JPH10183012A - 充填剤用表面処理剤 - Google Patents

充填剤用表面処理剤

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JPH10183012A
JPH10183012A JP34719096A JP34719096A JPH10183012A JP H10183012 A JPH10183012 A JP H10183012A JP 34719096 A JP34719096 A JP 34719096A JP 34719096 A JP34719096 A JP 34719096A JP H10183012 A JPH10183012 A JP H10183012A
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祐之 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂原料と充填剤より作成される硬化樹脂成
型物の機械的強度の改善向上。 【解決手段】 二重結合を分子内に有するリン化合物の
塩を有効成分とする充填剤用表面処理剤で充填剤の表面
処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充填剤用表面処理
剤、詳しくは二重結合を分子内に有するリン化合物の塩
を有効成分として含有する充填剤用表面処理剤、並び
に、このような表面処理剤で表面処理された充填剤、こ
れを合成樹脂に配合した複合形成材料用樹脂組成物、及
びこれを硬化成形した硬化樹脂成型物に関する。
【0002】
【従来の技術】充填剤と合成樹脂よりなる人工大理石、
補強繊維と合成樹脂よりなる繊維強化樹脂(FRP)、
骨材と合成樹脂よりなるレジンコンクリート、ゴム成形
材料など、充填材と合成樹脂の組成物を硬化してなる複
合樹脂成形材料(硬化樹脂成型物)は多くの分野で用い
られている。
【0003】これらの複合樹脂成形材料(硬化樹脂成型
物)は、合成樹脂を結合剤とし、その中に充填剤(無機
フィラー、補強繊維、骨材等)を混入し硬化したもので
あるが、充填剤と合成樹脂との間の密着の不足が原因で
機械的強度、即ち、剛性及び可撓性が不十分になること
がある。充填剤と樹脂との間の密着性を改善する方法と
して、人工大理石の分野で反応性の燐化合物を添加した
り(特開平2−49,016)、レジンコンクリートの
分野でシランカップリング剤を添加する方法が知られて
いる(米国特許第3,575,785号)が、反応性の
燐化合物は常温硬化触媒または加硫触媒を用いて樹脂成
型物を作成すると硬化時間が著しく長くなるという問題
があり、シランカップリング剤は、これを用いても十分
に機械的強度を付与できないという問題があり、従って
これらの欠点を免れた新しいカップリング剤(充填剤用
表面処理剤)が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複合
樹脂成形材料の機械的強度、即ち、加撓性及び剛性を改
善するために複合樹脂成形材料を作成する際に用いられ
る優れた充填剤用表面処理剤、延いては機械的強度に優
れた硬化樹脂成型物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、二重結合を分子内
に有するリン化合物の塩で表面処理された充填剤を用い
て複合樹脂成形材料を作成すると機械的強度即ち可撓性
及び剛性を改善できることを見いだし、このような知見
に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、二重結合を分子内に
有するリン化合物の塩を有効成分とする充填剤用表面処
理剤、並びに、このような表面処理剤を使用して表面処
理した表面処理充填剤、これを合成樹脂に配合した複合
成形材料用樹脂組成物、及びこれを成形硬化して得られ
た硬化樹脂成型物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細に説明する。
【0008】本発明の充填剤用表面処理剤の有効成分で
ある二重結合を分子内に有するリン化合物の塩は、例え
ば、二重結合を分子内に有するリン化合物と塩基性化合
物を中和して得ることができる。
【0009】このような二重結合を分子内に有するリン
化合物の塩としては、アクリロイルエチル基、メタクリ
ロイルエチル基、アリル基などを有する酸性リン酸エス
テル(分子内にリン原子に直接結合したOH基を有する
化合物)の塩が作業性や強度物性(最終的に得られる硬
化樹脂成型物の曲げや衝撃等強度に関する物性)の見地
から好ましい。具体的には、本発明者の発明に係わる特
願平6−235,427(特開平8−81,640号)
記載のリン酸エステル化合物(後述)を用いて作成した
塩を好ましく用いることができる。
【0010】二重結合を分子内に有するリン化合物の塩
の作成方法を概説すると、これには特別の制限はなく、
例えば、上記二重結合を分子内に有するリン化合物とア
ミノ基を有する化合物などの塩基性化合物とを単に中和
して得ることができる。このような塩の酸成分となる二
重結合を分子内に有するリン化合物は、特別の制限は受
けないが、前掲特願平6−235,427記載のリン酸
エステル化合物などが好ましいものとして挙げられる。
塩基成分となる塩基性化合物としては、樹脂との相溶性
の点で有機置換基を有するアミン化合物が好ましく、よ
り好ましくは分子内に3級アミノ基を1つ有する化合物
(3級アミン)である。中和反応の温度は、0〜120
℃で、より好ましくは10〜80℃である。120℃以
上で反応を行うと、反応混合物の着色や重合によるゲル
化の原因になり好ましくない。0℃以下であると、反応
系内の粘度が高くて作業性が悪くなることや、反応が遅
いなどの問題が起こる。また、反応を制御するために溶
剤を用いることができる。反応に用いた溶剤は反応後留
去しても良く、また溶剤の含まれた反応生成物の状態で
そのまま本発明の充填剤用表面処理剤として用いること
もできる。
【0011】中和反応における、二重結合を分子内に有
するリン化合物と塩基性化合物との反応比は、アミノ基
を有する化合物や水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの1モルが1g当量の塩基性化合物の場合は、これを
二重結合を分子内に有するリン化合物1モルに対して
0.01〜10モル、より好ましくは0.1〜3モルの
割合で用いることができる。また、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウムなどの1モルが2g当量の塩基性化
合物の場合は、これをリン化合物1モルに対して0.0
05〜5モル、より好ましくは0.05〜1.5モルの
割合で用いることができる。
【0012】また、上記中和反応で用いることのできる
溶剤としては、トルエン、キシレン、高沸点石油炭化水
素、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなど
の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤;ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ブチルエーテル、ブチルエチ
ルエーテル、ジグライムなどのエーテル系溶剤;メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなど
のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシ
プロピルアセテートなどのエステル溶剤;メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロパノール、ブタノールなどのアルコール溶剤;エ
チレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコール
のモノエーテル系溶剤の他、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミドなどのアミド系溶剤;水等が挙げら
れ、またこれらは単独または2種以上を混合して適宜使
用することができる。
【0013】本発明の充填剤用表面処理剤の有効成分で
ある二重結合を分子内に有するリン化合物の塩の酸成分
となるべき化合物の具体的な例としては、前掲特願平6
−235,427記載のリン酸エステル化合物を挙げる
ことがでる。これを具体的に説明すると、1分子内に下
記一般式(I)および(III)で表される基を有する
リン酸エステル化合物(1)、1分子内に下記一般式
(II)および(III)で表される基を有するリン酸
エステル化合物(2)、1分子内に下記一般式(I)お
よび(III)で表される基を有するピロリン酸エステ
ル化合物(3)、1分子内に下記一般式(II)および
(III)で表される基を有するピロリン酸エステル化
合物(4)、1分子内に下記一般式(I)および(I
V)で表される基を有するピロリン酸エステル化合物
(5)、1分子内に下記一般式(II)および(IV)
で表される基を有するピロリン酸エステル化合物
(6)、1分子内に下記一般式(I)および(IV)で
表される基を有し、かつ同一の分子内にリン原子を2個
有するリン酸エステル化合物(7)並びに1分子内に下
記一般式(II)および(IV)で表される基を有し、
かつ同一の分子内にリン原子を2個有するリン酸エステ
ル化合物(8)を挙げることができる。
【0014】
【化6】
【0015】上記式中、R1およびR2はそれぞれ独立に
HまたはCH3を、R3はHまたはCH3を、R4はアリー
ル基または炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アル
キル基を、ZはOまたはH2を、WはOまたはH2を、Y
はO、OCOまたはCH2を、nは0〜20の整数を、
mは0〜10の整数を、そしてjは0または1を表す。
但し、ZがOでm=0の場合n=1〜20であり、Zが
Oでm=1〜10の場合はn=1であり、ZがH2でm
=0の場合n=0〜20であり、そしてZがH2でm=
1〜10の場合n=0である。
【0016】上記リン酸エステル化合物の塩の作成方法
の例を示すと、オキシ塩化リンに、これ1モルに対して
水(H20)をqモル、下記一般式(A)で表される化
合物をpモルおよび下記一般式(B)で表される化合物
を(3−p−q)モルの割合で反応させ、さらに下記一
般式(C)で表される化合物をrモルの割合で反応させ
て得られる化合物(但し、p、qおよびrは、それぞ
れ、0<p≦3、0≦q<3、0<p+q≦3および0
≦r≦qを満たす)と塩基性化合物を中和反応に付する
ことにより、目的とする二重結合を分子内に有するリン
化合物の塩を得ることができる。
【0017】
【化7】
【0018】上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、HまたはCH3を、ZはOまたはH2を、nは0〜2
0の整数を、mは0〜10の整数を、R5はアリール
基、炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル
基、3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル基、また
は3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロキル基を、R
6は炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル
基、アリール基、アリル基、2−メチルアリル基、メタ
クリロイル基、またはアクリロイル基を、そしてYは
O、CH2またはOCOを表す。但し、ZがOでm=0
の場合n=1〜20であリ、ZがOでm=1〜10の場
合はn=1であり、ZがH2でm=0の場合n=0〜2
0であり、そしてZがH2でm=1〜10の場合n=0
である。また、YがCH2またはOCOのとき、R6は、
アリル基、2−メチルアリル基、メタクリロイル基およ
ぴアクリロイル基のいずれでもない。
【0019】上記ピロリン酸エステル化合物の塩の作成
方法の他の例を示すと、五酸化リンに、これ1モルに対
して下記一般式(A)で表される化合物をuモルおよび
下記一般式(B)で表される化合物を(2−s)モルの
割合で反応させ、さらに下記一般式(C)で表される化
合物をtモルの割合で反応させて得られる化合物(但
し、uおよびvは、それぞれ、0<u≦2および0≦v
≦2を満たす)か、またはオキシ塩化リンに、これ1モ
ルに対して水(H20)を(3−a−b−c)モル、下
記一般式(A)で表される化合物をaモル、下記一般式
(B)で表される化合物をbモルおよび下記一般式
(C)で表される化合物をcモルの割合で反応させたも
のと、オキシ塩化リンに、これ1モルに対して水(H2
0)を(3−d−e−f)モル、下記一般式(A)で表
される化合物をdモル、下記一般式(B)で表される化
合物をeモルおよび下記一般式(D)で表される化合物
をfモルの割合で反応させたものとを混合し、そして脱
水剤にて水(H20)を1モルの割合で除去させて得ら
れる化合物(但しa〜fは、それぞれ、1≦a+b+c
≦2、0<a+d≦2、1≦d+e+f≦2、0≦b<
2、0≦c<2、0≦d<2、かつ0≦f<2を満た
す)と塩基性化合物を中和することにより、目的の二重
結合を分子内に有するリン化合物の塩を得ることができ
る。
【0020】
【化8】
【0021】上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、HまたはCH3を、ZはOまたはH2を、nは0〜2
0の整数を、mは0〜10の整数を、R5はアリール
基、炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル
基、3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル基、また
は3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基を、R
6は炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル
基、アリール基、アリル基、2−メチルアリル基、メタ
クリロイル基、またはアクリロイル基を、YはO、CH
2またはOCOを、R7は炭素原子数1〜20の直鎖もし
くは分岐アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリル
オキシ基、2−メチルアリル基、メタクリロイル基また
はアクリロイル基を、そしてhは0または1を表す。但
し、ZがOでm=0の場合n=1〜20であり、ZがO
でm=1〜10の場合はn=1であり、ZがH2でm=
0の場合n=0〜20であリ、そしてZがH2で、m=
1〜10の場合n=0である。また、YがCH2または
OCOのとき、R6は、アリル基、2−メチルアリル
基、メタクリロイル基およぴアクリロイル基のいずれで
もない。
【0022】さらに、本発明で用いることのできるリン
酸エステル化合物の塩としては、下記一般式(V)で表
されるリン酸エステル化合物の塩を挙げることができ
る。このリン酸エステル化合物の塩の作成方法は、下記
一般式(VII)で表される化合物を原料とし、上記記
載のリン酸エステル化合物からリン酸エステル化合物の
塩の製造方法を用いればよい。一般式(VII)で表され
る化合物は、一般式(A)で示される化合物と五酸化燐
との反応、一般式(A)で示される化合物と水及びオキ
シ塩化燐との反応等、従来公知の方法により作成するこ
とができる。
【0023】
【化9】
【0024】上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、HまたはCH3を、ZはOまたはH2を、nは0〜2
0の整数を、mは0〜10の整数を、gは1または2の
整数を、そしてXは4級アミノ基、Ca2+、Mg2+、L
+、Na+、またはK+を表す。
【0025】上記一般式(VII)の作成で用いられる
リン酸エステル化合物を例示すると、モノ(2−メタア
クリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ
(2−メタアクリロイルオキシエチル)アシッドフォス
フェート、10−メタアクリロキシデシルジハイドロジ
ェンホスフェート、ジ(10−メタアクリロキシデシ
ル)ハイドロジェンホスフェート、4−メタアクリロキ
シブチルジハイドロジェンホスフェート、ジ(4−メタ
アクリロキシブチル)ハイドロジェンホスフェート、モ
ノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフ
ェート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッド
フォスフェート、10−アクリロキシデシルジハイドロ
ジェンホスフェート、ジ(10−アクリロキシデシル)
ハイドロジェンホスフェート、4−アクリロキシブチル
ジハイドロジェンホスフェート、ジ(4−アクリロキシ
ブチル)ハイドロジェンホスフェート、アシッドホスホ
オキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレー
ト(EO数2〜12)、アシッドホスホオキシポリオキ
シエチレングリコールモノアクリレート(EO数2〜1
2)、下記一般式(VIII)で表されるカプロラクト
ン変性アシッドホスオキシエチル(メタ)アクリル酸エ
ステルなどが挙げられる。
【0026】
【化10】
【0027】上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、HまたはCH3を、ZはOまたはH2を、mは0〜1
0の整数を、そしてgは1または2の整数を表す。
【0028】本発明の二重結合を分子内に有する塩の作
成に用いられる塩基性化合物としては、アルカリ金属、
アルカリ土類金属などの水酸化物や酸化物などの塩基性
水酸化物や塩基性酸化物など、及び1級アミン、2級ア
ミンや3級アミンなどのアミン類、等を挙げることがで
きるが、樹脂との相溶性の点で3級アミンが好ましく、
下記一般式(IX)で表される化合物が好適である。
【0029】
【化11】
【0030】上記式中、R8およびR9は、それぞれ独立
に、炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基
を、xは1〜20の整数を、そしてu、vおよびwは、
それぞれ、正の数で、u+v+w=3を満たす。
【0031】このような塩基性化合物の具体例を示す
と、3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、N,N−
ジメチル−n−ブチルアミン、N−メチル−ジ−n−オ
クチルアミン、トリアリルアミン、ジエチルアリルアミ
ンなどの脂肪族アミン類、N,N−ジエチルエタノール
アミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−
ジブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、イソブチルジエタノール
アミンなどのエタノールアミン類、ポリオキシエチレン
ドデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミン(炭素原子数1
0〜18)などのポリオキシエチレンアルキルアミン
類、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドなどの酸
アミド型第三級アミン類、N−メチルモルホリン、N−
メチルピペリジン、N−メチルピロリジンなどの脂環式
アミン類、メチルイミダゾールなどの芳香族アミン類を
挙げることができる。また、その他の塩基性化合物とし
ては、モノエチルアミン、モノブチルアミン、モノオク
チルアミンなどの1級アミン類、ジエチルアミン、ジブ
チルアミン、ジオクチルアミンなどの2級アミン類、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性水
酸化物、酸化ナトリウム、酸化カルシウムなどの塩基性
酸化物を挙げることができる。
【0032】上に説明した二重結合を分子内に有するリ
ン化合物の塩を有効成分として含有する充填剤用表面処
理剤の調製は、これには特別の制限はなく、従来公知の
方法に拠ることができる。本発明の表面処理剤は、例え
ば、前記の塩そのもの、中和反応の生成混合物そのま
ま、などの形態に調製することができる。
【0033】本発明の二重結合を分子内に有するリン化
合物の塩を有効成分とする充填剤用表面処理剤は、これ
にいわゆる界面活性剤を樹脂組成物の加工性改善を目的
として併用することができる。このような界面活性剤と
しては、この分野で使用されるものであれば特に限定さ
れないが、本発明者の発明に係わる特願平7−142,
989記載の界面活性剤を好ましく用いることができ、
具体的には、N−アルキルアスパラギン酸−β−アルキ
ルエステル、N6−ラウロイル−L−リジン、N6−ラウ
ロイル−D−リジンもしくはこれらの混合物、N−アシ
ルグルタミン酸、またはそれらの塩;C7〜C30の直鎖
もしくは分岐のアルキルスルホン酸、C7〜C30の直鎖
もしくは分岐のアルキルベンゼンスル ホン酸、または
それらのNa、Kもしくは四級アンモニウム塩;直鎖、
分岐もしくは芳香族含有の飽和もしくは不飽和のアルキ
ル酸性燐酸エステル、またはそのNa、K、もしくは四
級アンモニウム塩;等が好ましい。これらの界面活性剤
以外の界面活性剤ももちろん使用することができ、その
ような界面活性剤としては、ステアリン酸、オレイン
酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの炭素原子数6〜2
0の直鎖または分岐の飽和脂肪酸またはその金属塩(カ
ルシウム塩、亜鉛塩など)を挙げることができる。因み
に、このような脂肪酸またはその塩は後に説明する様
に、加硫促進剤として使用することも可能である。
【0034】上記二重結合を分子内に有するリン化合物
の塩と界面活性剤との配合比は、リン化合物の塩1重量
部に対して界面活性剤10重量部以下、より好ましくは
2重量部以下の割合である。10重量部以上界面活性剤
を配合すると硬化樹脂成型物の強度を低下させる原因と
なり、好ましくない。
【0035】本発明の二重結合を分子内に有するリン化
合物の塩を有効成分とする充填剤用表面処理剤は、これ
に他の表面処理剤であるシランカップリング剤を併用含
有せしめることができる。このようなシランカップリン
グ剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
などのメタクリルシラン類;ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニル(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチル
ビニルメトキシラン、ジメチルビニルエトキシシランな
どのビニルシラン類;3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェ
ニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミノシラン類;3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テト
ラサルファイドなどの含硫黄原子シランカップリング
剤;等を挙げることができる。これらのシランカップリ
ング剤は、2種類以上を併用しても良い。なお、これら
の化合物は、従来公知の製造方法により製造することの
できることはもちろんで、また、市販されているものを
使用しても良いことはもちろんである。
【0036】上記二重結合を分子内に有するリン化合物
の塩とシランカップリング剤との配合比は、リン化合物
の塩1重量部に対してシランカップリング剤20重量部
以下、より好ましくは5重量部以下の割合である。20
重量部以上シランカップリング剤を用いると硬化樹脂成
型物の強度を低下させる原因となり、好ましくない。
【0037】本発明の表面処理剤で表面処理されるべき
充填剤は、表面処理剤の相互作用の大きさの見地から無
機化合物であるのが好ましいが、通常複合樹脂成形材料
の分野で用いられるものであれば特に限定されない。こ
のような充填剤としては、具体的には、ガラス繊維、炭
素繊維、ボロン繊維、セラミック繊維(炭化珪素繊維、
アルミナ繊維など)、金属繊維などの繊維類や、ケイ
砂、ケイ石、砂利、川砂、海砂、砕石、カーボン ブラ
ック、アセチレンブラック、松煙、黒鉛、アイボリーブ
ラック、ボーンブラック、パインブラック、酸化チタ
ン、酸化鉄黒、マンガン黒、イルメナイト黒、黄鉛、カ
ドミウム黄、亜鉛黄、シアナミド鉛、ネープルス黄、ウ
ルトラマリン黄、雄黄、朱、カドミウム赤、アンチモン
赤、ベンガラ、ウルトラマリンレッド、ウルトラマリン
バイオレット、コバルトバイオレット、マンガンバイオ
レット、プルシアンブルー、コバルト青、酸化クロム
緑、ギネー緑、クロム緑、亜鉛緑、緑土、緑青、花緑
青、酸化鉄黄、オーカー、シーンナ、アンバー、ホワイ
トカーボン、合成ケイ酸塩、無定形シリカ、白亜、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、ごふ
ん、バライト粉、硫酸バリウム、クレイ、との粉、地の
粉、タルク、シリカ、ガラス粉、けい石粉、けいそう
土、アスベスト、ワラストナイト、ケイ酸カルシウム、
アルミナ、石膏、アルミニウム粉、ブロンズ粉、鉛丹、
シアナミド鉛、クロム酸鉛、硫酸鉛、亜鉛末、亜酸化
鉛、MO・Fe23(MはBa、Sr、Ca、Mg、Z
n及びPbの一種または2種以上)よりなるフェライト
磁性粉末、サマリウムコバルト、ネオジウム鉄コバル
ト、ジルコニウムコバルト、アルミニウム、鉄、亜鉛、
銅、銀、ニッケル、タングステン、モリブデン、レニウ
ム、ニオブ、タンタル、鉛などの金属、等を挙げること
ができる。これらのなかでも、特に、繊維類炭素、金属
水酸化物、金属酸化物、金属、炭酸塩、硫酸塩、クロム
酸塩、ケイ酸塩、磁性粉などが本発明の表面処理剤によ
る処理効果が大きい。
【0038】なお、充填剤の形状は球状、棒状、板状、
針状等が挙げられるが、本発明の表面処理剤による処理
に際しては、形状には特別の制限はない。充填剤の粒径
についても、特別の制限はないが、1mm以下で特に処
理効果が著しい。また、上記の充填剤は、単独にもしく
は2種類以上を併用してもなんら差し支えない。
【0039】本発明の充填剤用表面処理剤による充填剤
の表面処理方法としては、例えば、(1)充填剤に充填
剤用表面処理剤をそのまま添加し、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリ
ミキサーなどの攪拌機を用いて表面処理をする乾式法、
(2)有機溶剤に充填剤用表面処理剤と充填剤を加えて
攪拌混合後、溶剤を除去する湿式法、等を挙げることが
できる。また、(3)後で説明する合成樹脂に、充填剤
および充填剤用表面処理剤を、場合によっては粘度を調
整するために溶剤をも加え、インテグラルブレンド法を
用いて処理することも可能である。このようにして、本
発明の表面処理充填剤が得られるのである。
【0040】充填剤の表面処理方法の中の上記湿式法
(2)で用いられる溶剤としては、本発明の充填剤用表
面処理剤の有効成分である二重結合を分子内に有するリ
ン化合物の塩の製造の際に用いられる前述の溶剤を用い
ることができる。
【0041】充填剤を上のようにして表面処理する際の
本発明の表面処理剤の使用量は、有効成分の二重結合を
分子内に有するリン化合物の塩換算で、特別の制限はな
いが、好ましくは(無機)充填剤100重量部に対して
0.1〜10重量部であり、その中でも特に好ましくは
0.5〜5重量部である。10重量部以上であっても樹
脂組成物を成形硬化して得られる硬化樹脂成型物の機械
的強度は向上せず、また0.1重量部以下では期待した
効果は得られない。
【0042】 本発明の複合成形材料用樹脂組成
物、延いては硬化樹脂成型物の原料である樹脂は、これ
には特別の制限はなく、アクリル系樹脂、フェノール系
樹脂、ブチル尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ系樹
脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステルなどのポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化
ビニル、酢酸ビニルなどのビニル系樹脂、ニトロセルロ
ース樹脂などのセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、石
油系樹脂、フッ素樹脂、アリル樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム等、複合樹脂
成形材料の分野で通常用いられる用いられる合成樹脂ま
たは天然樹脂を挙げることができる。
【0043】これらの中でも、(1)ラジカルにより重
合可能なアクリル系、不飽和ポリエステル系、ビニルエ
ステル系、アリル系などの合成樹脂や、(2)加硫を行
うイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピ
レンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどのゴ
ム類の合成樹脂が、本発明の硬化樹脂成型物に対する機
械的強度付与の点で効果が大きい。本発明の充填剤用表
面処理剤(の有効成分であるリン化合物の塩)は、特に
樹脂成型物に対する強度付与、加工性付与の点で優れる
ため、上記(1)の合成樹脂を用いて作製する複合成形
材料では硬化促進剤を使用する場合は、硬化不良なく、
物性向上が可能の理由により、また(2)の合成樹脂を
用いて作製する複合成形材料では加硫を行う場合は、加
硫時間を遅らせることなく、物性向上が可能の理由によ
り、これらの場合に使用すると目的の効果を容易に得る
ことができる。
【0044】本発明の複合成形材料用樹脂組成物を調製
する具体的な方法は、以下に説明するとおりである。
【0045】樹脂材料として、例えば、ラジカルにより
重合可能な、前記アクリル系、不飽和ポリエステル系、
ビニルエステル系、アリル系などの合成樹脂を用いる場
合、(1)合成樹脂に、これの100重量部に対して乾
式法または湿式法で前処理した充填剤を50〜500重
量部の割合で加え、更に必要に応じて粘度調整のために
反応性溶剤をも100重量部以下の割合で加え、これを
ホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バンバリミキサ
ー、ロール、インターナルミキサー等の攪拌機で攪拌し
て得る方法、(2)合成樹脂に、これの100重量部に
対して未処理の充填剤を50〜500重量部、表面処理
剤を有効成分である二重結合を分子内に有するリン化合
物の塩換算で、充填剤に対して0.1〜10重量%、及
び必要に応じて反応性溶剤を100重量部以下の割合で
加え、これをホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バ
ンバリミキサー、ロール、インターナルミキサー等の攪
拌機で攪拌して得る方法(この方法の場合、表面処理充
填剤はその場で(in situ)で作成される)、などがあ
る。なお、(3)これらの調製時において、表面処理剤
は、その有効成分である二重結合を分子内に有するリン
化合物の塩の所要量をすべて同時に使用する必要はな
く、一部を充填剤の前処理時に用い、残部を樹脂組成物
調製時に添加使用することもできる。
【0046】また、加硫を行う、前記イソプレンゴムな
どゴムの合成樹脂を用いる場合、(1)合成樹脂に、こ
れの100重量部に対して乾式法または湿式法で前処理
した充填剤を10〜300重量部の割合で加え、これを
ホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バンバリミキサ
ー、ロール、インターナルミキサー等の攪拌機で攪拌し
て得る方法、(2)合成樹脂に、これの100重量部に
対して未処理の充填剤を10〜300重量部及び充填剤
用表面処理剤を有効成分である二重結合を分子内に有す
るリン化合物の塩換算で、充填剤に対して0.1〜10
重量%加え、これをホモミキサー、らいかい機、ニーダ
ー、バンバリミキサー、ロール、インターナルミキサー
等の攪拌機で攪拌して得る方法などがある。なお、
(3)これらの調製時において、用いる充填剤用表面処
理剤は、その所要量をすべて同時に使用する必要はな
く、上におけると同じように、一部を充填剤の前処理時
に用い、残部を樹脂組成物調製時に添加使用することも
できる。
【0047】本発明の硬化樹脂成型物は上記複合成形材
料用樹脂組成物を硬化または加硫処理に付して得られる
が、硬化または加硫の方法そのものについては、特別の
制限はなく、従来知られている各種の方法を用いること
ができる。例えば、光(紫外線、可視光など)、熱、電
子線、高エネルギー放射線などを使用する方法、ルイス
酸、プロトン酸、アルカリ金属などのイオン重合開始剤
による方法、等を採用することができる。これらの方法
において、適宜、アセトフェノン系等の光増感剤を併用
することもできる。
【0048】熱硬化を行う際には、熱硬化用硬化剤を併
用することのできることは、もちろんである。そのよう
な熱硬化剤としては、例えば、下記のものを挙げること
ができる。即ち、メチルエチルケトンパーオキシドなど
のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキサイドな
どのジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類、
1,1−ビス(t−ブチルパーロキシ)シクロヘキサン
などのパーオキシケタール類、t−ブチルヒドロパーオ
キシド等のヒドロパーオキシド類、t−ブチルパーオキ
シピバレートなどのパーオキシエステル類、等の有機過
酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合
物、及び過酸化水素−第一鉄塩などの無機過酸化物を挙
げることができる。これらの熱硬化剤は、単独にもしく
は2種類以上を併用することもできる。また、熱硬化用
硬化剤の使用量は、合成樹脂100重量部に対して、
0.1〜10重量部の割合とすることができる。
【0049】さらに、熱硬化用硬化剤として、有機過酸
化物を用いる際に樹脂組成物の重合を促進させたり、低
温で硬化を進行させるために硬化促進剤(常温硬化触
媒)を用いてもよい。このような硬化促進剤としては、
具体的には、ナフテン酸コバルトなどの有機酸塩類、ジ
メチルアニリンなどの芳香族三級アミン類、2,2−
(フェニルイミノ)ジエタノールなどのアルコール類、
p−クロロベンゼンスルフィン酸などのスルフィン酸類
およびスルフィン酸塩類、バナジウムなどの金属石けん
類、メルカプタン化合物類、等が挙げられる。硬化促進
剤の使用量は、熱硬化用硬化剤100重量部に対して5
〜200重量部の割合とすることができる。
【0050】本発明の前記複合成形材料用樹脂組成物を
加硫処理して硬化樹脂成型物を得る場合は、加硫剤、上
記の有機過酸化物など(非硫黄加硫剤)が用いられる。
このような加硫剤(広義)としては、硫黄、硫黄華、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、セレンなその無機系加硫
剤、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジス
ルフィドなどの含硫黄有機化合物、p−キノンオキシ
ム、p,p−ジベンゾイルキノンオキシムなどのオキシ
ム類、ポリ−p−ジニトロソベンゼンなどのジニトロソ
類、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン
などのポリアミン類、前記有機過酸化物、無機過酸化
物、等を挙げることができる。これらの加硫剤は、それ
ぞれを単独にもしくは2種類以上用いることもできる。
また、加硫剤の添加使用量は、合成樹脂100重量部に
対して、0.5〜10重量部の割合とすることができ
る。
【0051】加硫を行う場合に加硫促進剤を用いてもよ
い。このような加硫促進剤としては、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、一酸化鉛、四三酸化鉛、炭酸亜鉛、水酸化
カルシウムなどの無機系加硫促進剤、ステアリン酸、オ
レイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸類、それらの亜鉛
などの塩類、モノエタノールアミン、ジブチルアミンな
どのアミン類等の有機系加硫促進剤が挙げられる。これ
らの加硫促進剤は、加硫剤とともに、それぞれ単独にも
しくは2種類以上を併用して加硫を行う。また、加硫促
進剤の使用量は、合成樹脂100重量部に対して0.1
〜5重量部の割合とすることができる。
【0052】本発明の複合成形材料用樹脂組成物を、上
に説明したような硬化または加硫処理に付して本発明の
硬化樹脂成型物を作成するには、例えば、次のようにす
る。 (1)熱硬化成形により行う場合、上記方法で作成した
樹脂組成物を成形型に流し込む。この際、必要に応じて
バイブレーターを使用するとよい。数分放置したのち、
40〜150℃で数時間加熱することにより硬化樹脂成
型物を得ることができる。(2)加硫成形により行う場
合、上記方法で作成した樹脂組成物をロール成形機、プ
レス成形機、缶加硫成形機、押出し成形機、トランスフ
ァー成形機、射出成形機などを用い、樹脂組成物を温度
100〜200℃に1〜120分間保持すると加硫硬化
樹脂成形物を得ることができる。
【0053】本発明の充填剤用表面処理剤に基づく効果
は、以下の機構で発現すると考えられる。すなわち、本
発明の充填剤用表面処理剤は、充填剤に親和性があり、
速やかにその表面に吸着する。また、本発明の表面処理
剤は、合成樹脂や溶剤などの有機マトリクスとの濡れ性
が良好なため、(加硫)硬化後の硬化樹脂成型物の加撓
性が向上する。さらに、本発明の表面処理剤の有効成分
である分子内に二重結合を有するリン化合物の塩は、末
端に樹脂や溶剤成分と反応可能な二重結合を有している
ので、硬化後の樹脂成型物の剛性も向上する。
【0054】本発明は、その実施様態の形態として、上
記充填剤用表面処理剤の組成物、上記充填剤用表面処理
剤で処理した充填剤、上記充填剤用表面処理剤、充填剤
および合成樹脂からなる樹脂組成物、さらにこれを硬化
して得られる硬化樹脂成型物を包含する。
【0055】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、以下の実施例は、本発明の範囲を限定するも
のではなく、本発明の本質をより明確に例示するための
ものである。
【0056】実施例1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学(株)
製)に、このもの2モルに対して五酸化リン(P25
純正化学(株)製)を1モルの割合で反応させ、さらに
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(ACI(株)
製「HELOXY116」)を1モルの割合で反応さ
せ、さらにトリ−n−オクチルアミン(純正化学(株)
製、試薬特級)を0.5モルの割合で反応させることに
より表面処理剤1を得た。
【0057】なお、本実施例1における反応温度は25
℃であり、以下の実施例2〜7の反応も25℃で行っ
た。
【0058】実施例2 ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂
(株)製「ブレンマーPE−200」、平均ポリエチレ
ングリコール数4)に、このもの2モルに対して五酸化
リン(P25、純正化学(株)製)を1モルの割合で反
応させ、さらにクレジルグリシジルエーテル(ACI
(株)製「HELOXY62」)を1モルの割合で反応
させ、さらにトリエタノールアミン(三井東圧(株)
製)0.5モルの割合で反応させることにより表面処理
剤2を得た。
【0059】実施例3 酸性リン酸エステル(日本火薬(株)製(2−メタクリ
ロキシエチル)−ハイドロジェンジホスフェート「KA
YAMER PM−1」)に、このもの1モルに対して
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(ACI(株)
製「HELOXY116」)を1モルの割合で反応さ
せ、さらにポリオキシエチレンオクタデシルアミン(日
本油脂(株)製「ナイミーンS−215」)を0.5モ
ルの割合で反応させることにより表面処理剤3を得た。
【0060】実施例4 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(純正化学(株)
製)に、このもの2モルに対して五酸化リン(P25
純正化学(株)製)を1モルの割合で反応させ、さらに
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(ACI(株)
製「HELOXY116」)を1モルの割合で反応さ
せ、さらにポリオキシエチレンドデシルアミン(日本油
脂(株)製「ナイミーンL−202」)を1.0モルの
割合で反応させることにより表面処理剤4を得た。
【0061】実施例5 酸性リン酸エステル(日本火薬(株)製(2−メタクリ
ロキシエチル)−ハイドロジェンジホスフェート「KA
YAMER PM−1」)1モルと2−エチルヘキシル
アシッドホスフェート(堺化学(株)「製フォスレック
スA−8」)0.2モルにポリオキシエチレンドデシル
アミン(日本油脂(株)製「ナイミーンL−207」)
1.2モルを反応させることにより表面処理剤5を得
た。
【0062】実施例6 酸性リン酸エステル(日本火薬(株)製(2−メタクリ
ロキシエチル)−ハイドロジェンジホスフェート「KA
YAMER PM−1」)1モルと2−エチルヘキシル
アシッドホスフェート(堺化学(株)製「フォスレック
スA−8」)0.2モルにポリオキシエチレンドデシル
アミン(日本油脂(株)製「ナイミーンL−207」)
0.6モルを反応させることにより表面処理剤6を得
た。
【0063】実施例7 酸性リン酸エステル(日本火薬(株)製「KAYAME
R PM−21」(下記化学式(X)で表される化合
物)1モルにトリエタノールアミン(三井東圧(株)
製)0.5モルを反応させることにより表面処理剤7を
得た。
【0064】
【化12】
【0065】なお、以下、各実施例及び比較例における
「部」は、いずれも、重量部を意味する。
【0066】(人工大理石における評価) 実施例8 不飽和ポリエステル(武田薬品工業(株)製「ポリマー
ル6316」)240部、スチレン(純正化学(株)
製、試薬1級、反応性溶剤)60部および硬化促進剤
(大日本インキ化学工業(株)製「5%ナフテン酸コバ
ルト」)0.525部をプロペラ式撹拌機で撹拌しなが
ら水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製「ハイジライ
トH−310」)400部、硬化剤(日本油脂(株)製
「パーメックN」)3部および表面処理剤1(実施例1
で作成)4部をこの順番に添加した(この間10分)。
この混合物は、その後さらに30分撹拌し、B型(ブル
ックフィールド)粘度計で粘度を測定した(25℃)。
結果を下記第1表に示す。
【0067】これをシリコンゴム製のダンベル2号試験
片の型に流し込み、25℃で48時間放置し硬化した。
得られた成型物を25℃のデシケータ中に2日間保存し
た後、引っ張り試験(オリエンテック(株)製「RTM
−500」使用)を行った。この結果も下記第1表に示
す。
【0068】実施例9〜14 表面処理剤1の代わりに上記実施例2〜7で作成した表
面処理剤2〜7を使用したこと以外は実施例8における
と同じ試験をした。結果を下記第1表に示す。
【0069】
【表1】
【0070】実施例15 水酸化アルミニウム400部および表面処理剤1(実施
例1で作成)4部の代わりに、表面処理剤1を4部用い
てあらかじめヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)
で乾式処理をした水酸化アルミニウム400部を用いた
こと以外は実施例8におけると同じ操作を行い、同じ試
験をした。結果を下記第2表に示す。
【0071】実施例16〜17 表面処理剤1の代わりに表面処理剤3または5(実施例
3または5で作成)を使用したこと以外は実施例15に
おけると同じ操作を行い、同じ試験をした。結果を下記
第2表に示す。
【0072】
【表2】
【0073】比較例1 表面処理剤1を使用しなかったこと以外は実施例8にお
けると同じ操作を行い。同じ試験をした。結果を下記第
3表に示す。
【0074】比較例2 表面処理剤1の代わりにγ−メタクリロイルプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−17
4」)を使用したこと以外は実施例8におけると同じ操
作を行い、同じ試験をした。結果を下記第3表に示す。
【0075】比較例3 表面処理剤1の代わりに2−エチルヘキシルアシッドホ
スフェート(堺化学(株)製「A−8」)を使用したこ
と以外は実施例8におけると同じ操作を行い、同じ試験
をした。結果を下記第3表に示す。
【0076】比較例4 表面処理剤1の代わりに酸性リン酸エステル(日本火薬
(株)製(2−メタクリロキシエチル)−ハイドロジェ
ンジホスフェート「KAYAMER PM−1」を使用
したこと以外は実施例8におけると同じ操作を行い、同
じ試験をした。結果を下記第3表に示す。
【0077】比較例5 表面処理剤1の代わりにγ−メタクリロイルプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−17
4」)を使用したこと以外は実施例15におけると同じ
操作を行い、同じ試験をした。結果を下記第3表に示
す。
【0078】比較例6 表面処理剤1の代わりに2−エチルヘキシルアシッドホ
スフェート(堺化学(株)製「A−8」)を使用したこ
と以外は実施例15におけると同じ操作を行い、同じ試
験をした。結果を下記第3表に示す。
【0079】
【表3】
【0080】(ゴムにおける評価) 実施例18 ミキシングロール(6インチ)を使用し、EPDM(=
エチレンプロピレンジシクロペンタジエン)(日本合成
ゴム(株)製 「EP−21」)100部を1分間、4
0℃で素練りし、これにカーボンブラック(東海カーボ
ン(株)製「シースト#3」)60部、炭酸カルシウム
(白石カルシウム(株)製「ブリリアント#150
0」)20部、プロセスオイル(ジャパンエナジー
(株)製「R−25」)50部および表面処理剤1(実
施例1で作成)1.6部の混合物を少量ずつ添加した
(この間約10分)。混合物を全量添加後、2回切り返
し、さらにステアリン酸(花王(株)製「ルナックS−
30」)1部、硫黄(試薬1級)1.5部、酸化亜鉛
(白水化学(株)製「酸化亜鉛1号」)5部、加硫促進
剤TMTM(=テトラメチルチウムモノスルフィド)
(川口化学(株)製「アクセルTS」)1.5部および
加硫促進剤MBT(=2−ベンゾチアゾイルジスルフィ
ド)(川口化学(株)製「アクセルDM」)0.5部の
混合物を少量ずつ添加し(約3分)、全量添加後、5回
切り返した。
【0081】これを70トン自動プレスで160℃、3
0分、20kg/cm2(ゲージ圧)の条件で加硫し、JIS
2号ダンベル試験片を打ち抜き、引っ張り試験(オリエ
ンテック(株)製「RTM−500」使用)を実施し
た。加硫時の最大トルク(kg・m)、加硫時間(sec)、
300%モジュラス(すなわち、300%伸長時の引張
応力)および引っ張り強度(破断伸び)についての結果
を下記第4表に示す。
【0082】実施例19〜24 表面処理剤1の代わりに表面処理剤2〜7(実施例2〜
7において作成)を使用したこと以外は実施例18にお
けると同じ操作をし、同じ試験をした。結果を下記第4
表に示す。
【0083】
【表4】
【0084】実施例25 カーボンブラック(東海カーボン(株)製「シースト#
3」)60部、炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)
製「ブリリアント#1500」)20部および表面処理
剤1(実施例1で作成)1.6部を使用する代わりに、
表面処理剤1で湿式処理を行ったカーボンブラック60
部と表面処理剤1で湿式処理を行った炭酸カルシウム2
0部を用いた以外は実施例18におけると同様に操作
し、同じ試験をした。結果を下記第5表に示す。
【0085】なお、湿式処理は、ナスフラスコにアセト
ン120部、カーボンブラック(東海カーボン(株)製
「シースト#3」)60部及び表面処理剤1(実施例1
で作成)1.2部、そして別のナスフラスコにアセトン
40部、炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製「ブ
リリアント#1500」)20部及び表面処理剤1(実
施例1で作成)1.6部を入れ、それぞれ、50℃で減
圧乾燥して行った。
【0086】実施例26〜28 表面処理剤1の代わりに表面処理剤2、6または7(実
施例2、6または7で作成)を使用したこと以外は実施
例25におけると同じ操作を行い、同じ試験をした。結
果を下記第5表に示す。
【0087】
【表5】
【0088】比較例7 表面処理剤1を使用しなかったこと以外は実施例18に
おけると同じ操作をし、同じ試験をした。結果を下記第
6表に示す。
【0089】比較例8 表面処理剤1の代わりにγ−メタクリロイルプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−17
4」)を使用したこと以外は実施例18におけると同じ
操作をし、同じ試験をした。結果を下記第6表に示す。
【0090】比較例9 表面処理剤1の代わりに2−エチルヘキシルアシッドホ
スフェート(堺化学(株)製「A−8」)を使用したこ
と以外は実施例18におけると同じ操作をし、同じ試験
をした。結果を下記第6表に示す。
【0091】比較例10 表面処理剤1の代わりに酸性リン酸エステル(日本火薬
(株)製(2−メタクリロキシエチル)−ハイドロジェ
ンジホスフェート「KAYAMER PM−1」)を使
用したこと以外は実施例18におけると同じ操作をし、
同じ試験をした。結果を下記第6表に示す。
【0092】比較例11 表面処理剤1の代わりにγ−メタクリロイルプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−17
4」)を使用したこと以外は実施例25におけると同じ
操作をし、同じ試験をした。結果を下記第6表に示す。
【0093】比較例12 表面処理剤1の代わりに2−エチルヘキシルアシッドホ
スフェート(堺化学(株)製「A−8」)を使用したこ
と以外は実施例25におけると同じ操作をし、同じ試験
をした。結果を下記第6表に示す。
【0094】比較例13 表面処理剤1の代わりに酸性リン酸エステル(日本火薬
(株)製(2−メタクリロキシエチル)−ハイドロジェ
ンジホスフェート「KAYAMER PM−1」)を使
用したこと以外は実施例25におけると同じ操作をし、
同じ試験をした。結果を下記第6表に示す。
【0095】
【表6】
【0096】
【発明の効果】本発明により、充填剤用表面活性剤によ
り表面処理した充填剤を配合した樹脂組成物を硬化して
機械的強度(剛性および可撓性)に優れた硬化樹脂成形
物を容易に作成し得るところとなった。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重結合を分子内に有するリン化合物の
    塩を有効成分として含有することを特徴とする充填剤用
    表面処理剤。
  2. 【請求項2】 二重結合を分子内に有するリン化合物の
    塩が、1分子内に下記一般式(I)および(III)で
    表される基を有するリン酸エステル化合物(1)の塩、
    1分子内に下記一般式(II)および(III)で表さ
    れる基を有するリン酸エステル化合物(2)の塩、1分
    子内に下記一般式(I)および(III)で表される基
    を有するピロリン酸エステル化合物(3)の塩、1分子
    内に下記一般式(II)および(III)で表される基
    を有するピロリン酸エステル化合物(4)の塩、1分子
    内に下記一般式(I)および(IV)で表される基を有
    するピロリン酸エステル化合物(5)の塩、1分子内に
    下記一般式(II)および(IV)で表される基を有す
    るピロリン酸エステル化合物(6)の塩、1分子内に下
    記一般式(I)および(IV)で表される基を有し、か
    つ同一の分子内にリン原子を2個有するリン酸エステル
    化合物(7)の塩、並びに1分子内に下記一般式(I
    I)および(IV)で表される基を有し、かつ同一の分
    子内にリン原子を2個有するリン酸エステル化合物
    (8)の塩から選ばれるいずれか少なくとも1つの塩で
    あることを特徴とする請求項1記載の充填剤用表面処理
    剤。 【化1】 上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、Hまたは
    CH3を、R3はHまたはCH3を、R4はアリール基また
    は炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基
    を、ZはOまたはH2を、WはOまたはH2を、YはO、
    OCOまたはCH2を、nは0〜20の整数を、mは0
    〜10の整数を、そしてjは0または1を表す。但し、
    ZがOでm=0の場合n=1〜20であり、ZがOでm
    =1〜10の場合はn=1であり、ZがH2でm=0の
    場合n=0〜20であり、そしてZがH2でm=1〜1
    0の場合n=0である。
  3. 【請求項3】 リン酸エステル化合物の塩が、オキシ塩
    化リンに、これ1モルに対して水(H20)をqモル、
    下記一般式(A)で表される化合物をpモルおよび下記
    一般式(B)で表される化合物を(3−p−q)モルの
    割合で反応させ、さらに下記一般式(C)で表される化
    合物をrモルの割合で反応させて得られる化合物(但
    し、p、qおよびrは、それぞれ、0<p≦3、0≦q
    <3、0<p+q≦3および0≦r≦qを満たす)の塩
    であることを特徴とする請求項2に記載の充填剤用表面
    処理剤。 【化2】 上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、Hまたは
    CH3を、ZはOまたはH2を、nは0〜20の整数を、
    mは0〜10の整数を、R5はアリール基、炭素原子数
    1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基、3−アルコキ
    シ−2−ヒドロキシプロピル基、または3−アリルオキ
    シ−2−ヒドロキシプロキル基を、R6は炭素原子数1
    〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基、アリール基、ア
    リル基、2−メチルアリル基、メタクリロイル基、また
    はアクリロイル基を、そしてYはO、CH2またはOC
    Oを表す。但し、ZがOでm=0の場合n=1〜20で
    あリ、ZがOでm=1〜10の場合はn=1であり、Z
    がH2でm=0の場合n=0〜20であり、そしてZが
    2でm=1〜10の場合n=0である。また、YがC
    2またはOCOのとき、R6は、アリル基、2−メチル
    アリル基、メタクリロイル基およぴアクリロイル基のい
    ずれでもない。
  4. 【請求項4】 ピロリン酸エステル化合物の塩が、五酸
    化リンに、これ1モルに対して下記一般式(A)で表さ
    れる化合物をuモルおよび下記一般式(B)で表される
    化合物を(2−s)モルの割合で反応させ、さらに下記
    一般式(C)で表される化合物をtモルの割合で反応さ
    せて得られる化合物(但し、uおよびvは、それぞれ、
    0<u≦2および0≦v≦2を満たす)の塩であるか、
    またはオキシ塩化リンに、これ1モルに対して水(H2
    0)を(3−a−b−c)モル、下記一般式(A)で表
    される化合物をaモル、下記一般式(B)で表される化
    合物をbモルおよび下記一般式(C)で表される化合物
    をcモルの割合で反応させたものと、オキシ塩化リン
    に、これ1モルに対して水(H20)を(3−d−e−
    f)モル、下記一般式(A)で表される化合物をdモ
    ル、下記一般式(B)で表される化合物をeモルおよび
    下記一般式(D)で表される化合物をfモルの割合で反
    応させたものとを混合し、そして脱水剤にて水(H
    20)を1モルの割合で除去させて得られる化合物(但
    しa〜fは、それぞれ、1≦a+b+c≦2、0<a+
    d≦2、1≦d+e+f≦2、0≦b<2、0≦c<
    2、0≦d<2、かつ0≦f<2を満たす)の塩である
    ことを特徴とする請求項2記載の充填剤用表面処理剤。 【化3】 上記式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、Hまたは
    CH3を、ZはOまたはH2を、nは0〜20の整数を、
    mは0〜10の整数を、R5はアリール基、炭素原子数
    1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基、3−アルコキ
    シ−2−ヒドロキシプロピル基、または3−アリルオキ
    シ−2−ヒドロキシプロピル基を、Rは炭素原子数1
    〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基、アリール基、ア
    リル基、2−メチルアリル基、メタクリロイル基、また
    はアクリロイル基を、YはO、CHまたはOCOを、
    7は炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル
    オキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、2−メ
    チルアリル基、メタクリロイル基またはアクリロイル基
    を、そしてhは0または1を表す。但し、ZがOでm=
    0の場合n=1〜20であり、ZがOでm=1〜10の
    場合はn=1であり、ZがH2でm=0の場合n=0〜
    20であリ、そしてZがH2で、m=1〜10の場合n
    =0である。また、YがCH2またはOCOのとき、R6
    は、アリル基、2−メチルアリル基、メタクリロイル基
    およぴアクリロイル基のいずれでもない。
  5. 【請求項5】二重結合を分子内に有するリン化合物の塩
    が下記一般式(V)で表される塩であることを特徴とす
    る請求項1記載の充填剤用表面処理剤。 【化4】 上記式中、R1よびR2は、それぞれ独立に、Hまたは
    CH3を、ZはOまたはH2を、nは0〜20の整数を、
    mは0〜10の整数を、gは1または2の整数を、そし
    てXは4級アミノ基、Ca2+、Mg2+、Li+、Na+
    またはK+を表す。
  6. 【請求項6】 二重結合を分子内に有するリン化合物の
    塩が下記一般式(VI)で表される官能基を含むもので
    あることを特徴とする請求項1〜5記載の充填剤用表面
    処理剤。 【化5】 上記式中、R8およびR9は炭素原子数1〜20の直鎖ま
    たは分岐アルキル基を、xは1〜20の整数を、そして
    u、vおよびwは、それぞれ、正の数で、u+v+w=
    3を満たす。
  7. 【請求項7】 充填剤が無機化合物であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の充填剤用表面処理
    剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の表面処
    理剤で処理されたことを特徴とする表面処理充填剤。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の表面処理充填剤および樹
    脂からなることを特徴とする複合成形材料用樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の樹脂組成物にさらに常
    温硬化触媒又は加硫触媒を配合してなることを特徴とす
    る複合成形材料用樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 二重結合を分子内に有するリン化合物
    の塩に加えて、界面活性剤、シランカップリング剤及び
    硬化剤または加硫剤から選ばれる一以上をも含有するこ
    とを特徴とする請求項9または10に記載の樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれかに記載の樹
    脂組成物を成形硬化してなることを特徴とする硬化樹脂
    成型物。
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