に照射さ
れることを防止することができる。すなわち、上記凹入
部を形成する場合において、たとえばこの凹入部の幅方
向両側方が空間部として開放していると、この凹入部の
2つの傾斜面を透過して透明部材の幅方向外方へ進行す
る光がそのまま透明部材の外部へ直進してしまう。これ
では、本来光を照射すべきライン状の被照射面から遠く
離れた位置に光を照射することとなり、光の出射ロスと
なる。ところが、本願発明によって提供される導光部材
では、2つの傾斜面を透過して透明部材の幅方向外方へ
進行する光を、上記光反射面によって反射させることが
できるので、そのような不具合を適切に解消することが
できる。したがって、光の出射ロスを一層少なくし、ラ
イン状の被照射面に対する光の照射効率を高めることが
できるという優れた効果が得られる。
【0019】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
透明部材は、上記第1側面と第2側面とを互いに繋ぐよ
うにこの透明部材の幅方向に対向する第3側面と第4側
面とを有しており、かつ上記光反射部材は、上記第3側
面および第4側面の各部のうち上記光入射部の近傍領域
に対面している構成とすることができる。
【0020】このような構成によれば、光入射部から透
明部材内に入射した光の一部が、上記光入射部の近傍の
第3側面および第4側面に対して小さな入射角で入射
し、これらの側面を透過して透明部材の幅方向外方に進
行する光についても、上記光反射部材によって反射させ
ることができ、透明部材内へ再度進入させることが可能
となる。したがって、透明部材の幅方向外方に漏れる光
の量を一層少なくし、ライン状の被照射面に対する光の
照射効率を一層高めることができる。
【0021】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記光反射部材は、上記光入射部と対向する位置に所望
の光源を配置支持可能とする支持手段を具備している構
成とすることができる。
【0022】このような構成によれば、光反射部材を利
用して所望の光源の取付けが行えるために、透明部材に
対して光源を所定の位置へ取付ける作業が容易となる。
【0023】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記光反射部材は、上記凹入部の2つ傾斜面の底部領域
に対向する不透明部材を具備している構成とすることが
できる。
【0024】このような構成によれば、上記凹入部の2
つの傾斜面の底部領域が、いわゆる輝点または輝線とし
て他の部分よりも強く輝いて見えることも防止できるこ
ととなる。すなわち、透明部材に略V字状の凹入部を形
成する場合には、2つの傾斜面の底部の繋ぎ目部分を厳
密な意味で鋭角に形成することは難しく、たとえばこれ
ら2つの傾斜面の繋ぎ目部分が丸みを帯びたり、あるい
は小さな平面部分になるのが一般的である。このような
部分においては、透明部材内に入射した光が到達したと
きの入射角が小さくなり、その光が透明部材の外部へそ
のまま出射する可能性が高い。このような現象は、ライ
ン状の被照射面の照度にバラツキを生じさせる要因とな
り、好ましくない。ところが、上記構成によれば、上記
2つの傾斜面の底部領域から光が出射することを簡単に
防止でき、ライン状の被照射面の照度のバラツキをより
少なくすることができる。
【0025】本願発明の第2の側面によれば、上記本願
発明の第1の側面によって提供される導光部材を用いた
線状光源装置が提供される。この線状光源装置は、本願
発明の第1の側面によって提供される導光部材と、この
導光部材の光入射部に投光を行う光源と、を具備してい
ることに特徴づけられる。
【0026】上記光源としては、LEDを用いることが
でき、さらに具体的には、R,G,Bの3色のLEDを
組み合わせたもの、あるいは白色のLEDを用いること
ができる。また、上記光源は、たとえばLEDを導光部
材の光入射部に接着剤などを用いて付属させてもよい
し、基板上に実装したLEDを上記導光部材の光入射部
に隣接させてもよい。
【0027】本願発明の第3の側面によれば、上記本願
発明の第2の側面にかかる線状光源装置を用いた画像読
み取り装置が提供される。この画像読み取り装置は、ケ
ーシングの一面に形成された画像読み取り面上を接触搬
送される原稿に上記ケーシング内に設けられた光源装置
からの光を照射し、上記画像読み取り面上に設定された
読み取りラインにおける原稿からの反射光を上記ケーシ
ング内に上記読み取りライン方向に配列された複数の受
光素子に受光させるようにした画像読み取り装置であっ
て、上記光源装置として、本願発明の第2の側面によっ
て提供される線状光源装置を用い、その光出射面から出
射させた光が上記読み取りライン上の原稿を照明するよ
うに構成したことに特徴づけられる。
【0028】本願発明の第2の側面および第3の側面に
よって提供される線状光源装置、および画像読み取り装
置によれば、上述した本願発明の第1の側面によって提
供される導光部材について得られるのと同様な効果が期
待できる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明に係る導光部材
1を用いた線状光源装置Aの一例を示す正面図である。
図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図1の要
部斜視図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。
図5は、上記導光部材1の要部正面説明図である。図6
は、図1に示す線状光源装置Aの分解正面図である。図
7は、図1に示す線状光源装置Aの要部分解斜視図であ
る。図8は、上記導光部材1の構成部品である透明部材
10の平面図である。図9は、図6のIX−IX断面図であ
る。図10は、図6のX−X断面図である。
【0030】上記線状光源装置Aは、導光部材1と、複
数のLED3とを具備して構成されている。また、上記
導光部材1は、たとえばPMMAなどのアクリル系透明
樹脂を成形して得られる透明部材10と、この透明部材
10とは別体に形成された光反射部材5とを具備して構
成されている。
【0031】上記透明部材10は、図6および図8によ
く表れているように、長手方向に一定寸法を有する細長
なバー状であり、その外表面としては、この透明部材1
0の長手方向に延びる第1側面10A,第2側面10
B、第3側面10C、および第4側面10Dを有してい
る。また、上記透明部材10の長手方向両端には、端面
10E,10Fを有している。上記第1側面10Aと第
2側面10Bとは、透明部材10の上下厚み方向に対向
している。上記第3側面10Cと第4側面10Dとは、
透明部材10の幅方向に対向している。
【0032】上記第1側面10Aは、後述するように光
出射面12とされ、好ましくは鏡面状の透明な平面とさ
れている。また、本実施形態では、上記第3側面10C
および第4側面10Dも、鏡面状の透明な平面とされて
いる。ただし、上記第3側面10Cおよび第4側面10
Dについては、たとえばそれらの表面に金属を蒸着する
などして不透明な非透光面としても構わない。
【0033】本願発明でいう鏡面状とは、必ずしも表面
が積極的に研磨加工されている面である必要はない。た
とえば、金型を用いて上記透明部材10を樹脂成形する
場合において、その樹脂成形によって得られた比較的な
滑らかな表面も、本願発明でいう鏡面状の面に含まれ
る。透明部材の表面を鏡面状とすれば、この面に対して
透明部材の材質で特定される全反射臨界角よりも大きな
角度で入射する光線の全てを反射させることができると
ともに、上記全反射臨界角よりも小さな角度で入射する
光線については透過させることができる。
【0034】上記第1側面10Aの長手方向中央部に
は、正面視略V字状の凹入部20が設けられている。こ
の凹入部20は、上記第1側面10Aの長手方向に延び
て適当な角度だけ傾斜する2つの傾斜面21,21を形
成するものであり、これら2つの傾斜面21,21も鏡
面状の透明な平面とされている。上記凹入部20は、第
1側面10Aの全幅にわたって設けられている。したが
って、透明部材10を単独でみた場合には、この凹入部
20の幅方向(第1側面10Aの幅方向)の両側部は、
切欠開口状となっている。
【0035】上記第2側面10Bには、鏡面状の複数の
平面部13と複数の凹状部14とが所定ピッチ間隔で交
互に設けられている。上記複数の凹状部14のそれぞれ
は、たとえば円弧状断面に形成されており、第1側面1
0Aに対して傾斜状(非平行状)に対向する曲面状の傾
斜面14aを有している。また、上記第2側面10B
は、その長手方向中央部から長手方向両端部へ向かうに
つれて透明部材10の厚みを漸次小さくする傾斜面とし
て形成されている。第2側面10Bをこのような傾斜面
とすれば、透明部材10の長手方向中央部から長手方向
両端部方向に進む光を上記傾斜面14aに対して効率よ
くあてることができることとなり、好ましい。ただし、
本願発明はこれに限定されず、上記第2側面10Bを第
1側面10Aと略平行な面としても構わない。
【0036】上記第2側面10Bの長手方向中央部に
は、光入射部15が設けられている。この光入射部15
は、上記凹入部20と対向するように設けられている。
本実施形態においては、上記光入射部15は、上記第2
側面10Bに凹部16を形成した構成とされている。上
記凹部16は、後述するLED3を配置させるための部
位である。
【0037】上記透明部材10の端面10E,10F
は、好ましくは、たとえば金属層16を蒸着するなどし
て、非透光面とされる。このような手段を採用すれば、
透明部材10内に入射した光が、上記端面10E,10
Fを透過して外部に出射することを防止でき、光の出射
ロスを少なくすることができる。
【0038】上記光反射部材5は、たとえば薄肉の金属
板によって形成されている。この光反射部材5は、図7
によく表れているように、相互に対向する二枚一組の板
状部50,50と、これら一組の板状部50,50どう
しを互いに繋ぐ連結部51とを具備している。上記板状
部50,50のそれぞれの下端部には、内向き屈曲状の
爪部52,52が形成されている。上記板状部50,5
0のそれぞれの内側面50a,50aは、後述するよう
に、透明部材10との組み合わせ関係において本願発明
でいう光反射面6,6となる部位であり、好ましくは光
反射効率の高い光沢面とされている。上記連結部51
は、たとえば断面略逆三角形状に形成されており、上記
透明部材10の2つの傾斜面21,21に対応する2つ
の傾斜面53,53を有している。これらの傾斜面5
3,53も、好ましくは光沢面とされる。
【0039】上記光反射部材5は、図1に示すように、
透明部材10の長手方向中央部に嵌合装着されている。
この嵌合装着構造においては、図2および図3によく表
れているように、上記凹入部20の幅方向両側方に、上
記光反射部材5の板状部50,50のそれぞれが配置さ
れている。これら板状部50,50のそれぞれの内側面
のうち、上記凹入部20に対面する部分が光反射面6,
6とされている。さらに、上記板状部50,50は、透
明部材10の第3側面10Cと第4側面10Dのうち、
光入射部15の近傍領域に対しても対面接触している。
一方、上記光反射部材5の連結部51は、図4によく表
れているように、上記凹入部20の底部に嵌合し、上記
連結部51の傾斜面53,53が凹入部20の傾斜面2
1,21の底部領域に対面接触している。これにより、
上記傾斜面21,21の底部領域には、光を透過させな
い非透光面22が設けられている。
【0040】図2によく表れているように、上記凹部1
6内には、3種類のLED3(3A〜3C)が透明部材
10の幅方向に並べられて配置されており、これらのL
ED3から発せられる光が、上記光入射部15から透明
部材10内に入射するように構成されている。上記LE
D3(3A〜3C)のそれぞれは、共通した1枚の基板
30の表面に面実装されている。上記3種類のLED3
(3A〜3C)としては、R,G,B(レッド,グリー
ン,ブルー)の各色の光を発するものが用いられる。上
記基板30の下面には、上記光反射部材5の爪部52,
52が係止されている。したがって、この係止作用によ
り、上記上記光反射部材5が透明部材10からその上方
へ不当に抜脱することが防止されるとともに、基板30
の位置決め保持の確実化も図れることとなる。
【0041】次に、上記導光部材1および線状光源装置
Aの作用について説明する。
【0042】3種類のLED3(3A〜3C)のうち、
いずれか1つのLED3を発光させると、その光は、光
入射部15から透明部材10内に適当な広がり角度をも
って入射する。図4に示すように、上記光の大部分は、
光入射部15に対向している傾斜面21,21に到達す
る。ところが、これらの傾斜面21,21は、透明部材
1の長手方向に対して傾斜しているために、LED3か
ら傾斜面21,21に直接入射する光の入射角を大きく
することができ、その入射角を、所定の全反射臨界角よ
りも大きくすることができる。したがって、LED3か
ら透明部材10内に入射した光の大部分が、上記傾斜面
21,21の非透光面22以外の領域を透過して外部に
射出することはない。上記傾斜面21,21によって反
射された光は、その後透明部材10の長手方向に進んで
ゆくこととなる。
【0043】また、上記傾斜面21,21のうち、非透
光面22は、受けた光の全量を反射する。したがって、
上記傾斜面21,21の底部領域が、第1側面10Aの
他の部分よりも明るく見えるいわゆる輝点または輝線と
なることが防止される。図11に示すように、たとえば
透明部材10に凹入部20を形成する場合には、その傾
斜面21,21の底部の一定領域Sが、丸みを帯びる傾
向が強い。このような構成において、上記領域Sを非透
光面としない場合には、LED3から発せられた光が上
記領域Sに対して非常に小さな入射角で入射することと
なって、そのまま導光部材1の外部へ透過する虞れが大
きい。ところが、本実施形態のように、上記領域Sに非
透光面22を設ければ、そのような虞れを無くすことが
できる。本実施形態では、第1側面10Aのうち上記非
透光面22の部分からは光の出射がなされず、上記非透
光面22の領域については光出射面12とすることはで
きないが、上記非透光面22の幅は小さくてよく、しか
も第1側面10Aの他の領域において均一な光量の光の
出射がなされていれば、所望の被照射面の全長域の照度
を均一化することが可能である。したがって、上記非透
光面22を設けたことに原因して照度のバラツキが大き
くなるといった不具合はない。
【0044】上記光入射部15から透明部材10内に入
射した光の大部分は、結局、傾斜面21,21によって
反射され、透明部材10の長手方向に進むこととなる。
図5に示すように、透明部材10の長手方向に進む光
は、主に第1側面10Aと第2側面10Bとにおいて全
反射を繰り返しながら、透明部材10の長手方向両端部
まで達する。むろん、この場合、第3側面10C,第4
側面10Dにおいても全反射が順次繰り返して行われ
る。第2側面10Bに光が達した場合、平面部13につ
いては光の全反射がなされる。これに対し、凹状部14
の傾斜面14aに到達した光の多くは、急激にその光の
進路が変えられることとなって、第1側面10Aに対し
て全反射臨界角よりも小さな入射角で入射する可能性を
高める。このため、上記傾斜面14aによって反射され
て第1側面10Aの方向へ進む光の多くは、第1側面1
0Aを透過し、透明部材10の外部へ出射することとな
る。したがって、光入射部15を透明部材10の長手方
向中央部に設けているにも拘わらず、光出射面12の長
手方向全長域から光を略均等に出射させることが可能と
なる。その一方、既述したとおり、LED3から大光量
の光を直接受ける傾斜面21,21からの出射光量は抑
制されているとともに、上記傾斜面21,21の底部近
傍が輝点または輝線として見えることも適切に防止され
ている。その結果、第1側面10Aからは光量に大きな
ばらつきがないように光を出射させることができ、上記
線状光源装置Aは、一定長を有する所望の線状領域の各
所に対して光を略均等に照射し得る線状光源として、適
切に機能することとなる。
【0045】上記のような光出射を行わせている場合、
傾斜面21,21に入射した光は、必ずしもその全てが
全反射されるわけではない。傾斜面21,21のうち、
非透光面22以外の領域に対して全反射臨界角よりも小
さな入射角で入射した光は、そのまま傾斜面21,21
を透過する。傾斜面21,21を透過する光の方向は種
々であるが、それらの一部には、透明部材10の幅方向
外方へ向かう光が含まれている。ところが、このような
光は、図2および図3に表れているように、光反射部材
5の光反射面6,6によって、透明部材10の幅方向内
方へ反射されることとなる。したがって、上記傾斜面2
1,21を透過した光がそのまま透明部材10の幅方向
外方へ直進し、いわゆる光の横漏れ現象を生じることが
抑制される。
【0046】上記作用をより詳細に説明すると、まず図
9に示すように、上記透明部材10に光反射部材5が装
着されておらず、上記透明部材10を単独で使用する場
合においては、この透明部材10の傾斜面21を透過し
た光が、そのまま凹入部20の側方を通過し、透明部材
10の幅方向外方に進行する場合がある。透明部材10
の長手方向の各所のうち、凹入部20が形成されている
断面部分は、図10に示すように凹入部20を形成して
いない断面部分と比較すると、透明部材10の厚みが薄
く、第3側面10Cおよび第4側面10Dの高さ幅が狭
くなっている。したがって、図9に示す凹入部20が形
成されている断面部分は、凹入部20が形成されていな
い図10に示す断面部分と比べて、それだけ透明部材1
0内の光が、透明部材10の幅方向外方へ透過する割合
が大きくなる。ところが、上記導光部材1においては、
透明部材10の幅方向外方に進行する光を、光反射部材
5によって反射させることができ、光出射面12と対向
する本来の被照射面とは異なる領域に光が漏れてしまう
ことを適切に抑制することが可能となる。
【0047】また、上記光入射部15から透明部材10
内に入射する光には、上記光入射部15の近傍に位置す
る第3側面10Cや第4側面10Dに対して小さな入射
角で入射する光も含まれている。ところが、このような
光も、上記光反射部材5の板状部50,50の内側面に
よって適切に全反射され、透明部材10の幅方向外方へ
そのまま透過してしまうことが防止される。したがっ
て、光の出射ロスを一層少なくすることもできる。
【0048】さらに、上記線状光源装置Aでは、透明部
材10の凹部16内にLED3を配置させているため
に、上記凹部16を予め所定の正確な位置に設けている
限りは、上記LED3についてもその位置決めを正確に
行うことができる。たとえばLED3を光入射部15に
対向配置させる場合に、このLED3が凹入部20の中
心位置から位置ずれした場合には、2つの傾斜面21,
21の一方にのみ集中的に光が照射される。これでは、
透明部材10の長手方向両端部に導かれる光の量が不均
衡となり、光の出射量に大きなバラツキが生じる。とこ
ろが、上記線状光源装置Aでは、そのような不具合も無
くすことが可能である。
【0049】図12は、上記線状光源装置Aを用いた画
像読み取り装置Bの一例を示す断面図である。
【0050】この画像読み取り装置Bは、いわゆる密着
型カラーイメージセンサとして構成されている。この画
像読み取り装置Bは、ケーシング41の上面に透明ガラ
ス板からなる画像読み取り面42を備えており、、この
画像読み取り面42に密着させるようにしてプラテン4
3によってバックアップされながら搬送される原稿Dの
画像を、1ラインごとに読み取るように構成されてい
る。
【0051】上記ケーシング41の下面には、基板44
が取付けられ、この基板44には、所定数の受光素子が
造りこまれたイメージセンサチップ45が複数個一列に
取付けられている。たとえば、A4幅の原稿を8ドット
/mmの読み取り密度で読み取るためには、上記受光素子
は、125μmピッチで1728個配置される。1個の
イメージセンサチップ45には、たとえば96個の受光
素子が一体に造りこまれ、したがってこの場合には、計
18個のイメージセンサチップ45が基板上に配列され
ることとなる。
【0052】画像読み取り面42に設定された読み取り
ラインLの鉛直方向下方には、上記複数個のイメージセ
ンサチップ45が配列され、かつ、読み取りラインLと
イメージセンサチップ45との間には、レンズアレイ4
6が配置される。このレンズアレイ46は、読み取りラ
インL上の画像を、正立等倍に上記複数個のイメージセ
ンサチップ45上に配列された1728個の受光素子上
に集束させる。
【0053】上記ケーシング41内の上記画像読み取り
面42の下方において、上記レンズアレイ46の側方の
空間には、上記線状光源装置Aが配置される。この場
合、導光部材1の左右幅方向中心線L1が、上記画像読
み取り面42の読み取りラインLを向くように配置され
る。
【0054】上記導光部材1の第1側面10Aから発し
た光は、読み取りラインL上の原稿Dを効率良く照射す
る。この場合、各色のLED3A〜3Cは、順次切り換
え点灯される。原稿Dは、所定ピッチずつ副走査方向に
送られ、1ラインごとの原稿画像のR、G、B各色ごと
の画像データが、イメージセンサチップ45によって順
次読み取られる。
【0055】上記画像読み取り装置Bにおいては、R,
G,BのいずれのLED3(3A〜3C)を用いる場合
であっても、原稿Dの読み取りラインの全長域に対し
て、各所均等な光量の光を照射することができる。した
がって、読み取りラインの照度のばらつきに原因した読
み取り画像の色調の偏差などを少なくし、読み取り画像
の質を高めることが可能となる。線状光源装置Aは、透
明部材10の厚み方向の側方、すなわち透明部材10の
下方にLED3を配しており、導光部材1の長手方向端
部の側方に光源を配置する必要はないために、線状光源
装置Aの長手方向端部の側方に余分なスペースを確保す
る必要はなく、画像読み取り装置Bの小型化も図れる。
【0056】図13は、本願発明に係る導光部材1Aお
よびこれを用いた線状光源装置Aaの他の例を示す正面
図である。
【0057】上記導光部材1Aおよび線状光源装置Aa
は、先の実施形態で説明した導光部材1および線状光源
装置Aを1単位とし、これを長手方向に2単位分だけ連
続させた構成となっている。すなわち、導光部材1A
は、透明部材10aに、2箇所の凹入部20,20と、
2箇所の光入射部15,15とを設けている。これらの
各部分は、透明部材10aの長手方向に所定間隔を隔て
て設けられている。上記凹入部20,20の形成箇所に
は、光反射部材5,5が設けられており、また上記光入
射部15,15のそれぞれの近傍にはLED3,3が設
けられている。
【0058】このような構成によれば、透明部材10a
の長手方向の全長寸法S1が非常に大きい場合であって
も、その透明部材10a内には2箇所の光入射部15,
15のそれぞれから光を入射させることによって、透明
部材10aの光出射面12の全長域から充分な光量の光
を出射させることが可能となる。透明部材の全長寸法が
非常に大きい場合において、光入射部を1箇所のみ設け
ただけの構成では、透明部材内に入射する光量が不足
し、第1側面の長手方向両端部から充分な光量の光を出
射させ得ない事態を生じる場合があるが、上記導光部材
1Aでは、そのような不具合はない。このように、本願
発明は、光入射部の数を適宜増加させることによって、
線状光源として必要とされる照射光量に不足が生じるこ
とを簡単に解消することができるものであり、光入射部
の具体的な数は限定されない。また、上記導光部材1A
の構成から理解されるように、光入射部は、導光部材の
長手方向中間部に設けられていればよく、透明部材の長
手方向中央部に設けることは要件とされない。
【0059】図14は、本願発明において用いられる光
反射部材の他の例を示す斜視図である。同図に示す光反
射部材5Aは、2枚一組の板状部50A,50Aの下端
縁が平板状の連結部51Aを介して相互に連結されたも
のであり、薄肉金属板をプレス加工して形成することが
できる。この光反射部材5Aは、透明部材10に対して
その下方から透明部材10に嵌合装着させることがで
き、これによってやはり凹入部20の幅方向両側方に光
反射面6A,6Aを設け、上記凹入部20の幅方向外方
へ光が不当に漏れることを防止することが可能である。
また、光源(図示略)については、上記連結部51の上
面に配置させるなどして、光入射部に対して適切に対向
配置させることができる。
【0060】上述した光反射部材5,5Aは、いずれも
透明部材10に対して嵌合装着可能な構造とされ、また
凹入部20の幅方向両側方に光反射面6,6または(6
A,6A)を設けるように構成されているが、本願発明
はこれに限定されない。本願発明では、たとえば2つの
不透明な適当な部材を、透明部材10の第3側面や第4
側面に接着するなどして、凹入部20の幅方向両側方に
光反射面を設けても構わない。また、本願発明では、凹
入部20の幅方向両側方のうち、いずれか一方にのみ光
反射面を設けた構成としてもよい。このような構成であ
っても、光反射面を設けた部分においては、いわゆる光
の横漏れ防止を図り、無駄な出射光量を減少させ得るか
らである。光反射面を構成するための光反射部材は、た
とえば表面に光沢を有する金属を用いた構成することが
好ましいが、本願発明はこれに限定されず、その具体的
な材質も限定されない。
【0061】また、光反射部材を用いて光反射面を設け
る場合には、この光反射部材によって、光源の取付け保
持が行えるようにすることが好ましいが、その手段も上
述した手段に限定されない。たとえば、光反射部材の適
所に孔部を設けておくことにより、この孔部にLED実
装基板を嵌入させることにより、その位置決め保持を行
わせるといった手段を採用することも可能である。さら
に、本願発明でいう光反射面は、凹入部20の幅方向側
方の空間部を完全に閉塞するように設けられていること
が望ましいが、やはり本願発明はこれに限定されず、凹
入部20の幅方向側方に、光反射面が設けられていない
箇所が一部存在してもよい。
【0062】図15は、本願発明に係る導光部材1Bの
他の例を示す要部斜視図である。図16は、図15のXV
I −XVI 断面図である。この導光部材1Bは、透明部材
10bの第1側面10Aに2つの傾斜面21,21を有
する凹入部20Bを形成しているが、この凹入部20B
は、上記第1側面10Aの全幅にわたって形成されてい
ない。上記凹入部20Bは、その幅方向両側方に、適当
な幅S2,S2の壁部29,29を設けるように形成さ
れている。上記導光部材1Bでは、上記凹入部20に対
向する上記壁部29,29のそれそれの内側面が光反射
面6B,6Bとされている。これらの光反射面6B,6
Bは、透明部材10によって形成されているものの、光
の全反射が可能である。したがって、このような構成に
よっても、上記光反射部材を用いた場合と同様に、いわ
ゆる光の横漏れ防止が図れる。むろん、上記光反射面6
B,6Bに光反射率の高い塗装を施すなどして、上記光
反射面6B,6Bの光反射を確実なものにしても構わな
い。また、上記凹入部20Bの幅方向の一方にのみ光反
射面6Bを設ける構成としても構わない。
【0063】図17は、本願発明に係る導光部材の透明
部材に形成される凹入部の他の例を示す要部断面図であ
る。同図に示す構成では、透明部材10cの凹入部20
Cに、一定面積を有する底面21aが設けられており、
2つの傾斜面21,21は、上記底面21aを介して互
いに繋がっている。凹入部20Cに上記底面21aを設
けると、この底面21aが輝点または輝線として外部か
ら見え易くなるために、この場合には、たとえば上記底
面21aや上記傾斜面21,21の底部領域に不透明な
膜23を形成したり、あるいは光反射面6Cを形成する
ための光反射部材5Bの一部分を上記領域に対向させる
などして、上記領域に非透光面22Aを設けることが好
ましい。本願発明でいう略V字状の凹入部とは、上記の
ような底面21aを形成した凹入部20Cも含む概念で
あり、要は、透明部材の第1側面の長手方向に延びて傾
斜する2つの傾斜面をもつ構造であればよい。凹入部の
2つの傾斜面は、必ずしも平面として形成されている必
要はなく、たとえばその全面または一部が凸状曲面など
の曲面状に形成されていても構わない。
【0064】本願発明では、透明部材の第2側面の構成
については、たとえば図18ないし図20に示すような
構成とすることもできる。図18に示す構成は、透明部
材10の第2側面10Bに、三角形断面状の凹状部14
Aを複数設けた構成である。このような構成であって
も、透明部材10の長手方向に進行してくる光が上記凹
状部14Aの平面状の傾斜面14bに到達したときに、
この光の進行角度を急激に変化させて、第1側面10A
の全反射臨界角よりも小さな入射角で上記第1側面10
Aに入射させることができ、第1側面10Aから光を効
率良く出射させることが可能である。
【0065】図19および図20に示す構成は、透明部
材10の第2側面10Bに、光の散乱反射を行う光の乱
反射領域17または17Aを所定の間隔で複数箇所形成
するとともに、これら複数の光の乱反射領域17または
17Aの相互間に鏡面状の平面部13を設けた手段であ
る。図19に示す光の乱反射領域17は、たとえば第2
側面10Bに光散乱反射性を有する塗装を施したり、あ
るいは光散乱反射性を有するテープ片を第2側面10B
に貼着するなどして設けられている。上記乱反射領域1
7は、白色面とすることが好ましいが、これ以外の色彩
でも構わない。一方、図20に示す光の乱反射領域17
Bは、第2側面10Bの表面を凹凸状の粗面として形成
することにより設けられている。
【0066】上記図19や図20に示す手段では、透明
部材10の長手方向に進行する光を第2側面10Bの乱
反射領域17または17Aにおいて散乱反射させること
によって、その一部の光を第1側面10Aに対して全反
射臨界角よりも小さな入射角で入射させることができ
る。したがって、このような手段によっても、透明部材
10の長手方向に進行する光を、第1側面10Aから効
率良く透明部材10の外部へ出射させることが可能であ
る。上記乱反射領域17,17A、および先に説明した
凹状部14,14Aは、第2側面10Bに一定ピッチ間
隔で設けてもよいが、これに限定されない。たとえば上
記乱反射領域17,17Aや凹状部14,14Aのそれ
ぞれのピッチ間隔が、透明部材10の長手方向両端部に
なるほど徐々に小さくなるようにして、平面部13に対
する面積比率が光入射部15から遠去かるにつれて徐々
に大きくなるようにしてもよい。このようにすれば、光
入射部15から遠い透明部材10の長手方向両端部にお
いて、比較的弱い光を第1側面10Aから効率よく透明
部材10の外部へ出射させることができ、第1側面10
Aの長手方向の全長域における光の出射量をより均一に
することができるという利点が得られる。
【0067】さらに、本願発明は、光源の具体的な種類
としては、必ずしも基板に実装されたLEDを用いる必
要もない。たとえば基板には実装されていないLEDラ
ンプなどを光源として用いてもよい。カラー画像の読み
取りに対応しないいわゆるモノクロ画像の読み取り用途
に対応させる場合には、R,G,Bの計3色を組み合わ
せた光源を用いる必要はなく、単一色の光源でよいが、
この場合には白色の光源を用いることが好ましい。ま
た、光源を透明部材に対して位置決めする手段として
は、透明部材に光源を位置決めするための凹部などを設
けることが好ましいが、やはりこのような手段を採用す
ることも要件ではない。
【0068】さらに、本願発明では、たとえば図21に
示すように、2組のLED3,3を、凹入部20の2つ
の傾斜面21,21のそれぞれに対向させるように、上
記凹入部20の中心位置Cに対して第2側面10Bの長
手方向両側方へ一定距離だけ離反させて振り分け配置さ
せた構成としてもよい。このような構成によれば、1組
のLEDのみを用いて、2つの傾斜面21,21に光を
あてる場合とは異なり、上記2組のLED3,3が多少
位置ずれを生じても、これらLED3,3から発せられ
る光を、2つの傾斜面21,21のそれぞれに対して確
実に照射させることができる。したがって、透明部材1
0の長手方向一端部と他端部とのそれぞれに導かれる光
の量が不均一となることを適切に防止し、透明部材10
の光出射面12の全長域からの出射光量の均一化を図る
ことができる。このように、本願発明では、光源の具体
的な配置形態も種々に設計変更自在である。
【0069】その他、本願発明に係る導光部材、線状光
源装置、および画像読み取り装置の各部の具体的な構成
は、種々に設計変更自在である。本願発明に係る導光部
材や線状光源装置は、画像読み取り装置の線状光源とし
て用いられるに限らず、たとえば室内照明や車内照明、
あるいは装飾用の照明など、種々の用途に利用すること
が可能である。この場合、透明部材の寸法や光源は、そ
れぞれ最適なものが選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る導光部材を用いた線状光源装置
の一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1の要部斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図1に示す導光部材の要部正面説明図である。
【図6】図1に示す線状光源装置の分解正面図である。
【図7】図1に示す線状光源装置の要部分解斜視図であ
る。
【図8】図1に示す導光部材の構成部品である透明部材
の平面図である。
【図9】図6のIX−IX断面図である。
【図10】図6のX−X断面図である。
【図11】導光部材に光が入射した場合の作用の一例を
示す説明図である。
【図12】本願発明に係る画像読み取り装置の一例を示
す要部断面図である。
【図13】本願発明に係る導光部材および線状光源装置
の他の例を示す正面図である。
【図14】本願発明に係る導光部材に適用される光反射
部材の他の例を示す要部斜視図である。
【図15】本願発明に係る導光部材の他の例を示す要部
斜視図である。
【図16】図15のXVI −XVI 断面図である。
【図17】本願発明に係る導光部材の他の例を示す要部
正面断面図である。
【図18】本願発明に係る導光部材の他の例を示す要部
正面図である。
【図19】本願発明に係る導光部材の他の例を示す要部
正面断面図である。
【図20】本願発明に係る導光部材の他の例を示す要部
正面断面図である。
【図21】本願発明に係る線状光源装置の他の例を示す
要部正面図である。
【図22】(a)は、従来の線状光源装置の一例を示す
説明図であり、(b)は、その照度と位置との関係を示
す説明図である。
【図23】従来の線状光源装置の他の例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1,1A〜1B 導光部材 3 LED(光源) 5,5A,5B 光反射部材 6,6A〜6C 光反射面 10,10a〜10c 透明部材 10A 第1側面 10B 第2側面 10C 第3側面 10D 第4側面 12 光出射面 13 平面部 14,14A 凹状部 15 光入射部 17,17A 乱反射領域 20 凹入部 21 傾斜面 41 ケーシング 42 画像読み取り面 A,Aa 線状光源装置 B 画像読み取り装置 L 読み取りライン D 原稿

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定長さを有する透明部材の長手方向に
    延びる第1側面が光出射面とされ、この光出射面と厚み
    方向に対向する上記透明部材の第2側面の長手方向中間
    部に光入射部が形成されており、かつ、 上記第1側面における上記光入射部と対向する部位に
    は、上記第1側面の長手方向に延びて傾斜した2つの傾
    斜面をもつ断面略V字状の凹入部が形成されているとと
    もに、この凹入部の幅方向の両側方または一側方には、
    光の反射を行う光反射面が上記凹入部に対向して設けら
    れていることを特徴とする、導光部材。
  2. 【請求項2】 上記光反射面は、上記凹入部の幅方向側
    方に、上記透明部材とは別体に形成された光反射部材を
    配置することにより設けられている、請求項1に記載の
    導光部材。
  3. 【請求項3】 上記透明部材は、上記第1側面と第2側
    面とを互いに繋ぐようにこの透明部材の幅方向に対向す
    る第3側面と第4側面とを有しており、かつ上記光反射
    部材は、上記第3側面および第4側面の各部のうち上記
    光入射部の近傍領域に対面している、請求項2に記載の
    導光部材。
  4. 【請求項4】 上記光反射部材は、上記光入射部と対向
    する位置に所望の光源を配置支持可能とする支持手段を
    具備している、請求項2または3に記載の導光部材。
  5. 【請求項5】 上記光反射部材は、上記凹入部の2つ傾
    斜面の底部領域に対向する不透明部材を具備している、
    請求項2ないし4のいずれかに記載の導光部材。
  6. 【請求項6】 上記凹入部は、上記透明部材のうち上記
    凹入部の幅方向の両側方または一側方の領域を壁部とし
    て形成するように設けられており、かつこの壁部の内側
    面が、上記光反射面とされている、請求項1に記載の導
    光部材。
  7. 【請求項7】 上記第1側面は、鏡面状の平面とされて
    いる、請求項1ないし6のいずれかに記載の導光部材。
  8. 【請求項8】 上記第2側面は、所定の間隔で複数箇所
    形成された凹状部と、これら複数の凹状部の相互間に設
    けられた鏡面状の平面部とを有し、かつ上記複数の凹状
    部は、上記光出射面に対して斜め状に対面する曲面状ま
    たは平面状の傾斜面を有している、請求項1ないし7の
    いずれかに記載の導光部材。
  9. 【請求項9】 上記第2側面は、所定の間隔で複数箇所
    形成された光の乱反射領域と、これら複数の乱反射領域
    の相互間に設けられた鏡面状の平面部とを有している、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の導光部材。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    導光部材と、この導光部材の光入射部に投光を行う光源
    と、を具備していることを特徴とする、線状光源装置。
  11. 【請求項11】 上記光源は、LEDである、請求項1
    0に記載の線状光源装置。
  12. 【請求項12】 上記光源は、白色のLEDである、請
    求項10に記載の線状光源装置。
  13. 【請求項13】 上記光源は、R,G,Bの3色のLE
    Dを組み合わせたものである、請求項10に記載の線状
    光源装置。
  14. 【請求項14】 ケーシングの一面に形成された原稿読
    み取り面上を接触搬送される原稿に上記ケーシング内に
    設けられた光源装置からの光を照射し、上記原稿読み取
    り面上に設定された読み取りラインにおける原稿からの
    反射光を上記ケーシング内に上記読み取りライン方向に
    配列された複数の受光素子に受光させるようにした画像
    読み取り装置であって、上記光源装置として、請求項1
    0ないし13のいずれかに記載の線状光源装置を用い、
    その光出射面から出射させた光が上記読み取りライン上
    の原稿を照明するように構成したことを特徴とする、画
    像読み取り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006093148A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Shogen Koden Kofun Yugenkoshi 照明装置
JP2009300966A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Stanley Electric Co Ltd カメラ用ストロボリフレクタ
JP2011199446A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Kyocera Mita Corp 画像読取装置,画像形成装置

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