JPH10184449A - 内燃機関用ピストン - Google Patents
内燃機関用ピストンInfo
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- JPH10184449A JPH10184449A JP34113296A JP34113296A JPH10184449A JP H10184449 A JPH10184449 A JP H10184449A JP 34113296 A JP34113296 A JP 34113296A JP 34113296 A JP34113296 A JP 34113296A JP H10184449 A JPH10184449 A JP H10184449A
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- piston
- oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加工工数が少なく、且つピストン冷却能力の
向上が可能な内燃機関用ピストンを提供すること。 【解決手段】 ピストンヘッドの側面に形成されるオイ
ルリング溝の内周側でピストンヘッド内部に形成される
冷却用空洞と、クランクケースと冷却用空洞とを連通可
能なインレット孔と、冷却用空洞とクランクケースとを
連通可能なアウトレット孔と、オイルリング溝とアウト
レット孔とを連通する第１連通孔と、オイルリング溝と
インレット孔とを連通する第２連通孔と、を備える内燃
機関用ピストンであって、第１連通孔は、アウトレット
孔からオイルリング溝に向かうに連れてピストン頂部に
向かい、第２連通孔は、オイルリング溝からインレット
孔に向かうに連れてピストン頂部に向かうようにした。
向上が可能な内燃機関用ピストンを提供すること。 【解決手段】 ピストンヘッドの側面に形成されるオイ
ルリング溝の内周側でピストンヘッド内部に形成される
冷却用空洞と、クランクケースと冷却用空洞とを連通可
能なインレット孔と、冷却用空洞とクランクケースとを
連通可能なアウトレット孔と、オイルリング溝とアウト
レット孔とを連通する第１連通孔と、オイルリング溝と
インレット孔とを連通する第２連通孔と、を備える内燃
機関用ピストンであって、第１連通孔は、アウトレット
孔からオイルリング溝に向かうに連れてピストン頂部に
向かい、第２連通孔は、オイルリング溝からインレット
孔に向かうに連れてピストン頂部に向かうようにした。
Description
【０００１】
【発明が属する分野】本発明は、内燃機関のピストンに
関するものであり、特にピストンヘッド内部にオイルが
循環する冷却用空洞を備える内燃機関用ピストンに関す
る。
関するものであり、特にピストンヘッド内部にオイルが
循環する冷却用空洞を備える内燃機関用ピストンに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】一般に内燃機関用ピストンは、高温、高
圧の燃焼ガスにさらされるために熱膨張が小さく、放熱
性、耐熱性に優れるという様々な条件が要求される。こ
のため、ピストンヘッド内部に冷却用空洞を形成して、
オイルを冷却用空洞内で循環させる技術が従来より知ら
れている。
圧の燃焼ガスにさらされるために熱膨張が小さく、放熱
性、耐熱性に優れるという様々な条件が要求される。こ
のため、ピストンヘッド内部に冷却用空洞を形成して、
オイルを冷却用空洞内で循環させる技術が従来より知ら
れている。
【０００３】このような従来の内燃機関用ピストンとし
て、実開平１−１４２５４８号に開示される技術があ
る。図４にこの技術の断面図を示す。ピストン１０の円
周接線方向に向かってオイルリング溝１３から複数個の
オイル導入孔２３を設けて冷却用空洞２０と連通させる
ことにより、冷却用空洞２０内のオイルの流れを良く
し、冷却用空洞２０内の単位時間当たりのオイル流量を
増加させ、ピストンの冷却能力を向上させるものであ
る。更に、オイルリング溝１３をインレット孔２１及び
アウトレット孔２２と連通する連通孔を設けることによ
り、ブローバイガスを導入して冷却用空洞内のオイルの
流れを良くすることが考えられる。
て、実開平１−１４２５４８号に開示される技術があ
る。図４にこの技術の断面図を示す。ピストン１０の円
周接線方向に向かってオイルリング溝１３から複数個の
オイル導入孔２３を設けて冷却用空洞２０と連通させる
ことにより、冷却用空洞２０内のオイルの流れを良く
し、冷却用空洞２０内の単位時間当たりのオイル流量を
増加させ、ピストンの冷却能力を向上させるものであ
る。更に、オイルリング溝１３をインレット孔２１及び
アウトレット孔２２と連通する連通孔を設けることによ
り、ブローバイガスを導入して冷却用空洞内のオイルの
流れを良くすることが考えられる。
【０００４】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従
来技術では、インレット孔２１及びアウトレット孔２２
に連通する連通孔２４はインレット孔２１及びアウトレ
ット孔２２の方向に対して垂直であるので、ブローバイ
ガスにより冷却用空洞２０内のオイルの流れを向上させ
ることは難しい。冷却用空洞内のオイルの流れが十分で
ないと、インレット孔を介してオイルリング底部から冷
却用空洞に導入されるオイルの量は少なくなり、ピスト
ンを十分に冷却することができない。また、上記に示す
ような連通孔では、ブローバイガスを利用してオイルの
流れを良くするには多数個の孔を設けなければならず、
加工工数が増大する。
来技術では、インレット孔２１及びアウトレット孔２２
に連通する連通孔２４はインレット孔２１及びアウトレ
ット孔２２の方向に対して垂直であるので、ブローバイ
ガスにより冷却用空洞２０内のオイルの流れを向上させ
ることは難しい。冷却用空洞内のオイルの流れが十分で
ないと、インレット孔を介してオイルリング底部から冷
却用空洞に導入されるオイルの量は少なくなり、ピスト
ンを十分に冷却することができない。また、上記に示す
ような連通孔では、ブローバイガスを利用してオイルの
流れを良くするには多数個の孔を設けなければならず、
加工工数が増大する。
【０００５】また、冷却用空洞２０内のオイルの流れを
良くするためにブローバイガスの流量を増加させること
が考えられるが、ブローバイガスを増加させると内燃機
関の出力が低下してしまい好ましくない。
良くするためにブローバイガスの流量を増加させること
が考えられるが、ブローバイガスを増加させると内燃機
関の出力が低下してしまい好ましくない。
【０００６】そこで本発明は、内燃機関の出力を低下さ
せることなくピストン冷却能力の向上が可能で、更に加
工工数の少ない内燃機関用ピストンを提供することを技
術的課題とする。
せることなくピストン冷却能力の向上が可能で、更に加
工工数の少ない内燃機関用ピストンを提供することを技
術的課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１の発明は、ピストンヘッドの側面に形成さ
れ、オイルリングを取り付け可能なオイルリング溝と、
オイルリング溝の内周側でピストンヘッド内部に形成さ
れる冷却用空洞と、ピストン内側空間と冷却用空洞とを
連通可能なインレット孔と、冷却用空洞とピストン内側
空間とを連通可能なアウトレット孔と、ブローバイガス
をアウトレット孔に導入すべくオイルリング溝とアウト
レット孔とを連通する第１連通孔と、ブローバイガスを
インレット孔に導入すべくオイルリング溝とインレット
孔とを連通する第２連通孔と、を備える内燃機関用ピス
トンであって、第１連通孔と第２連通孔のうち、少なく
ともいずれか一方の連通孔が、ブローバイガスによる冷
却用空洞内のオイルの循環を促すように、インレット孔
或はアウトレット孔の垂直方向に対して角度を有するよ
うにした。
に請求項１の発明は、ピストンヘッドの側面に形成さ
れ、オイルリングを取り付け可能なオイルリング溝と、
オイルリング溝の内周側でピストンヘッド内部に形成さ
れる冷却用空洞と、ピストン内側空間と冷却用空洞とを
連通可能なインレット孔と、冷却用空洞とピストン内側
空間とを連通可能なアウトレット孔と、ブローバイガス
をアウトレット孔に導入すべくオイルリング溝とアウト
レット孔とを連通する第１連通孔と、ブローバイガスを
インレット孔に導入すべくオイルリング溝とインレット
孔とを連通する第２連通孔と、を備える内燃機関用ピス
トンであって、第１連通孔と第２連通孔のうち、少なく
ともいずれか一方の連通孔が、ブローバイガスによる冷
却用空洞内のオイルの循環を促すように、インレット孔
或はアウトレット孔の垂直方向に対して角度を有するよ
うにした。
【０００８】請求項１によると、第１連通孔と第２連通
孔のうち、少なくともいずれか一方の連通孔がインレッ
ト孔或はアウトレット孔の垂直方向に対して角度を有す
るので、例えば第１連通孔がアウトレット孔の垂直方向
に対して角度を有する場合にはブローバイガスがアウト
レット孔内のオイルを排出するように作用させることが
可能であり、また、第２連通孔がインレット孔の垂直方
向に対して角度を有する場合にはブローバイガスがイン
レット孔内のオイルを冷却用空洞内に導入するように作
用させることが可能である。これにより冷却用空洞内の
オイルの循環が促されて、ピストンの冷却能力が向上
し、更に加工工数の増加もない。
孔のうち、少なくともいずれか一方の連通孔がインレッ
ト孔或はアウトレット孔の垂直方向に対して角度を有す
るので、例えば第１連通孔がアウトレット孔の垂直方向
に対して角度を有する場合にはブローバイガスがアウト
レット孔内のオイルを排出するように作用させることが
可能であり、また、第２連通孔がインレット孔の垂直方
向に対して角度を有する場合にはブローバイガスがイン
レット孔内のオイルを冷却用空洞内に導入するように作
用させることが可能である。これにより冷却用空洞内の
オイルの循環が促されて、ピストンの冷却能力が向上
し、更に加工工数の増加もない。
【０００９】請求項２の発明は、請求項１において、第
１連通孔は、アウトレット孔からオイルリング溝に向か
うに連れてピストン頂部に向かう成分を有するようにし
た。
１連通孔は、アウトレット孔からオイルリング溝に向か
うに連れてピストン頂部に向かう成分を有するようにし
た。
【００１０】請求項２によると、第１連通孔はオイルの
排出方向成分を有しているので、オイルがアウトレット
孔を通過する時点でブローバイガスによってオイルの排
出が助勢される。これによりアウトレット孔に対する冷
却用空洞内の圧力が負圧になり、冷却用空洞内のオイル
の排出効率が向上してピストンの冷却能力が向上する。
排出方向成分を有しているので、オイルがアウトレット
孔を通過する時点でブローバイガスによってオイルの排
出が助勢される。これによりアウトレット孔に対する冷
却用空洞内の圧力が負圧になり、冷却用空洞内のオイル
の排出効率が向上してピストンの冷却能力が向上する。
【００１１】請求項３の発明は、請求項１或は請求項２
のピストンにおいて、第１連通孔が、オイルリング溝か
らインレット孔に向かうに連れてピストン頂部に向かう
成分を有するようにした。
のピストンにおいて、第１連通孔が、オイルリング溝か
らインレット孔に向かうに連れてピストン頂部に向かう
成分を有するようにした。
【００１２】請求項３によると、第２連通孔はオイルの
冷却用空洞への導入方向成分を有しているので、オイル
がインレット孔を通過する時点でブローバイガスによっ
てオイルの導入が助勢される。これにより冷却用空洞内
に対するインレット孔の圧力が負圧になり、冷却用空洞
内へのオイルの導入効率が向上してピストンの冷却能力
が向上する。
冷却用空洞への導入方向成分を有しているので、オイル
がインレット孔を通過する時点でブローバイガスによっ
てオイルの導入が助勢される。これにより冷却用空洞内
に対するインレット孔の圧力が負圧になり、冷却用空洞
内へのオイルの導入効率が向上してピストンの冷却能力
が向上する。
【００１３】
【実施の形態】本発明の内燃機関用ピストンの一実施の
形態を図面を参照して説明する。
形態を図面を参照して説明する。
【００１４】図１は本実施の形態の内燃機関用ピストン
３０の断面図である。ピストンヘッド３１の側面には、
ブローバイガスを減少させるためのシールとして作用す
る第１コンプレッションリング４３、第２コンプレッシ
ョンリング４４が取付けられる第１コンプレッションリ
ング溝３３、第２コンプレッションリング溝３４、及び
オイルが漏れるのを防止するためのシールとして作用す
るオイルリング４５が取付けられるオイルリング溝３
２、が形成されている。ピストンヘッド３１とスカート
部４２とに囲まれて形成されるピストン内側空間４１と
冷却用空洞３６とは、インレット孔３８及びアウトレッ
ト孔３７により連通している。
３０の断面図である。ピストンヘッド３１の側面には、
ブローバイガスを減少させるためのシールとして作用す
る第１コンプレッションリング４３、第２コンプレッシ
ョンリング４４が取付けられる第１コンプレッションリ
ング溝３３、第２コンプレッションリング溝３４、及び
オイルが漏れるのを防止するためのシールとして作用す
るオイルリング４５が取付けられるオイルリング溝３
２、が形成されている。ピストンヘッド３１とスカート
部４２とに囲まれて形成されるピストン内側空間４１と
冷却用空洞３６とは、インレット孔３８及びアウトレッ
ト孔３７により連通している。
【００１５】ピストンヘッド３１内部に形成される冷却
用空洞３６はリング状を呈しており、塩中子（可溶性中
子）を用いてピストン３０の型成形時に製作される。内
燃機関用ピストン３０の製作については説明を省略す
る。ピストン内側空間４１のインレット孔３８の真下に
は、オイルをインレット孔３８のに向かって噴射可能な
ジェットノズル４７が配設される。ジェットノズル４７
から噴射されるオイルはインレット孔３８から導入され
て冷却用空洞３６内に供給される。
用空洞３６はリング状を呈しており、塩中子（可溶性中
子）を用いてピストン３０の型成形時に製作される。内
燃機関用ピストン３０の製作については説明を省略す
る。ピストン内側空間４１のインレット孔３８の真下に
は、オイルをインレット孔３８のに向かって噴射可能な
ジェットノズル４７が配設される。ジェットノズル４７
から噴射されるオイルはインレット孔３８から導入され
て冷却用空洞３６内に供給される。
【００１６】第１コンプレッションリング４３、第２コ
ンプレッションリング４４は、ブローバイガスが漏れな
いように内燃機関用ピストン３０の外周面に設けられて
いるが、ピストンヘッド頂面３１ａに接する燃焼室の圧
力はクランクケース内と同圧のピストン内側空間４１の
圧力より高く、またコンプレッションリング４３、４４
には切欠きがあるので、ブローバイガスの漏れを完全に
無くすことはできない。このようにクランクケースに流
出するブローバイガスは、図示しないブローバイガス還
元装置によりクランクケースからＰＣＶバルブを通って
吸気マニホールドに吸込まれることで、大気への放出が
防止されている。
ンプレッションリング４４は、ブローバイガスが漏れな
いように内燃機関用ピストン３０の外周面に設けられて
いるが、ピストンヘッド頂面３１ａに接する燃焼室の圧
力はクランクケース内と同圧のピストン内側空間４１の
圧力より高く、またコンプレッションリング４３、４４
には切欠きがあるので、ブローバイガスの漏れを完全に
無くすことはできない。このようにクランクケースに流
出するブローバイガスは、図示しないブローバイガス還
元装置によりクランクケースからＰＣＶバルブを通って
吸気マニホールドに吸込まれることで、大気への放出が
防止されている。
【００１７】アウトレット孔３７とピストンリング溝３
４とはブローバイガスをアウトレット孔３７に導入する
第１連通孔３９により連通している。また、インレット
孔３８とオイルリング溝３２とはブローバイガスをイン
レット孔３８に導入する第２連通孔４０により連通して
いる。尚、図１ではアウトレット孔３７及びインレット
孔３８は図示しないが、インレット孔３８は１つ、アウ
トレット孔３７は２つ、の３つが冷却用空洞３６に均等
に設けられている。
４とはブローバイガスをアウトレット孔３７に導入する
第１連通孔３９により連通している。また、インレット
孔３８とオイルリング溝３２とはブローバイガスをイン
レット孔３８に導入する第２連通孔４０により連通して
いる。尚、図１ではアウトレット孔３７及びインレット
孔３８は図示しないが、インレット孔３８は１つ、アウ
トレット孔３７は２つ、の３つが冷却用空洞３６に均等
に設けられている。
【００１８】図２及び図３は本発明の要部の断面図であ
る。図２について説明する。コンプレッションリング４
３、４４を通ってきたブローバイガスは、連通孔３９、
４０を通って燃焼室より低圧のピストン内側空間４１内
に流出する。第１連通孔３９は、アウトレット孔３７か
らオイルリング溝３２に向かうに連れてピストンヘッド
の頂面３１ａに向かうように、アウトレット孔３７に垂
直な方向に対して角度α（０＜α＜９０°）を有してい
るので、第１連通孔３９を通ってアウトレット孔３７に
到達したブローバイガスは、アウトレット孔３７内のオ
イルを排出するように作用する。これによって冷却用空
洞３６内がアウトレット孔３７に対して負圧になり、冷
却用空洞３６内のオイルはアウトレット孔３７を介して
ピストン内側空間４１内に排出される。尚、、アウトレ
ット孔３７内のオイルを排出する働きを大きくするため
には、角度αは大きい程好ましい。
る。図２について説明する。コンプレッションリング４
３、４４を通ってきたブローバイガスは、連通孔３９、
４０を通って燃焼室より低圧のピストン内側空間４１内
に流出する。第１連通孔３９は、アウトレット孔３７か
らオイルリング溝３２に向かうに連れてピストンヘッド
の頂面３１ａに向かうように、アウトレット孔３７に垂
直な方向に対して角度α（０＜α＜９０°）を有してい
るので、第１連通孔３９を通ってアウトレット孔３７に
到達したブローバイガスは、アウトレット孔３７内のオ
イルを排出するように作用する。これによって冷却用空
洞３６内がアウトレット孔３７に対して負圧になり、冷
却用空洞３６内のオイルはアウトレット孔３７を介して
ピストン内側空間４１内に排出される。尚、、アウトレ
ット孔３７内のオイルを排出する働きを大きくするため
には、角度αは大きい程好ましい。
【００１９】図３について説明する。コンプレッション
リング４３、４４でシールされないブローバイガスは、
連通孔３９、４０を通って燃焼室より低圧のピストン内
側空間４１内に流出する。第２連通孔４０は、オイルリ
ング溝３２からインレット孔３８に向かうに連れてピス
トンヘッドの頂面３１ａに向かうように、インレット孔
３８に垂直な方向に対して角度β（０＜β＜９０°）を
有しているので、第２連通孔４０を通ってインレット孔
３８に到達したブローバイガスは、インレット孔３８内
のオイルを冷却用空洞３６に導入するように作用する。
これによってインレット孔３８は冷却用空洞３６に対し
て負圧になり、ジェットノズル４７から噴射されるオイ
ルはインレット孔３８を通って冷却用空洞３６に導入さ
れる。尚、インレット孔３８から冷却用空洞３６へのオ
イルの供給量を増加させるためには、角度βは大きい程
好ましい。
リング４３、４４でシールされないブローバイガスは、
連通孔３９、４０を通って燃焼室より低圧のピストン内
側空間４１内に流出する。第２連通孔４０は、オイルリ
ング溝３２からインレット孔３８に向かうに連れてピス
トンヘッドの頂面３１ａに向かうように、インレット孔
３８に垂直な方向に対して角度β（０＜β＜９０°）を
有しているので、第２連通孔４０を通ってインレット孔
３８に到達したブローバイガスは、インレット孔３８内
のオイルを冷却用空洞３６に導入するように作用する。
これによってインレット孔３８は冷却用空洞３６に対し
て負圧になり、ジェットノズル４７から噴射されるオイ
ルはインレット孔３８を通って冷却用空洞３６に導入さ
れる。尚、インレット孔３８から冷却用空洞３６へのオ
イルの供給量を増加させるためには、角度βは大きい程
好ましい。
【００２０】次に本実施の形態のピストンを用いた内燃
機関の作動について説明する。ピストン３０はシリンダ
４６内を往復して吸入、圧縮、爆発、排気を行う。ピス
トン３０の最も大きな役割は、ピストンヘッドの頂面３
１ａが爆発圧力を受けピン穴部３５に連結される図示し
ないコンロッドを介して爆発圧力の力をクランクシャフ
トに伝えることである。
機関の作動について説明する。ピストン３０はシリンダ
４６内を往復して吸入、圧縮、爆発、排気を行う。ピス
トン３０の最も大きな役割は、ピストンヘッドの頂面３
１ａが爆発圧力を受けピン穴部３５に連結される図示し
ないコンロッドを介して爆発圧力の力をクランクシャフ
トに伝えることである。
【００２１】ピストン３０の冷却メカニズムについて説
明する。先ず、シリンダ４６中のオイルホールを経由し
てジェットノズル４７から噴出されたオイルが、インレ
ット孔３８から冷却用空洞３６に導かれ、ピストンヘッ
ドの頂面３１ａ、コンプレッションリング溝３３、３
４、オイルリング溝３２、及びピン穴部３５が冷却され
る。そして、アウトレット孔３７からオイルが排出され
る。連通穴３９、４０を前述の如く形成したことによ
り、冷却用空洞３６内のオイルの排出効率、及び冷却用
空洞３６内へのオイルの導入効率が向上してピストンの
冷却能力が向上する。
明する。先ず、シリンダ４６中のオイルホールを経由し
てジェットノズル４７から噴出されたオイルが、インレ
ット孔３８から冷却用空洞３６に導かれ、ピストンヘッ
ドの頂面３１ａ、コンプレッションリング溝３３、３
４、オイルリング溝３２、及びピン穴部３５が冷却され
る。そして、アウトレット孔３７からオイルが排出され
る。連通穴３９、４０を前述の如く形成したことによ
り、冷却用空洞３６内のオイルの排出効率、及び冷却用
空洞３６内へのオイルの導入効率が向上してピストンの
冷却能力が向上する。
【００２２】本実施の形態によると、連通孔３９、４０
の方向を上記の如く設定するだけの簡単な構成で、ジェ
ットノズル４７からのオイルの噴射容量を上げることな
く、冷却用空洞３６によるピストンの冷却効果を上昇さ
せることが可能になる。
の方向を上記の如く設定するだけの簡単な構成で、ジェ
ットノズル４７からのオイルの噴射容量を上げることな
く、冷却用空洞３６によるピストンの冷却効果を上昇さ
せることが可能になる。
【００２３】また、本発明は、前述した実施の形態に示
される形状の内燃機関用ピストンに限定される意図はな
く、例えばピストンヘッドの頂面が内側に湾曲して、ピ
ストンヘッド自身が燃焼室を有する直噴用のピストンに
も適用が可能である。
される形状の内燃機関用ピストンに限定される意図はな
く、例えばピストンヘッドの頂面が内側に湾曲して、ピ
ストンヘッド自身が燃焼室を有する直噴用のピストンに
も適用が可能である。
【００２４】
【効果】請求項１によると、第１連通孔と第２連通孔の
うち、少なくともいずれか一方の連通孔がインレット孔
或はアウトレット孔の垂直方向に対して角度を有するの
で、例えば第１連通孔がアウトレット孔の垂直方向に対
して角度を有する場合にはブローバイガスがアウトレッ
ト孔内のオイルを排出するように作用させることが可能
であり、また、第２連通孔がインレット孔の垂直方向に
対して角度を有する場合にはブローバイガスがインレッ
ト孔内のオイルを冷却用空洞内に導入するように作用さ
せることが可能である。これにより冷却用空洞内のオイ
ルの循環が促されて、ピストンの冷却能力が向上し、更
に加工工数の増加もない。
うち、少なくともいずれか一方の連通孔がインレット孔
或はアウトレット孔の垂直方向に対して角度を有するの
で、例えば第１連通孔がアウトレット孔の垂直方向に対
して角度を有する場合にはブローバイガスがアウトレッ
ト孔内のオイルを排出するように作用させることが可能
であり、また、第２連通孔がインレット孔の垂直方向に
対して角度を有する場合にはブローバイガスがインレッ
ト孔内のオイルを冷却用空洞内に導入するように作用さ
せることが可能である。これにより冷却用空洞内のオイ
ルの循環が促されて、ピストンの冷却能力が向上し、更
に加工工数の増加もない。
【００２５】請求項２によると、第１連通孔はオイルの
排出方向成分を有しているので、オイルがアウトレット
孔を通過する時点でブローバイガスによってオイルの排
出が助勢される。これによりアウトレット孔に対する冷
却用空洞内の圧力が負圧になり、冷却用空洞内のオイル
の排出効率が向上してピストンの冷却能力が向上する。
排出方向成分を有しているので、オイルがアウトレット
孔を通過する時点でブローバイガスによってオイルの排
出が助勢される。これによりアウトレット孔に対する冷
却用空洞内の圧力が負圧になり、冷却用空洞内のオイル
の排出効率が向上してピストンの冷却能力が向上する。
【００２６】請求項３によると、第２連通孔はオイルの
冷却用空洞への導入方向成分を有しているので、オイル
がインレット孔を通過する時点でブローバイガスによっ
てオイルの導入が助勢される。これにより冷却用空洞内
に対するインレット孔の圧力が負圧になり、冷却用空洞
内へのオイルの導入効率が向上してピストンの冷却能力
が向上する。
冷却用空洞への導入方向成分を有しているので、オイル
がインレット孔を通過する時点でブローバイガスによっ
てオイルの導入が助勢される。これにより冷却用空洞内
に対するインレット孔の圧力が負圧になり、冷却用空洞
内へのオイルの導入効率が向上してピストンの冷却能力
が向上する。
【図１】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図２】本実施の形態における要部断面図である。
【図３】本実施の形態における要部断面図である。
【図４】従来の内燃機関用ピストンの断面図である。
３０・・・内燃機関用ピストン ３１・・・ピストンヘッド ３２・・・オイルリング溝 ３３・・・第１コンプレッションリング溝 ３４・・・第２コンプレッションリング溝 ３５・・・ピン穴部 ３６・・・冷却用空洞 ３７・・・アウトレット孔 ３８・・・インレット孔 ３９・・・第１連通孔 ４０・・・第２連通孔 ４１・・・ピストン内側空間 ４２・・・スカート部 ４３・・・第１コンプレッションリング ４４・・・第２コンプレッションリング ４５・・・オイルリング ４６・・・シリンダ ４７・・・ジェットノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｆ１６Ｊ 1/09 Ｆ１６Ｊ 1/09 9/00 9/00 Ａ
Claims (3)
- 【請求項１】 ピストンヘッドの側面に形成され、オイ
ルリングを取り付け可能なオイルリング溝と、 前記オイルリング溝の内周側で前記ピストンヘッド内部
に形成される冷却用空洞と、 ピストン内側空間と前記冷却用空洞とを連通可能なイン
レット孔と、 前記冷却用空洞とピストン内側空間とを連通可能なアウ
トレット孔と、 ブローバイガスを前記アウトレット孔に導入すべく前記
オイルリング溝と前記アウトレット孔とを連通する第１
連通孔と、 ブローバイガスを前記インレット孔に導入すべく前記オ
イルリング溝と前記インレット孔とを連通する第２連通
孔と、 を備える内燃機関用ピストンであって、 前記第１連通孔と第２連通孔のうち、少なくともいずれ
か一方の連通孔が、ブローバイガスによる冷却用空洞内
のオイルの循環を促すように、前記インレット孔或はア
ウトレット孔の垂直方向に対して角度を有することを特
徴とする内燃機関用ピストン。 - 【請求項２】 前記第１連通孔は、アウトレット孔から
オイルリング溝に向かうに連れてピストン頂部に向かう
ことを特徴とする請求項１の内燃機関用ピストン。 - 【請求項３】 前記第２連通孔は、オイルリング溝から
インレット孔に向かうに連れてピストン頂部に向かうこ
とを特徴とする請求項１或は請求項２の内燃機関用ピス
トン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34113296A JPH10184449A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 内燃機関用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34113296A JPH10184449A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 内燃機関用ピストン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10184449A true JPH10184449A (ja) | 1998-07-14 |
Family
ID=18343557
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34113296A Pending JPH10184449A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10184449A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012132343A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 内燃機関のピストン冷却装置 |
| DE102017219564A1 (de) * | 2017-11-03 | 2019-05-09 | Federal-Mogul Nürnberg GmbH | Kolben für einen Verbrennungsmotor |
| CN110848044A (zh) * | 2018-08-21 | 2020-02-28 | 大众汽车有限公司 | 往复活塞式内燃机和用于往复活塞式内燃机的往复活塞 |
-
1996
- 1996-12-20 JP JP34113296A patent/JPH10184449A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012132343A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 内燃機関のピストン冷却装置 |
| DE102017219564A1 (de) * | 2017-11-03 | 2019-05-09 | Federal-Mogul Nürnberg GmbH | Kolben für einen Verbrennungsmotor |
| CN110848044A (zh) * | 2018-08-21 | 2020-02-28 | 大众汽车有限公司 | 往复活塞式内燃机和用于往复活塞式内燃机的往复活塞 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060831 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
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| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070123 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |