JPH10183146A - 乾式脱硫装置における処理ガスの閉サイクル循環利用方法及び装置 - Google Patents

乾式脱硫装置における処理ガスの閉サイクル循環利用方法及び装置

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JPH10183146A
JPH10183146A JP35063496A JP35063496A JPH10183146A JP H10183146 A JPH10183146 A JP H10183146A JP 35063496 A JP35063496 A JP 35063496A JP 35063496 A JP35063496 A JP 35063496A JP H10183146 A JPH10183146 A JP H10183146A
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gas
desulfurizing agent
concentration
regeneration tower
containing gas
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Tsuneo Shono
統夫 庄野
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、乾式脱硫装置の脱硫剤再生
塔内のガス流量を、窒素ガスを使用せずに充分なレベル
に維持できる方法及び装置を提供することである。 【解決手段】 乾式脱硫装置の脱硫剤再生塔から発生す
る高濃度SO2 含有ガスを湿式のSO2 吸収装置でSO
2 除去した後の処理ガスの閉サイクル循環利用方法にお
いて、高濃度SO2 含有ガスを脱硫剤再生塔4からSO
2 吸収装置6にエキスパンダ15を介して移送すると共
に、処理ガスを上記SO2 吸収装置6から上記脱硫剤再
生塔4に上記エキスパンダ15と同軸にある圧縮機16
を介して戻して、上記高濃度SO2 含有ガスの膨張力で
上記処理ガスを昇圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式脱硫装置にお
ける処理ガスの閉サイクル循環利用方法及び装置に係
り、特に、高濃度SO2 含有ガスを脱硫剤再生塔からS
2 吸収装置にエキスパンダを介して移送すると共に、
処理ガスをSO2 吸収装置から脱硫剤再生塔にエキスパ
ンダと同軸にある圧縮機を介して戻して処理ガスを昇圧
し、さらに、圧縮機によって昇圧された処理ガスの一部
を乾式脱硫装置入口部に戻す乾式脱硫装置における処理
ガスの閉サイクル循環利用方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に、石炭,オリマルジョン及びアス
ファルト等の燃料をガス化して高温のガス化ガスを発生
させこれを発電に利用する従来の石炭ガス化複合発電シ
ステム(IGCC:Integrated Coal Gasification Combine
d Cycle )の一部が、概略的に示されている。
【0003】図中符号1は、ガス化ガス中の硫黄分を乾
式脱硫剤(Fe2 3 等)を用いて乾式ベースで脱硫す
る流動床乾式脱硫装置としての脱硫塔である。脱硫塔1
の後段には、硫化して脱硫効率の落ちた(乾式)脱硫剤
が落下する脱硫剤移送ポット2と、脱硫剤移送ポット2
から移送された脱硫剤がガス成分から分離される脱硫剤
分離ポット3と、脱硫剤分離ポット3でガス成分から分
離された脱硫剤を再生する脱硫剤再生塔4とが、図示さ
れるように順に接続される。また、脱硫剤再生塔4の流
動床下部と脱硫塔1の流動床上部とは図示されるように
接続され、脱硫剤再生塔4で再生された脱硫剤が再び脱
硫塔1に戻されるように構成される。
【0004】脱硫塔1の底部には、脱硫塔1の流動床下
部へガス化ガスを導入するガス化ガス導入手段10が接
続される。また、脱硫塔1の頂部には、脱硫された脱硫
ガス(精製ガス)を排出する脱硫ガス排出手段11が接
続される。
【0005】脱硫剤再生塔4の後段には、脱硫剤再生塔
4の頂部から排出される高濃度SO2 含有ガスのSO2
を湿式ベースで吸収除去するSO2 吸収装置6が、高濃
度SO2 含有ガス移送ライン18を介して接続される。
この高濃度SO2 含有ガス移送ライン18は、脱硫剤再
生塔4の頂部とSO2 吸収装置6とをフィルタ5、熱交
換器24,25,26、減圧弁14,熱交換器9等を介
して接続する。
【0006】SO2 吸収装置6は、図示されるように複
数の吸収塔から構成され、その最後段の吸収塔61の頂
部には、熱交換器9を介して煙突8が接続される。
【0007】SO2 吸収装置6の後段には、SO2 吸収
装置6内を循環する吸収液を適宜抜き出すと共に、SO
2 吸収装置6でのSO2 吸収反応により生成された石膏
を吸収液から分離回収して吸収液をSO2 吸収装置6に
戻す石膏分離装置7が、図示されるように接続される。
【0008】一方、脱硫剤分離ポット3の頂部は、高濃
度SO2 含有ガス移送ライン18に接続され、脱硫剤分
離ポット3で脱硫剤から分離されたガスが、脱硫剤再生
塔4からの高濃度SO2 含有ガスに合流するように構成
されている。高濃度SO2 含有ガス移送ライン18から
は、同ライン内を移送されるガスの一部を循環ガスとし
て脱硫塔再生塔4及び脱硫剤移送ポット2に戻す循環ラ
イン12が、図示されるように減圧弁14の前段で分岐
する。循環ライン12は循環ガス圧縮機13を介して延
び、循環ガス圧縮機13の後段で2つの分岐ライン12
a,12bに分岐する。分岐ライン12aは脱硫剤移送
ポット2の底部に接続され、分岐ライン12bは脱硫剤
再生塔4の底部に接続される。
【0009】なお、分岐ライン12bには、脱硫剤再生
塔4に再生空気を供給する再生空気供給手段22と、脱
硫剤再生塔4に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段2
3とが接続される。
【0010】高温高圧のガス化ガスがガス化ガス導入手
段10を介して脱硫塔1の底部に導入され、ガス化ガス
は脱硫塔1内を上昇しながら、脱硫塔1内の流動床を流
動する脱硫剤(Fe2 3 等)によって乾式ベースで脱
硫される。脱硫剤としてFe2 3 を用いる場合、脱硫
反応は下式の通りである。
【0011】 3Fe2 3 +H2 →2Fe3 4 +H2 O (1) Fe3 4 +3H2 S+H2 →3FeS+4H2 O (2) 硫黄分を除去された脱硫(精製)ガスは、脱硫塔1の頂
部から脱硫ガス排出手段11を介して排出され、図示さ
れない諸装置において発電等に利用された後、大気排出
される。
【0012】一方、上記の脱硫反応によって硫化して脱
硫効率の落ちた脱硫剤は、脱硫塔1の流動床下部から脱
硫剤移送ポット2に落下した後、分岐ライン12aから
の循環ガス(循環ガス圧縮機13によって既に昇圧され
ている)によって吹き上げられ、脱硫剤分離ポット3に
送られる。脱硫剤分離ポット3では脱硫剤とガスとの分
離が行われ、分離された脱硫剤は脱硫剤再生塔4の流動
床上部に導入される。
【0013】脱硫剤再生塔4の底部には、分岐ライン1
2bを介して循環ガスが供給される。このとき、循環ガ
スと併せて、再生空気圧縮機22によって再生空気が、
窒素ガス供給手段23によって窒素ガスが、分岐ライン
12bを介して脱硫剤再生塔4に供給される。この結
果、循環ガス及び窒素ガスによって脱硫剤再生塔4内に
充分なガス流がもたらされると共に、硫化した脱硫剤が
再生空気によって下式に基づいて再生される。
【0014】 4FeS+7O2 →2Fe2 3 +4SO2 (3) 4Fe3 4 +O2 →6Fe2 3 (4) 脱硫剤再生塔4内で元のフレッシュな状態に再生された
脱硫剤は、脱硫剤再生塔4の流動床下部から脱硫塔1の
流動床上部に戻される。
【0015】一方、脱硫剤再生時に脱硫剤再生塔4から
排出される高濃度SO2 含有ガス(反応式(3)参照)
は、脱硫剤分離ポット3で脱硫剤から分離されたガスに
合流すると共に、高濃度SO2 含有ガス移送ライン18
によって、SO2 吸収装置6にフィルタ5,熱交換器2
4〜26等を介して送られる。このとき、高圧の高濃度
SO2 含有ガスの一部は減圧弁14の前段で分岐し、循
環ガスとして循環ライン12に導入される。循環ライン
12に導入された循環ガスは、循環ガス圧縮機13によ
って更に昇圧された後、分岐ライン12a,12bを介
して脱硫剤移送ポット2及び脱硫剤再生塔4に送られ
る。
【0016】なお、分岐ライン12bを介して脱硫剤再
生塔4に送られた循環ガスには、上述のように、脱硫反
応に必要な再生空気が再生空気圧縮機22によって適宜
供給されると共に、脱硫剤再生塔4内での充分なガス流
量をもたらすべく、窒素ガス供給手段23によって多量
のN2 ガスが供給される。
【0017】さて、高濃度SO2 含有ガス移送ライン1
8内を移送される高濃度SO2 含有ガスのうち循環ライ
ン12に分岐されなかったものは、減圧弁14で減圧さ
れた後、熱交換器9を介してSO2 吸収装置6に導入さ
れる。
【0018】SO2 吸収装置6に送られた高濃度SO2
含有ガスは、SO2 吸収装置6(の吸収塔内)におい
て、アルカリ性の吸収液スラリによってSO2 を吸収除
去される。つまり、アルカリ性の吸収剤(液)がSO2
と化合してCaSO3 が生成され、CaSO3 が酸化空
気で酸化されてCaSO4 (石膏)となる。こうしてS
2 を除去されたガス(処理ガス)は、最後段の吸収塔
61の頂部から熱交換器9及び煙突8を介して大気放出
される。
【0019】最後段の吸収塔61内の吸収液は、石膏分
離装置7によって適宜抜き出されると共に、石膏(SO
2 吸収装置6でのSO2 吸収反応により生成されたも
の)が吸収液から分離回収され、石膏を分離された吸収
液は再びSO2 吸収装置6(本実施の形態では最後段の
吸収塔61)に戻される。
【0020】以上の過程が繰り返され、脱硫,脱硫によ
り硫化した脱硫剤の再生,脱硫剤の再生により発生した
高濃度SO2 含有ガスからの湿式ベースでのSO2
去,及び生成した石膏の回収が連続して行われる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のシステムの場
合、循環ライン及びその分岐ラインを介して脱硫剤再生
塔に供給される循環ガスだけでは脱硫剤再生塔内に充分
なガス流をもたらすことができない。そのため、脱硫剤
再生塔に多量の窒素ガスを別途に補給しなければなら
ず、これが運転コストを押し上げる一因となっていた。
【0022】そこで、本発明の目的は、乾式脱硫装置の
脱硫剤再生塔内のガス流量を、窒素ガスを使用せずに充
分なレベルに維持できる方法及び装置を提供することで
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、乾式脱硫装置の脱硫剤再生塔から
発生する高濃度SO2 含有ガスを湿式のSO2 吸収装置
でSO2 除去した後の処理ガスの閉サイクル循環利用方
法において、高濃度SO2 含有ガスを脱硫剤再生塔から
SO2 吸収装置にエキスパンダを介して移送すると共
に、処理ガスを上記SO2 吸収装置から上記脱硫剤再生
塔に上記エキスパンダと同軸にある圧縮機を介して戻し
て、上記高濃度SO2 含有ガスの膨張力で上記処理ガス
を昇圧するように構成される。
【0024】請求項2の発明は、上記圧縮機によって昇
圧された処理ガスの一部を乾式脱硫装置入口部に戻すよ
うに構成される。
【0025】請求項3の発明は、乾式脱硫装置の脱硫剤
再生塔から発生する高濃度SO2 含有ガスを湿式のSO
2 吸収装置でSO2 除去した後の処理ガスの閉サイクル
循環利用装置において、高濃度SO2 含有ガスを脱硫剤
再生塔からSO2 吸収装置に移送する高濃度SO2 含有
ガス移送ラインと、処理ガスを上記SO2 吸収装置から
上記脱硫剤再生塔に戻す処理ガス戻しラインと、上記高
濃度SO2 含有ガス移送ラインに付随して設置されたエ
キスパンダと、上記エキスパンダと同軸上に上記処理ガ
ス戻しラインに付随して設置された圧縮機とを備えて構
成される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面により説明する。
【0027】図1に、石炭,オリマルジョン及びアスフ
ァルト等の燃料をガス化して高温のガス化ガスを発生さ
せ発電に利用する石炭ガス化複合発電システム(IGCC)
の一部であって、本発明の乾式脱硫装置における処理ガ
スの閉サイクル循環利用装置を備えたシステムが概略的
に示されている。
【0028】図中符号1は、ガス化ガス中の硫黄分を乾
式脱硫剤(Fe2 3 等)を用いて乾式ベースで脱硫す
る流動床乾式脱硫装置としての脱硫塔である。脱硫塔1
の後段には、硫化して脱硫効率の落ちた(乾式)脱硫剤
が落下する脱硫剤移送ポット2と、脱硫剤移送ポット2
から移送された脱硫剤がガス成分から分離される脱硫剤
分離ポット3と、脱硫剤分離ポット3でガス成分から分
離された脱硫剤を再生する脱硫剤再生塔4とが、図示さ
れるように順に接続される。また、脱硫剤再生塔4の流
動床下部と脱硫塔1の流動床上部とは図示されるように
接続され、脱硫剤再生塔4で再生された脱硫剤が再び脱
硫塔1に戻されるように構成される。
【0029】脱硫塔1の底部には、脱硫塔1の流動床下
部へガス化ガスを導入するガス化ガス導入手段10が接
続される。また、脱硫塔1の頂部には、脱硫された脱硫
ガス(精製ガス)を排出する脱硫ガス排出手段11が接
続される。
【0030】脱硫剤再生塔4の後段には、脱硫剤再生塔
4の頂部から排出される高濃度SO2 含有ガスのSO2
を湿式ベースで吸収除去するSO2 吸収装置6が、高濃
度SO2 含有ガス移送ライン18を介して接続される。
この高濃度SO2 含有ガス移送ライン18には、フィル
タ5と、熱交換器24,25,26と、ガスの動力回収
用のエキスパンダ15と、熱交換器9a等が、図示され
るように設けられる。
【0031】なお、エキスパンダ15には、これと同軸
に構成された圧縮機16が設けられる。
【0032】SO2 吸収装置6は、図示されるように複
数の吸収塔から構成され、その最後段の吸収塔61の頂
部からは、SO2 を吸収除去されたガス(処理ガス)を
圧縮機16を介して分岐ライン12b(下記参照)に戻
す処理ガス戻しライン17が延びる。つまり、処理ガス
戻しライン17は、圧縮機16を介して分岐ライン12
bに接続される。なお、処理ガス戻しライン17から
は、余剰の処理ガスを脱硫塔1の入口部に戻す余剰処理
ガス戻しライン19が圧縮機16の後段で図示されるよ
うに分岐し、この余剰処理ガス戻しライン19はガス化
ガス導入手段10に接続される。
【0033】上記の高濃度SO2 含有ガス移送ライン1
8と、エキスパンダ15と、処理ガス戻しライン17
と、圧縮機16とが、本発明の乾式脱硫装置における処
理ガスの閉サイクル循環利用装置を主に構成する。
【0034】SO2 吸収装置6の後段には、SO2 吸収
装置6内を循環する吸収液を適宜抜き出すと共に、SO
2 吸収装置6でのSO2 吸収反応により生成された石膏
を吸収液から分離回収して吸収液をSO2 吸収装置6に
戻す石膏分離装置7が、図示されるように接続される。
【0035】一方、脱硫剤分離ポット3の頂部は、高濃
度SO2 含有ガス移送ライン18に接続され、脱硫剤分
離ポット3で脱硫剤から分離されたガスが、脱硫剤再生
塔4からの高濃度SO2 含有ガスに合流するように構成
されている。高濃度SO2 含有ガス移送ライン18から
は、同ライン内を移送されるガスの一部を循環ガスとし
て脱硫剤再生塔4及び脱硫剤移送ポット2に戻す循環ラ
イン12が、図示されるようにエキスパンダ15の前段
で分岐する。この循環ライン12は循環ガス圧縮機13
を介して延び、循環ガス圧縮機13の後段で2つの分岐
ライン12a,12bに分岐する。分岐ライン12aは
脱硫剤移送ポット2の底部に接続され、分岐ライン12
bは脱硫剤再生塔4の底部に接続される。
【0036】なお、分岐ライン12bには、脱硫剤再生
塔4に再生空気を供給する再生空気圧縮機22が接続さ
れると共に、脱硫剤再生塔4に処理ガスを供給する処理
ガス戻しライン17が上述のように接続される。
【0037】高温のガス化ガスがガス化ガス導入手段1
0を介して脱硫塔1の底部に導入され、ガス化ガスは脱
硫塔1内を上昇しながら、脱硫塔1内の流動床を流動す
る脱硫剤(Fe2 3 等)によって乾式ベースで脱硫さ
れる(反応式(1)及び(2)参照)。
【0038】硫黄分を除去された脱硫(精製)ガスは、
脱硫塔1の頂部から脱硫ガス排出手段11を介して排出
され、図示されない諸装置において発電等に利用された
後、大気放出される。
【0039】一方、上記の脱硫反応によって硫化して脱
硫効率の落ちた脱硫剤は、脱硫塔1の流動床下部から脱
硫剤移送ポット2に落下した後、分岐ライン12aから
の循環ガス(循環ガス圧縮機13によって既に昇圧され
ている)によって吹き上げられ、脱硫剤分離ポット3に
送られる。脱硫剤分離ポット3では脱硫剤とガスとの分
離が行われる。分離された脱硫剤は、脱硫剤再生塔4の
流動床上部に導入される。
【0040】脱硫剤再生塔4の底部には、分岐ライン1
2bを介して循環ガスが供給される。このとき、循環ガ
スと併せて、再生空気圧縮機22によって再生空気が、
又、処理ガス戻しライン17によって処理ガス(昇圧済
み,下記参照)が、分岐ライン12bを介して脱硫剤再
生塔4に供給される。この結果、循環ガス及び処理ガス
によって脱硫剤再生塔4内に充分なガス流がもたらされ
ると共に、再生空気によって硫化した脱硫剤が再生され
る(反応式(3)及び(4)参照)。
【0041】こうして脱硫剤再生塔4内で元のフレッシ
ュな状態に再生された脱硫剤は、脱硫剤再生塔4の流動
床下部から脱硫塔1の流動床上部に戻される。
【0042】一方、脱硫剤再生時に脱硫剤再生塔4から
排出される高濃度SO2 含有ガス(反応式(3)参照)
は、脱硫剤分離ポット3で脱硫剤から分離されたガスに
合流すると共に、高濃度SO2 含有ガス移送ライン18
によって、SO2 吸収装置6の方向にフィルタ5,熱交
換器24〜26等を介して送られる。このとき、高圧の
高濃度SO2 含有ガスの一部は、エキスパンダ15の前
段で分岐して循環ガスとして循環ライン12に導入され
る。循環ライン12に導入された循環ガスは、循環ガス
圧縮機13によって更に昇圧された後、分岐ライン12
a,12bを介して脱硫剤移送ポット2及び脱硫剤再生
塔4に送られる。
【0043】なお、分岐ライン12bを介して脱硫剤再
生塔4に送られた循環ガスには、上述のように、脱硫反
応に必要な再生空気が再生空気圧縮機22によって適宜
供給される。
【0044】さて、高濃度SO2 含有ガス移送ライン1
8内を移送される高濃度SO2 含有ガスのうち循環ライ
ン12に分岐されなかったものは、エキスパンダ15に
よって動力回収され、この動力回収の結果減圧されて常
圧となった高濃度SO2 含有ガスが、熱交換器9aを介
してSO2 吸収装置6に導入される。
【0045】SO2 吸収装置6に送られた常圧の高濃度
SO2 含有ガスは、SO2 吸収装置6(の吸収塔内)に
おいて、アルカリ性の吸収液スラリによってSO2 を吸
収除去される。つまり、アルカリ性の吸収剤(液)がS
2 と化合してCaSO3 が生成され、CaSO3 が酸
化空気で酸化されてCaSO4 (石膏)となる。
【0046】こうしてSO2 を除去されたガス(処理ガ
ス)は、最後段の吸収塔61の頂部から、処理ガス戻し
ライン17によって熱交換器9a及び圧縮機16に導か
れ、この圧縮機16(上述のようにエキスパンダ15と
同軸にあり、エキスパンダ15で回収された動力すなわ
ち高濃度SO2 含有ガスの膨張力により駆動される)に
よって昇圧された後、再び処理ガス戻しライン17を介
して分岐ライン12bに導入される。分岐ライン12b
に導入された上記の処理ガスは、上述のように循環ガス
に合流し、脱硫剤再生塔4の底部に導入されて脱硫剤再
生塔4内に充分なガス流をもたらす。つまり、処理ガス
が、循環ガス(再生ガス)として再利用される。
【0047】このとき、圧縮機16で昇圧された処理ガ
スの一部(具体的には、脱硫剤再生塔4内に充分なガス
流をもたらすのに必要な量以上の余剰のガス)が、図示
されるように圧縮機16の後段で分岐して余剰処理ガス
戻しライン19に適宜導入される。余剰処理ガス戻しラ
イン19に導入された余剰の処理ガスは、余剰処理ガス
戻しライン19を介してガス化ガス導入手段10に戻さ
れ、ガス化ガスと共に脱硫塔1の流動床下部に導入され
る。
【0048】一方、最後段の吸収塔61内の吸収液は、
石膏分離装置7によって適宜抜き出されると共に、石膏
(SO2 吸収装置6でのSO2 吸収反応により生成され
たもの)が吸収液から分離回収され、石膏を分離された
吸収液は再びSO2 吸収装置6(本実施の形態では最後
段の吸収塔61)に戻される。
【0049】以上の過程が繰り返され、脱硫,脱硫によ
り硫化した脱硫剤の再生,脱硫剤の再生により発生した
高濃度SO2 含有ガスからの湿式ベースでのSO2
去,SO2 を除去された処理ガスの再利用,及び生成し
た石膏の回収が連続して行われる。
【0050】なお、エキスパンダ15によって回収され
た動力が処理ガスを昇圧するのに充分でない場合は、圧
縮機16に付随して設けたモータ(図1参照)等で昇圧
のための動力を補ってよいことは、勿論である。また、
100%処理ガスを戻すときには必然的に動力が必要に
なる。
【0051】以上、本発明においては、脱硫剤再生時に
発生する高濃度SO2 含有ガスを先ずエキスパンダで動
力回収してからSO2 を除去し、このSO2 を除去され
たガス(処理ガス)を上記の回収された動力によって昇
圧すると共に脱硫剤再生塔に戻して再生ガスとして再利
用することにより、従来のように窒素ガスを補給しなく
ても脱硫剤再生塔内の充分なガス流量を維持できる。
【0052】また、昇圧された処理ガスのうち、脱硫剤
再生塔での再生ガスとして必要な量以上の余剰分を大気
放出せずに脱硫塔入口部に戻すので、従来のIGCCシステ
ムのSO2 吸収装置に付随した煙突(図2の参照番号8
参照)を削除できる。つまり、本発明によれば、IGCCシ
ステムにおける煙突がシステム最後段の煙突だけになる
ので、システム全体のガスラインが閉サイクルになって
エネルギー効率がアップすると共に、大気放出する排ガ
スを一カ所で処理でき環境基準を達成し易くなる。
【0053】また、脱硫剤再生塔からの高濃度SO2
有ガスが上述の動力回収によって常圧まで減圧されるの
で、湿式ベースのSO2 除去を常圧で行うことができ、
従って、水分濃度の低い処理ガスを再生ガスとして脱硫
剤再生塔に送ることができる。つまり、水分濃度の低
い、より高品質の再生ガスを脱硫剤再生のため供給でき
る。
【0054】
【発明の効果】以上、要するに、本発明に係る乾式脱硫
装置の処理ガスの循環利用方法及び装置によれば、以下
の優れた効果がもたらされる。
【0055】(1) 脱硫剤再生時に発生する高濃度S
2 含有ガスを先ずエキスパンダで動力回収してからS
2 を除去し、このSO2 を除去されたガス(処理ガ
ス)を上記の回収された動力によって昇圧すると共に脱
硫剤再生塔に戻して再生ガスとして再利用することによ
り、従来のように窒素ガスを補給しなくても脱硫剤再生
塔内の充分なガス流量を維持できる。
【0056】(2) 昇圧された処理ガスのうち、脱硫
剤塔再生塔での再生ガスとして必要な量以上の余剰分を
大気放出せずに脱硫塔入口部に戻すので、従来のIGCCシ
ステムのSO2 吸収装置に付随した煙突を削除できる。
つまり、IGCCシステムにおける煙突がシステム最後段の
煙突だけになるので、システム全体のガスラインが閉サ
イクルになってエネルギー効率がアップすると共に、大
気放出する排ガスを一カ所で処理でき環境基準を達成し
易くなる。
【0057】(3) 脱硫剤再生塔からの高濃度SO2
含有ガスが上述の動力回収によって常圧まで減圧される
ので、湿式ベースのSO2 除去を常圧で行うことがで
き、従って、水分濃度の低い処理ガスを再生ガスとして
脱硫剤再生塔に送ることができる。つまり、水分濃度の
低い、より高品質の再生ガスを脱硫剤再生のため供給で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾式脱硫装置における処理ガスの循環
利用装置を備えた石炭ガス化複合発電システム(IGCC)
の部分概略図である。
【図2】従来の石炭ガス化複合発電システム(IGCC)の
部分概略図である。
【符号の説明】
4 脱硫剤再生塔 6 SO2 吸収装置 15 エキスパンダ 16 圧縮機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式脱硫装置の脱硫剤再生塔から発生す
    る高濃度SO2 含有ガスを湿式のSO2 吸収装置でSO
    2 除去した後の処理ガスの閉サイクル循環利用方法にお
    いて、高濃度SO2 含有ガスを脱硫剤再生塔からSO2
    吸収装置にエキスパンダを介して移送すると共に、処理
    ガスを上記SO2 吸収装置から上記脱硫剤再生塔に上記
    エキスパンダと同軸にある圧縮機を介して戻して、上記
    高濃度SO2 含有ガスの膨張力で上記処理ガスを昇圧す
    ることを特徴とする乾式脱硫装置の脱硫剤再生塔から発
    生する高濃度SO2 含有ガスを湿式のSO2 吸収装置で
    SO2 除去した後の処理ガスの閉サイクル循環利用方
    法。
  2. 【請求項2】 上記圧縮機によって昇圧された処理ガス
    の一部を乾式脱硫装置入口部に戻す請求項1記載の乾式
    脱硫装置の脱硫剤再生塔から発生する高濃度SO2 含有
    ガスを湿式のSO2 吸収装置でSO2 除去した後の処理
    ガスの閉サイクル循環利用方法。
  3. 【請求項3】 乾式脱硫装置の脱硫剤再生塔から発生す
    る高濃度SO2 含有ガスを湿式のSO2 吸収装置でSO
    2 除去した後の処理ガスの閉サイクル循環利用装置にお
    いて、高濃度SO2 含有ガスを脱硫剤再生塔からSO2
    吸収装置に移送する高濃度SO2 含有ガス移送ライン
    と、処理ガスを上記SO2 吸収装置から上記脱硫剤再生
    塔に戻す処理ガス戻しラインと、上記高濃度SO2 含有
    ガス移送ラインに付随して設置されたエキスパンダと、
    上記エキスパンダと同軸上に上記処理ガス戻しラインに
    付随して設置された圧縮機とを備えたことを特徴とする
    乾式脱硫装置の脱硫剤再生塔から発生する高濃度SO2
    含有ガスを湿式のSO2 吸収装置でSO2 除去した後の
    処理ガスの閉サイクル循環利用装置。
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