JPH10185890A - 気体成分吸着管用キャップ及び気体成分吸着管用熱脱離装置 - Google Patents

気体成分吸着管用キャップ及び気体成分吸着管用熱脱離装置

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JPH10185890A
JPH10185890A JP35695096A JP35695096A JPH10185890A JP H10185890 A JPH10185890 A JP H10185890A JP 35695096 A JP35695096 A JP 35695096A JP 35695096 A JP35695096 A JP 35695096A JP H10185890 A JPH10185890 A JP H10185890A
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JP
Japan
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gas component
adsorption tube
component adsorption
gas
tube
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JP35695096A
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Mitsuhiro Negami
光弘 根上
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り外すことなく気体成分吸着管内部の気体
の流通を図ることを課題とする。 【解決手段】 気体成分の吸着を行う円筒状の気体成分
吸着管Kの開口端部を閉塞して内部の状態の維持を図る
着脱自在の気体成分吸着管用キャップ10において、気
体成分吸着管Kの開口端部が対応する位置に貫通穴22
Aを設け、気体成分吸着管K内部との気体の流通を図る
針状管40が,接続される弾性板3を、貫通穴22Aに
隙間なく装備するという構成を採っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体成分吸着管用
キャップに係り、特に、医療分野における臨床検査,病
態管理,健康検査,飲酒運転及び麻薬の取締,火災原因
捜査等に使用される気体成分吸着管に好適な気体成分吸
着管用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】気体試料に含まれる希薄な特定成分をガ
スクロマトグラフ(GC)等を用いる分析装置で分析す
る場合、前処理として気体成分吸着管に気体試料を通過
させて特定成分の吸着濃縮を図る必要がある。
【0003】この気体成分吸着管は、両端部が開口し,
一方の端部から他方の端部に貫通する管状部材であり、
その中間には気体試料中の特定成分を吸着する吸着剤
(テナックス,カーボトラップ等)が封入されている。
そして、この気体成分吸着管内を気体試料が流動する際
に、当該吸着剤中を通過して特定成分の吸着が行われ
る。
【0004】この特定成分の吸着が行われた気体成分吸
着管は、熱脱離装置にセットされ、内部のヒータにより
150〜350[゜C]に加熱される。これにより気体
成分吸着管の吸着材から吸着した含有特定成分の熱脱離
が行われる。また、気体成分吸着管は、気体成分吸着管
用熱脱離装置に装着される際に、同時に一方の端部をキ
ャリアガスボンベ側と連絡する連絡管に接続され、また
同時に他方の端部を分析装置に連絡する連絡管に接続さ
れる。加熱の際には、キャリアガスが一方側から供給さ
れ、脱離された特定成分は、キャリアガスの流動に伴っ
て気体試料分析装置に送られる。そして、ガスクロマト
グラフにより分析が行われる。
【0005】ところで、特定成分の吸着が行われた気体
成分吸着管は、分析が開始されるまでの間、内側への塵
芥の侵入及び吸着成分の漏れ等を防止するために、その
開口端部の双方に着脱自在の気体成分吸着管用キャップ
が装着される。
【0006】かかる気体成分吸着管用キャップには、図
9又は図10に示されるものが使用されている。図9に
示される気体成分吸着管用キャップ50は、気体成分吸
着管Kの開口端部が挿通自在の有底穴51が設けられ、
この有底穴51の内周面に設けられた係合溝51AにO
リング52が配設されている。このため、有底穴51に
気体成分吸着管Kの開口端部が挿入されると、有底穴5
1の内周面と気体成分吸着管の外周面との間でOリング
52によりシール性が保持され、気体成分吸着管用キャ
ップ50の内部が外部から遮断される構成となってい
る。
【0007】一方、図10に示される気体成分吸着管用
キャップ60は、気体成分吸着管Kの開口端部が挿入さ
れる筒状の本体61と、この筒状本体61の内部に配設
され,気体成分吸着管Kの開口端部近傍を保持するフェ
ラル62と、本体61に螺合してフェラル62に保持力
を付勢する締め付け部材63とから構成される。かかる
気体成分吸着管用キャップ60では、本体61に挿入さ
れた気体成分吸着管Kの開口端部近傍にフェラル62が
配設され、締め付け部材63によりシール性を保持する
ようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各気体成分吸着管用キャップ50,60のいずれにつ
いても、吸着成分の脱離を行い分析を開始するために
は、気体成分吸着管Kの両端部をキャリアガスボンベ又
は分析装置に接続する必要上、当該気体成分吸着管用キ
ャップ50,60を気体成分吸着管Kから取り外さねば
ならず、煩雑且つ作業性が悪いものとなっていた。
【0009】また、気体成分吸着管用キャップが取り外
された状態で脱離装置への取付作業が行われるため、か
かる作業中に気体成分吸着管内部に吸着されている気体
成分が外部に漏れたり、或いは外部からの侵入物が混入
する恐れがあった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、取り外し不要の気体成分吸着管用キャップ及
びこれに好適な気体成分吸着管用熱脱離装置を提供する
ことを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
気体成分の吸着を行う円筒状の気体成分吸着管の開口端
部を閉塞して内部の状態の維持を図る着脱自在の気体成
分吸着管用キャップにおいて、気体成分吸着管の開口端
部が対応する位置に貫通穴を設け、気体成分吸着管内部
との気体の流通を図る針状管が,接続される弾性板を、
貫通穴に隙間なく装備した気体成分吸着管用キャップの
構成を示す。
【0012】かかる構成では、例えば、気体成分の吸着
が既に行われた気体成分吸着管の両方の開口端部にそれ
ぞれ気体成分吸着管用キャップが装着される。これによ
り気体成分吸着管内部は外部から遮断され、吸着気体成
分は当該気体成分吸着管内に保持される。
【0013】そして、気体成分の脱離作業を行う場合に
は、キャリアガスボンベに接続された針状管が一方の気
体成分吸着管用キャップの弾性板に気体成分吸着管の外
部から内側にかけて突き通され、また同時に、分析装置
に接続された針状管が他方の気体成分吸着管用キャップ
の弾性板に突き通され、かかる状態で気体成分吸着管は
脱離装置にセットされる。
【0014】そして、気体成分吸着管は、脱離装置によ
り気体成分の脱離が行われ、これと同時に、一方の針状
管からキャリアガスが気体成分吸着管内に供給され、こ
のキャリアガスの流動に従って他方の針状管を通じて分
析装置に気体成分が運ばれる。
【0015】請求項2記載の発明は、一方と他方の開口
端部にそれぞれ請求項1記載の気体成分吸着管用キャッ
プを装備した気体成分吸着管を,当該各気体成分吸着管
用キャップを介して挿入して保持する二つの継手と、気
体成分吸着管を加熱するヒータと、各継手に接続され,
気体成分吸着管の各開口端部と外部との連絡を図る二つ
の連絡管とを備え、気体成分吸着管用キャップに装備さ
れた弾性板に対応させて各継手に針状管を装備し、これ
ら各針状管を前記各連絡管に個別に接続した上記気体成
分吸着管用キャップに好適な気体成分吸着管用熱脱離装
置の構成を示す。
【0016】上述の気体成分吸着管用熱脱離装置を、前
述した気体成分吸着管用キャップを各開口端部に装備し
た気体成分吸着管に対して使用する場合を例にしてその
動作を説明する。
【0017】気体成分の吸着が既に行われ,各開口端部
に気体成分吸着管用キャップが装備された気体成分吸着
管の当該各開口端部を各継手に装備する。このとき、各
継手に装備された針状管が気体成分吸着管用キャップの
弾性板に突き通され、各連絡管が気体成分吸着管の各開
口端部における内側と連通状態となる。
【0018】このとき、予め一方の連絡管はキャリアガ
スボンベに接続され、他方の連絡管は分析装置に接続さ
れる。そして、ヒータによる気体成分吸着管の加熱が開
始されると、一方の連絡管及び針状管を介して気体成分
吸着管の一方の開口端部側にキャリアガスが供給され、
加熱により脱離した気体成分がこのキャリアガスと共に
気体成分吸着管の他方の開口端部から他方の連絡管及び
針状管を介して分析装置に送られる。
【0019】本願発明は、上述した構成により前述した
目的を達成しようとするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1乃至図7
に基づいて説明する。図1は、気体成分(特定成分)の
吸着が行われる円筒状の気体成分吸着管Kの開口端部を
閉塞して内部の状態の維持を図る着脱自在の気体成分吸
着管用キャップ10を示している。
【0021】上記気体成分吸着管用キャップ10が装着
される気体成分吸着管Kは、一方の開口端部から他方の
開口端部に貫通する外径が6[mm]程度の直線形状の
管状部材であり、その中間には気体試料中の特定成分を
吸着する吸着剤(テナックス,カーボトラップ等)がメ
ッシュ等の壁面(図示略)により外部に流出しないよう
にして封入されている。そして、一端部から他端部にか
けて気体試料が通過することにより、吸着材に応じて気
体試料中の特定含有成分(気体成分)が吸着される構造
となっている。
【0022】気体成分吸着管用キャップ10は、断面コ
字状且つ円筒形であるキャップ本体2と、このキャップ
本体2に形成された貫通穴22Aに隙間なく装備された
弾性板3とから主に構成される。
【0023】これらを詳述すると、キャップ本体2は、
素材として熱脱離作業に耐え得るように、例えば、テフ
ロン,ベスペル或いは耐熱シリコン等が使用され、図1
に示すように、気体成分吸着管Kの開口端部近傍の外径
よりもその内径が幾分大きい筒状部分21と、この筒状
部分21と一体的に形成された底面部22とを備えてい
る。
【0024】そして、筒状部分21の内周面には、底面
部22に近い方から順に弾性板3の装着溝21Aとリン
グ溝21Bが形成され、このリング溝21Bの内側には
Oリング23が装備されている。このOリング23は、
熱脱離作業に耐え得るように例えば、バイトン或いは耐
熱シリコン等から形成されており、気体成分吸着管Kが
筒状部分21に挿入されたときに、当該筒状部分21の
内周面と気体成分吸着管Kの外周面とに挟まれて気体成
分吸着管Kの内部の気密性,遮断性を保持するようにな
っている。また、Oリング23は一定の弾性を備えてい
るため、かかる挟持状態において、気体成分吸着管Kの
外周面との間に摩擦力が生じ、気体成分吸着管Kに対す
る気体成分吸着管用キャップ10の保持状態が保たれ
る。なお、一定の力を加えると、気体成分吸着管Kから
引き抜くことも可能であるため、気体成分吸着管用キャ
ップ10は、気体成分吸着管Kに対して着脱を自在に行
うことが可能である。
【0025】また、底面部22には、気体成分吸着管K
の開口端部が対応する位置に貫通穴22Aが形成されて
おり、この貫通穴22Aは、弾性板3により完全に隙間
なく塞がれている。
【0026】弾性板3は、例えば、耐熱性を考慮したバ
イトン或いは耐熱シリコン等の一定の弾力性を備える素
材を円形に形成した板状部材であり、前述したキャップ
本体2の筒状部21の形成された装着溝21Aに嵌合さ
れている。はめ込み式なので、劣化した場合には交換す
ることが可能である。なお、弾性板3は、外径が8〜9
[mm]程度,厚さが2〜3[mm]程度のものが使用
される。
【0027】気体成分吸着管用キャップ10が気体成分
吸着管Kに装着されている場合において、この弾性板3
は、後述する針状管としてのニードルが外側から突き通
され、当該ニードルを介して気体成分吸着管Kの内部と
の気体の流通(吸着された気体成分の流出或いはキャリ
アガスの流入等)が行われる。なお、このニードルは、
充分に細い管であり、ニードルが突き通された為に生じ
た弾性板3の穴は、ニードルが引き抜かれた後には、当
該弾性板3の素材の弾性により塞がれて再び気体成分吸
着管K内の気密性を保持することが可能である。即ち、
この気体成分吸着管用キャップ10は、弾性板3の交換
なしで複数回の使用に耐え得る。
【0028】上述のように、気体成分吸着管用キャップ
10を装着した気体成分吸着管Kの内部に対する気体の
流通を行うには、図2に示すような針状管としてのニー
ドル40が使用される。このニードル40は、針状で内
部が中空の細管部41と、この細管部41を所定の接続
先(例えば、キャリアガスボンベへの連絡管72等)に
接続する接続部42とから構成されている。
【0029】上記の細管部41は、気体成分吸着管用キ
ャップ10の弾性板3に突き通された場合にその弾性に
より許容される範囲よりも大きな穴が穿設されないよう
に充分細い外径に設定されてる。本実施形態では、細管
部41の外径はおよそ1[mm]である。
【0030】接続部42は、断面コ字状の有底の筒状部
材であり、底側に細管部41が装備されている。また、
その内周面には雌ネジが切られており、雄ネジ部を有す
る所定の接続先に螺合して連結される。なお、接続部4
2の接続手段については、特にネジ止めに限定するもの
ではなく、前述した気体成分吸着管用キャップ10のキ
ャップ本体2のようにOリングを介して挿入により接続
される手法等を採っても良く、シール性を維持しつつ接
続状態が保てればどのようなものでも良い。
【0031】上記のニードル40は、気体成分吸着管K
の各端部を保持する継手71に装備された雌ネジ部73
に螺合して(図2(A))、連絡管72に連通した状態
とされる(図3(A))。かかる継手71は、気体成分
吸着管Kの一端部側を気体成分吸着管用キャップ10ご
と挿入されて保持する有底筒状部材であり、図3(B)
に気体成分吸着管Kの一端部が接続された状態を示す。
ニードル40の細管部41は、継手71に対する気体成
分吸着管Kの挿入方向に沿うように装備されており、気
体成分吸着管Kの挿入動作に伴って、気体成分吸着管用
キャップ10の弾性板3に細管部41が突き通され、こ
の細管部41を介して連絡管72と気体成分吸着管Kの
内部の気体の流動が確保される。また、細管部41と弾
性板3との間に生じる摩擦力により、不用意に気体成分
吸着管Kが継手71から抜け落ちることを防止する。
【0032】また、図4に示すニードル40Aのよう
に、細管部41Aと接続部42Aとが分離可能であり、
接続部42Aが所定の接続先に螺合接続された場合に、
フェラル43Aを介して細管部41Aと接続部42Aと
が連結される構造としても良い。
【0033】以下、上述の構成からなる実施形態による
気体試料の分析作業を図5に基づいて説明する。
【0034】まず、図5(A)に示すように、まだ気体
成分吸着管用キャップ10が装着されていない洗浄済み
の気体成分吸着管Kに対して気体試料から特定成分の濃
縮吸着が行われる。即ち、気体成分吸着管Kの一端側が
図示を省略した接続手段により気体試料封入バッグに接
続され、他端部がやはり図示を省略した接続手段により
吸引ポンプに接続される。そして、吸引ポンプが吸い込
みを開始することにより、気体試料封入バッグ内の気体
試料が気体成分吸着管K内を通過して吸引ポンプ側に吸
引される。かかる気体試料の通過の際に、気体成分吸着
管K内の吸着材に特定成分が濃縮吸着される。
【0035】吸着後は、図5(B)に示すように速やか
に気体成分吸着管Kの両端部にそれぞれ気体成分吸着管
用キャップ10が装着される。即ち、気体成分吸着管用
キャップ10のキャップ本体2の筒状部分21に気体成
分吸着管Kが挿入され、Oリング23により気体成分吸
着管Kの外周面と筒状部分21の内周面との間のシール
性が保持される。これにより、気体成分吸着管K内は、
外部から遮断されると共に内部の密閉性が保たれ、吸着
された特定成分が外部に漏れたり外気と混入する不都合
が防止される。
【0036】次に、気体成分吸着管用キャップ10が装
着された気体成分吸着管Kは、図5(C)に示すよう
に、熱脱離装置80にセットされて吸着成分の熱脱離が
行われる。
【0037】この気体成分吸着管用熱脱離装置80は、
気体成分吸着管Kの各気体成分吸着管用キャップ10を
介して挿入して保持する二つの継手71(図3に示す継
手71と同じもの)と、気体成分吸着管Kを加熱するヒ
ータ81と、各継手71に接続され,気体成分吸着管K
の各開口端部と外部との連絡を図る二つの連絡管72と
を備え、気体成分吸着管用キャップ10に装備された弾
性板3に対応させて各継手71にニードル40(図2に
示すニードル40と同じもの)を装備し、これら各ニー
ドル40を各連絡管72に個別に連通させる構成となっ
ている。
【0038】さらに、この気体成分吸着管用熱脱離装置
80には、上記の各構成を保持する枠体82を備えてお
り、二つの継手71の内いずれか一方(図5(C)にお
ける右側)のものが気体成分吸着管Kから退避する方向
に沿って往復自在に装備されており且つ押圧バネ83に
より常時,気体成分吸着管K側に押圧されている。かか
る構成により、気体成分吸着管Kを気体成分吸着管用熱
脱離装置80に装備する際には、押圧バネ83に抗して
継手71を右側に充分に退避させ、気体成分吸着管Kの
各開口端部ごとに各継手71に挿入する。挿入の際、各
気体成分吸着管用キャップ10の弾性板3は、各ニード
ル40が突き通され、気体成分吸着管Kの内部と各連絡
管72とが連絡される。
【0039】気体成分吸着管Kは、上述のように各継手
71と接続すると、ヒータ81が当該気体成分吸着管K
の吸着剤が封入されている部分に接するように配置され
ている。かかるヒータ81には、ヒートブロック等が使
用される。
【0040】また、上記の連絡管72の内の一方にはキ
ャリアガスボンベが接続されており、また他方には分析
装置が接続されている。かかる構成により、気体成分吸
着管Kが接続されると、ヒータ81による加熱が行われ
ると同時にキャリアガスボンベ側からキャリアガスが連
絡管72及びニードル40を介して気体成分吸着管Kの
内部に供給される。一方、気体成分吸着管K内の吸着剤
から吸着された特定成分が脱離を開始し、キャリアガス
の流動に伴って分析装置側に送られる。この分析装置
は、ガスクロマトグラフを備えており、これにより特定
成分の分析が行われる。
【0041】充分に吸着された特定成分の脱離作業が行
われた後には、気体成分吸着管Kは各継手71から抜脱
され、同時に、弾性板3からニードル40が引き抜かれ
る。このとき、ニードル40の細管部41は充分に細い
ため、弾性板3に穿設された貫通穴は、当該弾性板3の
弾力により押し潰されるようにして塞がれる。このた
め、熱脱離装置80から気体成分吸着管Kが取り外され
た後にも、気体成分吸着管K内の残留する吸着成分等の
流出を有効に防止することが可能である。
【0042】この分析装置では、各継手71にそれぞれ
ニードル40が装備されているため、気体成分吸着管K
と各連絡管72との連絡状態が有効に確保されると共
に、気体成分吸着管用キャップ10の弾性体3と当該ニ
ードル40との間に生じる摩擦力により抜け落ち等の発
生を防止し、気体成分吸着管Kの保持を有効に行うこと
が可能である。また、継手71と気体成分吸着管Kとの
接続が工具等を要せず、単に突き通す作業のみにより行
われるため、余分な手間を排除し、作業性が良く迅速な
セッティングを行うことが可能である。
【0043】さらに、気体成分吸着管用キャップ10に
ついては、弾性板3を有しているため、ニードル40を
突き通すことにより、気体成分吸着管Kから取り外すこ
となく気体成分吸着管Kの内部との気体の流通を図るこ
とが可能である。例えば、特定成分が吸着された気体成
分吸着管Kに気体成分吸着管用キャップ10を装着する
ことにより、そのまま外すことなくニードル40を介し
て特定成分の脱離を容易に行うことができるため、気体
成分吸着管K内への外気の混入,吸着した特定成分の外
部への流出を有効に防止することができる。
【0044】また、気体成分吸着管用キャップ10の弾
性板3は、その弾性により、ニードルが突き通されて生
じた貫通穴が塞がる作用があり、使い捨てることなく繰
り返し複数回の使用に耐えられるので、経済性が良いと
いう利点を有している。
【0045】さらに、弾性板3が複数回の使用に耐え得
るので、予め気体成分吸着管用キャップ10をその両端
部に装着した状態で、気体成分吸着管Kに特定成分の吸
着作業を行っても良い。その場合、図6に示すように、
各気体成分吸着管用キャップ10の弾性板3に、ニード
ル40を介して気体試料封入バッグ及び吸引ポンプが接
続される。そして、図5(A)の場合と同様にして特定
成分の吸着作業が行われた後、気体試料封入バッグ及び
吸引ポンプに接続された各ニードル40は引き抜かれ、
図5(C)と同様にして、新たにキャリアガスボンベ及
び分析装置に接続された各ニードル40が弾性板3に装
着される。そして、前述と同様にして熱脱離作業が行わ
れる。
【0046】かかる場合、気体試料の特定成分の吸着動
作前から気体成分吸着管Kに気体成分吸着管用キャップ
10が装着されているため、気体成分吸着管K内への外
気の混入及び吸着された特定成分の流出が最大限に防止
され、より正確な分析を行うことが可能となる。
【0047】また、図7に示すように、予め気体成分吸
着管Kの気体試料接続バッグ側のみに気体成分吸着管用
キャップ10を装着して気体試料の特定成分の吸着作業
を行ってもよい。かかる場合も、図5と同様の効果を得
ることが可能である。
【0048】なお、気体成分吸着管用熱脱離装置80の
継手71については、図8に示すように、気体成分吸着
管Kの開口端部に対応する面(内部底面)における雌ネ
ジ部73を除く領域にパッキングのようなシール部材7
4を設けても良い。かかる構成とすることにより、気体
成分吸着管用キャップ10を装着しない気体成分吸着管
Kについても、この継手71と気体成分吸着管Kとの間
で直接シール性を維持することが可能となる。即ち、気
体成分捕集管用熱脱離装置80は、気体成分吸着管用キ
ャップ10を装着した気体成分吸着管Kと装着しない気
体成分吸着管Kの双方に対応することが可能となる。こ
こで、気体成分吸着管用キャップ10を装着しない気体
成分吸着管Kを取り付ける場合には、ニードル40は、
図示の如く取り外しておいた方が装着が容易となる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の気体成分
吸着管用キャップは、弾性板を有しているため、この気
体成分吸着管用キャップを気体成分吸着管に装着するこ
とにより、気体成分吸着管内部の密閉状態を保持しつ
つ、針状管を介して気体成分吸着管内部と気体の流通を
図ることができる。
【0050】このため、気体成分吸着管用キャップを装
着したままの状態で、気体成分吸着管は、気体試料の特
定成分の吸着作業,特定成分の脱離作業等の各作業を行
うことができ、これにより、気体成分吸着管用キャップ
の取り外し作業による煩雑性を解消して使用性の向上を
図ることが可能となると共に、気体成分吸着管内部への
外気の混入及び特定成分の外部への漏洩を有効に防止
し、より正確な分析を行うことが可能である。
【0051】また、弾性板の弾性により、針状管の接続
で生じる貫通穴が塞がれる為、当該弾性板の交換を行う
ことなく一度に複数の作業工程にも対応することが可能
であるため、分析作業全体を通じて気体成分吸着管内部
の密閉性を有効に保持することが可能である。
【0052】請求項2記載の気体成分吸着管用熱脱離装
置では、各継手にそれぞれ針状管が装備されているた
め、気体成分吸着管と各連絡管との連絡状態が有効に確
保されると共に、気体成分吸着管用キャップの弾性体と
当該針状管との間に生じる摩擦力により抜け落ち等の発
生を防止し、気体成分吸着管の保持を有効に行うことが
可能である。また、継手と気体成分吸着管との接続が工
具等を要せず、単に突き通す作業のみにより行われるた
め、余分な手間を排除し、作業性が良く迅速なセッティ
ングを行うことが可能である。
【0053】以上のように、本発明により、従来にない
優れた気体成分吸着管用キャップ及び気体成分吸着管用
熱脱離装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である気体成分吸着管用キ
ャップを示す断面図である。
【図2】ニードルを示す説明図であり、図2(A)はニ
ードルの構成を示し、図2(B)は図2(A)の拡大断
面図である。
【図3】ニードルを示す説明図であり、図3(A)はニ
ードルの取付状態を示し、図3(B)はニードルの使用
態様を示している。
【図4】他のニードルの例を示す断面図である。
【図5】気体試料の分析作業を示す説明図であり、図5
(A)は気体成分吸着管に対する気体試料の特定成分の
吸着工程を示し、図5(B)は気体成分吸着管に気体成
分吸着管用キャップを装着した状態を示し、図5(C)
は気体成分捕集管用熱脱離装置による熱脱離工程を示し
ている。
【図6】予め気体成分吸着管用キャップを両開口端部に
装着した気体成分吸着管に対して気体試料の特定成分の
吸着作業を行う場合を示す説明図である。
【図7】予め気体成分吸着管用キャップを一方の開口端
部に装着した気体成分吸着管に対して気体試料の特定成
分の吸着作業を行う場合を示す説明図である。
【図8】継手の底面にシール部材を装備した場合を示す
具体例である。
【図9】従来の気体成分吸着管用キャップを示す断面図
である。
【図10】他の従来の気体成分吸着管用キャップを示
し、図10(A)はその正面図であり、図10(B)は
その分解構成図である。
【符号の説明】
3 弾性板 10 気体成分吸着管用キャップ 22A 貫通穴 40 ニードル(針状管) 71 継手 72 連絡管 80 気体成分吸着管用熱脱離装置 81 ヒータ K 気体成分吸着管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体成分の吸着を行う円筒状の気体成分
    吸着管の開口端部を閉塞して内部の状態の維持を図る着
    脱自在の気体成分吸着管用キャップにおいて、 前記気体成分吸着管の開口端部が対応する位置に貫通穴
    を設け、前記気体成分吸着管内部との気体の流通を図る
    針状管が,接続される弾性板を、前記貫通穴に隙間なく
    装備したことを特徴とする気体成分吸着管用キャップ。
  2. 【請求項2】 一方と他方の開口端部にそれぞれ請求項
    1記載の気体成分吸着管用キャップを装備した気体成分
    吸着管を,当該各気体成分吸着管用キャップを介して挿
    入して保持する二つの継手と、前記気体成分吸着管を加
    熱するヒータと、前記各継手に接続され,前記気体成分
    吸着管の各開口端部と外部との連絡を図る二つの連絡管
    とを備え、 前記気体成分吸着管用キャップに装備された弾性板に対
    応させて前記各継手に前記針状管を装備し、これら各針
    状管を前記各連絡管に個別に接続したことを特徴とする
    気体成分吸着管用熱脱離装置。
JP35695096A 1996-12-26 1996-12-26 気体成分吸着管用キャップ及び気体成分吸着管用熱脱離装置 Withdrawn JPH10185890A (ja)

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